JP2012203922A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度が高く、かつ表面に傷やクラックが少ない磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いたものであって、該ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する端面研磨工程と、ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、端面研磨工程と主表面研磨工程との間に、ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いたものであって、該ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する端面研磨工程と、ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、端面研磨工程と主表面研磨工程との間に、ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)においては、磁気記録媒体の記録容量が高密度化してきている。これに伴い、磁気記録媒体と記録の読み書きを行なうヘッドとのギャップ(ヘッド浮上量)は数nmレベルまで低下している。ヘッド浮上量が低下すると、ヘッドと磁気記録媒体とが衝突してヘッドクラッシュと呼ばれる現象が起き、ハードディスクの読み書きエラーが起こりやすくなる。
上記のエラーの原因はいくつか考えられるが、その原因の1つとしてガラス基板の清浄度による影響を挙げることができる。清浄度とは、ガラス基板の表面に異物および突起欠陥の個数を示すパラメータであり、清浄度が高いほどガラス基板の表面に異物や突起欠陥が少ないことを示す。特に、ハードディスク用途に用いるガラス基板には清浄度が高いものが要求される。
ところで、近年、ハードディスクは様々な用途に使用されており、それに伴いハードディスクには耐衝撃性が要求されている。たとえばハードディスクに搭載される記録媒体の基板としては、アルミニウムとガラスの2種類があるが、耐衝撃性に優れるガラスが近年多用されるようになってきている。
ガラスは理論的には強度が高いが、ガラスの表面に存在する微小なクラックが原因で割れやすい。この対策として、たとえば特開2007−102842号公報(特許文献1)では、HFなどを含むエッチング液を用いて、ガラス基板の表面の微小クラックを除去することにより、ガラス基板の強度を向上する試みがなされている。
しかしながら、特許文献1のガラス基板を用いて作製した磁気ディスクをハードディスクに搭載して使用すると、ヘッドクラッシュが発生しやすかった。
本発明は、このような状況下においてなされたものであり、その目的とするところは、強度が高く、かつ表面に傷やクラックが少ない磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、特許文献1のガラス基板において、ヘッドクラッシュの原因が、磁気ディスク用ガラス基板の表面および端面に傷やクラックが多いことによるものとの知見を得た。そして、かかる知見に基づいてさらに検討を進めたところ、特許文献1に示される製造方法は、ガラス基板の強度を高めるための化学処理工程が原因で清浄度が低下していることを見出した。そして、化学処理工程を行なうタイミングを改めるとともに、ラッピング工程や研磨工程の順序を改めることによって本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を完成した。
すなわち、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いたものであって、該ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する端面研磨工程と、ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、端面研磨工程と主表面研磨工程との間に、ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含むことを特徴とする。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いたものであって、該ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する端面研磨工程と、ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、主表面研磨工程は、第1研磨工程と第2研磨工程とを含み、第1研磨工程と第2研磨工程との間に、ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含むことを特徴とする。
