JP2018015742A - 油分離器、圧縮装置および冷凍サイクル - Google Patents

油分離器、圧縮装置および冷凍サイクル Download PDF

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Abstract

【課題】冷媒と油の分離効率を向上することの可能な油分離器を提供する。
【解決手段】油分離器40は、本体部41、流体供給通路50、冷媒吐出通路60および油排出通路70を備える。流体供給通路50は、本体部41が有する円筒状の流体室46に冷媒と油とが混合した流体を供給し、流体室46の周方向に流体が流れる旋回流を形成する。冷媒吐出通路60は、流体室46に油が溜まる油溜り部462より上側に設けられ、流体室46から冷媒を吐出する。油排出通路70は、流体室46の油溜り部462から油を排出する。ここで、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72とのなす角のうち、流体室46と油排出通路70の外側に形成されるθ1は鈍角である。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷媒ガスに混入している油を遠心力によって分離する油分離器、並びにその油分離器を備えた圧縮装置および冷凍サイクルに関する。
従来、冷凍サイクルは、冷媒を圧縮するための圧縮機を備えている。その圧縮機の摺動部の潤滑を行うために、冷凍サイクルを循環する冷媒には油が混入されている。その油は、圧縮機から冷凍サイクルに吐出される冷媒と共に冷凍サイクルを循環する。しかし、圧縮機から冷凍サイクルに吐出される冷媒に混入している油の量が多いほど、熱交換器による熱交換性能が損なわれ、冷凍サイクルにおける成績係数(COP:Coefficient Of Performance)が低下する。そこで、圧縮機の吐出側に、冷媒と油を分離するための油分離器を設けることにより、冷凍サイクルを循環する冷媒に混入している油の量を少なくする技術が知られている。この油分離器には、冷凍サイクルのCOPを上げるために、冷媒と油との分離効率の向上が求められている。
特許文献1に記載の油分離器は、冷媒と油とが混合した流体が供給される流体室の内径に対し、流体室から冷媒を吐出する冷媒吐出通路の開口部と流体室の底との距離を2.5倍以上にしている。これにより、冷媒と油とを遠心分離するために流体室で形成される旋回流により冷媒から分離された油が流体室の底から巻き上がる場合でも、冷媒吐出通路の開口部から冷媒と共に吐出することが抑制される。しかしながら、この特許文献1に記載の油分離器は、軸方向の体格が大きくなることが懸念される。
なお、特許文献2に記載の油分離器は、流体室の底に設けられた油排出通路が、流体室の径方向の内壁に接続している構成が記載されている。これにより、特許文献2に記載の油分離器は、軸方向の体格を小さくすることが可能である。また、流体室で形成される旋回流の遠心力を利用して流体室から油排出通路へ効率よく油を排出することが可能である。
特開2009−109102号公報 特開2005−163793号公報
一般に、油分離器は、円筒状の流体室と、その流体室に対し冷媒と油とが混合した流体を供給する流体供給通路と、流体室から冷媒を吐出する冷媒吐出通路と、流体室から油を排出する油排出通路を備えている。油分離器が備える円筒状の流体室は、流体が旋回する旋回流部と、その旋回流部で遠心分離された油が溜まる油溜り部に区分される。
ここで、上述した油分離器の各構成に関し、冷媒と油の分離効率を向上させるために従来から次の方法が検討されている。
(1)流体供給通路に関し、流体室に流体を供給する方向の設定により、流体室に旋回流を生み出す方法。
(2)流体室の旋回流部に関し、旋回流の遠心力を高めて冷媒と油とを分離する方法。
(3)冷媒吐出通路に関し、上述した特許文献1に記載の技術のように、流体室の底からの距離を遠くして油の巻上げを低減する方法。
(4)流体室の油溜り部に関し、旋回流部で旋回している冷媒と油溜り部の油とを分ける方法。
しかしながら、油排出通路に関しては、あまり着目がされていない。
そこで、発明者らは、油排出通路に着目して鋭意研究を重ね、流体室の径方向の内壁と油排出通路とが接続する箇所が、冷媒から分離された油の巻き上がりに大きく影響していることを新たに見出した。すなわち、流体室の内壁と油排出通路とが接続する箇所で旋回流の乱れが生じ、流体室の油溜まりから油が巻き上がると、冷媒吐出通路から冷媒と共に吐出する油の量が増加して冷媒と油の分離効率が悪化してしまう。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、冷媒と油の分離効率を向上することの可能な油分離器、並びにその油分離器を備えた圧縮装置および冷凍サイクルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の油分離器は、本体部、流体供給通路、冷媒吐出通路および油排出通路を備える。本体部は、円筒状の流体室を有する。流体供給通路は、流体室の内壁に設けられた供給口から冷媒と油とが混合した流体を流体室に供給し、流体室の周方向に流体が流れる旋回流を形成する。冷媒吐出通路は、流体室に油が溜まる箇所より重力方向上側に設けられ、流体室から冷媒を吐出する。油排出通路は、流体室に油が溜まる箇所で流体室の内壁に設けられた排出口から油を排出する。ここで、流体室の径方向の内壁のうち油排出通路に接続する位置から旋回流の下流側に延びる部位(以下、「流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位」という)と、油排出通路の内壁のうち旋回流の下流側で流体室の径方向の内壁に接続する部位(以下、「油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位」という)とのなす角のうち流体室と油排出通路の外側に形成される角は鈍角である。
