JP2012193512A - ガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上方に障害物が存在しても、障害物を撤去せずにガーダ橋にガーダ橋懸吊治具を取り付けることで、ガータ橋を架設または撤去を可能にするガーダ橋懸吊治具を提供する。
【解決手段】ガーダ橋の一対の側壁間102A,102Bを横架する横架部材11Bと、横架部材11Bに支持される吊り滑車接続フランジ16Bおよび吊り滑車接続フランジ16Bに形成した吊り滑車接続ピン挿入孔からなるクレーンワイヤ接続部材と、を有したガーダ橋懸吊治具10を使用する。ガーダ橋懸吊治具10の横架部材11Bを一対の側壁に横架したとき、側壁102A,102Bの上端からガーダ橋の重心までの間の高さ位置でかつこれらの側壁102A,102B間の略中央位置に位置するように、前記吊り滑車接続ピン挿入孔とクレーンワイヤ203から吊り下げた吊り滑車本体202に形成した吊り滑車接続ピン挿通孔とに、吊り滑車接続ピン17を接続して吊り下げる。
【選択図】図3

Description

この発明はガーダ橋懸吊治具、特に既に設置されたガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を撤去せずに、ガータ橋を撤去または新たに架設することができるガーダ橋懸吊治具に関する。
従来より、所定の重量物を簡便で確実に懸吊するための懸吊治具として特許文献1に記載のものが知られている。この場合、クレーンフックに懸吊治具のワイヤの途中を引っ掛け、このワイヤの両端に取り付けたワイヤフックを運搬物に引っ掛ける。そして、クレーンフックを上昇させて運搬物を吊り上げることとなる。また、この懸吊治具では、上記ワイヤの両端部にバネをそれぞれ並設してある。そして、クレーンワイヤを巻き上げることで、この運搬物を懸吊する。上昇時、ワイヤがたるんでも両方のワイヤフックはバネによって常に上方に引っ張られているので、ワイヤフックが運搬物に引掛かった状態を保ちこれが外れることがない。さらに引き上げてワイヤがピンと張った状態とした後、クレーンを操作して吊り下げた運搬物を運ぶこととなる。
特開平7−215656号公報
特許文献1に記載の懸吊治具によれば、運搬物をワイヤ両端のワイヤフックに引っ掛けて懸吊するため、クレーンフックと一対のワイヤフックとがワイヤを介して三角形を形成することとなる。よって、運搬物を引き上げるためにはこの三角形の高さ以上の作業高さが必要となる。作業高さとは、懸吊対象物の上端からクレーンのビームの先端までの高さであって、クレーンにて懸吊対象物を懸吊する作業に必要な高さをいう。
このため、上記懸吊治具を使用すると、運搬物の上方に障害物(例えば、架空電車線や電線など)が存在する場所において、この運搬物の上端とこの障害物との間の高さが上記作業高さより低い場合、この障害物を除去または一旦撤去する方法しか運搬物を吊り上げる方法はなかった。
例えば、鉄橋などに用いられるガーダ橋にあって、上記懸吊治具を使用してこれを掛け替える場合、既に架設された電線などを取り除く作業および再度架設する作業が必要となり、限定された時間内でのガーダ橋交換作業は煩雑で困難をきわめて極めていた。
そこで、この発明は、既設のガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、このガータ橋を安全に懸吊することが可能なガーダ橋懸吊治具を提供することを、その目的としている。
請求項1に記載の発明は、一対の側辺及び一対の端辺を有する四角形の床版と、上記一対の側辺からそれぞれ立設された所定高さの一対の側壁と、を有するガーダ橋をクレーンにて懸吊するガーダ橋懸吊治具であって、上記一対の側壁同士を横架する横架部材と、この横架部材より下方位置に設けられ、クレーンワイヤに接続されるクレーンワイヤ接続部材と、を有し、上記横架部材が上記側壁同士を横架するように取り付けられたとき、一対の側壁の上端から上記ガーダ橋の重心までの間の高さ位置で、かつ、上記床版の中央位置に上記クレーンワイヤ接続部材が位置するように設けられたガーダ橋懸吊治具である。
上記床版とは、一対の側辺(長辺)、所定幅の一対の端辺(短辺)を有する、四角形(長方形を含む)の床部材である。この床版にはRC床版、PC床版、鋼床版、合成床版などがある。
上記一対の側壁は、上記一対の側辺からそれぞれ垂直に立設された、断面が矩形、I字型等の一定高さの板壁である。なお、1対の側壁の各サイズは同じであることが好ましい。ガーダ橋とは上記床版と上記一対の側壁とによって断面が上部が開口した略コの字型となるように構成された橋である。
懸吊するとは、ガーダ橋をクレーンワイヤを用いてクレーンに吊すことをいう。
上記横架部材とは、一対の側壁間をほぼ水平に横架する部材であり、鋼板、鋼棒等の高強度の部材で構成される。この横架部材の長さは、上記床版の端辺の長さ(すなわち、床版の幅)と同等かこれよりもわずかに長い。
上記クレーンワイヤ接続部材は、クレーンに設けられたクレーンワイヤを接続するためのものであり、滑車、フックなどで構成することができる。クレーンワイヤはクレーンのウィンチから延び、ビームの先端のシーブなどを経由して、ビームの先端から垂下している。このクレーンワイヤの垂下された端部にはフックや滑車などを設けることができる。クレーンワイヤをクレーンワイヤ接続部材に接続する方法は任意である。クレーンワイヤを直接クレーンワイヤ接続部材に緊結してもよい。また、クレーンワイヤに滑車やフックを取り付け、この滑車やフックをクレーンワイヤ接続部材に掛止してもよい。
このクレーンワイヤ接続部材は、上記一対の側壁の上端から上記ガーダ橋の重心までの間の高さ位置で、かつ、平面的には上記床版のほぼ中央の位置に配設されている。ここで、床版の中央位置とは、平面視して床版の中央点のみを示すのではなく、ガーダ橋をクレーンワイヤにて懸吊したとき、ガーダ橋を安全に吊り上げることができる角度(例えば床版が完全な水平ではなくても許容できる程度に傾いた場合の角度)となる位置にクレーンワイヤ接続部材を設けることを意味する。なお、この中央とは、幾何学上の中心ではなく、重心をさす。
このクレーンワイヤ接続部材が上記側壁の上端より高い位置に設けられた場合、上方に存在する障害物により、障害物とガーダ橋との間の高さがクレーン接続部材により削減されることを意味し、このガーダ橋をクレーンにて懸吊することに困難性を付加することとなる。
