まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図4は、パチンコ遊技機を開放した状態を示す斜視図である。図5は、遊技盤ユニットを示す分解斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図1、図2及び図4に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
図4に示すように、遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された合成樹脂製の盤面板200と、所定の厚み幅寸法を有し、盤面板200を取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材250と、から構成され、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット49等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられる遊技用部品ユニット310が一体的に組み付けられている(図5参照)。
遊技盤6と遊技用部品ユニット310とが一体的に組み付けられた遊技盤ユニット300(図5参照)を前面枠101の前面に取り付けるには、遊技盤6の左端部を図中太矢印に示すように、前面枠101に形成された縦長長方形状の開口部115の左上下位置に設けられた係止凹部116a,116bに、遊技盤6の左端部を差し込んだ状態で、右端部を盤押え金具117a,117bで係止することにより取り付けられるようになっている。係止凹部116a,116bには盤押えバネ118a,118bが設けられており、係止凹部116a,116bに係止された遊技盤6の前後のガタツキが防止されている。盤面板200が取り付けられた状態において、該遊技盤6の背面に設けられた遊技用部品ユニット310が開口部115を介して前面枠101の背面側に臨むようになっている。
図5に示すように、遊技盤ユニット300は、遊技盤6と、遊技盤6の背面側に配置され、遊技盤6を背面側から装飾する装飾体301と、装飾体301の背面に取り付けられ、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット49と、から主に構成されている。
装飾体301は、後述するように透明に形成される遊技盤6の遊技領域7を背面側から装飾する立体状に形成された装飾部材であって、前後方向に所定幅の板厚を有し、前方の遊技盤6の背面に着脱可能に取り付けられ、取り付けられた状態において、遊技盤6を透して遊技者から視認可能とされる。尚、装飾体301の詳細については後述する。
遊技盤6の主に下部側に設けられる各種表示装置(例えば第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b等)、駆動手段(ソレノイド16,21,22等)、LED、各種スイッチ(例えば第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、第1カウントスイッチ23等)から延出される配線は、遊技盤6の背面と装飾体301の前面との間から側方に引き出される。装飾体301の略中央位置には、背面側に配設される演出表示装置9の表示面を視認可能とするための開口部303が形成されている。
装飾体301や変動表示制御ユニット49だけでなく、他の装置や基板等の遊技に関連する複数の遊技用部品が一体的に組み付けられてなる遊技用部品ユニット310は、後述するように遊技盤6に対して着脱可能に取り付けられる。
図1に戻って、遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方の左右方向の略中央位置には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aの右側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15a及び入賞確認スイッチ15bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bの検出結果及び第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
図1に示すように、遊技領域7の左側には、第1特別可変入賞球装置20Aが設けられている。第1特別可変入賞球装置20Aは入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1特別入賞口が開放状態になる。第1特別入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23で検出される。
第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置20Aにおいて開放状態となった第1特別入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置20Aにおいて第1特別入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置20Aにおいて第1特別入賞口が閉鎖状態となれば、第1特別入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、遊技領域7の右側には、第2特別可変入賞球装置20Bが設けられている。第2特別可変入賞球装置20Bは、可変入賞球装置15と同様に構成されており、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド22によって可動翼片が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2特別入賞口が開放状態になる。第2特別入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ24で検出される。
第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて開放状態となった第2特別入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて第2特別入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置20Bにおいて第2特別入賞口が閉鎖状態となれば、第2特別入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球が演出表示装置9の右側方に設けられたゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における第1特別可変入賞球装置20Aまたは第2特別可変入賞球装置20Bの開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
第1特別可変入賞球装置20A及び第2特別可変入賞球装置20Bの周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13b、第1特別入賞口や第2特別入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13a内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13a内で、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ14aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13a内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ14aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、第2始動入賞口13b内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口13b内で、第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ15aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ15bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口13b内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ15aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ15bで検出される。
また、第1特別入賞口内には、第1特別入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、第1特別入賞口内で、第1カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、第1カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1特別入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1カウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第2特別入賞口内には、第2特別入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2カウントスイッチ24と第4入賞確認スイッチ24a)が設けられている。この実施例では、第2特別入賞口内で、第2カウントスイッチ24と第4入賞確認スイッチ24aとが配置されている(本例では、第2カウントスイッチ24が上側に配置され、第4入賞確認スイッチ24aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2特別入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2カウントスイッチ24で検出され、次いで第4入賞確認スイッチ24aで検出される。
