JP2012200219A - 作業車両 - Google Patents

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尚志 布野
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Abstract

【課題】作業機の圃場での作業深さの表示又は制御を低コストで行うことが可能な作業車両を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明は、走行機体2に連結された作業機4を昇降させるリストアーム22を該走行機体2に設け、該作業機4の圃場での作業深さの表示又は制御を行う制御部32を備えた作業車両であって、前記リストアーム22のリフト角αを検出するリフト角検出手段33を備え、リフトアーム22のリフト角α情報及び該リフト角αとなる場合の作業機4の対地高さH情報からなるデータセットを、少なくとも2組以上、予め制御部32に記憶し、該制御部32は、前記2組以上のデータセットから、該作業機4におけるリフト角αと対地高さHの相関関係を求め、該相関関係に基づき、リフト角検出手段33からの検出値から、該作業機4の圃場での作業深さDを算出する。
【選択図】図3

Description

作業機の圃場での作業深さの表示又は制御を行う作業車両に関する。
走行機体に連結された作業機を昇降させるリストアームを該走行機体に設け、該作業機の圃場での作業深さの表示又は制御を行う制御部を備え、作業機による作業深さを確認しながら作業機を行うか、或いは、作業機の作業深さを最適に制御することによって、作業効率を向上させた特許文献1に示す作業車両が公知になっている。
特開平8−56411号公報(第1−2図)
しかし、上記文献の作業車両は、前記リストアームのリフト角を検出するリフト角検出手段の他に、作業深さ検出手段の一種である耕深センサが設けられており、部品手数が増加してコストを低く抑えることが困難である。これに加えて、同文献では、作業機を接地させた際のリフト角を基準値とし、リフト角検出手段によって検出されるリフト角に基づいて、作業機の作業深さを換算する旨が記載されているが、どのような換算手段によって、該作業深さを取得するのかについて、まったく記載されていない。
本発明は、作業機の圃場での作業深さの表示又は制御を低コストで行うことが可能な作業車両を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、走行機体2に連結された作業機4を昇降させるリストアーム22を該走行機体2に設け、該作業機4の圃場での作業深さの表示又は制御を行う制御部32を備えた作業車両であって、前記リストアーム22のリフト角αを検出するリフト角検出手段33を備え、リフトアーム22のリフト角α情報及び該リフト角αとなる場合の作業機4の対地高さH情報からなるデータセットを、少なくとも2組以上、予め制御部32に記憶し、該制御部32は、前記2組以上のデータセットから、該作業機4におけるリフト角αと対地高さHの相関関係を求め、該相関関係に基づき、リフト角検出手段33からの検出値から、該作業機4の圃場での作業深さDを算出することを特徴としている。
上記構成によれば、制御部に予め記憶された情報と、作業機を昇降させるリフトアームのリフト角を検出するリフト角検出手段とによって、作業機の作業深さを検出可能になるため、作業機の作業深さを検出する作業深さ検出センサを、リフト角検出手段とは別に設ける必要が無く、コストを低く抑えることが可能になる。
本発明を適用した農業用のトラクタの全体側面図である。 (A)はフロント操作パネルの背面図であり、(B)はサイド操作パネルの平面図である。 リフト角と対地高さの関係を示す特性グラフである。 制御部のブロック図である。 第1入力モード切換時の処理フロー図である。 第2入力モード切換時の処理フロー図である。 作業深さ表示モード切換時の処理フロー図である。 第2入力モードの別実施例を示す処理フロー図である。
図1は、本発明を適用した農業用のトラクタの全体側面図である。作業車両の一種であるトラクタは、左右一対のクロー式走行装置1L,1Rによって支持された走行機体2と、該走行機体2の後方にリンク3を介して昇降自在に連結された耕耘機(作業機)4とを備えている。
上記走行機体2は、左右のクローラ式走行装置1L,1Rによって支持された前後方向の車台6上の前部に設置されたエンジン(図示しない)を開閉自在にカバーするボンネット7を設け、該ボンネット7の後方に操縦部8を覆うキャビン9を立設している。