一方、このクレーンワイヤ接続部材がガーダ橋の重心より低い位置に設けられた場合、このガーダ橋を懸吊するときガーダ橋の姿勢の安定性に問題が生じ、安全に懸吊することができないおそれがある。
クレーンワイヤをこのクレーンワイヤ接続部材に接続するときの作業効率の観点から、このクレーンワイヤ接続部材はこのガーダ橋の重心に近い位置に設けることが好ましい。
クレーンワイヤ接続部材は、平面視したときの床版の中央位置に設けられている。このためガーダ橋をその姿勢のバランスが良く安全に懸吊することができる。
請求項1に記載の発明によれば、例えば横架部材の両端を一対の側壁にそれぞれ固着することにより、横架部材が側壁同士を横架するように取り付ける。この結果、クレーンワイヤ接続部材は、一対の側壁の上端から上記ガーダ橋の重心までの間の高さ位置で、かつ、平面視して床版の中央位置に配設されることとなる。このようにガーダ橋懸吊治具をガーダ橋に取り付けた後、クレーンワイヤ接続部材にクレーンワイヤを接続する。そして、クレーンワイヤを巻き上げることにより、ガーダ橋を1本吊りにて吊り上げることとなる。このとき、クレーンワイヤの下端となるクレーンワイヤ接続部材は、平面視してガーダ橋の重心位置に配置されるとともに、側面視して側壁の高さより低くガーダ橋の重心位置と同じかこれより高い位置に配置されているため、吊り下げ状態でのガーダ橋の姿勢をほぼ水平に保持することが容易となり、安定して懸吊することができる。
このとき、クレーンワイヤ接続部材は上記側壁の上端より低い位置に配設されるため、クレーンによる作業高さに影響を与えることがない。よって、ガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、ガータ橋を吊り上げることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、上記横架部材には下方に突出するように脚部材が固着され、この脚部材には、上記床版の中央位置の上方を通る水平な取付部材が固着され、上記床版の中央位置の直上にあたる取付部材に上記クレーンワイヤ接続部材が設けられた請求項1に記載のガーダ橋懸吊治具である。
ガーダ橋懸吊治具は、横架部材を含み、またこの横架部材に対して垂直な脚部材を設け、この脚部材の例えば下端に水平な取付部材を固着する。そして、この取付部材を介してクレーンワイヤ接続部材を所定位置に配置する。よって、このガーダ橋懸吊治具におけるクレーンワイヤ接続部材は、ガーダ橋の側壁の間において所定の位置決めがなされ、クレーンワイヤとの接続作業が容易となる。
この発明によれば、ガーダ橋懸吊治具は、例えばその横架部材の両端をガーダ橋の一対の側壁の上端に固着することにより、ガーダ橋に取り付けられる。この結果、クレーンワイヤ接続部材は、床版の中央位置、すなわち、ガーダ橋の重心位置の略直上で側壁の上端より低い位置に位置することとなる。よって、ガーダ橋懸吊治具を用いてガーダ橋を例えば1本4点吊りにて吊り上げるとき、これを安定した姿勢で懸吊することができる。
また、クレーンワイヤ接続部材を側壁より低い位置に取り付けたため、これらの側壁の上端からこのクレーンワイヤ接続部材の取付位置までの高さだけ懸吊に必要な高さから差し引くことができる。このため、クレーンによる作業高さを確保することができ、ガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、ガーダ橋を吊り上げることが可能となる。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具の斜視図である。 この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具をガーダ橋に取り付けたときの状態を示す斜視図である。 この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具を用いて玉掛けを行ったときの状態を示す図である。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具を図1〜図3を参照して以下説明する。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具10は、その使用時は、既設のガーダ橋100の一対の側壁102A,102Bの間に横設されることとなる。すなわち、ガーダ橋懸吊治具10は、ガーダ橋100に固設されることにより、ガーダ橋100と一体化される。そして、ガーダ橋懸吊治具10と吊滑車本体202とが吊滑車接続ピン17によって接続されることによりクレーン200がガーダ橋100を吊り上げるものである。
図2に示すように、上記ガーダ橋100は、平面視して矩形の床版101と、この床版101の側辺からそれぞれ垂直に立設した所定高さの一対の側壁102A,102Bとから構成される。
上記床版101は、所定長さの一対の側辺と、所定幅の一対の端辺とを有する矩形の鋼床版である。この床版101は鋼板にて矩形板状に形成されている。なお、この床版101は、H型鋼、I型鋼等の形鋼にて平面視して矩形となるように連結・形成された格子状の床版でもよい。また、その長さおよび幅は、ガーダ橋100の用途、必要な桁長によって決定される。
この床版101の長さ方向に延びる辺である一対の側辺から垂直に上記側壁102A、102Bがそれぞれ立設されている。
これら一対の側壁102A,102Bは、断面I型で矩形の鋼板で構成されている。これら一対の側壁102A,102Bは同一の高さ、長さを有している。
上記一対の側壁102A,102Bは、互いに平行となるように離間して立設されている。これら一対の側壁102A,102Bの離間距離は、上記床版101の幅と略同じとなる。
このように構成されたガーダ橋100に上記ガーダ橋懸吊治具10が取り付けられる。
このガーダ橋懸吊治具10は、それぞれが上記一対の側壁102A,102B間を横架する一対の側壁横架部材11A,11Bを有している。これら一対の側壁横架部材11A,11Bは所定の間隔を有して平行に設けられており、これらの側壁横架部材11A,11Bの間には一対の第1の橋架部材12A,12Bがこれらを橋架して互いに平行に設けられている。そして、これら一対の第1の橋架部材12A,12Bの間を互いに平行な一対の第2の橋架部材13A,13Bが橋架している。すなわち、上記側壁102A,102Bに直交して側壁横架部材11A,11Bが、側壁横架部材11A,11Bに直交して(側壁102A,102Bの内側でこの側壁と平行に)第1の橋架部材12A,12Bが、さらに第1の橋架部材12A,12Bに直交して(側壁横架部材11A,11Bの内側でこれと平行に)第2の橋架部材13A,13Bがそれぞれ固設されている。よって、これら側壁横架部材、第1,第2の橋架部材は、全体として平面視した場合、井桁構造を呈している。
