JP2012202378A - ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置 - Google Patents

ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012202378A
JP2012202378A JP2011070328A JP2011070328A JP2012202378A JP 2012202378 A JP2012202378 A JP 2012202378A JP 2011070328 A JP2011070328 A JP 2011070328A JP 2011070328 A JP2011070328 A JP 2011070328A JP 2012202378 A JP2012202378 A JP 2012202378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil separation
drive shaft
separation plate
discharge port
refrigerant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011070328A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5575033B2 (ja
Inventor
Tokuyoshi Fukaya
篤義 深谷
Masao Tani
谷  真男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2011070328A priority Critical patent/JP5575033B2/ja
Publication of JP2012202378A publication Critical patent/JP2012202378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5575033B2 publication Critical patent/JP5575033B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】ロータリ式圧縮機において、冷媒の吐出口から吐出する吐油量を低減する。
【解決手段】回転子2bは、吐出口側の上面に対して反対側となる底面から上面へと駆動軸4の長手方向に沿って貫通すると共に、上面が第1の油分離板80で覆われる複数の貫通孔2b−1が形成されている。また、第1の油分離板80の吐出口5aには、第2の油分離板90が駆動軸4に固定的に取り付けられている。第2の油分離板90は、周縁に吐出管5の吐出口5aに向いて起立する折曲部94を備えている。折曲げ部94上端と吐出口5a間の距離H1[mm]と圧縮機押しのけ量V[cc]との比であるH2/Vは、0.14〜0.35倍とした。また、第1の油分離板80と回転子2bの上面との距離H1[mm]に対する圧縮機押しのけ量V[cc]との比H1/Vを0.2〜0.6とした。
【選択図】図7

Description

この発明は、ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置に関する。
密閉型圧縮機は、その内部に冷凍機油が貯留されている。圧縮機構を駆動させる際、この冷凍機油を圧縮機構に供給することで、圧縮機構の摩耗を防止している。このため、圧縮機構から吐出された冷媒には、冷凍機油が混入してしまう。冷媒と共に冷凍機油が圧縮機の外部へ持ち出されると、圧縮機内の冷凍機油が減少して圧縮機構への冷凍機油の供給が不足し、圧縮機の信頼性が低下してしまう。また、冷媒と共に圧縮機の外部へ持ち出された冷凍機油が熱交換器に付着すると、熱交換器の熱交換能力も低下してしまう。
特に二段圧縮機は、給湯や暖房の負荷が高いヒートポンプ装置に用いられ、高速回転による運転が求められる。そのため、圧縮機内部から吐出される冷媒流速が速く、冷凍機油の外部持ち出しを助長させてしまう。
そこで、従来の圧縮機には、圧縮機構と電動機部とを接続する駆動軸に油分離部材を設け、圧縮機外部へ冷凍機油が流出することを抑制したものがある(例えば特許文献1や特許文献2など)。
特許文献1に記載のものは、吐出口を上部に持つ冷媒コンプレッサ内の回転子上部に2枚の円盤を有する油分離装置を備えたエアチラー装置が提案されている。
しかし、密閉容器上方に漂う冷凍機油を含む冷媒に対し、上部の油分離板のような略円板形状では、攪拌、油分離効果が十分得られないことがあった。
特許文献2に記載のものは、油分離板が回転子上部と固定子上部との、複数箇所に設けられ、回転子上部の油分離板の半径R1、回転子の半径L3、回転子中心から回転子に設けられているガス用貫通孔までの距離L2とした場合、L3≧R1≧L2の関係にすることを述べている。
また、固定子上部に設けられた油分離板の半径R4、固定子の内周半径R5とした場合、R4≧R5の関係にすることを述べている。
しかしながら、L3≧R1≧L2、R4≧R5といった範囲規定では、油分離効果が十分得られる範囲と得られない範囲が混在してしまう可能性があった。
特開2005−161928公報 特開2009−228668公報
従来の圧縮機に用いられている油分離部材は、いずれも遠心分離効果のみによって冷媒と冷凍機油とを分離している。したがって、例えば流量の大きな圧縮機や容量の大きな圧縮機に従来の油分離部材を採用した場合等、十分な油分離効果が得られないという課題があった。
本発明は、従来よりも油分離効果が高いロータリ式圧縮機を得ることを目的とする。
この発明のロータリ式圧縮機は、
冷媒を圧縮して吐出するロータリ式圧縮機において、
密封容器と、
前記密閉容器の内部に端部が配置され、前記端部に圧縮された冷媒を吐出する吐出口を有する吐出管と、
前記密閉容器の内部に配置され、前記冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
前記密閉容器の内部に配置され、前記吐出管の前記吐出口へ入流する冷媒の流入方向に長手方向を略同じくして前記吐出口の付近から冷媒の前記流入方向と逆の方向に延びる駆動軸であって、回転することによって前記圧縮機構部を駆動する駆動軸と、
前記密閉容器の内部に配置されると共に、前記駆動軸の長手方向において前記圧縮機構部よりも前記吐出管の前記吐出口側に配置されるモータ部であって、固定子と、前記駆動軸の長手方向を中心軸方向とする略円筒形状をなし、略円筒形状の前記吐出口側の上面から前記駆動軸が突き出した状態で前記吐出口側の前記駆動軸に固定的に設置され、前記固定子と電気的に相互作用して前記駆動軸と一体に回転する回転子とを有するモータ部と、
前記吐出管の前記吐出口と、略円筒形状の前記回転子の前記吐出口側の上面との間で、前記回転子の前記上面に対向すると共に前記駆動軸が貫通する状態で前記駆動軸に固定的に取り付けられた板状体である第1の油分離板と
を備え、
前記回転子は、
前記吐出口側の前記上面に対して反対側となる底面から前記上面へと前記駆動軸の長手方向に沿って貫通すると共に、前記上面側が前記第1の油分離板で覆われる貫通孔が形成されたことを特徴とする。
この発明に係るロータリ縮機は、第1の油分離板と貫通孔の形成された回転子とを備えた。これにより、ロータリ圧縮機の油分離効果を高めることができる。
実施の形態1に係る二段圧縮機100の平面図。 図1におけるA−A’断面図。 図2における圧縮機構部3及び圧縮機構部3の周囲の拡大図。 図1におけるB−B’断面図。 図2におけるC−C’断面図。 図2におけるD−D’断面図。 回転子と第1の油分離版、第2の油分離版設置状態を示す図。 第1の油分離版、第2の油分離版の上面、側面図。 実施の形態1に係る第2の油分離部材に発生する流速勾配を説明するための明図(平面図)。 90rpsにおける比H2/Vと、吐油量の関係を示す図。 90rpsにおける比H1/Vと、吐油量の関係を示す図。 評価結果を示す図。 インジェクション回路を有するヒートポンプ装置の回路構成の一例を示す図。 図13に示すヒートポンプ装置101の冷媒の状態についてのモリエル線図。
実施の形態1.
