JP2012201816A - ポリマレイミド系組成物 - Google Patents

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晴彦 日下
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Abstract

【課題】従来提供されているポリマレイミド化合物よりも、より一層耐熱性に優れ、ガラス転移温度が著しく高く、また、長期高温条件下においた場合の重量減少の少ない硬化物を与えるポリマレイミド化合物を提供する。
【解決手段】(A)成分;下記式(1)で表される化合物の混合物よりなる平均マレイミド官能基数が2より大きいポリマレイミド化合物を含有する芳香族ポリマレイミド混合物100重量部に対して、(B)成分;特定の芳香族液状反応性希釈剤1〜200重量部を含有するポリマレイミド系組成物。
Figure 2012201816

【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化複合材料用途の樹脂組成物として有用なポリマレイミド系組成物に係り、特に、平均マレイミド官能基数が2以上の特定のポリマレイミド化合物に対して、液状反応性希釈剤として特定の芳香族系化合物を用いることにより、硬化物の耐熱性を高めたポリマレイミド系組成物に関する。
本発明はまた、このポリマレイミド系組成物を用いた繊維強化プリプレグと、このポリマレイミド系組成物および繊維強化プリプレグを硬化させてなる硬化物に関する。
繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂と、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維やアラミド繊維などの強化繊維とから成り、一般に軽量かつ高強度の特徴を有する。このような繊維強化複合材料は、旅客機の機体や翼などの航空宇宙材料、ロボットハンドアームに代表される工作機械部材や、建築・土木補修材としての用途、さらにはゴルフシャフトやテニスラケットなどのレジャー用品用途などに幅広く用いられている。
特に近年は、炭素繊維強化複合材料(以下「CFRP」と称する)が工作機械部材として利用され、液晶ディスプレー製造時のガラス搬送ロボットのハンドとして、従来のアルミ製ハンドに代わり用いられるようになった。しかして、液晶ディスプレーの大型化と高性能化による処理温度の上昇のために、この液晶ガラス搬送用のロボットハンドには、室温から約200℃までの温度範囲で剛性を保ち、かつ耐熱性が十分高いこと、すなわち長期の高温条件下での使用においても減肉が少なく、剛性などの物性低下が少ないことが要求されている。
CFRPは通常、炭素繊維を一方向またはクロス編みしたシートにマトリックス樹脂を含浸させてプリプレグとした後、形状を付与しながら加熱硬化させて成型することにより製造される。マトリックス樹脂としては、従来、エポキシ系樹脂が広く使用されているが、エポキシ系樹脂は、耐熱性が低く液晶ガラス搬送用のロボットハンド用途には不適である。
耐熱性が高く、200℃以上の使用環境にも耐えうるマトリックス樹脂としては、マレイミド樹脂が広く知られている。マレイミド樹脂の主剤としては、ビスマレイミド化合物が使用されているが、このものだけでは硬化性が悪く、かつ成型品が脆くなるため、これを改善するために各種変性剤が開発されている。
例えば、ケルイミド樹脂(仏ローヌ・プーラン社)は常温で固体の4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドをメチレンジアニリンのような芳香族ジアミンで変性し、マレイミド基の重合による架橋の密度を低下させて剛性化している。しかし、ケルイミド樹脂は一般に固形であるため、炭素繊維シートに含浸する際には溶剤を使用する必要があり、用いた溶剤の除去が難しく、最終的にCFRPを加熱硬化させる際に残留溶剤の影響によりボイドが発生するため、CFRPの品質上好ましくない。
マレイミド樹脂をアリル化合物で変性する方法も公知である。例えば、マトリミド樹脂(チバガイギー社)は、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドを常温で液状であるo,o’−ジアリルビスフェノールAと加熱溶融混合して得られる樹脂であり、無溶剤で炭素繊維シートに含浸させることが可能である。しかし、得られるプリプレグの保存安定性が悪く、室温で徐々にマレイミド成分が析出し、プリプレグに必要なタック性やドレープ性が失われるという問題がある。
この問題を解決するために、コンピミド353樹脂(またはH353樹脂、独テクノヘミー社)が提案されている(非特許文献1参照)。これは、用いるビスマレイミド化合物として、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドと4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミドの共融混合物に対して、さらに1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンを10〜15%添加することによりマレイミド成分の析出固化を防止したものである。この樹脂に対してo,o’−ジアリルビスフェノールAを配合してCFRPの製造に適したマトリックス樹脂とすることができる。
しかし、本樹脂を用いて成型したCFRPは脆く、成型品にはクラックが多く観察される。さらに長期高温下に置いたときの重量減少が大きいため、分解物によるガラス基板の汚染が大きいことから、液晶ガラス搬送用CFRPロボットハンドとしての信頼性を含めた製品品質に問題がある。
このような問題を解決し、液晶ガラス搬送用CFRPロボットハンド等に好適な耐熱性を有するマトリックス樹脂において、無溶剤含浸性、プリプレグのタック性、ドレープ性、保存安定性を損なわずに、CFRPのクラックが低減され、かつ長期高温下に置いたときの重量減少が少ない、即ち耐熱性がより向上されたマトリックス樹脂を提供するべく、本出願人は、先に、ビスマレイミド化合物として特定の芳香族ビスマレイミド化合物と脂肪族ビスマレイミド化合物とを併用したビスマレイミド系組成物を提案した(特許文献1)。
特許文献1のビスマレイミド系組成物であれば、特定の芳香族ビスマレイミド化合物と脂肪族ビスマレイミド化合物を併用することにより、特に、1分子中に芳香環を3個以上含む芳香族ビスマレイミド化合物を配合することにより、無溶剤であっても適度な粘度を有し、従って含浸性に優れ、また、プリプレグとしたときのタック性、ドレープ性、および保存安定性に優れる上に、成型品のクラックも低減された高耐熱性のマレイミド樹脂が提供される。
ビスマレイミド系組成物は、一般に、ビスマレイミド化合物と、芳香族液状反応性希釈剤と、重合促進剤と、更に必要に応じて用いられるカップリング剤、離型剤、難燃性付与剤等のその他の成分を所定の割合で混合して調製される。
このうち、芳香族液状反応性希釈剤については、特許文献1では、o,o’−ジアリルビスフェノールA等のビスフェノール化合物が用いられている。また、ビスマレイミド化合物としては、芳香族ビスマレイミド化合物と脂肪族ビスマレイミド化合物とを併用することが提案されているが、本発明で(A)成分として用いるポリマレイミド化合物についての記載はなされていない。
特許文献1において、脂肪族ビスマレイミド化合物は、芳香族ビスマレイミド化合物の芳香族液状反応性希釈剤に対する相溶性改善のために用いられているが、脂肪族ビスマレイミド化合物はそれ自体、ガラス転移温度が低く、組成物の耐熱性を低下させる要因となる。
特開2009−263624号公報 特開平2−145614号公報
Technical Papers−Society of Plastics Enginners、第20巻、88頁(1974年)
本発明は、従来提供されているビスマレイミド系組成物等のポリマレイミド系組成物よりも、より一層耐熱性に優れ、ガラス転移温度が著しく高く、また、長期高温条件においた場合の重量減少の少ない硬化物を与えるポリマレイミド系組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、平均マレイミド官能基数が2より大きい特定のポリマレイミド化合物と特定の芳香族液状反応性希釈剤との組み合わせにより、耐熱性に優れた硬化物を与えるポリマレイミド系組成物を得ることができることを見出した。
本発明は、このような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 下記の(A)成分と(B)成分を含有するポリマレイミド系組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が1重量部以上200重量部以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
(A);下記式(1)で表される化合物の混合物よりなる平均マレイミド官能基数が2より大きいポリマレイミド化合物を含有する芳香族ポリマレイミド混合物
