JP2012193321A - 放射線硬化型粘着剤組成物、それを用いたウェハ加工用粘着テープ、放射線硬化型粘着剤組成物の判定方法 - Google Patents

放射線硬化型粘着剤組成物、それを用いたウェハ加工用粘着テープ、放射線硬化型粘着剤組成物の判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アクリル系ポリマーの架橋構造体中に放射線硬化型化合物など移動可能な分子を含有しながら、輸送、保管時の温度によるピックアップ特性の変動の少ないアクリル系ポリマーの架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態を得た放射線硬化型粘着剤組成物を提供することなどである。
【解決手段】アクリル系ポリマーと、放射線硬化型化合物と、架橋剤と、光重合開始剤とを含有し、示差走査熱量測定(DSC)における最大発熱ピーク温度が140℃以上180℃未満であり、60℃で24時間の処理をした後のDSCにおける最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃以内であることを特徴とする放射線硬化型粘着剤組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハ加工用粘着テープに関し、より詳細には輸送、保管時の温度によるピックアップ特性の変動の少ないウェハ加工用粘着テープに関する。
一般的に半導体集積回路の製造では、半導体ウェハに回路パターンを形成後、薄肉化のために裏面研削(バックグラインド)が行われる。その後、チップサイズに切断分離(ダイシング)され、続いて、洗浄工程、エキスパンド工程、ピックアップ工程を経てパッケージ化される。
ダイシング工程においては、半導体ウェハをチップに切断分離するために、粘着テープを貼合後、ダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンド、ピックアップが行われるが、粘着テープの粘着力が低すぎればこれらの工程中にチップが飛散し、粘着力が高すぎればピックアップが困難になるといった問題が発生する。これらの問題点を解決するために、放射線によって粘着剤層が硬化する放射線硬化型粘着テープが使用されている。ここで、放射線とは紫外線のような光線、または電子線などの電離性放射線をいう。このテープは、ダイシング工程中は高い粘着力を保ち、ダイシング後に基材フィルム側から放射線を照射し粘着剤層を硬化させることで粘着力を低減させ、ピックアップを容易にできるという特徴がある。
放射線硬化型粘着テープに使用される放射線硬化型粘着剤組成物には、主に架橋されたアクリル系ポリマー中に放射線硬化型化合物を含有したブレンド型と架橋されたアクリル系ポリマー自身が放射線硬化型官能基を有する放射線硬化型ポリマー型がある。ブレンド型の放射線硬化型粘着剤組成物は、数種類の材料を混合して作製するため、その配合比率や分子の組み合わせで所望の特性を得やすいという利点がある。しかし、ブレンド型の放射線硬化型粘着剤組成物は、輸送、保管時の温度によって、ピックアップが困難になるという問題点があった。
輸送・保管環境による特性変動の例としては基材フィルム側への可塑剤の移動による特性変動が挙げられ、このような問題を解決するために、基材フィルムと粘着剤層界面に可塑剤の移行を防止する移動防止層を作製する方法が報告されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
一方、アクリロイル基やエポキシ基などの熱硬化性官能基を含んだ組成物のDSC測定において、その硬化に由来する発熱ピークの位置が官能基周辺の分子の重合状態や分散状態などの影響でシフトすることが報告されている(例えば、特許文献3、非特許文献1を参照)。
特開平11−263946号公報 特開2000−281991号公報 特開2001−232729号公報
中村敏彦、「エポキシ系接着剤のDSC測定」、Application Brief、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社、1991年10月、TA No.55
粘着剤中の分子の移動には、粘着剤及び基材フィルムで使用される分子の種類及び分子量、アクリル系ポリマーの架橋構造などの因子が影響するが、特にアクリル系ポリマーの架橋構造の与える影響は大きい。例えば、放射線硬化型粘着剤組成物の架橋密度が適切でなければ、温度などによって粘着剤の分子が移動してしまい、その結果、ピックアップ特性などが変動してしまう。前述の移動防止層のような方法では、このような温度に起因した分子移動を抑制することはできない。また、放射線硬化型化合物の分散状態によっては、より熱の影響を受けやすい場合がある。そのため、温度による特性変動を抑制させるためには、適切な架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態を得る必要があるが、温度による特性変動の少ないアクリル系ポリマーの架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態を特定することはこれまで困難であった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、アクリル系ポリマーの架橋構造体中に放射線硬化型化合物など移動可能な分子を含有しながら、輸送、保管時の温度によるピックアップ特性の変動の少ないアクリル系ポリマーの架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態を得た放射線硬化型粘着剤組成物を提供することである。
また、本発明のほかの目的は、さらに、前述の放射線硬化型粘着剤組成物を用いたダイシング用粘着テープを提供することにある。
また、本発明のほかの目的は、放射線硬化型粘着剤組成物の架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態の判定方法を提供することにある。
