JP2012204929A - 受信装置および受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】データを効率的に多重化する技術を提供する。
【解決手段】複数のキャリア再生部50は、回転角度と1対1で対応づけられ、入力した信号をもとに、互いに異なった回転角度に対するキャリア再生をそれぞれ実行する。複数の直交検波部42は、回転角度と1対1で対応づけられ、複数のキャリア再生部50のうち、同一の回転角度に対応したキャリア再生部50において再生されたキャリアによって、入力した信号をそれぞれ検波する。複数のデマッピング部52は、回転角度と1対1で対応づけられ、複数の直交検波部42のうち、同一の回転角度に対応した直交検波部42において検波した信号に対してデマッピングを実行する。決定部48は、入力した信号に対する回転角度を推定することによって、第2のデータを決定する。シンボル選択部54は、推定した回転角度をもとに、複数の第1のデータのうち、いずれかを選択する。
【選択図】図7

Description

本発明は、通信技術に関し、特にデジタル変調した信号によって通信を実行する受信装置および受信方法に関する。
無線通信におけるデジタル変調は、デジタル信号でキャリアを変調する変調方式である。デジタル変調のうちのひとつが、位相変調(PSK:Phase Shift Keying)であり、位相変調では、一定周波数のキャリアの位相を変化させることで変調がなされる。また、位相変調のひとつが、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)である。π/4シフトQPSKは、QPSKのI軸とQ軸を1シンボル周期ごとにπ/4ずつシフトさせる方式である。この方式では信号点がゼロ点を通過しないため、受信にリミッタを使うことができる。その結果、π/4シフトQPSKでは、増幅器の線形条件が緩和される。π/4シフトQPSKは、デジタル移動体通信などに使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−132996号公報
デジタル変調がなされる無線通信において、多重伝送を実行すべき場合がある。多重伝送とは、ひとつの伝送路で複数の情報を送ることであり、多重化とも呼ばれる。多重伝送として、例えば、FDM(Frequency−division multiplexing)やTDM(Time−division multiplexing)が使用されている。FDM伝送では、周波数帯域を分割することによって、主データ(データ1)と副データ(データ2)とが多重化される。TDM伝送では、時間をスロット等によって分割することによって、主データ(データ1)と副データ(データ2)とが多重化される。また、デジタル放送に導入されている階層伝送などは、これらの技術の応用である。このような多重伝送技術は、周波数帯域幅や変調方式を固定した場合に、周波数帯域や時間を分割している。そのため、多重伝送における主データや副データは、固定された周波数帯域幅や変調方式によって実現される最大伝送速度を分割して使用する。多重伝送における主データや副データの伝送速度を増加させるためには、効率的な多重化が望まれる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、データを効率的に多重化する技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の受信装置は、第1のデータの値と、第1コンスタレーション中の信号点の位置との対応関係である第1の対応関係、あるいは第1コンスタレーションの軸を所定の角度回転させた軸のコンスタレーションである第2コンスタレーションの軸に対して相対的に第1の対応関係と同一になるような第2の対応関係のいずれかにしたがって、マッピングされたシンボルを含む信号を外部から受信する受信部と、第1の対応関係と第2の対応関係と1対1で対応づけられ、受信部において受信した信号をもとに、第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対するキャリア再生を実行する複数のキャリア再生部と、第1の対応関係と第2の対応関係と1対1で対応づけられ、複数のキャリア再生部のうち、同一の対応関係に対応したキャリア再生部において再生されたキャリアによって、受信部において受信した信号をそれぞれ検波する複数の検波部と、第1の対応関係と第2の対応関係と1対1で対応づけられ、複数の検波部のうち、同一の対応関係に対応した検波部において検波した信号に対してデマッピングを実行することによって、それぞれの対応関係の第1のデータを生成する複数のデマッピング部と、受信部において受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度に基づいて、第2のデータを決定する決定部と、受信部において受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度をもとに、複数のデマッピング部が並列してデマッピングした第1のデータのうち、いずれかを選択する選択部と、を備える。
この態様によると、コンスタレーションの回転角度を推定することによって第2のデータを取得するとともに、コンスタレーション上の信号点の位置を特定することによって第1のデータを取得するので、効率的に多重化された2種類のデータを受信できる。
複数のキャリア再生部のうち、決定部において推定した回転角度に対応したキャリア再生部は、再生したキャリアを他のキャリア再生部に引き継がせる。この場合、再生したキャリアの引継がなされるので、推定した回転角度に対応していないキャリア再生部であっても、将来的に正確なキャリアを出力できる。
複数のデマッピング部のそれぞれは、シンボル単位にデマッピングを実行し、決定部は、第1のデータの間隔に対する第2のデータの間隔に応じた複数のシンボル単位に回転角度を推定してもよい。この場合、複数のシンボル単位に回転角度を推定するので、回転角度の推定精度を向上できる。
決定部は、回転角度ごとに、検波部において検波した信号でのシンボルにおける信号点の位置と、コンスタレーションに含まれた信号点の位置との誤差に対して、第1のデータの間隔に対する第2のデータの間隔に応じた複数のシンボルの期間以下の期間にわたった統計処理を実行し、回転角度ごとの統計処理結果を比較することによって、回転角度を推定してもよい。この場合、複数のシンボルの期間以下の期間にわたって統計処理を実行するので、回転角度の推定精度を向上できる。
