JP2001342960A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2001342960A JP2000161952A JP2000161952A JP2001342960A JP 2001342960 A JP2001342960 A JP 2001342960A JP 2000161952 A JP2000161952 A JP 2000161952A JP 2000161952 A JP2000161952 A JP 2000161952A JP 2001342960 A JP2001342960 A JP 2001342960A
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賢志 鈴木
Yoshinori Shirafuji
好範 白藤
Mamoru Chiyonobu
守 千代延
Katsumi Endo
勝巳 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密閉型回転圧縮機では信頼性および冷凍サイ
クルの高効率化の観点から、油分離効率を向上して密閉
容器外への冷凍機油の搬出を極力抑える必要がある。 【解決手段】 電動機回転子の上部に略正方形に配設さ
れた直線状壁面を有したカップ形状を設け、オイル噴霧
の混合した冷媒ガスに十分な回転力を与えることにより
遠心分離を促進し、油分離効率を高めた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は冷凍冷蔵および空
調用に供される圧縮機に係わり、特に油分離効率の向上
に寄与する油分離構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば実開昭62−7249
4に開示されている誘導電動機を具備した密閉型圧縮機
の断面図である。図11において、1は密閉容器で容器
内には上部に電動要素2、下部に電動要素によって駆動
される圧縮要素3を収納し、底部に冷凍機油4が貯留さ
れている。電動要素は固定子5と回転子6からなり、回
転子上部に油分離板7と円筒状カップ20が付設され共
動するものである。
【0003】このように構成された密閉型圧縮機では、
圧縮要素3から固定子下部空間に吐出されたオイル噴霧
の混合した冷媒ガスは、固定子5の外周側面の切り欠き
部9や固定子と回転子の空隙(エアキ゛ャッフ゜)10などを通過
して固定子上部空間に移動する。そして冷媒ガスを外部
に導く吐出管11に吸引される際に、吐出管11が取り
付けられている容器の中央へ向かう流れとなるが、円筒
状カップ20の遮蔽作用により円筒状カップの外側壁面
に沿った上下方向に運動の向きが変えられると共に流速
も変化して、密度の大きいオイル噴霧の油滴は上方に設
けてある吐出管とは逆の下方に落ち、密度が小さくて軽
い冷媒ガスのみが円筒状カップの壁面を乗り越えて吐出
管11に吸入される油分離機能が作用し、冷媒ガスだけ
が吐出パイプ11から外部へ吐出され、オイルは密閉容
器底部に戻される。
【0004】また、特開平8−28476に開示されて
いる例として、図12に永久磁石埋め込み形電動回転子
を具備した密閉型圧縮機の断面図を示す。図12におい
て、1は密閉容器で容器内には上部に電動要素2、下部
に圧縮要素3、底部に冷凍機油4が貯留されている。電
動要素2は固定子5と回転子6からなり、回転子は積層
鉄心12に永久磁石13が埋め込まれている。図13に
図12の回転子上部に設けた油分離板周りの詳細断面を
示している。図13において、6は回転子、13は永久
磁石、14は上下端板、18は油分離板、19は固定部
材である。回転子6には永久磁石13の挿入孔を閉塞す
る上下端板14が具備されると共に、回転子の積層鉄芯
に上下方向に貫通形成された複数の冷媒通過孔15と、
前記冷媒通過孔の出口の上方に配され前記回転子6の上
面との間に油分離空間16を形成するためのスペーサー
部17を具備した油分離板18とが固定部材19によっ
て回転子に固定されている。
【0005】このように構成された密閉型圧縮機では、
圧縮要素3から吐出されたオイル噴霧の混合した冷媒ガ
スは回転子の積層鉄心12に敷設された冷媒通過孔15
を通って油分離空間16に流入する。そして、ここで遠
心力により油分離板18の外周出口から冷媒ガスを放射
状に吐出し、固定子のコイルエンドに吹き付けられて冷
