JP2012201694A - 染料、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
染料、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
更に、本発明は、前記着色樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタ、並びに高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することを課題とする。
【達成手段】下記式(I)で表される化合物からなることを特徴とする、染料。
Z−A+ (I)
(上記式(I)中、Z−は、ジスルホニルイミドアニオンを表す。A+は、カチオン染料を表す。
但し、Z−及びA+の少なくとも何れかには、架橋性基を有する。)
【選択図】なし
Description
例えば、カラー液晶表示装置には、一例として、ブラックマトリックス、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる着色層、透明電極および配向層を備えたカラーフィルタ基板と、薄膜トランジスタ(TFT素子)、画素電極および配向層を備えた対向電極基板と、これら両基板を所定の間隙をもたせて対向させ、シール部材で密封して、上記間隙に液晶材料を注入して形成された液晶層とから概略構成された透過型の液晶表示装置がある。また、上記のカラーフィルタの基板と着色層との間に反射層を設けた反射型の液晶表示装置もある。
また、(2)の白色有機ELとカラーフィルタとの組み合わせ方式および(3)のCCM方式は、同じ色に発光する有機EL素子を一種類使用すればよいので、上記(1)の方式の有機ELディスプレイにおけるように、各色の有機EL素子の特性を揃える必要が無く、工程数および材料の削減等が可能となり、製造コスト面でも注目を集めているフルカラー化方式である。
り、この場合には、明るさを確保するためにバックライトの光量を大きくしなければならず、ディスプレイの消費電力増大を招いてしまうという問題がある。
一方で、着色剤として染料を使用したカラーフィルタも依然開発が進められている。例えば特許文献1には、シー・アイ・アシッド・ブルー83(トリアリルアミン系色素)と、シー・アイ・ソルベント・ブルー67(銅フタロシアニン系色素)を有する青色フィルター層を設けたカラーフィルタが記載されている。
基)
更に、特許文献3にも特定構造で表される化合物(色素)を含有するカラーフィルタ
用着色樹脂組成物に関する記載がある。
そこで、本発明は、輝度と耐溶剤性とを両立したカラーフィルタを得られる染料、及び着色樹脂組成物を提供することを課題とする。
更に、本発明は、前記着色樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタ、並びに高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、下記式(I)で表される化合物からなることを特徴とする、染料、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
Z−A+ (I)
(上記式(I)中、Z−は、ジスルホニルイミドアニオンを表す。A+は、カチオン染料を表す。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
C.I.とは、カラーインデックスを意味する。
また、本発明の着色樹脂組成物は、(A)色材として前記染料、(B)溶剤、及び(C)バインダー樹脂、並びに、(D)モノマー、(E)光重合開始系、更に必要に応じて配合されるその他の成分を含む。
先ず、本発明の染料について説明する。
本発明の染料は、下記式(I)で表される化合物からなる染料である。
Z−A+ (I)
(上記式(I)中、Z−は、ジスルホニルイミドアニオンを表す。A+は、カチオン染料を表す。
(A+について)
A+は、カチオン染料を表す。
カチオン染料としては、本発明の効果を損わない限り特に制限はないが、例えば、「Industrial Dyes -Chemistry, Properties, Applications-(Wiley-VCH, 2003年、Klaus Hunger編集)」等に記載されている色材が挙げられる。より具体的には、トリアリールメタン類、シアニン類、スチリル類、アジン類等の色材骨格(Chromophore)を有する化合物
が挙げられ、所望する色により適宜選択することができる。
(Z−について)
Z−は、ジスルホニルイミドアニオンを表す。
また、ジスルホニルイミドアニオンは、いずれも可視領域に吸収がない。その為、色材(特に、カチオン染料)の色純度に影響を及ぼしにくく、得られる画素の色純度に影響し難い。
式(I)で表される化合物中、カチオン染料又はアニオンは、架橋性基を有する。
本発明における架橋性基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により近傍に位置するほかの分子の同一又は異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基のことをいう。
<架橋性基群T>
Ar33は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。)
中でも架橋性基としては、例えばエポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合によって架橋する基が好ましい。反応性が高く、溶剤に対する溶解性低下が容易なためである。中でも、カチオン重合の速度を制御しやすい点ではオキセタン基が特に好ましく、カチオン重合の際に素子の劣化を招く可能性のあるヒドロキシル基が生成しにくい点では、酸素原子を介してビニル基が結合するビニルエーテル基が好ましい。
<架橋性基群T’>
<効果を奏する理由>
本発明の構成とすることで、輝度と耐溶剤性とが両立するという効果が得られる理由について、下記の通り推測する。
この為、アニオンとしてジスルホニルイミドを含む染料で、更に架橋性基を有すると、染料自体の安定性が高いことより有効に働く架橋性基が多く、その結果、耐溶剤性が向上する効果の幅が大きく、つまりは、輝度と耐薬品性とが両立しうるものとなる。
前記式(I)で表される化合物は、色材の色濃度、輝度及び耐熱性が優れる点で、更に、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
尚、R11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよい。
A+は、前記式(I)におけると同義である。
R11及びR12は、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
