JP2008128035A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Noriyuki Kobayashi
憲幸 小林
Kunio Ishikawa
邦雄 石川
Masami Negishi
正美 根岸
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Abstract

【課題】電動機の冷却促進を図るとともに、冷媒中に含まれる潤滑油の分離を簡易にして促進し、圧縮機の潤滑性能向上、ひいては圧縮機の圧縮効率向上を実現する密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】電動機(14)は、密閉容器(2)と所定の空隙(68)を有して固定され、回転軸(16)と略平行に形成されるとともにコイルの挿入、巻回を可能とする該コイルのスロット部(52)を有するステータ(48)と、該ステータの内側で回転軸と一体に駆動され、積層された磁性材料の板材(78)から形成されるロータ(50)とを具備し、空隙は圧縮ユニット(28)で圧縮された冷媒が導入される冷媒下降連通路をなすとともに、スロット部は冷媒下降連通路からの冷媒が導入される冷媒上昇連通路をなし、冷媒下降連通路は、冷媒の流速を増大させる冷媒加速手段(48a)を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、密閉型圧縮機に係り、詳しくは、冷凍空調機やヒートポンプ給湯機に好適な密閉型圧縮機に関する。
この種の圧縮機は、コイルの挿入、巻回を可能とするコイルのスロット部を有するステータと、このステータの内側で回転軸と一体に駆動され、積層された磁性材料の板材から形成されるロータとを有する永久磁石式の電動機が密閉容器内に収容されている。
ここで、例えば特許文献1では、圧縮ユニットで圧縮された冷媒をロータとステータとの間隙や、ロータを貫通して形成される冷媒通路に流下させ、冷媒の流れに強制旋回を生じさせることにより、冷媒中の潤滑油を遠心分離しながらステータの冷却を実施している。そして、ステータを冷却した後の冷媒は、密閉容器とステータ及び圧縮ユニットとの間に形成されるリターン通路を上昇し、吐出室を経て圧縮機外へ吐出される。一方、遠心分離された潤滑油は、ロータを貫通して形成される潤滑油連通路を下降し、貯油室に貯留される。
特開2003−269355号公報
ところで、ステータの主な過熱源はコイルであるため、電動機の冷却促進にはコイルを直接冷却するのが好ましい。
そこで、冷媒を上記間隙や上記冷媒通路ではなくスロット部に導入し、コイルに直接接触させることにより、電動機の冷却効率を向上させ、且つ冷媒中の潤滑油をコイルに付着させて潤滑油の分離を促進させることが考えられる。
しかしながら、冷媒流路としてみたときのスロット部は流路断面積が比較的大きいため、圧縮ユニットで圧縮された冷媒をそのままスロット部に導入すると、スロット部における冷媒の流速が極度に低下し、スロット部では冷媒中の潤滑油が効率的に衝突分離されないとの問題がある。
一方、冷媒中から分離された潤滑油や各摺動部を潤滑した潤滑油は、上記従来技術ではロータを貫通する潤滑油通路を流下して貯油室で回収される。ここで、上記従来技術では、ロータに潤滑油通路及び冷媒通路の両方が形成されるため、これら各通路の入口や出口において潤滑油及び冷媒が接触し易く、潤滑油が再び冷媒に溶解するおそれがある。
また、潤滑油はロータとステータとの間隙にも流下するが、この間隙は約1mm以下程度に設定するのが通常であり、この間隙を通過して流下する潤滑油量は少量となるため、この間隙を潤滑油通路として利用しても、冷媒からの分離、貯油室での回収、摺動部分への供給といった一連の潤滑油の循環が促進されず、結果として潤滑油の分離も促進されない。