本発明の別の態様は、受信方法である。この方法は、第1のデータの値と、第1コンスタレーション中の信号点の位置との対応関係である第1の対応関係、あるいは第1コンスタレーションの軸を所定の角度回転させた軸のコンスタレーションである第2コンスタレーションの軸に対して相対的に第1の対応関係と同一になるような第2の対応関係のいずれかにしたがって、マッピングされたシンボルを含む信号を外部から受信するステップと、受信した信号をもとに、第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対するキャリア再生を実行するステップと、第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対応して再生されたキャリアによって、受信した信号をそれぞれ検波するステップと、第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対応して検波した信号に対してデマッピングを実行することによって、それぞれの対応関係の第1のデータを生成するステップと、受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度に基づいて、第2のデータを決定するステップと、受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度をもとに、並列してデマッピングした複数の第1のデータのうち、いずれかを選択するステップと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、データを効率的に多重化できる。
本発明の実施例1に係る通信システムの構成を示す図である。 図1の送信装置の構成を示す図である。 図3(a)−(b)は、図2の送信装置において使用されるコンスタレーションを示す図である。 図2の特定部において記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。 図2の選択部から出力される信号の構成を示す図である。 図2の選択部から出力される信号の別の構成を示す図である。 図1の受信装置の構成を示す図である。 図8(a)−(b)は、図7のキャリア再生部において記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。 図9(a)−(b)は、図7の決定部における位相誤差値の時間変化を示す図である。 本発明の実施例2に係る受信装置の構成を示す図である。 図11(a)−(c)は、図10の決定部における位相誤差値の時間変化を示す図である。
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例1は、デジタル変調された信号(以下、「デジタル変調信号」という)を送信する送信装置と、デジタル変調信号を受信する受信装置とによって構成される通信システムに関する。このような通信システムによって、映像音声あるいはデータの伝送、撮像装置と中継装置間の伝送や衛星を用いた配信、家庭内の機器間におけるコンテンツデータ伝送、端末装置間の通信がなされる。ここで、送信装置は、複数種類のデータを送信対象として入力し、それらを多重化することによってデジタル変調信号を生成する。また、受信装置は、デジタル変調信号に多重化された複数種類のデータを分離する。多重化された各データの伝送速度の低下を抑制するために、データを効率的に多重化することが望まれる。これに対応するために、実施例1に係る通信システムは、次の処理を実行する。
送信装置は、例えば、第1データと第2データという2種類のデータを多重化する。送信装置は、第1データに対して位相変調、例えば、QPSK変調を実行する。つまり、送信装置は、シンボル単位に、QPSKのコンスタレーションに含まれた4つの信号点のいずれかに第1データをマッピングする。また、送信装置は、当該コンスタレーションの軸を所定の回転角度だけ回転させたコンスタレーションに含まれた4つの信号点のいずれかにも第1データをマッピングする。ここで、送信装置は、QPSKのコンスタレーションの軸の回転角度(以下、単に「回転角度」とも称する)と第2データの値との対応関係を予め規定する。例えば、第2データが「0」である場合、回転角度は「0」であり、第2データが「1」である場合、回転角度は「π/4」である。送信装置は、当該対応関係をもとに第2データから回転角度を特定し、特定した回転角度によっていずれかのコンスタレーションにおいて第1データがマッピングされた信号点を複数シンボルにわたって選択する。
一方、受信装置は、デジタル変調信号に対して、回転角度が「0」である場合のデマッピングをシンボル単位に実行するとともに、回転角度が「π/4」である場合のデマッピングをシンボル単位に実行する。これらのデマッピングは、並列に実行される。また、受信装置は、複数のデジタル変調信号をもとに、コンスタレーションの軸の回転角度を特定することによって、第2データを決定する。さらに、受信装置は、特定した回転角度をもとに、いずれかのデマッピング結果を選択することによって、第1データを決定する。このような処理の前段において、受信装置は直交検波を実行しており、さらに直交検波のためにキャリア再生が実行される。
キャリア再生は、一般的に位相誤差にもとづいてなされているが、位相誤差の検出には回転角度の特定が必要とされる。一方、回転角度が特定されるまでには数シンボル費やされる。そのため、受信装置は、数シンボルの期間において、キャリア再生を前値保持状態に保つ。その結果、キャリア再生は、連続してなされずに、バースト的になされる。ここで、移動受信や衛星受信システムのような位相雑音特性が悪化するような通信システムを想定する場合、キャリア再生の十分な追従性能が必要とされる。これに対応するためには、キャリア再生が連続してなされる方が望ましい。
受信装置は、規定された回転角度の数だけ、受信したデジタル変調信号を分岐させる。その際、各デジタル変調信号に対して、互いに異なった回転角度が対応づけられる。受信装置は、デジタル変調信号にして、対応した回転角度におけるキャリアによる直交検波を実行するとともに、対応した回転角度におけるデマッピングを実行する。つまり、回転角度ごとに、キャリア再生、直交検波、デマッピングを並列に実行することによって、受信装置は、回転角度ごとの第1データを生成し、そのうちのいずれかを選択する。選択された回転角度における再生キャリアは、他のキャリア再生に引き継がれる。