側壁102A,102Bの間のほぼ中央位置にてこれらと直交しかつ互いに平行に配設された一対の第2の橋架部材13A,13Bには、同じ長さの4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dが、これらの第2の橋架部材13A,13Bから垂直に垂下されている。すなわち、上端が第2の橋架部材13A,13Bにそれぞれ固着されたこれら4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端は、平面視して4角形の4頂点を構成するように配設されている。
そして、これらの支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの隣り合う下端同士は、平面視して四角形の支持枠15によって連結されている。すなわち、4角形の支持枠15の各頂点が、これらの支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端にそれぞれ固着されており、支持枠15は水平に保持されている。
帯板材を4角形に連結してなる支持枠15にあって、上記側壁102A,102Bと平行に設けられた対向する一対の辺同士は、それらの長さ方向の中間位置にて、その両端が固着された一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bにより橋絡されている。これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bは、支持枠15が構成する4角形のほぼ中心位置にて上向きに所定の隙間を有して対向して配設されている。また、これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bには、同じ高さ位置に同じ径の吊滑車接続ピン挿入孔がそれぞれ形成されており、これらの吊滑車接続ピン挿入孔に1本の断面円形の吊滑車接続ピン17が挿入されて保持されている。吊滑車接続ピン17は支持枠15のほぼ中心位置、すなわち平面視して井桁形状の上記第1,第2の橋架部材12A,12B,13A,13Bの中心位置に配置されていることとなる。これは、吊滑車接続ピン17がガーダ橋100の重心位置に対して平面視した場合に一致しており、かつ側面視して上記側壁102A,102Bの上端より低く、ガーダ橋100の重心位置より高い位置に配設されていることを意味している。
さらに詳述すると、上記側壁横架部材11A,11Bは、側壁間長さと略同じ長さのH型鋼材で形成されている。これら一対の側壁横架部材11A,11Bは、一対の側壁102A,102Bの離間距離よりわずかに長く形成し、それらの両端は、上記側壁102A,102Bの長さ方向の所定位置でそれらの上面に、それぞれ例えばボルト結合などで固着されている。また、これら一対の側壁横架部材11A,11Bは、互いが平行になるように所定距離だけ離間し、かつ側壁長さ方向ではその側壁102A,102Bの2等分線を中心とした線対称に固着されている。よって、これらの側壁横架部材11A,11Bは、上記側壁102A,102Bの長さ方向(延びる方向)に対して直角となって設けられている。
また、上記第1の橋架部材12A,12Bはいずれも、側壁横架部材11A,11B間の長さと同一長さのH型鋼で形成されている。
これら一対の第1の橋架部材のうちの一方の第1の橋架部材12Aは、その両端が上記一対の側壁横架部材11A,11Bの一端から他端に向かって所定長さだけ内側の位置にて固着されている。すわなち、一方の第1の橋架部材12Aの両端は、上記一対の側壁横架部材11A,11Bにそれぞれ溶接により固着されている。
また、これら一対の第1の橋架部材のうちの他方の第1の橋架部材12Bは、上記一対の側壁横架部材11A,11Bの他端から一端に向かって所定長さだけ内側の位置にて固着されている。すわなち、他方の第1の橋架部材12Bの両端は、上記一対の側壁横架部材11A,11Bにそれぞれ溶接によって固着されている。
これら一対の第1の橋架部材12A,12Bはいずれも、一対の側壁横架部材11A,11Bに対して直角に固着され、平面視した場合、一対の側壁102A,102Bの内側でかつこれらの部材12A,12B,11A,11Bの内側に4角形の空間を構成している。
上記第2の橋架部材13A,13Bは同一長さのH型鋼で形成してある。一方の第2の橋架部材13Aは、上記一対の第1の橋架部材12A,12Bの長さ方向の一端から所定長さだけ内側位置に固着され、他方の第2の橋架部材13Bは、これに対向して第1の橋架部材12A,12Bの他端から所定長さだけ内側位置に固着されている。すわなち、一方の第2の橋架部材13Aの両端は、上記一対の第1の橋架部材12A,12Bにそれぞれ溶着されており、他方の第2の橋架部材13Bもその両端は同様に第1の橋架部材12A,12Bにそれぞれ溶着されている。これらの第2の橋架部材13A,13Bは、一対の第1の橋架部材12A,12Bに対して直角に固着されており、その結果、第2の橋架部材13A,13Bは、第1の橋架部材12A,12Bの内側に4角形の開口を形成することとなる。
上記支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dは、同一長さのH型鋼で形成してある。
支持枠取付部材14Aの上端は、第2の橋架部材13Aの長さ方向の一端底面に固着されている。同じく支持枠取付部材14Bの上端は第2の橋架部材13Bの長さ方向の他端底面に固着されている。また、支持枠取付部材14Cの上端は、第2の橋架部材13Bの他端底面に、支持枠取付部材14Dの上端は、第2の橋架部材13Bの一端底面にそれぞれ固着されて垂下されている。これらの支持枠取付部材14A〜14Dはいずれも垂直に垂下されており、その下端に上述した矩形枠である支持枠15が固着されている。