そこで、ステータと密閉容器との間に形成されるリターン通路を上昇した冷媒を密閉容器内の上方に位置する吐出室に衝突させ、この吐出室内で冷媒から潤滑油を衝突分離させることも考えられる。しかし、分離された潤滑油が再び冷媒と接触しないように吐出室から貯油室まで流下させるには潤滑油通路の加工が複雑になるとの問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、電動機の冷却促進を図るとともに、冷媒中に含まれる潤滑油の分離を簡易にして促進し、圧縮機の潤滑性能向上、ひいては圧縮機の圧縮効率向上を実現する密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の密閉型圧縮機は、潤滑油を含んで冷媒を圧縮する圧縮ユニットと、該圧縮ユニットの下方に配され、回転軸により圧縮ユニットを駆動する電動機と、該電動機の下方に配され、潤滑油が貯留される貯油室とが密閉容器内に収容される密閉型圧縮機であって、電動機は、密閉容器と所定の空隙を有して固定され、回転軸と略平行に形成されるとともにコイルの挿入、巻回を可能とする該コイルのスロット部を有するステータと、該ステータの内側で回転軸と一体に駆動され、積層された磁性材料の板材から形成されるロータとを具備し、空隙は圧縮ユニットで圧縮された冷媒が導入される冷媒下降連通路をなすとともに、スロット部は冷媒下降連通路からの冷媒が導入される冷媒上昇連通路をなし、冷媒下降連通路は、冷媒の流速を増大させる冷媒加速手段を有することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、冷媒加速手段は、冷媒下降連通路に絞りを設けることで冷媒の加速を行うことを特徴とし、更に、請求項3記載の発明では、圧縮ユニットと電動機との間に配され、スロット部を通過した後の冷媒が導入される潤滑油分離機構を更に含むことを特徴とし、更にまた、請求項4記載の発明では、ロータは、潤滑油分離機構で分離された潤滑油を貯油室に誘導すべくロータを貫通して形成される潤滑油下降連通路を有することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、潤滑油下降連通路は、該潤滑油下降連通路の入口から出口にかけて回転軸と離間する方向へ冷媒の傾斜流を形成する傾斜部を含むことを特徴とし、更に、請求項6記載の発明では、ロータは、積層された板材を分割して構成される複数の板材群と、該各板材群にそれぞれ回転軸と略平行に貫通して形成される連通孔とを有し、傾斜部は、各連通孔の位置を異ならしめ且つ該各連通孔を連通させるべく、各板材群を積層して形成されることを特徴としている。
更にまた、請求項7記載の発明では、ロータは、積層された板材を回転軸と略平行に且つ一括に貫通して形成される貫通孔を有し、傾斜部は、潤滑油下降連通路の入口から出口にかけて一連の冷媒の傾斜流の形成を可能とする傾斜路を有する円筒部材を貫通孔に挿入して形成されることを特徴とし、また、請求項8記載の発明では、冷媒が二酸化炭素であることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の密閉型圧縮機によれば、電動機のステータは、密閉容器と所定の空隙を有して固定され、回転軸と略平行に形成されるとともにコイルの挿入、巻回を可能とする該コイルのスロット部を有し、空隙は圧縮ユニットで圧縮された冷媒が導入される冷媒下降連通路をなし、一方、スロット部は冷媒下降連通路からの冷媒が導入される冷媒上昇連通路をなしている。
ここで、この冷媒下降連通路は冷媒加速手段を有することから、流速の大きな冷媒が冷媒上昇通路たるスロット部に導入されてスロット部における冷媒の流入、流出が促進され、ステータ、ひいては電動機の冷却効率が向上する。また、流速の大きな冷媒がコイルに衝突することにより冷媒中に含まれる潤滑油の衝突分離が促進され、これにより、密閉容器内を循環する冷媒中の潤滑油が減少し、電動機の冷却効率の更なる向上に寄与するとともに、圧縮機外への潤滑油の流出が減少して圧縮機の潤滑性能が向上し、ひいては圧縮機の圧縮効率が向上する。
また、請求項2記載の発明によれば、冷媒下降連通路における冷媒の加速は、冷媒下降連通路に絞りを設けることにより行われ、いわゆるオリフィス効果を利用している。すなわち、密閉容器の内側とステータとの空隙を調整するだけの簡単な構成で冷媒の流速を効果的に増大できる。しかも、絞りにおいて冷媒中の潤滑油が衝突分離され、冷媒中の潤滑油分離が更に促進される。