(B);下記式(2)および/または(3)で表される芳香族液状反応性希釈剤
Figure 2012201816
(式(1)中、tは0以上20以下の整数を表す。)
Figure 2012201816
(式(2)中、R11は、単結合、CH、O、S、SO、またはC(CHを表し、R12はアリル基またはメタリル基を表す。)
Figure 2012201816
(式(3)中、R24およびR25は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、R21、R22およびR23は、それぞれ独立に、単結合、CH、O、C=O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R26、R27、R28およびR29は、それぞれ独立にヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、mは0以上5以下の整数を表し、a、b、cおよびdはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
[2] [1]において、(A)成分と(B)成分の合計に対する(A)成分の割合(重量比)が0.5〜0.9であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
[3] [1]または[2]において、さらに下記(C)成分を(A)成分100重量部に対して1〜200重量部含有することを特徴とするポリマレイミド系組成物。
(C);下記式(4)および/または(5)で表される液状反応性希釈剤
Figure 2012201816
(式(4)中、Rは、ビニル基、アリル基、メタリル基、エチニル基、1−プロペニル基、またはアリルオキシカルボニル基を表し、sは1〜6の整数を示す。)
Figure 2012201816
(式(5)中、Rは、それぞれ独立に、ビニル基、アリル基、メタリル基、エチニル基、1−プロペニル基、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)基、または水素原子を表す。)
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、さらに下記(D)成分を、(A)成分100重量部に対して0.01〜5重量部含有することを特徴とするポリマレイミド系組成物。
(D);重合促進剤
[5] [4]において、(D)成分がアニオン重合促進剤および/またはラジカル重合促進剤であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
[6] [5]において、アニオン重合促進剤が下記式(X)で表されるイミダゾール類であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
Figure 2012201816
(式(X)中、R(1)、R(2)、R(4)およびR(5)は、それぞれ独立に水素原子、または任意の置換基を表し、R(1)とR(2)、R(4)とR(5)、R(1)とR(5)は、それぞれ互いに結合してイミダゾール環に縮合する環を形成していてもよい。)
[7] [6]において、式(X)中、R(2)およびR(4)は、それぞれ独立に、メチル基または水素原子であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
[8] [5]ないし[7]のいずれかにおいて、ラジカル重合促進剤が有機過酸化物であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
[9] [1]ないし[8]のいずれかに記載のポリマレイミド系組成物を含む繊維強化プリプレグ。
[10] [1]ないし[8]のいずれかに記載のポリマレイミド系組成物を硬化させてなる硬化物。
[11] [9]に記載の繊維強化プリプレグを硬化させてなる硬化物。
本発明によれば、平均マレイミド官能基数が2より大きい特定のポリマレイミド化合物に、特定の芳香族液状反応性希釈剤を組み合わせて用いることにより、ガラス転移温度が著しく高く、また、長期高温条件においた場合の重量減少の少ない、耐熱性に著しく優れた硬化物を与えるビスマレイミド化合物を提供することができる。
即ち、本発明で用いる(A)成分の芳香族ポリマレイミド混合物は、硬化物のガラス転移温度を高める効果のある、平均マレイミド官能基数が2より大きい多官能ポリマレイミド化合物を含み、しかも、このものは、芳香族液状反応性希釈剤に対する溶解性も良好であるため、特許文献1で用いられている脂肪族ビスマレイミド化合物のような、相溶性改善に有効ではあるが、硬化物のガラス転移温度を低下させてしまうビスマレイミド化合物を併用する必要がなく、硬化物のガラス転移温度を高める効果のあるポリマレイミド化合物のみを用いて、ガラス転移温度の高いポリマレイミド系組成物を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ポリマレイミド系組成物]
本発明のポリマレイミド系組成物は、下記の(A),(B)成分を含有するポリマレイミド系組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が1重量部以上200重量部以下であることを特徴とするものであって、さらに下記(C)成分を(A)成分100重量部に対して1〜200重量部含有していてもよく、また、さらに下記(D)成分を(A)成分100重量部に対して0.01〜5重量部含有していてもよい。
(A);式(1)で表される化合物の混合物よりなる平均マレイミド官能基数が2より大きいポリマレイミド化合物を含有する芳香族ポリマレイミド混合物
(B);式(2)および/または(3)で表される芳香族液状反応性希釈剤
(C);式(4)および/または(5)で表される液状反応性希釈剤
(D);重合促進剤
<(A)成分>
本発明で用いる(A)成分は、下記式(1)で表される化合物よりなる平均マレイミド官能基数が2より大きいポリマレイミド化合物(以下「ポリマレイミド化合物(1)」と称す場合がある。)を含有する芳香族ポリマレイミド混合物である。
Figure 2012201816
(式(1)中、tは0以上20以下の整数を表す。)
式(1)において、tは好ましくは0〜2の混合物であり、t=0、1、2の混合比によって表される平均値t’は0.01〜2が好ましい。両端のマレイミドフェニル基の結合はパラ位であることが、化合物の直線性から結晶性を高め、ガラス転移温度を高める上で好ましい。
このようなポリマレイミド化合物(1)の市販品としては、大和化成工業社製ポリフェニルメタンマレイミド「BMI−2000」、「BMI−2300」が挙げられる。
本発明に係る(A)成分は、上記ポリマレイミド化合物(1)よりなるものであってもよく、上記ポリマレイミド化合物(1)と他のポリマレイミド化合物とを含むものであってもよい。ただし、他のポリマレイミド化合物として、前述の脂肪族ビスマレイミド化合物は、硬化物のガラス転移温度を低下させ、得られるポリマレイミド系組成物の耐熱性を低下させる要因となるため、本発明においては、ポリマレイミド化合物として脂肪族ビスマレイミド化合物は用いないことが好ましい。即ち、本発明で用いるポリマレイミド化合物(1)は、溶解性に優れるため、相溶性向上のための脂肪族ビスマレイミド化合物は不要である。
ポリマレイミド化合物(1)と併用し得る他のポリマレイミド化合物としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
〈下記式(6)で表される1分子中に芳香環を3個以上含む芳香族ビスマレイミド化合物〉
Figure 2012201816
(式(6)中、R31、R32およびR33は、それぞれ独立に、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R34、R35、R36およびR37は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、nは1以上5以下の整数を表し、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
前記式(6)中、R31、R32およびR33は、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)であり、同じでも異なっていてもよいが、経済性の観点から、特に単結合、CH、O、またはC(CHであることが好ましい。
nは1以上5以下、好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上3以下、特に好ましくは1以上2以下である。
34、R35、R36およびR37は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下の脂肪族アルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