上記の化学処理工程は、ガラス基板前駆体の表面から5〜30μmの厚みを除去することが好ましい。化学処理工程は、前記ガラス基板前駆体の表面から12〜20μmの厚みを除去することが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、上記のような構成を有することにより、強度が高く、かつ表面に傷やクラックが少ない磁気ディスク用ガラス基板を製造し得るという極めて優れた効果を示す。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法について図面およびフローチャートを用いて説明する。なお、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表わすものではない。
<磁気ディスク用ガラス基板>
図1は、本発明の製造方法によって製造される磁気ディスク用ガラス基板の一例を示す斜視図である。本発明の製造方法によって製造される磁気ディスク用ガラス基板は、ハードディスクドライブ装置等の情報記録装置において情報記録媒体の基板として用いられるものである。このような磁気ディスク用ガラス基板は、図1に示されるように円盤形状であり、その中心に孔1Hが形成されている。磁気ディスク用ガラス基板1の表面とは、表主表面1A、裏主表面1B、内周端面1C、および外周端面1Dを意味する。
図1は、本発明の製造方法によって製造される磁気ディスク用ガラス基板の一例を示す斜視図である。本発明の製造方法によって製造される磁気ディスク用ガラス基板は、ハードディスクドライブ装置等の情報記録装置において情報記録媒体の基板として用いられるものである。このような磁気ディスク用ガラス基板は、図1に示されるように円盤形状であり、その中心に孔1Hが形成されている。磁気ディスク用ガラス基板1の表面とは、表主表面1A、裏主表面1B、内周端面1C、および外周端面1Dを意味する。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板1の大きさや形状は特に限定されず、たとえば0.8インチ、1.0インチ、1.8インチ、2.5インチ、または3.5インチである。磁気ディスク用ガラス基板1の厚さは、破損防止の観点からたとえば0.30〜2.2mmであることが好ましい。なお、磁気ディスク用ガラス基板1の厚さは、ガラス基板上の点対象となる任意の複数の点で測定した値の平均によって算出される。本発明の磁気ディスク用ガラス基板1の代表的な一例を示すと、磁気ディスク用ガラス基板の外径が約64mmであり、内径が約20mmであり、厚さが約0.8mmである。なお、一般的に2.5インチ型のハードディスクには、外径が65mmの磁気ディスク用ガラス基板を用いる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板を構成する材料は、アルミノシリケートガラスが好適に用いられる。かかるアルミノシリケートガラスの組成は、58質量%〜75質量%のSiO2、5質量%〜23質量%のAl2O3、3質量%〜10質量%のLi2O、4質量%〜13質量%のNa2Oを主成分として含有するものである。
<磁気ディスク用ガラス基板の製造方法>
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いるものであって、該ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、ガラス基板前駆体の外周端面を研磨する端面研磨工程と、ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、端面研磨工程と主表面研磨工程との間に、ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含むことを特徴とする。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いるものであって、該ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、ガラス基板前駆体の外周端面を研磨する端面研磨工程と、ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、端面研磨工程と主表面研磨工程との間に、ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含むことを特徴とする。
本発明のようにガラス基板前駆体の精ラッピング工程を行なってから、端面研磨工程を行なうことにより、精ラッピング工程で発生した端面の傷やクラックを端面研磨工程で修正することができ、もって傷やクラックが少ない磁気ディスク用ガラス基板を作製することができる。しかも、上記のように端面研磨工程を行なった後に、化学処理工程を行なうことにより、ガラス基板前駆体の表面に僅かに残る傷やクラックを丸めることができ、磁気ディスク用ガラス基板の強度を高めることができる。このようにして作製された磁気ディスク用ガラス基板は、清浄度が高いため、ヘッドクラッシュが生じにくいという優れた性質を示す。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板を製造する方法は、このように端面研磨工程と主表面研磨工程との間に化学処理工程を行なう限り、他の工程を含むことができる。ここで、他の工程としては、たとえば溶融ガラスを円盤状に加工するダイレクトプレス工程、ガラス基板前駆体の中心に穴をあけるコアリング工程、ガラス基板前駆体の内周端面および外周端面を面取りする内外加工工程、ガラス基板前駆体の表裏の両面を洗浄する洗浄工程等を挙げることができる。