媒ガスとこれに含まれた油滴が分離される。分離された
冷媒ガスだけが上昇して密閉容器内の上部に設けられた
吐出管11から外部へ吐出される。一方、固定子のコイ
ルエンドに付着した油滴は下方へ伝わって落ち密閉容器
底部に貯留されている冷凍機油4へ戻される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来例の
図11に示されているように、回転子上部に油分離板を
介して付設したカップを円筒状に形成した場合、円筒壁
面による遮蔽効果は得られるものの、壁面が円形状の回
転のためオイル噴霧が混合した冷媒ガスに十分な回転
力、すなわち遠心力を与えることができず、遠心分離に
よる油滴と冷媒ガスの分離効果を十分に得ることができ
なかった。
【0007】また、従来例の図12及び図13のように
構成された密閉型回転圧縮機では、回転子の積層鉄芯に
上下方向に貫通形成された複数の冷媒通過孔以外の流路
となる固定子と回転子のエアギャップおよび密閉容器と
固定子の切り欠き部との隙間を通過するオイル噴霧の混
合した冷媒ガスに対しては遠心力を与えることができず
油分離作用が不十分であった。
【0008】特に、ハイドロフルオロカーボンを主成分
とした冷媒を使用し、冷媒と非相溶性あるいは弱相溶性
の冷凍機油を採用している圧縮機では、相溶性のある冷
凍機油を用いた場合と比べ油分離のメカニズムの内、遠
心分離に依存する割合が大きく、相溶性の冷凍機油を採
用している冷凍システム以上に遠心分離による油分離の
効率を高める必要があった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、簡易且つ低コストに油分離効率を高め
て圧縮機外へ持ち出される冷凍機油の量を低減し、圧縮
機の信頼性を向上させ、高効率の冷凍サイクルを得るこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に関わ
る圧縮機は、容器内の下部に圧縮機要素、上部に圧縮機
要素を駆動する回転子と固定子からなる電動機要素を収
納するとともに、圧縮機要素で圧縮して容器内に吐出し
た冷媒を容器の上部に設けた吐出管から吐出するように
した圧縮機において、回転子上部に一体に回転する平板
状の油分離板と、油分離板上部に断面が多角形となる壁
面を有するカップ形状を開口上向き同軸に備え、壁面の
中央部と水平端部で回転周速度が異なると共に吐出管の
吸入口がカップ形状の開口の内側に位置するものであ
る。
【0011】本発明の請求項2に関わる圧縮機は、請求
項1に記載の圧縮機において、直線状壁面を有するカッ
プは、略正方形形状に配設された四面からなるものであ
る。
【0012】本発明の請求項3に関わる圧縮機は、請求
項1または請求項2に記載の圧縮機において、電動機要
素の回転子として積層鉄芯内に永久磁石を埋め込むとと
もに、圧縮吐出された冷媒を通す積層鉄芯に上下方向に
貫通形成された冷媒貫通孔と、冷媒貫通孔の出口の上方
に設けられ、回転子の上面と油分離板との間に油分離空
間を形成するスペーサーとを備えたものである。
【0013】本発明の請求項4に関わる圧縮機は、請求
項1または請求項2に記載の圧縮機において、油分離板
とカップ形状を成す四面の壁を板金で一体形成すると共
に、回転子上部のバランスウェートに当接する段差形状
をカップ形状の底部に形成したものである。
【0014】本発明の請求項5に関わる圧縮機は、請求
項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧縮機において、
冷媒と非相溶性あるいは弱相溶性を示す冷凍機油を用い
たものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1について図1に基づいて説明する。図1中、
8は正方形形状カップであり、図11と同一および相当
する構成部分には同一の符号を適用する。図1において
密閉容器1の内部には上部に電動要素2が、下部には圧
縮要素3、底部には冷凍機油4が貯留されている。電動
要素は固定子5と回転子6からなり、回転子上部のエン
ドリングには回転子の断面円形とほぼ同じサイズの円盤
形状の油分離板7が固着され、さらに水平断面が概ね正
方形形状のカップ8が上向きにかつ密閉容器1の上側中
央付近に設けてある吐出管11の吸入口端が前記カップ
8の開口内に位置するように前記油分離板7の上面に付
設されている。
【0016】このように構成された密閉型圧縮機では、