これによれば、流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位と、油排出通路の排出口のうち旋回流の下流側の部位との接続箇所を、流体室で遠心分離された油が通過する際、旋回流が乱れて重力方向上側に油が巻き上がる現象が抑制される。そのため、流体室の周方向に底付近を旋回する油は、流体室と油排出通路の下流側との圧力差により、排出口から油排出通路に吸い込まれる。したがって、油分離器は、冷媒吐出通路から冷媒と一緒に吐出する油の量を低減し、冷媒と油の分離効率を高めることができる。
また、重力方向上側に油が巻き上がる現象が抑制されるので、油排出通路の排出口と冷媒吐出通路との距離を近づけることが可能である。したがって、本体部が有する流体室の軸方向の長さを短くし、油分離器の体格を小型化することができる。
請求項7に記載の発明は、圧縮装置の発明である。圧縮装置は、ハウジング、圧縮機構部、および上述した請求項1等に記載の油分離器を備える。ハウジングは、外殻を構成する。圧縮機構部は、ハウジングの内側に設けられ、冷媒を圧縮し、吐出する。油分離器は、圧縮機構部から吐出された冷媒に混入している油を冷媒から分離し、油を圧縮機構部の摺動箇所に排出する。
これによれば、油分離器は冷媒と油の分離効率が高いものであるので、圧縮機構部の摺動箇所に供給される油の量が増加する。したがって、圧縮装置は、摺動箇所の磨耗および経年劣化等を低減し、信頼性を高めることが可能である。
請求項8に記載の発明は、冷凍サイクルの発明である。冷凍サイクルは、圧縮機、上述した請求項1等に記載の油分離器、凝縮器、減圧器および蒸発器を備える。圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構部を有する。油分離器は、圧縮機から吐出された冷媒に混入している油を冷媒から分離し、油を圧縮機構部の摺動箇所に排出する。凝縮器は、油分離器から吐出された冷媒を外部流体との熱交換により凝縮させる。減圧器は、凝縮器から供給された冷媒を減圧する。蒸発器は、減圧器から供給された冷媒を空気との熱交換により蒸発させ、冷媒を圧縮機に供給する。
これによれば、油分離器は冷媒と油の分離効率が高いものであるので、凝縮器および蒸発器を流れる冷媒に混入している油の量が減少する。そのため、圧縮機の消費動力に対する、凝縮器および蒸発器における熱交換効率が向上する。したがって、冷凍サイクルのCOPを向上することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる冷凍サイクルの構成図である。 本発明の第1実施形態にかかる圧縮装置の断面図である。 図2のIII−III線における油分離器の断面図である。 第1実施形態にかかる油分離器の油流れの模式図である。 第1実施形態にかかる油分離器の油流れの模式図である。 比較例の油分離器の油流れの模式図である。 比較例の油分離器の油流れの模式図である。 第1実施形態と比較例の油分離器における油持ち出し比に関するグラフである。 本発明の第2実施形態にかかる油分離器の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる油分離器の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる油分離器の断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる油分離器の断面図である。 本発明の第6実施形態にかかる油分離器の断面図である。 図13のXIV−XIV線の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、例えば給湯機用の冷凍サイクル1に適用される油分離器40について説明する。
<冷凍サイクルの構成>
まず、冷凍サイクル1の構成について説明する。図1に示すように、給湯機用の冷凍サイクル1は、圧縮機2、油分離器40、凝縮器3、減圧器4、蒸発器5および気液分離器6等が順次配管で接続された蒸気圧縮式のヒートポンプサイクルである。
圧縮機2は、冷媒を圧縮し、油分離器40へ吐出する。油分離器40は、冷媒に混入している油を冷媒から分離し、冷媒を凝縮器3としての水冷媒熱交換器へ吐出する。油分離器40で分離された油は、圧縮機2に戻される。この水冷媒熱交換器は、圧縮機2から油分離器40を経由して吐出された冷媒と、外部流体としての給湯水とを熱交換し、給湯水を加熱する。減圧器4は、膨張弁であり、水冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧する。蒸発器5は空気から吸熱し、減圧器4で減圧された冷媒を蒸発させる。気液分離器6は、蒸発器5から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して余剰冷媒を液相冷媒として蓄えるとともに、気相冷媒を圧縮機2の冷媒吸入口に供給する。なお、気液分離器6は必須のものではない。
<圧縮装置の構成>
次に、本実施形態の圧縮装置7の構成について説明する。図2は、圧縮装置7の一例を示したものである。この圧縮装置7は、圧縮機2と油分離器40とが接続されたものである。圧縮機2は、例えばスクロール型の電動圧縮機であり、外郭を構成するハウジング10の内側に、冷媒を圧縮する圧縮機構部11と、その圧縮機構部11を駆動する電動機部12とを備えている。ハウジング10の外側に、圧縮機構部11で圧縮された冷媒に混入している油を分離するための油分離器40が設けられている。
