JP2012190556A - 車両用照明灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された灯具ユニットを備えてなる車両用照明灯具において、中間的な配光パターンとして、前走車や対向車のドライバさらには歩行者等にグレアを与えてしまうことなく自車ドライバの前方視認性を高めることができる配光パターンを形成可能とする。
【解決手段】1対の灯具ユニットの各々を、ハイロー切換え用の第1シェード28と、上下カットオフラインCL4A、CL4Bおよびその下端位置から水平方向に延びる水平カットオフラインCL3A、CL3Bを形成するための側端縁38bおよび上端縁38aとを有する第2シェード38と、を備えた構成とする。そして、これら第1および第2シェード28、38を適宜移動させることにより、上端部に水平カットオフラインCL5A、CL5Bを有する中間的な配光パターンを形成するようにする。
【選択図】図7
【解決手段】1対の灯具ユニットの各々を、ハイロー切換え用の第1シェード28と、上下カットオフラインCL4A、CL4Bおよびその下端位置から水平方向に延びる水平カットオフラインCL3A、CL3Bを形成するための側端縁38bおよび上端縁38aとを有する第2シェード38と、を備えた構成とする。そして、これら第1および第2シェード28、38を適宜移動させることにより、上端部に水平カットオフラインCL5A、CL5Bを有する中間的な配光パターンを形成するようにする。
【選択図】図7
Description
本願発明は、いわゆるプロジェクタ型の灯具ユニットを有する車両用照明灯具に関するものであり、特に、その灯具ユニットによりハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された車両用照明灯具に関するものである。
従来より、ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された灯具ユニットを備えた車両用照明灯具が知られている。
その際、この車両用照明灯具の灯具ユニットが、投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置された光源からの光をリフレクタにより投影レンズへ向けて反射させるように構成されたプロジェクタ型の灯具ユニットである場合には、例えば「特許文献1」に記載されているように、リフレクタと投影レンズとの間に、リフレクタからの反射光の一部を遮蔽し得るように可動式のシェードを配置し、このシェードを遮光位置に移動させることによりロービーム用配光パターンを形成する一方、このシェードを遮光解除位置に移動させることによりハイビーム用配光パターンを形成するようになっている。
一方、従来より、ハイビーム用配光パターンとして、または、ハイビーム用配光パターンを形成する際にロービーム用配光パターンに対して付加される付加配光パターンとして、その配光パターン形状を変化させることが可能な可変配光パターンを形成するように構成された車両用照明灯具が知られている。
例えば「特許文献2」には、1対の灯具ユニットからの照射光により形成される1対の配光パターンを合成して付加配光パターンを形成するようにした上で、各灯具ユニットをスイブルさせることにより、この付加配光パターンを、ハイビーム用配光パターンの一部を構成する単一の配光パターンと左右に分離した1対の配光パターンとに変化させることが可能な可変配光パターンとして形成するように構成された車両用照明灯具が記載されている。
その際、この「特許文献2」に記載された各灯具ユニットは、シェードを備えたプロジェクタ型の灯具ユニットにおいて、そのシェードによってリフレクタからの反射光の一部を遮蔽することにより、上下カットオフラインを有する配光パターンを形成するようになっている。
上記「特許文献1」に記載されているような可動式のシェードを有する灯具ユニットを採用することにより、ロービーム用配光パターンとハイビーム用配光パターンとの選択的な形成が可能となるが、さらに多様な配光パターンを選択的に形成することはできない、という問題がある。
一方、上記「特許文献2」に記載されているような1対の灯具ユニットを備えた構成とすることにより、ロービーム用配光パターンとハイビーム用配光パターンとの中間的な配光パターンを形成することが可能となる。その際、この「特許文献2」に記載された車両用照明灯具により形成される可変配光パターンを、左右に分離した1対の配光パターンとして、前走車や対向車の左右両側に位置するように形成すれば、前走車や対向車のドライバにグレアを与えてしまうことなく自車ドライバの前方視認性を高めることが可能となる。