なお、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法によって製造されるものに限定され、フロート法によって製造されるものは含まれない。なぜなら、フロート法によって磁気ディスク用ガラス基板を製造する場合は、その表面に微小なクラックが発生しにくいため、化学処理工程を行なうことによって強度を向上させる必要がないからである。
以下においては、本発明の磁気ディスク用ガラス基板を図2のフローチャートにしたがって作製するときの各工程を説明する。なお、図2に示される各ステップS10〜S90以外に適宜簡易的な洗浄を行なってもよいし、精ラッピング工程と、端面研磨工程と、化学処理工程と、主表面研磨工程とをこの順で含む限り、これらの各工程の間にさらに洗浄工程、研磨工程等を含んでもよいし、その他の工程の順序を適宜変更しても差し支えない。
(ダイレクトプレス工程:ステップS10)
まず、ガラス素材を溶融させて溶融ガラスを準備する。この溶融ガラスを下型に流し込み、上型および胴型によってプレス成形することにより円盤状のガラス基板前駆体を得る。このようにして溶融ガラスからガラス基板前駆体を得る工程のことをダイレクトプレス工程と呼ぶ。
まず、ガラス素材を溶融させて溶融ガラスを準備する。この溶融ガラスを下型に流し込み、上型および胴型によってプレス成形することにより円盤状のガラス基板前駆体を得る。このようにして溶融ガラスからガラス基板前駆体を得る工程のことをダイレクトプレス工程と呼ぶ。
(コアリング加工工程:ステップS20)
次に、コアリング加工工程で、ガラス基板前駆体の中心部に穴を開ける。穴開けは、カッター部にダイヤモンド砥石等を備えたコアドリル等で研削することで中心部に穴を開ける。穴の大きさは、ガラス基板前駆体の外径によって適宜変更することができ、たとえば外形が65mmのガラス基板前駆体の中心部には20mmの内径の孔(中心部の孔1Hの直径)を開ける。
次に、コアリング加工工程で、ガラス基板前駆体の中心部に穴を開ける。穴開けは、カッター部にダイヤモンド砥石等を備えたコアドリル等で研削することで中心部に穴を開ける。穴の大きさは、ガラス基板前駆体の外径によって適宜変更することができ、たとえば外形が65mmのガラス基板前駆体の中心部には20mmの内径の孔(中心部の孔1Hの直径)を開ける。
(粗ラッピング工程:ステップS30)
上記のガラス基板前駆体の表裏の両面に対し、ラッピング加工を施す。ここで、粗ラッピング加工では、たとえば両面ラッピング装置によって行なう。これによりガラス基板前駆体の全体形状、平行度、平坦度および厚みを予備的に調整することができる。
上記のガラス基板前駆体の表裏の両面に対し、ラッピング加工を施す。ここで、粗ラッピング加工では、たとえば両面ラッピング装置によって行なう。これによりガラス基板前駆体の全体形状、平行度、平坦度および厚みを予備的に調整することができる。
(内外加工工程:ステップS40)
次に、内外加工工程において、上記のガラス基板前駆体の外周端面および内周端面の面取り加工を行なう。
次に、内外加工工程において、上記のガラス基板前駆体の外周端面および内周端面の面取り加工を行なう。
(精ラッピング工程:ステップS50)
次いで、精ラッピング工程では、固定砥粒研磨パッドを用いてガラス基板前駆体の表裏を研削する。かかる精ラッピング工程は、遊星歯車機構を利用した両面研削機と呼ばれる公知の研削機を使用して研削することができる。この両面研削機は、上下に配置された円盤状の上定盤と下定盤とが互いに平行に備えられており、上定盤および下定盤が対向するそれぞれの面にガラス基板前駆体の表裏を研削するための複数のダイヤモンドペレットが貼り付けてある。
次いで、精ラッピング工程では、固定砥粒研磨パッドを用いてガラス基板前駆体の表裏を研削する。かかる精ラッピング工程は、遊星歯車機構を利用した両面研削機と呼ばれる公知の研削機を使用して研削することができる。この両面研削機は、上下に配置された円盤状の上定盤と下定盤とが互いに平行に備えられており、上定盤および下定盤が対向するそれぞれの面にガラス基板前駆体の表裏を研削するための複数のダイヤモンドペレットが貼り付けてある。
上定盤と下定盤との間には、下定盤の外周に円環状に設けられたインターナルギアと下定盤の回転軸の周囲に設けられたサンギアとに結合して回転するキャリアが複数ある。このキャリアには、複数の穴が設けられており、この穴にガラス基板前駆体をはめ込んで配置する。なお、上定盤、下定盤、インターナルギア、およびサンギアは別駆動で動作することができ、上定盤および下定盤が互いに逆方向に回転する。
そして、ダイヤモンドペレットを介して定盤に挟まれているキャリアが、複数のガラス基板前駆体を保持した状態で、自転しながら定盤の回転中心に対して下定盤と同じ方向に公転する。このように動作する研削機において、上定盤とガラス基板前駆体の間および下定盤とガラス基板前駆体との間に研削液を供給することによりガラス基板前駆体の表裏の研削を行なうことができる。