e、f、g、hは、それぞれ独立に、0以上4以下、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0または1である。
なお、e、f、g、hが2以上の場合、複数あるR34、R35、R36、R37は同一であっても異なるものであってもよい。
前記式(6)で表される1分子中に芳香環を3個以上含む芳香族ビスマレイミド化合物(以下「芳香族ビスマレイミド化合物(6)」と称す場合がある。)の具体例としては、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−マレイミド(4−フェノキシフェニル)]スルホン、1,1’−[1,4−フェニレンビス(オキシ−4,1−フェニレン)]ビスマレイミド(CAS Registry No.[82577−60−4])、1,1’−[スルホニルビス(4,1−フェニレンオキシ−3,1−フェニレン)]ビスマレイミド([99391−93−2])、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,1’−[オキシビス(4,1−フェニレンチオ−4,1-フェニレン)]ビスマレイミド([294890−20−3])、1,1’−[(2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス(オキシ−3,1−フェニレン)]ビスマレイミド([352217−51−7])等が挙げられる。好ましくは、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−マレイミド(4−フェノキシフェニル)]スルホン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンであり、中でも下記式(6A)で表される2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンが最も好適である。
Figure 2012201816
〈下記式(7)または下記式(8)で表される1分子中に芳香環を2個または1個含む芳香族ビスマレイミド化合物〉
Figure 2012201816
(式(7)中、Rは、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、pおよびqはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
Figure 2012201816
(式(8)中、R10は、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、rは0以上4以下の整数を表す。)
前記式(7)中、Rは、単結合、CH、O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)であり、経済性の観点から、特に単結合、CH、O、SOまたはC(CHであることが好ましい。
およびRは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下の脂肪族アルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
pおよびqは、それぞれ独立に、0以上4以下、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0または1である。
なお、pおよびqが2以上の場合、複数あるRおよびRは同一であっても異なるものであってもよい。
前記式(7)で表される1分子中に芳香環を2個含む芳香族ビスマレイミド化合物(以下「芳香族ビスマレイミド化合物(7)」と称す場合がある。)としては、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(スルホニルジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(オキシジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニリレン)ビスマレイミド、N,N’−(ベンジリデンジ−p−フェニレン)ビスマレイミド、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフィドビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ベンゾフェノンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、1,1’−[1,4−ブタンジイルビス(オキシ−p−フェニレン)]ビスマレイミド等が挙げられ、中でも、4,4’−ジフェニルスルフィドビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、または下記式(7A)で表される4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドが好適に用いられる。
Figure 2012201816
前記式(8)中、R10は、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下のアルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
rは、0以上4以下、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0または1である。
なお、rが2以上の場合、複数あるR10は同一であっても異なるものであってもよい。
前記式(8)で表される1分子中に芳香環を1個含む芳香族ビスマレイミド化合物(以下「芳香族ビスマレイミド化合物(8)」と称す場合がある。)としては、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,3−フェニレンビスマレイミド、1,4−フェニレンビスマレイミド、1,2−フェニレンビスマレイミド、ナフタレン−1,5−ジマレイミド、4−クロロ−1,3-フェニレンビスマレイミド等が挙げられ、中でも下記式(8A)で表される4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミドを主成分として含む硬化物はガラス転移温度が高く公的に用いられる。ただし、下記式(8B)で表される1,3−フェニレンビスマレイミドは溶解性が極めて低いため、その使用は好ましくない。
Figure 2012201816
〈混合割合〉
ポリマレイミド化合物(1)と他のポリマレイミド化合物とを併用する場合、その混合割合は、次のような割合とすることが好ましく、ポリマレイミド化合物(1)を用いることによる本発明の効果を十分に得る上で、いずれの場合も、全(A)成分中のポリマレイミド化合物(1)の割合が10重量%以上、特に20重量%以上となるようにすることが好ましい。
ポリマレイミド化合物(1)と芳香族ビスマレイミド化合物(6)とを併用する場合、ポリマレイミド化合物(1)と芳香族ビスマレイミド化合物(6)との使用割合(重量比)は、ポリマレイミド化合物(1):芳香族ビスマレイミド化合物(6)=1:0.01〜100、特に1:0.1〜10とすることが好ましい。芳香族ビスマレイミド化合物(6)を併用することにより、硬化物の可撓性
が向上する効果が奏されるが、この割合が多過ぎると硬化物のガラス転移温度が低下する。
ポリマレイミド化合物(1)と芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)とを併用する場合、ポリマレイミド化合物(1)と芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)との使用割合(重量比)は、ポリマレイミド化合物(1):芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)=1:0.01〜100、特に1:0.1〜10とすることが好ましい。芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)を併用することにより、硬化物のガラス転移温度が上昇する効果が奏されるが、この割合が多過ぎると組成物が不均一となり成形性が不良となる。
ポリマレイミド化合物(1)と芳香族ビスマレイミド化合物(6)と芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)を併用する場合、ポリマレイミド化合物(1)と芳香族ビスマレイミド化合物(6)と芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)の使用割合(重量比)は、ポリマレイミド化合物(1):芳香族ビスマレイミド化合物(6):芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)=1:0.01〜100:0.01〜100、特に1:0.1〜10:0.1〜10とすることが、芳香族ビスマレイミド化合物(6)、芳香族ビスマレイミド化合物(7)および/または芳香族ビスマレイミド化合物(8)のそれぞれの上記効果を有効に得る上で好ましい。