該置換基としては、下記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボキシル基、スルホン酸アミド基、炭素数2〜9のスルホンアルキルアミド基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、ビニル基。
つまり、R11及びR12は、アニオンの電荷が分散されて、アニオンが安定化する点で、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基が好ましい。
A+は、前記式(II)におけると同義である。
但し、A+は、架橋性基を有する。)
n及びn’は、通常1〜8、好ましくは1〜4の整数である。
n及びn’は、同じでもよく、また異なっていてもよい。
nとn’とが違う場合のスルホニルイミドアニオンの具体例としては、ペンタフルオロエタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホンヘプタフルオロプロパンスルホンイミド、フルオロブタンスルホントリフルオロメタンスルホンイミド等が挙げられる。
ペンタフルオロエタンスルホン)イミドが特に好ましい。
また、A+は、前記架橋性基を有する。
一方、R11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよい。
環を形成している場合、R11及びR12は、特に炭素数2〜12のフルオロアルキレン基であることが好ましい。
Aは、前記式(II)におけると同義である。
但し、A+は、架橋性基を有する。)
n’’は、耐熱性の点で,好ましくは2〜8であり,さらに好ましくは3である。
n’’の数が小さい分子ほど、立体反発の影響が小さくなり、より強い相互作用が可能となる。即ち、n’’が小さいほど、アニオンとカチオンの相互作用が大きくなり、イオン対が安定化して耐熱性が向上するものと推測される。
以下に、前記式(I)中の、Z−、つまり、ジスルホニルイミドアニオンの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ジスルホニルイミドアニオンの具体例>
[式(III)で表される化合物について]
前記式(II)で表される化合物は、耐熱性に優れ、また得られる画素の、特に青色純度及び透過率が優れる点で、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
R1〜R6は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
隣接するR1〜R6同士が結合して環を形成してもよく、該環は、置換基を有していてもよい。
尚、R7及びR8は、互いに連結して環を形成していてもよい。
また、上記式(III)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。
R101及びR102は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又はフッ素原子を表す。
上記式(III)のカチオン構造式は、架橋性基を有する。
尚、一分子中に複数の
(R1〜R6について)
R1〜R6は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
R1〜R6におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であって、その炭素数が通常1以上、また、通常8以下、好ましくは5以下のものが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの1価以上の基が挙げられる。
隣接するR1〜R6同士が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。この環の具体例として、例えば以下のものが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。
1〜R6が、置換基を有していてもよいフェニル基である場合、共役系を延長することで、カチオン内の電荷が分散することで、カチオンが安定化するものと推測される。このように、カチオンが安定化した結果、得られるカラーフィルタの耐溶剤性がより優れる。
(R7及びR8について)
R7及びR8は、水素原子、又は任意の置換基を表す。該任意の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基などが挙げられる。
また、R7及びR8は、互いに連結して環を形成していてもよい。
R7及びR8同士が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよい。この環の具体例として、例えば以下のものが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよい。
また、得られるカラーフィルタが紫色であり、且つ高輝度である点から、互いに連結して環を形成している方が好ましい。
(R9及びR10について)
R9及びR10は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又はフッ素原子を表す。
R9とR10とが結合して形成される環の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
該置換基としては、例えば、前記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
また、上記式(III)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。
該ベンゼン環が有していてもよい置換基としては、例えば、前記(置換基群W)の項で記載したものが挙げられる。
式(III)のカチオン構造中、架橋性基は、R1〜R6に含まれていてもよく、ナフタレン環に置換基として有していてもよい。
(R21及びR22について)
R21及びR22は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
上記式(III)中のR21及びR22は、各々、前記式(II)中のR11及びR12と同義であり、その態様については、前記[式(II)について](R11及びR12について)の項で記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
前記式(III)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<具体例>
前記式(II)で表される化合物は、耐光性及び耐熱性,高い透過率を有するする点で、更に下記式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
R41〜R46は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。R41とR42、及びR43とR44は、各々互いに結合して環構造を形成していてもよい。