図1は、本発明の実施例1に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、送信装置10、受信装置12を含む。送信装置10は、2種類のコンスタレーションを予め規定する。ひとつは、通常のQPSKのコンスタレーションであり、以下では、このようなコンスタレーションに配置される信号点や、このようなコンスタレーションの軸の回転角度「0」を「基準位相」という。ここで、コンスタレーションの軸とは、同相軸と直交軸であり、それらはI軸とQ軸とも呼ばれる。もうひとつは、通常のQPSKのコンスタレーションの軸を左回転にπ/4だけ回転させたコンスタレーションである。以下では、このようなコンスタレーションに配置される信号点や、このようなコンスタレーションの軸の回転角度「π/4」を「シフト位相」という。
送信装置10は、第2データをもとに、基準位相のコンスタレーションあるいはシフト位相のコンスタレーションを選択し、選択結果を4シンボルにわたって維持する。つまり、第2データは、4シンボルの間隔において1ビットの情報量である。また、送信装置10は、選択されたコンスタレーションの信号点に第1データをマッピングする。つまり、第1データは、1シンボルにおいて2ビットの情報量である。その結果、送信装置10は、第1データの伝送に対して位相変調を使用し、第2データの伝送に対してコンスタレーションの位相シフトを使用することによって、第1データと第2データとを多重化させたデジタル変調信号を生成する。これは、第2データの値に応じて、第1データのマッピング規則を変更することに相当する。なお、送信装置10は、受信装置12にタイミングを確立させるために、周期的に同期コードを送信する。同期コードは、受信装置12にとって既知のパターンの信号である。送信装置10は、同期コードおよびデジタル変調信号を受信装置12へ送信する。
受信装置12は、送信装置10から、同期コードおよびデジタル変調信号を受信する。受信装置12は、受信した同期コードをもとに、送信装置10とのタイミング同期を確立する。タイミング同期を確立することは、第1データがマッピングされたシンボルのタイミングを取得するとともに、第2データがマッピングされた4シンボルのタイミングを取得することに相当する。受信装置12は、複数の回転角度のそれぞれに対応したキャリアを再生し、各キャリアによってデジタル変調信号を並列に直交検波するとともに、デマッピングをシンボル単位に実行することによって、回転角度ごとの第1データを生成する。また、受信装置12は、4シンボルにわたって、コンスタレーション軸の回転角度を推定する。コンスタレーションの軸の回転角度を誤って推定した場合、信号点の配置位置からの復号は誤ってしまう。そのため、受信装置12は、コンスタレーション軸の回転角度の推定精度を向上させるために、複数シンボルを推定に使用する。受信装置12は、回転角度をもとに第2データを決定する。さらに、受信装置12は、推定した回転角度に対応した第1データを選択する。
図2は、送信装置10の構成を示す。送信装置10は、入力部18、基準位相マッピング部20、シフト位相マッピング部22、特定部24、選択部26、直交変調部28、RF部30、制御部32を含む。入力部18は、第1データと第2データとを外部から入力する。ここで、第1データの情報量と第2データの情報量とは異なっている。例えば、前者は後者の8倍に設定される。そのため、第1データが主データに相当し、第2データが副データに相当する。第2データの間隔(時間間隔)は、第1データの間隔(時間間隔)よりも長くなっている。第1データは、基準位相マッピング部20およびシフト位相マッピング部22に入力され、第2データは、特定部24に入力される。
基準位相マッピング部20は、第1データを入力する。基準位相マッピング部20は、第1データをマッピングすべきコンスタレーションを予め規定する。図3(a)−(b)は、送信装置10において使用されるコンスタレーションを示す。図3(a)が基準位相マッピング部20において規定されるコンスタレーションであり、前述の基準位相でのコンスタレーションに相当する。基準位相でのコンスタレーションは第1コンスタレーションと呼ばれてもよい。図示のごとく、QPSKのコンスタレーションが規定されており、コンスタレーションの4つの信号点は、グレイコードにしたがって、(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)に対応している。
ここで、(0,0)等は、2ビット分の第1データに相当する。このように、基準位相マッピング部20では、入力すべき第1データの値と、基準位相でのコンスタレーション中の信号点の位置との第1の対応関係が予め定められている。基準位相マッピング部20は、第1の対応関係にしたがって、入力した第1データを信号点へシンボル単位にマッピングする。これは、4つの信号点のうちのいずれかをシンボル単位に選択することに相当する。図3(b)については後述する。図2に戻る。
シフト位相マッピング部22は、基準位相マッピング部20と同様に、第1データを入力する。シフト位相マッピング部22も、マッピングすべきコンスタレーションを予め規定する。図3(b)がシフト位相マッピング部22において規定されるコンスタレーションであり、前述のシフト位相でのコンスタレーションに相当する。シフト位相でのコンスタレーションは第2コンスタレーションと呼ばれてもよい。このコンスタレーションは、基準位相マッピング部20において規定されたコンスタレーションをπ/4だけ左回転させたコンスタレーションである。回転角度は、基準位相でのコンスタレーションにおける複数の信号点のうち、隣接した信号点間の位相差の半分になるように設定される。
シフト位相マッピング部22では、入力すべき第1データの値と、シフト位相でのコンスタレーション中の信号点の位置との第2の対応関係が予め定められている。第2の対応関係は、シフト位相のコンスタレーションの軸に対して相対的に第1の対応関係と同一になるような関係である。シフト位相マッピング部22は、第2の対応関係にしたがって、入力した第1データを信号点へシンボル単位にマッピングする。なお、シフト位相マッピング部22に入力される第1データは、基準位相マッピング部20に入力される第2データと同一であるので、シフト位相マッピング部22でのマッピングは、基準位相マッピング部20においてマッピングした信号点をπ/4だけ左回転させることに相当する。図2に戻る。