なお、ポリマレイミド化合物(1)、芳香族ビスマレイミド化合物(6)、芳香族ビスマレイミド化合物(7)、芳香族ビスマレイミド化合物(8)は、それぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(B)成分>
本発明においては、(B)成分の芳香族液状反応性希釈剤として、下記式(2)で表されるビスフェノール化合物および/または下記式(3)で表されるベンゼン系化合物を用いる。
Figure 2012201816
(式(2)中、R11は、単結合、CH、O、S、SO、またはC(CHを表し、R12はアリル基またはメタリル基を表す。)
Figure 2012201816
(式(3)中、R24およびR25は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、R21、R22およびR23は、それぞれ独立に、単結合、CH、O、C=O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R26、R27、R28およびR29は、それぞれ独立にヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、mは0以上5以下の整数を表し、a、b、cおよびdはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
式(2)中、R11は特にCH、O、またはC(CHであることが好ましく、R12はアリル基(−CH−CH=CH基)、メタリル基(−CH−CH(CH)=CH基)のうち、アリル基であることが好ましい。
式(2)で表されるベンゼン系化合物(以下「ビスフェノール化合物(2)」と称す場合がある。)の具体例としては、o,o’−ジアリルビスフェノールA、o,o’−ジアリルビスフェノールF、o,o’−ジアリルビスフェノールS、2,2’−ジアリル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルスルフィド、o,o’−ジメタリルビスフェノールA、o,o’−ジメタリルビスフェノールF等が挙げられ、中でも下記式(2A)で表されるo,o’−ジアリルビスフェノールAが好適に用いられる。
Figure 2012201816
式(3)中、R24およびR25としては、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基が好ましく、より好ましくはアルケニル基であり、さらに好ましくはプロペニル基またはアリル基である。
また、R21、R22およびR23としては、それぞれ独立に、単結合、−CH−、−O−、−C(=O)−、−S−、−SO−、−C(CH−または−NHC(=O)−が好ましく、より好ましくはO、−C(=O)−であり、mは好ましくは0、1または2である。
また、R26、R27、R28およびR29としては、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの分岐していてもよい炭素数6以下のアルキル基;メトキシ基のような炭素数6以下のアルコキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基のような炭素数6以下のアシルオキシ基(脂肪族アシルオキシ基);アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基、ピリジル基、フリル基等の複素環基、フッ素、塩素、臭素原子のようなハロゲン原子が挙げられるが、好ましくはこれらのうち、炭素数3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
a、b、c、dは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2である。なお、a、b、c、dが2の場合、2個のR26、R27、R28、R29は同一であっても異なるものであってもよい。
式(3)で表されるベンゼン系化合物(以下「ポリフェニレン化合物(3)と称す場合がある。」の具体例としては、4,4’−ビス−(o−プロペニルフェノキシ)−ベンゾフェノン、2,2’−ジプロペニルビスフェノールA、1,3−ジ(4−アリルフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アリルフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられ、中でも下記式(3A)で表される4,4’−ビス−(o−プロペニルフェノキシ)−ベンゾフェノンが好適に用いられる。
Figure 2012201816
なお、(B)成分として上記ビスフェノール化合物(2)とポリフェニレン化合物(3)とを併用してもよく、その場合、(B)成分であるビスフェノール化合物(2)とポリフェニレン化合物(3)との合計に対してビスフェノール化合物(2)の割合が、1〜99重量%、特に10〜90重量%となるように用いることが好ましい。
ビスフェノール化合物(2)は、ポリフェニレン化合物(3)による粘度上昇を相殺して適度な粘度に調整するために用いられるが、ビスフェノール化合物(2)が多過ぎると硬化物の高温耐久性が低下する。また、ポリフェニレン化合物(3)は、得られる硬化物の高温耐久性に有効であるが、ポリフェニレン化合物(3)が多過ぎるとポリマレイミド系組成物の粘度が高くなり過ぎ、取り扱い性が劣るものとなる。
<(C)成分>
本発明のポリマレイミド系組成物は、液状反応性希釈剤として、前述の(B)成分と共に、下記式(4)で表されるベンゼン化合物(以下「ベンゼン化合物(4)」と称す場合がある。)、および/または、下記式(5)で表されるイソシアヌレート化合物(以下「イソシアヌレート化合物(5)」と称す場合がある。)を併用してもよい。
Figure 2012201816
(式(4)中、Rは、ビニル基、アリル基、メタリル基、エチニル基、1−プロペニル基、またはアリルオキシカルボニル基を表し、sは1〜6の整数を表す。)
Figure 2012201816
(式(5)中、Rは、それぞれ独立に、ビニル基、アリル基、メタリル基、エチニル基、1−プロペニル基、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)基、または水素原子を表す。)
上記式(4)において、Rは、好ましくはビニル基、アリル基、メタリル基、アリルオキシカルボニル基であり、sは好ましくは1〜6、より好ましくは2である。なお、sが2以上の場合、複数のRは互いに異なるものであってもよく、同一であってもよいが、同一であることが合成が容易で、工業品が入手可能である点で好ましい。
ベンゼン化合物(4)としては、1,4−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、1,2−ジビニルベンゼン、1,4−ジアリルベンゼン、1,3−ジアリルベンゼン、1,2−ジアリルベンゼン、1,4−ジメタリルベンゼン、1,3−ジメタリルベンゼン、1,2−ジメタリルベンゼン、1,4−ジ(1−プロペニル)−ベンゼン、1,3−ジ(1−プロペニル)−ベンゼン、1,2−ジ(1−プロペニル)−ベンゼン、1,4−ジアリルオキシカルボニルベンゼン、1,3−ジアリルオキシカルボニルベンゼン、1,2−ジアリルオキシカルボニルベンゼン(フタル酸ジアリル)、1,4−ジエチニルベンゼン、1,3−ジエチニルベンゼン、1,2−ジエチニルベンゼン、1,4−ジプロパルギルベンゼン、1,3−ジプロパルギルベンゼン、1,2−ジプロパルギルベンゼン等が挙げられ、好ましくは、下記式(4A)で表される1,4−ジビニルベンゼン、下記式(4B)で表されるフタル酸ジアリルである。ジビニルベンゼンは、工業品として、1,4−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン、ジエチルベンゼンの混合物が販売されているが、この混合物を使用することも可能である。
Figure 2012201816
式(5)において、3個のRは互いに異なるものであってもよく、同一であってもよいが、同一であることが合成上容易であり、工業品入手可能である点で好ましい。Rは好ましくはアリル基であり、イソシアヌレート化合物(5)としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられ、好ましくは下記式(5A)で表されるトリアリルイソシアヌレートである。
Figure 2012201816
上記のベンゼン化合物(4)、イソシアヌレート化合物(5)は、それぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ベンゼン化合物(4)とイソシアヌレート化合物(5)とを併用してもよい。