又、上記式(IV)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
上記式(IV)のカチオン構造式は、架橋性基を有する。
(R41〜R46について)
R41〜R46は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又
は置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。R41とR42、及びR43とR44は、各々互いに結合して環構造を形成していてもよく、更に該環は置換基を有していてもよい。
(R47及びR48について)
R47及びR48は、水素原子、又は任意の置換基を表す。該任意の置換基としては、前記R1〜R6に記載のものが挙げられる。
R47及びR48同士が結合して環を形成する場合、これらはヘテロ原子で架橋された環であってもよく、その具体例は、前記(式(III)で表される化合物について)(R47及びR48について)の項で記載のものと同様である。これらの環は置換基を有していてもよい。
また、得られるカラーフィルタが赤色であり、且つ高輝度である点から、互いに連結して環を形成している方が好ましい。
(架橋性基を含む位置)
式(IV)のカチオン構造中、架橋性基を含む位置としては、特に制限はないが、合成が容易である点で、R45及びR46が特に好ましい。
R31及びR32は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
尚、R31及びR32は、互いに結合して環を形成していてもよい。
前記式(IV)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<具体例>
前記式(II)で表される化合物は、耐熱性及び耐光性、透過率が高い点で、下記式(V)で表される化合物であることが好ましい。
Ar1及びAr2は、各々独立に、置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。nは、1〜5の整数を表す。)
(Ar1及びAr2について)
Ar1及びAr2は、各々独立に、置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;
フェノキシ基などのアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などのエステル結合を有する基;
メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、n−プロピルスルファモイル基、ジ−n−プロピルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル基、ジ−n−ブチルスルファモイル基などのアルキルスルファモイル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基などのアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素環基;カルボキシ基;シアノ基;ニトロ基;等によって置換されていてもよい。
nは、1〜5の整数を表す。
nは、耐熱性の点で、1〜5が好ましく、1〜3が特に好ましい。
上記式(V)で表される化合物は、カチオン部位において、シス−トランス異性体が存在するが、いずれの異性体であってもよい。
R301及びR302は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。
R51及びR52は、各々独立に、−O−、−S−、−N−、−Se−又は−CR303R304−を表す。
但し、R31及びR32が、−CR303R304−である場合、R303同士が、互いに結合して、環を形成していてもよい。該環は、置換基を有していてもよい。
環Y1及びY2は、各々独立に、置換基を有してもよいベンゼン環、又は置換基を有していてもよいナフタレン環を表す。)
(R301及びR302について)
R301及びR302は、各々独立に、置換基を有していてもよい、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。
−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基などの芳香族炭化水素環基;
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアルコキシ基;
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基;
さらには、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
R61及びR62は、各々独立に、−O−、−S−、−N−、−Se−又は−CR303R304−を表す。
R303及びR304は、各々独立に,水素原子、又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
R61とR62とが互いに結合して形成していてもよい環の、好ましい具体例としては、例えば以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
R303及びR304における脂肪族炭化水素基、R31及びR32が互いに結合して形成していてもよい環、並びに環Y1及びY2におけるベンゼン環及びナフタレン環が有していてもよい置換基としては、前記R301及びR302における脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基が挙げられる。
また、前記式(V)で表される化合物は、例えば、R301〜R302並びにR61及びR62から、リンカーを伸ばして、2量体や3量体などを形成していてもよい。
尚、上記式(V)で表される化合物は、カチオン部位(括弧内で表される部分構造)において、シス−トランス異性体が存在するが、いずれの異性体であってもよい。
本発明の着色樹脂組成物中の前記式(I)で表される化合物の含有量は、全固形分中、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、特に好ましくは5重量%以上、また通常50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下である。
尚、前記式(I)で表される化合物の、着色樹脂組成物(特に該組成物中に含まれる溶剤)への溶解性が低い場合には、後述する任意成分である顔料と同様に、分散剤などを使用して組成物中へ分散させて使用してもよい。しかし、液晶表示装置に適用した場合のコントラストの高さ等の点からは、前記式(I)で表される化合物は、着色樹脂組成物中に溶解した状態で存在することが好ましい。
尚、(A)色材は、前記式(I)で表される化合物の他に、下記[その他の色材]の項で挙げたその他の染料及び後述の(F)顔料を含有していてもよく、本発明の着色樹脂組成物中における全(A)色材の含有量は、全固形分に対し、通常1重量%以上、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