本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、放射線硬化型化合物の発熱メインピークの位置や加温によるピーク位置のシフト量で特定されるアクリル系ポリマーの架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態を得た放射線硬化型粘着剤組成物を用いれば、輸送、保管時の温度によるピックアップ特性の変動を抑制し、テープから容易に再剥離する特性を維持できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、前述した目的を達成するために、本出願は以下の発明を提供する。
(1)アクリル系ポリマーと、放射線硬化型化合物と、架橋剤と、光重合開始剤とを含有し、示差走査熱量測定(DSC)における最大発熱ピーク温度が140℃以上180℃未満であり、60℃で24時間の処理をした後のDSCにおける最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃以下であることを特徴とする放射線硬化型粘着剤組成物。
(2)前記放射線硬化型化合物が前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、50重量部から200重量部含有されていることを特徴とする(1)に記載の放射線硬化型粘着剤組成物。
(3)前記架橋剤が前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部含有されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の放射線硬化型粘着剤組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の放射線硬化型粘着剤組成物を含む粘着剤層を有することを特徴とするウェハ加工用粘着テープ。
(5)アクリル系ポリマーと、放射線硬化型化合物と、架橋剤と、光重合開始剤とを含有する放射線硬化型粘着剤組成物を、60℃で24時間の処理をする前および前記処理をした後に、示差走査熱量測定(DSC)における最大発熱ピーク温度を測定する工程と、前記処理の前の最大発熱ピーク温度が140℃以上180℃未満であり、前記処理の前と後の最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃以下であるか評価する工程と、を具備することを特徴とする放射線硬化型粘着剤組成物の判定方法。
アクリル系ポリマーの架橋は、凝集力を高める目的で行われるが、アクリル系ポリマーの架橋密度が高すぎれば温度によるアクリル系ポリマーの収縮の影響を受けやすくなり、低すぎれば架橋されていない分子の移動が顕著になるなど特性が変動をしやすくなってしまうため、適切な架橋構造を形成させる必要がある。また、放射線硬化型化合物の分散状態によっては、初期特性が低くなるため、適切な分散状態を得ることも必要である。
DSCで測定される放射線硬化型粘着剤組成物の硬化発熱ピーク温度が140℃未満の場合、放射線硬化型化合物の分散状態が特性に影響を及ぼす状態となる。測定される放射線硬化型粘着剤組成物の硬化発熱ピーク位置が、180℃以上では、分散状態が良好ではない場合がある。
また、140℃から180℃以内かつ輸送環境の影響を考慮した劣化処理(60℃24時間)をした場合の最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃を超えると、アクリル系ポリマーの架橋密度が低い状態であるため、ポリマー自身が移動してしまうなど温度の影響を受けやすい。
本発明の放射線硬化型粘着剤組成物は、前記構成を有しているので、形成する粘着剤層において輸送、保管時の温度による粘着剤中の分子移動が抑制され、この組成物をウェハ加工用粘着テープの粘着層に使用した場合は安定したピックアップ特性を得ることができる。
本発明にかかるダイシング用粘着テープの一実施形態を示す断面図。
(放射線硬化型粘着剤組成物)
放射線硬化型粘着剤組成物としては、アクリル系ポリマー、放射線硬化型化合物、光重合開始剤、及び架橋剤を含有する組成物である。すなわち、放射線硬化型粘着剤組成物としては、アクリル系粘着剤におけるベースポリマーであるアクリル系ポリマー、放射線硬化型化合物、光重合開始剤及び架橋剤を構成成分として少なくとも有し、かつその放射線硬化型化合物を含有した状態で測定される発熱メインピークの位置が140℃から180℃未満であり、かつ60℃24時間加温した場合のピークシフト量が30℃以下となる架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態を有している限り、特に制限されないため、必要に応じて粘着付与剤等を添加することができる。以下各成分についてより具体的に説明する。
(アクリル系ポリマー)
放射線硬化型粘着剤組成物が必須成分として含有するアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルと主成分とする共重合体である。(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの双方を含む意味である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ブタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、他には(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは、単独、もしくは複数を組み合わせて用いることができる。