(C)成分として上記ベンゼン化合物(4)とイソシアヌレート化合物(5)とを併用する場合、(C)成分であるベンゼン化合物(4)とイソシアヌレート化合物(5)との合計に対して、ベンゼン化合物(4)の割合が1〜99重量%、特に10〜90となるように用いることを特徴とするが好ましい。ベンゼン化合物(4)は、組成物の粘度低減と硬化物のガラス転移温度向上に有効であるが、ベンゼン化合物(4)が多過ぎると組成物の溶解性が損なわれる。また、イソシアヌレート化合物(5)は、組成物の粘度低減と硬化物のガラス転移温度向上に有効であるが、イソシアヌレート化合物(5)が多過ぎると硬化物の可撓性
が損なわれクラックが入りやすくなる。
<(D)成分>
本発明のポリマレイミド系組成物には、特に必須ではないが、硬化速度を速める目的で公知の重合促進剤を更に添加することができる。
本発明で用いる重合促進剤としては、特に制限はなく、各種のアニオン重合促進剤、ラジカル重合促進剤などを用いることができる。
また、アニオン重合促進剤とラジカル重合促進剤とを併用してもよい。即ち、アニオン重合促進剤は、重合促進効果に優れるものの、一部の成分に対しては重合促進効果が低いために重合の完結度において、ラジカル重合促進剤よりも低く、この結果、重合促進剤としてアニオン重合促進剤のみを用いたポリマレイミド系組成物から得られる硬化物は、その耐熱性の指標となるTgが低くなる傾向にある。
一方、ラジカル重合促進剤は、本発明で使用する(A)、(B)両成分、さらには(C)成分に対して重合促進効果を発揮するが、一部の成分の末端に対して不安定な酸素−炭素結合を形成する。この酸素−炭素結合は、高温になると燃焼して熱重量減少の原因となるため、重合促進剤としてラジカル重合促進剤のみを用いたポリマレイミド系組成物から得られる硬化物は、長期間高温条件下においた場合の熱重量減少率が大きくなることがある。
アニオン重合促進剤とラジカル重合促進剤を併用することにより、各々の長所を生かした上で短所を補い合い、これにより、耐熱性の向上と熱重量減少の抑制を図ることができる。
アニオン重合促進剤としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、カルボニルジイミダゾール、1−メチル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、TBZ(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニル−イミダゾリウムトリメリテイト、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライドのようなイミダゾール化合物や、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジメチルピペラジン、トリフェニルアミン、N,N’−ジシクロヘキシル尿素、トリブチルアミン、1−ベンジル−4−ピペリドン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−フェニルジベンジルアミン、1−ベンジルピペリジン、1−メチル−2,2−ジメチル−6,6−ジメチルピペリジン、キノキサリン、キノリン、テトラメチレンヘキサミン、ピラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)のような3級アミン化合物、トリフェニルホスフィンまたは亜リン酸トリフェニルのような3価のリン化合物といったアニオン系重合促進剤が挙げられるが、これらのうち、イミダゾール系重合促進剤が好適である。
イミダゾール系重合促進剤としては、下記式(X)で表されるイミダゾール類が好ましい。
Figure 2012201816
(式(X)中、R(1)、R(2)、R(4)およびR(5)は、それぞれ独立に水素原子、または任意の置換基を表し、R(1)とR(2)、R(4)とR(5)、R(1)とR(5)は、それぞれ互いに結合してイミダゾール環に縮合する環を形成していてもよい。)
ここで、R(1)とR(2)、R(4)とR(5)の任意の置換基としては、本発明におけるイミダゾール類として特に好ましいイミダゾール類である、式(X)において、R(2)及びR(4)が、それぞれ独立に、メチル基または水素原子である場合の、R(1)、R(5)の任意の置換基として例示した後掲のものが挙げられる。
R(1)は、R(2)またはR(5)と結合して、イミダゾール環に縮合する環(脂肪族環、芳香族環、複素環のいずれであってもよい)を形成してもよい。R(1)は、好ましくは、炭素数4以下の鎖状アルキル基または水素原子である。
R(2)はR(1)と結合して、イミダゾール環に縮合する環(脂肪族環、芳香族環、複素環のいずれであってもよい)を形成してもよい。R(2)は、好ましくは、炭素数4以下の鎖状アルキル基または水素原子であり、より好ましくは炭素数2以下の鎖状アルキル基または水素原子、さらに好ましくはメチル基または水素原子である。
R(4)はR(5)と結合して、イミダゾール環に縮合する環(脂肪族環、芳香族環、複素環のいずれであってもよい)を形成してもよい。R(4)は、好ましくは、炭素数3以下の鎖状アルキル基または水素原子であり、より好ましくは水素原子である。
R(5)は、R(4)またはR(1)と結合して、イミダゾール環に縮合する環(脂肪族環、芳香族環、複素環のいずれであってもよい)を形成してもよい。R(5)は、好ましくは、炭素数18以下の鎖状アルキル基、環状アルキル基、芳香族基(例えばフェニル基、ベンジル基、ナフチル基)、複素環基(例えばピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基)、または水素原子である。
イミダゾール系重合促進剤の具体例としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、カルボニルジイミダゾール、1−メチル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、TBZ(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1.2−a]ベンズイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前述の如く、重合促進剤としてのイミダゾール類は公知であり、イミダゾール系重合促進剤として従来最も一般的に用いられているものは、2−エチル−4−メチルイミダゾールであるが、重合促進剤に用いられるイミダゾール類は、ポリマレイミド系組成物の他の配合成分に比べて比較的高価なものであることから、触媒活性(重合促進効果)が高く、少量配合でポリマレイミド系組成物のゲル化温度を適当な温度に低下させることができるイミダゾール系重合促進剤を用いることにより、イミダゾール系重合促進剤の必要量を低減してポリマレイミド系組成物の原材料コストを低減すること、ひいては製品コストを低減することが望まれる。
また、重合促進剤の多量配合は、得られる硬化物の耐熱性を低下させる原因ともなるため、この点においても、重合促進剤の使用量を低減することが望まれる。
さらに、重合促進剤の多量配合は、熱硬化時に揮発する重合促進剤量を増大させることになり、設備保護の観点から重合促進剤の低減が望まれる。
本発明者は、重合促進剤であるイミダゾール類の構造に着目して鋭意検討した結果、イミダゾール環の2位と4位の炭素原子に結合する基を制限したイミダゾール類、即ち、前記式(X)中、R(2)およびR(4)が、それぞれ独立に、メチル基または水素原子であるものが、触媒活性に優れ、少量配合で高い重合促進効果を示すことを知見した。
この理由の詳細は明らかではないが、次のように推定される。
イミダゾール類が触媒活性を示す重合活性点は、イミダゾール環の3位の窒素原子であると推定され、この3位の窒素原子が高い重合活性を発揮するためには、3位の窒素原子の周囲に重合開始点としての空間を確保することが必要であり、そのためには、3位の窒素原子の両隣の2位の炭素原子と4位の炭素原子には、嵩高い置換基が存在しないことが有利であると推考される。このようなことから、イミダゾール環の2位および4位の炭素原子に結合する基は、炭素数1以下の基、即ち、メチル基または水素原子であることが触媒活性の発現に有利である。
従って、重合促進剤として用いるイミダゾール類は、前記式(X)において、R(2)およびR(4)が、それぞれ独立に、メチル基または水素原子であることが好ましく、特に、R(4)については水素原子であることが好ましい。
この場合においても、R(1)、R(5)は、それぞれ独立に、水素原子または任意の置換基である。ここで、任意の置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、或いは、更に置換基を有していてもよい以下の基、即ち、
炭素数12以下のアルキル基(直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよい。)、