本発明の着色樹脂組成物において、前記式(I)で表される化合物の含有量が、通常、(A)色材全量に対し、5重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である。
上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる点で好ましい。
[その他の色材]
本発明の着色樹脂組成物は、(A)色材として前記式(I)で表される化合物を含むが、本発明の効果を損わない限り、その他の染料を含んでいてもよい。
らは、架橋性基を有していなくてもよい。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11,C.I.アシッドオレンジ7,C.I.アシッドレッド37,C.I.アシッドレッド180,C.I.アシッドブルー29,C.I.ダイレクトレッド28,C.I.ダイレクトレッド83,C.I.ダイレクトイエロー12,C.I.ダイレクトオレンジ26,C.I.ダイレクトグリーン28,C.I.ダイレクトグリーン59,C.I.リアクティブイエロー2,C.I.リアクティブレッド17,C.I.リアクティブレッド120,C.I.リアクティブブラック5,C.I.ディスパースオレンジ5,C.I.ディスパースレッド58,C.I.ディスパースブルー165,C.I.ベーシックブルー41,C.I.ベーシックレッド18,C.I.モルダントレッド7,C.I.モルダントイエロー5,C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3,C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33,C.I.ア
シッドイエロー3,C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1,C.I.アシッドオレンジ3,C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
更に、シアニン系染料としては、例えば、特願2010−142748に記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
本発明の着色樹脂組成物は、(A)色材として前記式(I)で表される化合物のみを含有してもよく、前記その他の染料以外に、耐熱性及び耐光性の向上の点から、(F)顔料を含有することが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が、特に青色の着色樹脂組成物である場合、用いられる顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ピグメントブルー15:6を用いることが特に好ましい。
[(B)溶剤]
本発明の着色樹脂組成物は、(B)溶剤を含有する。溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
このような溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
上記に該当する市販の溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1およびNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
上記溶剤中、前述の本発明に係る(A)色材の溶解性の点から、グリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。中でも、特に組成物中の各種構成成分の溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
また、例えば任意成分として前記(F)顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。なお、顔料を含む組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
50℃以上の沸点をもつ溶剤を併用することも好ましい。この場合、このような高沸点溶剤の含有量は、(B)溶剤全体に対して3〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。高沸点溶剤の量が少なすぎると、例えばスリットノズル先端で色材成分などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こす可能性があり、また多すぎると組成物の乾燥速度が遅くなり、後述するカラーフィルタ製造工程における、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を惹き起こすことが懸念される。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50重量%以上であることが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤の含有量に特に制限はないが、その上限は通常99重量%とする。
上記範囲内であると、塗布膜を形成するのに十分でるため好ましい。
[(C)バインダー樹脂]
(C)バインダー樹脂は、硬化手段により好ましい樹脂は異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c)で表されるものが好ましい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
(C)バインダー樹脂の含有量は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
[(D)重合性モノマー]
本発明の着色樹脂組成物は、(D)重合性モノマーを含有することが好ましい。
(D)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
(D)重合性モノマーにおけるエチレン性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
ル酸エステルの(メタ)アクリル酸部分を、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(D)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。こ
の多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
また、(D)重合性モノマーの前記(A)色材に対する比率は、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、また、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。