特定部24は、第2データを入力する。特定部24は、入力すべき第2データの値と、マッピング部において使用されるコンスタレーションの軸の回転角度との対応関係を予め規定する。図4は、特定部24において記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、第2データ欄200、コンスタレーション欄202が含まれる。第2データ欄200には、第2データの値として、「0」、「1」が示されている。また、コンスタレーション欄202では、第2データの値「0」に対応づけられて「基準位相」が示されており、第2データの値「1」に対応づけられて「シフト位相」が示されている。前述のごとく、基準位相は、軸の回転角度「0」に対応し、シフト位相は、軸の回転角度「π/4」に対応する。図2に戻る。特定部24は、図4のテーブルにて示された対応関係にしたがって、入力した第2データの値に応じた回転角度、例えば、「基準位相」か「シフト位相」を特定する。
選択部26は、基準位相マッピング部20から、マッピングがなされたシンボル(以下、「基準位相シンボル」という)を入力するとともに、シフト位相マッピング部22からも、マッピングがなされたシンボル(以下、「シフト位相シンボル」という)を入力する。また、特定部24からの特定結果も入力する。選択部26は、特定部24の特定結果、つまり回転角度によって、基準位相シンボルあるいはシフト位相シンボルを選択する。ここで、選択部26は、複数シンボル、例えば、4シンボルにわたって、基準位相シンボルあるいはシフト位相シンボルを固定的に連続して選択する。なお、4シンボルのそれぞれの信号点の位置は、第1データに応じて変化している。また、基準位相シンボルあるいはシフト位相シンボルを固定的に連続して選択すべき複数のシンボルの数は、固定値であるとする。これは、第2のデータの間隔に対する第1のデータの間隔の比が固定値であるともいえる。
このような選択部26の処理は、特定部24における回転角度に応じて、基準位相によってマッピングがなされたシンボルを複数まとめて回転させることに相当する。このように2つのシンボルマッピングは、4シンボル周期(n)ごとに変化させるので第2データの伝送速度はシンボル速度の1/n程度になる。さらに、選択部26は、復調時に必要となる絶対位相基準として、同期コードを周期的に出力する。同期コードは、連続した複数のシンボル、例えば、4シンボルに形成されており、基準位相を使用する。また、同期コードのパターンは、図示しない受信装置12にとって既知である。選択部26は、同期コードを出力しないタイミングにおいて、選択したシンボルを出力する。
図5は、選択部26から出力される信号の構成を示す。横軸が時間に相当する。また、第1データは、「データ1」と示され、第2データは、「データ2」と示されている。さらに、ひとつの第2データによって固定的に選択される回転角度の期間は、「単位ブロック」と示されており、単位ブロックは、4シンボルに相当する。図5では、3つの連続した単位ブロックごとに、同期コードが挿入されている。単位ブロックでは、ひとつの第2データと4つの第1データとが多重化されている。以下では、説明を簡易にするために、図5のようにシンボルに配置させたフレームのフォーマットが固定であるとする。
図6は、選択部26から出力される信号の別の構成を示す。図6では、3つの単位ブロックでのコンスタレーションが示されている。左側の単位ブロックにおける4つのシンボルは、基準位相を使用しており、中央の単位ブロックにおける4つのシンボルは、シフト位相を使用しており、右側の単位ブロックにおける4つのシンボルは、基準位相を使用している。図2に戻る。なお、以下では、同期コードもシンボルということがある。
直交変調部28は、選択部26からのシンボルを入力する。直交変調部28は、シンボルに対して直交変調を実行することによって、ベースバンドのシンボルを中間周波数の信号に変換する。その際、直交変調部28は、デジタル信号のシンボルをアナログ信号のシンボルに変換してもよい。直交変調部28は、中間周波数の信号をRF部30へ出力する。RF部30は、直交変調部28からの中間周波数の信号を入力する。RF部30は、中間周波数の信号を無線周波数の信号に周波数変換し、無線周波数の信号をアンテナから外部へ送信する。その際、RF部30は、無線周波数の信号を増幅してもよい。このように、RF部30は、まとめて回転させた複数のシンボルを出力する。制御部32は、送信装置10全体の動作タイミングを制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図7は、受信装置12の構成を示す。受信装置12は、RF部40、直交検波部42と総称される第1直交検波部42a、第2直交検波部42b、帯域制限フィルタ部44と総称される第1帯域制限フィルタ部44a、第2帯域制限フィルタ部44b、タイミング生成部46、決定部48、キャリア再生部50と総称される第1キャリア再生部50a、第2キャリア再生部50b、デマッピング部52、シンボル選択部54、制御部56を含む。また、第1キャリア再生部50aは、基準位相用位相誤差検出部60、第1ループフィルタ部66a、第1NCO68aを含み、第2キャリア再生部50bは、シフト位相用位相誤差検出部62、第2ループフィルタ部66b、第2NCO68bを含む。ここで、第1ループフィルタ部66a、第2ループフィルタ部66bは、ループフィルタ部66と総称され、第1NCO68a、第2NCO68bは、NCO68と総称される。デマッピング部52は、基準位相デマッピング部70、シフト位相デマッピング部72を含む。
RF部40は、アンテナを介して、図示しない送信装置10からの無線周波数の信号を受信する。前述のごとく、無線周波数の信号では、第1データと第2データとが多重化されているとともに、同期コードが周期的に挿入されている。RF部40は、無線周波数の信号を中間周波数の信号に周波数変換し、中間周波数の信号を第1直交検波部42aと第2直交検波部42bへ出力する。