炭素数12以下のアルケニル基(直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよい。)、
炭素数12以下の芳香族基、
炭素数12以下の複素環基、
炭素数12以下のアルコキシ基、
炭素数12以下のアシルオキシ基、
炭素数12以下のアシル基
が挙げられる(なお、ここで、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、複素環基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基が置換基を有する場合、上記の炭素数は、いずれもその置換基を含めた全体の炭素数をさす。)。
ただし、重合促進剤としてのイミダゾール類には、触媒活性だけでなく、反応系への溶解性が要求され、反応系への溶解性、その他の観点から、R(1)、R(5)には、以下のように、好適な置換基が存在する。
即ち、イミダゾール環の1位が無置換であると、1位の水素を介した水素結合により、溶剤に対する溶解性が悪くなる。また、置換基が過度に低分子量であると、化合物全体の分子量が小さくなり、低沸点化合物となる結果、高温の反応系における揮発による損失が大きくなる。このような観点から、イミダゾール環には、ある程度以上の置換基が結合して化合物としての不規則性を高めると共に、分子量を高めることも必要となるが、本発明に係るイミダゾール類は、R(2)、R(4)がメチル基または水素原子であるため、R(1)およびR(5)は、ある程度以上の分子量のある置換基であることが望まれる場合もある。
また、上述の如く、イミダゾール類の活性点は、3位の窒素原子であるが、イミダゾール環の結合に寄与しないフリーな電子対が重合活性に関与していると考えられる。このような観点において、イミダゾール環内部の電子密度が低いと、孤立電子対の電子供与性が上がらず、この部分での重合活性が得られ難くなる。
これに対して、イミダゾール環の1位の窒素原子に、アルキル基等の電子供与性の置換基が結合していると、イミダゾール環に電子を押し出してイミダゾール環内部の電子密度を高めることができることから、1位の窒素原子に結合する置換基のR(1)は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基等の置換基を有していてもよい直鎖または分岐アルキル基、ビニル基等のアルケニル基等の電子供与性の置換基が好ましい。
また、溶解性、沸点、重合活性等の観点から、式(X)中のR(1)とR(2)とR(4)の合計の炭素数については、0以上8以下、特に、4、5または6であることが好ましい。より具体的には、R(1)は、炭素数1〜6、好ましくは3〜6の、フェニル基等の置換基を有していてもよい直鎖または分岐アルキル基、アルケニル基、置換基を有していてもよいアシル基等が挙げられる。
また、R(5)としては、水素原子、炭素数1〜6、好ましくは3〜6の直鎖または分岐アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアシル基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられ、好ましくは市販品の入手の容易さより水素原子である。
前記式(X)において、R(2)およびR(4)が、それぞれ独立に、メチル基または水素原子であるイミダゾール類としては、具体的には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−メチル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールが挙げられ、中でも1−イソブチル−2−メチルイミダゾールが好ましく用いられる。
これらのイミダゾール類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
一方、ラジカル重合促進剤としては、有機過酸化物系重合促進剤、或いはアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル系重合促進剤が挙げられるが、好ましくは有機過酸化物系重合促進剤である。
重合促進剤としての有機過酸化物としては次のようなものが挙げられるが、何ら以下のものに限定されるものではない。
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジミリスティルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート。
これらの有機過酸化物のうち、分解してラジカルを発生する温度が、ある程度以上高いものが好ましい。すなわち、(A)、(B)成分、さらに必要に応じて用いられる(C)成分を混合してポリマレイミド系組成物を調製する工程や、これを繊維に含浸させてプリプレグを製造する工程における温度では分解せず、硬化させて成型品を製造する温度(通常、混合、含浸工程より温度は高い)で効率良く分解する性質を持つものが好ましい。この様な有機過酸化物として、t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられ、特にジクミルパーオキサイドが好ましい。
これらの有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記のアニオン重合促進剤とラジカル重合促進剤とを併用する場合、これらを併用することによる効果を有効に得る上で、アニオン重合促進剤とラジカル重合促進剤の合計100重量部に対するアニオン重合促進剤の含有量は1重量部以上99重量部以下、特に10重量部以上90重量部以下、とりわけ20重量部以上80重量部以下であることが好ましい。この範囲よりもアニオン重合促進剤が多くても少なくても、アニオン重合促進剤とラジカル重合促進剤とを併用することによる本発明の効果を十分に得ることができない場合がある。
<配合量>
本発明のポリマレイミド系組成物は、(A),(B)成分を必須成分として含有し、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量は、1重量部以上、好ましくは10重量部以上、200重量部以下、好ましくは100重量部以下である。
上記範囲より(B)成分が少ないと、組成物粘度が高くなり、組成物の不均一性が増し、成形性が不良となり、上記範囲より(B)成分が多いと硬化物のガラス転移温度が低下する。
また、(A)成分と(B)成分は、これらの合計に対する(A)成分の割合(重量比)が好ましくは0.5〜0.9、より好ましくは0.5〜0.8となるように配合することが好ましい。(A)成分と(B)成分との合計に対する(A)成分の割合が上記下限より低いと硬化物のガラス転移温度が著しく低下し、300℃24時間処理時の重量減少が著しく増大し、上記上限よりも多いと組成物の粘度が大幅に上昇し、また組成物が著しく不均一となり成形性が不良となる。
必要に応じて用いられる(C)成分の量は、(A)成分100重量部に対して通常1重量部以上200重量部以下、好ましくは2重量部以上150重量部以下である。
(C)成分を用いることにより組成物の粘度低減と硬化物のガラス転移温度上昇という効果が奏されるが、上記範囲より(C)成分が少ないと(C)成分を用いたことによる上記効果を十分に得ることができず、上記範囲よりも多いと組成物の溶解性が損なわれ、硬化物の可撓性が低減しクラック発生の原因となる。
なお、(B)成分の芳香族液状反応性希釈剤と(C)成分の液状反応性希釈剤とは、その合計量が(A)成分100重量部に対して10重量部以上300重量部以下、特に20重量部以上200重量部以下となるように用いることが好ましい。上記範囲よりも液状反応性希釈剤の合計量が多いと硬化物のガラス転移温度が低くなり、少ないと組成物の粘度が高くなり、組成物が不均一となり、成形性が損なわれる。
また、(C)成分を用いる場合、(B)成分と(C)成分の合計に対する(B)成分の割合(重量比)が、好ましくは0.01〜0.99より好ましくは0.1〜0.9となるように配合することが好ましい。(B)成分と(C)成分の合計に対する(B)成分の割合が上記下限よりも低いと硬化物の耐熱性が損なわれ、上記上限よりも多いと組成物の粘度が高く、成形性が損なわれる。
必要に応じて用いられる(D)成分の重合促進剤の量としては、(A)成分100重量部に対して通常0.01重量部以上5重量部以下、好ましくは0.01重量部以上3重量部以下、より好ましくは0.01重量部以上1重量部以下である。
上記範囲よりも(D)成分が少ないとこれを配合したことによる重合促進効果を十分に得ることができず、多いと硬化物の耐熱性が悪化する。
<その他の成分>
本発明のポリマレイミド系組成物は、前記(A)〜(D)成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。