上記リンク3は、3点リンクと呼ばれるタイプのものであり、走行機体2の後端部に上下揺動可能に支持された左右一対のロアリンク11,11と、該左右のロアリンク11,11の上方側に位置するように走行機体2の後端部に上下揺動自在に支持された単一のトップリンク12とを備えている。
上記耕耘機4は、部分深耕深と呼ばれるタイプのものであり、左右方向の横フレーム13と、横フレーム13の左右方向中央部から後方に一体的に延設された前後方向の縦フレーム14と、横フレーム14の左右方向中央部から前方斜め上方に延びる上部連結フレーム16と、横フレーム14から前方斜め下方に延びる左右一対の下部連結フレーム17,17と、縦フレーム14の後端部から下方に一体的に延出された支持フレーム18と、支持フレーム18の下側半部に該該支持フレーム18に沿って取付固定された作業体19とを備えている。
支持フレーム18の下側半部及び作業体19は、下方に向かって前方に湾曲形成されており、この作業体19は、支持フレーム18に比べて、幅広に形成されている。上部連結フレーム16の前端部が上記トップリンク12の後端部に連結されるとともに、左右の下部連結フレーム17,17の前端部が上記左右のロアリンク17,17の後端部にそれぞれ連結されることにより、耕耘機4が、走行機体2に昇降自在に連結される。
この耕耘機4は、昇降駆動装置21によって、昇降駆動される。該昇降駆動装置21は、走行機体2の後端部に上下揺動可能に支持された左右一対のリフトアーム22,22と、左右のリフトアーム22,22の後端部と左右のロアリンク11,11の中途部とをそれぞれ連結する左右一対のリフトロッド23,23と、左右のリフトアーム22,22を同一の上下揺動角(リフト角)αで一体的に上下揺動させる左右一対の図示しない油圧式の昇降シリンダとを備えている。この昇降シリンダの伸縮に伴うリフトアーム22,22の上下揺動によって、耕耘機4が昇降駆動される。
図2(A)はフロント操作パネルの背面図であり、(B)はサイド操作パネルの平面図である。図1及び図2に示すとおり、操縦部8は、オペレータが着座する座席24の前方にフロント操作パネル26を設置し、座席24の側方にサイド操作パネル27を配設している。
フロント操作パネル26は、図示しないステアリングハンドルの前方の位置するメータパネル26a内に各種情報を表示する表示部であるLCD28を備え、該メータパネル26aの左右一方寄り箇所の下方には、押ボタン式の各種スイッチ類を有する操作ユニット29を設けている。
操作ユニット29は、アップスイッチ29aとダウンスイッチ29bを上下に有するとともに、後述する各種モードへの切換を行うレフトスイッチ29cとライトスイッチ29dを左右に有する他、アップスイッチ29aとダウンスイッチ29bの間で且つレフトスイッチ29cとライトスイッチ29dの間に、モード切換の決定やその他の各種決定を行う決定スイッチ29eを有している。
サイド操作パネル27は、リフトアーム22,22を介した耕耘機4の昇降操作を前後揺動によって行うポジションコントロールレバー(昇降操作具)31が設置されている。
このような構成のトラクタは、圃場において、作業体19が土中に挿入される位置まで耕耘機4を下降させ、前進走行させると、圃場の土が該作業体19に切削され、圃場面Mまで持上げられ、作業体19の湾曲形状に沿って上方斜め前方側に反転するように放出され、圃場の耕耘が行われる。
この際、作業体19及び支持フレーム18の圃場面Mからの挿入長さが耕耘深さ(作業深さ)Dとなり、この耕耘深さDを表示するとともに最適に制御するマイコン等からなる制御部32(図4参照)が本トラクタに搭載されている。ちなみに、この耕耘深Dさは、リフト角αによって、算出可能である。
図3は、リフト角と対地高さの関係を示す特性グラフである。耕耘機4の圃場面Mからの耕耘深さDは、耕耘機4の圃場面Mからの高さである対地高さHの値に対してプラスマイナスを逆にした値となる。
また、対地高さHと、リフト角αとには、一次関数となる関係式(相関関係)が成立している。具体的には、異なる2つの任意のリフト角αをα1及びα2とし、リフト角αがα1の場合の作業高さHをd1とし、リフト角αがα2の場合の作業高さHをd2とした場合、対地高さHは、リフト角αの値を用い次に式によって近似的に算出可能である。ちなみに、ここでは、α1よりもα2は大きな値であるものとする。
Figure 2012200219
よって、耕耘深さDも次の式によって、算出される。