圧縮機2の電動機部12は、固定子をなすステータ13と、回転子をなすロータ14とを有している。ステータ13には、コイル15が巻かれている。コイル15に対する電力の供給は給電端子16を介して行われる。
ロータ14は、ステータ13の内側に回転可能に設けられ、周方向に異種の磁極が交互に着磁された複数の永久磁石を有している。ロータ14の中心に駆動軸17が固定されている。駆動軸17は、軸方向の両端を軸受部材18により回転可能に支持されている。この電動機部12は、ステータ13のコイル15に電力が供給されると回転磁界を発生し、ロータ14と駆動軸17とが一体に回転する。
圧縮機2の圧縮機構部11は、可動部材をなす可動スクロール20と、固定部材をなす固定スクロール25を有する。可動スクロール20は、ハウジング10の内側に収容されている。固定スクロール25は、可動スクロール20の下方に配置されている。可動スクロール20および固定スクロール25は、それぞれ円板状の基板部21、26を有している。両基板部21、26は、互いに上下方向に対向するように配置されている。
可動スクロール20の基板部21の中心部に形成された円筒状のボス部22には、電動機の駆動軸17の下端部が挿入されている。駆動軸17の下端部は、駆動軸17の回転中心に対して偏心した偏心部19になっている。可動スクロール20およびハウジング10には、可動スクロール20が偏心部19の周りに自転することを防ぐ図示していない自転防止機構が設けられている。そのため、駆動軸17が回転すると、可動スクロール20は、駆動軸17の回転中心を中心として公転する。
一方、固定スクロール25の基板部26は、ハウジング10に固定されている。
可動スクロール20の基板部21には、固定スクロール25側に向かって突出する渦巻き状の歯部23が形成されている。一方、固定スクロール25の基板部26にも、可動スクロール20の歯部と噛み合う渦巻き状の歯部27が形成されている。両スクロール20、25の歯部23、27同士が噛み合って複数箇所で接触することによって、三日月状の作動室28が複数個形成される。
作動室28は、可動スクロール20が公転運動することによってその容積が拡大縮小する。作動室28には、図示していない冷媒供給通路を通じて冷媒が供給されるようになっている。可動スクロール20の公転運動により作動室28の容積が拡大すると、作動室28に冷媒が吸入される。また、可動スクロール20の公転運動により作動室28の容積が縮小すると、作動室28の冷媒が圧縮される。
固定スクロール25の基板部26の中央部には、作動室28で圧縮された冷媒が吐出する吐出孔29が形成されている。吐出孔29の下側には、吐出孔29と連通する吐出室30が形成されている。吐出室30には、作動室28への冷媒の逆流を防止する逆止弁をなす図示していないリード弁と、そのリード弁の最大開度を規制するストッパ31とが設けられている。
吐出室30の冷媒は、ハウジング10に設けられた図示していない吐出通路を通じてハウジング10の外部へ吐出される。その吐出通路は、冷媒配管32を介して油分離器40の流体供給通路50に接続されている。したがって、圧縮機2から吐出された冷媒は、油分離器40に供給される。なお、圧縮機2から吐出される冷媒には、上述した圧縮機2が備える軸受部材18および可動スクロール20などの摺動部の潤滑に用いられる油が混入している。
<油分離器の一般的構成>
続いて、油分離器40の一般的構成について説明する。油分離器40は、圧縮機2から吐出された冷媒に混入している油を分離し、その分離された油を圧縮機2に戻す役割を果たすものである。油分離器40は、ブラケット33により、圧縮機2のハウジング10に接続されている。なお、図2の矢印に示す上下は、油分離器40が冷凍サイクル1に設置された状態の重力方向上下に相当するものである。
油分離器40は、本体部41、流体供給通路50、冷媒吐出通路60および油排出通路70などを備えている。
本体部41は、有底筒状の下本体部42、およびその筒部材の上部に設けられる筒状の上本体部43により構成されている。下本体部42と上本体部43とは、溶接などにより気密に接合されている。
上本体部43は内側に円筒状の上流体室44を有している。下本体部42も内側に円筒状の下流体室45を有している。上流体室44と下流体室45とは連通している。上流体室44と下流体室45により、本体部41の流体室46が形成される。
上本体部43には、流体供給通路50が形成されている。上本体部43の上流体室44の内壁には、流体供給通路50の供給口51が設けられている。流体供給通路50は、その供給口51から冷媒と油とが混合した流体を上流体室44に吐出する。その流体は、上述した圧縮機2から冷媒配管32を介して吐出されたものである。流体供給通路50は、その流体の主流を供給口51から上流体室44の中心軸からずれた方向へ向けて吐出する。そのため、流体室46には、その周方向に流体の主流が流れる旋回流が形成される。なお、その旋回流は、流体室46の周方向に旋回しつつ、徐々に重力方向下側へ流れる。この流体室46に旋回流が形成される空間を旋回流部461と称することがある。
上本体部43が有する上流体室44には、筒部材61が設けられている。筒部材61は、小径部62と、その小径部62より外径が大きい大径部63を有している。大径部63は、上本体部43の内壁に、圧入などにより固定されている。小径部62の外径は、上流体室44の内径より小さい。そのため、小径部62の外壁と上本体部43の内壁との間に形成される上流体室44は、筒状の空間となっている。したがって、上述した流体供給通路50から上流体室44に吐出された流体は、上流体室44にて小径部62の周囲を高速で旋回した後、下流体室45に流入して旋回を続ける。その際、冷媒よりも比重が大きい油は、旋回流の遠心力によって流体から径方向外側へ分離され、上本体部43または下本体部42の内壁を伝って重力方向下側に流れ落ち、下本体部42が有する下流体室45の底に溜る。この下流体室45の底に溜った油も、旋回を続ける。なお、図2では、下流体室45の底に溜る油の表面を点線Oで例示的に示している。この点線Oより下側を油溜り部462と称することがある。