このような任意成分としては特に制限はないが、シラン、チタネート化合物等のカップリング剤、高級脂肪酸およびワックス等の離型剤、ハロゲン、リン化合物等の難燃性付与剤、消泡剤、着色剤、紫外線吸収剤、低温発泡剤、酸化防止剤等が挙げられ、その配合量は、通常(A)成分100重量部に対して各々50重量部以下程度である。
<製造方法>
本発明のポリマレイミド系組成物を製造するには、(A)および(B)成分、並びに必要に応じて用いられる(C)成分および/または(D)成分、その他の任意成分を混合して均一に溶解または均一に分散した組成物とすればよく、その方法に特に制限はないが、(D)成分を用いる場合、少量配合成分である(D)成分の重合促進剤を組成物中に均一に分散混合させるために、(D)成分を予め液状反応性希釈剤(即ち、(B)成分および/または必要に応じて用いられる(C)成分)の一部に溶解した溶液とし、この溶液を、(A)成分と液状反応性希釈剤の残部との混合物に添加、混合することが好ましい。
この場合、液状反応性希釈剤と(D)成分との混合温度には特に制限はなく、40℃以上150℃以下の幅広い温度で混合することができ、また、その混合時間も、(D)成分が液状反応性希釈剤中に均一に溶解する時間であれば特に制限はない。
(A)成分と液状反応性希釈剤との混合は、50℃以上150℃以下、特に80℃以上130℃以下、とりわけ90℃以上120℃以下で加熱混合することが好ましい。この温度が低すぎると(A)成分と液状反応性希釈剤の均一な混合が困難となり、高すぎると混合中に重合反応が促進され、混合中に重合固化にいたる可能性がある。
また、(A)成分と液状反応性希釈剤との混合時間は、昇降温に要する時間を除き通常10分以上6時間以下、好ましくは20分以上5時間以下、より好ましくは30分以上4時間以下である。必要以上に長い混合時間は、重合により粘度が上昇しマトリックス樹脂としてのハンドリング性を損なう。
また、(A)成分と液状反応性希釈剤の混合物と、(D)成分を液状反応性希釈剤に溶解させた溶液は、30℃以上120℃以下、特に50℃以上100℃以下、とりわけ60℃以上90℃以下で加熱混合することが好ましい。この温度が低すぎると触媒の均一混合が困難となり、高すぎると混合中に重合反応が促進され、混合中に重合固化にいたる可能性がある。また、混合時間は、昇降温に要する時間を除き通常1分以上3時間以下、好ましくは2分以上2時間以下、より好ましくは5分以上1時間以下である。必要以上に長い混合時間は、重合により粘度が上昇しマトリックス樹脂としてのハンドリング性を損なう。
なお、予め(D)成分を溶解させる液状反応性希釈剤の量としては、組成物に配合する(D)成分と液状反応性希釈剤、更には(A)成分の種類や量によっても異なり一概には決めることはできないが、通常、全液状反応性希釈剤量の0.1重量%以上50重量%以下、特に0.5重量%以上30重量%以下を(D)成分の溶解に用い、(D)成分の液状反応性希釈剤溶液中の(D)成分の合計濃度が0.001重量%以上20重量%以下、特に0.01重量%以上10重量%以下となるようにすることが好ましい。(D)成分の溶解に用いる液状反応性希釈剤の量が少な過ぎると(A),(D)成分および液状反応性希釈剤が均一に混合した組成物を得ることができないおそれがあり、多過ぎると(A)成分を液状反応性希釈剤に溶解あるいは分散することが困難になる。
また、その他の任意成分については、その混合時期には特に制限はないが、通常、(A)成分と液状反応性希釈剤との混合時、或いは、(A)成分と液状反応性希釈剤の混合物に(D)成分を溶解した溶液を混合する時に混合することが好ましい。
なお、液状反応性希釈剤として(B)成分と(C)成分とを併用する場合、或いは、(B)成分として2種以上の液状反応性希釈剤を用いる場合のように、本発明のポリマレイミド系組成物の製造に2種以上の液状反応性希釈剤を用いる場合、(D)成分の溶解に用いる液状反応性希釈剤は、(B)成分か(C)成分の単独成分を用いても、(B)成分と(C)成分を混合したものを用いても、2種以上の(B)成分を混合したものを用いてもよい。(D)成分を液状反応性希釈剤の一部に溶解した溶液を、(A)成分と反応性希釈剤成分の残部との混合物に添加、混合することが、少量成分である(D)成分の組成物への均一分散混合性の面で好ましい。
<保存方法>
本発明のポリマレイミド系組成物は、重合活性に優れた重合促進剤としての(D)成分を配合した場合、保存中の重合固化を防止するために、40℃以下、特に20℃以下、とりわけ0℃以下、例えば−60℃〜0℃で保存することが好ましい。本発明のポリマレイミド系組成物の保存温度が高過ぎると、保存中に重合が促進して固化することにより使用不可能となるおそれがある。
[プリプレグ]
本発明のポリマレイミド系組成物は、公知の複合化手法により炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維やアラミド繊維などの強化繊維の1種または2種以上と複合化して繊維強化プリプレグとすることができる(例えば、宮入裕夫、後藤卒土民著「製品開発に役立つ強化プラスチック材料入門」(日刊工業新聞社、2007年)参照)。
用いる強化繊維に制限は無いが、耐熱性ロボットハンド用途としては特に炭素繊維が好ましい。強化繊維の形態にも特に制限は無く、一方向材、織物状(クロス)、組紐状織物等が例として挙げられる。
これらの強化繊維に本発明のポリマレイミド系組成物を含浸させる方法にも特に制限はないが、溶剤を使用しない方法が好ましいため、本発明のポリマレイミド系組成物を60〜110℃に加温し、流動性がある状態で含浸させるホットメルト法が好ましい。
得られるプリプレグ(強化繊維にポリマレイミド系組成物を含浸させたもの)に占めるポリマレイミド系組成物の割合は、強化繊維の形態にもよるが通常20重量%以上80重量%以下、好ましくは25重量%以上65重量%以下、より好ましくは30重量%以上50%以下である。
この範囲よりもポリマレイミド系組成物の割合が多いと相対的に強化繊維の割合が減ることにより十分な補強効果が得られず、逆にポリマレイミド系組成物が少ないと成型性が損なわれる。
このプリプレグは公知の手法により硬化させて最終成型品とすることができる。例えば、プリプレグを積層して、オートクレーブ中で2ないし10kgf/cmに加圧し、150℃から200℃で30分ないし3時間加熱硬化させて成型体とすることができるが、さらに耐熱性を向上させるため、ポストキュアとして180℃ないし280℃の温度範囲で温度をステップ的に加温しながら1時間ないし12時間処理することにより繊維強化複合材成型品とすることができる。
このようにして得られる本発明のポリマレイミド系組成物またはプリプレグの硬化物、特にプリプレグの硬化物は、特に液晶ガラス基板搬送用ロボットハンド用途として有用である。ただし、本発明の硬化物の用途は液晶ガラス基板搬送用ロボットハンド用途に限定されるものではなく、その他、シリコンウェハー搬送用ディスク用途、航空宇宙向け部材用途、自動車のエンジン部材用途など、軽量で高強度かつ高耐熱性が要求される部材に広く適用することができる。
本発明のポリマレイミド系組成物を硬化して得られる本発明の硬化物は、TMAで測定したTgが通常350℃以上という高耐熱性を有する。本発明の硬化物のTMA−Tgは好ましくは360℃以上、例えば360〜500℃である。
なお、硬化物のTMA−Tgの測定は、後述の実施例の項に記載される方法で行われる。
また、本発明のポリマレイミド系組成物を硬化させてなる本発明の硬化物のうち好ましいものは、空気雰囲気中にて300℃で24時間保持した時の重量減少率が4.0%以下の低重量減少率を満足することができる。この重量減少率はより好ましくは2.0%以下、例えば0.1〜2.0%である。
なお、硬化物の重量減少率の測定は、後述の実施例の項に記載される方法で行われる。
以下に実施例、および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、触媒の活性、組成物の物性の測定方法は次の通りである。
<ゲル化温度>
Anton Paar社 Physica MCR301を用いて測定した。約1.2gのマレイミド系組成物を直径25mmディスポプレートとディスポディッシュの間に1mmの厚さで挟み、3℃/分の速度で、40℃から200℃に昇温した。損失弾性率/貯蔵弾性率=損失正接=1となる温度をゲル化温度とした。
<TMA−Tg>
約70℃に加熱脱泡したポリマレイミド系組成物を2mm厚のスペーサーを介した2枚のガラス板間に注ぎ、170℃で3時間処理後、ガラス板の型から取り出し、その後、190℃で1時間、220℃で1時間、250℃で4時間、260℃で12時間、さらに300℃で24時間加熱処理したサンプルを5mm×5mmに切断した。SII社製TMA/SS120を用いて、このサンプルを窒素雰囲気下、40℃から400℃に10℃/minで昇温し、圧縮プローブの歪変化よりTg(ガラス転移温度)を評価した。
<熱重量減少率>
<TMA−Tg>項記載の方法により得られた260℃12時間まで処理したサンプル板を約1cm×約3cmの大きさに切り出し、空気下、オーブン中に300℃にて24時間放置し、重量の揮発減少割合を測定した。