なお、この実施例に係るクレーンガーダ橋懸吊治具10を、上記一対の側壁102A,102Bに取り付けたとき、後述する吊滑車接続ピン17が上記側壁101A,101Bの上端より低く、上記ガーダ橋100の重心の直上に位置するように、これら4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの長さが決定される。
上記支持枠15は、平面視して矩形の枠であり、この支持枠15は4本のH型鋼で形成されている。この支持枠15は、直線状に延びる断面H型の一対の長辺枠部材と、直線状に延びる断面H型の一対の短辺枠部材と、によって構成されている。これらの長辺枠部材とこれらの短辺枠部材とを溶接により固着することにより、平面視して矩形の枠が形成される。
そして、この支持枠15の頂点が上記4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端に位置するようにこの支持枠15は、上記4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端に溶接されている。
上記吊滑車接続フランジ16A,16Bは、半円とこの半円の弦を長辺とする矩形とを組み合わせた形状の鋼板で形成している。
これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bは、この支持枠15の一対の長辺枠部材の中央から所定長さだけ離間した位置に溶接されている。このため、支持枠15と一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bとにより構成される構造が、一対の長辺枠部材の中央を通る軸を中心軸に左右対称となるように、一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bは、この支持枠15に溶接されている。
これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bの略中央位置に、円形の貫通孔(吊滑車接続ピン挿入孔)が形成されている。
上記一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bに形成された吊滑車接続ピン挿入孔に上記吊滑車接続ピン17が挿入される。この吊滑車接続ピン17は、断面円形の鋼棒であり、上記吊滑車接続フランジ16A,16Bに形成された吊滑車接続ピン挿入孔に抜き差し自在な大きさで形成されている。
この吊滑車接続ピン17は、当該クレーンガーダ橋懸吊治具10を、上記一対の側壁102A,102Bに取り付けたとき、上記側壁101A,101Bの上端より低く、上記ガーダ橋100の重心の直上に位置するように設けられる。
このように構成されたガーダ橋懸吊治具10を用いて、ガーダ橋100をクレーン200を用いて懸吊する方法について図2および図3を用いて説明する。
この実施例においてガーダ橋100を吊り上げるクレーン200は、ビーム201Aの先端にガイドシーブ201B及びポイントシーブ201Cを有している。このビーム201Aの基端部には図示しないウィンチが設けられている。このウィンチからガイドシーブ201Bおよびポイントシーブ201Cを経由して、クレーンワイヤ203がこのビーム201Aの先端から下方に向かって垂下されている。このクレーンワイヤ203は、吊滑車本体202に設けられた吊滑車202Aを経由して、ビームの先端に向かって延び、このクレーンワイヤ203の先端は、ビーム201Aの先端に緊結されている。このため、吊滑車本体202は、ビーム201Aの先端から懸吊されている。
この吊滑車本体202の下部には、吊滑車接続ピンが挿通される吊滑車接続ピン挿通孔が形成されている。
このように構成されるクレーン200を用いてガーダ橋100を懸吊する。
まず、この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具10を準備する。
次に、図2に示すように、このガーダ橋懸吊治具10をガーダ橋100の側壁102A,102Bの間に取り付ける。具体的には、このガーダ橋懸吊治具10の構成部材である一対の側壁横架部材11A,11Bが一対の側壁102A,102Bを横架するように、このガーダ橋懸吊治具10を載置する。その後、一対の側壁横架部材11A,11Bの両端を一対の側壁102A,102Bの上面にボルトで固定する。このとき、このガーダ橋懸吊治具10における吊滑車接続ピン17の位置がこのガーダ橋100の重心の直上に位置するように取り付ける。
このようにしてこのガーダ橋懸吊治具10をこのガーダ橋100に取り付けたとき、吊滑車接続ピン17は、上記一対の側壁102A,102Bの上端から上記ガーダ橋100の重心までの間の高さに位置するように設けられる。
その後、クレーン200のビーム201Aの先端からクレーンワイヤ203によって懸吊されている吊滑車本体202を、上記一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bの間に挟み込む。このとき、この吊滑車本体202の下部に形成されている吊滑車接続ピン挿通孔と上記吊滑車接続ピン挿入孔とにより、一つの貫通孔が形成される。
その後、形成されたこの貫通孔に上記吊滑車接続ピン17を挿通する。
上記吊滑車接続ピン17を挿通した後、ウィンチにてクレーンワイヤ203を巻き上げることにより、ガーダ橋100を吊り上げることができる。
なお、巻き上げ高さは、作業環境により適宜調整される。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具10を用いることによって、上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、ガータ橋100を玉掛けし、このガーダ橋100を安定した姿勢で吊り上げることができる。
このため、ガーダ橋100を取付け又は撤去するときの工期を大幅に短縮することができる。
10 ガーダ橋懸吊治具、
11A、11B 側壁横架部材、
12A,12B 第1の橋架部材、
13A,13B 第2の橋架部材、
15 支持枠、
16A,16B 吊滑車接続フランジ、
17 吊滑車接続ピン、
100 ガーダ橋、
101 床版、
102A,102B 側壁、
200 クレーン、
203 クレーンワイヤ。
