JP2012202314A - 蒸気タービンの湿分除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タービンノズル表面に形成される液膜の一部または全てを蒸発させて比較的大きな水滴が羽根の負圧面側へ衝突するのを抑制し、制動損失の低減およびエロージョンを抑制する。
【解決手段】ダイヤフラム内輪2と、ダイヤフラム内輪2の半径方向外側に配置されたダイヤフラム外輪3と、これらダイヤフラム内輪2およびダイヤフラム外輪3に支持されるとともに、周方向に所定間隔をあけて配列された複数個のタービンノズル1と、タービンノズル1の後縁端に隣接し、周方向に所定間隔をあけて配列されるようにタービンロータ5に取り付けられた複数個の羽根4と、タービンノズル1の腹側表面1a上にその中間部から後縁端に亘る部位に設けられ、周囲のタービンノズル1の腹側表面1aと同一面で滑らかな表面を有し、電力の供給を受けて発熱する電熱部6と、から構成した。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、蒸気タービンのタービン湿分除去装置に関する。
発電プラントで使用される蒸気タービンの低圧段落においては、蒸気が膨張する過程で作動流体である蒸気の温度および圧力が低くなるため、流路内で蒸気の一部が凝縮し湿分となる。図10はダイヤフラム内輪2およびダイヤフラム外輪3間に支持されたタービンノズル1と、このタービンノズル1の下流に配置されてタービンロータ5に植設された羽根4との対で構成される低圧タービン最終段落と、同様の構成をもつ前段落の羽根4Aを加えた領域において蒸気および液滴の軌跡を模式的に示したものである。
図10において、作動流体である蒸気は流線36で示されるような軌跡をたどるのに対し、前段落までに発生した湿分は液滴の形態をとっており、羽根4Aの翼後縁端37から遠心力によって流線38のようにタービンノズル1のダイヤフラム外輪3側へ飛散する。
これら水滴はタービンノズル1前縁端39周辺に付着すると、その表面で水膜40を形成しながら表面上を後縁に向かって流れ、タービンノズル1後縁端41に達すると再び水滴となって飛散する。このとき、水滴は慣性により蒸気の流れに乗りきれず羽根4の前縁端42周辺に衝突し、浸食の原因となる。また水滴の衝突は羽根4の回転に対する制動作用をもたらすほか、水滴の加速のために蒸気のエネルギーが消費されるなど、湿り損失として効率低下の原因ともなる。
このように、タービン効率および信頼性に悪影響を及ぼす湿分を除去するため、様々な構造が提案されている。例えば、タービンノズル表面に付着する湿分を分離除去するために、タービンノズル1内部を中空とし、表面にスリットを設け湿分をタービンノズル内部に捕集して除去するものや、タービンノズル内に高温蒸気を流し、液滴の発生を防ぐもの、さらには、タービンノズル表面に吸水性・熱伝導性に優れた多孔質材を設け、この多孔質材を電気的熱源によって加熱するものもある。
特開平11−22410号公報 特開平10−103008号公報 特開2010−116922号公報
しかしながら、以上説明した湿分分離方法のうち、タービンノズル表面からスリットを通じて湿分を排出する方法では、図11のようにタービンノズル1表面上の水膜40が蒸気の流れに引きずられて移動する過程でいくつかの細流43や水滴44に分裂してタービンノズル後縁端41へ向かう場合も考えられるため、その途中にスリット45を設けると、内部に湿分だけでなく蒸気も一緒に巻き込まれ、蒸気流量が減少し、タービンの性能が低下する可能性がある。蒸気タービンにとっては、水膜40だけを選択的に除去できることが望ましい。
また、タービンノズル表面に多孔質材を用いた場合、タービンノズル表面粗さが増して同表面の摩擦損失が増大する。その結果、タービンノズルの空力性能が低下し、タービン効率を下げる欠点がある。
そこで本発明は、タービンノズル表面に形成される液膜の一部または全てを蒸発させて比較的大きな水滴が羽根の負圧面側へ衝突するのを抑制し、制動損失の低減およびエロージョンの抑制を行なうことのできる蒸気タービンの湿分除去装置を提供することを目的とする。