Figure 2012200219
すなわち、リンク3及び耕耘機4に対して、リフト角αと、該リフト角αとなる場合の耕耘機4の対地高さHとからのデータセットを一組として、このデータセットを2組以上、予め制御部32に記憶させておけば、リフト角αの値を逐次検出することによって、耕耘深さDを算出することが可能になる。
図4は、制御部のブロック図である。制御部32は、各種情報を記憶する記憶部(図示しない)を有し、該制御部32の入力側には、上述したアップスイッチ29a、ダウンスイッチ29b、レフトスイッチ29c、ライトスイッチ29d及び決定スイッチ29eの各種操作具が接続されている他、上述したリフト角αを検出するリフト角検出手段であるリフト角センサ33が接続されている。
一方、制御部32の出力側には、上述したLCD28の他、前記昇降シリンダを伸長作動させる上昇バルブ34と、該昇降シリンダを縮小作動させる下降バルブ36とが接続されている。すなわち、制御部32は、上昇バルブ34及び下降バルブ36を介して、昇降シリンダを伸縮させ、耕耘機4を昇降制御(耕耘機4の耕耘深さDを制御)することができる。
この制御部32は、上述データセットを入力する入力処理モードとして第1入力モード及び第2入力モードを有し、この他、LCD28に耕耘深さDを表示させる作業深さ表示モードと、耕耘機4の耕耘深さDを自動的に作業に最適な深さに保持する作業深さ自動制御モードとを有している。ちなみに、予め定めた所定の操作によって、上記各モードへの切換が制御部32を介して行われる。
図5は、第1入力モード切換時の処理フロー図である。第1入力モードの実行中、オペレータは、ポジションコントロールレバー31等によって、耕耘機4を圃場面Mに接地させる。この際のリフト角α及び対地高さHを、α1及びd1として、制御部32は処理を実行する。
具体的には、制御部32は、第1入力モードの実行が開始されると、ステップS1から処理を開始する。ステップS1では、決定スイッチ29e及びリフト角センサ33からの検知結果を読込み、ステップS2に進む。ステップS2では、決定スイッチ29eが入操作されたか否かを確認し、入操作されていれば、ステップS3に進み、入操作されていなければ、ステップS1に処理を戻す。
ステップS3では、耕耘機4を圃場面Mに接地させた上で、オペレータが決定スイッチ29eを入操作して決定を行ったものと判断し、上記α1の値に、リフト角センサ33からの検出値を入力するとともに、上記d1に0を入力し、このα1の値及びd1の値を、制御部32に記憶して、ステップS1に処理を戻す。
このような処理によれば、α1及びd1からなるデータセットを制御部32に記憶させるに際して、対地高さHを手作業で計測する必要がなくなり、利便性が高い。
図6は、第2入力モード切換時の処理フロー図である。第2入力モードの実行中、オペレータは、ポジションコントロールレバー31等によって、耕耘機4を圃場面Mから任意の高さまで上昇させる。この際の対地高さHをd2とするとともに、リフト角αをα2として、制御部32は処理を実行する。ちなみに、この際の対地高さHは、手作業等によって計測される。
具体的には、制御部32は、第2入力モードの実行が開始されると、ステップS11に処理を進める。ステップS11では、所定の値(表示値)をLCD28に表示するとともに、アップスイッチ29aと、ダウンスイッチ29bと、決定スイッチ29eと、リフト角センサ33からの検知結果を読込み、ステップS12に進む。
ステップS12では、アップスイッチ29aの入切を確認し、入操作されていればステップS13に進む一方で、切操作されていれば、ステップS14に進む。ステップS13では、現在の表示値に所定値を加算した値を新たな表示値として、ステップS14に進む。
ステップS14では、ダウンスイッチ29bの入切を確認し、入操作されていればステップS15に進む一方で、切操作されていれば、ステップS16に進む。ステップS15では、現在の表示値から所定値を減算した値を新たな表示値として、ステップS16に進む。
ステップS16では、決定スイッチ29eの入切を確認し、入操作されていればステップS17に進む一方で、切操作されていれば、ステップS11に処理を戻す。
ステップS17では、その際の表示値が、計測した対地高さH(d2)であるものとし、上記α2の値にリフト角センサ33からの検出値を入力するとともに、上記d2に表示値を入力し、このα2の値及びd2の値を、制御部32に記憶して、ステップS11に処理を戻す。