この発明はガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法、特に既に設置されたガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を撤去せずに、ガータ橋を撤去または新たに架設することができるガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法に関する。
従来より、所定の重量物を簡便で確実に懸吊するための懸吊治具として特許文献1に記載のものが知られている。この場合、クレーンフックに懸吊治具のワイヤの途中を引っ掛け、このワイヤの両端に取り付けたワイヤフックを運搬物に引っ掛ける。そして、クレーンフックを上昇させて運搬物を吊り上げることとなる。また、この懸吊治具では、上記ワイヤの両端部にバネをそれぞれ並設してある。そして、クレーンワイヤを巻き上げることで、この運搬物を懸吊する。上昇時、ワイヤがたるんでも両方のワイヤフックはバネによって常に上方に引っ張られているので、ワイヤフックが運搬物に引掛かった状態を保ちこれが外れることがない。さらに引き上げてワイヤがピンと張った状態とした後、クレーンを操作して吊り下げた運搬物を運ぶこととなる。
特開平7−215656号公報
特許文献1に記載の懸吊治具によれば、運搬物をワイヤ両端のワイヤフックに引っ掛けて懸吊するため、クレーンフックと一対のワイヤフックとがワイヤを介して三角形を形成することとなる。よって、運搬物を引き上げるためにはこの三角形の高さ以上の作業高さが必要となる。作業高さとは、懸吊対象物の上端からクレーンのビームの先端までの高さであって、クレーンにて懸吊対象物を懸吊する作業に必要な高さをいう。
このため、上記懸吊治具を使用すると、運搬物の上方に障害物(例えば、架空電車線や電線など)が存在する場所において、この運搬物の上端とこの障害物との間の高さが上記作業高さより低い場合、この障害物を除去または一旦撤去する方法しか運搬物を吊り上げる方法はなかった。
例えば、鉄橋などに用いられるガーダ橋にあって、上記懸吊治具を使用してこれを掛け替える場合、既に架設された電線などを取り除く作業および再度架設する作業が必要となり、限定された時間内でのガーダ橋交換作業は煩雑で困難をきわめて極めていた。
そこで、この発明は、既設のガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、このガータ橋を安全に懸吊することが可能なガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法を提供することを、その目的としている。
請求項1に記載の発明は、一対の側辺及び一対の端辺を有する四角形の床版と、上記一対の側辺からそれぞれ立設された所定高さの一対の側壁と、を有するガーダ橋を、ガーダ橋懸吊治具を用いてクレーンにより懸吊するガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋懸吊方法であって、上記ガーダ橋懸吊治具は、上記一対の側壁同士に横架される横架部材と、この横架部材より下方位置に設けられ、クレーンワイヤに接続されるクレーンワイヤ接続部材と、を有し、上記横架部材を上記ガーダ橋の上記一対の側壁同士を横架するように取り付けたとき、上記一対の側壁の上端から上記ガーダ橋の重心までの間の高さ位置で、かつ、上記床版の中央位置に上記クレーンワイヤ接続部材を位置させたガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法である。
上記床版とは、一対の側辺(長辺)、所定幅の一対の端辺(短辺)を有する、四角形(長方形を含む)の床部材である。この床版にはRC床版、PC床版、鋼床版、合成床版などがある。
上記一対の側壁は、上記一対の側辺からそれぞれ垂直に立設された、断面が矩形、I字型等の一定高さの板壁である。なお、1対の側壁の各サイズは同じであることが好ましい。ガーダ橋とは上記床版と上記一対の側壁とによって断面が上部が開口した略コの字型となるように構成された橋である。
懸吊するとは、ガーダ橋をクレーンワイヤを用いてクレーンに吊すことをいう。
上記横架部材とは、一対の側壁間をほぼ水平に横架する部材であり、鋼板、鋼棒等の高強度の部材で構成される。この横架部材の長さは、上記床版の端辺の長さ(すなわち、床版の幅)と同等かこれよりもわずかに長い。
上記クレーンワイヤ接続部材は、クレーンに設けられたクレーンワイヤを接続するためのものであり、滑車、フックなどで構成することができる。クレーンワイヤはクレーンのウィンチから延び、ビームの先端のシーブなどを経由して、ビームの先端から垂下している。このクレーンワイヤの垂下された端部にはフックや滑車などを設けることができる。クレーンワイヤをクレーンワイヤ接続部材に接続する方法は任意である。クレーンワイヤを直接クレーンワイヤ接続部材に緊結してもよい。また、クレーンワイヤに滑車やフックを取り付け、この滑車やフックをクレーンワイヤ接続部材に掛止してもよい。
このクレーンワイヤ接続部材は、上記一対の側壁の上端から上記ガーダ橋の重心までの間の高さ位置で、かつ、平面的には上記床版のほぼ中央の位置に配設されている。ここで、床版の中央位置とは、平面視して床版の中央点のみを示すのではなく、ガーダ橋をクレーンワイヤにて懸吊したとき、ガーダ橋を安全に吊り上げることができる角度(例えば床版が完全な水平ではなくても許容できる程度に傾いた場合の角度)となる位置にクレーンワイヤ接続部材を設けることを意味する。なお、この中央とは、幾何学上の中心ではなく、重心をさす。
このクレーンワイヤ接続部材が上記側壁の上端より高い位置に設けられた場合、上方に存在する障害物により、障害物とガーダ橋との間の高さがクレーン接続部材により削減されることを意味し、このガーダ橋をクレーンにて懸吊することに困難性を付加することとなる。
一方、このクレーンワイヤ接続部材がガーダ橋の重心より低い位置に設けられた場合、このガーダ橋を懸吊するときガーダ橋の姿勢の安定性に問題が生じ、安全に懸吊することができないおそれがある。
クレーンワイヤをこのクレーンワイヤ接続部材に接続するときの作業効率の観点から、このクレーンワイヤ接続部材はこのガーダ橋の重心に近い位置に設けることが好ましい。
クレーンワイヤ接続部材は、平面視したときの床版の中央位置に設けられている。このためガーダ橋をその姿勢のバランスが良く安全に懸吊することができる。