本実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置は、タービンロータの外周部に間隙を介して配置されたダイヤフラム内輪と、前記ダイヤフラム内輪の半径方向外側に配置されたダイヤフラム外輪と、これらダイヤフラム内輪およびダイヤフラム外輪に支持されるとともに、周方向に所定間隔をあけて配列された複数個のタービンノズルと、前記タービンノズルの後縁端に隣接し、かつ、周方向に所定間隔をあけて配列されるように前記タービンロータに取り付けられた複数個の羽根と、からなるタービン段落を1段または複数段有する蒸気タービンの湿分除去装置において、前記タービンノズルの腹側表面上の中間部から後縁端に亘る部位に、周囲のタービンノズルの腹側表面と同一面で滑らかな表面を有する電熱部を設けたことを特徴とする。
本発明の第1の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置を示す図であり、(a)は蒸気タービン段を子午面から見た図、(b)は静翼のA−A´断面図。 本発明の第2の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置を示す図であり、(a)は蒸気タービン段を子午面から見た図、(b)は静翼のA−A´断面図。 本発明の第4の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置を示す図であり、(a)は蒸気タービン段を子午面から見た図、(b)は静翼のA−A´断面図。 本発明の第5の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置を示す図であり、(a)は蒸気タービン段を子午面から見た図、(b)は静翼のA−A´断面図。 本発明の第6の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置を示す図。 本発明の第7の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置を示す図。 従来技術の蒸気タービン段落の蒸気と湿分の流れを子午面から見た図。 従来技術のスリットを設けた蒸気タービンノズルと湿分の流れを子午面から見た図。
以下、本発明の実施形態に係る蒸気タービンの湿分除去装置について、図面を参照して説明する。なお、各図を通じて同一または類似する部品や部位に共通の符号を付して重複する説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る蒸気タービン湿分除去装置の第1の実施形態について、図1(a)、(b)を用いて説明する。
(構成)
図1は第1の実施形態のタービン湿分除去装置の構成を示す図であり、図1(a)は任意のタービン段落を示す図であり、図1(b)は図1(a)のタービンノズルのA−A´断面図である。
蒸気タービンは、ダイヤフラム内輪2とダイヤフラム外輪3の間に周方向に所定間隔で固定されたタービンノズル1と、このタービンノズル1の(蒸気の)下流側に配置され、かつ、タービンロータ5の外周部に植設等で取り付けられた羽根4とからなる一組のタービン段落をロータの長手方向に複数設置して構成されている。
本実施形態では、図1(b)で示すようにタービンノズル1の腹側表面1aの蒸気の流れ8方向の液膜7が形成される中間部からタービンノズル後縁端に亘る部位に対して湿分除去手段としての電熱部6を設けている。ここで、腹側表面1aの中間部とは、タービンノズル1の前縁端と後縁端との間の中心部という意味ではなく、前縁端近傍の領域と後縁端近傍の領域との間の領域と言う意味である。
腹側表面1aの電熱部6を設ける部位は、周囲の部位よりも若干陥没するように段差部1bを形成する。そして、この段差部1bに耐熱性に富む接着剤によって電熱部6を貼り付ける。
この電熱部6の表面は、図1(b)で示すように電熱部6を貼り付けない周囲の腹側表面1aと同一面に形成され、かつ、電熱部6自体の表面も滑らかに加工されている。したがって、電熱部6を貼り付けたことによってタービンノズル1の腹側表面1aに段差部が生じることはなく、また、電熱部6自体の表面も滑らかに加工されているので、タービンノズル1の腹側表面1aは従来と比べて摩擦損失が増えるようなことはない。