なお、アクリル系ポリマーは、架橋剤に対して反応性を有する官能基(ヒドロキシル基やカルボキシル基など)を有していることが好ましい。このような官能基の導入、また、耐熱性の改質などの特性調整を目的として、モノマー成分として、共重合性モノマーを用いる。このような目的で使用される共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2―ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸などの酸無水物基を含有モノマー;(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有モノマーなどのモノマーが挙げられる。これらの共重合性モノマーは単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系ポリマーの重合反応を溶液で行う場合の溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用できる。特にトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトンなど、一般的にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点が60℃から120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α、α’―アゾビスイソブチルニトリル等のアゾビス系、ベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物系などのラジカル発生剤が使用できる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度及び重合時間を調整することにより、所望の分子量の化合物を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、重合はこのような溶液重合に限定されるものではなく、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などのいずれの重合方法でも行うことができる。
以上のようにして、アクリル系ポリマーを得ることができるが、本発明において、アクリル系ポリマーの分子量は20万〜100万が好ましい。20万未満では、放射線照射の凝集力が小さくなって、被加工物をダイシングする時に、素子のずれが生じやすくなり、画像認識が困難となることがある。また、この素子のずれを、極力防止するためには、分子量が、50万以上である方が好ましい。分子量が100万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。なお、本発明における分子量とは、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(放射線硬化型化合物)
放射線硬化型化合物としては、炭素―炭素2重結合などの放射線重合性官能基を有する分子であれば、特に制限されず、モノマー成分、オリゴマー成分のいずれであっても良い。具体的には、例えば、2−プロペニル−ジ−3−ブテニルシアヌレートなどの炭素―炭素2重結合含有基を有しているイソシアヌレート系化合物、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−アクリロキシエチル)2−(5−アクリロキシ)ヘキシロキシエチルイソシアヌレート、トリス(1,3−ジアクリロキシ−2−プロピル−オキシカルボニルアミノ−n−ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(1−アクリロキシエチル−3−メタクリロキシ−2−プロピル−オキシジカルボニルアミノ−n−ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(4−アクリロキシ−n−ブチル)イソシアヌレートなどの炭素―炭素2重結合含有基を有しているイソシアヌレート系化合物などが挙げられる。放射線硬化型化合物としては、分子中に、炭素―炭素2重結合含有基を6個以上含んでいるものを好適に用いることができる。これらの分子は、単独または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
他に、放射線硬化型化合物としては、例えば紫外線の照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が広く適用可能である。
また、上記の様なアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いる事も出来る。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
放射線硬化型化合物の配合量は、特に制限はないが、硬化による粘着力低下を考慮すると、アクリル系ポリマー100重量部に対して50から200重量部、好ましくは、70重量部から150部である。
(光重合開始剤)
本発明において、放射線硬化型粘着剤組成物には必須成分として光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤は特に制限はなく、従来知られているものを使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4‘−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイニソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体(ロフィン2量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の添加量としては、アクリル系ポリマー100重量部に対して0.1から10重量部とすることが好ましく、より好ましくは0.5から5重量部である。
(架橋剤)
また、架橋剤は、放射線硬化型粘着剤組成物に含有される必須の成分であり、硬化剤とも呼ばれ、凝集力を高めるために使用される。このような架橋剤としては、アクリル系ポリマーに含有される反応性の官能基に対して化学的な結合を形成する官能基を有している限り特に制限されず、例えばポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、酸無水物系架橋剤、カルボキシル系架橋剤、アジリジン系架橋剤などが挙げられる。例えば、アクリル系ポリマーが反応性を有する官能基としてヒドロキシル基を有する場合、架橋剤は、イソシアネート基を有するポリイソシアネート系架橋剤が好ましい。