また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15b、第1カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a、第2カウントスイッチ24と第4入賞確認スイッチ24aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ14b、第2入賞確認スイッチ15b、第3入賞確認スイッチ23a、第4入賞確認スイッチ24aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ15aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ15aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第1カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2カウントスイッチ24による検出結果に加えて第4入賞確認スイッチ24aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ14b、第2入賞確認スイッチ15b、第3入賞確認スイッチ23a、第4入賞確認スイッチ24aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えたと判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13aへの異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ15a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ15b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ15aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ15bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えたと判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口13bへの異常入賞が発生したと判定する。また、第1カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えたと判定すると、所定のエラーとして、第1特別入賞口への異常入賞が発生したと判定する。また、第2カウントスイッチ24(近接スイッチ)から入力した検出信号と第4入賞確認スイッチ24a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2カウントスイッチ24にて検出された遊技球数と第4入賞確認スイッチ24aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えたと判定すると、所定のエラーとして、第2特別入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15b、第1カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a、第2カウントスイッチ24と第4入賞確認スイッチ24aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13b、第1,2特別入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ156はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7の下部には、後述する装飾部材603が設けられ、この装飾部材603の上部左側には、主に遊技領域7の左側領域を流下してきた遊技球(非入賞球)を回収する第1アウト口26が設けられ、装飾部材603の上部右側には、主に遊技領域7の右側領域を流下してきた遊技球(非入賞球)を回収する第2アウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
図1および図2では、図示を省略しているが、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「非確変」または「確変A」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(通常15ラウンド大当り状態)では、第2特別可変入賞球装置20Bの可動翼片が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2特別入賞口を開放状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置20Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に第2特別入賞口を開放状態とした可動翼片は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に第2特別入賞口を閉鎖状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置20Bを遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、第2特別入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、第2特別入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変B」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第2大当り状態(高速15ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、第1特別可変入賞球装置20Aの入賞口扉(図示略)が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて第1特別入賞口を開放状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置20Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に第1特別入賞口が開放状態とされることで遊技盤6の表面を落下する遊技球が入賞可能となり、その後に第1特別入賞口を閉鎖状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置20Aを遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、第1特別入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「15」)となる。
このような第2大当り状態では、第1特別入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、第1特別入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものであってもよい。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで第1特別入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、「非確変」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。このように「非確変」に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変A」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「確変B」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。
こうした「確変A」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「確変B」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。なお、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしてもよい。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に第1特別可変入賞球装置20Aにおいて第1特別入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば第1特別可変入賞球装置20Aを第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では、15回)}に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、第1特別可変入賞球装置20Aを第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。可変入賞動作により第1特別可変入賞球装置20Aを第1状態とする回数が「15」である小当り遊技状態における遊技は、第2大当り状態における遊技と同様に、15回開放遊技とも称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口13bに遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口13bは、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において「確変B」に対応する「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態)へ移行する。また、確変状態において「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、例えば、特図ゲームにける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。
また、この実施例では、確変状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には第2確変状態(潜伏確変状態)へと移行するようになっていたが、確変状態だけでなく、時短状態であるときに特図ゲームにおける可変表示結果が「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後にも第1確変状態へと移行するようにしてもよい。あるいは、「確変大当り」に基づく第1大当り状態の終了後には、再び特図表示結果が「大当り」となるまで第1確変状態に制御される一方、「突確大当り」に基づく第2大当り状態の終了後には、第1確変状態に移行して、特図表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときに第2確変状態へと移行するようにしてもよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース150に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板90やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板90には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース97aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24、第3入賞確認スイッチ23a、第4入賞確認スイッチ24aおよび各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1特別可変入賞球装置20Aを開閉するソレノイド21と、第2特別可変入賞球装置20Bを開閉するソレノイド22と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU(図示略)は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU(図示略)は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
さらに、演出制御用CPU(図示略)は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
尚、本実施例においては、以下に説明する装飾体301に設けられる各種LEDやモータ等は演出制御基板80に接続されているが、図3ではこれら各電子部品の図示は省略している。
(装飾体)
次に、装飾体301の詳細な構造を図面に基づいて説明する。図6は、装飾体を示す斜視図である。