実施の形態1では、高段圧縮部をバイパスするバイパス口を有する二段圧縮機100について説明する。
図1は、実施の形態1に係る二段圧縮機100の平面図である。
図2は、図1におけるA−A’断面図である。なお、図2では、中間連結管51部分についてはa−a’断面を示している。
図3は、図2における圧縮機構部及び圧縮機構部の周囲の拡大図である。
図4は、図1におけるB−B’断面図である。
図5は、図2におけるC−C’断面図である。
図6は、図2におけるD−D’断面図である。
まず、二段圧縮機100(ロータリ型の二段圧縮機)の構成について説明する。
図4に示すように、二段圧縮機100は、密閉容器1の内部に、電動要素2(モータ部)と、低段圧縮部10と高段圧縮部30との2つの圧縮部を備える圧縮機構部3と、駆動軸4とを備える。また、密閉容器1の上部には、吐出管5が嵌入される。さらに、密閉容器1の下部は、潤滑油貯蔵部6を形成し、潤滑油6aが封入される。また、二段圧縮機100は、密閉容器1の外部に、吸入マフラ7を備える。吸入マフラ7は、吸入管8により密閉容器1内の圧縮機構部3の低段圧縮部10と接続される。
図4に示すように、圧縮機構部3の低段圧縮部10は、低段シリンダ11と、低段シリンダ11の上側を閉塞する低段フレーム14と、低段シリンダ11の下側を閉塞する中間仕切板50とにより低段圧縮室15を形成する。低段圧縮室15内には、低段ローリングピストン12が設けられる。また、低段圧縮室15の低段吸入口21には、吸入管8が接続されている。同様に、高段圧縮部30は、高段シリンダ31と、高段シリンダ31の下側を閉塞する高段フレーム34と、高段シリンダ31の上側を閉塞する中間仕切板50とにより、低段圧縮室15よりも容積の小さい高段圧縮室35を形成する。高段圧縮室35内には、高段ローリングピストン32が設けられる。つまり、二段圧縮機100は、ロータリ型の二段圧縮機である。
また、圧縮機構部3は、低段フレーム14との間に低段吐出空間20を形成する低段カバー19(低段吐出部)と、高段フレーム34との間に高段吐出空間40を形成する高段カバー39(高段吐出部)とを備える。また、低段カバー19の中間流出口22と高段シリンダ31の高段吸入口41とを接続する中間連結管51が設けられ、低段吐出空間20と高段圧縮室35とが連通している。
また、高段フレーム34と、高段シリンダ31と、中間仕切板50と、低段シリンダ11と、低段フレーム14と、低段カバー19とを貫通し、高段吐出空間40と吐出圧空間53とを連通する吐出流路52が設けられている。
さらに、図4に示すように、低段カバー19には、インジェクタ60が設けられる。インジェクタ60には、インジェクションパイプ61が接続される。
図7の(a)は、二段圧縮機100のA−A’縦断面(図2)に相当する図である。「相当する」としたのは、理解容易のため、例えば図2に対して、固定子2a,コイル2c等を除き、本実施の形態1に関する主要部(回転子2b、第1の油分離板80、第2の油分離板90、吐出管5、吐出口5a、密閉容器1等)を示したからである。また、図7の(b)は図7の(a)におけるE−E’断面である。電動要素2は、図4に示すように、固定子2a及び回転子2bを備えている。図7の(b)に示すように、回転子2bは、積層された鋼鈑からなるコア2b−2と、複数の永久磁石2b−5を複数の固定用リベット2b−3にて一体にかしめて形成されている。回転子2bには、図7の(a)に示すように、第1のガス流路として総断面積A1なる複数の貫通孔2b−1が設けられている。固定子2aは中空円筒形状をしており、その外周部が密閉容器1の内壁に例えば圧入されている。この固定子2aは、例えば電磁鋼板等の鋼板を複数枚積層させることにより構成されている。また、固定子2aには、内周部の溝にコイル2cが例えば分布巻きされている。
また、回転子2bの中心には、駆動軸4が圧入されている。圧縮機構部3には、この駆動軸4が回転した際、密閉容器1の下部に貯留された冷凍機油が、駆動軸4に形成された給油経路を介して供給されるようになっている。
図7に示すように、回転子2bから突出した駆動軸4の先端には、第1の油分離板80及び第2の油分離板90が設けられている。
図8は、第1の油分離板80及び第2の油分離板90の形状を示す。
(a)は第1の油分離板80の側面図である。
(b)は第1の油分離板80の下面図である。
(c)は第2の油分離板90の平面図である。
(d)は第2の油分離板90の側面図である。
図8の(a),(b)に示すように、第1の油分離板80は、略円板形状をしており、円板部81より駆動軸4の軸方向に一体に延出して、円板部81に直角に立設されてなる円筒壁82を有する中抜き穴83を有している。円筒壁82の内径は駆動軸4より小さく形成されており、駆動軸4は円筒壁82内径に圧入もしくは焼嵌め等により締まり嵌めにて嵌挿される。図7に示すように、第1の油分離板80は、回転子2bの貫通孔2b−1を覆い隠すように、回転子2bの上面2b−4から「所定の距離H1」を隔てて駆動軸4に圧入されている。これは、回転子2bの貫通孔2b−1から流出した冷媒を、より確実に第1の油分離板80に接触させるためである。これにより、回転子2bの貫通孔2b−1より流出した冷媒から、より確実に冷凍機油を分離することができる。第1の油分離板80の略円板の最外径R(80)(図8(b))は、回転子2bの外径D(図7(b))の0.8〜1.0倍である。なお後述する第2の油分離板90の最外径R(図8(c))も、回転子2bの外径Dの0.8〜1.0倍である。
図7及び図8の(c)、(d)に示すように、第2の油分離板90は、円板部91の外周から吐出口5aに向かって起立する折曲げ部94(起立部)と、駆動軸4の軸方向に一体に延出して円板部91に直角に立設されてなる円筒壁92を有する中抜き穴93とを有している。第2の油分離板90は、第1の油分離板80と同様に、駆動軸4に圧入もしくは焼嵌め等により締まり嵌めにて嵌挿され、図7の(a)のように第1の油分離板80の上方へ所定の間隔H3を隔てて設置されている。間隔H3は、概ね間隔H1程度である。