本発明において、架橋剤の配合量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8重量部である。
アクリル系ポリマーの架橋構造を形成させる際に、金属触媒、アミン系触媒などを使用しても良い。
アクリル系ポリマーの架橋は、凝集力を高める目的で行われるが、アクリル系ポリマーの架橋密度が高すぎれば温度によるアクリル系ポリマーの収縮の影響を受けやすくなり、低すぎれば架橋されていない分子の移動が顕著になるなど特性が変動をしやすくなってしまうため、適切な架橋構造を形成させる必要がある。また、放射線硬化型化合物の分散状態によっては、初期特性が低くなるため、適切な分散状態を得ることも必要である。
測定される放射線硬化型粘着剤組成物の硬化発熱ピーク位置が140℃未満の場合、ナノレベルの相分離などが発生するなどにより放射線硬化型化合物の分散状態が特性に影響を及ぼすレベルで不均一になり、また、アクリル系ポリマーの架橋密度が高くなるため、アクリル系ポリマーの収縮の影響を受け、ピックアップ性が良好でない場合がある。測定される放射線硬化型粘着剤組成物の硬化発熱ピーク位置が、180℃以上では、相分離などが発生することで分散状態が良好ではない場合や架橋密度が低いことによる糊残りが発生する場合があり、ピックアップ性が良好でない場合がある。また、輸送環境の影響を考慮した劣化処理(60℃24時間)をした場合の最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃を超えると、アクリル系ポリマーの架橋密度が低い状態であるため、ポリマー自身が移動してしまうなど温度の影響を受けやすい。ウェハ加工用粘着テープの粘着剤にした場合、ポリマー自身の移動により、粘着性にムラが発生し、ピックアップ性に悪影響を及ぼすと考えられる。
そのため、本発明の放射線硬化型粘着剤組成物におけるアクリル系ポリマーの粘着剤は、放射線硬化型粘着剤組成物を示差走査熱量測定(DSC)した際の最大の硬化発熱メインピークが140℃以上180℃未満に現れ、60℃で24時間の劣化処理後の最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃以下となる架橋構造および放射線硬化型化合物の分散状態であることが好ましい。より好ましくは最大の硬化発熱メインピークが140℃以上160℃以下に現れ、60℃で24時間劣化処理した場合の発熱ピークのシフト量が27℃以下である架橋構造及び放射線硬化型化合物の分散状態を有することである。なお、架橋構造の形成には、化学的な結合以外にも分子鎖同士の絡み合い、分子間の相互作用などによる擬似的な架橋を使用しても良い。
放射線硬化型化合物の分散状態やアクリル系ポリマーの架橋構造は、主にアクリル系ポリマーの架橋部位と架橋剤量で調整することができるが、他の条件でも架橋状態は大きく変動する。例えば、イソシアネートを含有する架橋剤を使用した放射線硬化型粘着剤組成物を乾燥する際、乾燥時の温度が高いほど放射線硬化型粘着剤組成物の架橋密度は上昇する。加えて、加熱量が大きければ放射線硬化型化合物の分散状態にも影響を与える。
エージング時の湿度が高いほど、大気中の水と架橋剤のイソシアネートが反応するため、架橋密度の低下や副反応による尿素結合の増加による架橋構造の多分岐化が発生し、環境安定性が低下する。そのため、放射線硬化型化合物の適切な分散状態及びアクリルポリマーの適切な架橋構造を得るためには、乾燥条件、エージング条件を適切に設定する必要がある。
放射線硬化型粘着剤組成物を塗布、乾燥させる工程において、乾燥させる方法としては、目的に応じて、適切な方法を使用できる。好ましくは、上記粘着剤組成物を加熱乾燥する方法である。加熱乾燥温度は、好ましくは80℃〜200℃であり、さらに好ましくは、80℃〜160℃であり、特に好ましくは80℃〜120℃である。乾燥時間は30〜120秒程度である。乾燥温度が高い場合、乾燥時間は短いほうがよい。例えば、乾燥温度が110℃以上であれば、乾燥時間は30秒以下が好ましい。これらの乾燥温度、乾燥時間は、乾燥炉の形状等に応じて適宜変更することができる。
乾燥後の放射線硬化型粘着剤組成物の架橋反応が終了していない場合、架橋反応を行うためエージングが行われる。エージング時の温度は、好ましくは22℃〜25℃である。エージング時の相対湿度は、好ましくは40%から70%である。エージング期間は好ましくは1週間から1月である。
[粘着テープまたはシート]
本発明の粘着テープは、放射線硬化型粘着剤組成物による粘着剤層を有している限り、特にその構成は制限されない。例えば、基材フィルムの片面または両面に粘着剤層が形成されている粘着テープや粘着剤層のみからなる粘着テープでもよい。また、その形状などは特に制限されない。
本発明の粘着テープの形態としては、例えば図1のような基材フィルムの一方に放射線硬化型粘着剤層が形成されているものが挙げられる。
また、本発明の粘着テープは、用途に応じて適宜形状を変更できる。例えば、円形に切断加工されたものを好適に使用できる。
図1は、本発明の粘着テープの一例である。図1において11は基材フィルム、12は粘着剤層、13はセパレータ(離型フィルム)である。図1に示したように粘着テープは、基材フィルム11の一方の面に、放射線硬化型粘着剤層12が形成され、さらにその上にセパレータ13が積層された構成を有している。なお、本発明の粘着テープでは、セパレータは、適宜必要に応じて設けられるが、粘着剤層の粘着面の保護、ラベル加工、粘着剤層の平滑性の観点から、図1で示される粘着テープにおけるセパレータ13のように、設けられることが好ましい。