この両面研磨機を使用する際、ガラス基板前駆体に加わる定盤の加重及び定盤の回転数を所望の研削状態に応じて適宜調整する。精ラッピング工程においては、第1ラッピング工程および第2ラッピング工程の2回に分けてラッピングを行なうことが好ましい。第1ラッピング工程および第2ラッピング工程における加重は、60g/cm2から120g/cm2とするのが好ましい。また、定盤の回転数は、10rpmから30rpm程度とし、上定盤の回転数を下定盤の回転数より30%から40%程度遅くするのが好ましい。第2ラッピング工程を終えた時点で、ガラス基板前駆体の大きなうねり、欠け、ひび等の欠陥は除去される。
上記の定盤による加重を大きくするか、または定盤の回転数を速くすると、ガラス基板前駆体の研削量は多くなるが、加重を大きくしすぎるとガラス基板前駆体の面粗さが悪くなるため好ましくない。また、定盤の回転数が速すぎると平坦度が良好とならない。また加重が小さすぎたり、定盤の回転数が遅すぎたりしても、研削量が少なくなるため製造効率が低くなる。
上記の精ラッピング工程を終えた後のガラス基板前駆体の主表面の面粗さは、Raが0.05〜0.4μmであることが好ましく、主表面の平坦度は、7〜10μmであることが好ましい。このような面状態とすることにより、後の第1ポリッシング工程での研磨の効率を高めることができる。
(端面研磨工程:ステップS60)
続いて、端面研磨工程では、研磨砥粒として酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いたブラシ研磨法により、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する。ブラシ研磨法ではガラス基板前駆体を回転させながら外周端面および内周端面を研磨する。上記の内周側端面に対し、さらに磁気研磨法による研磨を行なうことにより、ガラス基板前駆体の内周端面を鏡面状態に加工する。そして、最後にガラス基板前駆体の表面を水で洗浄する。
続いて、端面研磨工程では、研磨砥粒として酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いたブラシ研磨法により、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する。ブラシ研磨法ではガラス基板前駆体を回転させながら外周端面および内周端面を研磨する。上記の内周側端面に対し、さらに磁気研磨法による研磨を行なうことにより、ガラス基板前駆体の内周端面を鏡面状態に加工する。そして、最後にガラス基板前駆体の表面を水で洗浄する。
(化学処理工程:ステップS70)
上記のガラス基板前駆体をフッ化水素と水との混合液からなるエッチング液に浸漬させることにより、ガラス基板前駆体の表面および端面をエッチングする。このようにガラス基板前駆体の表面をエッチングすることにより、精ラッピング工程でガラス基板前駆体の表面に形成された欠陥やクラックを取り除くことができ、ガラス基板前駆体の強度を向上させることができる。上記のエッチング液としては、HF、NH4F、NaF等を挙げることができ、硫酸や硝酸などの酸と併用しても差し支えない。
上記のガラス基板前駆体をフッ化水素と水との混合液からなるエッチング液に浸漬させることにより、ガラス基板前駆体の表面および端面をエッチングする。このようにガラス基板前駆体の表面をエッチングすることにより、精ラッピング工程でガラス基板前駆体の表面に形成された欠陥やクラックを取り除くことができ、ガラス基板前駆体の強度を向上させることができる。上記のエッチング液としては、HF、NH4F、NaF等を挙げることができ、硫酸や硝酸などの酸と併用しても差し支えない。
従来の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、端面研磨工程を行なった後にラッピング加工を行なっていたため、ラッピング加工で発生したガラス基板前駆体の端面の傷やクラックを修正できなかった。特に、ラッピング加工を行なった後に、HF等を用いて化学処理工程を行なうと、ラッピング加工で発生した端面の傷やクラックが拡大し、その後にガラス基板前駆体の主表面を研磨すると、拡大した傷やクラックの内部に研磨剤が蓄積し、ガラス基板前駆体の端面の清浄度が低下するという問題があった。このようにガラス基板前駆体の端面に付着物が存在すると、その付着物が時間経過とともにガラス基板前駆体の主表面を汚染し、最終的にはガラス基板前駆体の表面の清浄度を低下させることになる。
そこで、本発明では、上記の精ラッピング工程と端面研磨工程との順序を変更している。すなわち、精ラッピング工程を行なった後に端面研磨工程を行なうことにより、精ラッピング工程で発生したガラス基板前駆体の端面の傷やクラックを端面研磨工程で滑らかにすることができる。そして、さらに化学処理工程によって傷やクラックを除去することにより、ガラス基板前駆体の表面および端面の清浄度を保ちつつ、ガラス基板前駆体の強度を高めることができる。