また、図8の(c)、(d)に示すように、本実施の形態1の折曲げ部94は、外周部の四箇所が上方(吐出口5a方向を向くように)に折り曲げられて形成されている。この折曲げ部94は、円板部91から上面に対し略垂直に折り曲げられ、図8(d)のように側面視すると、四角形状をしている。さらに、図8(c)のように上面視(平面視)すると、円板は多角形状(半径Rの円の内接多角形)をしている。また、折曲げ部94の数は、図8の(c)、(d)では折曲げ部94を4箇所に設けた場合について述べるが、この限りではない。つまり、円板を平面視した場合(図8(c))、多角形となっていれば、後述のような流速勾配による油分離効果を得ることができる。しかしながら、円板を平面視(図8の(c))において多角形に形成する場合でも、平面視において中心点95に対して略点対称となる多角形状(例えば、略四角形、略六角形、略八角形等)に円板部91を形成する。これにより、後述のような流速勾配による油分離効果がより促進される。この中でも、円板部91を平面視において略四角形(図8(c)の形状)とすることにより、折曲げ部94の平面視における長さLを大きくすることができるため、後述のような流速勾配による油分離効果がさらに促進される。
また、折曲げ部94の高さH(94)は、円板部91の半径R(より詳しくは、図8(c)に示したように、折曲げ部94が設けられていない状態の半径)の30%〜40%(0.3R〜0.4R)となっている。ここで、折曲げ部94の高さH(94)は、図8(d)に示すように、折曲げ部94の吐出口5a側となる先端と、円板部91の下面97との、駆動軸4の長手方向における距離とする。これは、第2の油分離板90に、遠心力による油分離効果(遠心分離効果)と後述する流速勾配による油分離効果の双方を効率よく発揮させるためである。つまり、折曲げ部94の高さH(94)が円板部91の半径Rの40%よりも大きくなると、折曲げ部94にかかる遠心力によって電動要素2への入力が過大になってしまう。電動要素2への入力が過大とならないように回転数を減少させると、遠心力による油分離効果が減少してしまう。一方、折曲げ部94の高さH(94)が円板部91のR半径R30%よりも小さくなると、折曲げ部94近傍で発生する流速勾配(図9で後述する)が小さくなる。このため、流速勾配による油分離効果が減少してしまう。このように、折曲げ部94の高さH(94)は、0.3R〜0.4Rが好ましい。
(距離H1)
図7(a)に示す「第1の油分離板80の下面84と回転子2bの上面2b−4との間の距離H1(mm」と、この二段圧縮機100の押しのけ量V(cc)との比H1/Vは、0.2〜0.6の範囲とする。なおSI単位で示せば、距離H1(10−3m)、押しのけ量V(10−6m)なるので、比H1/Vは、200〜600の範囲である。第1の油分離板80の設置位置について発明者らが鋭意検討した結果、上記位置(距離H1)に第1の油分離板80を設置した場合、回転子2bの貫通孔2b−1から流出した冷媒の流れ方向を変化させる効果が大きかったためである。この効果については後述する。これにより、回転子2bの貫通孔2b−1から流出した冷媒は、拡散する前に第1の油分離板80に到達する。
(距離H2)
また、図7(a)に示す「第2の油分離板90の折曲げ部94の吐出口5a側の端部と吐出口5aの端面との距離H2」と、二段圧縮機100の押しのけ量V(cc)との比H2/Vは、0.14〜0.35の範囲とする。なおSI単位で示せば、距離H1(10−3m)、押しのけ量V(10−6m)となるので、比H1/Vは、140〜350の範囲である。第2の油分離板90の設置位置(距離H2)について発明者らが鋭意検討した結果、油分離効果が最大値を示したためである。この効果については後述する。
第2の油分離板90については、第2の油分離板90の折曲げ部94の上端と吐出管5の冷媒吸入口である吐出口5aとの距離H2を円板部91の半径R以下とし、吐出管5と第2の油分離板90とが接触しない範囲に設ける。一方、第2の油分離板90の折曲げ部94の上端部と吐出管5の吐出口5aとの距離H2が円板部91の半径Rよりも大きくなってしまうと、第2の油分離板90の油分離効果が低下し、冷媒と冷凍機油との分離が不十分となる。第2の油分離板90の折曲げ部94の上端部と吐出管5の吐出口5aとの距離H2を円板部91の半径R以下にすることで、吐出管5の吐出口5aを、後述の流速勾配の及ぶ範囲に配置することができる。
次に、二段圧縮機100の動作について説明する。電力が供給されると、電動要素2が動作する。電動要素2と圧縮機構部3とは、駆動軸4により接続されており、電動要素2で発生した動力が駆動軸4を介して圧縮機構部3へ伝達される。そして、駆動軸4により、低段ローリングピストン12と高段ローリングピストン32とがそれぞれ低段圧縮室15と高段圧縮室35との内部で偏芯回転する。低段ローリングピストン12と高段ローリングピストン32とが偏芯回転することにより、低段圧縮部10と高段圧縮部30とで冷媒が圧縮される。
次に、二段圧縮機100における冷媒の流れを説明する。まず、外部から低圧の冷媒が吸入マフラ7へ流入する。吸入マフラ7へ流入した低圧の冷媒は、吸入管8を介して低段圧縮室15へ吸入される。低段圧縮室15へ吸入された低圧の冷媒は、低段圧縮室15内で中間圧まで圧縮される。冷媒が中間圧まで圧縮されると、低段圧縮室15内の冷媒と低段吐出空間20内の冷媒との圧力差により低段吐出弁17が低段吐出空間20側へたわんで開き、低段圧縮室15内の冷媒が低段吐出口16から低段吐出空間20へ吐出する。ここで、中間圧は、低段圧縮室15の吸入室の容積と高段圧縮室35の吸入室の容積との比から決定される圧力である。低段吐出空間20へ吐出した中間圧の冷媒は、中間連結管51を介して高段圧縮室35へ吸入される。高段圧縮室35へ吸入された中間圧の冷媒は、高段圧縮室35内で吐出圧まで圧縮される。冷媒が吐出圧まで圧縮されると、高段圧縮室35内の冷媒と高段吐出空間40内の冷媒との圧力差により高段吐出弁37が高段吐出空間40側へたわんで開き、高段圧縮室35内の冷媒が高段吐出口36から高段吐出空間40へ吐出する。高段吐出空間40へ吐出した吐出圧の冷媒は、吐出流路52を介して低段圧縮部10の上方の吐出圧空間53へ吐出される。そして、吐出圧空間53へ吐出された吐出圧の冷媒は、吐出管5から外部へ吐出される。なお、二段圧縮機100を備えるヒートポンプ装置においてインジェクション運転がされている場合には、図4に示すインジェクションパイプ61からインジェクタ60を介して、インジェクション冷媒が低段吐出空間20へ注入される。インジェクション冷媒は、低段圧縮室15から吐出された中間圧の冷媒と低段吐出空間20で混合され、高段圧縮部30で圧縮される。