圧縮要素3から固定子下部空間に吐出されたオイル噴霧
の混合した冷媒ガスは、固定子の切り欠き部9や固定子
と回転子の空隙(エアキ゛ャッフ゜)10などを通過して固定子上
部空間に移動する。その際、固定子の外周にある切り欠
き部9の上端から流出した冷媒ガスは、固定子端部には
コイルエンドがあるため、それと密閉容器の間を通り上
向きの流れとして容器内の上部空間へ到達する。一方、
回転子の外周に位置するエアギャップ10の上端から流
出した冷媒ガスの一部は回転子上部に固定した油分離板
7に衝突し、冷媒ガスに混合したオイル噴霧が表面に付
着し滴下して分離が行なわれるが、油分離板7に衝突し
ないでコイルエンドに沿って上部へ抜け出たそれ以外の
冷媒ガスは油分離板の外周とコイルエンドの間から上向
きの流れとして容器内の上部空間へ至る。そして、これ
ら冷媒ガスは、密閉容器1の上部中央に設けられた吐出
管11へ向けた、つまり容器外周から容器中央に向かう
横向きの流れとなって、吐出管の吸入口を囲むように設
けられた前記正方形形状のカップ8に向けて集まってく
る。
【0017】次に図2〜図5を用いてカップまわりの冷
媒ガスの流れの説明を行う。図2は上から見たカップま
わりを模式的に表したもので、図3はその斜視図、ず4
は上から見たカップまわりの冷媒ガス挙動平面図、図5
はカップまわりの冷媒ガス挙動説明図である。図2およ
び図3において、6は電動要素の回転子、8は正方形形
状カップ、8aはカップ壁面である。正方形形状カップ
8は回転子6の上部に付設され、その形状は水平断面が
概ね正方形である四角柱状のカップで、高さ方向には形
状変化はなく、全4側面は下部の回転子6の外周円形内
であり、正方形断面の対角中心点と回転子6の回転中心
点はほぼ同じ位置となるよう配設している。従って、回
転子6の回転に共動して正方形形状カップ8も回転運動
をなすが、その4側面の角部は側面の中央部より回転中
心からの距離が長いので周速度が速くなる。
【0018】図4および図5において、図1〜図3と同
様に、6は回転子、8は正方形形状カップ、11は吐出
管であり、実線は密度の小さい冷媒ガスの挙動軌跡、点
線は密度の大きいオイル噴霧の挙動軌跡を表している。
また、図5は正方形形状カップと冷媒ガスおよびオイル
噴霧ガスとの関係を説明する図のため、正方形形状カッ
プ8が配設された下部の部品を回転子6だけで省略して
表している。固定子上部の空間に到達したオイル噴霧の
混合した冷媒ガスは、その先端口が正方形形状カップの
開口内に位置する吐出管11めがけて密閉容器中心方向
に流れる。この際、カップの断面形状が正方形形状のた
め、上述したように角部と側面中央部との速度差によっ
てカップ壁面8aで回転力を与えられた混合流は、次の
瞬間に密度の差による遠心分離作用により、密度の大き
いオイル噴霧は半径方向外向きに遠心力が加えられ、図
中の点線で示すように吐出管から遠ざかる方向に挙動し
てコイルエンドまたは容器内面に付着し、それらが集ま
り蓄積されると重力にしたがって密閉容器低部へ滴下す
る。一方、密度の小さい軽い冷媒ガスは図中の実線で示
すようにカップ壁面を上昇しカップ内部に達し吐出管1
1を通って外部に搬送される。これにより円筒状カップ
と比べ冷媒ガスとオイル噴霧の分離が効率よく達成さ
れ、油分離効率を高めることができる。これにより、冷
媒と共に圧縮機外部の冷凍サイクルへ持ち出す冷凍機油
の量を最小に抑えることにより、熱交換器内部の表面に
冷凍機油が停滞し冷凍能力を低下させることを防ぐと共
に、圧縮機に貯留された冷凍機油が常に所定量以上確保
されて圧縮機の信頼性向上が図れる。
【0019】ここで、正方形形状カップ8および油分離
板7と回転子6との固着方法について述べる。まず、鋼
鈑の絞り加工により所定の形状に成型された正方形形状
カップ8を同じく鋼鈑で加工された円板状の油分離板7
の所定の位置に溶着してセットする。そして、回転子の
エンドリングを形成しているアルミ材でその端部に数個
の突起(ダボ)を設け、油分離板7にはこのダボに対向
した位置に挿入可能な穴を設けて、この穴にダボを挿入
してアルミのダボを油分離板側からつぶして固着組立て
られている。なお、本実施の形態では密閉型圧縮機につ
いて説明しているが、半密閉型圧縮機においても同様の
効果が得られる。
【0020】実施の形態2.図6は、この発明の実施の
形態2における密閉型圧縮機の上部断面図であり、図1
における油分離板と正方形形状のカップを一体としたも