図6に示すように、装飾体301は、後述する第1演出装置400が組み付けられる上装飾ユニット301Aと、後述する第2演出装置700が組み付けられる中装飾ユニット301Bと、後述する第3演出装置500が組み付けられる下後装飾ユニット301Cと、後述する第4演出装置600が組み付けられる下前装飾ユニット301Dと、が互いに接続され一体に組み付けられることにより構成されており、中央位置には開口部303が形成されている。開口部303は、上装飾ユニット301Aに形成された切欠部303Aと中装飾ユニット301Bに形成された開口303Bとから構成され、上下に分割して形成されている。また、各装飾ユニット301A〜301Dには後述する各種可動演出装置が組み付けられている。以下、各装飾ユニット301A〜301Dについて説明する。
(上装飾ユニット301A)
次に、上装飾ユニット301Aの構成について、図7〜図15に基づいて説明する。図7は、上装飾ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図8は、上装飾ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図9は、図7の要部拡大斜視図である。図10は、ギヤユニットの構造を示す分解斜視図である。図11は、(a)はギヤユニットを示す正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図12は、ギヤユニットの作用を示す概略説明図である。図13は、同じくギヤユニットの作用を示す概略説明図である。図14は、同じくギヤユニットの作用を示す概略説明図である。図15は、(a)は第1演出装置の通常状態、(b)は演出状態を示す概略図である。図16は、(a)は第1可動物を示す正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1を正面から見たときを基準として上下左右方向を説明することとする。
図7及び図8に示すように、上装飾ユニット301Aは、ベース部材401と、ベース部材401に対して上下方向に移動可能に設けられた第1可動物402及び左右方向に移動可能に設けられた第2可動物403L,403R及び第2可動物403L,403Rを駆動するギヤユニット430L,430Rからなる第1演出装置400と、ベース部材401の背面側に組み付けられるセグメント表示装置404と、から主に構成されている。
図9に示すように、ベース部材401は、合成樹脂材により正面視下向きコ字形に形成された板状部材である。ベース部材401の前面における左右方向の中央位置には、前方及び下方に開口する凹部401aが形成されており、第1可動物402の背面側の一部を収容可能に構成されているとともに、該凹部401aの底面の下半部には、開口部303の上部を構成する切欠部303Aが形成されている。
凹部401aの底面における切欠部303Aの上方位置には、セグメント表示装置404のセグメント表示部を前面側に臨ませるための横長の表示用開口405が形成されているとともに、その左右側には、セグメント表示装置404の左右側に設けられたサイド発光部を臨ませるための複数の発光用開口408が形成されている。また、左右の発光用開口408の内側には、正面視逆ハの字形に形成される左右一対の発光用長孔415が形成されている。
表示用開口405の下方位置には、第1可動物402を上下方向にガイドするガイド部材406が取り付けられているとともに、その左側方には、第1可動物402から延出された配線を背面側に挿通するための配線挿通孔407が形成されている。
凹部401aの左右側には、互いに並設される左右一対の突条409が上端から下端のやや上方位置まで延設されており、それらの下部位置には、上下方向を向く第1ガイド長孔410L,410Rが左右一対の突条409に挟持されるように形成されているとともに、そのさらに外側には第2ガイド長孔411L,411Rが形成されている。
また、第2ガイド長孔411L,411Rの下方位置には、第3ガイド長孔412L,412Rが左右方向に向けて延設されているとともに、さらにその下方位置には、第4ガイド長孔413L,413Rが、第2ガイド長孔411L,411Rの下方位置よりもやや内側から側方に向けて第3ガイド長孔412L,412Rと平行に延設されている。また、左右上部位置には、それぞれ第1可動物402が上昇位置(駆動初期位置)に位置することを検出するための第1演出用センサ414L,414Rがそれぞれ設けられている。
ベース部材401の背面左右方向の略中央位置には、透光性を有する板状の合成樹脂材にて構成されるベース表示板416がネジ(図示略)により取り付けられている。ベース表示板416における表示用開口405に対応する箇所には、3つの7セグメント表示器(図示略)が左右方向に並設されたセグメント基板(図示略)が一体化されたセグメントカバー417が背面側から取り付けられるセグメント表示部418が形成され、発光用開口408に対応する箇所には発光レンズ部419がそれぞれ形成され、発光用長孔415に対応する箇所には複数の発光用孔420が形成されている。
また、ベース部材401の表示用開口405には、透光性を有する合成樹脂材からなる表示カバー421が前面側から取り付けられる。表示カバー421には、各セグメント表示器(図示略)に対応する窓が左右方向に並設された演出用の表示窓421aが形成されており、該表示窓421aを通してセグメント表示器の表示部を前面側から視認可能とされている。
ベース部材401の前面における左右方向の中央位置には、第1可動物402が上下方向に移動可能に組み付けられる。図7〜図9に示すように、第1可動物402の背面には、中央ガイド長孔423が上下方向に形成されたガイド板422が取り付けられており、この中央ガイド長孔423に、ベース部材401に取り付けられたガイド部材406が長手方向に摺動可能、かつ、逸脱不能に挿入されることで、上下方向に直線移動案内される。また、背面の左右所定箇所が後述するギヤユニット430L,430Rの一部に連結されていることで、上下に駆動されるようになっている。
ベース部材401の前面における左右下部位置には、第2可動物403L,403Rが左右方向に移動可能に組み付けられる。図7〜図9に示すように、第2可動物403L,403Rの背面外側上部には上ガイド軸424が突設されているとともに、背面下側左右部には2つの下ガイド軸425a,425bが突設されており、上ガイド軸424を第3ガイド長孔412L,412Rに、そして下ガイド軸425a,425bを第5ガイド長孔413L,413Rに前面側から挿入することで、背面の3点がベース部材401に対し支持されるため、ベース部材401に対し左右方向に直線移動案内される。
ベース部材401の背面左右側には、第1可動物402に対して第2可動物403L,403Rを連動させるためのリンク機構を構成するリンク部材426L,426Rが配設され、その背面側を覆うようにリンクカバー427L,427Rが取り付けられている。リンク部材426L,426Rは、上端がギヤユニット430L,430Rに軸支され下端が第2リンク426aに軸支された第1リンク426aと、上端が第1リンク426aに軸支され下端が第2可動物403L,403Rの下ガイド軸425bに軸支された第2リンク426bと、から構成され、第2リンク426bの上端、つまり第1リンク426aとの連結部からはリンクガイド軸426cが背面側に向けて突設されている。
リンクカバー427L,427Rの下部には、左右方向の中央位置から左右側方に向けて傾斜するリンクガイド長孔428L,428Rが形成されている。リンクガイド長孔428L,428Rには、リンクガイド軸426cが挿入されるようになっており、これによりリンク部材426L,426Rの連結部であるリンクガイド軸426cを斜め上下方向に移動案内するようになっている。
次に、図10及び図11にもとづいてギヤユニット430L,430Rについて説明する。尚、本実施例では、左右のギヤユニット430L,430Rの構造は同一であるため、ここでは主に右側のギヤユニット430Rについてのみ説明し、左側のギヤユニット430Lの説明を省略することとする。
図10に示すように、ギヤユニット430Rは、ベース部材401の前面に取り付けられる取付板431Rと、取付板431Rに取り付けられた駆動モータ432Rと、ベース部材401の前面に取り付けられる上下方向を向く内ガイド部材433Rと、内ガイド部材433Rの外側に取り付けられる上下方向を向く外ガイド部材434Rと、内ガイド部材433Rと外ガイド部材434Rとにより上下方向に摺動可能、かつ、前方に逸脱不能に取り付けられる後昇降板435Rと、後昇降板435Rの前面を覆うように取り付けられる前昇降板436Rと、後昇降板435R及び前昇降板436Rにて構成される昇降体に対して上下方向に移動後可能に設けられ、第1可動物402を取り付けるための取付アーム437Rと、から主に構成されている。
取付板431Rは、透明な合成樹脂材により背面側に開口する箱状をなし、背面側に昇降体を収容可能に形成されている。取付板431Rの前面右側には、駆動モータ432Rが、駆動軸(図示略)が取付板431Rに形成された挿通孔(図示略)から背面側に突出するように取り付けられている。背面側に突出された駆動軸(図示略)の先端にはピニオンギヤ438Rが固着されている。
図10及び図11に示すように、内ガイド部材433Rは、ベース部材401の前面に固設された状態において、内部に後昇降板435Rの左側部を収容可能な空間部が形成されるとともに、外側面には上下方向に向けて切欠部439が形成されて外側に開放されている。また、内部上下位置には後昇降板435Rの上下移動範囲を規制する規制部(図示略)が設けられている。
外ガイド部材434Rは、上下の取付部440a,440bと、取付部440a,440b間に架け渡された棒状のガイド部440cと、から構成されている。ガイド部440cは、ベース部材401の前面に固設された状態において、ベース部材401の前面に対し所定の隙間を隔てて配置され、これによりガイド部440cとの間に後昇降板435Rの右側部を収容可能とされており、左側面には、固定ラックギヤ450Rが上方の取付部440aから下方の取付部440bにかけて延設されている。また、上下の取付部440a,440b間は後昇降板435Rの上下移動範囲を規制する規制部として機能する。
後昇降板435Rは、縦長長方形状の板材からなる。左側辺の上端から上下方向の中央位置にかけてガイド片441が形成されているとともに、該ガイド片441の左側辺には、ガイド突条442が上下方向に延設されており、ガイド突条442は内ガイド部材433Rによりガイドされるようになっている。
ガイド片441の右側にはガイド長孔443が上端から上下方向の中央位置まで延設されている。また、ガイド長孔443の下方位置と上部右側には、前昇降板436Rを取り付けるための取付用ボス444a,444bが前方に向けて突設されている。取付用ボス444a下方の上下方向略中央位置には、回動軸446Rが前方に向けて突設されており、該回動軸446Rには連結ギヤ445Rが回転可能に軸支されている。
ガイド片441の左側と右側辺の上下方向中央位置には、内ガイド部材433R、外ガイド部材434R内に収容され、上下の規制部により規制されるストッパ447a,447bがそれぞれ側方に向けて突設されている。また、後昇降板435Rの背面下端辺からは、第2ガイド長孔411R内に挿通される移動規制フック448Rが後下向きに屈曲するように突設されている(図8参照)。
前昇降板436Rは、後昇降板435Rの前面にネジ(図示略)にて取り付けられて一体化される。右側辺には、上下方向の略中央位置から下端にかけて移動ラックギヤ451Rが形成されているとともに、その上方には、昇降センサ414Rにより検出される検出片452が突設されている。