本発明の粘着テープは、テープが積層された形態で形成されていてもよく、ロール状に巻かれた形態で形成されていてもよい。なお、ロール状に巻回された形態の粘着テープとしては、粘着面をセパレータ(剥離フィルム)により保護した状態でロール状に巻回された状態又は形態をしていてもよく、粘着面を基材フィルムの他方の面に形成された剥離処理層(背面処理層)により保護した状態でロール状に巻回された形態をしていてもよい。なお、基材フィルムの面に剥離処理層(背面処理層)を形成させる際に用いられる剥離処理剤(剥離剤)としては、例えば、シリコーン系剥離剤や長鎖アルキル系剥離剤などが挙げられる。
(基材フィルム)
本発明における基材フィルムは、通常、半導体加工用テープに使用されるものであれば特に限定されず、プラスチック、ゴムなどを好ましく用いることができるが、基材フィルム側から放射線照射した場合に粘着剤層が硬化して粘着力が低減するように、放射線透過性を考慮に入れて材料選択することが必要である。放射線のうち紫外線を選択し、その照射によって放射線硬化型粘着剤組成物を硬化させる場合には、この基材フィルムとして紫外線透過性のよいものを選択する必要がある。
このような基材フィルムとして選択し得る材料の例としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を挙げることができる。
ハロゲンを含むポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、FEP、PFA等のポリマーは、遊離ハロゲンまたは遊離ハロゲン酸が、半導体チップに悪影響を及ぼすため好ましくないので、使用するにしても少量とするのが好ましい。
なお、半導体チップに切断後ピックアップしやすいように、その間隙を大きくするために、半導体加工用テープを延伸することが行われるが、その場合ネッキングの極力少ないものが好ましく、ポリウレタンや分子量およびスチレン含有量を限定したスチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等を挙げることができ、ダイシング時の伸びあるいはたわみを防止するには架橋した基材フィルムを用いると効果的である。基材フィルムの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常50〜200μmとするのが好ましい。
また基材フィルムの粘着剤層を塗布する側と反対側表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすると、ダイシング用粘着テープ保管時のブロッキング防止のほか、ダイシング用粘着テープを放射状に延伸した場合の治具との摩擦を減少することができ、基材フィルムのネッキング防止などの効果があるので好ましい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、放射線硬化型粘着剤組成物を用いて、公知の粘着剤層の形成方法を利用して形成することができる。例えば、放射線硬化型粘着剤組成物を、基材フィルムの所定の面に塗布して形成する方法や、放射線硬化型粘着剤組成物を、セパレータ(例えば、離型剤が塗布されたプラスチック製フィルムなど)上に塗布して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を基材フィルムの所定の面に転写する方法により、基材フィルム上に粘着剤層を形成することができる。なお、上記方法を用いて基材フィルム上に粘着剤層を形成し、必要に応じて、セパレータを、粘着剤層上に粘着面とセパレータの剥離処理面が接する形態で積層させることにより、本発明の粘着テープを作製することができる。
粘着剤層の厚みは、何ら限定されないが、通常、粘着テープで用いられている適宜な厚さに設定される。例えば、本発明の粘着テープをシリコンウエハ等のダイシング用途向けに用いる場合、1〜50μmであることが好ましい。本発明の粘着テープをダイシング用粘着テープとして用いる場合、貼り付けられた被加工物は、ダイシングの際に振動することがあり、振動幅が大きい場合、被加工物に欠けが発生してしまうことがある。このような欠けを防ぐために、粘着剤層の厚みを50μm以下にすることが好ましい。粘着剤層の厚みを50μm以下にすることで被加工物をダイシングする際に発生する振動を抑制することができ、その結果、被加工物に欠けが発生する現象の低減が期待できる。また、粘着剤層の厚みを1μm以上とすることにより、ダイシングの際に被加工物が剥離しないように、粘着剤層上に貼り付けられた被加工物を確実に保持させることが可能となる。粘着剤層としては、特に3〜30μmであることが好適である。このように、粘着剤層の厚みを3〜30μmにすることにより、ダイシングの際の被加工物の欠けの低減をより一層図ることができるとともに、ダイシングの際の被加工物の固定もより一層確実にすることができる。なお、粘着剤層の形態は、単層、積層を問わない。
(セパレータ)
セパレータ(剥離フィルム)としては、特に制限されず、公知のセパレータの中から適宜選択して用いることができる。セパレータの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂による合成樹脂フィルムなどが挙げられる。また、セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるために、必要に応じて、シリコーン処理等の剥離処理(離型処理)が施されていてもよい。セパレータの厚みは、特に制限されず、通常、25〜100μmである。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[粘着剤調製]
(粘着剤A)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77重量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23重量%含むアクリル系ポリマー(重量平均分子量30万)100重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを100重量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)を2.5部、光開始剤としてα―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、商品名イルガキュア184)を1重量部の配合比で、混合し放射線硬化型粘着剤を得た。