ヒートポンプ装置101の負荷が小さい場合等に、低段圧縮部10による圧縮だけで、吐出圧となってしまう過圧縮状態となる場合がある。つまり、上述した冷媒の中間圧が必要な吐出圧より高い圧力となってしまう場合がある。この場合、低段吐出空間20の冷媒と、吐出圧空間53の冷媒との圧力差により、バイパス弁24が開き、低段吐出空間20の冷媒がバイパス口23から吐出圧空間53へ吐出される。つまり、低段圧縮部10から低段吐出空間20へ吐出された冷媒が、高段圧縮部30で圧縮されることなく、バイパスして吐出圧空間53へ吐出される。過圧縮状態では、低段圧縮部10による圧縮だけで吐出圧となっているため、高段圧縮部30による圧縮は無駄であり、高段圧縮部30で圧縮を行うと効率が悪化する。しかし、二段圧縮機100では、過圧縮状態になった場合に、低段圧縮部10で圧縮した冷媒を高段圧縮部30をバイパスして吐出させる。そのため、過圧縮状態が発生した場合における損失(過圧縮損失)を抑制できる。
二段圧縮機100で、第1のガス流路となる貫通孔2b−1の総断面積を総断面積A1とする。また、「回転子2bの外周面と固定子2aの内周面との間に確保されるエアギャップ」と、「固定子2aにおける巻線収容スロットの開口から固定子2aの内周面にかけて形成される溝部」とからなる総断面積を、総断面積A2とする。このとき実施の形態1の二段圧縮機100では、
総断面積A1>総断面積A2、
が成立する構成とする。
本実施の形態1の密閉電動圧縮機(二段圧縮機100)は、上記のように構成されており、吸入マフラ7より圧縮機構部3へ送られた低圧の冷媒ガスは、低段、高段の圧縮機構部3にて圧縮され、密閉容器1内に放出される。圧縮機構部3には潤滑油6aが付着している為、密閉容器1内の吐出ガスには潤滑油6aが混在している。潤滑油6aの混在する吐出ガスは、密閉容器1内において回転子2bを貫通する第1のガス流路(貫通孔2b−1)と、「回転子2bの外周面と固定子2aの内周面との間に確保されるエアギャップ」と、「固定子2aにおける巻線収容スロットの開口から固定子2aの内周面にかけて形成される溝部」とからなる第2のガス流路を通過して、密閉容器1上部の吐出口5aより、密閉容器1外へと送られる。このとき、吐出ガスの大部分は面積が大きい第1の流路(貫通孔2b−1)を通り、密閉容器1上部の吐出口5aへと向かう。第1、第2のガス流路以外にも固定子2aの外周隙間も流路として存在しているが、面積が小さく流路抵抗が大きいため、吐出口5aへ向かう冷媒ガスは殆ど流れない。特に第1のガス流路すなわち回転子2bの上下両端を軸方向に連通する複数の貫通孔2b−1を通過した吐出ガスは、直後にまず保持されている第1の油分離板80に吹きつけられる。このとき一部の潤滑油6aは第1の油分離板80に付着し、第1の油分離板80の回転に伴って外周方向へ弾き飛ばされることにより、冷媒ガスから分離される。その後冷媒ガスは、第1の油分離板80には一切の穴がない為に、全て第1の油分離板80の外周を回り込みつつ吐出口5aへと向かう。その過程において吐出ガスには第1の油分離板80の回転に伴い回転運動が与えられ、吐出ガスに残存する潤滑油6aは比重の差により遠心力で分離される。
このとき、第1の油分離板80と回転子2bの上面2b−4との距離H1が大きすぎると(つまり冷媒流れを変更する位置が高すぎると)、貫通孔2b−1から流出した冷媒は、第1の油分離板80へ到達する前に拡散してしまう。このため、吐出管5付近へ機油濃度の高い冷媒が流れ、冷媒回路へ吐出されてしまう。また、第1の油分離板80と回転子2bの上面2b−4との距離H1が小さすぎると、高回転運転による、高流量の冷媒が油分離板に吹きつけられ、十分に遠心分離することができない。このため、吐出管5付近へ機油濃度の高い冷媒が流れ、冷媒回路へ吐出されてしまう。
この点、本実施の形態1に係る二段圧縮機100の場合、貫通孔2b−1から流出した冷媒は、第1の油分離板80によって、その流れ方向が外周方向(駆動軸4側から密閉容器1の内壁へ向かう方向)へ変更される。このとき、第1の油分離板80の遠心分離効果によって、冷媒内に混入した冷凍機油が分離される。そして、この冷媒は、吐出管5の吐出口5a(冷媒吸入口)付近に設けられた第2の油分離板90へ流れ込み、冷媒内に混入した冷凍機油が再度分離される。したがって、本実施の形態1に係る二段圧縮機100は、従来の二段圧縮機よりも油分離効果が向上する。
図9は、第2の油分離板90に発生する流速勾配を説明する図(平面図)である。図9を参照して第2の油分離板90に発生する流速勾配を説明する。本実施の形態1に係る第2の油分離板90は、流速勾配によっても冷媒に混入した冷凍機油を分離することが可能なので、さらに油分離効果が向上する(図9)。より詳しくは、略直線的に折り曲げられた折曲げ部94は、折曲げ部94内の各位置において、回転中心(中心点95)からの距離が異なる。このため、折曲げ部94の両端部は半径が長いので周速度が大きくなり、折曲げ部94の中心部は半径が短いので周速度が小さくなる。この周速度の違いによって、図9に示すように、折曲げ部94の回転方向前方側の端部には外側に負圧が発生し、折曲げ部94の回転方向後方側の端部には内側に負圧が発生する。これにより、折曲げ部94の外側では回転方向と同じ方向に流れが発生し、折曲げ部94の内側では回転方向と逆方向に流れが発生する。したがって、第2の油分離板90は、この流れ方向の違い(流速勾配)によっても冷媒に混入した冷凍機油を分離することが可能なので、さらに油分離効果が向上する。
以上、このように構成された二段圧縮機100においては、第2の油分離板90が回転した際、折曲げ部94近傍において流速勾配が生じる。したがって、第2の油分離板90は、遠心分離効果に加え、この流速勾配によっても冷凍機油と冷媒とを分離することが可能となる。なお、この効果は、第2の油分離板90が設けられた場合に限るものではない。つまり、第2の油分離板90を設けなくとも、本実施の形態1に係る二段圧縮機100は、従来の圧縮機よりも油分離効果が向上する。第1の油分離板80は、遠心分離効果に加え、この流速勾配によっても冷凍機油と冷媒とを分離することが可能だからである。
また、前述のように、円板部91の形状を平面視において略四角形とすることにより、流速勾配による油分離効果がさらに促進される。
また、第1の油分離板80と、折曲げ部94を有する第2の油分離板90とを設け、そして、これら折曲げ部94及び油分離板の高さ(即ち距離H1、H2)を設定することにより、高い油分離効果を得ることができる。
(距離H2の効果)
図10は、折曲げ部94と前記吐出口5aとの距離H2[mm]と、二段圧縮機100の押しのけ量V[cc]の比H2/Vと圧縮機外へ吐出された吐油量の関係である。
図11は、回転子2bの上面2b−4と第1の油分離板80との距離H1[mm]と、二段圧縮機100の押しのけ量V[cc]との比H1/Vと、圧縮機外へ吐出された吐油量の関係である。
図10、図11は、二段圧縮機100の回転数を90rpsとした場合を示す。
図12は、評価を繰り返したときの評価結果を示す。