のである。図6において、21は回転子6のエンドリン
グと一体に形成されたバランスウェート、22は段差付
き四方形カップである。なお、図1と同一および相当す
る構成部分に関しては同一の符号を付す。また、図7
は、図6におけるオイルカップ周りの略斜視図であり、
6は回転子、22は段差付き正方形形状カップである。
【0021】段差付き正方形形状カップ21の段差より
上部の形状は、前記正方形形状カップ8と同形状であ
り、カップ底面の一部が一段深くなった形をしている。
回転子6の上部にこの段差付き正方形形状カップ22を
固着して、実施の形態1と同様な使用となる。ここで、
図6に示すように電動要素2によって駆動される圧縮要
素3で発生する力学的アンバランスを補正するために、
回転子端部のエンドリングの一部にバランスウェート2
1が設けられており、これによりエンドリングに段差が
生じる。この段差形状に合わせて、前記段差付き正方形
形状カップ22の底面形状を形成することにより、回転
子へ直接固着できる。なお、オイルカップと回転子の固
着方法としては、回転子のエンドリングを形成している
アルミ材に突起(ダボ)を設け、オイルカップ底面にこ
のダボに対向した位置に設けた穴へ差し込んで、オイル
カップ側からダボをつぶして固定するものである。上述
のように、正方形形状カップの底面に段差を形成するこ
とにより、回転子に設けたバランスウェートの出っ張り
を収納できるので、油分離効率を向上させると共に部品
点数の削減が可能となる。
【0022】実施の形態3.図8はこの発明の実施の形
態3における永久磁石埋込型回転子を使った密閉型圧縮
機の断面図である。図8において、1は密閉容器、2は
電動要素、3は圧縮要素、4は容器底部に貯留した冷凍
機油、6は電動要素2の回転子、8は回転子6の上部に
設けた正方形形状カップである。なお、図中、図1と同
一または相当部分は同一符号を付す。図9は、図8の回
転子上部およびカップ周りの断面図であり、図中、12
は積層鉄心、13は永久磁石、14は上下端板、15は
冷媒通過孔、16は油分離空間、17はスペーサー、1
8は油分離板、19は固定部材、8aは油分離板18の
上部に形成した正方形形状カップをなすカップ壁面であ
る。
【0023】電動要素は固定子5と回転子6からなり、
回転子6は積層鉄心12と前記鉄心に永久磁石13が組
込まれている。また、回転子6の上下端部には永久磁石
の挿入孔を閉塞する上下端板14が具備されると共に、
上下方向に貫通形成された複数の冷媒通過孔15と、前
記冷媒通過孔の上方出口に配され前記回転子6の上面と
の間に油分離空間16を形成するためのスペーサー17
と水平断面が概ね正方形であるカップを形成するオイル
カップのカップ壁面8aを有する油分離板18とが固定
部材19によって回転子に固定されている。
【0024】図10は図9における永久磁石埋込型回転
子とその上部に設けた油分離板およびオイルカップとの
組立分解図である。図において、6は永久磁石を埋め込
んだ回転子、15は冷媒貫通孔、17はスペーサー、1
8は油分離板、23は固定部材を通す挿通孔、8は正方
形形状カップ、8aはカップ壁面である。スペーサー1
7の外周寸法は回転子6の断面円形以内であり、冷媒貫
通孔15を塞がないようにその孔および孔から外周方向
に向けて徐々に拡大した開口形状を有している。また、
スペーサー17には回転子6の挿通孔23に対向した位
置に同じ寸法の挿通孔を設けている。油分離板18は回
転子6と同じ直径寸法の円盤形状で所要の板厚を有す
る。この上部に正方形形状カップ8を有すると共に前記
挿通孔23に対向した位置に同じ寸法の挿通孔を設けて
いる。回転子6に上下端板とスペーサー17及び油分離
板18をそれぞれ挿通孔を合わせて積層し、固定部材で
固定されている。これにより、スペーサー17で冷媒貫
通孔15の上方出口と連通して外周の開口部を通路出口
とする油分離空間16を放射状に均一に形成できる。
【0025】このように構成された圧縮機では、圧縮要
素3から固定子下部空間に吐出されたオイル噴霧の混合
した冷媒ガスは、冷媒貫通孔15をより多く通過して油
分離空間16に流入する。ここで回転子の回転による遠
心力により油分離板18と上下端板14の間で形成され
る外周部出口より放射状に吐出し、固定子のコイルエン
ドに吹き付けられてオイル噴霧と冷媒ガスが分離され
る。分離された冷媒ガスは上昇し容器上方に設けた吐出
管11を通って外部へ搬送される。一方、コイルエンド