(粘着剤B)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77重量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23重量%含むアクリル系ポリマー(重量平均分子量115万)100重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを180重量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)を2.5部、光開始剤としてα―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、商品名イルガキュア184)を1重量部の配合比で、混合し放射線硬化型粘着剤を得た。
(粘着剤C)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77重量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23重量%含むアクリル系ポリマー(重量平均分子量30万)100重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを150重量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)を2.5部、光開始剤としてα―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、商品名イルガキュア184)を1重量部の配合比で、混合し放射線硬化型粘着剤を得た。
(粘着剤D)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77重量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23重量%含むアクリル系ポリマー(重量平均分子量30万)100重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを30重量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)を2.5部、光開始剤としてα―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、商品名イルガキュア184)を1重量部の配合比で、混合し放射線硬化型粘着剤を得た。
(粘着剤E)
アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77重量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23重量%含むアクリル系ポリマー(重量平均分子量30万)100重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを250重量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)を2.5部、光開始剤としてα―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本チバガイギー社製、商品名イルガキュア184)を1重量部の配合比で、混合し放射線硬化型粘着剤を得た。
[粘着テープの作製]
(実施例1)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Aに乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度80℃60秒で乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルム上に貼合し、23℃50%で1月放置した。
(実施例2)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Aを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度110℃30秒で乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルムに貼合し、23℃50%で1月放置した。
(実施例3)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Aを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度100℃60秒で乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルムに貼合し、23℃50%で1月放置した。
(実施例4)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Bを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度100℃60秒で乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルムに貼合し、23℃50%で1月放置した。
(実施例5)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Cを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度110℃30秒乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルムに貼合し、23℃70%で1月放置した。