(距離H2の効果)
図12に示すように、吐油量が小さくなるのは、比H2/Vが0.14より大きく0.35以下であった。また、より吐油量が小さくなるのは、比H2/Vが0.15より大きく0.33以下であった。さらに、より吐油量が小さくなるのは、比H2/Vが0.18より大きく0.25以下であった。特に吐油量が小さくなるのは、比H2/Vが0.209が最適値であった。なお、上記に比H2/Vの説明については、距離H2の単位には[mm]を使用し、押しのけ量Vの単位には[cc]を用いている。SI単位系を用いた場合、すなわち、距離H2の単位に[m]、押しのけ量Vの単位に[m]を用いたときは、上記のH2/Vの値は1000倍になる。すなわち比H2/Vが140より大きく350以下のときに吐油量が小さくなる。
(距離H1の効果) また、図12に示すように、吐油量が小さくなるのは、比H1/Vが0.2より大きく0.6以下であった。また、より吐油量が小さくなるのは、比H1/Vが0.24より大きく0.55以下であった。さらに、より吐油量が小さくなるのは、比H1/Vが0.3より大きく0.45以下であった。特に吐油量が小さくなるのは、比H1/Vが0.377が最適値であった。なお、上記に比H1/Vの説明についても比H2/Vの場合と同様である。すなわち、上記の説明では距離H1の単位には[mm]を使用し、押しのけ量Vの単位には[cc]を用いている。SI単位系を用いた場合、すなわち、距離H1の単位に[m]、押しのけ量Vの単位に[m]を用いたときは、上記のH1/Vの値は1000倍になる。すなわち比H1/Vが200より大きく600以下のときに吐油量が小さくなる。
また、折曲げ部94の高さH(94)は、円板部91の半径R(より詳しくは折曲げ部94が設けられていない状態の半径)の30%〜40%となっている。このため、第2の油分離板90に、遠心力による油分離効果(遠心分離効果)と流速勾配による油分離効果の双方を効率よく発揮させることができる。
次に、二段圧縮機100(ロータリ型二段圧縮機)を備えるヒートポンプ装置101について説明する。
図13は、インジェクション回路を有するヒートポンプ装置の回路構成の一例を示す図である。
図14は、図13に示すヒートポンプ装置101の冷媒の状態についてのモリエル線図である。図14において、横軸は比エンタルピ、縦軸は冷媒圧力を示す。
ヒートポンプ装置101は、二段圧縮機100、熱交換器71(第2熱交換器)、第1膨張弁72、レシーバー78、第3膨張弁74、熱交換器76(第1熱交換器)を配管により順次接続した主冷媒回路を備える。また、ヒートポンプ装置101は、レシーバー78と第3膨張弁74との間から、二段圧縮機100のインジェクションパイプ61までを配管により接続し、配管の途中に第2膨張弁75を備えるインジェクション回路を備える。また、ヒートポンプ装置101は、主冷媒回路における冷媒とインジェクション回路における冷媒とを熱交換させる内部熱交換器73を備える。さらに、ヒートポンプ装置101は、冷媒の流れる向きを変更する四方弁77を備える。
まず、ヒートポンプ装置101の暖房運転時の動作について説明する。暖房運転時には、四方弁77は実線方向に設定される。なお、この暖房運転とは、空調で使われる暖房だけでなく、水に熱を与えて温水を作る給湯も含む。二段圧縮機100で高温高圧となった気相冷媒(図14の点1)は、二段圧縮機100の吐出管5から吐出され、凝縮器であり放熱器となる熱交換器71で熱交換されて液化する(図14点2)。このとき、冷媒から放熱された熱により空気や水などが温められ、暖房や給湯がされる。熱交換器71で液化された液相冷媒は、第1膨張弁72(減圧機構)で減圧され、気液二相状態になる(図14の点3)。第1膨張弁72で気液二相状態になった冷媒は、レシーバー78で二段圧縮機100へ吸入される冷媒と熱交換され、冷却されて液化される(図14の点4)。レシーバー78で液化された液相冷媒は、内部熱交換器73、第3膨張弁74側の主冷媒回路と、第2膨張弁75側のインジェクション回路とに分岐して流れる。主冷媒回路を流れる液相冷媒は、第2膨張弁75で減圧され気液二相状態となったインジェクション回路を流れる冷媒と内部熱交換器73で熱交換されて、さらに冷却される(図14の点5)。内部熱交換器73で冷却された液相冷媒は、第3膨張弁74(減圧機構)で減圧されて気液二相状態になる(図14の点6)。第3膨張弁74で気液二相状態になった冷媒は、蒸発器となる熱交換器76で熱交換され、加熱される(図14の点7)。そして、熱交換器76で加熱された冷媒は、レシーバー78でさらに加熱され(図14の点8)、吸入マフラ7から二段圧縮機100に吸入される。一方、インジェクション回路を流れる冷媒は、上述したように、第2膨張弁75(減圧機構)で減圧されて(図14の点9)、内部熱交換器73で熱交換される(図14の点10)。内部熱交換器73で熱交換された気液二相状態の冷媒(インジェクション冷媒)は、気液二相状態のまま二段圧縮機100のインジェクションパイプ61から低段吐出マフラ9b(前回は低段吐出空間20:この原稿でも前記では低段吐出空間20を使用しているので混在)へ流入する。二段圧縮機100内では、主冷媒回路を流れ吸入マフラ7から吸入された冷媒(図14の点8)が、低段圧縮部10で中間圧まで圧縮、加熱される(図14の点11)。中間圧まで圧縮、加熱された低段吐出マフラ9b(低段吐出空間20)へ吐出された冷媒(図14の点11)と、インジェクション冷媒(図14の点8)とが合流して、温度が低下する(図14の点12)。そして、温度が低下した冷媒(図14の点12)が、さらに高段圧縮部30で圧縮、加熱され高温高圧となり、吐出流路52から吐出圧空間53へ吐出される(図14の点1)。
なお、インジェクション運転を行わない場合には、第2膨張弁75の開度を全閉にする。つまり、インジェクション運転を行う場合には、第2膨張弁75の開度が所定の開度よりも大きくなっているが、インジェクション運転を行わない際には、第2膨張弁75の開度を所定の開度より小さくする。これにより、二段圧縮機100のインジェクションパイプ61へ冷媒が流入しない。つまり、熱交換器71、第1膨張弁72、レシーバー78を通過した冷媒の全てを吸入マフラ7から二段圧縮機100へ吸入させる。ここで、第2膨張弁75の開度は、制御部により電子制御により制御される。なお、制御部とは、例えば、マイクロコンピュータ等である。