本発明において、化学処理工程では、ガラス基板前駆体の表面から5〜30μmの厚みを除去することが好ましく、12〜25μmの厚みを除去することがより好ましく、さらに好ましくは12〜20μmを除去することである。5μm未満であると、ガラス基板前駆体の表面にある微小クラックを除去することができず、逆に30μmを超えると、ガラス基板前駆体を不均一にエッチングしてしまい、ガラス基板前駆体にムラが発生してしまう。なお、化学処理工程によって発生するムラは、ガラス基板前駆体の表面が鏡面になっている場合は基板の濡れ性が向上するため発生しにくいが、ガラス基板前駆体が鏡面になっていない状態に発生しやすい。上記エッチングの厚みは、ガラス基板前駆体の内径の寸法の差によって算出した値を採用するものとする。
(主表面研磨工程:ステップS80)
主表面研磨工程は、第1研磨工程および第2研磨工程によってガラス基板前駆体の表裏を研磨する。第1研磨工程は、精ラッピング工程でガラス基板前駆体の表裏を鏡面加工し、さらに残留した傷や歪みを除去するために行ない、第2研磨工程は、鏡面化された表面をさらに仕上げて高平滑性を得るために行なう。たとえば第2研磨工程では、ガラス基板前駆体の表面粗さが0.2nm以下となるように加工する。
主表面研磨工程は、第1研磨工程および第2研磨工程によってガラス基板前駆体の表裏を研磨する。第1研磨工程は、精ラッピング工程でガラス基板前駆体の表裏を鏡面加工し、さらに残留した傷や歪みを除去するために行ない、第2研磨工程は、鏡面化された表面をさらに仕上げて高平滑性を得るために行なう。たとえば第2研磨工程では、ガラス基板前駆体の表面粗さが0.2nm以下となるように加工する。
まず、第1研磨工程では、ポリッシャがスウェードパッドである研磨パッドを上記の両面研磨機にセットし、ガラス基板前駆体の表裏を研磨する。そして、上記ガラス基板前駆体の表面に付着している研磨剤を洗浄によって除去する。
続いて、第2研磨工程では、ガラス基板前駆体に対し、軟質ポリッシャ(スウェード)である研磨パッドを用いて、ガラス基板前駆体の表裏を研磨する。なお、第2研磨工程で用いる研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウムよりも微細なシリカ砥粒を用いることが好ましい。なお、上記の化学処理工程は、主表面研磨工程の前に行なうもののみに限られるものではなく、第1研磨工程と第2研磨工程との間に行なっても差し支えない。
(洗浄工程:ステップS90)
上記の研磨を終えたガラス基板前駆体に対し、中性洗剤および純水にて洗浄し乾燥させることが好ましい。このような洗浄を行なうことにより、ガラス基板前駆体に付着した異物を洗い流すことができる他、磁気ディスク用ガラス基板の表面を安定にし、長期の保存安定性に優れたものとすることができる。以上のようにして磁気ディスク用ガラス基板を作製することができる。このようにして作製した磁気ディスク用ガラス基板に対し、さらに磁気薄膜形成工程を行なうことにより、磁気ディスクを得ることができる。
上記の研磨を終えたガラス基板前駆体に対し、中性洗剤および純水にて洗浄し乾燥させることが好ましい。このような洗浄を行なうことにより、ガラス基板前駆体に付着した異物を洗い流すことができる他、磁気ディスク用ガラス基板の表面を安定にし、長期の保存安定性に優れたものとすることができる。以上のようにして磁気ディスク用ガラス基板を作製することができる。このようにして作製した磁気ディスク用ガラス基板に対し、さらに磁気薄膜形成工程を行なうことにより、磁気ディスクを得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例では、以下の各工程の順に行なうことにより磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
本実施例では、以下の各工程の順に行なうことにより磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
(ダイレクトプレス工程:S10)
まず、ガラス素材を溶融させることにより溶融ガラスを準備した。この溶融ガラスを下型に流し入れて、上型および胴型を用いてダイレクトプレスすることにより、直径66mmφ、厚さ1.2mmの円盤状のガラス基板前駆体を得た。上記のガラス素材としては、アルミノシリケートガラスを用いた。
まず、ガラス素材を溶融させることにより溶融ガラスを準備した。この溶融ガラスを下型に流し入れて、上型および胴型を用いてダイレクトプレスすることにより、直径66mmφ、厚さ1.2mmの円盤状のガラス基板前駆体を得た。上記のガラス素材としては、アルミノシリケートガラスを用いた。
(コアリング加工工程:S20)
次に、カッター部にダイヤモンド砥石等を備えたコアドリルでガラス基板前駆体の中心部を研削することにより穴を開けた。このようにして外径が65mmのガラス基板前駆体の中心部に20mmの内径の孔(中心部の孔1Hの直径)を開けた。
次に、カッター部にダイヤモンド砥石等を備えたコアドリルでガラス基板前駆体の中心部を研削することにより穴を開けた。このようにして外径が65mmのガラス基板前駆体の中心部に20mmの内径の孔(中心部の孔1Hの直径)を開けた。
(粗ラッピング工程:S30)