請求項1に記載の発明によれば、例えば横架部材の両端を一対の側壁にそれぞれ固着することにより、横架部材が側壁同士を横架するように取り付ける。この結果、クレーンワイヤ接続部材は、一対の側壁の上端から上記ガーダ橋の重心までの間の高さ位置で、かつ、平面視して床版の中央位置に配設されることとなる。このようにガーダ橋懸吊治具をガーダ橋に取り付けた後、クレーンワイヤ接続部材にクレーンワイヤを接続する。そして、クレーンワイヤを巻き上げることにより、ガーダ橋を1本吊りにて吊り上げることとなる。このとき、クレーンワイヤの下端となるクレーンワイヤ接続部材は、平面視してガーダ橋の重心位置に配置されるとともに、側面視して側壁の高さより低くガーダ橋の重心位置と同じかこれより高い位置に配置されているため、吊り下げ状態でのガーダ橋の姿勢をほぼ水平に保持することが容易となり、安定して懸吊することができる。
このとき、クレーンワイヤ接続部材は上記側壁の上端より低い位置に配設されるため、クレーンによる作業高さに影響を与えることがない。よって、ガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、ガータ橋を吊り上げることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、上記横架部材には下方に突出するように脚部材が固着され、この脚部材には、上記床版の中央位置の上方を通る水平な取付部材が固着され、上記床版の中央位置の直上にあたる取付部材に上記クレーンワイヤ接続部材が設けられた請求項1に記載のガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法である。
ガーダ橋懸吊治具は、横架部材を含み、またこの横架部材に対して垂直な脚部材を設け、この脚部材の例えば下端に水平な取付部材を固着する。そして、この取付部材を介してクレーンワイヤ接続部材を所定位置に配置する。よって、このガーダ橋懸吊治具におけるクレーンワイヤ接続部材は、ガーダ橋の側壁の間において所定の位置決めがなされ、クレーンワイヤとの接続作業が容易となる。
この発明によれば、ガーダ橋懸吊治具は、例えばその横架部材の両端をガーダ橋の一対の側壁の上端に固着することにより、ガーダ橋に取り付けられる。この結果、クレーンワイヤ接続部材は、床版の中央位置、すなわち、ガーダ橋の重心位置の略直上で側壁の上端より低い位置に位置することとなる。よって、ガーダ橋懸吊治具を用いてガーダ橋を例えば1本4点吊りにて吊り上げるとき、これを安定した姿勢で懸吊することができる。
また、クレーンワイヤ接続部材を側壁より低い位置に取り付けたため、これらの側壁の上端からこのクレーンワイヤ接続部材の取付位置までの高さだけ懸吊に必要な高さから差し引くことができる。このため、クレーンによる作業高さを確保することができ、ガーダ橋の上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、ガーダ橋を吊り上げることが可能となる。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具の斜視図である。 この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具をガーダ橋に取り付けたときの状態を示す斜視図である。 この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具を用いて玉掛けを行ったときの状態を示す図である。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法を図1〜図3を参照して以下説明する。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具10は、その使用時は、既設のガーダ橋100の一対の側壁102A,102Bの間に横設されることとなる。すなわち、ガーダ橋懸吊治具10は、ガーダ橋100に固設されることにより、ガーダ橋100と一体化される。そして、ガーダ橋懸吊治具10と吊滑車本体202とが吊滑車接続ピン17によって接続されることによりクレーン200がガーダ橋100を吊り上げるものである。
図2に示すように、上記ガーダ橋100は、平面視して矩形の床版101と、この床版101の側辺からそれぞれ垂直に立設した所定高さの一対の側壁102A,102Bとから構成される。
上記床版101は、所定長さの一対の側辺と、所定幅の一対の端辺とを有する矩形の鋼床版である。この床版101は鋼板にて矩形板状に形成されている。なお、この床版101は、H型鋼、I型鋼等の形鋼にて平面視して矩形となるように連結・形成された格子状の床版でもよい。また、その長さおよび幅は、ガーダ橋100の用途、必要な桁長によって決定される。
この床版101の長さ方向に延びる辺である一対の側辺から垂直に上記側壁102A、102Bがそれぞれ立設されている。
これら一対の側壁102A,102Bは、断面I型で矩形の鋼板で構成されている。これら一対の側壁102A,102Bは同一の高さ、長さを有している。
上記一対の側壁102A,102Bは、互いに平行となるように離間して立設されている。これら一対の側壁102A,102Bの離間距離は、上記床版101の幅と略同じとなる。
このように構成されたガーダ橋100に上記ガーダ橋懸吊治具10が取り付けられる。
このガーダ橋懸吊治具10は、それぞれが上記一対の側壁102A,102B間を横架する一対の側壁横架部材11A,11Bを有している。これら一対の側壁横架部材11A,11Bは所定の間隔を有して平行に設けられており、これらの側壁横架部材11A,11Bの間には一対の第1の橋架部材12A,12Bがこれらを橋架して互いに平行に設けられている。そして、これら一対の第1の橋架部材12A,12Bの間を互いに平行な一対の第2の橋架部材13A,13Bが橋架している。すなわち、上記側壁102A,102Bに直交して側壁横架部材11A,11Bが、側壁横架部材11A,11Bに直交して(側壁102A,102Bの内側でこの側壁と平行に)第1の橋架部材12A,12Bが、さらに第1の橋架部材12A,12Bに直交して(側壁横架部材11A,11Bの内側でこれと平行に)第2の橋架部材13A,13Bがそれぞれ固設されている。よって、これら側壁横架部材、第1,第2の橋架部材は、全体として平面視した場合、井桁構造を呈している。