[(E)光重合開始系及び/又は熱重合開始系]
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始系及び/又は熱重合開始系を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい。光重合開始系は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら(E1)光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号、特開昭54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号、特開昭59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始系の含有量は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。
(熱重合開始系)
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい熱重合開始系(熱重合開始剤)の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の熱重合開始剤を用いることができる。
[任意成分]
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸及び/又
は有機カルボン酸無水物、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。また、色材として顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007−113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、前記(A)色材、及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及びその他の添加剤と共に混合することで調製できる。
また、(A)色材として(F)顔料を含む場合の調製方法としては、(F)顔料を含む(A)色材を溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色分散液を調製する。該着色分散液に、(C)バインダー樹脂、(A)色材、必要に応じて、(D)重合性モノマー、(E)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤、などの添加剤を添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解又は分散された状態である。この着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタとしての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などに
よる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
画素を形成する際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−・ジ−・又はトリ−エタノールアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−メチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−エチルアミン、モノ−・又はジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
た、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソグラフィー法による柱構造(フォトスペーサー)を形成することもある。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを含む有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
[染料の合成]
(化合物Aの合成)
化合物2(5.02g、20mmol)、化合物1(14ml、80mmol)、t−ブトキシナトリウム(7.53g,80mmol)、トルエン(100ml)、酢酸パラジウム(II)(0.55g,2.45mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン (1
0%ヘキサン溶液、10g、4.94mmol)の混合物を窒素下で10時間加熱還流した。室温に冷却後、水を加えセライトで濾過し、濾液をトルエンで抽出し、水で洗浄した。トルエン層を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル500g、ヘキサン/酢酸エチル10/1−8/1−6/1)で精製し、得られた粉末を冷メタノ
ールで洗浄して化合物A(4.59、収率53%)を得た。
(化合物Bの合成)
化合物3(5.8g、30mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(50ml)の混合物を氷浴で冷却し、60%水素化ナトリウム(1.57g,36mmol)を加え、10分撹拌した。化合物4(5.1ml,36mmol)を滴下し、そのまま30分撹拌した。室温に戻しながら2時間撹拌した。温浴45℃で、1時間加熱撹拌した。氷冷して水でクエンチし、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で2回洗った。無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧濃縮した。ヘキサンを加え生じた結晶を濾取して、化合物B(7.16g,収率77.1%)を白色粉末で得た。
(化合物Cの合成)
化合物3(6g,31.1mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(85ml)の混合物を氷浴で冷却し、60%水素化ナトリウム(1.63g、37.3mmol)を加え、10分撹拌した。化合物5(5.65ml、37.3mmol)を滴下し、そのまま10分撹拌した。室温に戻しながら1時間撹拌した。温浴40℃で3時間撹拌した。氷冷
して水を加え、トルエンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)で精製した。得られた結晶をヘプタンで洗浄して、化合物6(9.1g,収率91%)を白色粉末として得た。
化合物6(6.5g、0.02mol)、メタノール(200ml)を容器にいれ、50℃に加熱し溶解した。1mol/lHCL水溶液(20ml、0.02mol)を滴下