第1直交検波部42aは基準位相に対応づけられ、第2直交検波部42bはシフト位相に対応づけられている。つまり、各直交検波部42は、回転角度と1対1で対応づけられている。第1直交検波部42aは、RF部40からの中間周波数の信号を入力するとともに、第1NCO68aからの局部発振信号を入力する。局部発振信号は、第1キャリア再生部50aにおいて再生されたキャリアに相当し、これは基準位相に対応したキャリア(以下、「基準位相キャリア」という)である。第1直交検波部42aは、基準位相キャリアによって中間周波数の信号を直交検波する。直交検波した結果が、ベースバンドのシンボルに相当する。その際、第1直交検波部42aは、アナログ信号のシンボルをデジタル信号のシンボルに変換する。第1直交検波部42aは、生成したシンボル(以下、「基準位相シンボル」という)を第1帯域制限フィルタ部44aへ出力する。
第2直交検波部42bは、RF部40からの中間周波数の信号を入力するとともに、第2NCO68bからの局部発振信号を入力する。局部発振信号は、第2キャリア再生部50bにおいて再生されたキャリアに相当し、これはシフト位相に対応したキャリア(以下、「シフト位相キャリア」という)である。第2直交検波部42bは、第1直交検波部42aと同様に、シフト位相キャリアによって中間周波数の信号を直交検波することによって、シンボル(以下、「シフト位相シンボル」という)を生成する。第2直交検波部42bは、シフト位相シンボルを第2帯域制限フィルタ部44bへ出力する。
第1帯域制限フィルタ部44aは、第1直交検波部42aからの基準位相シンボルを入力する。第1帯域制限フィルタ部44aは、基準位相シンボルに含まれた雑音成分を低減し、雑音成分が低減された基準位相シンボル(以下、これも「基準位相シンボル」という)をタイミング生成部46、基準位相用位相誤差検出部60、基準位相デマッピング部70へ出力する。第2帯域制限フィルタ部44bは、第2直交検波部42bからのシフト位相シンボルを入力する。第2帯域制限フィルタ部44bは、シフト位相シンボルに含まれた雑音成分を低減し、雑音成分が低減されたシフト位相シンボル(以下、これも「シフト位相シンボル」という)をシフト位相用位相誤差検出部62、シフト位相デマッピング部72へ出力する。なお、基準位相シンボルおよびシフト位相シンボルは、シンボルと総称されることもある。
タイミング生成部46は、第1帯域制限フィルタ部44aからの基準位相シンボルを入力する。タイミング生成部46は、同期コードのパターンを予め記憶しており、同期コードと入力した基準位相シンボルとの相関処理を実行することによって、相関値を生成する。また、タイミング生成部46は、順次生成した相関値を監視して、相関値のピークを検出する。相関値のピークの検出には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。フレーム周期毎の相関値のピークを検出したタイミングが、図5において同期コードが配置されたタイミングに相当し、周期性を確認したうえでフレーム同期を確立する。タイミング生成部46は、同期コードが配置されたタイミングを特定することによって、各シンボルのタイミング、各単位ブロックのタイミングを生成する。各単位ブロックのタイミングとは、第2データに応じて、コンスタレーションの軸が回転しうるタイミングともいえる。タイミング生成部46は、各単位ブロックのタイミングを決定部48へ出力する。
第1キャリア再生部50aは基準位相に対応づけられ、第2キャリア再生部50bはシフト位相に対応づけられている。つまり、各キャリア再生部50は、回転角度と1対1で対応づけられている。基準位相用位相誤差検出部60は、第1帯域制限フィルタ部44aからの基準位相シンボルを入力する。基準位相用位相誤差検出部60は、入力した基準シンボルにおける信号点の位置と、基準位相でのコンスタレーションにおける信号点の位置との誤差量をシンボル単位に検出する。図8(a)−(b)は、キャリア再生部50において記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図8(a)が、基準位相用位相誤差検出部60に記憶されたテーブルに相当する。横軸が入力したシンボルにおける信号点の位置に対応し、縦軸が誤差量に相当する。図示のごとく、基準位相でのコンスタレーションに含まれた信号点の位置である「π/4」、「3π/4」、「5π/4」、「7π/4」では、誤差量が「0」になっている。図8(b)については後述する。図7に戻る。基準位相用位相誤差検出部60は、単位ブロックの期間において誤差量を算出する。基準位相用位相誤差検出部60は、算出値を第1ループフィルタ部66aへ出力する。
シフト位相用位相誤差検出部62は、第2帯域制限フィルタ部44bからのシフト位相シンボルを入力する。シフト位相用位相誤差検出部62は、入力したシフト位相シンボルにおける信号点の位置と、シフト位相でのコンスタレーションにおける信号点の位置との誤差量をシンボル単位に検出する。図8(b)が、シフト位相用位相誤差検出部62に記憶されたテーブルに相当する。横軸が入力したシンボルにおける信号点の位置に対応し、縦軸が誤差量に相当する。図示のごとく、シフト位相でのコンスタレーションに含まれた信号点の位置である「0」、「π/2」、「π」、「3π/2」では、誤差量が「0」になっている。図7に戻る。シフト位相用位相誤差検出部62は、単位ブロックの期間において誤差量を算出する。シフト位相用位相誤差検出部62は、算出値を第2ループフィルタ部66bへ出力する。
第1ループフィルタ部66aは、基準位相用位相誤差検出部60からの誤差値をもとに平均処理し、第1NCO68aから出力される基準位相キャリアの周波数を制御する。第1NCO68aは、第1ループフィルタ部66aからの指示に応じた周波数の基準位相キャリアを第1直交検波部42aへ出力する。第2ループフィルタ部66bは、シフト位相用位相誤差検出部62からの誤差値をもとに平均処理し、第2NCO68bから出力されるシフト位相キャリアの周波数を制御する。第2NCO68bは、第2ループフィルタ部66bからの指示に応じた周波数のシフト位相キャリアを第2直交検波部42bへ出力する。このように、複数のキャリア再生部50は、入力したシンボルをもとに、互いに異なった回転角度に対するキャリア再生をそれぞれ実行する。ループフィルタ部66とNCO68には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略するが、後述の決定部48において回転角度が推定された場合、推定した回転角度に対応したNCO68は、再生したキャリアを他のNCO68に引き継がせる。