次に、ヒートポンプ装置101の冷房運転時の動作について説明する。冷房運転時には、四方弁77は破線方向に設定される。二段圧縮機100で高温高圧となった気相冷媒(図14の点1)は、二段圧縮機100の吐出管5から吐出され、凝縮器であり放熱器となる熱交換器76で熱交換されて液化する(図14の点2)。熱交換器76で液化された液相冷媒は、第3膨張弁74で減圧され、気液二相状態になる(図14の点3)。第3膨張弁74で気液二相状態になった冷媒は、内部熱交換器73で熱交換され、冷却され液化される(図14の点4)。内部熱交換器73では、第3膨張弁74で気液二相状態になった冷媒と、内部熱交換器73で液化された液相冷媒を第2膨張弁75で減圧させて気液二相状態になった冷媒(図14の点9)とを熱交換させている。内部熱交換器73で熱交換された液相冷媒(図14の点4)は、レシーバー78側の主冷媒回路と、内部熱交換器73側のインジェクション回路とに分岐して流れる。主冷媒回路を流れる液相冷媒は、レシーバー78で二段圧縮機100に吸入される冷媒と熱交換されて、さらに冷却される(図14の点5)。レシーバー78で冷却された液相冷媒は、第1膨張弁72で減圧されて気液二相状態になる(図14の点6)。第1膨張弁72で気液二相状態になった冷媒は、蒸発器となる熱交換器71で熱交換され、加熱される(図14の点7)。このとき、冷媒が吸熱することにより空気や水などが冷やされ、冷房やされたり、冷水や氷を作ったり、冷凍がされる。そして、熱交換器71で加熱された冷媒は、レシーバー78でさらに加熱され(図14の点8)、吸入マフラ7から二段圧縮機100に吸入される。一方、インジェクション回路を流れる冷媒は、上述したように、第2膨張弁75で減圧されて(図14の点9)、内部熱交換器73で熱交換される(図14の点10)。内部熱交換器73で熱交換された気液二相状態の冷媒(インジェクション冷媒)は、気液二相状態のまま二段圧縮機100のインジェクションパイプ61から低段吐出マフラ9b(低段吐出空間20)へ流入する。二段圧縮機100内での圧縮動作については、暖房運転時と同様である。
なお、インジェクション運転を行わない際には、暖房運転時と同様に、第2膨張弁75の開度を全閉にして、二段圧縮機100のインジェクションパイプ61へ冷媒が流入しないようにする。
また、熱交換器71は、上述したとおり、高温高圧となった気相冷媒又は低温低圧となった液相冷媒と水等の液体との熱交換を行う熱交換器であってもよい。また、熱交換器71は、高温高圧となった気相冷媒又は低温低圧となった液相冷媒と空気等の気体との熱交換を行う熱交換器であってもよい。つまり、図13で説明したヒートポンプ装置101は、空調装置であってもよいし、給湯装置であってもよいし、冷凍装置や冷蔵装置であってもよい。
ここで、インジェクション運転をするのは、負荷の高いときである。負荷とは、熱交換器71において主冷媒回路を流れる冷媒と熱交換される流体の温度を所定の温度にするのに必要な熱量である必要負荷である。必要負荷は、外気温や圧縮機の回転数等を指標として計ることができる。ここでは、図示されていない必要負荷検出部が、外気温や圧縮機の回転数等を検出して、必要負荷を検出しているものとする。例えば、暖房運転の場合であれば、外気温が所定の温度(例えば、2℃)以下の場合や、圧縮機の回転数が所定の周波数(例えば、60Hz)以上の場合に、インジェクション運転する。これにより、低外気温時における暖房能力を高くすることができ、暖房や給湯性能のよいヒートポンプ装置が得られる。インジェクション運転の必要がないこの他のような場合には、暖房運転時であっても、第2膨張弁75の開度を全閉にして、インジェクション運転を行わない。
二段圧縮機100は、第1の油分離板80と第2の油分離板90とを上記のように設定することにより、油分離効率がよい。したがって、二段圧縮機100を備えるヒートポンプ装置も効率がよい。
1 密閉容器、2 電動要素、2a 固定子、2b 回転子、2b−1 貫通孔、2b−2 コア、2b−3 リベット、2c コイル、3 圧縮機構部、4 駆動軸、5 吐出管、5a 吐出口、6 潤滑油貯蔵部、6a 潤滑油、7 吸入マフラ、8 吸入管、10 低段圧縮部、11 低段シリンダ、12 低段ローリングピストン、13 低段ベーン、14 低段フレーム、15 低段圧縮室、16 低段吐出口、17 低段吐出弁、18 低段弁押え、19 低段カバー、20 低段吐出空間、21 低段吸入口、22 中間流出口、23 バイパス口、24 バイパス弁、25 バイパス弁押え、26 低段背圧室、27 バネ、28 リベット、30 高段圧縮部、31 高段シリンダ、32 高段ローリングピストン、33 高段ベーン、34 高段フレーム、35 高段圧縮室、36 高段吐出口、37 高段吐出弁、38 高段弁押え、39 高段カバー、40 高段吐出空間、41 高段吸入口、42 高段吸入流路、46 高段背圧室、48 リベット、50 中間仕切板、51 中間連結管、52 吐出流路、53 吐出圧空間、54 四方弁、55 圧力導入路、60 インジェクタ、61 インジェクションパイプ、71 熱交換器、72 第1膨張弁、73 内部熱交換器、74 第3膨張弁、75 第2膨張弁、76 熱交換器、77 四方弁、78 レシーバー、80 第1の油分離板、81 円板部、82 円筒壁、83 中抜き穴、87 下面、90 第2の油分離板、91 円板部、92 円筒壁、93 中抜き穴、94 折曲げ部、95 中心点、97 下面、100 二段圧縮機、101 ヒートポンプ装置。

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮して吐出するロータリ式圧縮機において、
    密封容器と、
    前記密閉容器の内部に端部が配置され、前記端部に圧縮された冷媒を吐出する吐出口を有する吐出管と、
    前記密閉容器の内部に配置され、前記冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記密閉容器の内部に配置され、前記吐出管の前記吐出口へ入流する冷媒の流入方向に長手方向を略同じくして前記吐出口の付近から冷媒の前記流入方向と逆の方向に延びる駆動軸であって、回転することによって前記圧縮機構部を駆動する駆動軸と、
    前記密閉容器の内部に配置されると共に、前記駆動軸の長手方向において前記圧縮機構部よりも前記吐出管の前記吐出口側に配置されるモータ部であって、固定子と、前記駆動軸の長手方向を中心軸方向とする略円筒形状をなし、略円筒形状の前記吐出口側の上面から前記駆動軸が突き出した状態で前記吐出口側の前記駆動軸に固定的に設置され、前記固定子と電気的に相互作用して前記駆動軸と一体に回転する回転子とを有するモータ部と、