しかしながら、この「特許文献2」に記載された車両用照明灯具により、左右に分離した1対の配光パターンとして形成される可変配光パターンにおいては、その暗部となっている左右中央領域の左右両側に、上下カットオフラインがハイビーム用配光パターンの上端縁の位置まで延びるように形成されることとなるため、その左右中央領域が深い谷間のような暗部として形成されてしまい、その視認性が著しく低下してしまう、という問題がある。また、このような可変配光パターンの形成により、前走車や対向車のドライバに対してはグレアを与えないようにすることが可能となるが、その左右中央領域から左右両側に外れた位置に歩行者等が存在する場合には、この歩行者等にグレアを与えてしまう、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された灯具ユニットを備えてなる車両用照明灯具において、中間的な配光パターンとして、前走車や対向車のドライバさらには歩行者等にグレアを与えてしまうことなく自車ドライバの前方視認性を高めることができる配光パターンを形成することができる車両用照明灯具を提供することを目的とするものである。
本願発明は、プロジェクタ型の灯具ユニットにおける可動式のシェードとして、左右段違いの上端縁を有する第1シェードと側端縁および上端縁を有する第2シェードとを備えた構成とした上で、その移動態様に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る車両用照明灯具は、
ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された灯具ユニットを備えてなる車両用照明灯具において、
上記灯具ユニットは、投影レンズと、この投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置された光源と、この光源からの光を上記投影レンズへ向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタと上記投影レンズとの間において上記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽し得るように配置された可動式のシェードと、を備えた構成となってなり、
上記シェードとして、上記灯具ユニットからの照射光により形成される配光パターンに左右段違いの水平カットオフラインを形成するための左右段違いの上端縁を有する第1シェードと、上記配光パターンの上部に上下方向に延びる上下カットオフラインを形成するための側端縁と上記上下カットオフラインの下端位置から水平方向に延びる水平カットオフラインを形成するための上端縁とを有する第2シェードと、を備えており、
上記第1シェードは、第1アクチュエータの駆動により上下方向に移動して、該第1シェードの上端縁が上記投影レンズの後側焦点近傍を通るように配置される遮光位置と、該第1シェードによる上記リフレクタからの反射光の遮蔽を解除する遮光解除位置と、これら遮光位置および遮光解除位置の間の中間位置と、を採り得るように構成されており、
上記第2シェードは、第2アクチュエータの駆動により、上記第1シェードの前方近傍または後方近傍において左右方向に移動し得るように構成されている、ことを特徴とするものである。
ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された灯具ユニットを備えてなる車両用照明灯具において、
上記灯具ユニットは、投影レンズと、この投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置された光源と、この光源からの光を上記投影レンズへ向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタと上記投影レンズとの間において上記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽し得るように配置された可動式のシェードと、を備えた構成となってなり、
上記シェードとして、上記灯具ユニットからの照射光により形成される配光パターンに左右段違いの水平カットオフラインを形成するための左右段違いの上端縁を有する第1シェードと、上記配光パターンの上部に上下方向に延びる上下カットオフラインを形成するための側端縁と上記上下カットオフラインの下端位置から水平方向に延びる水平カットオフラインを形成するための上端縁とを有する第2シェードと、を備えており、
上記第1シェードは、第1アクチュエータの駆動により上下方向に移動して、該第1シェードの上端縁が上記投影レンズの後側焦点近傍を通るように配置される遮光位置と、該第1シェードによる上記リフレクタからの反射光の遮蔽を解除する遮光解除位置と、これら遮光位置および遮光解除位置の間の中間位置と、を採り得るように構成されており、
上記第2シェードは、第2アクチュエータの駆動により、上記第1シェードの前方近傍または後方近傍において左右方向に移動し得るように構成されている、ことを特徴とするものである。
上記「第1シェード」は、上下方向に移動により遮光位置と遮光解除位置とその中間位置とを採り得るように構成されたものであれば、その移動の具体的な態様は特に限定されるものではない。
