JP2012201660A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラネキサム酸又はその塩と酸化亜鉛とを共存させてもトラネキサム酸の結晶析出が抑制された油中水型乳化化粧料を提供する。またトラネキサム酸の結晶析出防止方法を提供する。
【解決手段】(a)トラネキサム酸またはその塩 1.0〜5.0質量%と、(b)シリカ被覆酸化亜鉛 3.0〜30.0質量%と、(c)水 10.0〜40.0質量%を含むものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は油中水型乳化化粧料に関し、より詳しくは、美白効果と日焼け止め効果とを併せ有する油中水型乳化化粧料に関するものである。
日光からの紫外線の刺激は皮膚のメラニン色素の生成を促し、これが皮膚内に異常沈着すると、しみやソバカスの原因となる。こうした日焼けによるしみ・ソバカスを防止するために、従来より美白剤を塗布することが行われている。しかしながら、美白剤は日焼け後の美白効果はあるが、日焼け止めとしての効果はない。
そこで、美白剤と紫外線防御剤とを併用することが考えられる。紫外線防御剤としては、微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛が好ましいものとして挙げられるが、中でも微粒子酸化亜鉛は肌に適用した時に白くならず、好ましいものである。
しかしながら、美白剤としてトラネキサム酸を配合した場合には、日焼け止め作用のある酸化亜鉛を併用しようとするとトラネキサム酸の結晶が析出し、安定性の点で問題があった。そしてかかる問題点は、耐水性に優れる油中水型乳化タイプにした時に、特に顕著であった。
美白剤と日焼け止め作用のある酸化亜鉛とを併用する場合については、疎水化処理した酸化亜鉛を使用することで高温や光による変色を防止できることが知られている(特許文献1)が、トラネキサム酸の結晶析出を防止するための技術は未だ知られていなかった。
特開2002−128677
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたもので、トラネキサム酸と酸化亜鉛とを高濃度で共存させても結晶析出のない油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。
本発明者等は、このような現状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、酸化亜鉛表面を特定の材料で被覆することによりトラネキサム酸の結晶析出が抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、次の(a)〜(c)を含むことを特徴とする油中水型乳化化粧料である。
(a)トラネキサム酸またはその塩 1.0〜5.0質量%
(b)シリカ被覆酸化亜鉛 3.0〜30.0質量%
(c)水 10.0〜40.0質量%
また本発明は、トラネキサム酸またはその塩と酸化亜鉛とを含む油中水型乳化化粧料におけるトラネキサム酸の結晶析出防止方法であって、
酸化亜鉛としてシリカ被覆酸化亜鉛を用いることを特徴とするトラネキサム酸の結晶析出防止方法である。
本発明の油中水型乳化化粧料は、トラネキサム酸またはその塩が酸化亜鉛と共に安定的に共存していてトラネキサム酸の結晶析出がなく、トラネキサム酸による美白効果と酸化亜鉛による日焼け止め効果とを併せ有するもので、日焼け止め化粧料として最適なものである。
本発明のトラネキサム酸の結晶析出防止方法によれば、トラネキサム酸と酸化亜鉛を共存させた油中水型乳化系において、水に対するトラネキサム酸濃度を高くしてもトラネキサム酸の結晶析出を有効に防止することができる。また美白剤であるトラネキサム酸と、紫外線散乱剤である酸化亜鉛とを含む油中水型乳化製剤の処方の自由度が広がり、例えばのびのよい低粘度のサンスクリーンを提供できるなど、種々の製剤化が可能である。
以下、本発明について詳述する。
((a)トラネキサム酸またはその塩)
本発明で用いられる(a)トラネキサム酸またはその塩のうち、トラネキサム酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
(a)トラネキサム酸またはその塩の配合量は、油中水型乳化化粧料全体に対して1.0〜5.0質量%であり、1.0〜3.0質量%が好ましい。トラネキサム酸またはその塩の配合量が1.0質量%未満では美白効果に乏しく、5.0質量%を超えると結晶析出し易くなる。
((b)シリカ被覆酸化亜鉛)
本発明において用いられるシリカ被覆酸化亜鉛は、平均粒子径が、0.01〜0.1μm、好ましくは平均粒子径が0.01〜0.05μmの微粒子酸化亜鉛の粉体粒子に、厚さ約1〜10nm、好ましくは厚さ1〜4nmのシリカ被覆が施されてなる複合粉体である。また被覆量でいえば、酸化亜鉛に対して7〜25質量%のシリカが被覆されていることが好ましい。
本発明において用いることが可能な微粒子酸化亜鉛の市販品としては、例えば、FINEX−25、FINEX−50、FINEX−75(以上、堺化学工業社製)、ZnO350(住友大阪セメント社製)、ZINCOX SUPER−10、ZINCOX SUPER−20R、ZINCOX SUPER−30(以上、白水化学工業社製)、Z−COTE(Sun Smart社製)等が挙げられる。
シリカ被覆酸化亜鉛は、上記の微粒子酸化亜鉛を用いて、常法により得ることができる。具体的には、例えば、上記の微粒子酸化亜鉛を、その水溶液中で、サンドグラインダーミル等を用いて、高度の分散状態を保ったまま、ケイ酸ソーダを添加、中和して、微粒子酸化亜鉛の粉体粒子の表面に、無水ケイ酸を均一に被覆することにより、シリカ被覆酸化亜鉛を得ることができる。また、上記の微粒子酸化亜鉛を、有機溶媒中で高度に分散した後、アルコキシシランを添加して、微粒子酸化亜鉛の粉体粒子の表面に、無水ケイ酸を均一に被覆することによっても、シリカ被覆酸化亜鉛を得ることができる。なお、微粒子酸化亜鉛におけるシリカ被覆は、シリカ被覆酸化亜鉛全体に対して、無水ケイ酸が、好適には5〜30質量%、特に好適には10〜23質量%の質量割合で被覆されるように行われる。