基準位相デマッピング部70は基準位相に対応づけられ、シフト位相デマッピング部72はシフト位相に対応づけられている。基準位相デマッピング部70は、第1帯域制限フィルタ部44aからの基準位相シンボルを入力する。基準位相デマッピング部70は、基準位相のコンスタレーションをもとにしたデマッピングをシンボル単位に実行することによって、基準位相シンボルでの信号点に対応した第1データを生成する。基準位相デマッピング部70は、第1データをシンボル選択部54へ出力する。シフト位相デマッピング部72は、第2帯域制限フィルタ部44bからのシフト位相シンボルを入力する。シフト位相デマッピング部72は、基準位相デマッピング部70と並列に、シフト位相のコンスタレーションをもとにしたデマッピングをシンボル単位に実行することによって、シフト位相シンボルでの信号点に対応した第1データを生成する。シフト位相デマッピング部72は、第1データをシンボル選択部54へ出力する。
決定部48は、基準位相用位相誤差検出部60からの誤差量を入力するとともに、シフト位相用位相誤差検出部62からの誤差量も入力する。また、決定部48は、タイミング生成部46から、各単位ブロックのタイミングを入力する。前者は、基準位相でのコンスタレーションに含まれた信号点の位置と、基準位相シンボルにおける信号点の位置との誤差量に相当し、後者は、シフト位相でのコンスタレーションに含まれた信号点の位置と、シフト位相シンボルにおける信号点の位置との誤差量に相当する。決定部48は、単位ブロックごとに、シンボルに対する回転角度を推定する。これは、図示しない送信装置10においてまとめて回転された複数のシンボル単位に回転角度を推定することに相当する。そのために、決定部48は、各誤差量に対して、単位ブロックの期間よりも短い期間にわたって平均処理(以下、平均処理の結果の絶対値を「位相誤差値」という)を実行する。決定部48は、基準位相に対する位相誤差値と、シフト位相に対する位相誤差値とを比較することによって、回転角度を推定する。
決定部48での処理の詳細を図9(a)−(b)によって説明する。図9(a)−(b)は、決定部48における位相誤差値の時間変化を示す。これらは、基準位相に対する位相誤差値であってもよいし、シフト位相に対する位相誤差値であってもよい。図9(a)は、図示しない送信装置10での回転角度に合っている方の位相誤差値を示す。位相誤差値はある程度小さく、かつ時間が経過してもほぼ一定量を示す。一方、図9(b)は、図示しない送信装置10での回転角度に合っていない方の位相誤差値を示す。位相誤差値はある程度大きく、かつ時間の経過とともに減少(ブロックのシンボル数が多い場合)する。図7に戻る。
決定部48は、基準位相に対する位相誤差値を単位ブロックにわたって平均するとともに、シフト位相に対する位相誤差値を単位ブロックにわたって平均し、両者を比較する。決定部48は、位相誤差値がしきい値よりも小さい場合、それに対応した回転角度を選択する。決定部48は、推定した回転角度をもとに第2データの値を決定する。そのため、決定部48も、図4のようなテーブルを予め記憶し、回転角度が基準位相に相当する場合に第2データ「0」を決定し、回転角度がシフト位相に相当する場合に第2データ「1」を決定する。決定部48は、推定した回転角度をキャリア再生部50およびシンボル選択部54へ出力し、決定した第2データの値を外部へ出力する。
シンボル選択部54は、基準位相デマッピング部70からの第1データを入力するとともに、シフト位相デマッピング部72からの第1データも入力する。シンボル選択部54は、決定部48において推定した回転角度をもとに、いずれかの第1データを選択する。このような選択基準は、単位ブロックごとに切りかえられる。このように、シンボル選択部54は、決定部48において推定した回転角度をもとに、回転角度ごとの第1データのうち、いずれかを選択する。シンボル選択部54は、第1データを外部へ出力する。制御部56は、受信装置12全体の動作タイミングを制御する。
本発明の実施例によれば、第2データの値に応じた対応関係にて第1データを信号点へシンボル単位にマッピングさせるので、第1データと第2データとを効率的に多重化できる。また、単位ブロックに含まれたシンボルの数を固定値にするので、処理を簡易化できる。また、コンスタレーションの回転角度を推定することによって第2データを取得するとともに、推定した回転角度でのコンスタレーション上の信号点の位置を特定することによって第1データを取得するので、効率的に多重化された2種類のデータを受信できる。
回転角度ごとに、キャリア再生、直交検波、デマッピングを並列に実行するので、キャリア再生を連続的に実行できる。また、キャリア再生が連続的に実行されるので、キャリア再生の追従性能を向上できる。また、キャリア再生の追従性能が向上されるので、位相雑音特性が悪化するような通信システムにも適用できる。また、再生したキャリアの引継がなされるので、推定した回転角度に対応していないキャリア再生部であっても、将来的に正確なキャリアを出力できる。また、単位ブロックに含まれた複数のシンボル単位に回転角度を推定するので、回転角度の推定精度を向上できる。また、単位ブロックに含まれた複数のシンボルの期間以下の期間にわたって統計処理を実行するので、回転角度の推定精度を向上できる。また、回転角度の推定精度が向上されるので、第2データの決定精度を向上できる。また、また、回転角度の推定精度が向上されるので、第1データの決定精度を向上できる。また、第1データの決定精度と第2データの決定精度とが向上されるので、受信品質を向上できる。
また、例えば、QPSK変調で10Mspsの無線伝送において、20Mbpsの映像伝送を行なう場合に、10シンボルごとに軸を回転させることによって、約1Mbpsの音声伝送を映像信号の伝送速度を減らすことなく追加できる。また、受信側において、あるシンボルごとに軸が回転される変化点が予めわかっているので、変化を適切に捉えてQPSKに対するキャリア再生を実行することによって、QPSKの受信性能からの低下を抑制できる。また、低CN比においても正しく伝送できるレベルまで多重効率を上げることができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例2も、実施例1と同様に、第1データと第2データという2種類のデータを多重化する通信システムに関する。実施例2は、受信装置において、再生したキャリアの擬似ロックによる第2データの判定誤りを容易に修正することを目的とする。実施例1に係る受信装置において受信した無線周波数の信号の品質が悪化している場合、例えば、受信電力が低い場合、回転角度を推定するタイミングにおいて、基準位相に対する位相誤差値と位相シフトに対する位相誤差値とが同等の大きさになるケースや、送信装置での回転角度に合った方の位相誤差値の方が大きくなるケースがある。これによって、推定した回転角度が誤りやすくなる。回転角度の推定が誤ると、キャリア再生が誤ってロックされてしまうので、第2データに誤りが生じるだけではなく、第1データにも誤りが生じる。特に、フレーム長が長い場合、同期コード区間での位相誤差値によって、キャリア再生のフィードバックループ動作に与えられる影響が低くなるので、擬似ロックが生じやすくなる。