(比較例1)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Aを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度80℃60秒乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルムに貼合し、25℃50%で1月放置した。
(比較例2)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Dを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度110℃30秒で乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルムに貼合し、23℃50%で1月放置した。
(比較例3)
厚さ25μmの離型処理のされたPETフィルムの表面に上記粘着剤Eを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、乾燥温度80℃30秒で乾燥後、150μm厚さのエチレンーメタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、商品名ニュクレルN0200H)フィルムに貼合し、23℃50%で1月放置した。
[評価]
(示差走査熱量測定)
島津製作所製示差走査熱量計を使用し、アルミパンに粘着剤組成物(6〜10mg)を封入し、昇温速度10℃/min、測定範囲40℃から200℃で測定を行った。劣化処理をした試料についても同様に測定を行い、劣化処理による発熱ピークのシフト量を測定した。劣化処理条件は、恒温層中にて60℃で24時間の条件で行う。それらの結果を表1に示す。
(環境安定性の評価)
実施例および比較例の粘着テープに厚さ350μm、直径200mmのシリコンウエハを貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFD6340)、ダイシングブレード(ディスコ社製、商品名:NBC―ZH205O−SE27HEDD)を使用し回転数30000rpm、カットスピード100mm/secで2mm×20mmにダイシングした。その後、ウェハ加工用粘着テープをウェハの裏面に貼合した状態で、ウェハの表面に剥離用のテープ(日東電工 No31B)を貼合し、200mJ/cmのUVを照射した。インストロン(ロードセル 100N)を使用し、剥離角度180°、剥離速度300mm/minで剥離用テープを引っ張り、チップがウェハ加工用のテープからはがれる際の力(N/mm)を計測した。環境安定性を調べるために、劣化処理(60℃24時間)を施したものと未処理のものを使用して望目特性のS/N比の値の大小で評価を行った。チップ数は320とした。結果を表1に示す。S/N比ηの算出は、下記の式から算出した。
Figure 2012193321
なお、ピックアップの環境安定性の評価の欄の記号は、以下のとおりである。
○:18db以上、△:15db以上18db未満、×:15db以下
×1:劣化処理前から剥離不良、×2:糊残り
Figure 2012193321
比較例1より、劣化処理後のピークシフトが30℃を超えると、劣化処理後の剥離性能が悪く、環境安定性が悪かった。また、比較例2より、劣化処理前の最大発熱ピーク温度が140℃未満であると、劣化処理前から、剥離不良が発生した。さらに、比較例3より、劣化処理前の最大発熱ピーク温度が180℃以上であると、剥離時に糊残りが生じた。一方で、実施例1〜5は、劣化処理前の最大ピーク温度が140℃以上180℃未満であって、劣化処理後のピークシフトが30℃以内であるので、劣化処理のあとでも良好な剥離性能を有し、環境安定性が良好であった。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しえることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………ダイシング用粘着テープ
11………基材フィルム
12………粘着剤層
13………セパレータ

Claims (5)

  1. アクリル系ポリマーと、放射線硬化型化合物と、架橋剤と、光重合開始剤とを含有し、
    示差走査熱量測定(DSC)における最大発熱ピーク温度が140℃以上180℃未満であり、
    60℃で24時間の処理をした後のDSCにおける最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃以下であることを特徴とする放射線硬化型粘着剤組成物。
  2. 前記放射線硬化型化合物が前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、50重量部から200重量部含有されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線硬化型粘着剤組成物。
  3. 前記架橋剤が前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線硬化型粘着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線硬化型粘着剤組成物を含む粘着剤層を有することを特徴とするウェハ加工用粘着テープ。
  5. アクリル系ポリマーと、放射線硬化型化合物と、架橋剤と、光重合開始剤とを含有する放射線硬化型粘着剤組成物を、60℃で24時間の処理をする前および前記処理をした後に、示差走査熱量測定(DSC)における最大発熱ピーク温度を測定する工程と、
    前記処理の前の最大発熱ピーク温度が140℃以上180℃未満であり、前記処理の前と後の最大発熱ピーク温度のシフト量が30℃以下であるか評価する工程と、
    を具備することを特徴とする放射線硬化型粘着剤組成物の判定方法。
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