このようにして、油中水型乳化化粧料に含有させるシリカ被覆酸化亜鉛を得ることができる。得られたシリカ被覆酸化亜鉛はそのまま使用しても良いが、さらに疎水化処理して用いることが好ましい。
酸化亜鉛の疎水化処理としては、脂肪酸デキストリン処理、シリコーン処理、ジメチコーン処理、脂肪酸処理等が挙げられる。このうち特に、ジメチコーン処理したシリカ被覆酸化亜鉛が好ましい。
シリカ被覆酸化亜鉛の平均粒径は、0.01〜0.06μmであることが好ましい。
本発明で用いられるシリカ被覆酸化亜鉛としては、例えばActivox C80(シリカ被覆酸化亜鉛(無水ケイ酸含量20%):エレメンティス社製)の表面をジメチコーン処理したもの(ジメチコーン含量3%)が挙げられる。
酸化亜鉛は紫外線散乱効果により日焼け防止効果を発揮するが、美白剤であるトラネキサム酸を共に配合すると、酸化亜鉛表面と、または酸化亜鉛から一部溶出した亜鉛とトラネキサム酸とが反応してトラネキサム酸亜鉛となり、結晶析出する。結晶の析出は耐水性に優れる油中水型乳化タイプにおいて顕著であった。このため亜鉛(すなわち酸化亜鉛)が多く配合された系でトラネキサム酸を安定に配合した油中水型乳化化粧料とすることは従来の技術では困難であった。
本発明においては、表面を均一にシリカ被覆した酸化亜鉛を用いることで酸化亜鉛の表面が均一にシリカで覆われ、亜鉛イオンの溶出あるいは表面活性が抑えられてトラネキサム酸亜鉛が形成されず、結晶析出のない安定な油中水型乳化化粧料が得られる。
本発明におけるシリカ被覆酸化亜鉛は、油中水型乳化化粧料中に3.0〜30.0質量%配合するのが好ましく、さらに好ましくは10.0〜20.0質量%である。3.0質量%未満では日焼け止め効果が不十分であり、またもともと本発明が比較的酸化亜鉛を多量配合した時の問題点を解決することにあるのに、その課題があまりなくなる。30.0質量%を超えると白さが目立ち、基剤の安定性が悪くなる。
((c)水)
本発明の油中水型乳化化粧料は、トラネキサム酸に対する水の配合量が少ない場合であっても酸化亜鉛と共存させたときの結晶析出を抑えることができる。このため、低粘度の油中水型乳化化粧料とすることが可能で、肌に適用した時ののびがよく、サンスクリーン剤とするのに最適である。例えば、酸化亜鉛が10質量%以上であってもトラネキサム酸に対して7倍量(質量比)以上の水さえあれば結晶化が起こらない。
このため、高濃度の酸化亜鉛やトラネキサム酸を配合した低粘度の油中水型乳化化粧料、例えば900〜4000mPa・sの油中水型乳化化粧料の調製が可能である。勿論、粘度の高いクリーム剤型も本発明に含まれる。
而して、本発明の油中水型乳化化粧料において、水の配合量は、10〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜30質量%である。本発明の油中水型乳化化粧料では、トラネキサム酸に対する水の量を少なくしてもトラネキサム酸の結晶析出がなく、安定性の良いものである。
トラネキサム酸に対して水の量は、7〜20倍(質量比)であることが好ましく、特に10〜15倍(質量比)で用いることが有利である。
本発明の油中水型乳化化粧料は水の配合量を抑えることができることにより、トラネキサム酸と酸化亜鉛を高配合した低粘度の製剤が可能となった。
本発明の油中水型乳化化粧料は、例えば、クリーム、乳液、ローション等の製品形態が挙げられ、日焼け止め化粧料やメーキャップ化粧料、あるいはスキンケア効果とメーキャップ効果を兼ねたBBクリームとしての用途が挙げられる。その中でもローションタイプのサンスクリーンが好適である。
本発明においては、前記の必須成分に加えて、他の紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、亜硫酸およびその塩、亜硫酸水素およびその塩、チオ硫酸およびその塩、ピロ硫酸およびその塩などを配合することにより、一層の紫外線防止効果や安定化の向上を図ることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料には、上記必須成分の他に通常化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、マイカ、タルク、シリコーン、ナイロン、セルロース等の粉末成分、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ油、ヤシ油、スクワラン、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、シリコーン油、フッソ油、流動パラフィン、セレシン、ワセリン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、エチルヘキサン酸グリセリン、エチルヘキサン酸セチル、モノオレイン酸グリセリル等の油分、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール、コレステロール、フィトステロール等のステロール、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール等の保湿剤、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、モンモリロナイト、ラポナイト等の増粘剤、エタノール等の有機溶剤、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等の酸化防止剤、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、ヘキサクロロフェン等の抗菌防腐剤、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸およびこれらのアルカリ金属塩と塩酸塩、アシルサルコシン酸(例えばラウロイルメチルサルコシンナトリウム等)、グルタチオン、リンゴ酸等の有機酸、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH,パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランチン、プラセンタエキス、感光素、トラネキサム酸等の各種薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ等の植物の有機溶媒、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコール等で抽出した天然エキス、色素、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の非イオン性界面活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、香料等を配合することができる。
また本発明によれば、トラネキサム酸又はその塩と酸化亜鉛とを油中水型乳化化粧料中に共存させるに際し、酸化亜鉛としてシリカ被覆酸化亜鉛を用いることを特徴とするトラネキサム酸の結晶析出防止方法が提供される。
本発明のトラネキサム酸の結晶析出防止方法では、(a)トラネキサム酸またはその塩を1.0〜5.0質量%、(b)シリカ被覆酸化亜鉛を3.0〜30.0質量%、(c)水を10.0〜40.0質量%とすることが好ましく、特に水の配合量をトラネキサム酸に対して10〜15倍(質量比)とすることが好適である。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
最初に、実施例で用いた試験法、評価法について説明する。
(1)安定性試験
トラネキサム酸および酸化亜鉛を配合した各試料に対して70℃の恒温槽で4週間放置し、それぞれ3日後、10日後、2週間後、3週間後、4週間後の試料の結晶析出の有無を以下のように評価した。
(判定)
○:針状結晶析出なし。
×:針状結晶析出あり。
(2)粘度
各試料の、試料調製直後と、4週間,25℃で放置した時についての粘度を下記の方法で測定した。単位は、mPa・sである。
(粘度の測定方法)
VDA型粘度計(芝浦システム株式会社 DIGITAL VISMETRON VDA)を用いて、ローターNo.3またはNo.4を使用し、回転数12rpm、1分間の条件で測定した。
(3)使用性
専門パネル20名により、各試料塗布時の使用性を評価した。
○:使用性がよいと評価したパネルが15名以上
△:使用性がよいと評価したパネルが8名以上14名以下
×:使用性がよいと評価したパネルが7名以下
(4)製剤安定性
各試料を4週間,25℃で放置した時のゲル化の有無を評価した。
○:ゲル化しなかった。
×:ゲル化した。
試験例1〜20
表1、表2に示す処方でサンスクリーンを調製し、結晶析出の有無、粘度、使用性、製剤安定性を上記の方法にしたがって評価した。その結果を併せて表1、表2に示す。検討処方は常法により製造した。
Figure 2012201660
Figure 2012201660
※1:KF6017(信越化学工業社製)
※2:パルソール1789(DSM ニュートリションジャパン社製)
※3:ベントン38(エレメンティス スペシャリティーズ社製)
※4:WSX−MZ−700(テイカ社製)(パルミチン酸デキストリン含量7%)
※5:Activox C80(エレメンティス社製)の表面をジメチコーン処理したもの(ジメチコーン含量3%)
表中、試験例1〜4(パルミチン酸デキストリン処理酸化亜鉛を配合)および試験例5〜8(ジメチコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛を配合)の結果から、試験例5〜8では50〜20質量%(トラネキサム酸の10〜25倍量)の水配合のいずれにおいても4週間後の結晶析出がないのに対し、試験例1〜4では試験例3で30質量%(トラネキサム酸の15倍量)の水配合で2週間後の結晶析出が、試験例4で20質量%(トラネキサム酸の10倍量)の水配合で3日後には結晶析出が生じている。
酸化亜鉛の配合量を変えた試験例9〜14(パルミチン酸デキストリン処理酸化亜鉛を配合)と試験例15〜20(ジメチコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛を配合)との比較においても本発明のジメチコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛を用いたサンスクリーンは結晶の析出を有意に抑えることができた。
このように、本発明によれば、酸化亜鉛としてシリカ被覆酸化亜鉛を用いることで、トラネキサム酸と酸化亜鉛を共存させた製剤における結晶の析出を顕著に抑えることができるので、トラネキサム酸の結晶析出防止方法として有効である。
試験例21、22
表3に示す油中水型クリームを常法により調製し、上記の方法により結晶析出の有無を評価した。その結果を併せて表3に示す。
Figure 2012201660
試験例23、24
表4に示す水中油型クリームを常法により調製し、上記の方法により結晶析出の有無を評価した。その結果を併せて表4に示す。
Figure 2012201660
※6:セロゲンF−SR(第一工業製薬社製)
※7:KSG−210(信越化学工業社製)
※8:ケルトロール(ケルコ社製)
※9:ニッコールBB−20(日本サーファクタント工業社製)
※10:エセラン200(日本精化社製)
※11:シリコーンKF−96A−6CS(信越化学工業社製)
※12:パルソールMCX(DSMニュートリションジャパン社製)
表3および表4の結果から、トラネキサム酸の結晶析出は、水中油型乳化化粧料の場合よりも油中水型乳化化粧料の場合に顕著であることがわかる。