この電熱部6はダイヤフラム外輪3およびこのダイヤフラム外輪3を支える図示しないタービンケーシングを貫通して設けた熱的および電気的に絶縁されたケーブル(以下、単に電気ケーブルという)10を介して電力量設定装置11に接続されるようになっている。この電力量設定装置11の内部構成は特に図示しないが、少なくとも、電源と電力設定部とを備えており、電力設定部では、タービン段落の設計時に各タービン段落で予測される液膜7の発生量に合わせ、液膜7の蒸発に必要な電力が電熱部6に給電するように設定されている。
(作用)
作動流体である蒸気の流れ8がタービンノズル1に流入すると、飽和蒸気の膨張に伴う蒸気温度の低下によって翼前縁端付近で蒸気が凝縮し、液滴9が発生する。この液滴9が液膜7を形成しながらタービンノズル1の腹側表面1a上をタービンノズル後縁端に向かって流れ、タービンノズル後縁端に達する再び液滴となって飛散し、回転している羽根4に衝突する。
この際、飛散した液滴は比較的大きく、羽根4の背側前縁に衝突するため、羽根の回転に制動力をかけ、制動損失を発生させる。
そこで、第1の本実施形態では、タービンノズル1の腹側表面1aの液膜7が形成される部分からタービンノズル後縁端を含む部位に湿分除去手段としての電熱部6を設け、同電熱部6に電力量設定装置11から電気ケーブル10を介して予め設定された電力を供給することによって、タービンノズル1の腹側表面1a上をタービンノズル後縁端に向かって流れる液膜7の全て、または大部分を加熱蒸発させ、タービンノズル後縁端で液滴9が再び発生しないようにした。
この結果、従来のようにタービンノズル1後縁端から液滴9が飛散し、回転している羽根4に衝突することはないので、羽根の回転に制動力をかけて制動損失を発生させることはない。
(効果)
以上述べたように、本実施形態の蒸気タービンの湿分除去装置によれば、タービンノズル1の腹側表面1aの蒸気の流れ方向の液膜7が形成される中間部からタービンノズル後縁端に亘る部位に対して湿分除去手段としての電熱部6を設け、腹側表面1a上をタービンノズル後縁端に向かって流れる液膜7を電熱部6により加熱蒸発させるようにしたので、作動蒸気中の湿りが低減され、湿り損失の主要因となる比較的大きな液滴が生成される量を皆無または抑制することができ、タービンの効率が向上し、羽根のエロージョンも抑制することが可能となる。
[第2の実施形態]
以下、本発明に係る蒸気タービン湿分除去装置の第2の実施形態について、図2を用いて説明する。
(構成)
図2において、本発明に係る第2の実施形態を示すタービン湿分除去装置は、第1の実施形態(図1)のタービン湿分除去装置に液膜検知センサを付加したことを特徴とするものである。
すなわち、ダイヤフラム内輪2とダイヤフラム外輪3の間に固定されたタービンノズル1の腹側表面1aの蒸気の流れ8方向の液膜7が形成される中間部からタービンノズル後縁端に亘る部位に対して周囲の部位よりも若干陥没する段差部1bを形成し、この段差部1bに電熱部6を貼り付けて構成したタービン湿分除去装置において、さらに電熱部6の近傍例えば、電熱部6の表面のダイヤフラム外輪3側に凹部を設けてそこに液膜検知センサ14を収容したものである。
そして、電熱部6を電気ケーブル12により、液膜検知センサ14をセンサ信号線30によりそれぞれ制御装置11Aに接続する。センサ信号線30は電気ケーブル12同様耐熱被覆されていることは言うまでもない。
なお、電熱部6および液膜検知センサ14の表面は、周囲の腹側表面1aの部位と連続するようにかつ、表面が滑らかに加工され翼の摩擦損失が増えないようにしている。
(作用)
制御装置11Aは、液膜検知センサ14からの液膜検知信号を入力したときは、電気ケーブル12を介して電熱部6に電力を供給して発熱させることにより液膜7を蒸発させ、逆に液膜検知センサ14からの液膜検知信号が入力されないときには、電熱部6への電力供給を遮断するように機能する。
(効果)
以上述べたように、本実施形態の蒸気タービンの湿分除去装置によれば、電熱部6に加えて液膜検知センサ14を設け、この液膜検知センサ14が液膜を検知したとき、又は検知しないときの状況に合わせて電熱部6に供給する電力をオン又はオフさせるように制御したので、湿分除去に使用する電力の消費量を必要最小限に抑えながら、液膜7を蒸発させることによって、タービンの湿り損失を低減させ、効率の良いタービンの提供が可能となる。
[第3の実施形態]
以下、本発明に係る蒸気タービン湿分除去装置の第3の実施形態について、図3(a)、(b)を参照して説明する。
(構成)