筒部材61の内側に冷媒吐出通路60が形成されている。冷媒吐出通路60は、上流体室44に開口部64を有している。すなわち、冷媒吐出通路60は、流体室46に油が溜まる油溜り部462よりも重力方向上側に設けられている。上流体室44と下流体室45で旋回する流体の中の冷媒は、油溜り部462に溜った油の表面、または旋回の途中で重力方向上側に流れの向きを変え、流体室46を上昇して筒部材61の開口部64から冷媒吐出通路60に流入する。流体室46から冷媒吐出通路60を通じて吐出された冷媒は、上述した冷凍サイクル1を構成する凝縮器3としての水冷媒熱交換器に向けて流れる。流体室46において、上述した油溜り部462よりも上側の空間を、冷媒が重力方向上側に流れの向きを変える旋回流反転部463と称することがある。
下本体部42には、油排出通路70が形成されている。下本体部42の下流体室45の径方向の内壁には、油排出通路70の排出口71が設けられている。排出口71は、下流体室45に油が溜まる油溜り部462に設けられている。油排出通路70は、その排出口71から油を圧縮機2に排出する。油排出通路70から圧縮機2に排出された油は、上述した圧縮機2が備える駆動軸17の軸受部材18および可動スクロール20など、種々の摺動部に供給され、その摺動部を潤滑する。なお、それらの摺動部の周囲の空間の圧力は、油分離器40の流体室46の圧力より低いので、その差圧により、油分離器40から油排出通路70を通じて圧縮機2に油が排出される。
また、本実施形態の油排出通路70の排出口71は下流体室45の径方向の内壁に設けられているので、旋回流の遠心力によって、油溜り部462の油は油排出通路70に効率よく排出される。さらに、排出口71は、流体室46の径方向の内壁で、流体室46の軸方向の内壁(ここで、流体室46の内壁とは、流体室46の底面のことを意味する)に接する位置に設けられているので、油分離器40の流体室46の底に溜まった油も油排出通路70から排出することができる。
<油分離器の特徴的構成>
次に、本実施形態の油分離器40の特徴的構成について、図3を参照して説明する。なお、図3は、図2のIII−III断面において、流体室46の内壁と油排出通路70の内壁を示したものである。なお、図3では、旋回流の回転方向を矢印110にて示している。
本実施形態の油分離器40は、流体室46と油排出通路70とが接続する箇所の構成に関し、次に示す(1)から(5)の特徴を有している。
なお、以下の説明において、流体室46の径方向の内壁のうち油排出通路70に接続する位置から旋回流の下流側に延びる部位47を、「流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47」ということとする。また、油排出通路70の内壁のうち旋回流の下流側で流体室46の径方向の内壁に接続する部位72を、「油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72」ということとする。
(1)本実施形態では、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72とのなす角のうち、流体室46と油排出通路70の外側に形成される角θ1は鈍角である。なお、この角θ1は、90°より大きく180°以下であることが好ましい。なお、この角θ1は、135°より大きく180°以下であることがさらに好ましい。
換言すれば、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72とのなす角のうち、流体室46と油排出通路70の内側に形成される角θ2は270°より小さく180°以上であることが好ましい。なお、この角θ2は、225°より小さく180°以上であることがさらに好ましい。
(2)次に、排出口71における流体室46の内壁の円筒形状の仮想面Cと、油排出通路70の中心線Ax1との交点を交点Xということとする。また、その交点Xを含む前記仮想面Cの接線を接線Tということとする。このとき、本実施形態では、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72と、接線Tとのなす角のうち、油排出通路70の内側で接線Tよりも流体室46側に形成される角θ3は鈍角である。
(3)続いて、上述した交点Xと、流体室46の中心軸Ax2とを結ぶ直線を直線Lということとする。また、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72と、直線Lとの交点を交点Yということとする。このとき、本実施形態では、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72は、交点Yから反流体室側へ延びる内壁が、直線Lに対し旋回流の上流側に角度θ4傾いている。
(4)また、本実施形態では、油排出通路70の中心線Ax1は、排出口71から反流体室46側へ延びる側が、直線Lに対し旋回流の上流側に角度θ5傾いている。
(5)次に、流体室46の中心軸Ax2を通り油排出通路70の中心線Ax1に平行な直線を直線Rということとする。このとき、本実施形態では、油排出通路70の内壁は全体として、直線Rに対し、旋回流の下流側に距離D1ずれている。
本実施形態の油分離器40は、上述した(1)から(5)の特徴のうち少なくとも1つを有することにより、次の作用効果を奏する。