以下に、本発明の油中水型乳化化粧料の実施例を挙げる。本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
実施例1(サンスクリーン)
ジメチルポリシロキサン 5 質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
トリメチルシロキシケイ酸 5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2
ジプロピレングリコール 5
ジメチコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛 12
トラネキサム酸 3
グリチルリチン酸ジカリウム 0.02
サリチル酸 0.5
グルタチオン 1
チオタウリン 0.05
クララエキス 1
パラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
エデト酸三ナトリウム 適量
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7.5
イソステアリン酸ソルビタン 1
球状ポリアクリル酸アルキル粉末 5
ブチルエチルプロパンジオール 0.5
精製水 残余
香料 適量
実施例2(下地クリームタイプ)
ジメチルポリシロキサン 3 質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
トリメチルシロキシケイ酸 1
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2
ジメチコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛 20
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 5
スクワラン 1
酸化チタン 1
タルク 2
ステアリン酸アルミニウム 0.5
トラネキサム酸 1
トラネキサム酸メチルアミド塩酸塩 1
油溶性甘草エキス 0.5
エデト酸3Na 適量
パラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.8
球状ナイロン粉末 1
デキストリン脂肪酸被覆黄酸化鉄 2
デキストリン脂肪酸被覆黒酸化鉄 0.2
精製水 残余
実施例3(ノンケミカルサンスクリーン)
ジメチルポリシロキサン 2 質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 10
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.5
トリメチルシロキシケイ酸 1
1,3−ブチレングリコール 5
スクワラン 0.5
タルク 5
トラネキサム酸 2
アスコルビン酸グルコシド 2
酢酸トコフェロール 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン 1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
シリコーン被覆微粒子酸化チタン(40nm) 4
ジメチコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛 7
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
球状ポリエチレン末 3
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
香料 適量
実施例4(ファンデーション)
ジメチルポリシロキサン(6mPas) 2 質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 40
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2
1,3−ブチレングリコール 5
スクワラン 0.5
イソステアリン酸 0.5
ステアリン酸 0.5
ジメチコーン処理シリカ被覆酸化亜鉛 3
微粒子酸化チタン(30nm) 12
ステアリン酸アルミニウム 1
トラネキサム酸 1
4−メトキシサリチル酸カリウム 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
D−δ−トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
フェノキシエタノール 適量
エデト酸3ナトリウム 適量
パルミチン酸デキストリン被覆黄酸化鉄 0.4
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.3
精製水 残余
トリメチルシロキシケイ酸 1.5
球状ポリエチレン末 5
酸化アルミニウム 0.2

Claims (4)

  1. 次の(a)〜(c)を含むことを特徴とする油中水型乳化化粧料。
    (a)トラネキサム酸またはその塩 1.0〜5.0質量%
    (b)シリカ被覆酸化亜鉛 3.0〜30.0質量%
    (c)水 10.0〜40.0質量%
  2. 前記シリカ被覆酸化亜鉛が、疎水化処理シリカ被覆酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
  3. 水の配合量がトラネキサム酸またはその塩に対して10〜15倍(質量比)であることを特徴とする請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
  4. トラネキサム酸またはその塩と酸化亜鉛とを含む油中水型乳化化粧料におけるトラネキサム酸の結晶析出防止方法であって、
    酸化亜鉛としてシリカ被覆酸化亜鉛を用いることを特徴とするトラネキサム酸の結晶析出防止方法。
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