に付着したオイルは固定子を伝わって容器底部の冷凍機
油4に戻る。一方、上述の冷媒貫通孔15を通らず、固
定子と回転子のエアギャップ10および密閉容器と固定
子の切り欠き部9との隙間を通過するオイル噴霧の混合
した冷媒ガスは固定子上部の空間に到達する。ここで、
密閉容器上部に設けられた吐出管11の先端吸込み口
は、固定子5に積層された油分離板18の上部に形成し
た正方形形状のオイルカップの開口内に位置するので、
前記実施の形態1での説明と同様に、正方形形状カップ
の回転によりオイル噴霧の混合した冷媒ガスに遠心力が
作用して油分離を促進し、油分離効率を高めることがで
きる。
【0026】実施の形態4.本実施の形態では実施の形
態1〜3で説明したオイル噴霧の混合した冷媒ガスの密
閉容器内の流れと正方形形状のオイルカップによる挙動
に加えて、例えば、冷媒が塩素分を含まないハイドロフ
ルオロカーボンを主成分とするものを使用し、その冷媒
と非相溶性あるいは弱相溶性を示す冷凍機油を採用した
圧縮機である。相溶性のある冷凍機油を用いた場合に比
べ、冷媒に溶け込まないでガスの中に浮遊するオイル噴
霧の量が増えるため、密閉型圧縮機内における油分離手
段のなかでは、遠心力を利用した遠心分離に依存する割
合が大きくなる。従って、冷媒がハイドロフルオロカー
ボンを主成分とし、その冷媒と非相溶性あるいは弱相溶
性の冷凍機油を使用する圧縮機では、回転子上部の油分
離板に設けた正方形形状のオイルカップによる油分離の
効率向上はさらに重要となる。
【0027】
【発明の効果】このように構成された圧縮機では以下に
挙げる効果を奏する。本発明の請求項1に関わる圧縮機
は、容器内の下部に圧縮機要素、上部に圧縮機要素を駆
動する回転子と固定子からなる電動機要素を収納すると
ともに、圧縮機要素で圧縮して容器内に吐出した冷媒を
容器の上部に設けた吐出管から吐出するようにした圧縮
機において、回転子上部にこれと一体に回転する平板状
の油分離板と、油分離板上部に断面が多角形となる壁面
を有するカップ形状を開口上向き同軸に備え、壁面の中
央部と水平端部で回転周速度が異なると共に吐出管の吸
入口がカップ形状の開口の内側に位置するので、固定子
上部空間のオイル噴霧の混合した冷媒ガスに十分な回転
力を与えることが可能となり、これにより冷媒ガスとオ
イル噴霧の分離が効率よく達成され、密閉容器内に十分
なオイルを確保できると共に、圧縮機外部の冷媒回路へ
のオイル流出を抑制することができ、空調システムの高
効率化と圧縮機の高信頼性化を達成することができる。
【0028】本発明の請求項2に関わる圧縮機は、請求
項1に記載の圧縮機において、直線状壁面を有するカッ
プは略正方形形状に配設された四面からなるので、壁面
の端部は周速度が中央部より速いので遠心力をより大き
く発生させて分離効率を向上できるとともに、長方形形
状に配設するよりも回転子の回転バランスが良く振動や
騒音を低下させる効果がある。
【0029】本発明の請求項3に関わる圧縮機は、請求
項1または請求項2に記載の圧縮機において、電動機要
素の回転子として積層鉄芯内に永久磁石を埋め込むとと
もに、圧縮吐出された冷媒を通す積層鉄芯に上下方向に
貫通形成された冷媒貫通孔と、冷媒貫通孔の出口の上方
に設けられ、回転子の上面と油分離板との間に油分離空
間を形成するスペーサーとを備えたので、さらに冷媒ガ
スとオイル噴霧の分離効果が得られ、上述と同様に空調
システムの高効率化と圧縮機の高信頼性化を達成するこ
とができる。
【0030】本発明の請求項4に関わる圧縮機は、請求
項1または請求項2に記載の圧縮機において、油分離板
とカップ形状を成す四面の壁を板金で一体形成すると共
に、回転子上部のバランスウェートに当接する段差形状
をその底部に形成したので、油分離空間にバランスウェ
ートを収納することにより、密閉容器のコンパクト化が
図られるとともに、固定部材の長さを共通化することが
でき、コスト低減の効果を奏する。
【0031】本発明の請求項5に関わる圧縮機は、請求
項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧縮機において、
冷媒と非相溶性あるいは弱相溶性を示す冷凍機油を用い
たので、遠心力を利用した遠心分離に依存する割合が大
きくなり、油分離板に設けた正方形形状カップによる油
分離の効率向上が重要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係わる密閉型圧縮機の