図4の矢印100に示すように、流体室46の油溜り部462を旋回する油は、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72との接続箇所で、排出口71のうち旋回流の下流側に形成された角部81を通過する際、旋回流が乱れることなく、その接続箇所を速やかに流れる。これにより、その油が旋回流の乱れによって旋回流反転部463で上昇する冷媒と共に冷媒吐出通路60に流入することが防がれる。そのため、矢印101に示すように、油溜り部462を旋回する油は、流体室46と油排出通路70の下流側との圧力差により、排出口71から油排出通路70に吸い込まれる。したがって、油分離器40は、冷媒吐出通路60から冷媒と一緒に持ち出される油の量を低減し、冷媒と油の分離効率を高めることができる。なお、本実施形態において、θ1=180°のとき、角部81は存在しなくなることは言うまでもない。
ここで、本実施形態の油分離器40と比較例の油分離器80について、流体室46における流体の流れを説明する。
図5は、本実施形態の油分離器40に関し、流体室46における流体の流れを解析した結果を模式的に示したものである。
図5の矢印102に示すように、流体供給通路50から流入した流体は、流体室46で旋回流となり、その流れが乱れることなく旋回する。その旋回流の流線は、流体室46の下面まで存在する。すなわち、流体室46の下面まで旋回流が乱れることなく形成される。そのため、流体から遠心分離された油は、排出口71から油排出通路70へ速やかに排出される。それと共に、破線矢印103で示したように、冷媒は、油溜り部462の油の表面または旋回の途中で重力方向上側に流れの向きを変え、流体室46を上昇して冷媒吐出通路60から吐出する。
これに対し、図6は、比較例の油分離器80の流体室46の油溜り部462における軸に垂直な断面において、流体室46の内壁と油排出通路70の内壁を示したものである。比較例では、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72とのなす角のうち、流体室46と油排出通路70の外側に形成される角θ8が鋭角である。図6の矢印104に示すように、比較例の流体室46の油溜り部462を旋回する油は、排出口71のうち旋回流の下流側に形成された角部81を通過する際、旋回流に乱れが生じる。
図7は、比較例の油分離器80に関し、流体室46における流体の流れを解析した結果を模式的に示したものである。
図7の矢印105に示すように、流体供給通路50から流入した流体は、流体室46で旋回流となる。しかし、矢印106に示すように、比較例では、排出口71のうち旋回流の下流側に形成された角部81を旋回流が通過する際、その旋回流に縦流れが発生している。なお、縦流れとは、旋回流の主流が流体室46の周方向から軸方向に近づくように流れることをいう。これにより、旋回流の流れが乱れ、流体から遠心分離された油が巻き上がると、その油は冷媒と共に流体室46を上昇し、冷媒吐出通路60から持ち出される。その結果、油分離器40は、冷媒と油の分離効率が悪化する。
続いて、第1実施形態の油分離器40と比較例の油分離器80において、冷凍サイクル1に持ち出される油量を実験により比較したグラフを図8に示す。なお、冷凍サイクル1に持ち出される油量とは、流体室46から冷媒吐出通路60を通って冷凍サイクル1へ持出される油の量をいう。
まず、この実験の方法について説明する。
〔測定方法〕
この実験は、本実施形態の油分離器40と比較例の油分離器80において、本体部41の油溜り部462となる箇所に目盛り表記付のガラス窓を設けたものをそれぞれ用意して行った。そして、本実施形態の油分離器40と比較例の油分離器80のそれぞれにおいて、一定量の油が流体室46から冷媒吐出通路60を通って冷凍サイクル1へ持出される時間を測定した。
〔比較方法〕
次に、本実施形態の油分離器40と比較例の油分離器80それぞれについて、上記の方法で測定した時間に基づき、単位時間あたりに冷凍サイクル1へ持出される油量を算出した。そして比較例の油分離器80における冷凍サイクル1へ持出される単位時間あたりの油量と、本実施形態の油分離器40における冷凍サイクル1へ持出される単位時間あたりの油量との比較を行った。
〔実験条件〕
なお、上述した実験の条件として、圧縮機2は、給湯機用コンプレッサを使用した。また、冷媒は、COを用いた。圧縮機2の回転数は、給湯条件で使用頻度の高い、2500rpm付近とした。また、圧縮機2の吐出圧力は10MPa付近とし、吸入圧力は5MPa付近とした。
〔実験結果〕
図8に示すように、比較例の油分離器80における冷凍サイクル1へ持出される単位時間あたりの油量を1とした場合、本実施形態の油分離器40における冷凍サイクル1へ持出される単位時間あたりの油量は0.7程度である。これにより、比較例の油分離器80と比較して、本実施形態の油分離器40は、冷凍サイクル1へ持出される単位時間あたりの油量が少なく、冷媒と油の分離効率が良いことがわかった。
さらに、本実施形態の油分離器40は、CO冷媒のように、油との密度差が小さい冷媒を使用した場合にも有効であることが実証できた。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。以下に説明する複数の実施形態は、第1実施形態に対して油分離器40の油排出通路70の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図9は、流体室46の油溜り部462における軸に垂直な断面において、流体室46の内壁と油排出通路70の内壁を示したものである。
第2実施形態の油分離器40は、流体室46と油排出通路70とが接続する箇所の構成に関し、次に示す(1)から(2)の特徴を有している。