取付アーム437Rは、正面視略逆L字形に形成され、左端部には、第1可動物402を取り付けるための取付穴453が形成されている。上下方向に延びる垂直部には、右側面の上端から上下方向の略中央位置にかけてアームラックギヤ454Rが形成されているとともに、上下方向の中央位置から下方に向けてガイド長孔455Rが延設されており、ガイド長孔455Rに取付用ボス444bが挿通されるようになっている。
一方、垂直部の背面上部にはガイド軸456Rが突設され、ガイド長孔443内に挿入されるようになっている。よって、ガイド長孔455Rに取付用ボス444bが挿通されるとともに、ガイド軸456Rがガイド長孔443内に挿入されることにより、後昇降板435Rに対して取付アーム437Rが上下2点で支持されて上下方向に移動案内されるとともに回転が規制される。
また、垂直部の背面下部には連結軸457Rが突設されており、第1ガイド長孔410R内に挿通されることで、ベース部材401に対して取付アーム437Rが上下方向に移動案内される。また、この連結軸457Rは第1ガイド長孔410Rを通して背面側に延出されており、該連結軸457Rの後端面には、リンク部材426Rの第1リンク426aの上端が軸支される。
このように構成されるギヤユニット430Rは、ベース部材401に組み付けられた状態において、後昇降板435Rと前昇降板436Rとが一体化されてなる箱状の昇降体が、内ガイド部材433R及び外ガイド部材434Rとベース部材401の前面との間に挟持されるとともに、内ガイド部材433Rと外ガイド部材434Rとにより左右側部が規制されて上下方向に移動可能に案内される。また、この状態において、連結ギヤ445Rの右側に固定ラックギヤ450Rが噛合されるとともに、左側にアームラックギヤ454Rが噛合され、ピニオンギヤ438Rに移動ラックギヤ451Rが噛合される。
尚、図12に示すように、外ガイド部材434Rの前面における固定ラックギヤ450Rの上部近傍位置には上下一対のマーク用突起M1が突設され、取付アーム437Rの前面におけるアームラックギヤ454Rの上部近傍位置には上下一対のマーク用突起M2が突設されている。よって、上記のようにベース部材401に組み付けるときに、これらマーク用突起M1,M2が対向する位置にて、連結ギヤ445Rに対して固定ラックギヤ450Rとアームラックギヤ454Rとを噛合させることにより、ギヤユニット430Rを駆動初期位置に簡単に組み付けることができる。
図16に示すように、第1可動物402は、UFO(見確認飛行物体)を模した形状をなし、非透光性部材からなる胴部402bと、胴部402bの上部に形成される透光性を有するドーム状の窓部402aとからなり、後部は切り欠かれて平面状の背板402cが形成されているとともに、内部は中空に形成されている。
胴部402bの下面は、透光性を有するとともに、前端がやや上向きに傾斜して設けられ、複数の半球状の膨出部402dが形成されている。また、下面の左右方向の中央位置には、背面402cから前後方向の略中央位置にかけて細長の開口460が形成され、内部が開放されている。
胴部402b内には、下面に下LED462が複数箇所に配設された略U字形の下LED基板461が開口460を囲むように下板に沿って配設され、下板を透して下方を照らすようになっている。また、窓部402a内には、前面に上LED464が複数箇所に配設された上LED基板463が背面に沿って立設され、前方を照らすようになっている。尚、上LED基板463の前側にはレンズ板465が配置されており、上LED464からの光を導光して前面側に拡散反射するようになっている。
このように構成された第1可動物402は、ベース部材401に対し、凹部401a内に一部が嵌り込んだ状態で、切欠部303Aの上方に位置する上昇位置(駆動初期位置)と、該上昇位置よりも下方で切欠部303Aの前面側に位置する下降位置と、の間で移動可能に設けられている。
第2可動物403L,403Rは、特に詳細な図示はしないが、図7及び図8に示すように、正面視略四角形状をなす箱状に形成され、前面には円形状のレンズ部465が形成されており、内部に設けられるLED(図示略)によりレンズ部465が内側から発光されるようになっている。背面には、前述した上ガイド軸424や下ガイド軸425a,425bが背面側に向けて突設されている。
そしてこのように構成された第2可動物403L,403Rは、ベース部材401に対し切欠部301Aの側部近傍に位置する演出位置と、該演出位置から外側方に離れる方向に退避する退避位置と、の間で移動可能に設けられている。また、第1可動物402とリンク部材426L,426Rを介して連結されていることで、第1可動物402の上下移動に応じて左右方向に連動する、詳しくは、左右の第2可動物403L,403Rが互いに近づく方向と互いに離れる方向とに移動するようになっている。
次に、上記のように構成されたギヤユニット430Rの作用について、図12〜図14にもとづいて説明する。尚、ギヤユニット430Lはギヤユニット430Rと同様に構成されているため、ギヤユニット430Rについてのみ説明し、ギヤユニット430Lの説明は省略する。
ギヤユニット430Rは、図12に示す駆動初期位置である上昇位置において、ピニオンギヤ438Rは移動ラックギヤ451の下部位置にて噛合されているとともに、連結ギヤ445Rは、固定ラックギヤ450Rの上部位置にて噛合されている。つまり、昇降体は内ガイド部材433R及び外ガイド部材434Rの上部に位置している。また、連結ギヤ445Rはアームラックギヤ454Rの下部位置にて噛合されているため、取付アーム437Rは、昇降体及びベース部材401に対して上昇位置に位置している。
一方、リンク部材426Rの上端が軸支された連結軸457Rは、第1ガイド長孔410Rの上端に位置し、リンクガイド軸426cはリンクガイド長孔428Rの上端に位置しているため、第4ガイド長孔413Rの長手方向の中央位置よりやや左端寄りに位置している。すなわち、リンク部材426Rは正面視略「く」の字形をなしている。このとき、第1リンク426aは、第1ガイド長孔410R及びリンクガイド長孔428Rに対し傾斜して設けられ、第2リンク426bは、リンクガイド長孔428Rに対し平行で、第4ガイド長孔413Rに対し傾斜して設けられている。
このようにリンク部材426L,426Rにより、連動制御を複雑化することなく、簡単な構成で第1可動物402と第2可動物403L,403Rとを連動させることができる。また、リンク部材426L,426Rが第1可動物402及び第2可動物403L,403Rのいずれかの移動方向に対し略直交することはないので、一方の動作に応じて他方をスムーズに連動させることができる。
ここで、駆動モータ432Rが駆動してピニオンギヤ438Rが図12中矢印方向(反時計回り)に回動されると、駆動力がピニオンギヤ438Rから移動ラックギヤ451Rに伝達され、図13に示すように、昇降体(前昇降板436R及び後昇降板437R)が下降される。そして、昇降体とともに下降する連結ギヤ445Rが固定ラックギヤ450Rに噛合されていることで、下降に伴い図中矢印方向(反時計回り)に回転する。これにより、この連結ギヤ445Rに噛合されている取付アーム437Rが昇降体(前昇降板436R及び後昇降板437R)に対して下降する。これにより第1可動物402が下降する。
一方、取付アーム437Rが下降することで、連結軸457Rに連結された第1リンク426aによりリンクガイド軸426cが下方に押され、さらに第2リンク426bにより下ガイド軸425bが右下方に押されることで、下ガイド軸425bが右側に向けて押される。これにより第2可動物403Rが右側に向けて移動する。
そして、図14に示すように、駆動初期位置から所定角度回転したところで駆動モータ432Rが停止されたとき、ピニオンギヤ438Rは移動ラックギヤ451の上下方向略中央位置にて噛合されているとともに、連結ギヤ445Rは、固定ラックギヤ450Rの上下方向略中央位置にて噛合され、昇降体は内ガイド部材433R及び外ガイド部材434Rの上下方向略中央位置に位置している。また、連結ギヤ445Rはアームラックギヤ454Rの上部位置にて噛合されているため、取付アーム437Rは、昇降体及びベース部材401に対して下降位置に位置している。
一方、連結軸457Rは、第1ガイド長孔410Rの下端よりもやや上方に位置し、リンクガイド軸426cはリンクガイド長孔428Rの下端に位置しているため、第4ガイド長孔413Rの長手方向の右端に位置している。このとき第1リンク426aは、第1ガイド長孔410R及びリンクガイド長孔428Rに対し傾斜して設けられ、第2リンク426bは、リンクガイド長孔428Rに対し傾斜され、第4ガイド長孔413Rに対し略平行に設けられている。
図14に示すように、昇降体(前昇降板436R及び後昇降板437R)は、ピニオンギヤ438Rが所定角度回転して上昇位置から下降位置まで下降することで、距離L1だけ下方に移動(下降)する。また、取付アーム437Rは、昇降体(前昇降板436R及び後昇降板437R)に対して距離L2(L2>L1)だけ下方に移動する。従って、取付アーム437Rは、ベース部材401に対して昇降体が下降した距離L1と、取付アーム437Rが昇降体(前昇降板436R及び後昇降板437R)に対して移動した距離L2とを合算した距離L3(L3=L1+L2)だけ下降する。
つまり、ベース部材401に対して昇降体が下降した距離L1を1とした場合、昇降体に対して取付アーム437Rが下降した距離L2が約1.3となるため、ベース部材401に対して取付アーム437Rが下降した距離L3は約2.3となる。すなわち、ベース部材401に対する取付アーム437Rの下降ストローク量は、ベース部材401に対する昇降体の下降ストローク量の約2倍になる。
ここで、例えば駆動モータによりベース部材401に設けた駆動ギヤを直接駆動することにより取付アーム437Rを下降させる場合、取付アーム437Rのストローク量が増加するので、取付アーム437Rのアームラックギヤ454Rを延長しなければならない。よって、取付アーム437Rの垂直部を長寸にしなければならないため、上昇位置において垂直部の上端がベース部材401の上縁よりも上方に突出してしまう虞がある。
これに対し本実施例のギヤユニット430Rは、取付アーム437Rが、ベース部材401に対し昇降可能に設けられた昇降体に対して相対移動可能に設けられていることで、昇降体に対するストローク量が小さくて済む。よって、駆動モータ432Rの駆動量に対して取付アーム437Rの移動ストローク量および移動速度を増大(倍速)させることができるため、取付アーム437Rを小さな駆動量で大きく、かつ、速く移動させることができるばかりか、上昇位置において取付アーム437Rが昇降体に収納されるため、ギヤユニット430Rの上昇時の上下幅をコンパクト化することができる。
第1可動物402は、背面における左右所定箇所が、このように構成された左右のギヤユニット430L,430Rの取付アーム437L,437Rの取付穴453に前後方向を向く連結軸(図示略)を介して連結されて左右側が支持されており、駆動モータ432L,432Rにより図15(a)に示す上昇位置(駆動初期位置)と図15(b)に示す下降位置との間で移動可能とされている。また、第1可動物402は、上昇位置において切欠部303Aよりも上方に配置され、下降位置において切欠部303Aを前面側から覆うように配置される。
第2可動物403L,403Rは、ベース部材401の背面側に配設されたリンク部材426L,426Rを介して第1可動物402に連結されている。そして、第1可動物402が上昇位置に位置しているときに切欠部303A近傍に位置する演出位置と、第1可動物402が下降位置に位置しているときに切欠部303Aから外側方に離れた位置となる退避位置と、の間で左右方向に移動可能に設けられている。
すなわち本実施例では、第1可動物402が上昇位置に位置し、第2可動部403L,403Rが演出位置に位置する状態が第1状態(初期状態)であり、第1可動物402が下降位置に位置し、第2可動部403L,403Rが退避位置に位置する状態が第2状態(演出状態)とされている。