断面図である。
【図2】 本発明の実施形態1に係わるオイルカップ周
りの上面から見た模式図である。
【図3】 本発明の実施形態1に係わるオイルカップ周
りの斜視図である。
【図4】 本発明の実施形態1に係わるオイルカップ周
りの冷媒ガス挙動平面図である。
【図5】 本発明の実施形態1に係わるオイルカップ周
りの冷媒ガス挙動説明図である。
【図6】 本発明の実施形態2に係わる密閉型圧縮機の
上部断面図である。
【図7】 本発明の実施形態2に係わるオイルカップ周
りの略斜視図である。
【図8】 本発明の実施形態3に係わる密閉型圧縮機の
断面図である。
【図9】 本発明の実施形態3に係わるオイルカップ周
りの断面図である。
【図10】 本発明の実施形態3に係わるオイルカップ
と回転子との組立分解斜視図である。
【図11】 従来例1を表す密閉型圧縮機の断面図であ
る。
【図12】 従来例2を表す密閉型圧縮機の断面図であ
る。
【図13】 従来例2の油分離板周りの詳細断面図であ
る。
【符号の説明】
1 密閉容器、2 電動要素、3 圧縮要素、4 冷凍
機油、5 固定子、6回転子、7 油分離板、8 正方
形形状カップ、8a カップ壁面、9 固定子切り欠き
部、10 エアギャップ、11 吐出パイプ、12 積
層鉄心、13永久磁石、14 上下端板、15 貫通
孔、16 油分離空間、17 スペーサー、18 油分
離板、19 固定部材、20 円筒状カップ、21 バ
ランスウェート、22 段差付き正方形形状カップ、2
3 挿通孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千代延 守 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 遠藤 勝巳 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三 菱電機エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA05 AB04 AC03 AD01 BD02 BH03 CF04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の下部に圧縮機要素、上部に前記
    圧縮機要素を駆動する回転子と固定子からなる電動機要
    素を収納するとともに、前記圧縮機要素で圧縮して前記
    容器内に吐出した冷媒を前記容器の上部に設けた吐出管
    から吐出するようにした圧縮機において、前記回転子上
    部に一体に回転する平板状の油分離板と、前記油分離板
    上部に断面が多角形となる壁面を有するカップ形状を開
    口上向き同軸に備え、前記壁面の中央部と水平端部で回
    転周速度が異なると共に前記吐出管の吸入口が前記カッ
    プ形状の開口の内側に位置することを特徴とする圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 直線状壁面を有するカップは、略正方形
    形状に配設された四面からなることを特徴とする請求項
    1に記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 電動機要素の回転子として積層鉄芯内に
    永久磁石を埋め込むと共に、圧縮吐出された冷媒を通す
    前記積層鉄芯に上下方向に貫通形成された冷媒貫通孔
    と、前記冷媒貫通孔の出口の上方に設けられ、前記回転
    子の上面と油分離板との間に油分離空間を形成するため
    のスペーサーとを備えたことを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】 油分離板とカップ形状をなす四面の壁を
    板金で一体形成すると共に、回転子上部のバランスウェ
    ートに当接する段差形状を前記カップ形状の底部に形成
    したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    圧縮機。
  5. 【請求項5】 冷媒と非相溶性あるいは弱相溶性を示す
    冷凍機油を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載の圧縮機。
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