した。1時間後TLCにて脱保護チェックを確認し、放冷した。炭酸水素ナトリウム水溶液に滴下し、塩化メチレンにて抽出を実施した。半量(85ml)程まで濃縮し1N/NaOH(10ml)、水(250ml)に添加した。さらに塩化メチレン(100ml)を添加し抽出、濃縮した。カラムクロマト(シリカゲル60酸性(210g)、クロロホルム展開溶媒)精製を実施し、化合物7(4.805g、収率100%)を得た。
化合物7(2.55g、0.0107mol)、テトラヒドロフラン(50ml)を容器に入れ、氷冷で系内を5℃以下にした。トリエチルアミン(2.17g、0.0215mol)を5分かけて滴下した。さらに、メタクリルクロライド(2.23g、0.0215mol、TCI)を12分かけて滴下した。系内は滴下すると白濁し、トリエチルアミン塩酸塩が沈殿してきた。3時間後塩をろ過して除去し、THF溶液側は熱をかけずに濃縮した。カラムクロマト(シリカゲル60酸性 酢酸エチル/ヘキサン=3/7dry
カラム塩化メチレンにて作成)で精製し、oil状の化合物C(2.7g、収率82.8%)を得た。
(化合物Dの合成)
化合物3(5.8g、30mmol) とN,N−ジメチルホルムアミド(50ml)
の混合物を氷浴で冷却し、60%水素化ナトリウム(1.57g、36mmol)を加え、10分撹拌した。化合物8(6.5ml、36mmol)を滴下し、そのまま30分撹拌した。室温に戻しながら1時間撹拌した。温浴45℃で、2時間加熱撹拌した。氷冷して水を加え、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で2回洗った。無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=3/1 - 1/1)で精製し、化合物9(2.19g、 収率20.9%) を薄黄色オイ
ルとして得た。
化合物9(2.11g、5.7mmol)、メタノール(50ml)を反応容器にいれ、水バスで50℃加熱攪拌した。1mol/L塩酸(5.72ml、5.7mmol)を滴下し2時間反応した。NaHCO3飽和液(200ml)に添加した。pH9までアルカリ性になったので1mol/l塩酸を加えてpH6まで調整した。クロロホルム抽出をし、濃縮した。その後後、カラムクロマト(シリカゲル60酸性100g、クロロホルム)で精製し化合物10(収量1.063g、収率70.35%)を得た。
化合物10(1.0g、3.77mmol)、テトラヒドロフラン(25ml)を容器に入れ、氷冷で系内を5℃以下にした。トリエチルアミン(0.768g、7.54mm
ol)を5分かけて滴下した。さらに、メタクリルクロライド(0.784g、7.54mmol)を5分かけて滴下した。系内は滴下すると白濁し、トリエチルアミン塩酸塩が沈殿してきた。室温で1.5時間反応後塩をろ過して除去し、THF溶液側は熱をかけずに濃縮した。NMRにて化合物Dであることを確認した。 oil状の化合物D(1.55g、収率100%)を得た。
(合成例1:色材1の合成)
化合物A(2.1g、6.46mmol)、化合物B(2.0g、6.46mmol)、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン(72mg、0.323mmol)および
トルエン(35ml)の混合物にオキシ塩化リン(0.9ml、9.69mmol)を加え、5時間加熱還流した。水を加え、クロロホルム抽出して、有機層を飽和食塩水で3回
洗った。減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=
10/1−8/1)で精製し、化合物E(3.06g、収率72.6%)を得た。
化合物E(365mg、0.56mmol)、リチウム=ビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミド(161mg、0.56mmol)、メタノール(25ml)の混合物を50℃で1時間撹拌した。減圧濃縮し、得られた固体を、メタノール/水=1/2で洗浄して、色材1(410mg、収率81.6%)を得た。
(合成例2:色材2の合成)
圧空ブロー下、反応容器に化合物A(1.6g,4.94mmol)、化合物C(1.5g,4.94mmol)、トルエン(10ml)を入れ、氷冷で5℃以下まで冷却した。内温1−2℃時、オキシ塩化リン(0.98g、6.42mmol)を5分かけて滴下した。冷却のまま1時間攪拌し、さらに室温下で5時間反応した。反応後、水、酢酸エチルで抽出分離。有機層を濃縮した。固化したのでヘキサン洗浄を2回実施した。カラムクロマト(シリカゲル60酸性100g、塩化メチレン→塩化メチレン/メタノール=8/
2展開溶媒)精製を実施、濃縮後乾燥し、oil状で化合物F(1.03g、収率32.2%)を得た。
反応容器に前述の化合物F(1.0g、1.545mmol)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(0.443g、1.545mmol)メタノール(30ml)を仕込み、水バスで50℃設定にし、2時間攪拌した。その後減圧濃縮し、タール状固形物に数回(各回40ml程)EtOHをいれ、濃縮を繰り返しさらに40℃真空乾燥機で乾燥しその後、固体をかきとった。メタノール/水=1/2で洗浄、ろ過、ヘキサンをふりかけ乾燥した。真空乾燥後、色材2(1.022g、収率74%)を得た。
(合成例3:色材3の合成)
圧空ブロー下、反応容器に化合物A(1.46g、4.5mmol、TCI)、化合物D(1.5g,4.5mmol)、トルエン(10ml)を入れ、氷冷で5℃以下まで冷却した。内温1−2℃時、オキシ塩化リン(1.035g、6.75mmol)を5分かけて滴下した。冷却のまま1時間攪拌し、さらに室温下で2時間反応した。さらに80℃
で5時間加熱攪拌を実施した。反応終了後、水、クロロホルムで抽出分離。有機層を濃縮した。カラムクロマト(シリカゲル60酸性150g、クロロホルム→クロロホルム/メタノール=15/1展開溶媒)精製を実施、濃縮後乾燥。oil状で化合物G(0.92g、収率30.5%)を得た。
反応容器に前述の化合物G(0.9g、1.33mmol)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(0.382g、1.33mmol)、メタノール(30ml)を仕込み、水バスで50℃設定にし、1.5時間攪拌した。反応後溶媒濃縮し、十分真空で乾燥したのち、固形分をかきとり粉状にした。メタノール/水=1/2で洗浄、ろ過を行った後、粘度の高い塊を一度エタノールで溶解し、溶媒除去、十分乾燥し、冷蔵庫に数十分いれたのち、再度固形分をかきとり粉状にし、メタノール/氷水=1/2で攪拌し、冷却を保ちつつろ過した。35℃真空乾燥し、色材3(1.05g、収率85.7%)を得た。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10重量部、グリシジルメタクリレート85.2重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA−513M)66重量部を滴下し、および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容