図3(a)、(b)において、本発明に係る第3の実施形態を示すタービン湿分除去装置は、第1の実施形態のタービン湿分除去装置に圧電素子13を付加したことを特徴とするものである。
すなわち、タービンノズル1の腹側表面1aの液膜7が形成される中間部からタービンノズル後縁端に亘る部位に形成した段差部1bに対して、前述した電熱部6を貼り付けるほかに圧電素子13を貼り付けるとともに、この圧電素子13と電熱部6とを接続する導線12を貼り付けて構成したものである。なお、これら部品の位置関係としては、タービンノズル1の腹側表面1aの後縁近傍に電熱部6を配置し、それより前縁側に圧電素子13を配置するようにしている。
本実施形態の場合、電熱部6に給電する電力を圧電素子13に発生する起電力で賄うようにしたので、前述した第1の実施形態の電気ケーブル10や電力設定装置11を省くことができる。
(作用)
低圧段のタービンノズル1では下流に向かって湿り度が増加し、通路部を流れる液滴9はタービンノズル1の腹側に液膜7を形成する。また、ノズル1は通路部の蒸気の流れ8によって圧力を受ける。ノズル1表面に取り付けられた圧電素子13にはノズル1の受ける蒸気の流れ8の圧力によって起電力が発生する。この圧電素子13で発生した起電力を導線12を経て電熱部6に給電することによって電熱部6にジュール熱を発生させて液膜7を蒸発させる。なお、ノズル1は通路部の蒸気流れ8によって微小振動するので、ノズル1の腹側表面1aに取り付けられた圧電素子13には、蒸気圧力による起電力と振動エネルギーによって生じた起電力とが加算された起電力が生じる。
(効果)
以上述べたように、本実施形態の蒸気タービンの湿分除去装置によれば、タービンノズル1の腹側表面1aに貼り付けた圧電素子13で発生した電力によって電熱部6を発熱させるようにしたので、第1の実施形態が奏する作用効果に加え、電力量設定装置11および電気ケーブル10の省略による構成の簡素化を図ることができる。
[第4の実施形態]
以下、本発明に係る蒸気タービン湿分除去装置の第4の実施形態について、図4(a)、(b)を参照して説明する。
(構成)
図4(a)、(b)において、本発明に係る第4の実施形態を示すタービン湿分除去装置は、タービンノズル1の腹側表面1aの液膜7が形成される中間部からタービンノズル後縁端に亘る部位に形成した段差部1bに対して、電熱部6および圧電素子13を貼り付けるほかに、タービンノズル1の腹側表面1aの液膜を感知する液膜検知センサ14を取付けるように構成したものである。
液膜検知センサ14の取り付け位置は、例えば前述した第2の実施形態(図2)と同様に電熱部6に形成した凹部内に埋め込むようにしている。
なお、本実施形態の場合も電熱部6、圧電素子13および液膜検知センサ14の表面は腹側表面1aの周囲の部位と連続するように構成されていることは言うまでもない。
そして、電熱部6は第1の実施形態と同様に電気ケーブル10を介して図示しない電源装置に接続され、一方、液膜検知センサ14は動作に必要な電力を圧電素子13から供給され、液膜検知信号を電熱部6に電気を供給する図示しない電源装置に送られるように構成されている。
(作用)
低圧段のタービンノズル1では下流に向かって湿り度が増加し、通路部を流れる液滴9はタービンノズル1の腹側に液膜7を形成する。また、ノズル1は通路部の蒸気流れ8によって微小振動する。第2の実施形態と同様に、ノズル1表面に取り付けられた圧電素子13は振動エネルギーによって起電力を発生し、この起電力によってノズル1表面に取り付けた液膜検知センサ14に電力が供給される。電熱部6は、図示しない電源装置から液膜検知センサ14の信号に応じた大きさの電力を供給されて発熱し、液膜7を蒸発させる。
(効果)
以上述べたように、本実施形態の蒸気タービンの湿分除去装置によれば、タービンノズル1の腹側表面1aに電熱部6、圧電素子13および液膜検知センサ14を設け、液膜検知センサ14の出力信号に応じて電熱部6を発熱させるように構成したので、第1、2の実施形態に比べて適切に液膜7を蒸発させることができる。しかも、液膜検知センサ14の動作に必要な電力は圧電素子13の発生電力で賄うように構成したので、外部回路との接続構成が簡単になる。その他は、第1の実施形態乃至第3の実施形態の奏する作用効果と同じである。
[第5の実施形態]