(1)第2実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72とのなす角のうち、流体室46と油排出通路70の外側に形成される角θ1が鈍角である。
(2)第2実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72と、流体室46の内壁の仮想面Cの接線Tとのなす角のうち、油排出通路70の内側で接線Tよりも流体室46側に形成される角θ3は鈍角である。
第2実施形態の油分離器40は、上述した(1)から(2)の特徴のうち少なくとも1つを有することにより、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図10は、流体室46の油溜り部462における軸に垂直な断面において、流体室46の内壁と油排出通路70の内壁を示したものである。
第3実施形態の油分離器40は、流体室46と油排出通路70とが接続する箇所の構成に関し、次に示す(1)から(5)の特徴を有している。
(1)第3実施形態でも、上述した第1、2実施形態と同様に、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72とのなす角のうち、流体室46と油排出通路70の外側に形成される角θ1が鈍角である。
(2)第3実施形態でも、上述した第1、2実施形態と同様に、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72と、流体室46の内壁の仮想面Cの接線Tとのなす角のうち、油排出通路70の内側で接線Tよりも流体室46側に形成される角θ3は鈍角である。
(3)図示していないが、第3実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72は、その部位72と直線Lとの交点Yから反流体室側へ延びる内壁が、直線Lに対し旋回流の上流側に角度θ4傾いている。
(4)また、第3実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、油排出通路70の中心線Ax1は、排出口71から反流体室46側へ延びる側が、直線Lに対し旋回流の上流側に角度θ5傾いている。
(5)さらに、第3実施形態は、流体室46の中心軸Ax2を通り油排出通路70の中心線Ax1に平行な直線Rに対し、油排出通路70の中心線Ax1は旋回流の下流側に距離D2ずれている。
第3実施形態の油分離器40は、上述した(1)から(5)の特徴のうち少なくとも1つを有することにより、上述した第1、2実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図11は、流体室46の油溜り部462における軸に垂直な断面において、流体室46の内壁と油排出通路70の内壁を示したものである。
第4実施形態の油分離器40は、上述した第3実施形態に対して次の点が異なっており、それ以外は第3実施形態と同様である。すなわち、第4実施形態では、流体室46の中心軸Ax2を通り油排出通路70の中心線Ax1に平行な直線Rに対し、油排出通路70の内壁は全体として旋回流の下流側に距離D1ずれている。
第4実施形態の油分離器40も、上述した第1から第3実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。
図12は、油分離器40の流体室46の軸に平行な断面の模式図である。後述する第5、6実施形態においても、流体室46と油排出通路70とが接続する箇所の構成に関し、第1実施形態で説明した(1)から(5)の特徴を有している点は同じである。
第5実施形態では、油排出通路70の排出口71は、油排出通路70の排出口71は、流体室46の軸方向の内壁に重なるように設けられている。すなわち、油排出通路70の排出口71は、流体室46の軸方向の内壁と径方向の内壁とに亘り設けられる。この構成により、油分離器40の流体室46の底に溜まった油も油排出通路70から排出することができる。したがって、第5実施形態では、上述した第1から第4実施形態と同様の作用効果を奏すると共に、流体室46からの油の排出性を向上することで、冷媒と油の分離効率をさらに高めることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。
図13および図14に示すように、第6実施形態でも、油排出通路70の排出口71は、流体室46の軸方向の内壁に重なるように設けられている。すなわち、油排出通路70の排出口71は、流体室46の軸方向の内壁と径方向の内壁とに亘り設けられる。なお、油排出通路70の中心線Ax1は、排出口71における流体室46の内壁の仮想面Cより径方向内側に位置している。第6実施形態も、上述した第1から第5実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上述した実施形態では、油分離器40は給湯機用の冷凍サイクル1に適用されるものを例にして説明したが、他の実施形態では油分離器40は例えば車両用など種々の冷凍サイクル1に適用されるものであってもよい。
(2)上述した実施形態では、油分離器40は冷媒と油とを分離するものについて説明したが、他の実施形態では油分離器40は一般的に分類される液体と気体の分離に用いることができる。
(3)上述した実施形態では、圧縮機2としてスクロール型の電動圧縮機を例にして説明したが、他の実施形態では圧縮機2は、例えばベーン型、ロータリ型またはピストン型などとしてもよい。また、圧縮機2の動力源は電動機に限らず、例えば油分離器40が車両に用いられるものである場合には、内燃機関のトルクを利用してもよい。