器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたバインダ樹脂のGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400 酸価80mgKOH/gであった。
(青色顔料分散液(1)の調製)
青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6を11.36重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.5重量部、前記ビックケミー社製分散剤「ディスパービック2000」を固形分換算で3.02重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ215.7重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて青色顔料分散液(1)を調製した。
青色顔料としてC.I.ピグメントブルー15:6とバイオレット23を9.20:3.81となる重量比で11.36重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.5重量部、前記ビックケミー社製分散剤「ディスパービック2000」を固形分換算で3.02重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ215.7重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて青色顔料分散液を調製した。
前記(染料の合成)で得られた染料及び青色顔料分散液を用い、表1に記載された組成となるように他の成分を混合して、着色樹脂組成物を調製した。
尚、表1中の数値は、いずれも添加する各成分の重量部を表す。
混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
又、表1中の各化合物は、各々以下の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
[着色樹脂膜の製造及び耐溶剤性の評価]
5cm角に切断したガラス基板上に、上記各着色樹脂組成物をスピンコート法により乾燥後のy値が0.085となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて
80℃3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光し、クリーンオーブンにて230℃30分焼成した。その後、分光光度計U−3310(日立製作所製)にて、分光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)を算出した。
続いて、上記基板について、PGMEAに30分浸漬した後、上記同様、分光透過率を測定し、XYZ表色系における色度(C光源)を算出した。浸漬後の色度との色差(ΔE*ab)、即ち耐溶剤性を測定した結果をまとめて表2に示す。
より具体的には、比較例1は、色材の主成分として顔料(C.I.P.B15:6及び
C.I.P.V23)を用いており、耐溶剤性が4以下であるが、輝度がほぼ頭打ちとなり、輝度向上の要求には対応できるものではなかった。
つまり、本発明の染料を用いることで、輝度向上の要求にも対応しうるものである。
Claims (12)
- 下記式(I)で表される化合物からなることを特徴とする、染料。
Z−A+ (I)
(上記式(I)中、Z−は、ジスルホニルイミドアニオンを表す。A+は、カチオン染料を表す。
但し、Z−及びA+の少なくとも何れかには、架橋性基を有する。) - 前記式(I)で表される化合物が、更に下記式(III)で表される化合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
R1〜R6は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
隣接するR1〜R6同士が結合して環を形成してもよく、該環は、置換基を有していてもよい。
R7及びR8は、水素原子、又は任意の置換基を表す。
尚、R7及びR8は、互いに連結して環を形成していてもよい。
また、上記式(III)中のベンゼン環は、更に任意の置換基を有していてもよい。
R101及びR102は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよ
いアリール基、又はフッ素原子を表す。
或いはR101とR102とが結合し、環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
上記式(III)のカチオン構造式は、架橋性基を有する。
尚、一分子中に複数の
- 前記式(I)で表される化合物が、更に下記式(IV)で表される化合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
R41〜R46は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。R41とR42、及びR43とR44は、各々互いに結合して環構造を形成していてもよい。
R47及びR48は、各々独立に、水素原子、又は任意の置換基を表す。R47及びR48は、互いに結合して環を形成していてもよい。
又、上記式(IV)中のベンゼン環及びインドール環は更に任意の置換基を有していてもよい。
上記式(IV)のカチオン構造式は、架橋性基を有する。
尚、1分子中に複数の
- (A)色材、(B)溶剤、及び(C)バインダー樹脂を含有し、
(A)色材が請求項1〜5のいずれか一項に記載の染料を含有することを特徴とする、着色樹脂組成物。 - 更に、(D)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項6に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(E)光重合開始系及び/又は熱重合開始系を含有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(A)色材が、(F)顔料を含有することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項6〜9のいずれか一項に記載着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 請求項10に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
- 請求項10に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
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