次に、ガラス基板前駆体を両面ラッピング装置にセットして、#400(粒径約40〜60μm)の粒度のアルミナ砥粒を用いて、アルミナ上定盤の荷重を100kg程度に設定して、ガラス基板前駆体の表裏面を研磨した。このようにしてキャリア内に収納したガラス基板前駆体は、その両面の面精度が0μm〜1μmであり、表面粗さRmaxが6μm程度であった。
次に、ガラス基板前駆体を両面ラッピング装置にセットして、#400(粒径約40〜60μm)の粒度のアルミナ砥粒を用いて、アルミナ上定盤の荷重を100kg程度に設定して、ガラス基板前駆体の表裏面を研磨した。このようにしてキャリア内に収納したガラス基板前駆体は、その両面の面精度が0μm〜1μmであり、表面粗さRmaxが6μm程度であった。
(内外加工工程:S40)
次に、上記のガラス基板前駆体の外周端面および内周端面の面取り加工を行なった。これによりガラス基板前駆体の端面の面粗さは、Rmaxで2μm程度となった。
次に、上記のガラス基板前駆体の外周端面および内周端面の面取り加工を行なった。これによりガラス基板前駆体の端面の面粗さは、Rmaxで2μm程度となった。
(精ラッピング工程:S50)
次いで、精ラッピング工程では、上記のガラス基板前駆体の表裏の両面を遊星歯車機構を利用した両面研削機にセットした。そして、ダイヤモンドシートを用いて、ガラス基板前駆体に加わる定盤の加重を60g/cm2から120g/cm2として、定盤の回転数を10rpmから30rpmとし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%程度遅くして、ガラス基板前駆体の表裏を研磨した。このようにしてガラス基板前駆体の主表面の表面粗さRaが0.1μm以下で、平坦度を7μm以下となるまでラッピングを行なった。
次いで、精ラッピング工程では、上記のガラス基板前駆体の表裏の両面を遊星歯車機構を利用した両面研削機にセットした。そして、ダイヤモンドシートを用いて、ガラス基板前駆体に加わる定盤の加重を60g/cm2から120g/cm2として、定盤の回転数を10rpmから30rpmとし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%程度遅くして、ガラス基板前駆体の表裏を研磨した。このようにしてガラス基板前駆体の主表面の表面粗さRaが0.1μm以下で、平坦度を7μm以下となるまでラッピングを行なった。
(端面研磨工程:S60)
続いて、研磨砥粒として酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いて、ブラシ研磨方法により、ガラス基板前駆体を回転させながらガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨した。ここでは、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面の表面粗さがRmaxで0.4μm、Raで0.1μm程度になるまで研磨を行なった。
続いて、研磨砥粒として酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いて、ブラシ研磨方法により、ガラス基板前駆体を回転させながらガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨した。ここでは、ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面の表面粗さがRmaxで0.4μm、Raで0.1μm程度になるまで研磨を行なった。
上記の内周側端面に対し、さらに磁気研磨法による研磨を行なうことにより、パーティクル等の発塵を防止する鏡面状態に加工した。そして、このようにして内周端面を研磨した後に、ガラス基板前駆体の表面を水で洗浄した。
(化学処理工程:S70)
上記のガラス基板前駆体をエッチング液に浸漬させることにより、ガラス基板前駆体の表面および端面をエッチングした。本実施例では、エッチング液として5質量%のフッ化水素水溶液を用いて、ガラス基板前駆体の表面から10μmの厚みを除去した。なお、ガラス基板前駆体を除去した厚みは、化学処理を行なう前後の内径寸法の変化に基づいて算出した。
上記のガラス基板前駆体をエッチング液に浸漬させることにより、ガラス基板前駆体の表面および端面をエッチングした。本実施例では、エッチング液として5質量%のフッ化水素水溶液を用いて、ガラス基板前駆体の表面から10μmの厚みを除去した。なお、ガラス基板前駆体を除去した厚みは、化学処理を行なう前後の内径寸法の変化に基づいて算出した。
(主表面研磨工程:S80)
主表面研磨工程においては、まず、上述した両面研磨装置を用いて精ラッピング工程で残留した傷や歪みを除去するための第1研磨工程を行なった。この第1研磨工程においては、ポリッシャがスウェードパッドである研磨パッドを用いて、以下の条件でガラス基板前駆体の表裏を研磨した。
主表面研磨工程においては、まず、上述した両面研磨装置を用いて精ラッピング工程で残留した傷や歪みを除去するための第1研磨工程を行なった。この第1研磨工程においては、ポリッシャがスウェードパッドである研磨パッドを用いて、以下の条件でガラス基板前駆体の表裏を研磨した。
研磨液 :酸化セリウム(平均粒径1.3μm)+水
荷 重 :80〜100g/cm2