より詳しくは、第2可動物403L,403Rは、演出位置において第1可動物402の左右端部の直下に位置しており(図15(a)参照)、退避位置において第1可動物402の左右端部の外側方に位置する(図15(b)参照)。
つまり、図15に示すように、第1可動物402は、第1位置である上昇位置(図15(a)参照)に設けられ、該上昇位置から下降位置(図15(b)参照)までの第1移動範囲(図15(b)中右上り斜線領域)内で移動可能に設けられ、また、第2可動物403L,403Rは、第1移動範囲内にある第2位置である演出位置(図15(a)参照)と、該演出位置から退避位置(図15(b)参照)までの第2移動範囲{図15(b)中左上り斜線領域(第1移動範囲と重畳しない範囲)}内で左右方向に移動可能に設けられている。
図15(b)に示すように、第1可動物402の移動範囲(図15(b)中右上り斜線領域)の一部と第2可動物403L,403Rの移動範囲(図15(b)中左上り斜線領域)の一部とが重複(図15(b)中クロス斜線領域)している。そして、第2可動物403L,403Rは、演出位置において第1可動物402の移動範囲と重複する重複領域に位置することから、第1可動物402が上昇位置から下降位置まで下降する場合、第2可動物403L,403Rに接触する虞があるため、第1可動物402が下降位置に到達するまでに退避位置に移動されるようになっている。
このようにすることで、第1可動物402と第2可動物403L,403Rとを連動させることにより、重複位置に第1可動物402と第2可動物403L,403Rとが択一的(交互に)に配置されることで、重複位置の態様を変化させることができるばかりか、重複位置に対して第1可動部及び第2可動部のうち一方は離れ他方は近づくことで、第1可動物402と第2可動物403L,403Rとで連動時の動作態様が異なるため、互いに関連性を持たせつつ動作態様を複雑化することができる。
また、このように第1可動部の動作に連動して第2可動部が移動するようにしたものとして、例えば、互いに組み合わさった閉状態において前面が球体を構成する少なくとも2つの曲面体(例えば、くす玉)と、この曲面体を閉および開状態のいずれかの状態にする駆動機構とを有し、さらに、駆動機構の動作に連動して曲面体が閉状態にあるときにはこの曲面体の中に収納され、曲面体が開状態にあるときには垂下状態となる可動表示体(垂れ幕)を有する演出装置を備えた遊技機等がある。
しかしこのような演出装置は、曲面体が閉状態のときに可動表示体が内部に収納されてしまう。すなわち、一方の可動部の動作に応じて他方が連動するものの、両可動部が一緒に開動作及び閉動作するものであるのに対し、本実施例の第1可動物402と第2可動物403L,403Rとは、連動時の動作態様がそれぞれ異なるため、互いに関連性を持たせつつ動作態様を複雑化することができる。
また、本実施例のギヤユニット430L,430Rのように、駆動モータ432Rの駆動量に対して取付アーム437Rの移動ストローク量および移動速度を増大(倍速)させることができるようにしたものとして、例えば、モータの回転駆動により待機位置と作動位置との間を移動するベース部材に、回動自在に軸支した伝達ギヤを挟んで第1ラックと第2ラックが左右方向にスライド可能に配設されるとともに、第2ラックに、第1位置および第2位置で移動規制するラックストッパが設けられる。そして、待機位置から第1方向に移動するベース部材と一体に移動する第2ラックがラックストッパにより移動規制されて第1位置に保持された以後は、ベース部材の移動に伴って第1ラックがベース部材に対して第1方向に変位するようにしたものがある。
しかしこの駆動機構は、ベース部材に対して第2ラックが左右方向にスライド可能に配設されていることで、第2ラックに、第1位置および第2位置で移動規制するラックストッパを設ける必要があるため、構造が複雑になるばかりか、待機位置から第1方向に向けて移動する際にベース部材とともに第2ラックが一体に移動せずに取り残されてしまう虞があるのに対し、本実施例のギヤユニット430L,430Rでは、固定ラックギヤ450L,450Rは昇降体と共に移動することがないので、駆動モータ432Rの駆動量に対して取付アーム437Rの移動ストローク量および移動速度を確実に増大(倍速)させることができるため、取付アーム437Rを小さな駆動量で大きく、かつ、速く移動させることができるばかりか、上昇位置において取付アーム437Rが昇降体に収納されるため、ギヤユニット430Rの上下幅をコンパクト化することができる。
また、第1可動物402は、上昇位置と下降位置との間を上下方向に向けて直線移動可能に設けられ、第2可動物403L,403Rは、演出位置と退避位置との間を第1可動物402の移動方向に対し略直交する左右方向に向けて直線移動可能に設けられ、リンク部材426L,426Rは、一端が第1可動物402に連結され、他端が第2可動物403L,403Rに連結されたリンク部材426L,426Rであり、リンク部材426L,426Rは、第1可動物402の移動方向及び第2可動物403L,403Rの移動方向に対し常時傾斜するように連結されているため、リンク部材が第1可動部または第2可動部の移動方向に対し略直交することはないので、一方の移動に応じて他方をスムーズに連動させることができる。
また、特にリンク機構は、一端が第1可動物402に連結された第1リンク426aと、該第1リンク426aに一端が連結されるとともに他端が第2可動物403L,403Rに連結された第2リンク426bと、第1リンク426aと第2リンク426bとの連結部に形成されたリンクガイド軸426cを移動案内するリンクガイド長孔428L,428Rと、からなり、リンクガイド長孔428L,428Rは、第1可動物402の移動方向及び第2可動物403L,403Rの移動方向に対し傾斜して設けられていることで、第1リンク426aや第2リンク426bは、移動途中において第1可動物402を上下方向に移動案内する第1ガイド長孔410L,410Rや第2可動物403L,403Rを左右方向に移動案内する第3ガイド長孔412L,412R及び第4ガイド長孔413L,413Rに対し直交することがあっても、これらに対し斜めに交差するように設けられたリンクガイド長孔428L,428Rに対し略直交することはないので、第1可動物402の移動に応じて第2可動物403L,403Rをスムーズに連動させることができるとともに、第1リンク426aに対し第2リンク426bが屈曲可能であることで、リンクガイド長孔428L,428Rに対する交差角度を極力小さくすることができる。
よって、例えば図12に示すように、上昇位置にある第1可動物402を下降させるとき、第1リンク426aはリンクガイド長孔428L,428Rに対して直交していないので、リンクガイド軸426cはスムーズに下方に移動する。また、図14に示すように、下降位置にある第1可動物402を上昇させるとき、第2リンク426bはリンクガイド長孔428L,428Rに対して直交していないので、リンクガイド軸426cはスムーズに上方に移動する。
例えば、図12において、連結軸457Rと下ガイド軸425bとを1本のリンクにて連結しようとすると、リンクは左右方向を向く第4ガイド長孔413L,413Rに対し起立するような90度に近い角度で配置されることになるので、上昇位置にある第1可動物402を下降させるとき、リンクの下端が連結される下ガイド軸425bに限りなく垂直に近い方向に力がかかるので、右側にスライドしにくくなり、スムーズに動かない虞がある。また、第3ガイド長孔412L,412Rにガイドされる上ガイド軸424がリンクに干渉しやすくなり、ガイド長孔を左側に延設しにくくなる。
よって、上記リンク機構のように、互いに回転自在に連結された複数本のリンクにより第1可動物402と第2可動物403L,403Rとを連結するとともに、各リンクの連結部や所定箇所を、第1可動物402や第2可動物403L,403Rを移動案内する移動案内部に対して斜めに交差する方向を向くリンク移動案内部にて移動案内することで、例えば第1可動物402と第2可動物403L,403Rとの離間距離が長かったり、リンクの動作範囲に別の部材等が配設されていても、それらを迂回するようにリンクで連結することが可能となる。
尚、本実施例のリンク部材426は2本のリンクにて構成されていたが、1本のリンクで構成してもよいし、あるいは、3本以上のリンクにて構成してもよい。
また、本実施例では、リンクガイド長孔428L,428Rは、第1ガイド長孔410L,410Rや第3ガイド長孔412L,412R及び第4ガイド長孔413L,413Rが形成されたベース部材401とは別の部材であるリンクカバー427L,427Rに形成されているため、図12に示すように、第1ガイド長孔410L,410Rや第4ガイド長孔413L,413R等に対して前後方向に重畳するように配設することができるため、第1可動物402や第2可動物403L,403Rを移動案内する移動案内部により配置制限されることなく、自由に形成することができる。
また、第1可動物402は、第1動作範囲内において演出表示装置9の表示画面に一部が重畳するように配置される下降位置と、該表示画面に重畳しない上昇位置と、の間で移動可能に設けられ、第2可動物403L,403Rは、第2動作範囲内において、第1演出位置において第1可動物402の表示画面と重畳しない非重畳部(左右端部)に少なくとも一部が重複する演出位置と、該演出位置から表示画面から離れる方向に退避した退避位置と、の間で移動可能に設けられ、下降位置及び演出位置が重複位置であることで、第1可動物402と第2可動部403L,403Rとは、表示画面上で重畳しないもののそれぞれの演出位置が重複位置とされていることで、遊技者の興味が引き付けられやすい表示画面の近くの態様を変化させることができる。
また、第1可動物402は、本体内部に形成される空間部及び該空間部内を視認可能とする窓部402aを有し、第1動作範囲に一部が重複する第3動作範囲内で動作可能に設けられた第3可動物502と、第3可動物502を、第3動作範囲内において、第1可動物402が下限位置に位置したときに前記空間部内に挿入され窓部402aを介して遊技者側から視認可能とされる搭乗位置と該空間部から退避した収容位置との間で移動させる第3可動部駆動手段(第1駆動部520、第2駆動部540、第1駆動モータ507及び第2駆動モータ534)を備えることで、第1可動物402が下限位置に位置するときに第2可動物403L,403Rが退避するのに対し、第3可動物502が第1可動物402に接近するので各可動物の動作が複雑になるとともに、第1可動物402の本体内部にて第3可動物502が窓部402aを通して視認可能となることで、第1可動物402と第3可動物502の態様に変化を持たせることができる。
また、本実施例では、窓部402aは透明板にて構成されていたが、胴部402bの上面開口が開放されていてもよいし、非透光性板の一部に透視窓が形成されているものであってもよい。
また、第1可動物402は、第3可動物502が搭乗位置に位置したときに該第3可動物502を発光させる上LED464を有することで、第3可動物502の態様が変化するので演出効果が高まる。
また、本実施例では、第2可動物403L,403Rは、第1可動物402の第1移動範囲内における最下限位置、つまり第1可動物402が下降位置に位置しているときに該可動物402の左右端に重畳する演出位置(第2位置)と退避位置との間で移動可能に設けられていたが、第1移動範囲内にある所定箇所から該第1移動範囲に重畳しない第2移動範囲内で移動可能であれば、第1可動物402の下降位置から第2移動範囲内で移動するものに限定されるものではなく、例えば上限位置と下限位置との間の中間位置から第2移動範囲内で移動可能とされていてもよい。