更に、請求項3記載の発明によれば、圧縮ユニットと電動機との間には、スロット部を通過した後の冷媒が導入される潤滑油分離機構が配され、これにより、冷媒中の潤滑油分離が更に促進される。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、電動機のロータは、潤滑油分離機構で分離された潤滑油を貯油室に誘導すべくロータを貫通して形成される潤滑油下降連通路を有する。一方、上記冷媒下降連通路、上記冷媒上昇連通路はともにロータには形成されないため、分離された潤滑油は冷媒との接触が極力制限された状態で貯油室に貯留される。また、圧縮ユニットと電動機との間に配される潤滑油分離機構から流下する潤滑油を電動機のロータ内の潤滑油下降連通路を経由させるだけで良く、潤滑油の経路に大幅な加工を要することなく、簡単な構成で冷媒中の潤滑油分離を大幅に促進できる。
また、請求項5記載の発明によれば、潤滑油下降連通路は、該通路の入口から出口にかけて回転軸と離間する方向へ冷媒の傾斜流を形成する傾斜部を含んで形成される。よって、潤滑油下降連通路を流れる潤滑油にロータの回転による遠心力が作用し、下降する潤滑油の流速が増大し、貯油室に速やかに回収される。従って、冷媒からの分離、貯油室での回収、摺動部分への供給という一連の潤滑油の循環が促進され、圧縮機の潤滑性能が向上する。
更に、請求項6記載の発明によれば、ロータは、積層された板材を分割して構成される複数の板材群と、該各板材群にそれぞれ回転軸と略平行に貫通して形成される連通孔とを有し、傾斜部は、各連通孔の位置を異ならしめ且つ該各連通孔を連通させるべく、各板材群を積層して形成される。ここで、通常、積層された板材からなるロータに対する傾斜部の加工は困難を極めるが、本発明の場合には容易に傾斜部を形成でき、潤滑油下降連通路における潤滑油の流速を簡易にして増大できる。
更にまた、請求項7記載の発明によれば、積層された板材からなるロータを回転軸と略平行に且つ一括に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に潤滑油下降連通路の入口から出口にかけて一連の冷媒の傾斜流の形成を可能とする傾斜路を有する円筒部材を挿入することにより傾斜部が形成される。よって、ロータに対して容易に傾斜部を形成でき、しかも、この傾斜部は円筒部材の加工により一連の傾斜流が形成される傾斜路となっており、ロータの回転による遠心力を最大限利用して潤滑油下降連通路を流れる潤滑油を大幅に加速できる。
また、請求項8記載の発明によれば、二酸化炭素を冷媒として使用する場合には、圧縮機は高圧・高回転域で作動し、冷媒の吐出圧、密閉容器内を循環する冷媒の流速がともに大きくなるため、上記した電動機の冷却効率、及び圧縮機の潤滑性能、ひいては圧縮機の圧縮効率の向上効果がより顕著となる。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
先ず、第1実施例について説明する。
図1は、本発明の第1実施例に係る密閉型圧縮機を示す。この圧縮機1は冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれている。当該回路は、作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒と称する)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
この圧縮機1はハウジング(密閉容器)2を備えており、ハウジング2の胴部4は、その上側及び下側が上蓋6及び下蓋8によってそれぞれ気密に嵌合されており、胴部4の内部が密閉され、冷媒の吐出圧が作用している。胴部4には上記回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、上蓋6の適宜位置には、ハウジング2内の圧縮冷媒を上記回路へ送出する吐出管12が接続されている。
胴部4内には電動モータ(電動機)14が収容され、このモータ14内には回転軸16が配置されており、回転軸16はモータ14への通電によって駆動される。また、回転軸16の上端側は軸受を介して主軸フレーム18に回転自在に支持されている。