これに対応するために実施例2に係る受信装置は、実施例1と同様に、回転角度ごとに、キャリア再生、直交検波、デマッピングを並列に実行することによって、回転角度ごとの第1データを生成し、そのうちのいずれかを選択する。さらに、受信装置は、同期コードを受信した場合に、同期コードに対する誤差量を監視し、誤差量がしきい値よりも大きければ、その後決定すべき第1データおよび第2データを修正する。最終的なデータを修正するので、簡易な処理で実現される。実施例2に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、送信装置10は、図2と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図10は、本発明の実施例2に係る受信装置12の構成を示す。図10に係る受信装置12は、図7に対して補正部110が追加されている。決定部48は、前出のごとく、基準位相シンボルやシフト位相シンボルに対する誤差量を監視する。ここでは、基準位相シンボルやシフト位相シンボルに対する誤差量を図11(a)−(c)をもとに説明する。図11(a)−(b)は、決定部48における位相誤差値の時間変化を示す。図11(a)は、受信したシンボルのコンスタレーションを示す。ここでは、コンスタレーションとして4つの信号点を示しているが、受信したひとつのシンボルでは、いずれかの信号点のみが含まれている。キャリア再生の初期動作時では、キャリア再生がロックしていないので、図11(a)のごとく、コンスタレーションが基準位相とシフト位相の間に配置される場合がある。この場合、位相誤差値は、いずれの位相であっても、最大値の1/2となる同じ値が出力されている。
そのような過渡期の状況では、それぞれのキャリアによって検波したシンボルから、位相誤差値の絶対値が大きくなっていないかを監視し、単位ブロックごとに、どちらのキャリア再生が正しく受信しているかを判定することは困難である。ここで、位相誤差値の絶対値が大きくなっていないかの監視は、例えば、位相誤差値の絶対値の平均値が、しきい値を超えているかを監視することによってなされる。また、どちらのキャリア再生が正しく受信しているかを判定することは、図11(b)や(c)のような位相誤差値の変化をもとになされるべきである。図11(b)は、回転角度が誤っている場合の位相誤差値の変化を示す。図示のごとく、時間の経過とともに、位相誤差値が大きくなっている。一方、図11(c)は、回転角度が正しい場合の位相誤差値の変化を示す。図示のごとく、時間の経過とともに、位相誤差値が小さくなっている。そのため、決定部48は、図11(c)のように、位相誤差値の絶対値が小さくなっていく回転角度を選択すべきである。
回転角度を選択した後、実施例1と同様に、選択した回転角度に対応したNCO68は、再生したキャリアを他のNCO68に引き継がせる。このような工程を経てキャリア再生がロックすると、同期コード以外の区間において、送信装置10における基準位相、シフト位相がどちらの組合せでも正しく受信しているような結果が現れる。基準位相が使用されている同期コード区間で不整合があっても、フレーム長が長ければ、フィードバックループに及ぼす影響が小さくなってしまう。その結果、擬似ロック現象の回避が困難になる。
これに対応するために、決定部48は、同期コードを入力した場合にも、同期コードに対する誤差量を監視する。前述のごとく、送信装置10において同期コードには基準位相が使用されているので、決定部48は、同期コードの信号点の位置と、基準位相でのコンスタレーションに含まれた信号点の位置との間の誤差量を検出する。決定部48は、誤差量がしきい値よりも大きい場合に、擬似ロックの発生を検出する。決定部48は、擬似ロックの発生を検出すると、その後決定すべき第2のデータを修正する。つまり、決定部48は、推定した回転角度とは異なった回転角度に対する第2のデータの値になるように、修正を実行する。例えば、決定部48は、回転角度が基準位相に相当する場合に第2データを「1」に修正する。また、決定部48は、擬似ロックの発生を補正部110に通知する。
補正部110は、決定部48からの通知を受けつけると、シンボル選択部54に対して、その後選択すべき第1データを修正させる。つまり、シンボル選択部54は、シンボル選択部54において推定した回転角度とは異なった回転角度での信号点に対する第1データの値になるように、修正を実行する。具体的に説明すると、シンボル選択部54は、決定部48において基準位相が推定された場合に、シフト位相デマッピング部72からの第1データを選択する。このように、シンボル選択部54の制御を反転することによって、擬似ロックのために反対の位相でデマッピングしている状況が正常化される。
本発明の実施例によれば、推定した回転角度とは異なった回転角度に対応するように、第1データの値と第2データの値とを修正するので、擬似ロックの影響を修正できる。また、周期的に送信される同期コードの期間において擬似ロックの発生を検出するので、周期的に擬似ロックを検出できる。また、周期的に擬似ロックが検出されるので、擬似ロックの影響を低減できる。また、第1データの値を修正するために、別のデマッピング結果を選択するので、処理量の増加を抑制できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、基準位相マッピング部20およびシフト位相マッピング部22は、第1データをマッピングすべきコンスタレーションとしてQPSKを使用する。しかしながらこれに限らず例えば、基準位相マッピング部20およびシフト位相マッピング部22は、QPSK以外の変調方式を使用してもよい。例えば、8PSKや16QAMが使用される。本変形例によれば、変調多値数を変更することによって、伝送速度を調節できる。