(4)上述した実施形態では、油分離器40は圧縮機2のハウジング10の外側に接続されたものについて説明したが、他の実施形態では油分離器40は圧縮機2のハウジング10の内側に組み込まれるものであってもよい。
(5)上述した実施形態では、油分離器40は、1つの油排出通路70を備えるものとしたが、他の実施形態では油分離器40は、複数の油排出通路70を備えるものであってもよい。
(6)上述した実施形態では、油分離器40は、流体室46の内壁のうち旋回流下流側の部位47と、油排出通路70の内壁のうち旋回流下流側の部位72との接続箇所が折れ曲がるように形成されたものであった。これに対し、他の実施形態では、その接続箇所は、面取り形状、または、曲面形状で滑らかに形成されたものであってもよい。なお、その実施形態において、角部81が存在しなくなることは言うまでもない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、油分離器は、本体部、流体供給通路、冷媒吐出通路および油排出通路を備える。本体部は、円筒状の流体室を有する。流体供給通路は、流体室の内壁に設けられた供給口から冷媒と油とが混合した流体を流体室に供給し、流体室の周方向に流体が流れる旋回流を形成する。冷媒吐出通路は、流体室に油が溜まる箇所より重力方向上側に設けられ、流体室から冷媒を吐出する。油排出通路は、流体室に油が溜まる箇所で流体室の内壁に設けられた排出口から油を排出する。ここで、流体室の径方向の内壁のうち油排出通路に接続する位置から旋回流の下流側に延びる部位と、油排出通路の内壁のうち旋回流の下流側で流体室の径方向の内壁に接続する部位とのなす角のうち、流体室と油排出通路の外側に形成される角は鈍角である。
第2の観点によれば、排出口における流体室の内壁の円筒形状の仮想面と油排出通路の中心線との交点を交点Xとし、その交点Xを含む前記仮想面の接線を接線Tとすると、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と、接線Tとのなす角のうち、油排出通路の内側で接線Tよりも流体室側に形成される角は鈍角である。
これによれば、流体室の径方向の内壁と油排出通路とが接続する箇所は、接線Tよりも流体室側に位置する。そして、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と接線Tとのなす角を接線Tよりも流体室側において鈍角とすれば、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位とのなす角も、流体室と油排出通路の外側において鈍角となる。したがって、流体室で遠心分離された油が、流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位と油排出通路の排出口のうち旋回流の下流側の部位との接続箇所を通過する際、その流れが乱れて重力方向上側に巻き上がる現象が抑制される。
第3の観点によれば、排出口における流体室の内壁の円筒形状の仮想面と油排出通路の中心線との交点を交点Xとし、その交点Xと流体室の中心軸とを結ぶ直線を直線Lとし、油排出通路の内壁のうち旋回流の下流側で流体室の径方向の内壁に接続する部位と直線Lとの交点を交点Yとすると、油排出通路の内壁のうち旋回流の下流側で流体室の径方向の内壁に接続する部位は、交点Yから反流体室側へ延びる内壁が直線Lに対し旋回流の上流側に傾いている。
これによれば、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位とのなす角を、流体室と油排出通路の外側において鈍角とすることが可能である。したがって、流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位と、油排出通路の排出口のうち旋回流の下流側の部位との接続箇所を、流体室で遠心分離された油が通過する際、その流れが乱れて重力方向上側に巻き上がる現象が抑制される。
第4の観点によれば、排出口における流体室の内壁の円筒形状の仮想面と油排出通路の中心線との交点を交点Xとし、その交点Xと流体室の中心軸とを結ぶ直線を直線Lとすると、油排出通路の中心線は、交点Xから反流体室側へ延びる側が直線Lに対し旋回流の上流側に傾いている。
これによれば、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と油排出通路の中心線とが平行である場合、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位とのなす角を、流体室と油排出通路の外側において鈍角とすることが可能である。
第5の観点によれば、流体室の中心軸を通り油排出通路の中心線に平行な直線を直線Rとすると、油排出通路の中心線は直線Rに対し旋回流の下流側にずれている。
これによれば、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位とのなす角を、流体室と油排出通路の外側において鈍角とすることが可能である。
第6の観点によれば、流体室の中心軸を通り油排出通路の中心線に平行な直線を直線Rとすると、油排出通路は直線Rに対し旋回流の下流側にずれている。
これによれば、油排出通路の内壁のうち旋回流下流側の部位と流体室の内壁のうち旋回流下流側の部位とのなす角を、流体室と油排出通路の外側において鈍角とすることが可能であると共に、その角を大きくすることができる。
第7の観点によれば、排出口は、流体室の径方向の内壁に設けられる。
これによれば、旋回流の遠心力を利用して、流体室の油を排出口から油排出通路に効率よく排出することができる。
また、流体室の径方向に油排出通路を設けることで、油分離器の軸方向の体格を小型化することができる。