なお、この重量減少率は、重量の減少の割合を示し、このマイナスの値が大きい程重量減少率が大きく、好ましくない。
ポリマレイミド系組成物の製造に用いた(A)〜(C)成分の原料化合物は以下の通りである。
<(A)成分>
・ポリフェニルメタンマレイミド:大和化成工業社製「BMI−2300」(t=0、1、2の化合物の混合物、t=0、1、2の化合物の混合比によって表される平均値t’=0.35)(以下「BMI−2300」と略記する。)
Figure 2012201816
・m−フェニレンビスマレイミド:大和化成工業社製「BMI−3000」(以下「BMI−3000」と略記する。)
Figure 2012201816
・4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド:大和化成工業社製「BMI−7000」(以下「BMI−7000」と略記する。)
Figure 2012201816
・2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:ケイ・アイ化成社製「BMI−80」(以下「BMI−80」と略記する。)
Figure 2012201816
・1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン:大和化成工業社製「BMI−TMH」(以下「BMI−TMH」と略記する。)
Figure 2012201816
<(B)成分>
・4,4’−ビス−(o−プロペニルフェノキシ)−ベンゾフェノン:エボニックデグサジャパン社製「コンピミドTM123」(以下「TM123」と略記する。)
Figure 2012201816
・o,o’−ジアリルビスフェノールA:エボニックデグサジャパン社製「コンピミドTM124」(以下「DABA」と略記する。)
Figure 2012201816
<(C)成分>
・ジビニルベンゼン:東京化成社製 1,4−ジビニルベンゼンと1,3−ジビニルベンゼンの混合物。純度50%以上。エチルビニルベンゼン、ジエチルベンゼンを不純物として含む。(以下「DVB」と略記する。
Figure 2012201816
・フタル酸ジアリル:和光純薬工業社製(以下「DAP」と略記する。)
Figure 2012201816
・トリアリルイソシアヌレート:日本化成社製「TAIC」(以下「TAIC」と略記する。)
Figure 2012201816
<(D)成分>
・1−イソブチル−2−メチルイミダゾール:三菱化学社製jERキュア「IBMI12」(以下「IBMI」と略記する。)
・ジクミルペルオキシド:日油社製「パークミルD」(以下「DCPO」と略記する。)
[実施例1]
機械式攪拌機を備えたガラス製容器に、室温で約80℃に加熱したTM123:8.4gを入れた。この容器をオイルバスに浸し、内温が100℃に到達したところでBMI−2300:11.6gを投入した。その後、内温を100℃に保持しながら25分間攪拌し、ここへ、IBMI:15mgとDCPO11mgをTM123:1.3gに溶解した溶液を攪拌しながら添加し、引き続き、内温100℃で5分間攪拌した後、混合物を取り出し、室温まで冷却して目的とするビスマレイミド系組成物を得た。このビスマレイミド系組成物は0℃の冷蔵庫で1ヶ月以上保管することができた。
このビスマレイミド系組成物の製造に用いた原料組成と評価結果を表1,2に示した。
[実施例2〜10、比較例1〜6]
各成分の使用量を表1に示す通り変更し、(A)成分と(B)成分の一部(さらに(C
)成分)との混合温度、(A)成分と(B)成分の一部(さらに(C)成分)との混合物と(D)成分の(B)成分残部との溶液との混合温度を表2に示す温度としたこと以外は実施例1と同様にビスマレイミド系組成物を製造し、その評価結果を表2に示した。
なお、液状反応性希釈剤を2種類用いる場合、重合促進剤の溶解には液状反応性希釈剤としてDABAを用いた。
Figure 2012201816
Figure 2012201816
表1,2より、ポリマレイミド化合物としてBMI−2300を用いると共に、芳香族液状反応性希釈剤としてDABAまたはTM123を用いた本発明のポリマレイミド系組成物の硬化物は、Tgが高く、高温加熱時の重量減少が少なく、耐熱性に優れることが分かる。

Claims (11)

  1. 下記の(A)成分と(B)成分を含有するポリマレイミド系組成物であって、(A)成分100重量部に対する(B)成分の含有量が1重量部以上200重量部以下であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
    (A);下記式(1)で表される化合物の混合物よりなる平均マレイミド官能基数が2より大きいポリマレイミド化合物を含有する芳香族ポリマレイミド混合物
    (B);下記式(2)および/または(3)で表される芳香族液状反応性希釈剤
    Figure 2012201816
    (式(1)中、tは0以上20以下の整数を表す。)
    Figure 2012201816
    (式(2)中、R11は、単結合、CH、O、S、SO、またはC(CHを表し、R12はアリル基またはメタリル基を表す。)
    Figure 2012201816
    (式(3)中、R24およびR25は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、R21、R22およびR23は、それぞれ独立に、単結合、CH、O、C=O、S、SO、C(CHまたはNHC(=O)を表し、R26、R27、R28およびR29は、それぞれ独立にヒドロキシ基、炭素数6以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシル基、複素環基、またはハロゲン原子を表し、mは0以上5以下の整数を表し、a、b、cおよびdはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表す。)
  2. 請求項1において、(A)成分と(B)成分の合計に対する(A)成分の割合(重量比)が0.5〜0.9であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
  3. 請求項1または2において、さらに下記(C)成分を(A)成分100重量部に対して1〜200重量部含有することを特徴とするポリマレイミド系組成物。
    (C);下記式(4)および/または(5)で表される液状反応性希釈剤
    Figure 2012201816
    (式(4)中、Rは、ビニル基、アリル基、メタリル基、エチニル基、1−プロペニル基、またはアリルオキシカルボニル基を表し、sは1〜6の整数を表す。)
    Figure 2012201816
    (式(5)中、Rは、それぞれ独立に、ビニル基、アリル基、メタリル基、エチニル基、1−プロペニル基、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)基、または水素原子を表す。)
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、さらに下記(D)成分を、(A)成分100重量部に対して0.01〜5重量部含有することを特徴とするポリマレイミド系組成物。
    (D);重合促進剤
  5. 請求項4において、(D)成分がアニオン重合促進剤および/またはラジカル重合促進剤であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
  6. 請求項5において、アニオン重合促進剤が下記式(X)で表されるイミダゾール類であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
    Figure 2012201816
    (式(X)中、R(1)、R(2)、R(4)およびR(5)は、それぞれ独立に水素原子、または任意の置換基を表し、R(1)とR(2)、R(4)とR(5)、R(1)とR(5)は、それぞれ互いに結合してイミダゾール環に縮合する環を形成していてもよい。)
  7. 請求項6において、式(X)中、R(2)およびR(4)は、それぞれ独立に、メチル基または水素原子であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、ラジカル重合促進剤が有機過酸化物であることを特徴とするポリマレイミド系組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のポリマレイミド系組成物を含む繊維強化プリプレグ。
  10. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のポリマレイミド系組成物を硬化させてなる硬化物。
  11. 請求項9に記載の繊維強化プリプレグを硬化させてなる硬化物。
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