以下、本発明に係る蒸気タービン湿分除去装置の第5の実施形態について、図5(a)、(b)を参照して説明する。
(構成)
図5(a)、(b)において、本発明に係る第5の実施形態を示すタービン湿分除去装置は、タービンノズル1の腹側表面1aおよびダイヤフラム外輪3の蒸気流れ8に面した位置に圧電素子13を取付け、さらに、ダイヤフラム外輪3の一部に空間部を設け、この空間部内に蓄電池15を収容し、この蓄電池15と電熱部6、圧電素子13、液膜検知センサ14を導線12により電気的に接続するようにしたものである。
(作用)
低圧段のタービンノズル1では下流に向かって湿り度が増加し、通路部を流れる液滴9はタービンノズル1の腹側に液膜7を形成する。また、ノズル1は通路部の蒸気流れ8によって微小振動する。ノズル1表面およびダイヤフラム外輪3表面に取り付けられた圧電素子13は蒸気流れ8による圧力および振動エネルギーに基づいて起電力を発生し、この起電力を蓄電池15に蓄える。液膜検知センサ14および電熱部6には、蓄電池15に蓄えられた電力が供給される。
(効果)
以上述べたように、本実施形態の蒸気タービンの湿分除去装置によれば、液膜検知センサ14および電熱部6には蓄電池15に蓄えられた電力を供給するようにしたので、第1の実施形態のようにタービンケーシング外部から供給する必要はなくなり、その分構成が簡素化される。その他は、第1の実施形態乃至第3の実施形態の奏する作用効果と同じである。
[第6の実施形態]
以下、本発明に係る蒸気タービン湿分除去装置の第6の実施形態について、図6を用いて説明する。
(構成)
図6は本発明に係る第6の実施形態を示すタービン湿分除去装置を示すもので、特に翼長の長い下流側タービン段落を示す図である。
本実施形態のタービン湿分除去装置は、液滴の流れる軌跡に対応して電熱部6をダイヤフラム外輪3側(またはケーシング側)に偏って配置することを特徴とするものである。
(作用)
蒸気の流れ8は図示のように、第1タービン段落(ノズル1、羽根4)から第2タービン段落(ノズル1、羽根4)さらに第3タービン段落(ノズル1、羽根4)へと進むにつれてタービンノズル1および羽根4の長さが大きくなることから、各タービン段落を通過する蒸気もダイヤフラム外輪3側(またはケーシング側)へ広がる。しかも蒸気の流れ8は、羽根4を回転させる仕事を行うため、徐々にエネルギーを失い、凝縮して液滴となる。
例えば、第2タービン段落の羽根4から飛散した液滴は、羽根4の遠心力により、破線矢印28のようにダイヤフラム外輪3側(またはタービンケーシング側)へ向かうため、下流の第3タービン段落のノズル1に衝突して液膜となる位置は、第3タービン段落のノズル1の翼高さ29方向のほぼ中央部からダイヤフラム外輪3側(またはケーシング側)にかけての位置が多い。
このため、本実施形態は、電熱部6をダイヤフラム内輪2からダイヤフラム外輪3に亘って配置せずに、翼高さ29方向のほぼ中央部からダイヤフラム外輪3側(またはケーシング側)に偏って配置するようにしたものである。
(効果)
以上のように構成したことにより、翼高さ29のほぼ中央部からダイヤフラム外輪3側(またはケーシング側)にかけて多く存在する液膜7を集中的に加熱することができ、しかも、電熱部6の面積を小さくして必要な箇所のみに加熱することができるので、液膜蒸発のために使用する熱量すなわち電力を少なくすることが可能となる。さらに、電熱部6を広範囲に設けることが無いため、コストダウンが可能となる。
その他は、第1の実施形態の奏する作用効果と同じである。
[第7の実施形態]
以下、本発明に係る蒸気タービン湿分除去装置の第7の実施形態について、図7を用いて説明する。
(構成)
図7において、本発明に係る第7の実施形態を示すタービン湿分除去装置は、液滴の流れる軌跡に対応して電熱部6および液膜検知センサ14をダイヤフラム外輪3側(またはケーシング側)に偏って配置することを特徴とするものである。
すなわち、電熱部6はタービンノズル1の腹側表面1aの後端縁付近にダイヤフラム外輪3側に高さ方向に3個ずつ2列(合計6個)配置し、かつ各電熱部6を囲むように液膜検知センサ14を取り付ける。そして、電熱部6を電気ケーブル12により、液膜検知センサ14をセンサ信号線30によりそれぞれ制御装置11Aに接続する点は第2の実施形態(図2)と同じである。なお、加熱装置33および液膜検知センサ14の数は図示の例に限定されるものではなく、複数でも単数でもよい。