また、第1可動物402のいずれかの移動端(下限位置)と第2可動物403L,403Rのいずれかの移動端(演出位置)とが重複(重畳)するものだけでなく、双方の可動物の移動途中で重複する、例えば、上下移動する第1可動物402と左右移動する第2可動物403L,403Rとが(例えば十字状に)交差するように設けられていてもよい。
また、本実施例では、第1可動物402及び第2可動物403L,403Rは直線移動可能に設けられていたが、曲線移動可能に設けられていてもよい。さらに、第1可動物402が駆動モータ432L,432Rにより駆動されることで第2可動物403L,403Rが連動するようになっていたが、第2可動物403L,403Rが駆動モータ432L,432Rにより駆動されることで第1可動物402が駆動するようにしてもよい。
また、本実施例では、第1可動物402のみを駆動モータ432L,432Rにより駆動し、第2可動物403L,403Rはリンク部材426L,426Rを介して連動させていたが、第2可動物403L,403Rを駆動する第2駆動モータを別個に設け、駆動モータ432L,432Rと第2駆動モータとを演出制御用マイクロコンピュータにより連動制御することにより第1可動物402と第2可動物403L,403Rとを連動させるようにしてもよい。
さらに、第1可動物402と第2可動物403L,403Rとを連動させる手段は、上記実施例で説明したようなリンク機構や駆動源の連動制御によるものに限られるものではなく、例えば、ギヤ機構等、他の機械的な連動機構も適用可能である。
(中装飾ユニット301B)
次に、中装飾ユニット301Bの構成について、図17及び図18に基づいて説明する。図17は、中装飾ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図18は、中装飾ユニットのシャッタの開放状態を示す正面図、(b)は閉止状態を示す正面図、(c)は(a)のC−C断面図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1を正面から見たときを基準として上下左右方向を説明することとする。
図17及び図18に示すように、中装飾ユニット301Bは、透光性を有する合成樹脂材により横長長方形状に形成されたベース部材701と、ベース部材701の背面側に組み付けられるシャッタユニット702と、から主に構成される第2演出装置700が組み付けられている。
ベース部材701の左右方向の中央位置には、開口部303の下半部を構成する横長長方形状をなす開口303Bが形成されているとともに、前面側には、非透光性の合成樹脂材により開口303Bの周囲を囲むように装飾する立体状に形成された装飾枠703が設けられている。装飾枠703の左右側には、サーチライト704L,704Rが、内部に設けられたサーチLED(図示略)によりそれぞれ中央側を照射可能に設けられている。また、下部には、半円状の嵌合部705が凹設されており、後述する上ケース511の後部が嵌合されるようになっている。
シャッタユニット702は、開口303Bを開閉可能な大きさを有する左右一対のシャッタ706L,706Rと、シャッタ706L,706Rを駆動するシャッタモータ707と、各種ギヤ部材と、シャッタ706L,706Rを移動案内するシャッタカバー708と、から主に構成される。
シャッタ706L,706Rは、透光性を有する合成樹脂材にて形成される板状部材からなり、表面にはサンドブラスト加工が施されて半透明に構成されている。シャッタ706L,706Rの下部には、四角柱状のギヤ部材709L,709Rが互いに他方に向けて延設されており、互いの対向側面にはラックギヤ709a,709bが形成されている。シャッタ706L,706Rの下方位置には、前後のラックギヤ709a,709bに噛合されるピニオンギヤ710a及び該ピニオンギヤ710aに上下方向を向く連結軸710cを介して一体化された従動ギヤ710bが回動可能に配設されている。また、従動ギヤ710bには、シャッタモータ707の駆動軸707aに固着された駆動ギヤ711が噛合されている。
シャッタカバー708は、前面が開口する箱状に形成され、下板上面にはシャッタ706L,706R下部(ギヤ部材709L,709R)を左右方向にガイドする下ガイド部712が左右方向に形成され、上板下面にはシャッタ706L,706R上部を左右方向にガイドする上ガイド部713が左右方向に形成されている。また、下板長手方向中央位置にはギヤ部材との干渉を回避するための切欠部714が形成されている。
このように構成されるシャッタユニット702は、ベース部材701の背面側に組み付けられる。組み付けられた状態において、シャッタ706L,706Rは、ベース部材701の背面に沿って左右方向にスライド移動可能に配設される。具体的には、左右のシャッタ706L,706Rの対向辺が当接し、開口303Bを閉止する閉止位置(図18(a)参照)と、左右のシャッタ706L,706Rが開口303Bから左右側方に退避され、開口303Bを開放する開放位置(図18(b)参照)と、の間で左右方向にスライド移動可能に設けられており、シャッタモータ707によりピニオンギヤ710aが回転することにより、ギヤ部材709L,709Rを介して両シャッタ706L,706Rが閉止位置と開放位置との間で連動して往復駆動されるようになっている。
(下後装飾ユニット301C)
次に、下後装飾ユニット301Cの構成について、図19〜図25に基づいて説明する。図19は、下後装飾ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図20は、下後装飾ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図21は、(a)は下後装飾ユニットを示す正面図、(b)は(a)のD−D断面図である。図22は、(a)は第3可動物が出現位置にあるとき、(b)は搭乗位置にあるときを示す図である。図23は、(a)は第3可動物を示す縦断面図、(b)は第3可動物の動作態様を示す図である。図24は、第1〜3可動物の動作状況の一例を示す図である。図25は、遊技盤の要部拡大縦断面図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1を正面から見たときを基準として上下左右方向を説明することとする。
図19〜図21に示すように、下後装飾ユニット301Cは、ベース部材501と、ベース部材501に対して上下方向に移動可能に設けられた第3可動物502及び該第3可動物502を駆動する駆動ユニット503からなる第3演出装置500と、から主に構成されている。
ベース部材501は、合成樹脂材により正面視略横長長方形状に形成されており、前面左側には中継基板(図示略)が取り付けられる基板取付凹部504が凹設されているとともに、該基板取付凹部504には配線挿通口505が形成されている。ベース部材501の前面における基板取付凹部504の右側には、駆動ユニット503が組み付けられるとともに、該組み付け位置左側には背面側に配線フックを形成するための成型用開口506が形成されている。さらにその右側には、第3可動物502を駆動する第1駆動モータ507が嵌り込むモータ用開口508が形成されている。
駆動ユニット503は、ベース部材501の前面にネジ(図示略)にて取り付けられる下後部材510a及び該下後部材510aの前面側に取り付けられる下前部材510bにより箱状に構成される下ベース510と、下前部材510bの上部にネジ(図示略)にて取り付けられる上前部材511b及び該上前部材511bの背面側に取り付けられる上後部材511aと蓋部材511cとにより構成される上ベース511と、から本体が構成されてなる。
下後部材510aは、前面が開口する略箱状に形成され、上側面には後切欠凹部512aが形成されているとともに、下側面には後切欠凹部512cが形成されている。背面には、第1駆動モータ507が固定されるモータ固定部513が形成されるとともに、該モータ固定部513には駆動軸507aを挿通して前面側に臨ませるための駆動軸挿通孔513aが形成されている。
背板前面における駆動軸挿通孔513aの上方位置には、該駆動軸挿通孔513aを挿通して前面側に突出された駆動軸507aの先端に固着されたピニオンギヤ514に噛合される従動ギヤ515を軸支する回動軸515aが前方に向けて突設されている。また、背板前面における駆動軸挿通孔513aの下方位置には、第3可動物502の駆動初期位置である収容位置を検出するための第1ラックギヤセンサ517が取り付けられている。
背板前面における左右方向の中央位置には、前面側に開口する横断面凹状の後昇降ガイド溝518aが上端における後切欠凹部512aから下端にかけて延設されている。また、左側には背面側に配線フックを形成するための成型用開口516が形成されている。
下前部材510bは、後面が開口する略箱状に形成され、上側面には前切欠凹部512bが形成されているとともに、下側面には前切欠凹部512dが形成されている。前板背面における左右方向の中央位置には、後面側に開口する横断面凹状の前昇降ガイド溝518bが上端における前切欠凹部512bから下端の前切欠凹部512dにかけて延設されている。
そして、下後部材510aの前面に下前部材510bが組み付けられることにより、内部が中空状に形成された略直方体の下ベース510が構成されるとともに、前昇降ガイド溝518bと後昇降ガイド溝518aとにより第1駆動部520を上下方向に摺動案内する昇降ガイド筒部が構成される。また、上部の後切欠凹部512aと前切欠凹部512bとにより第1駆動部520を挿通可能とする上挿通口が構成されるとともに、下部の後切欠凹部512cと前切欠凹部512dとにより配線を挿通可能とする配線挿通口が構成される。
第1駆動部520は、後部材520aと前部材520bとにより上下方向に延びる棒状に構成される。後部材520aは、上下方向に延びる板部材521と、該板部材521の背面側に固設される横断面略コ字形のギヤ部材522と、から構成される。
板部材521は、上部に形成される幅広の取付部と該取付部から下方に垂下される幅狭の垂下部とから構成され、取付部の下部から垂下部の下端にかけて溝部523が形成されている。また、取付部の上端には、上方に向けて左右方向に拡径する正面視逆ハの字形の受入部524が形成されているとともに、受入部524からは、可動溝525が下方に向けて左右方向に蛇行して形成されている(図23参照)。また、取付部の背面には、第2駆動部540を駆動する第2駆動モータ534が、駆動軸534aを溝部523の上部に挿通して前面側に臨ませるように固定されている。
板部材521の下部左側には、第2駆動部540の初期位置を検出する第2ラックギヤセンサ526のセンサ取付部527が左側に膨出するように形成され、また、板部材521の下部右側には、第1ラックギヤセンサ517に検出される検出片528が形成されている。
ギヤ部材522は、前面が開口する横断面コ字形の部材からなり、板部材521の帯状部の背面側における上端から下端にかけて、開口が溝部523に臨むように固着されている。ギヤ部材522の背板背面には、上端から下端にかけて延設される左右一対の突条529が突設されている。また、ギヤ部材522の右側面には、第1ラックギヤ530が上端から下端にかけて延設されている。
前部材520bは、背面が開口する横断面コ字形に形成され、溝部523とほぼ同じ長さに形成されて該溝部523を前面側から被覆するように後部材520aの前面に組み付けられる。左側面には切欠部531が上部を残して下端にかけて形成されているとともに、前板の上端にも切欠部532が下方に向けて形成されている。また、前板の前面における左右側縁には、上下方向の中央位置から下端にかけて左右一対の突条533が延設されている。