一方、回転軸16の下端側は軸受を介して副軸フレーム20に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ22が装着されており、ポンプ22は下蓋8の内側に形成された貯油室24内の潤滑油を吸引する。吸引された潤滑油は回転軸16内を軸線方向に貫通する給油路26を上昇し、回転軸16の上端からモータ14やスクロールユニット(圧縮ユニット)28等に供給され、各摺動部分や軸受等の潤滑、並びに、摺動面のシールとして機能する。更に、副軸フレーム20の適宜位置には潤滑油の導入口30が形成されており、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油は導入口30を介して貯油室24に貯留される。
上記ユニット28は胴部4内においてモータ14の上方に配置され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
詳しくは、当該ユニット28は、可動スクロール32及び固定スクロール34から構成されており、各スクロール32,34には対峙する渦巻きラップが一体形成されている。そして、これら各渦巻きラップが互いに協働し、吸入管10から冷媒を吸入して圧縮室を形成し、固定スクロール34に対する可動スクロール32の旋回運動により、圧縮室は渦巻きラップ中心に向けて移動しながら、その容積が減少される。
上述した可動スクロール32に旋回運動を付与するため、可動スクロール32の下部にはボス36が形成され、このボス36は軸受を介して偏心軸38に連結されている。この偏心軸36は回転軸16の上端側に一体形成され、回転軸16の回転が偏心軸38の偏心回転に変換され、この偏心回転がボス36を介して可動スクロール32の主軸フレーム18上における旋回運動に変換される。
一方、固定スクロール34は主軸フレーム18に固定され、上蓋6に形成される吐出室40側と圧縮室側とを仕切っている。固定スクロール34の中央部分の適宜位置には、圧縮室側に連通する図示しない吐出孔が貫通して穿設されており、この吐出孔は固定スクロール34の背面側に配置された吐出弁42により開閉される。また、吐出弁42は吐出ヘッド44で覆われ、吐出ヘッド44内はユニット28を貫通する冷媒連通路46と気密に連通している。
上記モータ14はコイルを有するステータ48、永久磁石を有するロータ50から構成され、ステータ48にはコイルのスロット部(冷媒上昇連通路)52が形成されている。詳しくは、スロット部52はステータ48を回転軸16と略平行に貫通して形成され、ステータ48の周方向に略等間隔に複数配されており、隣り合うスロット部52間にコイルが巻回され、ロータ50の永久磁石に作用して磁界を生じている。すなわち、スロット部52はコイルをステータ48に挿入、巻回するためのスペースとなっており、ステータ48はコイルからなるいわゆるボビン巻き構造をなしている。
一方、ロータ50は磁性材料である珪素鋼板などからなる板材78が積層されて形成されるとともに(例えば、図3(a)参照)、隣り合う磁極を互いに逆極性とする永久磁石が内部に埋設され、ステータ48の内側に配置されて回転軸16と一体に回転し、可動スクロール32に旋回運動を付与する。
ここで、本実施例では、ロータ50には、ロータ50を回転軸16と略平行に貫通して形成される潤滑油連通路(潤滑油下降連通路)54が複数設けられている。潤滑油連通路54は導入口30を介して潤滑油を貯油室24まで誘導するが、この潤滑油連通路54には、各摺動部分や軸受等を潤滑した後の潤滑油が流下する他、モータ14とユニット28との間に配される潤滑油分離機構56で分離された潤滑油が流下する。
詳しくは、潤滑油分離機構56は、円筒状の第1、第2仕切部材58,60を嵌合して形成され、各仕切部材58,60は、これらの内側に回転軸16が配されるとともに、主軸フレーム18に固定されている。これより、各仕切部材58,60と主軸フレーム18とで囲繞される環状の空間62が形成される。また、第2仕切部材60には、空間62に面する環状面に冷媒の流入を制限する連通孔64が複数形成され、空間62は各連通孔64を介して各スロット部52に連通している。