すなわち、LCD28に現に測定した対地高さHが表示されるまで、アップスイッチ29a又はダウンスイッチ29bによる入操作を繰返し、該対地高さHがLCD28に表示された段階で、決定スイッチ29eを入操作することによって、α2及びd2からなるデータセットを制御部32に記憶させることができる。
図7は、作業深さ表示モード切換時の処理フロー図である。制御部32は、作業深さ表示モードへの切換が行われると、ステップS21から処理を開始する。ステップS21では、リフト角センサ33からの検知結果を読込み、ステップS22に進む。ステップS22では、上述の2つの入力モードによって、制御部32の記憶部に予め記憶された2組の異なるデータセットと、リフト角センサ33からのシフト角αによって、上述の式より、耕耘深さDを算出し、ステップS23に進む。ステップS23では、算出した耕深深さDを、LCD28に表示し、ステップS21に処理を戻す。
次に、図8に基づき本発明の別実施形態について、上述の例と異なる点を説明する。
図8は、第2入力モードの別実施例を示す処理フロー図である。この処理では、d2の値を予め定め、耕耘機4の対地高さHがd2であることを示す指標(図示しない)を別途設ける。オペレータは、この指標に基づき、ポジションコントロールレバー31によって、対地高さHがd2となる高さに耕耘機4を昇降させる。制御部32は、この際のリフト角αを検出し、この検出値をα2とすることによって、α1及びd1からなるデータセットを、自身に記憶させることが可能になる。
具体的には、該モードの処理が開始されると、ステップS31に進む。ステップS31では、決定スイッチ29e及びリフト角センサ33からの検知値を読込み、ステップS32に進む。ステップS32では、決定スイッチ29eが入切を確認し、入操作されていればステップS33に進み、切操作されていなければステップS31に処理を戻す。
ステップS33では、耕耘機4の対地高さHが予め定めたd2に昇降され、オペレータが決定スイッチ29eを入操作して決定を行ったものと判断し、上記α2の値に、リフト角センサ33からの検出値を入力し、このα2の値及びd2の値を、制御部に記憶して、ステップS31に処理を戻す。
このような処理によれば、α2及びd2からなるデータセットを制御部32に記憶させる際、対地高さHを手作業で計測する必要がなくなり、利便性が高い。
1L,1R クローラ式走行装置
2 走行機体
3 リンク(3点リンク)
4 耕耘機
6 車台
7 ボンネット
8 操縦部
9 キャビン
11 ロアリンク
12 トップリンク
13 横フレーム
14 縦フレーム
16 上部連結フレーム
17 下部連結フレーム
18 支持フレーム
19 作業体
21 昇降駆動装置
22 リフトアーム
23 リフトロッド
24 座席
26 フロント操作パネル
26a メータパネル
27 サイド操作パネル
28 LCD(表示部)
29 操作ユニット
29a アップスイッチ
29b ダウンスイッチ
29c レフトスイッチ
29d ライトスイッチ
29e 決定スイッチ
31 ポジションコントロールレバー(昇降操作具)
32 制御部(マイコン)
33 リフト角センサ(リフト角検出手段)
34 下降バルブ
36 上昇バルブ
D 耕耘深さ(作業深さ)
H 対地高さ
M 圃場面
α リフト角

Claims (1)

  1. 走行機体(2)に連結された作業機(4)を昇降させるリストアーム(22)を該走行機体(2)に設け、該作業機(4)の圃場での作業深さの表示又は制御を行う制御部(32)を備えた作業車両であって、前記リストアーム(22)のリフト角(α)を検出するリフト角検出手段(33)を備え、リフトアーム(22)のリフト角(α)情報及び該リフト角(α)となる場合の作業機(4)の対地高さ(H)情報からなるデータセットを、少なくとも2組以上、予め制御部(32)に記憶し、該制御部(32)は、前記2組以上のデータセットから、該作業機(4)におけるリフト角(α)と対地高さ(H)の相関関係を求め、該相関関係に基づき、リフト角検出手段(33)からの検出値から、該作業機(4)の圃場での作業深さ(D)を算出する作業車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015188428A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 ヤンマー株式会社 農作業車両

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