このように構成された後部材520aと前部材520bとがネジ(図示略)により組み付けられることで、後部材520aと前部材520bとの間には第2駆動部540が収容可能な収容空間部が形成されるとともに、左側面には切欠部531により上下方向に延びるスリットが形成される。
第2駆動部540は、透光性を有する合成樹脂材により帯板状に形成され、溝部523とほぼ同寸に形成されている。背面周縁には短寸の周壁が立設されており、特に正面から見て左側の壁部内面には、上端から下端にかけて第2ラックギヤ541が形成され、板部材521の前面側に突出された駆動軸534aの先端に固着されたピニオンギヤ542に噛合されている。よって、第2駆動モータ534により下ベース510及び上ベース511に対し第2駆動部540が上下方向に移動される。
第2駆動部540の背面には、ローレット加工が上下方向に施されて光拡散効果を有している。また、背面下端には、検出片543が左側方に突出するように設けられており、該検出片543が第2ラックギヤセンサ526により検出されることで、第2駆動部540が第1駆動部520に対し収容位置(駆動初期位置)位置していることを特定できるようになっている。
このように構成された帯板状の第2駆動部540は、後部材520aと前部材520bとの間に配置された状態において、後昇降ガイド溝518aに突条529が当接され、前昇降ガイド溝518bに突条533が当接されて後昇降ガイド溝518aと前昇降ガイド溝518bとの間に嵌合されることで、上下方向に摺動可能にガイドされる。また、この状態において、第1駆動部520の左側面に形成されたスリットから検出片543が側方に突出されるようになっている。
図23に示すように、第2駆動部540の上部前面には、第3可動物502が取り付けられている。第3可動物502は、透光性を有する合成樹脂材により異星人を模した形状に形成され、第2駆動部540の上部前面に固定される胴体部502aと、該胴体部502aに形成された上下方向を向く回動軸544周りに水平回動可能に連結された頭部502bと、から構成されている。
頭部502bの背面下部からは、可動溝525に挿入可能な外径を有するガイドピン545が背面側に向けて突設されている。ガイドピン545は、第2駆動部540が第1駆動部520の前面側に位置する収容位置から所定距離上方の上方位置までの間可動溝525内に挿通可能な長さを有している。そして、第2駆動部540が収容位置から上方移動する際や、あるいは上方位置から収容位置まで移動する際において、蛇行する可動溝525に沿って移動案内されることで、胴体部502aに対し頭部502bが左右方向に回転するようになっている。
特に可動溝525の上部に受入部524が形成されることで、可動溝525の上端部が上方に向けて左右方向に漸次拡径されている。よって、頭部502bが左右いずれかを向いたまま下降してきた場合でも、ガイドピン545が下降しながら左右方向の中央に案内され可動溝525内に誘導されるため、第3可動物502の上下移動が阻害されることはない。
図19及び図20に戻って、上ベース511は、上後部材511a及び上前部材511bにより構成される。詳しくは、上後部材511aは、前面が開口する半円筒状部と該半円筒状部の下部から下方に垂下される取付板550aとから構成される一方、上前部材511bは、背面が開口する半円筒状部と該半円筒状部の下部から下方に垂下される取付板550bとから構成される。尚、取付板550bの背面には凹部550cが凹設され、第3可動物502の胴体部502aが収容可能とされている。
そして、互いに組み付けられることにより上面が開口する円筒状に形成される本体が構成されるとともに、取付板550aは下後部材510aの背面上部に取り付けられ、取付板550bは下前部材510bの前面上部に取り付けられることにより、下ベース510の上部に固設される。この状態において、円筒状に形成される本体部内と下ベース510の内部とが後切欠凹部512a及び前切欠凹部512bにより形成される挿通口を通して連通される。
蓋部材511cは、平面視円形をなし、右端部が前後方向を向く軸部材(図示略)を介して上ベース511の開口周縁に接続されており、上面開口を開閉可能とされている。また、蓋部材511cは、図示しないコイルバネ等により常時上面開口を閉止する閉止方向に向けて付勢されている。
次に、図21及び図22にもとづいて、第3演出装置500の作用について説明する。
第3可動物502は、上ベース511内に収容される収容位置(図21(a)参照)と、上ベース511から上方に突出されて第1可動物402内に搭乗する搭乗位置(図22(b)、図24(c)参照)と、の間で昇降可能に設けられている。
具体的に説明すると、第3可動物502が収容位置にあるとき、第1駆動部520及び第2駆動部540は、下ベース510及び上ベース520内に収容される下限位置に位置している。このとき、第2駆動部540は第1駆動部520内に収容されているため、頭部502bのガイドピン545は可動溝525の下端に位置している(図23(b)参照)。また、検出片528が第1ラックギヤセンサ517に検出されることで、下ベース510に対する第1駆動部520の駆動初期位置が特定され、検出片543が第2ラックギヤセンサ526に検出されることで、第1駆動部520に対する第2駆動部540の駆動初期位置が特定される(図21(a)参照)。
ここで、駆動モータ507によりピニオンギヤ514、従動ギヤ515及び第1ラックギヤ530を介して第1駆動部520が駆動されることで、第1駆動部520が下ベース510に対し上昇するとともに、第1駆動部520内に収容された第2駆動部540も一緒に上昇する。そして、駆動開始直後に板部材521の上端が蓋部材511cに接触して該蓋部材511cを付勢力に抗して押し上げ、第3可動物502が上ベース511の上面開口から上方に突出した後、第1ラックギヤ530の下部位置に従動ギヤ515が噛合される上限位置にて駆動モータ507の駆動が停止される(図22(a)参照)。このとき、第3可動物502は収容位置と搭乗位置との間の出現位置に位置している。
次いで、第2駆動モータ534によりピニオンギヤ542及び第2ラックギヤ541を介して第2駆動部540が駆動されることで、第1駆動部520に対して上昇する。そして、第2ラックギヤ541の下部位置にピニオンギヤ542が噛合される上限位置にて第2駆動部540の駆動が停止される(図22(b)参照)。
このように第1駆動部520の内部に収容されていた第2駆動部540が上昇することで、第3可動物502を上方の搭乗位置まで移動できるとともに、収容位置においては第1駆動部520と第2駆動部540とが前後に重畳されるため、コンパクトに収容することができる。尚、第3可動物502は、搭乗位置において下降位置に位置した第1可動物402内に入り込むようになっている。
(演出態様)
次に、第1演出装置400と第3演出装置500との演出態様の一例について、図24及び図25にもとづいて説明する。
図24(a)に示すように、通常状態においては、第1可動物402は開口部303の上方の上昇位置に位置しているとともに、第2可動物403L,403Rは演出位置に位置している。また、第3可動物502は下ケース510及び上ケース511内の収容位置に収容されている。尚、下ケース510及び上ケース511は遊技盤6の背面側に配置されて前面側から見えないので、収容位置において第3可動物502は遊技者側から視認不能に隠蔽されている。この状態で、例えば特別図柄の可変表示に伴い、第1可動物402や第2可動物403L,403Rに搭載されたLEDが所定の点灯パターンにて点灯され、予告演出を実行する。
次いで、例えばリーチが成立したこと等にもとづいて、第1可動物402が下降するとともに、これに連動して第2可動物403L,403Rがそれぞれ左右側に移動する。また、第3可動物502が駆動されて上ケース511の上方に突出される。このとき、第1可動物402や第2可動物403L,403Rに搭載されたLEDは一旦消灯され、左右のサーチライト704L,704Rにより第3可動物502が照明される。
そして、さらに第3可動物502が搭乗位置まで上昇され、第1可動物402内に形成された空間部内に入り込む(図25参照)。ここで、再び第1可動物402や第2可動物403L,403Rに搭載されたLEDが点灯することで、窓部402a内に入り込んだ第3可動物502が照らされて遊技者側から視認可能となるとともに、スーパーリーチに発展したことが示唆される。このように、第1可動物402内に第3可動物502が入り込んだり抜け出たりする際に、第1可動物402や第2可動物403L,403Rに搭載されたLEDを一旦消灯することで、第3可動物502が出退する前に照らされて遊技者に違和感を与えることが防止される。
演出制御用マイクロコンピュータは、第3可動物502が搭乗位置に到達する直前及び該搭乗位置から退避する際に第1可動物402や第2可動物403L,403Rに搭載された下LED462、上LED464等を一旦停止させることで、第3可動物502が中途半端な位置で発光することが防止される。
そして、第3可動物502は、第1可動物402の本体内部に入り込んだ搭乗位置において、第1可動物402に設けられた上LED464により背面側から照射されることで、第3可動物502の態様が変化するので演出効果が高まる。また、特に第3可動物502に光源を設けることなく、他方の第1可動物402に設けられた上LED464を利用して発光させることができるので、昇降可能に設けられるとともに第1可動物402の内部に入り込ませる必要がある第3可動物502を小型化することが可能となる。
また、下LED462、上LED464は、開口460から視認可能な位置に配設されているものであってもよいし、開口460から直接見えない位置に配設され、第3可動物502を発光させることができるものであってもよい。
また、第3可動物502が搭乗位置に到達した状態において、第1駆動部540は第1可動物402の直下近傍位置に配置されるため、下LED462からの光により透明な第1駆動部540が照らされて発光されるため、演出効果が向上する。また、第2ラックギヤ541は凹凸状に形成され光が拡散されるため、第1駆動部540を駆動するだけでなく、装飾効果を高める装飾部としても機能する。
また、第1可動物402は、本体内部に形成される空間部及び該空間部内を視認可能とする窓部402aを有し、第3可動物502は、第1移動範囲(図15(b)右上り斜線参照)内の搭乗位置と収容位置との間の第3移動範囲(第1移動範囲と重畳しない範囲、図24(a)(b)参照)で昇降可能に設けられ、搭乗位置において、第1移動範囲内の所定箇所である下降位置に移動された第1可動物402の空間部内に挿入されるとともに、窓部402aを介して遊技者側から視認可能とされることで、第1可動物402が第1移動範囲内の所定箇所に移動するときに第2可動物403L,403Rが退避するのに対し、第3可動物502が第1可動物402に接近するので各可動物402,403,405の移動が複雑になるとともに、第1可動物402の本体内部にて第3可動物502が窓部402aを通して視認可能となることで、第1可動物402と第3可動物502の態様に変化を持たせることができる。
特に、一方の第1可動物402の内部に他方の第3可動物502を入り込ませることができるとともに、入り込んだ第3可動物502が第1可動物402を透して外部から視認可能とされることで、第1可動物402と第3可動物502とを当接させたり前後に重畳させたりする場合に比べて、演出態様を多様化させることができるため、演出効果が向上する。また、例えば第3可動物502を第1可動物402の内部を貫通させて上方に抜け出るようにしてもよい。
(下前装飾ユニット301D)