    前記吐出管の前記吐出口と、略円筒形状の前記回転子の前記吐出口側の上面との間で、前記回転子の前記上面に対向すると共に前記駆動軸が貫通する状態で前記駆動軸に固定的に取り付けられた板状体である第1の油分離板と
    を備え、
    前記回転子は、
    前記吐出口側の前記上面に対して反対側となる底面から前記上面へと前記駆動軸の長手方向に沿って貫通すると共に、前記上面側が前記第1の油分離板で覆われる貫通孔が形成されたことを特徴とするロータリ式圧縮機。
  2. 前記ロータリ式圧縮機は、さらに、
    前記吐出管の前記吐出口と、前記第1の油分離板との間で、前記第1の油分離板に対向すると共に前記駆動軸が貫通する状態で前記駆動軸に固定的に取り付けられた板状体である第2の油分離板を備えたことを特徴とする請求項1記載のロータリ式圧縮機。
  3. 前記第2の油分離板は、
    周縁に前記吐出管の前記吐出口に向いて起立する起立部を備えたことを特徴とする請求項2記載のロータリ式圧縮機。
  4. 前記第1の油分離板は、
    前記駆動軸の長手方向に対して略直角方向を半径方向とする略円形の円板部を有し、
    前記第2の油分離板は、
    前記吐出管の前記吐出口側から見ると、前記駆動軸の軸中心を中心とする円に内接する略内接多角形の形状であって前記略内接多角形の各辺に相当する箇所が前記起立部となる前記略内接多角形の形状をなすことを特徴とする請求項3記載のロータリ式圧縮機。
  5. 前記吐出管の前記吐出口側から見える前記内接多角形は、
    略内接四角形であることを特徴とする請求項4記載のロータリ式圧縮機。
  6. 前記第1の油分離板は、
    前記略円形の円板部の半径が、略円筒形状をなす前記回転子の外径の0.8倍以上、1.0倍以下の範囲にあり、
    前記第2の油分離板は、
    前記駆動軸の軸中心を中心とする前記円の半径が、略円筒形状をなす前記回転子の外径の0.8倍以上、1.0倍以下の範囲にあることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載のロータリ式圧縮機。
  7. 前記第1の油分離板の前記円板部の前記回転子側の面と、前記回転子の前記上面との前記駆動軸の長手方向における距離H1(10−3m)に対する、前記圧縮機構部の押しのけ量V(10−6)の比であるH1/Vが、
    200以上、600以下の範囲であり、
    前記第2の油分離板の前記起立部の前記吐出口側の端部と、前記吐出口との前記駆動軸の長手方向における距離H2(10−3m)に対する、前記押しのけ量V(10−6)の比であるH2/Vが、
    140以上、350以下の範囲であることを特徴とする請求項6記載のロータリ式圧縮機。
  8. 前記第2の油分離板の前記起立部は、
    前記第1の油分離板に対向する面から前記吐出口側の端部までの前記駆動軸の長手方向における長さを示す起立部高さが、前記駆動軸の軸中心を中心とする前記円の半径の0.3倍以上、0.4倍以下の範囲であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のロータリ式圧縮機。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のロータリ式圧縮機を備えたことを特徴とするヒートポンプ装置。
JP2011070328A 2011-03-28 2011-03-28 ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置 Expired - Fee Related JP5575033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011070328A JP5575033B2 (ja) 2011-03-28 2011-03-28 ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011070328A JP5575033B2 (ja) 2011-03-28 2011-03-28 ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012202378A true JP2012202378A (ja) 2012-10-22
JP5575033B2 JP5575033B2 (ja) 2014-08-20

Family

ID=47183621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011070328A Expired - Fee Related JP5575033B2 (ja) 2011-03-28 2011-03-28 ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5575033B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150006385A (ko) * 2013-07-08 2015-01-16 마그나 파워트레인 바트 홈부르크 게엠베하 펌프
CN105275819A (zh) * 2015-11-25 2016-01-27 安徽美芝精密制造有限公司 旋转压缩机
CN105971849A (zh) * 2016-06-27 2016-09-28 重庆赋昇汽车零部件有限公司 压缩机油分离装置
KR20200098158A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 엘지전자 주식회사 압축기
CN113236567A (zh) * 2021-05-10 2021-08-10 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 压缩机油气分离装置、压缩机以及空调
CN113279965A (zh) * 2020-02-19 2021-08-20 广东美芝制冷设备有限公司 卧式压缩机

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09151885A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型回転圧縮機
JPH09151886A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型回転圧縮機
JP2001342960A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機