第8の観点によれば、排出口は、流体室の径方向の内壁で、流体室の軸方向の内壁に接する位置に設けられる。
これによれば、油分離器の流体室の底に溜まった油も排出することができる。
第9の観点によれば、排出口は、流体室の径方向の内壁と軸方向の内壁とに亘り設けられる。
これによれば、油分離器の軸方向と径方向の体格を小型化することができる。
第10の観点によれば、圧縮装置は、ハウジング、圧縮機構部および上述した請求項1に記載の油分離器を備える。ハウジングは、外殻を構成する。圧縮機構部は、ハウジングの内側に設けられ、冷媒を圧縮し、吐出する。油分離器は、圧縮機構部から吐出された冷媒に混入している油を冷媒から分離し、油を圧縮機構部の摺動箇所に排出する。
これによれば、油分離器は冷媒と油の分離効率が高いものであるので、圧縮機構部の摺動箇所に供給される油の量が増加する。したがって、圧縮装置は、摺動箇所の磨耗および経年劣化等を低減し、信頼性を高めることが可能である。
第11の観点によれば、冷凍サイクルは、圧縮機、上述した請求項1等に記載の油分離器、凝縮器、減圧器および蒸発器を備える。圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構部を有する。油分離器は、圧縮機から吐出された冷媒に混入している油を冷媒から分離し、油を圧縮機構部の摺動箇所に排出する。凝縮器は、油分離器から吐出された冷媒を外部流体との熱交換により凝縮させる。減圧器は、凝縮器から供給された冷媒を減圧する。蒸発器は、減圧器から供給された冷媒を空気との熱交換により蒸発させ、冷媒を圧縮機に供給する。
これによれば、油分離器は冷媒と油の分離効率が高いものであるので、凝縮器および蒸発器を流れる冷媒に混入している油の量が減少する。そのため、圧縮機の消費動力に対する、凝縮器および蒸発器における熱交換効率が向上する。したがって、冷凍サイクルのCOPを向上することができる。
40 油分離器
41 本体部
46 流体室
50 流体供給通路
51 供給口
60 冷媒吐出通路
70 油排出通路
71 排出口

Claims (8)

  1. 円筒状の流体室(46)を有する本体部(41)と、
    前記流体室の内壁に設けられた供給口(51)から冷媒と油とが混合した流体を前記流体室に供給し、前記流体室の周方向に流体が流れる旋回流を形成する流体供給通路(50)と、
    前記流体室に油が溜まる箇所(462)より重力方向上側に設けられ、前記流体室から冷媒を吐出する冷媒吐出通路(60)と、
    前記流体室に油が溜まる箇所で前記流体室の径方向の内壁に設けられた排出口(71)から油を排出する油排出通路(70)と、を備え、
    前記流体室の径方向の内壁のうち前記油排出通路に接続する位置から旋回流の下流側に延びる部位(47)と、前記油排出通路の内壁のうち旋回流の下流側で前記流体室の径方向の内壁に接続する部位(72)とのなす角のうち、前記流体室と前記油排出通路の外側に形成される角(θ1)は鈍角である油分離器。
  2. 前記排出口における前記流体室の内壁の円筒形状の仮想面(C)と前記油排出通路の中心線(Ax1)との交点を交点Xとし、前記交点Xを含む前記仮想面の接線を接線Tとすると、前記油排出通路の内壁のうち旋回流の下流側で前記流体室の径方向の内壁に接続する部位と、前記接線Tとのなす角のうち、前記油排出通路の内側で前記接線Tよりも前記流体室側に形成される角(θ3)は鈍角である請求項1に記載の油分離器。
  3. 前記排出口における前記流体室の内壁の円筒形状の仮想面と前記油排出通路の中心線との交点を交点Xとし、前記交点Xと前記流体室の中心軸(Ax2)とを結ぶ直線を直線Lとすると、前記油排出通路の中心線は、前記交点Xから反流体室側へ延びる側が前記直線Lに対し旋回流の上流側に傾いている請求項1または2に記載の油分離器。
  4. 前記流体室の中心軸を通り前記油排出通路の中心線に平行な直線を直線Rとすると、前記油排出通路の中心線は前記直線Rに対し旋回流の下流側にずれている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の油分離器。
  5. 前記流体室の中心軸を通り前記油排出通路の中心線に平行な直線を直線Rとすると、前記油排出通路は前記直線Rに対し旋回流の下流側にずれている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の油分離器。
  6. 前記排出口は、前記流体室の径方向の内壁と軸方向の内壁とに亘り設けられる請求項1ないし5のいずれか1つに記載の油分離器。
  7. 外殻を構成するハウジング(10)と、
    前記ハウジングの内側に設けられ、冷媒を圧縮する圧縮機構部(11)と、
    前記圧縮機構部から吐出された冷媒に混入している油を冷媒から分離し、その油を前記圧縮機構部の摺動箇所に排出する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の油分離器(40)と、を備えた圧縮装置。
  8. 冷媒を圧縮する圧縮機構部(11)を有する圧縮機(2)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒に混入している油を冷媒から分離し、その油を前記圧縮機構部の摺動箇所に排出する請求項1ないし7のいずれか1つに記載の油分離器(40)と、
    前記油分離器から吐出された冷媒を外部流体との熱交換により凝縮させる凝縮器(3)と、
    前記凝縮器から供給された冷媒を減圧する減圧器(4)と、
    前記減圧器から供給された冷媒を空気との熱交換により蒸発させ、冷媒を前記圧縮機に供給する蒸発器(5)と、を備えた冷凍サイクル。
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