また、空間62を構成する主軸フレーム18の下部面は、その一部が刳り貫かれ、ユニット28と胴部4との間隙を通って吐出室40に連通する冷媒のリターン通路66が形成されている。すなわち、スロット部52は連通孔64、空間62、リターン通路66を順次経て吐出室40と連通している。
上述した圧縮機1によれば、回転軸16の回転に伴い、可動スクロール32が自転することなく旋回運動する。この可動スクロール32の旋回運動は、吸入管10からの冷媒をユニット28の内部に向けて吸入させて圧縮室を形成し、この圧縮室の容積を減少させることにより、圧縮された高圧の冷媒がハウジング2内を循環した後、吐出室40から吐出管12を通じて圧縮機外へ送出される。
詳しくは、吐出孔から吐出された冷媒は、吐出室40に直ちに流出することなく、ユニット28を貫通する冷媒連通路46、モータ14と胴部4の内側との所定の空隙68(冷媒下降連通路)を順に下降して通過し、モータ14の下方における空間70で流れをユーターンさせてスロット部52の下側から導入された後、吐出室40を経て吐出管12から圧縮機外へ送出される。
ここで、ステータ48には、その外周面を所定の範囲で回転軸16の径方向に突出させた突出部(絞り)48aが形成されている。この突出部48aの突出高さを調整して空隙68における冷媒の流路面積を絞ることにより、スロット部52に導入される冷媒の流速が増大される(冷媒加速手段)。そして、加速された冷媒はスロット部52の下側開口から流入され、コイルに高速で衝突して直接接触した後にスロット部52の上側開口から流出する。
そして、スロット部52を上昇通過した冷媒は、連通孔64をその下側から通過することにより、冷媒中の潤滑油が連通孔64の直下における空間72内で凝縮し、冷媒と潤滑油との分離が好適になされる。分離された潤滑油は潤滑油連通路54を下降して貯油室24で回収される一方、連通孔64を通過した冷媒は、流速を更に増大させて空間62に導入され、リターン通路66を経て吐出室40に流入し、吐出管12から冷媒回路に向けて吐出される。
次に、第2実施例について説明する。
図2から図4には第2実施例に係る密閉型圧縮機を示す。なお、第2実施例では、ロータ74を除いて上記第1実施例と同一の構成をなすため、以下ロータ74を中心に説明する。
図2に示されるように、本実施例では、ロータ74に上記潤滑油連通路54に代えて潤滑油連通路76が形成されており、潤滑油の下降傾斜流を形成している点で第1実施例と異なる。この傾斜流は、潤滑油連通路76の上側開口の潤滑油入口から下側開口の潤滑油出口にかけて回転軸16と離間する方向へ潤滑油が傾斜して流下すべく形成される。
なお、図2に示す如く連続的に形成されることに限定されず、連通路76上に少なくとも傾斜流を発生させる傾斜部76aが形成されれば良い。例えば図3(a)に示されるように、ロータ74を構成する板材78は4群からなる板材群80に分割され、これら各板材群80には回転軸16と略平行に連通孔82が貫通して形成されている。ここに、各連通孔82は、その孔中心がロータ74の下部に近づくにつれ段階的に回転軸16と離間する方向にずれて形成されるとともに、板材群80を積層したとき各連通孔82が連通すべく位置づけられている。
そして、各板材群80を積層することにより、図3(b)に示されるように、潤滑油連通路76上には各連通孔82の連通箇所に潤滑油の傾斜流の形成を可能とする傾斜部76aが段階的に形成される。なお、板材群80は4つに限らず、少なくとも複数であれば良い。
一方、図2に示す如く連続的な傾斜流を形成する場合には、図4(a),(b)に示されるように、ロータ74を回転軸16と略平行に且つ一括に貫通して貫通孔84を形成し、この貫通孔84に円筒部材86を挿入する。円筒部材86は、少なくとも板材78に比して加工し易い材質で形成されており、潤滑油連通路76の入口から出口にかけて回転軸16と離間する方向へ連続的に傾斜する傾斜路86aが貫通して形成されている。
そして、この円筒部材86を貫通孔84に挿入してロータ74と一体化することにより、図4(c)に示されるように、潤滑油の連続的な下降傾斜流の形成を可能とする潤滑油連通路76が形成される。
以上のように、各実施例によれば、空隙68はユニット28で圧縮された冷媒が下降導入される冷媒下降連通路をなし、一方、スロット部52は空隙68からの冷媒が空間70でユーターンして上昇導入される冷媒上昇連通路をなしている。よって、ステータ48の突出部48aの突出高さを調整して空隙68における冷媒の流路面積を絞ることにより、スロット部52に導入される冷媒の流速が増大される。これにより、スロット部52における冷媒の流入、流出が促進され、また、流速の大きな冷媒がコイルに衝突することにより冷媒中に含まれる潤滑油の衝突分離が促進される。
このように、空隙68における冷媒の流路面積を調整してオリフィス効果を利用するだけの簡単な構成で、ハウジング2内を循環する冷媒中の潤滑油が減少し、ステータ48、ひいてはモータ14の冷却効率が向上するとともに、圧縮機1外への潤滑油の流出が減少して圧縮機1の潤滑性能が向上し、ひいては圧縮機1の圧縮効率が向上する。なお、空隙68において所定の範囲で胴部4の肉厚を大きくしても上記同様にオリフィス効果が得られる。
また、第1実施例によれば、ユニット28とモータ14との間に潤滑油分離機構56を配し、この潤滑油分離機構56で分離された潤滑油を貯油室24に誘導すべく潤滑油連通路54がロータ50を貫通している。この潤滑油連通路54は、冷媒連通路を有しないロータ50内に形成されるため、分離された潤滑油は冷媒との接触が極力制限された状態で貯油室24に貯留される。また、潤滑油分離機構56から流下する潤滑油をロータ50内の潤滑油連通路54を経由させるだけで良く、潤滑油の経路に大幅な加工を要することなく、簡単な構成で冷媒中の潤滑油分離を大幅に促進できる。
更に、第2実施例によれば、ロータ74には、通路の入口から出口にかけて回転軸16と離間する方向へ冷媒の傾斜流を形成する傾斜部76aを含む潤滑油連通路76が形成される。よって、潤滑油連通路76を流れる潤滑油にロータ74の回転による遠心力が作用することにより、下降する潤滑油の流速が増大し、貯油室24に速やかに回収される。従って、冷媒からの分離、貯油室24での回収、摺動部分への供給という一連の潤滑油の循環が促進され、圧縮機1の潤滑性能が向上する。
図3に示す如く、この傾斜部76aは、ロータ74を複数の板材群80に分割し、各板材群80にそれぞれ回転軸16と略平行に連通孔82を貫通して形成し、各連通孔82の位置を異ならしめ且つ該各連通孔82を連通させるべく、各板材群80を積層して形成される。これにより、通常、積層された板材からなるロータに対して傾斜路の加工を施すことは困難を極めるが、垂直孔である連通孔82を組み合わせて連通させるだけで容易に傾斜部76aを形成でき、潤滑油連通路82における潤滑油の流速を簡易にして増大できる。
更に、図4に示す如く、ロータ74を回転軸16と略平行に且つ一括に貫通する貫通孔84を形成し、この貫通孔84に潤滑油連通路76の入口から出口にかけて連続的に傾斜する傾斜路86aを有した円筒部材86を挿入することにより、潤滑油の連続的な傾斜流を形成可能である。よって、ロータ74の加工容易性を維持しながら、ロータ74の回転による遠心力を最大限利用して潤滑油連通路76を流れる潤滑油を大幅に加速できる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記各実施例では、冷媒加速手段にオリフィス効果を利用しているが、これに限定されるものではなく、スロット部52に導入される冷媒の流速を簡易にして増大できるのであれば、上記したモータ14の冷却効率、及び圧縮機の潤滑性能、ひいては圧縮機の圧縮効率の向上効果が得られる。
また、上記各実施例では冷凍空調機やヒートポンプ給湯機に好適なスクロール型圧縮機に二酸化炭素冷媒を使用しているが、冷媒の種類や圧縮機の用途、種類についてはこれに限定されるものではない。但し、二酸化炭素冷媒を用いる場合には、圧縮機は高圧・高回転域で作動し、冷媒の吐出圧、密閉容器内を循環する冷媒の流速がともに大きくなるため、上記効果がより顕著となる。
更に、上記各実施例ではスクロールユニット30を用いているが、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施し、密閉されたハウジング2内を循環する冷媒をモータ14の冷却に使用するのであれば、他の圧縮機構を用いても良い。
本発明の第1実施例に係る密閉型圧縮機を示した縦断面図である。 本発明の第2実施例に係る密閉型圧縮機の要部を示した縦断面図である。 (a)は第2実施例に係る図2のロータを構成する板材群の一部をそれぞれ破断した図であり、(b)は(a)の板材群が積層された状態を示す図である。 (a)は図3の変形例となるロータの一部を破断した図であり、(b)は(a)のロータの貫通孔に挿入される円筒部材を示す図、(c)は(b)の円筒部材を(a)のロータに挿入して一体化した状態を示す図である。
符号の説明
1 密閉型圧縮機
2 ハウジング(密閉容器)
14 電動機
16 回転軸
24 貯油室
28 スクロールユニット(圧縮ユニット)
48 ステータ
48a 突出部(冷媒加速手段,絞り)
50,74 ロータ
52 スロット部,冷媒上昇連通路
54,76 潤滑油連通路(潤滑油下降連通路)
56 潤滑油分離機構
68 空隙,冷媒下降連通路
76a 傾斜部
78 板材
80 板材群
82 連通孔
84 貫通孔
86 円筒部材
86a 傾斜路

Claims (8)

  1. 潤滑油を含んで冷媒を圧縮する圧縮ユニットと、該圧縮ユニットの下方に配され、回転軸により前記圧縮ユニットを駆動する電動機と、該電動機の下方に配され、潤滑油が貯留される貯油室とが密閉容器内に収容される密閉型圧縮機であって、
    前記電動機は、
    前記密閉容器と所定の空隙を有して固定され、前記回転軸と略平行に形成されるとともにコイルの挿入、巻回を可能とする該コイルのスロット部を有するステータと、該ステータの内側で前記回転軸と一体に駆動され、積層された磁性材料の板材から形成されるロータとを具備し、
    前記空隙は前記圧縮ユニットで圧縮された冷媒が導入される冷媒下降連通路をなすとともに、前記スロット部は前記冷媒下降連通路からの冷媒が導入される冷媒上昇連通路をなし、前記冷媒下降連通路は、冷媒の流速を増大させる冷媒加速手段を有することを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 前記冷媒加速手段は、前記冷媒下降連通路に絞りを設けることで冷媒の加速を行うことを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記圧縮ユニットと前記電動機との間に配され、前記スロット部を通過した後の冷媒が導入される潤滑油分離機構を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記ロータは、前記潤滑油分離機構で分離された潤滑油を前記貯油室に誘導すべく前記ロータを貫通して形成される潤滑油下降連通路を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記潤滑油下降連通路は、該潤滑油下降連通路の入口から出口にかけて前記回転軸と離間する方向へ冷媒の傾斜流を形成する傾斜部を含むことを特徴とする請求項4に記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記ロータは、積層された前記板材を分割して構成される複数の板材群と、該各板材群にそれぞれ前記回転軸と略平行に貫通して形成される連通孔とを有し、
    前記傾斜部は、前記各連通孔の位置を異ならしめ且つ該各連通孔を連通させるべく、前記各板材群を積層して形成されることを特徴とする請求項5に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記ロータは、積層された前記板材を前記回転軸と略平行に且つ一括に貫通して形成される貫通孔を有し、
    前記傾斜部は、前記潤滑油下降連通路の前記入口から前記出口にかけて一連の冷媒の傾斜流の形成を可能とする傾斜路を有する円筒部材を前記貫通孔に挿入して形成されることを特徴とする請求項5に記載の密閉型圧縮機。
  8. 前記冷媒は二酸化炭素であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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