側壁102A,102Bの間のほぼ中央位置にてこれらと直交しかつ互いに平行に配設された一対の第2の橋架部材13A,13Bには、同じ長さの4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dが、これらの第2の橋架部材13A,13Bから垂直に垂下されている。すなわち、上端が第2の橋架部材13A,13Bにそれぞれ固着されたこれら4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端は、平面視して4角形の4頂点を構成するように配設されている。
そして、これらの支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの隣り合う下端同士は、平面視して四角形の支持枠15によって連結されている。すなわち、4角形の支持枠15の各頂点が、これらの支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端にそれぞれ固着されており、支持枠15は水平に保持されている。
帯板材を4角形に連結してなる支持枠15にあって、上記側壁102A,102Bと平行に設けられた対向する一対の辺同士は、それらの長さ方向の中間位置にて、その両端が固着された一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bにより橋絡されている。これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bは、支持枠15が構成する4角形のほぼ中心位置にて上向きに所定の隙間を有して対向して配設されている。また、これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bには、同じ高さ位置に同じ径の吊滑車接続ピン挿入孔がそれぞれ形成されており、これらの吊滑車接続ピン挿入孔に1本の断面円形の吊滑車接続ピン17が挿入されて保持されている。吊滑車接続ピン17は支持枠15のほぼ中心位置、すなわち平面視して井桁形状の上記第1,第2の橋架部材12A,12B,13A,13Bの中心位置に配置されていることとなる。これは、吊滑車接続ピン17がガーダ橋100の重心位置に対して平面視した場合に一致しており、かつ側面視して上記側壁102A,102Bの上端より低く、ガーダ橋100の重心位置より高い位置に配設されていることを意味している。
さらに詳述すると、上記側壁横架部材11A,11Bは、側壁間長さと略同じ長さのH型鋼材で形成されている。これら一対の側壁横架部材11A,11Bは、一対の側壁102A,102Bの離間距離よりわずかに長く形成し、それらの両端は、上記側壁102A,102Bの長さ方向の所定位置でそれらの上面に、それぞれ例えばボルト結合などで固着されている。また、これら一対の側壁横架部材11A,11Bは、互いが平行になるように所定距離だけ離間し、かつ側壁長さ方向ではその側壁102A,102Bの2等分線を中心とした線対称に固着されている。よって、これらの側壁横架部材11A,11Bは、上記側壁102A,102Bの長さ方向(延びる方向)に対して直角となって設けられている。
また、上記第1の橋架部材12A,12Bはいずれも、側壁横架部材11A,11B間の長さと同一長さのH型鋼で形成されている。
これら一対の第1の橋架部材のうちの一方の第1の橋架部材12Aは、その両端が上記一対の側壁横架部材11A,11Bの一端から他端に向かって所定長さだけ内側の位置にて固着されている。すわなち、一方の第1の橋架部材12Aの両端は、上記一対の側壁横架部材11A,11Bにそれぞれ溶接により固着されている。
また、これら一対の第1の橋架部材のうちの他方の第1の橋架部材12Bは、上記一対の側壁横架部材11A,11Bの他端から一端に向かって所定長さだけ内側の位置にて固着されている。すわなち、他方の第1の橋架部材12Bの両端は、上記一対の側壁横架部材11A,11Bにそれぞれ溶接によって固着されている。
これら一対の第1の橋架部材12A,12Bはいずれも、一対の側壁横架部材11A,11Bに対して直角に固着され、平面視した場合、一対の側壁102A,102Bの内側でかつこれらの部材12A,12B,11A,11Bの内側に4角形の空間を構成している。
上記第2の橋架部材13A,13Bは同一長さのH型鋼で形成してある。一方の第2の橋架部材13Aは、上記一対の第1の橋架部材12A,12Bの長さ方向の一端から所定長さだけ内側位置に固着され、他方の第2の橋架部材13Bは、これに対向して第1の橋架部材12A,12Bの他端から所定長さだけ内側位置に固着されている。すわなち、一方の第2の橋架部材13Aの両端は、上記一対の第1の橋架部材12A,12Bにそれぞれ溶着されており、他方の第2の橋架部材13Bもその両端は同様に第1の橋架部材12A,12Bにそれぞれ溶着されている。これらの第2の橋架部材13A,13Bは、一対の第1の橋架部材12A,12Bに対して直角に固着されており、その結果、第2の橋架部材13A,13Bは、第1の橋架部材12A,12Bの内側に4角形の開口を形成することとなる。
上記支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dは、同一長さのH型鋼で形成してある。
支持枠取付部材14Aの上端は、第2の橋架部材13Aの長さ方向の一端底面に固着されている。同じく支持枠取付部材14Bの上端は第2の橋架部材13Bの長さ方向の他端底面に固着されている。また、支持枠取付部材14Cの上端は、第2の橋架部材13Bの他端底面に、支持枠取付部材14Dの上端は、第2の橋架部材13Bの一端底面にそれぞれ固着されて垂下されている。これらの支持枠取付部材14A〜14Dはいずれも垂直に垂下されており、その下端に上述した矩形枠である支持枠15が固着されている。
なお、この実施例に係るクレーンガーダ橋懸吊治具10を、上記一対の側壁102A,102Bに取り付けたとき、後述する吊滑車接続ピン17が上記側壁101A,101Bの上端より低く、上記ガーダ橋100の重心の直上に位置するように、これら4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの長さが決定される。
上記支持枠15は、平面視して矩形の枠であり、この支持枠15は4本のH型鋼で形成されている。この支持枠15は、直線状に延びる断面H型の一対の長辺枠部材と、直線状に延びる断面H型の一対の短辺枠部材と、によって構成されている。これらの長辺枠部材とこれらの短辺枠部材とを溶接により固着することにより、平面視して矩形の枠が形成される。