研磨時間:30分〜50分
除去法 :35μm〜45μm
次に、上記ガラス基板前駆体の表面に付着している研磨剤を洗浄によって除去した。洗浄方法は、HFを1質量%、硫酸を3質量%混合させた液を用いて、80kHzの超音波を照射することにより行なった。その後、中性洗剤で120kHz超音波を照射して超音波洗浄を行ない、最後に純水でリンスを行なってIPA乾燥した。
荷 重 :80〜100g/cm2
研磨時間:30分〜50分
除去法 :35μm〜45μm
次に、上記ガラス基板前駆体の表面に付着している研磨剤を洗浄によって除去した。洗浄方法は、HFを1質量%、硫酸を3質量%混合させた液を用いて、80kHzの超音波を照射することにより行なった。その後、中性洗剤で120kHz超音波を照射して超音波洗浄を行ない、最後に純水でリンスを行なってIPA乾燥した。
続いて、ガラス基板前駆体に対し、軟質ポリッシャ(スウェード)である研磨パッドを用いて、ガラス基板前駆体の表裏を研磨した(第2研磨工程)。なお、第2研磨工程で用いる研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウムよりも微細なシリカ砥粒を用いた。
(洗浄工程:S90)
上記研磨処理を終えたガラス基板前駆体に対し、中性洗剤および純水にて洗浄し乾燥させた。以上のようにして本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
上記研磨処理を終えたガラス基板前駆体に対し、中性洗剤および純水にて洗浄し乾燥させた。以上のようにして本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
<実施例2〜7>
上記の実施例1に対し、化学処理工程におけるガラス基板前駆体の表面を除去する厚みを表1の「除去量」の欄に記載した厚みに変えたことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって、実施例2〜7の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
上記の実施例1に対し、化学処理工程におけるガラス基板前駆体の表面を除去する厚みを表1の「除去量」の欄に記載した厚みに変えたことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって、実施例2〜7の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
<比較例1>
比較例1では、実施例1の工程の順序のうちの精ラッピング工程と端面研磨工程とを逆にしたことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって磁気ディスク用ガラス基板を作製した。すなわち、従来の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法と同様に、端面研磨工程を行なった後に精ラッピング工程を行なうことによって磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
比較例1では、実施例1の工程の順序のうちの精ラッピング工程と端面研磨工程とを逆にしたことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって磁気ディスク用ガラス基板を作製した。すなわち、従来の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法と同様に、端面研磨工程を行なった後に精ラッピング工程を行なうことによって磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
<比較例2>
比較例2では、化学処理工程を行なわなかったことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
比較例2では、化学処理工程を行なわなかったことが異なる他は、実施例1と同様の方法によって磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
<評価>
上記の各実施例および各比較例のガラス基板前駆体の強度および欠陥数を以下の方法によって評価した。
上記の各実施例および各比較例のガラス基板前駆体の強度および欠陥数を以下の方法によって評価した。
(強度)
各実施例および各比較例で作製した磁気ディスク用ガラス基板の強度を円環試験によって評価し、その結果を表1の「強度」の欄に示した。ここで、円環試験による強度の評価は、磁気ディスク用ガラス基板を圧縮試験装置(製品名:テンシロン RTG−1310(エー・アンド・ディー社製))にセットして、磁気ディスク用ガラス基板の内径部にボールを乗せて、その上から圧力を徐々に高めたときに磁気ディスク用ガラス基板が割れたときの圧力(kgf)によって算出した。