上記第2シェードの「側端縁」によって形成される「上下カットオフライン」は、水平方向と交差する方向に延びるカットオフラインを意味するものであり、必ずしも鉛直方向に延びるように形成されていなくてもよい。また、この「上下カットオフライン」は、自車線側を向いた上下カットオフラインであってもよいし、対向車線側を向いた上下カットオフラインであってもよい。
なお、本願明細書において「自車線側」とは、正確には「自車線の路肩側」を意味するものである。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用照明灯具は、ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するプロジェクタ型の灯具ユニットを備えているが、この灯具ユニットは、その可動式のシェードとして、左右段違いの水平カットオフラインを形成するための左右段違いの上端縁を有する第1シェードと、上下カットオフラインを形成するための側端縁およびその下端位置から水平方向に延びる水平カットオフラインを形成するための上端縁を有する第2シェードとを備えた構成となってなり、そして、第1シェードは、第1アクチュエータの駆動により上下方向に移動して、遮光位置と遮光解除位置とその中間位置とを採り得るように構成されており、また、第2シェードは、第2アクチュエータの駆動により、第1シェードの前方近傍または後方近傍において左右方向に移動し得るように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、第1シェードを遮光位置に移動させるとともに、第2シェードを、リフレクタからの反射光を遮蔽しない位置に移動させることにより、左右段違いの水平カットオフラインを有するロービーム用配光パターンを形成することができる。
一方、この状態から、第1シェードを遮光解除位置に移動させることにより、ハイビーム用配光パターンを形成することができる。
そして、この状態から、第2シェードを、該第2シェードによりリフレクタからの反射光の一部を遮蔽する位置まで移動させることにより、上下カットオフラインおよび水平カットオフラインを有する、ロービーム用配光パターンとハイビーム用配光パターンとの中間的な配光パターンを形成することができる。
その際、この中間的な配光パターンにおいては、第2シェードの移動位置によって上下カットオフラインの形成位置を左右方向の任意の位置に設定することができる。したがって、この上下カットオフラインの形成位置を、車両走行状況に応じて適宜設定することにより、前走車や対向車のドライバにグレアを与えてしまうことなく、自車ドライバの前方視認性を十分に確保することができる。
さらに、この中間的な配光パターンを形成している状態において、第1シェードを中間位置に移動させることにより、中間的な配光パターンの上端部を形成しているリフレクタからの反射光を遮蔽して、この中間的な配光パターンの上端部を左右段違いの水平カットオフラインに沿ってカットすることができる。したがって、この左右段違いの水平カットオフラインの形成位置を、車両走行状況に応じて適宜設定することにより、自車ドライバの前方視認性を確保した上で歩行者等にグレアを与えないようにすることができる。
このように本願発明によれば、ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された灯具ユニットを備えてなる車両用照明灯具において、中間的な配光パターンとして、前走車や対向車のドライバや歩行者等にグレアを与えてしまうことなく自車ドライバの前方視認性を高めることができる配光パターンを形成することができる。
上記構成において、灯具ユニットとして、1対の灯具ユニットを備えた構成とした上で、一方の灯具ユニットにおける第2シェードを、その側端縁により上下カットオフラインを自車線側を向いた上下カットオフラインとして形成する構成とするとともに、他方の灯具ユニットにおける第2シェードを、その側端縁により上下カットオフラインを対向車線側を向いた上下カットオフラインとして形成する構成とすれば、両灯具ユニットからの照射光の組合せにより、ハイビーム用配光パターンの上部における左右方向の中間領域が暗部となった中間的な配光パターンを形成することができる。その際、両灯具ユニットの第1シェードを中間位置に移動させるようにすれば、1対の上下カットオフラインの高さを低くすることができ、かつ、その各々の高さを任意に設定することができる。そしてこれにより、左右中間領域から外れた位置に存在する歩行者等にグレアを与えてしまわない範囲内で、自車ドライバの前方視認性を最大限に高めることができる。