そして、この支持枠15の頂点が上記4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端に位置するようにこの支持枠15は、上記4本の支持枠取付部材14A,14B,14C,14Dの下端に溶接されている。
上記吊滑車接続フランジ16A,16Bは、半円とこの半円の弦を長辺とする矩形とを組み合わせた形状の鋼板で形成している。
これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bは、この支持枠15の一対の長辺枠部材の中央から所定長さだけ離間した位置に溶接されている。このため、支持枠15と一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bとにより構成される構造が、一対の長辺枠部材の中央を通る軸を中心軸に左右対称となるように、一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bは、この支持枠15に溶接されている。
これら一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bの略中央位置に、円形の貫通孔(吊滑車接続ピン挿入孔)が形成されている。
上記一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bに形成された吊滑車接続ピン挿入孔に上記吊滑車接続ピン17が挿入される。この吊滑車接続ピン17は、断面円形の鋼棒であり、上記吊滑車接続フランジ16A,16Bに形成された吊滑車接続ピン挿入孔に抜き差し自在な大きさで形成されている。
この吊滑車接続ピン17は、当該クレーンガーダ橋懸吊治具10を、上記一対の側壁102A,102Bに取り付けたとき、上記側壁101A,101Bの上端より低く、上記ガーダ橋100の重心の直上に位置するように設けられる。
このように構成されたガーダ橋懸吊治具10を用いて、ガーダ橋100をクレーン200を用いて懸吊する方法について図2および図3を用いて説明する。
この実施例においてガーダ橋100を吊り上げるクレーン200は、ビーム201Aの先端にガイドシーブ201B及びポイントシーブ201Cを有している。このビーム201Aの基端部には図示しないウィンチが設けられている。このウィンチからガイドシーブ201Bおよびポイントシーブ201Cを経由して、クレーンワイヤ203がこのビーム201Aの先端から下方に向かって垂下されている。このクレーンワイヤ203は、吊滑車本体202に設けられた吊滑車202Aを経由して、ビームの先端に向かって延び、このクレーンワイヤ203の先端は、ビーム201Aの先端に緊結されている。このため、吊滑車本体202は、ビーム201Aの先端から懸吊されている。
この吊滑車本体202の下部には、吊滑車接続ピンが挿通される吊滑車接続ピン挿通孔が形成されている。
このように構成されるクレーン200を用いてガーダ橋100を懸吊する。
まず、この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具10を準備する。
次に、図2に示すように、このガーダ橋懸吊治具10をガーダ橋100の側壁102A,102Bの間に取り付ける。具体的には、このガーダ橋懸吊治具10の構成部材である一対の側壁横架部材11A,11Bが一対の側壁102A,102Bを横架するように、このガーダ橋懸吊治具10を載置する。その後、一対の側壁横架部材11A,11Bの両端を一対の側壁102A,102Bの上面にボルトで固定する。このとき、このガーダ橋懸吊治具10における吊滑車接続ピン17の位置がこのガーダ橋100の重心の直上に位置するように取り付ける。
このようにしてこのガーダ橋懸吊治具10をこのガーダ橋100に取り付けたとき、吊滑車接続ピン17は、上記一対の側壁102A,102Bの上端から上記ガーダ橋100の重心までの間の高さに位置するように設けられる。
その後、クレーン200のビーム201Aの先端からクレーンワイヤ203によって懸吊されている吊滑車本体202を、上記一対の吊滑車接続フランジ16A,16Bの間に挟み込む。このとき、この吊滑車本体202の下部に形成されている吊滑車接続ピン挿通孔と上記吊滑車接続ピン挿入孔とにより、一つの貫通孔が形成される。
その後、形成されたこの貫通孔に上記吊滑車接続ピン17を挿通する。
上記吊滑車接続ピン17を挿通した後、ウィンチにてクレーンワイヤ203を巻き上げることにより、ガーダ橋100を吊り上げることができる。
なお、巻き上げ高さは、作業環境により適宜調整される。
この発明の一実施例に係るガーダ橋懸吊治具10を用いることによって、上方に障害物が存在しても、この障害物を除去することなく、ガータ橋100を玉掛けし、このガーダ橋100を安定した姿勢で吊り上げることができる。
このため、ガーダ橋100を取付け又は撤去するときの工期を大幅に短縮することができる。
10 ガーダ橋懸吊治具、
11A、11B 側壁横架部材、
12A,12B 第1の橋架部材、
13A,13B 第2の橋架部材、
15 支持枠、
16A,16B 吊滑車接続フランジ、
17 吊滑車接続ピン、
100 ガーダ橋、
101 床版、
102A,102B 側壁、
200 クレーン、
203 クレーンワイヤ。

Claims (2)

  1. 一対の側辺及び一対の端辺を有する四角形の床版と、
    上記一対の側辺からそれぞれ立設された所定高さの一対の側壁と、を有するガーダ橋をクレーンにて懸吊するガーダ橋懸吊治具であって、
    上記一対の側壁同士を横架する横架部材と、
    この横架部材より下方位置に設けられ、クレーンワイヤに接続されるクレーンワイヤ接続部材と、を有し、
    上記横架部材が上記側壁同士を横架するように取り付けられたとき、一対の側壁の上端から上記ガーダ橋の重心までの間の高さ位置で、かつ、上記床版の中央位置に上記クレーンワイヤ接続部材が位置するように設けられたガーダ橋懸吊治具。
  2. 上記横架部材には下方に突出するように脚部材が固着され、
    この脚部材には、上記床版の中央位置の上方を通る水平な取付部材が固着され、
    上記床版の中央位置の直上にあたる取付部材に上記クレーンワイヤ接続部材が設けられた請求項1に記載のガーダ橋懸吊治具。
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