各実施例および各比較例で作製した磁気ディスク用ガラス基板の強度を円環試験によって評価し、その結果を表1の「強度」の欄に示した。ここで、円環試験による強度の評価は、磁気ディスク用ガラス基板を圧縮試験装置(製品名:テンシロン RTG−1310(エー・アンド・ディー社製))にセットして、磁気ディスク用ガラス基板の内径部にボールを乗せて、その上から圧力を徐々に高めたときに磁気ディスク用ガラス基板が割れたときの圧力(kgf)によって算出した。
(欠陥数)
各実施例および各比較例で作製した磁気ディスク用ガラス基板の表面に5nmのクロム膜を成膜した。このようにクロム膜を成膜することにより、磁気ディスク用ガラス基板の端面に付着した付着物が時間経過によって徐々に主表面に浮遊して欠陥数が多くなるのを防ぐことができる。そして、上記のクロム膜付ガラス基板をクラス10の環境下に24時間静置した後に、光学表面分析装置(OSA7120(KLA−tencor社製))を用いて欠陥数を測定した。その結果を表1の「欠陥数」の欄に示す。なお、欠陥数が多いほどガラス基板前駆体の端面に傷やクラック等が多いことを意味する。
各実施例および各比較例で作製した磁気ディスク用ガラス基板の表面に5nmのクロム膜を成膜した。このようにクロム膜を成膜することにより、磁気ディスク用ガラス基板の端面に付着した付着物が時間経過によって徐々に主表面に浮遊して欠陥数が多くなるのを防ぐことができる。そして、上記のクロム膜付ガラス基板をクラス10の環境下に24時間静置した後に、光学表面分析装置(OSA7120(KLA−tencor社製))を用いて欠陥数を測定した。その結果を表1の「欠陥数」の欄に示す。なお、欠陥数が多いほどガラス基板前駆体の端面に傷やクラック等が多いことを意味する。
表1から明らかなように、実施例1〜7の磁気ディスク用ガラス基板は、強度が高く、かつ欠陥数が多いのに対し、比較例1の磁気ディスク用ガラス基板は、欠陥数が多かった。また、比較例2の磁気ディスク用ガラス基板は、強度が非常に低く、割れやすかった。
実施例1〜7では、精ラッピング工程、端面研磨工程、化学処理工程、主表面研磨工程の順に加工を行なっているため、精ラッピング工程においてガラス基板前駆体の端面で発生した傷やクラックを端面研磨工程および化学処理工程で除去することができ、もって強度および清浄度が高い磁気ディスク用ガラス基板を得ることができたものと考えられる。
これに対し、比較例1では、端面研磨工程を行なってから精ラッピング工程を行なうため、精ラッピング工程で発生したガラス基板前駆体の端面の傷やクラックを除去することができず、それどころか傷やクラックが化学処理工程で拡大され、その部分に研磨剤が詰まって、磁気ディスク用ガラス基板の表面および端面の清浄度が低いものであった。また、比較例2では、化学処理を行なっていないため、磁気ディスク用ガラス基板の表面にクラックが残存し、割れやすいものであった。
したがって、本発明の製造方法に従って製造された磁気ディスク用ガラス基板は、強度が高く、欠陥数が少ないことが示された。特に、実施例4〜5に示されるように、化学処理工程によるガラス基板前駆体の表面からの除去量が12〜25μmのときに磁気ディスク用ガラス基板の強度の向上が顕著であった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガラス基板前駆体、1A 表主表面、1B 裏主表面、1C 内周端面、1D 外周端面、1H 孔。
Claims (4)
- ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、
前記ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する端面研磨工程と、
前記ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、
前記端面研磨工程と前記主表面研磨工程との間に、前記ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含む、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - ダイレクトプレス法により作製した円盤状のガラス基板前駆体を用いた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板前駆体の表面を研削する精ラッピング工程と、
前記ガラス基板前駆体の外周端面および内周端面を研磨する端面研磨工程と、
前記ガラス基板前駆体の表面を研磨する主表面研磨工程とをこの順に含み、
前記主表面研磨工程は、第1研磨工程と第2研磨工程とを含み、
前記第1研磨工程と前記第2研磨工程との間に、前記ガラス基板前駆体の表面を処理する化学処理工程を含む、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 前記化学処理工程は、前記ガラス基板前駆体の表面から5〜30μmの厚みを除去する、請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記化学処理工程は、前記ガラス基板前駆体の表面から12〜20μmの厚みを除去する、請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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