上記構成において、第2シェードを、その上端縁の左右両側に側端縁がそれぞれ形成された構成とすれば、単一の灯具ユニットであっても、ハイビーム用配光パターンの上部における左右方向の中間領域が暗部となった中間的な配光パターンを形成することができる。この中間的な配光パターンにおいては、暗部となっている左右中間領域の左右両側に1対の上下カットオフラインが形成されることとなるが、その際、第1シェードを中間位置に移動させるようにすれば、1対の上下カットオフラインの高さを低くすることができる。そしてこれにより、左右中間領域から外れた位置に存在する歩行者等にグレアを与えてしまうのを防止した上で、暗部となっている左右中間領域の左右両側の領域の明るさを十分に確保して、その視認性をより高めることができる。
その際、灯具ユニットとして1対の灯具ユニットを備えた構成とした上で、各灯具ユニットにおいてこのような構成を採用した場合には、1対の灯具ユニット相互間で第2シェードの位置を左右方向に僅かにずらすことにより、1対の中間的な配光パターン相互間で各上下カットオフラインの位置を左右方向に僅かにずらすことができる。そしてこれにより、これら1対の中間的な配光パターンを合成した中間的な配光パターンにおいて、必要に応じて各上下カットオフラインをぼかすことが可能となる。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用照明灯具10を示す正面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、灯具本体12と、コントロールユニット50と、車両前方の光景を撮像するための車載カメラ52とを備えた構成となっている。
そして、この車両用照明灯具10においては、そのコントロールユニット50に対して、車載カメラ52で撮像された画像データの信号と、ロービームとハイビームとのビーム切換えを行うためのビーム切換スイッチ54からのビーム切換信号とが入力されるようになっている。
灯具本体12は、ランプボディ14と、その前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー16とで形成される灯室内に、1対の灯具ユニット20A、20Bが、それぞれエイミング調整可能に組み込まれた構成となっている。
1対の灯具ユニット20A、20Bは、いずれも、左配光のロービーム用配光パターンを形成するための光照射と、ハイビーム用配光パターンを形成するための光照射と、その中間的な配光パターンを形成するための光照射を選択的に行い得るように構成されている。
これら1対の灯具ユニット20A、20Bは、その基本的な構成についてはいずれも同様であるので、一方の灯具ユニット20Aについて説明した後、他方の灯具ユニット20Bについて説明する。
図2は、一方の灯具ユニット20Aを示す、図1のII−II線断面図であり、図3は、図1のIII−III線断面図である。
これらの図に示すように、この灯具ユニット20Aは、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置された投影レンズ22と、この投影レンズ22の後側焦点Fよりも後方側に配置された発光素子24と、この発光素子24からの光を投影レンズ22へ向けて光軸Ax寄りに反射させるリフレクタ26と、このリフレクタ26と投影レンズ22との間においてリフレクタ26からの反射光の一部を遮蔽し得るように配置された可動式の第1および第2シェード28、38と、これら第1および第2シェード28、38を移動させるための第1および第2アクチュエータ30、40と、ホルダ32とを備えた構成となっている。
そして、この灯具ユニット20Aは、エイミング調整が完了した段階では、その光軸Axが車両前後方向に対して0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びた状態で配置されるようになっている。
投影レンズ22は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、光軸Ax上に配置された状態でホルダ32に固定支持されている。そして、この投影レンズ22は、その後側焦点面(すなわち投影レンズ22の後側焦点Fを含む焦点面)上の像を、灯具前方に配置された鉛直仮想スクリーン上に反転像として投影するようになっている。
発光素子24は、白色発光ダイオードであって、矩形状の発光面を有する発光チップ24aが光源として基板24bに支持されてなり、その発光チップ24aの発光面を鉛直上向きにした状態で、ホルダ32に固定支持されている。
リフレクタ26は、発光素子24を上方側から略半ドーム状に覆うようにして配置されており、その下端縁においてホルダ32に固定支持されている。
このリフレクタ26の反射面26aは、光軸Axを含む平面に沿った断面形状が略楕円形に設定されており、その離心率は鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。そしてこれにより、この反射面26aで反射した発光素子24からの光を、鉛直断面内においては後側焦点F近傍に略収束させるとともに、水平断面内においてはその収束位置を後側焦点Fの前方側へ変位させるようになっている。