次に、下前装飾ユニット301Dの構成について、図26〜図30に基づいて説明する。図26は、下前装飾ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図27は、下前装飾ユニットを斜め後から見た状態を示す正面図である。図28は、下前装飾ユニットの内部構造を示す縦断面図である。図29は、(a)〜(c)は回転ドラムの各表示面を示す図である。図30は、装飾部材を示す正面図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1を正面から見たときを基準として上下左右方向を説明することとする。
図26〜図28に示すように、下前装飾ユニット301Dは、ベース部材601と、ベース部材601に回動可能に軸支される回転ドラム602と、回転ドラム602の表示面周囲を装飾する装飾部材603と、から主に構成されている。
ベース部材601は、合成樹脂材により前面が開口する横長箱状に形成された収容部604と、収容部604の上下開口縁から延設される取付片605a,605bとから構成され、取付片605a,605bを遊技盤6の背面下部にネジ止めすることにより取り付けられる(図25参照)。
上部の取付片605aの左右方向略中央位置には、第1始動入賞口13aに入賞した遊技球が流入する流入口606が形成され、該流入口606からは、流入した入賞球を誘導する入賞球誘導通路607が背面に沿うように下方に向けて延設されている。また、入賞球誘導通路607の上流側には第1始動口スイッチ取付部608aが設けられ、下流側には第1入賞確認スイッチ取付部608bが設けられている。
収容部604の左右側には、回転ドラム602を軸支する軸受部609L,609Rが固定されている。左側の軸受部609Lの内面には、軸受凹部610が形成されている。図28に示すように、右側の軸受部609Rの外面後部には、ドラムモータ611が、駆動軸611aが軸受部609Rを貫通して内側に突出するように横向きに固定されるとともに、軸受部609Rの内面後部には、内側に突出された左右方向を向く駆動軸611aの先端に固着されたピニオンギヤ612が配置されている。
軸受部609Rの内面前部には、固定軸613が左側に向けて突設されているとともに、この固定軸613には、ピニオンギヤ612に噛合する従動ギヤ614が回転可能に軸支されている。また、従動ギヤ614と軸受部609Rとの間には、駆動初期位置を検出するための検出部(図示略)が設けられた検出盤615が従動ギヤ614に一体化された状態で固定軸613周りに回動可能に設けられている。
図28に示すように、回転ドラム602は、左右の軸受部609L,609Rに両端が回転不能に固定される内ドラム602Aと、該内ドラム602Aの外周に該内ドラム602Aを囲むように回転可能に設けられる外ドラム602Bと、から二重構造とされている。
内ドラム602Aは、軸受部609Lの軸受凹部610に相対回転不能に固定された固定軸620に左端部が相対回転不能に固定され、右側の固定軸613に右端部が相対回転不能に固定されており、前側に配置される半筒状のレンズ部材621と後側に配置される半筒状の非透光性部材622とにより略円筒状に形成されている。レンズ部材621は透光性を有する合成樹脂材にて構成され、表面にはローレット加工が施されて光拡散部が形成されている。
これらレンズ部材621と非透光性部材622とにより筒状に構成される内ドラム602A内には、前面に複数のドラムLED623が横並びに配設された正面視横長長方形状のLED基板624が、ドラムLED623からの光を前方に出射可能に設けられており、これによりレンズ部材621の正面が内側から照らされるようになっている。
外ドラム602Bは、透光性を有する合成樹脂材により略三角筒状に形成されており、レンズ部材621の前面側から出射された光を前方に出射可能に構成されている。外ドラム602Bの左右開口には、固定軸620,613周りに回動可能に装着された合成樹脂材からなる回転筒625L,625Rが相対回転不能に嵌合されているとともに、右側の回転筒625Rは、従動ギヤ614にネジ(図示略)等を介して相対回転不能に固着されている。
よって、ドラムモータ611によりピニオンギヤ612、従動ギヤ614、回転筒625Rを介して外ドラム602Bが、左右方向を向く固定軸613,620周りに回転駆動されるようになっている。
図29に示すように、外ドラム602Bの周面には、略横長長方形状をなす略平坦状の3つの表示面626a〜626cが形成されている(図25参照)。各表示面には、各種演出、演出モード、遊技状態に応じた文字等が形成されており、内面には光を前面に向けて拡散して出射させるためのローレット加工が適宜箇所に施されている。
また、3つの表示面626a〜626cは、回転ドラム602が回転することで、それぞれ正面の表示位置に選択的に配置されるようになっている。そして、3つの表示面626a〜626cのうち1つの表示面626aの左右方向の略中央位置には、左右方向に延びる凹凸条が上下方向に向けて連続して複数形成されてなるドラム側装飾部627が形成されている。
図26及び図30に示すように、装飾部材603は、遊技領域7の下部に設けられるように下縁が円弧状に形成されており、図25に示すように、遊技盤6における遊技領域7の下部に形成された下開口部630に前面側から嵌め込んで取り付けられる。中央位置には、回転ドラム602を前面側に臨ませるための表示用開口部631が形成されている。
表示用開口部631の上部には、前方に向けて突設された帯板状の部材により形成される誘導通路632L,632Rが、表示用開口部631の上部左右方向の中央位置から左右側に向けて下方に傾斜するように延設され、流下してきた遊技球を左右それぞれに誘導するとともに、各誘導通路632L,632Rの下流側には第1アウト口26A及び第2アウト口26Bがそれぞれ形成され、流下してきた遊技球を左右別個に回収できるようになっている。また、左右方向の中央位置上部には、第1始動入賞口13aが設けられ、左側には一般入賞口29a,29cが設けられているとともに、右側には第2特別可変入賞球装置20Bが設けられている。
ここで、このように非入賞球を回収するアウト口が複数設けられた遊技機として、例えば、遊技領域に設けられた各入賞口に入球しない遊技球を入球させ外部へ排出するための第1アウト口と、当該第1アウト口とは別に、第1アウト口より上方に設けられ、入賞口に入球しない遊技球を入球させ外部へ排出するための第2アウト口と、が設けられた遊技機等がある。
しかし、この第2アウト口は、主として遊技球を演出に用いるために上部に貯留するために形成されたものであり、第1アウト口よりも上方に設けられているため、打ち込まれた遊技球が直ちに第2アウト口から排出(貯留)されてしまい、遊技領域を遊技球が流下する面白みに欠けるという問題がある。
これに対し本実施例の第1アウト口26A及び第2アウト口26Bは、遊技領域7の下部左右側にそれぞれ同高さ位置に配置されているため、遊技領域7に打ち込まれた遊技球が直ちに第1アウト口26A及び第2アウト口26Bのいずれかに回収されてしまうことがない。また、遊技領域7の左右方向略中央位置に設けられた演出表示装置9を挟んで遊技領域が左右側にそれぞれ分割して形成されることで、遊技球は左右別個に流下することになるため、左遊技領域を流下する遊技球と右遊技領域を流下する遊技球とを中央で合流させることなく、下部位置において別個に回収して排出させることができる。
また、遊技領域7の下部まで遊技球を流下させずに第1アウト口26A及び第2アウト口26Bにより回収するようにすることで、遊技領域7の下部にも演出装置を配設することが可能となる。
図30に示すように、表示用開口部631の上方左右方向の中央位置には、帯状の本体側装飾部633Aが第1始動入賞口13aの下端から下方に向けて形成されているとともに、表示用開口部631の下方左右方向の中央位置には、帯状の本体側装飾部633Bが下方に向けて形成されている。本体側装飾部633A,633Bは、ドラム側装飾部627と同じように、左右方向に延びる凹凸条が上下方向に向けて連続して複数形成されてなる。しかも、回転ドラム602の表示面626aが正面の表示位置に配置された状態において、ドラム側装飾部627の直上に本体側装飾部633Aが配置され、直下に本体側装飾部633Bが配置されることで、正面から見た場合に、本体側装飾部633A,633B及びドラム側装飾部627により上下方向に連続する直線状の装飾部が構成されているように見える。
つまり、回転ドラム602の表示面626aが表示位置に停止したときに、特定の表示面626aに設けられたドラム側装飾部627及び装飾部材603に設けられた本体側装飾部633A,633Bによって所定の装飾態様(直線状の装飾部)が形成されるようになっているため、演出態様を種々に変化させることができる。
また、これら本体側装飾部633A,633Bの背面には装飾LED(図示略)が配設されており、本体側装飾部633A,633Bが背面からの光により発光されるようになっているため、装飾効果をより向上させることができる。
表示用開口部631の左右側には、傾斜装飾部634L,634Rが上縁から下縁にかけて正面視略ハの字形に設けられている。傾斜装飾部634L,634Rは、ドラム側装飾部627と同じように、斜め左右方向に延びる凹凸条が斜め上下方向に向けて連続して複数形成されてなる。
また、センター枠飾り11には、本体側装飾部633A,633Bの上方延長線上に本体装飾部633Cが配設されるとともに、傾斜装飾部634L,634Rの上方延長線上に傾斜装飾部634LA,634LB、634RA,634RBが配設されている。そしてこれら本体装飾部633C及び傾斜装飾部634LA,634LB、634RA,634RBの内部にも装飾LED(図示略)が配設されており、それぞれ直線状に対応する装飾部が発光されることで、演出表示装置9を跨いで発光されているように見える。
例えば、本体側装飾部633A〜633C及びドラム側装飾部627は、第3可動物502の第1駆動部520及び第2駆動部540と左右方向に略合致する位置(左右方向の中央位置)に配置されているため、前述したように第3可動物502を上昇させる際にこれら本体側装飾633A〜633C及びドラム側装飾部627が直線状に連続して配置されることで、あたかも第1駆動部520及び第2駆動部540から下方に連続して見えるため、演出効果が高まる。
また、傾斜装飾部634L,634R及び傾斜装飾部634LA,634LB、634RA,634RBがそれぞれ発光されることで、あたかも演出表示装置9をX字状に横切るように光が走るような演出を実行することができる。
また、このように周面に複数の表示部が形成された多面体形状の回転ドラムが設けられた遊技機として、遊技領域に画像表示装置の表示画面を配備すると共に表示画面の周辺に遊技球の流れを演出するセンター役物を配備し、センター役物は、表示画面に隣接して演出表示を行う表示面を備え、表示面は、センター役物に内に装備された多面体回動ドラムの各面に形成されて選択的に露出する可動表示面と、可動表示面の周囲に形成される固定表示面からなり、多面体回動ドラムの少なくとも一つの面では、固定表示面上の表示と同化して一つの演出対象を形成するようにしたものがあった。
しかしこの多面体回動ドラムでは、アルファベット等の文字が可動表示面と固定表示面とに跨って表示されることから、他の可動表示面が表示されるときに、周囲の固定表示面の表示内容がのこるため遊技者に違和感を与えてしまう。
これに対し本実施例のドラム側装飾部627及び本体側装飾部633A,633Bは文字ではなく装飾であるため、他の表示面626b、626cが表示されている場合において本体側装飾部633A,633Bが目立って遊技者に違和感を与えることがない。また、本体側装飾部633A,633Bはドラム側装飾部627の上方位置及び下方位置それぞれに配設されるため、回転ドラム602を上下に跨ぐように装飾部が形成されるため、表示面626aが表示されたときの統一感が向上される。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。