(作用)
液膜検知センサ14から得られる情報はセンサ信号線30を介して制御装置11Aに送られる。制御装置11Aでは、液膜検知センサ14から得た情報に基づいて演算して液膜の分布を推定し、その推定結果に基づいてどの部位の加熱装置に電気を送るかを判断する。そして、その判断結果に基づいて電気ケーブル10を介して対応する加熱装置6に給電し、発熱させる。
以上述べたように、本実施形態の蒸気タービンの湿分除去装置によれば、液膜検知センサ14から得た情報に基づいて液膜の分布を推定し、その液膜が存在する場所を選択して加熱することによって液膜を蒸発させることができる。この結果、液膜の存在していない場所を加熱することはないので、必要最小限の電力で効率よく液膜の蒸発を行なうことができる。その他は、第1の実施形態乃至第2の実施形態の奏する作用効果と同じである。
以上述べた実施形態は、例として提示したものであって、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…タービンノズル、2…ダイヤフラム内輪、3…ダイヤフラム外輪、4…羽根、5…タービンロータ、6…電熱部、7…液膜、8…蒸気の流れ、9…液滴、10…電気ケーブル、11…電力量設定装置、12…導線、13…圧電素子、14…液膜検知センサ、15…蓄電池、28…液滴の流れ、29…翼高さ、30…信号線、36…蒸気の流線、37…最終前段羽根後縁端、38…湿分の流線、39…タービンノズル前縁端、40…水膜、41…タービンノズル後縁端、42…最終段羽根前縁端、43…細流、44…水滴、45…スリット。

Claims (8)

  1. タービンロータの外周部に間隙を介して配置されたダイヤフラム内輪と、前記ダイヤフラム内輪の半径方向外側に配置されたダイヤフラム外輪と、これらダイヤフラム内輪およびダイヤフラム外輪に支持されるとともに、周方向に所定間隔をあけて配列された複数個のタービンノズルと、前記タービンノズルの後縁端に隣接し、かつ、周方向に所定間隔をあけて配列されるように前記タービンロータに取り付けられた複数個の羽根と、からなるタービン段落を1段または複数段有する蒸気タービンの湿分除去装置において、
    前記タービンノズルの腹側表面上の中間部から後縁端に亘る部位に、周囲のタービンノズルの腹側表面と同一面で滑らかな表面を有する電熱部を設けたことを特徴とする蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
  2. 前記電熱部の近傍に液膜検知センサを設け、当該液膜検知センサの検出信号に基づいて前記電熱部に供給する電力を制御することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
  3. 前記電熱部の近傍に圧電素子を取り付けたことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
  4. 前記圧電素子で発生した電力を前記液膜検知センサに供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
  5. 前記圧電素子で発生した電力を前記電熱部に供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
  6. 前記ダイヤフラム外輪に設けた空間部に蓄電池を収容し、当該蓄電池に前記圧電素子で発生した電気を蓄積するとともに、当該蓄電池により前記電熱部および液膜検知センサに給電することを特徴とする請求項2記載の蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
  7. 前記タービンノズルの表面を加熱する範囲を、翼高さのほぼ中央よりも前記ダイヤフラム外輪側としたことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
  8. 前記液膜検知センサおよび前記電熱部を複数設け、前記液膜検知センサの検出信号に基づいて前記複数の電熱部の中から加熱すべき電熱部を選択して給電する制御装置を有することを特徴とする請求項2記載の蒸気タービンのタービン湿分除去装置。
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