JP2004150406A (ja) * 2002-11-01 2004-05-27 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機
JP2010001775A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Mitsubishi Electric Corp 冷媒圧縮機
JP2010265849A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Toshiba Carrier Corp 密閉型圧縮機、冷凍サイクル装置
JP2011106348A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09151885A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型回転圧縮機
JPH09151886A (ja) * 1995-11-29 1997-06-10 Sanyo Electric Co Ltd 密閉型回転圧縮機
JP2001342960A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機
JP2004150406A (ja) * 2002-11-01 2004-05-27 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機
JP2010001775A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Mitsubishi Electric Corp 冷媒圧縮機
JP2010265849A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Toshiba Carrier Corp 密閉型圧縮機、冷凍サイクル装置
JP2011106348A (ja) * 2009-11-18 2011-06-02 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150006385A (ko) * 2013-07-08 2015-01-16 마그나 파워트레인 바트 홈부르크 게엠베하 펌프
KR101636611B1 (ko) 2013-07-08 2016-07-05 마그나 파워트레인 바트 홈부르크 게엠베하 펌프
CN105275819A (zh) * 2015-11-25 2016-01-27 安徽美芝精密制造有限公司 旋转压缩机
CN105971849A (zh) * 2016-06-27 2016-09-28 重庆赋昇汽车零部件有限公司 压缩机油分离装置
KR20200098158A (ko) * 2019-02-12 2020-08-20 엘지전자 주식회사 압축기
KR102373829B1 (ko) * 2019-02-12 2022-03-14 엘지전자 주식회사 압축기
US11408426B2 (en) 2019-02-12 2022-08-09 Lg Electronics Inc. Compressor
CN113279965A (zh) * 2020-02-19 2021-08-20 广东美芝制冷设备有限公司 卧式压缩机
CN113279965B (zh) * 2020-02-19 2023-07-28 广东美芝制冷设备有限公司 卧式压缩机
CN113236567A (zh) * 2021-05-10 2021-08-10 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 压缩机油气分离装置、压缩机以及空调

Also Published As

Publication number Publication date
JP5575033B2 (ja) 2014-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5745450B2 (ja) 圧縮機のインジェクション装置
JP5575033B2 (ja) ロータリ式圧縮機及びヒートポンプ装置
JP5556499B2 (ja) 二段昇圧式冷凍サイクル
JP2005291207A (ja) スクロール圧縮機の過熱防止装置
WO2011055444A1 (ja) ヒートポンプ装置、二段圧縮機及びヒートポンプ装置の運転方法
US10047746B2 (en) Refrigerant compressor and refrigeration cycle device
CN105673490B (zh) 密闭型电动压缩机以及空调机
JP4219198B2 (ja) 冷媒サイクル装置
KR20180107482A (ko) 스크롤 압축기
JP5328697B2 (ja) 二段圧縮機及びヒートポンプ装置
JP2011241750A (ja) 密閉型圧縮機
US9958189B2 (en) Air conditioner
EP2857686B1 (en) Scroll compressor and air conditioner including the same
EP3325807A1 (en) Compressor bearing housing drain
US11168687B2 (en) Scroll compressor
CN113530856A (zh) 压缩机及制冷系统
JP2018015742A (ja) 油分離器、圧縮装置および冷凍サイクル
JP5789581B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP2012002473A (ja) 流体圧縮装置およびこれを用いたヒートポンプサイクル
WO2020144728A1 (ja) 冷凍サイクル装置
KR20130096859A (ko) 압축기 및 공기 조화기
JP3469845B2 (ja) 多段圧縮冷凍装置
CN218816980U (zh) 一种转子式压缩机及空调器
WO2021152844A1 (ja) 室外ユニットおよび冷凍サイクル装置
WO2024069829A1 (ja) スクロール圧縮機及び空気調和機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140603

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5575033

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees