JP2011226296A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーシング内に回転式圧縮機構とモータとを収容した圧縮機において、回転式圧縮機構における潤滑油の油上がりを抑制する。
【解決手段】モータ(30)を、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型のモータ(30)により構成する一方、圧縮室(24)で圧縮された冷媒をケーシング(11)の中心部からケーシング(11)の内周面(11a)へと導く第1冷媒流路(1)を、回転子(33)の端面に面するように形成する。
【選択図】図1
【解決手段】モータ(30)を、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型のモータ(30)により構成する一方、圧縮室(24)で圧縮された冷媒をケーシング(11)の中心部からケーシング(11)の内周面(11a)へと導く第1冷媒流路(1)を、回転子(33)の端面に面するように形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ケーシング内に圧縮機構と電動機とを収容した圧縮機に関し、特に圧縮機構における油上がりを防止する技術に関するものである。
従来より、冷媒を圧縮する圧縮機構と該圧縮機構を駆動する電動機とがケーシング内に収容された全密閉型の圧縮機が知られている。そして、これらの圧縮機の中には、上記圧縮機構において、圧縮したガス冷媒を高圧ガス冷媒として該圧縮機構の吐出口からケーシング内へ吐出する、いわゆる高圧ドーム型のものがある。さらに、特許文献1には、ケーシング内で高圧ガス冷媒から潤滑油を分離し、その分離後の高圧ガス冷媒をケーシングの外側へ吐出する圧縮機が開示されている。
具体的に、特許文献1の圧縮機は、上記電動機としてラジアルギャップ型の電動機を備えている。このラジアルギャップ型の電動機は、上記圧縮機構から上方へ延びる駆動軸に固定された円筒状の回転子と該回転子を駆動軸と共に回転させる円筒状の固定子とを有している。上記円筒状の固定子の中空部分に上記円筒状の回転子が位置し、上記回転子と上記固定子とが上記駆動軸の径方向に僅かな隙間(エアギャップ)を介して互いに対向するように配置されている。そして、上向きに上記圧縮機構の吐出口が開口している。
この構成によれば、上記圧縮機構の吐出口から吐出された潤滑油混りの高圧ガス冷媒は、上記電動機のエアギャップを通過する。そして、この通過の際に、高圧ガス冷媒中の潤滑油が上記固定子の内周面や上記回転子の外周面に捕捉される。これにより、高圧ガス冷媒から潤滑油が分離される。
しかしながら、上記吐出口からの高圧ガス冷媒の吐出量が多くなると、該高圧ガス冷媒の流速が速くなる。上記高圧ガス冷媒の流速が速くなればなるほど、上記高圧ガス冷媒が上記固定子の内周面や上記回転子の外周面に接触している時間が短くなる。この結果、高圧ガス冷媒中の潤滑油が上記固定子の内周面や上記回転子の外周面に捕捉されにくくなる。
こうなると、ケーシング内の潤滑油が高圧ガス冷媒とともにケーシングの外側へ多量に排出される、いわゆる圧縮機の油上がりが起きる。そして、この圧縮機の油上がり量が増加すると、上記圧縮機が接続された冷媒回路を循環する冷媒中の油含有率が増加する。この結果、例えば上記冷媒回路に設けられた空気熱交換器の伝熱管において、この冷媒中の油が冷媒と空気との間の熱伝達を阻害する。又、上述した圧縮機の油上がり量が増加すると、圧縮機のケーシング内に貯留する油量が減少し、上記圧縮機構における摺動部分の潤滑がうまく行われなくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーシング内に圧縮機構と電動機とを収容した圧縮機において、該圧縮機における潤滑油の油上がりを抑制することにある。
第1の発明は、圧縮機構(20,60)と、該圧縮機構(20,60)を駆動する電動機(30,70)と、該圧縮機構(20,60)に形成されて上記電動機(30,70)の駆動により冷媒を圧縮する圧縮室(24)と、上記電動機(30,70)及び圧縮機構(20,60)を収容するケーシング(11)とを備えた圧縮機を前提としている。
そして、上記圧縮機の電動機(30,70)は、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型の電動機(30,70)により構成され、上記ケーシング(11)の内部には、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を該ケーシング(11)の中心部から該ケーシング(11)の内周面(11a)へと導く第1冷媒流路(1)が、上記回転子(33)の端面に面するように形成されていることを特徴としている。
第1の発明では、上記第1冷媒流路(1)が、上記回転子(33)に面するように形成されている。このため、上記回転子(33)が回転すると、上記第1冷媒流路(1)の冷媒には上記回転子(33)の回転による遠心力が作用する。この遠心力の作用する方向は、上記冷媒の流れ方向とほぼ一致する。これにより、上記遠心力によって上記冷媒の流れを加速させることができる。そして、この加速状態の冷媒を上記ケーシング(11)の内周面(11a)へと導き、該内周面(11a)に衝突させることができる。これにより、該冷媒から潤滑油を分離することができるようになる。
第2の発明は、第1の発明において、上記第1冷媒流路(1)は、上記回転子(33)と上記固定子(31,32)との間に形成されていることを特徴としている。
第2の発明では、上記回転子(33)と上記固定子(31,32)との間に形成されるエアギャップを第1冷媒流路(1)として利用している。これにより、上記第1冷媒流路(1)が、上記回転子(33)の端面に面するように形成される。
第3の発明は、第1の発明において、上記第1冷媒流路(1)は、上記回転子(73)と該回転子(73)に対向するように配置された上記圧縮機構(60)との間に形成されていることを特徴としている。
第3の発明では、上記回転子(73)と上記圧縮機構(60)との間に形成される空間を第1冷媒流路(1)として利用している。これにより、上記第1冷媒流路(1)が、上記回転子(73)の端面に面するように形成される。
第4の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、上記電動機(30)は、上記圧縮機構(20)を駆動するための駆動軸(40)を有し、上記駆動軸(40)は、上記回転子(33)の中心部分と上記圧縮機構(20)の中心部分とを連結する一方、上記駆動軸(40)の内部には、一端が上記圧縮室(24)の吐出側に開口し、他端が上記駆動軸(40)の外周面に形成されて上記第1冷媒流路(1)に開口する吐出流路(2)が形成されていることを特徴としている。
第4の発明では、上記吐出流路(2)を介して、上記圧縮室(24)から吐出された冷媒を上記第1冷媒流路(1)へ導くことができるようになる。
第5の発明は、第4の発明において、上記回転子(33)には、厚さ方向に貫通して上記駆動軸(40)が嵌合する回転子側の軸孔部(47)が形成され、上記回転子側の軸孔部(47)における第1冷媒流路(1)側の開口端縁部には、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上記第1冷媒流路(1)の流路断面積が大きくなるように傾斜する傾斜面(47a)が形成されていることを特徴としている。
第5の発明では、上記回転子(33)には軸孔部(47)が設けられ、該軸孔部(47)における上記第1冷媒流路(1)側の開口端縁部には傾斜面(47a)が形成されている。この傾斜面(47a)は、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上記第1冷媒流路(1)から離れる方向へ傾斜する面である。これにより、上記第1冷媒流路(1)の流路断面積が、この傾斜面(47a)に面する部分について拡大する。上記第1冷媒流路(1)の拡大により、上記吐出流路(2)の開口部から冷媒がスムーズに上記第1冷媒流路(1)に流入するようになる。
又、上記第1冷媒流路(1)の拡大部分は、上記第1冷媒流路(1)における冷媒の流れ方向へ向かって先細りする形状である。このように、上記第1冷媒流路(1)の拡大部分を先細り形状にすることにより、該第1冷媒流路(1)を流れる冷媒を加速させることができるようになる。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、上記固定子(32)には、厚さ方向に貫通して上記駆動軸(40)が挿通する固定子側の軸孔部(46)が形成され、上記固定子側の軸孔部(46)における第1冷媒流路(1)側の開口端縁部には、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上記第1冷媒流路(1)の流路断面積が大きくなるように傾斜する傾斜面(46a)が形成されていることを特徴としている。
第6の発明では、上記固定子(32)には軸孔部(46)が設けられ、該軸孔部(46)における上記第1冷媒流路(1)側の開口端縁部には傾斜面(46a)が形成されている。この傾斜面(46a)は、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上記第1冷媒流路(1)から離れる方向へ傾斜する面である。これにより、上記第5の発明と同様に、上記第1冷媒流路(1)の流路断面積が、この傾斜面(46a)に面する部分について拡大する。上記第1冷媒流路(1)の拡大により、上記吐出流路(2)の開口部から冷媒がスムーズに上記第1冷媒流路(1)に流入するようになる。
又、上記第1冷媒流路(1)の拡大部分は、上記第1冷媒流路(1)における冷媒の流れ方向へ向かって先細りする形状となる。このように、上記第1冷媒流路(1)の拡大部分を先細り形状とすることにより、該第1冷媒流路(1)を流れる冷媒を加速させることができるようになる。特に、上記回転子(33)及び上記固定子(32)の両方に傾斜面(47a,46a)を形成すると、上述した冷媒の加速作用をより高めることができるようになる。
第7の発明は、第1の発明において、上記第1冷媒流路(1)は、上記回転子(73)と該回転子(73)に対向するように配置された上記圧縮機構(60)との間に形成され、上記圧縮機構(60)には、該圧縮機構(60)の壁体を貫通して上記圧縮室(24)の吐出側と上記第1冷媒流路(1)とを連通する吐出ポート(61)が形成されていることを特徴としている。
第7の発明では、第4の発明とは違い、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒が、上記駆動軸(40)の吐出流路(2)を経て上記第1冷媒流路(1)へ流出するのではなく、上記圧縮室(24)の冷媒が上記圧縮機構(60)の吐出ポート(61)から上記第1冷媒流路(1)へ向けて吐出される。
このように、上記回転子(73)に対向するように上記圧縮機構(60)を配置することにより、上記駆動軸(40)に吐出流路(2)を形成しなくても、上記圧縮機構(60)の吐出ポート(61)から第1冷媒流路(1)へ冷媒を吐出できるようになる。
第8の発明は、圧縮機構(20)と、該圧縮機構(20)を駆動する電動機(30)と、該圧縮機構(20)に形成されて上記電動機(30)の駆動により冷媒を圧縮する圧縮室(24)と、上記電動機(30)及び圧縮機構(20)を収容するケーシング(11)とを備えた圧縮機を前提としている。
そして、上記圧縮機の電動機(30)は、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型の電動機(30)により構成され、上記ケーシング(11)の内部には、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を該ケーシング(11)の内周縁部から該ケーシング(11)の中心部へと導く第2冷媒流路(3)が、上記回転子(33)の端面に面するように形成されていることを特徴としている。
第8の発明では、上記第2冷媒流路(3)により、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒が上記ケーシング(11)の内周縁部から該ケーシング(11)の中心部へと導かれる。ここで、上記第2冷媒流路(3)は、上記回転子(33)に面するように形成されている。このため、上記回転子(33)が回転すると、上記第2冷媒流路(3)の冷媒には上記回転子(33)の回転による遠心力が作用する。この遠心力の作用する方向は、上記冷媒の流れ方向と逆である。このことから、上記遠心力によって上記冷媒の流れが減速する。この減速により、冷媒に含まれる潤滑油が上記第2冷媒流路(3)の周囲にある壁体に捕捉されやすくなる。この結果、上記冷媒から潤滑油が分離しやすくなる。
第9の発明は、圧縮機構(20)と、該圧縮機構(20)を駆動する電動機(30)と、該圧縮機構(20)に形成されて上記電動機(30)の駆動により冷媒を圧縮する圧縮室(24)と、上記電動機(30)及び圧縮機構(20)を収容するケーシング(11)とを備えた圧縮機を前提としている。
そして、上記圧縮機の電動機(30)は、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型の電動機(30)により構成される一方、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を該ケーシング(11)の中心部から該ケーシング(11)の内周面(11a)へと導く第1冷媒流路(1)が、上記回転子(33)における一方の端面に面するように上記ケーシング(11)の内部に形成され、上記第1冷媒流路(1)から流出して上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突した後の冷媒を該ケーシング(11)の内周縁部から該ケーシング(11)の中心部へと導く第2冷媒流路(3)が、上記回転子(33)における他方の端面に面するように上記ケーシング(11)の内部に形成されていることを特徴としている。
第9の発明では、上記第1及び第2冷媒流路(1,3)の両方が上記ケーシング(11)の内部に形成されている。これにより、上記回転子(33)による遠心力を使用して、第1冷媒流路(1)を流れる冷媒を加速させるとともに第2冷媒流路(3)を流れる冷媒を減速させることができるようになる。
第10の発明は、第8又は第9の発明において、上記第2冷媒流路(3)は、上記回転子(33)と該回転子(33)の上側に配置された固定子(31)との間に形成される一方、上記固定子(31)の中心部分には、厚さ方向に貫通する貫通孔(45)が形成され、上記貫通孔(45)における上記回転子(33)側の開口端が、該第2冷媒流路(3)に連通していることを特徴としている。
第10の発明では、上記第2冷媒流路(3)で潤滑油が分離した後の冷媒を、上記固定子(31)の貫通孔(45)を通じて該固定子(31)の上側の空間へ送ることができるようになる。
第11の発明は、第10の発明において、上記電動機(30)は、上記圧縮機構(20)を駆動するための駆動軸(40)を有し、上記駆動軸(40)は、上記固定子(31)における貫通孔(45)の孔径よりも小さな軸径を有するとともに上記固定子(31)の貫通孔(45)に挿入されて上記回転子(33)の中心部分と上記圧縮機構(20)の中心部分とを連結することを特徴としている。
第11の発明では、上記固定子(31)の貫通孔が、上記第2冷媒流路(3)からの冷媒を通過させる孔と上記駆動軸(40)を貫通させるための孔とを兼ねている。尚、上記第2冷媒流路(3)で潤滑油が分離した冷媒は、上記駆動軸(40)の外周面と上記貫通孔の内周面(11a)との間を流れる。
第1の発明によれば、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突させて、油分離を行うようにした。こうすると、例えば、上記圧縮機からの冷媒の吐出量が増えて、該冷媒の流速が速くなったとしても、確実に冷媒から潤滑油を分離することができる。これにより、上記圧縮機における潤滑油の油上がりを抑制することができる。
又、上記回転子(33)の端面に面するように上記第1冷媒流路(1)を形成している。このように形成すると、上記第1冷媒流路(1)の冷媒を上記回転子(33)による遠心力で加速させることができる。そして、この加速した状態の冷媒を上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させることができる。
これにより、上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突する冷媒の衝突速度が増加した分だけ、上記冷媒からより多くの潤滑油を分離することができ、さらに上記圧縮機における潤滑油の油上がりを抑制することができる。
又、第2の発明によれば、上記回転子(33)と上記固定子(31,32)との間に形成されるエアギャップを第1冷媒流路(1)として利用している。これにより、上記第1冷媒流路(1)を流れる冷媒を上記回転子(33)の回転による遠心力で加速させることができる。
ここで、一般に、このエアギャップは、電動機(30)の性能向上のために、その間隔が狭く設定されている。したがって、このエアギャップを第1冷媒流路(1)として利用することにより、上記第1冷媒流路(1)の流路面積が比較的に狭くなる。この結果、上記第1冷媒流路(1)を流れる冷媒の速度をさらに増加させることができ、より多くの潤滑油を上記冷媒から分離することができる。
又、第3の発明によれば、上記回転子(73)と上記圧縮機構(60)との間に形成される空間を第1冷媒流路(1)として利用している。これにより、上記第1冷媒流路(1)を流れる冷媒を上記回転子(73)の回転による遠心力で加速させることができる。
又、第4の発明によれば、上記吐出流路(2)を介して、上記圧縮室(24)から吐出された冷媒を上記第1冷媒流路(1)へ導くことができる。
ここで、上述したように、上記回転子(73)は上記駆動軸(40)に固定されるものであり、この回転子(73)の端面に面するように上記第1冷媒流路(1)が形成される。したがって、上記吐出流路(2)を上記駆動軸(40)の内部に形成することにより、この吐出流路(2)を介して上記圧縮室(24)の吐出側と上記第1冷媒流路(1)とを比較的に容易に連通させることができる。
又、上記吐出流路(2)を設計する場合において、該吐出流路(2)における他端開口部の軸方向高さを変更すれば、上記ケーシング(11)の内周面(11a)における任意の高さ位置に冷媒を衝突させることが可能である。
又、第5の発明によれば、上記回転子(33)における軸孔部(47)の開口端縁部に傾斜面(47a)を形成することにより、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒をスムーズに上記第1冷媒流路(1)へ流入させることができる。又、該第1冷媒流路(1)に流入した冷媒を、加速させて上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させることができる。
以上より、上記冷媒を上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ効率良く衝突させて、該冷媒から潤滑油を分離することができる。
又、第6の発明によれば、上記固定子(32)における軸孔部(46)の開口端縁部に傾斜面(46a)を形成することにより、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒をスムーズに上記第1冷媒流路(1)へ流入させることができる。又、該第1冷媒流路(1)に流入した冷媒を、加速させて上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させることができる。
以上より、上記冷媒を、上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ効率良く衝突させて、該冷媒から潤滑油を分離することができる。
又、第7の発明によれば、上記回転子(73)に対向するように上記圧縮機構(60)を配置することにより、上記駆動軸(40)に吐出流路(2)を形成しなくても、第1冷媒流路(1)へ冷媒を流入させることができる。このように、上記駆動軸(40)に吐出流路(2)を形成する必要がなく、該駆動軸(40)の構成が簡素化される。これにより、上記駆動軸(40)に吐出流路(2)を形成する場合に比べて、上記圧縮機のコストを低く抑えることができる。
又、第8の発明によれば、上記回転子(33)に面するように上記第2冷媒流路(3)を形成している。そして、この第2冷媒流路(3)において、上記回転子(33)に係る遠心力の作用方向とは逆向きに冷媒を流す。これにより、上記第2冷媒流路(3)の冷媒を減速させることができ、該冷媒から潤滑油が分離しやすくなる。以上より、上記圧縮機における潤滑油の油上がりを抑制することができる。
又、第9の発明によれば、上記第1及び第2冷媒流路(1,3)の両方を利用して、上記冷媒から潤滑油を分離することができる。これにより、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒に含まれる潤滑油を、より確実に該冷媒から分離することができ、上記圧縮機における潤滑油の油上がりを、より一層抑制することができる。
又、第10の発明によれば、上記固定子(31)に上記貫通孔(45)を形成することにより、上記第2冷媒流路(3)で潤滑油が分離した後の冷媒を、上記固定子(31)の上側の空間へ送ることができる。
又、第11の発明によれば、上記固定子(31)の貫通孔が、上記第2冷媒流路(3)からの冷媒を通過させる孔と上記駆動軸(40)を貫通させるための孔とを兼ねている。これにより、これらの孔を個別に形成する必要がなくなり、上記固定子(31)の構成を簡素化できる。これにより、上述したこれらの孔を個別に形成する場合に比べて、上記圧縮機のコストを低く抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《実施形態1》
図1は実施形態1に係る圧縮機(10)を示す図である。上記圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置の蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されるものである。この圧縮機(10)は、ケーシング(11)と回転式圧縮機構(圧縮機構)(20)とアキシャルギャップ型モータ(電動機)(30)(以下、単にモータ(30)という。)とを備えている。
図1は実施形態1に係る圧縮機(10)を示す図である。上記圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置の蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されるものである。この圧縮機(10)は、ケーシング(11)と回転式圧縮機構(圧縮機構)(20)とアキシャルギャップ型モータ(電動機)(30)(以下、単にモータ(30)という。)とを備えている。
〈ケーシング〉
上記ケーシング(11)は、両端を閉塞した縦長円筒状の密閉容器で構成されており、円筒状の胴部(12)と該胴部(12)の上端側に固定された上部鏡板(13)と該胴部(12)の下端側に固定された下部鏡板(14)とを備えている。上部鏡板(13)の側部には、該側部を貫通して吸入管(15)が取り付けられている。この吸入管(15)は、上記回転式圧縮機構(20)に形成された吸入通路(16)の端部に接続されている。又、上記胴部(12)には、該胴部(12)を貫通して吐出管(17)が取り付けられている。
上記ケーシング(11)は、両端を閉塞した縦長円筒状の密閉容器で構成されており、円筒状の胴部(12)と該胴部(12)の上端側に固定された上部鏡板(13)と該胴部(12)の下端側に固定された下部鏡板(14)とを備えている。上部鏡板(13)の側部には、該側部を貫通して吸入管(15)が取り付けられている。この吸入管(15)は、上記回転式圧縮機構(20)に形成された吸入通路(16)の端部に接続されている。又、上記胴部(12)には、該胴部(12)を貫通して吐出管(17)が取り付けられている。
上記ケーシング(11)の内部には、回転式圧縮機構(20)及びモータ(30)が収容されている。上記回転式圧縮機構(20)は、上記モータ(30)の上側に位置している。そして、上記回転式圧縮機構(20)と上記モータ(30)との間の空間が吐出空間(S1)を構成する。この吐出空間(S1)に上記吐出管(17)の端部が開口している。
又、上記ケーシング(11)の内部において、上記モータ(30)の下側には下部空間(図示なし)が形成されている。この下部空間には、上記回転式圧縮機構(20)の摺動部分を潤滑する潤滑油が貯留される。
〈回転式圧縮機構〉
上記回転式圧縮機構(20)は、可動スクロール(21)と固定スクロール(22)とハウジング(23)とを備えた、いわゆるスクロール型の回転式圧縮機構である。
上記回転式圧縮機構(20)は、可動スクロール(21)と固定スクロール(22)とハウジング(23)とを備えた、いわゆるスクロール型の回転式圧縮機構である。
上記ハウジング(23)は、その全周がケーシング(11)の内周面(11a)に接合されている。このハウジング(23)は、上段部(23a)と下段部(23b)とによって構成されている。上段部(23a)及び下段部(23b)は、順に上から下へ連続して形成されている。上段部(23a)は、その上面中央に凹部が形成されている。そして、下段部(23b)は、上段部(23a)よりも小径の略円筒状に形成され、上段部(23a)の下面から下方へ突出している。
そして、この下段部(23b)の中空部が、後述する回転軸(駆動軸)(40)に形成された主軸部(41)の軸孔部を構成する。
上記可動スクロール(21)は、可動側鏡板部(21a)と可動側ラップ(21b)とボス部(21c)とを備えている。上記可動側鏡板部(21a)は、略円板状に形成されている。又、上記可動側鏡板部(21a)は、上記ハウジング(23)における上段部(23a)の上方に位置している。上記可動側ラップ(21b)は可動側鏡板部(21a)の上面に立設している。上記可動側ラップ(21b)は可動側鏡板部(21a)に一体形成されている。上記可動側ラップ(21b)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成されている。上記ボス部(21c)は、可動側鏡板部(21a)の下面から下方へ延びている。上記ボス部(21c)は上記可動側鏡板部(21a)に一体形成されている。このボス部(21c)は、上記ハウジング(23)における上段部(23a)の凹部に位置している。
上記固定スクロール(22)は、固定側鏡板部(22a)と固定側ラップ(22b)と縁部(22c)とを備えている。上記固定側鏡板部(22a)は、略円板状に形成されている。上記固定側ラップ(22b)は、固定側鏡板部(22a)の下面に立設され、該固定側鏡板部(22a)に一体形成されている。この固定側ラップ(22b)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成され、上記可動スクロール(21)の可動側ラップ(21b)に噛合するように構成されている。そして、固定側ラップ(22b)と可動側ラップ(21b)との間には、複数の圧縮室(24)が区画形成されている。
又、圧縮室(24)の中心部分には、該圧縮室(24)で圧縮されたガス冷媒を吐出するための吐出孔(25)が設けられている。この吐出孔(25)は、上記可動スクロール(21)の可動側鏡板部(21a)を厚さ方向に貫通するように形成されている。
上記縁部(22c)は、固定側鏡板部(22a)の外周縁部から下方へ向かって延びる壁状に形成されている。この縁部(22c)は、その下端部が全周に亘って外側へ突出し、ハウジング(23)の上段部(23a)の上面に固定されている。
又、上記固定スクロール(22)には、上記圧縮室(24)の最外周端から上記ケーシング(11)の径方向外方へ延びて上記縁部(22c)の外面に向かって開口する吸入通路(16)が形成されている。
〈モータ〉
上記モータ(30)は、上側及び下側固定子(31,32)と回転子(33)と回転軸(40)とを備えている。上側及び下側固定子(31,32)と回転子(33)とは、何れも板状に形成されている。上側固定子(31)と下側固定子(32)との間に回転子(33)が配置されており、上記回転子(33)の上端面と上記上側固定子(31)の下端面とが互いに向かい合い、上記回転子(33)の下端面と上記下側固定子(32)の上端面とが互いに向かい合っている。
上記モータ(30)は、上側及び下側固定子(31,32)と回転子(33)と回転軸(40)とを備えている。上側及び下側固定子(31,32)と回転子(33)とは、何れも板状に形成されている。上側固定子(31)と下側固定子(32)との間に回転子(33)が配置されており、上記回転子(33)の上端面と上記上側固定子(31)の下端面とが互いに向かい合い、上記回転子(33)の下端面と上記下側固定子(32)の上端面とが互いに向かい合っている。
−上側固定子−
図2に示すように、上記上側固定子(31)は、上側固定子コア(34)と補強板(35)とを備えている。該上側固定子コア(34)及び補強板(35)は、その外周面が上記ケーシング(11)の内周面(11a)に固定されている。又、上記上側固定子コア(34)及び補強板(35)の各外周面には、それぞれ厚さ方向に延びる複数の溝部(34a,35a)が形成されている。上側固定子コア(34)側の溝部(34a)と補強板(35)側の溝部(35a)とは連通しており、この連通した溝部(34a,35a)が、上記上側固定子(31)の溝部(31a)を構成する。 又、上記上側固定子コア(34)及び補強板(35)の中心部には、それぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。これらの貫通孔同士は連通しており、この連通した貫通孔が、上記上側固定子(31)における回転軸(40)の軸孔部(貫通孔)(45)を構成する。
図2に示すように、上記上側固定子(31)は、上側固定子コア(34)と補強板(35)とを備えている。該上側固定子コア(34)及び補強板(35)は、その外周面が上記ケーシング(11)の内周面(11a)に固定されている。又、上記上側固定子コア(34)及び補強板(35)の各外周面には、それぞれ厚さ方向に延びる複数の溝部(34a,35a)が形成されている。上側固定子コア(34)側の溝部(34a)と補強板(35)側の溝部(35a)とは連通しており、この連通した溝部(34a,35a)が、上記上側固定子(31)の溝部(31a)を構成する。 又、上記上側固定子コア(34)及び補強板(35)の中心部には、それぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。これらの貫通孔同士は連通しており、この連通した貫通孔が、上記上側固定子(31)における回転軸(40)の軸孔部(貫通孔)(45)を構成する。
上記上側固定子コア(34)はバックヨーク(36)と複数のティース(37)とを有する。上記バックヨーク(36)は円環状の磁性体である。尚、このバックヨーク(36)は、上記回転軸(40)と同軸に配置されている。
上記各ティース(37)は、柱状体に形成されている。上記各ティース(37)は、その一端部が上記バックヨーク(36)の下面に形成された溝(39)に嵌合して固定されている。つまり、各ティース(37)はバックヨーク(36)の下面から上記回転軸(40)と同軸方向に延びている(突出している)。このような構成により、複数のティース(37)はバックヨーク(36)を通じて互いに磁気的に接続されている。
又、上記各ティース(37)には、上記回転軸(40)と平行な方向を軸としてアキシャルコイル(38)が巻回されている。このアキシャルコイル(38)は、多相コイル(例えば、三相コイル)であり、上記モータ(30)に電力を供給する電源部(図示なし)との間でスター結線されている。
又、上記各ティース(37)には、バックヨーク(36)と反対側の端部(回転子(33)に対向する端部)に磁性体板(37a)が取り付けられている。この磁性体板(37a)を設けることにより、後述する回転子(33)の永久磁石(33d)からの界磁磁束が各アキシャルコイル(38)に鎖交し易くなっている。
上記補強板(35)は、上記上側固定子コア(34)を補強するものである。上記補強板(35)は、上記バックヨーク(36)と同径の円環状に形成されている。上記補強板(35)は、バックヨーク(36)の上面に当接した状態で該バックヨーク(36)に固定されている。そして、バックヨーク(36)および補強板(35)の外周面は、共にケーシング(11)の内周面(11a)に固定されている。
−下側固定子−
上記下側固定子(32)は、磁性体である円環状の板部材からなる下側固定子コア(32b)と、該下側固定子コア(32b)に取り付けられる円環状の磁性体(32c)とを有している。
上記下側固定子(32)は、磁性体である円環状の板部材からなる下側固定子コア(32b)と、該下側固定子コア(32b)に取り付けられる円環状の磁性体(32c)とを有している。
上記下側固定子コア(32b)は円環状に形成されている。この下側固定子コア(32b)の外周面には、厚さ方向に延びる複数の溝部(32a)が形成されている。これらの溝部(32a)が、上記下側固定子(32)の溝部(32a)を構成する。又、上記下側固定子コア(32b)の中空部が、上記回転軸(40)の軸孔部(46)を構成する。ここで、上記軸孔部(46)における回転子(33)側の開口端縁部には、傾斜面(46a)が形成されている。この傾斜面(46a)は、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって下方に傾斜する面である。
又、上記磁性体(32c)は、下側固定子コア(32b)の回転子(33)側の対向面に嵌め込まれ、上記回転子(33)の下端面に対向している。
このように、本実施形態のモータ(30)では、上側固定子(31)はアキシャルコイル(38)が巻回された巻線型固定子を構成し、下側固定子(32)はアキシャルコイルを巻回されていない非巻線型固定子を構成している。
−回転子−
上記回転子(33)は、ボス部(33a)と磁石支持部(33b)とを有し、それらが一体的に形成されている。ボス部(33a)は、回転子(33)の中心部に形成された円筒であり、該円筒の中空部が上記回転軸(40)の軸孔部(47)を構成する。ここで、上記軸孔部(47)における下側固定子(32)側の開口端縁部には、傾斜面(47a)が形成されている。この傾斜面(47a)は、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上方に傾斜する面である。
上記回転子(33)は、ボス部(33a)と磁石支持部(33b)とを有し、それらが一体的に形成されている。ボス部(33a)は、回転子(33)の中心部に形成された円筒であり、該円筒の中空部が上記回転軸(40)の軸孔部(47)を構成する。ここで、上記軸孔部(47)における下側固定子(32)側の開口端縁部には、傾斜面(47a)が形成されている。この傾斜面(47a)は、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上方に傾斜する面である。
又、上記回転子(33)は、該回転子(33)に嵌め込まれる磁性体(33c)および永久磁石(33d)を有している。上記磁石支持部(33b)は、ボス部(33a)の全周に亘って外方へ延びる板部材である。磁石支持部(33b)には、上記磁性体(33c)および永久磁石(33d)が装着される複数の開口が周方向に等間隔に形成されている。
上記磁性体(33c)および永久磁石(33d)は、共に板状に形成され、磁石支持部(33b)の各開口に嵌め込まれている。各開口部には磁性体(33c)および永久磁石(33d)が1つずつ嵌め込まれる。各開口部では、磁性体(33c)と永久磁石(33d)が互いに周方向(即ち、磁石支持部(33b)の厚み方向)に積層された(重ね合わせた)状態で嵌め込まれ、上側(即ち、上側固定子(31)側)に磁性体(33c)が位置し、下側(即ち、下側固定子(32)側)に永久磁石(33d)が位置する。つまり、本実施形態の回転子(33)では、磁性体(33c)が上側固定子(31)におけるティース(37)の磁性体板(37a)に対向し、永久磁石(33d)が下側固定子(32)における磁性体(32c)に対向している。
上記各永久磁石(33d)は、その厚み方向に着磁されており、その両面にN極またはS極の磁極を呈している。そして、各永久磁石(33d)は、隣り合う永久磁石(33d)の磁極の極性が異なるように配置されている。
−回転軸−
図1に示すように、上記回転軸(40)は、主軸部(41)と該主軸部(41)の上側に偏心部(42)とを有し、それらが一体的に形成されている。上記偏心部(42)は、主軸部(41)の最大径よりも小径に形成されており、該偏心部(42)の軸心は主軸部(41)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。
図1に示すように、上記回転軸(40)は、主軸部(41)と該主軸部(41)の上側に偏心部(42)とを有し、それらが一体的に形成されている。上記偏心部(42)は、主軸部(41)の最大径よりも小径に形成されており、該偏心部(42)の軸心は主軸部(41)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。
上記偏心部(42)は、上記可動スクロール(21)のボス部(21c)に挿入されている。一方、上記主軸部(41)は、上記回転子(33)の軸孔部(47)に固定されている。又、上記主軸部(41)は、上記ハウジング(23)の下段部(23b)、上記上側固定子(31)及び上記下側固定子(32)の軸孔部を貫通している。
又、上記回転軸(40)の内部には、吐出流路(2)が形成されている。この吐出流路(2)は、上記回転軸(40)の上端面に開口する入口部(2a)と上記回転軸(40)の外周面に開口する出口部(2b)とを有している。
ここで、上記吐出流路(2)の入口部(2a)は、上記可動スクロール(21)の吐出孔(25)に連通している。一方、上記吐出流路(2)の出口部(2b)は、上記回転子(33)の下端面と上記下側固定子(32)の上端面との隙間に連通している。尚、この隙間が、後述する第1冷媒流路(1)である。又、上記吐出流路(2)の出口部(2b)は、上記ケーシング(11)の中心部から該ケーシング(11)の内周面(11a)へ向かって開口している。
−第1冷媒流路−
上記モータ(30)の内部には、上記吐出流路(2)から流出したガス冷媒を上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させるための第1冷媒流路(1)が形成されている。上述したように、上記回転子(33)の下端面と上記下側固定子(32)の上端面との隙間が、上記第1冷媒流路(1)となる。
上記モータ(30)の内部には、上記吐出流路(2)から流出したガス冷媒を上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させるための第1冷媒流路(1)が形成されている。上述したように、上記回転子(33)の下端面と上記下側固定子(32)の上端面との隙間が、上記第1冷媒流路(1)となる。
上記第1冷媒流路(1)は、上記回転軸(40)の径方向外方へ延びている。又、上記第1冷媒流路(1)は、上記回転子(33)の傾斜面(47a)と下側固定子(32)の傾斜面(46a)と上記回転軸(40)とで囲まれた空間部を有している。この空間部は、上記ケーシング(11)の中心部から該ケーシング(11)の内周面(11a)へ向かって先細りする形状である。この空間部が上記第1冷媒流路(1)の拡大部(4)を構成する。尚、この拡大部(4)の上流側の流路断面積は、上記吐出流路(2)の出口部(2b)における流路断面積よりも大きく形成されている。
−運転動作−
次に、上記圧縮機(10)の運転動作について説明する。
次に、上記圧縮機(10)の運転動作について説明する。
上記電源部から上記モータ(30)へ電流が供給されると、上記上側固定子(31)のアキシャルコイル(38)が通電し、その通電によって回転磁界が発生する。すると、この回転磁界に対して回転子(33)の永久磁石(33d)が吸引/反発を起こす。これにより、上記回転子(33)に対して回転力(マグネットトルク)が発生する。そして、この回転力によって、上記回転子(33)が上記回転軸(40)と共に回転する。
この回転軸(40)の回転に伴って、上記可動スクロール(21)が、上記主軸部(41)の軸心を中心として公転する。ここで、この可動スクロール(21)の公転半径は、偏心部(42)の偏心量、すなわち主軸部(41)の軸心と偏心部(42)の軸心との距離と同じである。この固定スクロール(22)の公転運動に伴って、上記圧縮室(24)の容積が周期的に増減を繰り返す。上記圧縮室(24)の容積が増大すると、上記吸入管(15)から上記吸入通路(16)を経て上記冷媒回路のガス冷媒が上記圧縮室(24)へ吸入される。その後、上記圧縮室(24)における容積の減少に伴って、上記ガス冷媒が圧縮された後に上記固定スクロール(22)の吐出孔(25)から吐出される。
上記吐出孔(25)から吐出されたガス冷媒は、上記回転軸(40)の入口部(2a)から上記吐出流路(2)へ流入する。上記吐出流路(2)へ流入したガス冷媒は、図2に示すように、該吐出流路(2)を通過した後で上記回転軸(40)の出口部(2b)から流出し、上記第1冷媒流路(1)の拡大部(4)へ流入する。
ここで、この拡大部(4)における上記回転軸(40)側の流路断面積は、上記吐出流路(2)の出口部(2b)における流路断面積よりも大きく形成されている。このため、上記吐出流路(2)から流出したガス冷媒がスムーズに上記拡大部(4)へ流入する。
又、上述したように、上記拡大部(4)は、上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ向かって先細りする形状である。このため、上記拡大部(4)における流路断面積の減少に伴って、ガス冷媒は徐々に加速される。
又、上記第1冷媒流路(1)は上記回転子(33)の下端面に面している。このため、上記第1冷媒流路(1)を流れるガス冷媒には、上記回転子(33)の回転による遠心力が該回転子(33)の径方向外方に向かって作用する。この遠心力により、ガス冷媒が加速される。
このように、上記吐出流路(2)から上記第1冷媒流路(1)へ流入したガス冷媒は、加速された状態で、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突する。この衝突により、ガス冷媒中の潤滑油が上記ケーシング(11)の内周面(11a)に捕捉される。これにより、潤滑油混りのガス冷媒から潤滑油が分離する。
上記ガス冷媒から分離した潤滑油は、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に沿って鉛直下向きに流れる。そして、この潤滑油は、上記下側固定子(32)の溝部(32a)を通過した後で、上記ケーシング(11)の下部空間に貯留される。該下部空間の潤滑油は、上記回転軸(40)の下端部に設けられた遠心ポンプ(図示なし)によって汲み上げられて、上記回転式圧縮機構(20)および上記モータ(30)の各摺動部に供給される。
一方、上記潤滑油が分離した後のガス冷媒は、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に沿って鉛直上向きに上昇する。このガス冷媒は、上記上側固定子(31)の溝部(31a)を通過した後で、上記ケーシング(11)の吐出空間(S1)に流入する。そして、該吐出空間(S1)のガス冷媒は、上記吐出管(17)を経てケーシング(11)の外側へ吐出される。
−本実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突させて、油分離を行うようにした。こうすると、上記圧縮機(10)からの冷媒吐出量が増えて、該冷媒の流速が速くなったとしても、確実に冷媒から潤滑油を分離することができる。これにより、上記圧縮機(10)における潤滑油の油上がりを抑制することができる。
本実施形態1によれば、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突させて、油分離を行うようにした。こうすると、上記圧縮機(10)からの冷媒吐出量が増えて、該冷媒の流速が速くなったとしても、確実に冷媒から潤滑油を分離することができる。これにより、上記圧縮機(10)における潤滑油の油上がりを抑制することができる。
又、上記回転子(33)の下端面に面するように上記第1冷媒流路(1)を形成している。このように形成すると、上記第1冷媒流路(1)の冷媒を上記回転子(33)による遠心力で加速させることができる。そして、この加速した状態の冷媒を上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させることができる。
これにより、上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突する冷媒の衝突速度が増加した分だけ、上記冷媒からより多くの潤滑油を分離することができ、さらに上記圧縮機における潤滑油の油上がりを抑制することができる。
又、本実施形態1によれば、上記回転子(33)と上記下側固定子(32)との間に形成されるエアギャップを第1冷媒流路(1)として利用している。ここで、一般に、このエアギャップは、電動機(30)の性能向上のために、その間隔が狭く設定される。したがって、このエアギャップを第1冷媒流路(1)として利用することにより、該第1冷媒流路(1)の流路面積を比較的に狭くなる。これにより、上記第1冷媒流路(1)を流れる冷媒の速度をさらに増加させることができ、より多くの潤滑油を上記冷媒から分離することができる。
又、本実施形態1によれば、上記吐出流路(2)を介して、上記圧縮室(24)から吐出された冷媒を上記第1冷媒流路(1)へ導くことができる。ここで、上述したように、上記回転子(33)は上記駆動軸(40)に固定されるものであり、この回転子(33)の端面に面するように上記第1冷媒流路(1)が形成される。したがって、上記吐出流路(2)を上記駆動軸(40)の内部に形成することにより、この吐出流路(2)を介して上記圧縮室(24)の吐出側と上記第1冷媒流路(1)とを比較的に容易に連通させることができる。
又、本実施形態1によれば、上記回転子(33)の軸孔部(47)及び上記下側固定子(32)の軸孔部(46)において、各々の開口端縁部に傾斜面(47a,46a)を形成することにより、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒をスムーズに上記第1冷媒流路(1)へ流入させることができる。又、該第1冷媒流路(1)に流入した冷媒を、該第1冷媒流路(1)の拡大部(4)で加速させて上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させることができる。以上より、上記冷媒を、上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ効率良く衝突させて、該冷媒から潤滑油を分離することができる。
−実施形態1の変形例−
図3に、本実施形態1の変形例の圧縮機(50)の縦断面図を示す。この変形例の圧縮機(50)は、上記実施形態1の圧縮機(10)とは違い、上記第1冷媒流路(1)が電動機(70)の回転子(73)と回転式圧縮機構(60)との間に形成されている。
図3に、本実施形態1の変形例の圧縮機(50)の縦断面図を示す。この変形例の圧縮機(50)は、上記実施形態1の圧縮機(10)とは違い、上記第1冷媒流路(1)が電動機(70)の回転子(73)と回転式圧縮機構(60)との間に形成されている。
具体的に、この変形例の圧縮機の回転式圧縮機構(60)は、シリンダ内でピストンが揺動するように偏心回転運動を行う、いわゆる揺動ピストン型のものである。この回転式圧縮機構(60)の上面には、マフラカバー(62)が取り付けられている。このマフラカバー(62)の内側に、上記回転式圧縮機構(60)の圧縮室(24)から吐出された冷媒を消音するためのマフラ室(63)が形成されている。そして、上記マフラカバー(62)には、上記マフラ室(63)の冷媒を外部へ吐出するための吐出ポート(61)が該マフラカバー(62)を厚さ方向に貫通するように形成されている。
又、上記圧縮機(50)のモータ(70)は、一対の回転子(73)及び固定子(74)を有するアキシャルギャップ型のものである。ここで、上記回転子(73)は、その下端面が上記回転式圧縮機構(60)の上面に面するように配置されている。そして、上記回転子(73)の下端面と上記回転式圧縮機構(60)の上面との間の空間に、第1冷媒流路(1)が形成される。
このように構成した場合であっても、上述した実施形態1と同様に、上記第1冷媒流路(1)の冷媒を上記回転子(33)の回転による遠心力で加速させることができる。そして、この加速した状態の冷媒を上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突させることができる。この衝突により、ガス冷媒中の潤滑油が上記ケーシング(51)の内周面(51a)に捕捉される。これにより、潤滑油混りのガス冷媒から潤滑油が分離することができる。
尚、上記ガス冷媒から分離した潤滑油は、上記ケーシング(51)の内周面(51a)に沿って鉛直下向きに流れる。そして、この潤滑油は、上記回転式圧縮機構(60)に形成された貫通部(60a)を通過した後で、上記ケーシング(51)の底部に形成された油溜まり部(53)に貯留される。この油溜まり部(53)の潤滑油は、上記モータ(70)の回転軸(40)の下端部に設けられた遠心ポンプ(52)によって汲み上げられて、上記回転式圧縮機構(60)および上記モータ(70)の各摺動部に供給される。
一方、上記潤滑油が分離した後のガス冷媒は、上記ケーシング(51)の内周面(51a)に沿って鉛直上向きに上昇する。このガス冷媒は、上記固定子(74)に形成された貫通部(74a)を通過した後で、上記ケーシング(51)の上部に形成された吐出空間(54)に流入する。そして、上記吐出空間(54)のガス冷媒は、上記ケーシング(51)の頂部に取り付けられた吐出管(55)を経てケーシング(51)の外側へ吐出される。
《実施形態2》
図4は、実施形態2に係る圧縮機の要部を示した図である。この実施形態2の圧縮機は、上記第1冷媒流路(1)の代わりに第2冷媒流路(3)が設けられている。以下、実施形態1に係る圧縮機と同じ部分については説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
図4は、実施形態2に係る圧縮機の要部を示した図である。この実施形態2の圧縮機は、上記第1冷媒流路(1)の代わりに第2冷媒流路(3)が設けられている。以下、実施形態1に係る圧縮機と同じ部分については説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
具体的に、実施形態2に係る圧縮機の吐出流路(2)は、上記下側固定子(32)の下側まで延びている。又、上記吐出流路(2)において、上記回転軸(40)の外周面に形成された出口部(2b)は、上記下側固定子(32)よりも下側に位置する。そして、この出口部(2b)は、上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ向かって開口している。
この構成により、上記吐出流路(2)のガス冷媒は、上記回転軸(40)における外周面の出口部(2b)から流出して上記ケーシング(11)の内周面(11a)へ衝突する。この衝突により、ガス冷媒から潤滑油の一部が分離する。そして、ガス冷媒から分離した潤滑油は、上記ケーシング(11)の内周面(11a)を伝って下方へ落下する。一方、分離しきれなかった潤滑油を含むガス冷媒は、上記下側固定子(32)の溝部(32a)を通過し、上記モータ(30)の内部に形成された内部空間(S2)へ流入する。
一方、実施形態2に係る圧縮機の上側固定子(31)において、その外周面には溝部が形成されていない。又、上記上側固定子(31)の軸孔部(45)の孔径が、上記実施形態1の場合よりも大きくなっている。これにより、上記軸孔部の内周面(11a)と上記回転軸(40)の外周面との間には、比較的に大きな開口部が形成されている。そして、この開口部を介して上記モータ(30)の内部空間(S2)と上記吐出空間(S1)とが連通される。
この構成により、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突した後に上記モータ(30)の内部空間(S2)へ流入したガス冷媒は、上側固定子(31)の下端面と上記回転子(33)の上端面との隙間を流れる。そして、この隙間を流れる冷媒は、上記軸孔部(45)及び上記回転軸(40)の間の開口部を通過した後で上記吐出空間(S1)に流入する。
ここで、上記上側固定子(31)の下端面と上記回転子(33)の上端面との隙間が、上述した第2冷媒流路(3)を構成する。この第2冷媒流路(3)は、上記回転子(33)の端面に面している。このため、上記回転子(33)が回転すると、上記第2冷媒流路(3)の冷媒には上記回転子(33)の回転による遠心力が作用する。この遠心力の作用する方向は、上記冷媒の流れ方向と逆である。このことから、上記遠心力によって上記冷媒の流れが減速する。この減速により、冷媒に含まれる潤滑油が上記第2冷媒流路(3)の周囲にある壁体に捕捉される。この結果、上記冷媒から潤滑油が分離する。
このように、上記第2冷媒流路(3)により、上記回転子(33)による遠心力を利用して冷媒の流れを減速させることで、上記冷媒から潤滑油を分離することができる。
《実施形態3》
図5は、実施形態3に係る圧縮機の要部を示した図である。この実施形態3の圧縮機は、上記実施形態1の圧縮機とは違い、上記第1冷媒流路(1)に加えて第2冷媒流路(3)が設けられている。以下、実施形態1に係る圧縮機と同じ部分については説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
図5は、実施形態3に係る圧縮機の要部を示した図である。この実施形態3の圧縮機は、上記実施形態1の圧縮機とは違い、上記第1冷媒流路(1)に加えて第2冷媒流路(3)が設けられている。以下、実施形態1に係る圧縮機と同じ部分については説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
具体的に、実施形態3に係る圧縮機の上側固定子(31)は、上記実施形態1とは異なるが上記実施形態2とは同じ構成である。つまり、上記上側固定子(31)の外周面には溝部が形成されていない。又、上記上側固定子(31)の軸孔部(45)の孔径が、上記実施形態1の場合よりも大きくなっている。これにより、上記軸孔部(45)の内周面(11a)と上記回転軸(40)の外周面との間には、比較的に大きな開口部が形成されている。そして、この開口部を介して上記モータ(30)の内部空間(S2)と上記吐出空間(S1)とが連通される。
この構成によれば、上記第1及び第2冷媒流路(1,3)の両方を利用して、上記冷媒から潤滑油を分離することができる。これにより、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒に含まれる潤滑油を、より確実に該冷媒から分離することができ、上記圧縮機における潤滑油の油上がりを、より一層抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1では、上記回転子(33)の下端面と上記下側固定子(32)の上端面との隙間に第1冷媒流路(1)が形成されていたが、これに限定されず、図6に示すように、上記上側固定子(31)の下端面と上記回転子(33)の上端面との間に形成されていてもよい。この場合でも、この第1冷媒流路(1)は、上記回転子(33)に面している。このため、上記実施形態1と同様に、第1冷媒流路(1)を流れる冷媒を上記回転子(33)の回転による遠心力で加速することができる。
上記実施形態1では、上記吐出流路(2)の出口部(2b)が1つであったが、これに限定されず、上記出口部(2b)が2つ以上であってもよい。図7には、上記出口部(2b)が2つ形成された回転軸(40)を有する圧縮機を示している。図7に示すように、これらの出口部(2b)のうち、1つは上記回転子(33)の下端面と上記下側固定子(32)の上端面との間にある第1冷媒流路(1)に開口し、もう一つは上記下側固定子(32)よりも下側の空間に開口している。このように出口部(2b)の数を増やすと、その分だけ、上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突する冷媒の量が増える。この結果、より多くの潤滑油を冷媒から分離することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、ケーシング内に圧縮機構と電動機とを収容した圧縮機について有用である。
1 第1冷媒流路
2 吐出流路
3 第2冷媒流路
10 圧縮機
11 ケーシング
20 回転式圧縮機構(圧縮機構)
24 圧縮室
30 モータ(電動機)
31 上側固定子
32 下側固定子
33 回転子
40 回転軸(駆動軸)
2 吐出流路
3 第2冷媒流路
10 圧縮機
11 ケーシング
20 回転式圧縮機構(圧縮機構)
24 圧縮室
30 モータ(電動機)
31 上側固定子
32 下側固定子
33 回転子
40 回転軸(駆動軸)
Claims (11)
- 圧縮機構(20,60)と、該圧縮機構(20,60)を駆動する電動機(30,70)と、該圧縮機構(20,60)に形成されて上記電動機(30,70)の駆動により冷媒を圧縮する圧縮室(24)と、上記電動機(30,70)及び圧縮機構(20,60)を収容するケーシング(11)とを備えた圧縮機であって、
上記電動機(30,70)は、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33,73)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型の電動機(30,70)により構成され、
上記ケーシング(11)の内部には、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を該ケーシング(11)の中心部から該ケーシング(11)の内周面(11a)へと導く第1冷媒流路(1)が、上記回転子(33,73)の端面に面するように形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1において、
上記第1冷媒流路(1)は、上記回転子(33)と上記固定子(31,32)との間に形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1において、
上記第1冷媒流路(1)は、上記回転子(73)と該回転子(73)に対向するように配置された上記圧縮機構(60)との間に形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1から3の何れか1つにおいて、
上記電動機(30)は、上記圧縮機構(20)を駆動するための駆動軸(40)を有し、
上記駆動軸(40)は、上記回転子(33)の中心部分と上記圧縮機構(20)の中心部分とを連結する一方、
上記駆動軸(40)の内部には、一端が上記圧縮室(24)の吐出側に開口し、他端が上記駆動軸(40)の外周面に形成されて上記第1冷媒流路(1)に開口する吐出流路(2)が形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項4において、
上記回転子(33)には、厚さ方向に貫通して上記駆動軸(40)が嵌合する回転子側の軸孔部(47)が形成され、
上記回転子側の軸孔部(47)における第1冷媒流路(1)側の開口端縁部には、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上記第1冷媒流路(1)の流路断面積が大きくなるように傾斜する傾斜面(47a)が形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項4又は5において、
上記固定子(32)には、厚さ方向に貫通して上記駆動軸(40)が挿通する固定子側の軸孔部(46)が形成され、
上記固定子側の軸孔部(46)における第1冷媒流路(1)側の開口端縁部には、上記ケーシング(11)側から上記駆動軸(40)側へ向かって上記第1冷媒流路(1)の流路断面積が大きくなるように傾斜する傾斜面(46a)が形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1において、
上記第1冷媒流路(1)は、上記回転子(73)と該回転子(73)に対向するように配置された上記圧縮機構(60)との間に形成され、
上記圧縮機構(60)には、該圧縮機構(20)の壁体を貫通して上記圧縮室(24)の吐出側と上記第1冷媒流路(1)とを連通する吐出ポート(61)が形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 圧縮機構(20)と、該圧縮機構(20)を駆動する電動機(30)と、該圧縮機構(20)に形成されて上記電動機(30)の駆動により冷媒を圧縮する圧縮室(24)と、上記電動機(30)及び圧縮機構(20)を収容するケーシング(11)とを備えた圧縮機であって、
上記電動機(30)は、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型の電動機(30)により構成され、
上記ケーシング(11)の内部には、上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を該ケーシング(11)の内周縁部から該ケーシング(11)の中心部へと導く第2冷媒流路(3)が、上記回転子(33)の端面に面するように形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 圧縮機構(20)と、該圧縮機構(20)を駆動する電動機(30)と、該圧縮機構(20)に形成されて上記電動機(30)の駆動により冷媒を圧縮する圧縮室(24)と、上記電動機(30)及び圧縮機構(20)を収容するケーシング(11)とを備えた圧縮機であって、
上記電動機(30)は、共に板状に形成されて各端面同士が上記ケーシング(11)の軸方向に互いに向き合う回転子(33)及び固定子(31,32)を有するアキシャルギャップ型の電動機(30)により構成される一方、
上記圧縮室(24)で圧縮された冷媒を該ケーシング(11)の中心部から該ケーシング(11)の内周面(11a)へと導く第1冷媒流路(1)が、上記回転子(33)における一方の端面に面するように上記ケーシング(11)の内部に形成され、
上記第1冷媒流路(1)から流出して上記ケーシング(11)の内周面(11a)に衝突した後の冷媒を該ケーシング(11)の内周縁部から該ケーシング(11)の中心部へと導く第2冷媒流路(3)が、上記回転子(33)における他方の端面に面するように上記ケーシング(11)の内部に形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項8又は9において、
上記第2冷媒流路(3)は、上記回転子(33)と該回転子(33)の上側に配置された固定子(31)との間に形成される一方、
上記固定子(31)の中心部分には、厚さ方向に貫通する貫通孔(45)が形成され、
上記貫通孔(45)における上記回転子(33)側の開口端が、該第2冷媒流路(3)に連通していることを特徴とする圧縮機。 - 請求項10において、
上記電動機(30)は、上記圧縮機構(20)を駆動するための駆動軸(40)を有し、
上記駆動軸(40)は、上記固定子(31)における貫通孔(45)の孔径よりも小さな軸径を有するとともに上記固定子(31)の貫通孔(45)に挿入されて上記回転子(33)の中心部分と上記圧縮機構(20)の中心部分とを連結することを特徴とする圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010093956A JP2011226296A (ja) | 2010-04-15 | 2010-04-15 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010093956A JP2011226296A (ja) | 2010-04-15 | 2010-04-15 | 圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011226296A true JP2011226296A (ja) | 2011-11-10 |
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ID=45041937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010093956A Withdrawn JP2011226296A (ja) | 2010-04-15 | 2010-04-15 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011226296A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016176449A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-06 | ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド | 圧縮機 |
-
2010
- 2010-04-15 JP JP2010093956A patent/JP2011226296A/ja not_active Withdrawn
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