本発明の実施例において、特定部24は、2種類の回転角度を特定する。しかしながらこれに限らず例えば、特定部24は、さらに多くの種類、例えば、4種類の回転角度を特定してもよい。その際、第2データは、2ビットのデータとして規定される。4種類の回転角度は、隣接した信号点間の角度を4等分するように規定される。本変形例によれば、第2データの伝送速度を向上できる。
本発明の実施例において、単位ブロックが4シンボルであるとされている。しかしながらこれに限らず例えば、単位ブロックが4シンボル以外のシンボル数によって構成されていてもよい。シンボル数を減らすことによって、第2データの伝送速度が向上される。また、シンボル数を増やすことによって、回転角度の推定精度が向上される。本変形例によれば、通信システム100の設計の自由度を向上できる。
本発明の実施例において、決定部48は平均処理を実行している。しかしながらこれに限らず例えば、決定部48は、平均処理以外の統計処理を実行してもよい。平均処理以外の統計処理の一例は、中央値の導出処理である。本変形例によれば、受信装置12の設計の自由度を向上できる。また、無線で通信を行なう実施形態について説明したが、有線で通信する実施形態にも適用可能である。
10 送信装置、 12 受信装置、 20 基準位相マッピング部、 22 シフト位相マッピング部、 24 特定部、 26 選択部、 28 直交変調部、 30 RF部、 32 制御部、 40 RF部、 42 直交検波部、 44 帯域制限フィルタ部、 46 タイミング生成部、 48 決定部、 50 キャリア再生部、 52 デマッピング部、 54 シンボル選択部、 56 制御部、 60 基準位相用位相誤差検出部、 62 シフト位相用位相誤差検出部、 66 ループフィルタ部、 68 NCO、 70 基準位相デマッピング部、 72 シフト位相デマッピング部、 100 通信システム。

Claims (5)

  1. 第1のデータの値と、第1コンスタレーション中の信号点の位置との対応関係である第1の対応関係、あるいは第1コンスタレーションの軸を所定の角度回転させた軸のコンスタレーションである第2コンスタレーションの軸に対して相対的に第1の対応関係と同一になるような第2の対応関係のいずれかにしたがって、マッピングされたシンボルを含む信号を外部から受信する受信部と、
    第1の対応関係と第2の対応関係と1対1で対応づけられ、前記受信部において受信した信号をもとに、第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対するキャリア再生を実行する複数のキャリア再生部と、
    第1の対応関係と第2の対応関係と1対1で対応づけられ、前記複数のキャリア再生部のうち、同一の対応関係に対応したキャリア再生部において再生されたキャリアによって、前記受信部において受信した信号をそれぞれ検波する複数の検波部と、
    第1の対応関係と第2の対応関係と1対1で対応づけられ、前記複数の検波部のうち、同一の対応関係に対応した検波部において検波した信号に対してデマッピングを実行することによって、それぞれの対応関係の第1のデータを生成する複数のデマッピング部と、
    前記受信部において受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度に基づいて、第2のデータを決定する決定部と、
    前記受信部において受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度をもとに、前記複数のデマッピング部が並列してデマッピングした第1のデータのうち、いずれかを選択する選択部と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記複数のキャリア再生部のうち、前記決定部において推定した回転角度に対応したキャリア再生部は、再生したキャリアを他のキャリア再生部に引き継がせることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記複数のデマッピング部のそれぞれは、シンボル単位にデマッピングを実行し、
    前記決定部は、第1のデータの間隔に対する第2のデータの間隔に応じた複数のシンボル単位に回転角度を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
  4. 前記決定部は、回転角度ごとに、検波部において検波した信号でのシンボルにおける信号点の位置と、コンスタレーションに含まれた信号点の位置との誤差に対して、第1のデータの間隔に対する第2のデータの間隔に応じた複数のシンボルの期間以下の期間にわたった統計処理を実行し、回転角度ごとの統計処理結果を比較することによって、回転角度を推定することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 第1のデータの値と、第1コンスタレーション中の信号点の位置との対応関係である第1の対応関係、あるいは第1コンスタレーションの軸を所定の角度回転させた軸のコンスタレーションである第2コンスタレーションの軸に対して相対的に第1の対応関係と同一になるような第2の対応関係のいずれかにしたがって、マッピングされたシンボルを含む信号を外部から受信するステップと、
    受信した信号をもとに、第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対するキャリア再生を実行するステップと、
    第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対応して再生されたキャリアによって、受信した信号をそれぞれ検波するステップと、
    第1の対応関係と第2の対応関係のそれぞれに対応して検波した信号に対してデマッピングを実行することによって、それぞれの対応関係の第1のデータを生成するステップと、
    受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度に基づいて、第2のデータを決定するステップと、
    受信した信号がマッピングされたコンスタレーションの軸の回転角度をもとに、並列してデマッピングした複数の第1のデータのうち、いずれかを選択するステップと、
    を備えることを特徴とする受信方法。
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