第1シェード28は、光軸Axと直交する鉛直面に沿って配置された板状部材であって、左右段違いの上端縁28a1、28a2を有している。そして、この第1シェード28は、図1および2において、実線で示す遮光位置と2点鎖線で示す遮光解除位置との間で、上下方向に移動し得るように構成されている。
この第1シェード28は、遮光位置にあるときには、その上端縁28a1、28a2における上段部28a1の前端縁が後側焦点Fの位置から自車線側(すなわち左側(灯具正面視では右側))へ水平に延びるように配置され、これによりリフレクタ26からの反射光の一部を遮蔽するようになっている。その際、この第1シェード28の上端縁28a1、28a2における下段部28a2は、後側焦点Fの位置から対向車線側へ斜め下方に延びた後に水平に延びるように配置されている。一方、この第1シェード28は、遮光解除位置にあるときには、その上端縁28a1、28a2が光軸Axを含む水平面からある程度下方に離れた位置に配置され、これによりリフレクタ26からの反射光の遮蔽を解除するようになっている。
第1アクチュエータ30は、ステッピングモータで構成されており、第1シェード28の後方側でかつ光軸Axの下方においてホルダ32に固定支持されている。そして、この第1アクチュエータ30は、第1シェード28を遮光位置と遮光解除位置との間で移動させるようになっている。この第1アクチュエータ30の駆動は、コントロールユニット50からの駆動信号入力により行われるようになっている。その際、コントロールユニット50は、ビーム切換スイッチ54からのビーム切換信号により、第1シェード28を遮光位置および遮光解除位置の一方に選択的に移動させるだけでなく、車載カメラ52で撮像された画像データの信号に基づいて、第1アクチュエータ30を駆動制御して、第1シェード28を遮光位置と遮光解除位置との間の任意の中間位置でも停止させ得るようになっている。
第2シェード38は、第1シェード28の前方近傍に配置されている。この第2シェード38は、正面視において略逆L字形に形成された板状部材であって、本体部38Aと支持部38Bとからなっている。その際、本体部38Aは、投影レンズ22の後側主点近傍において光軸Axと直交するようにして上下方向に延びる鉛直軸線Ax1を中心とする円筒面に沿って、左右方向に帯状に延びるように形成されており、その上端縁38aが、光軸Axを含む水平面上に位置している。一方、支持部38Bは、本体部38Aにおける左端部近傍部位から下方へ向けて延びた後、前方へ向けて水平に延びるように形成されている。
そして、この第2シェード38は、その支持部38Bの前端位置において鉛直軸線Ax1回りに回動可能な態様で、ホルダ32から前方へ張り出した張出し部32aに支持されており、これにより水平方向の任意の位置を採り得るようになっている。
第2アクチュエータ40は、ステッピングモータで構成されており、投影レンズ22の下方近傍においてホルダ32の張出し部32aに固定支持されている。そして、この第2アクチュエータ40は、コントロールユニット50からの駆動信号入力により駆動するようになっている。その際、コントロールユニット50は、車載カメラ52で撮像された画像データの信号に基づいて、第2アクチュエータ40を駆動制御して、第2シェード38を鉛直軸線Ax1回りに回動させて任意の位置で停止させ得るようになっている。
図1に示すように、他方の灯具ユニット20Bは、一方の灯具ユニット20Aに対して、その第2シェード38が光軸Axに関して灯具ユニット20Aの場合とは左右対称の配置となっているが、それ以外の構成は灯具ユニット20Aの場合と同様である。
次に、本実施形態に係る車両用照明灯具10からの照射光により形成される複数種類の配光パターンについて説明する。
図4(c)は、車両用照明灯具10からの照射光により灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLを透視的に示す図である。
このロービーム用配光パターンPLは、図4(a2)、(b2)に示す同一形状の配光パターンPLA、PLBの合成配光パターンとして形成されるようになっている。
その際、配光パターンPLAは、灯具ユニット20Aからの照射光により形成される配光パターンであって、図4(a1)に示すように、第1シェード28が遮光位置にある状態で、第2シェード38がリフレクタ26からの反射光を遮蔽しない位置に移動した状態で形成される配光パターンである。また、配光パターンPLBは、灯具ユニット20Bからの照射光により形成される配光パターンであって、図4(b1)に示すように、第1シェード28が遮光位置にある状態で、第2シェード38がリフレクタ26からの反射光を遮蔽しない位置に移動した状態で形成される配光パターンである。
このロービーム用配光パターンPLは、その上端縁に左右段違いの水平カットオフラインCL1、CL2を有している。この水平カットオフラインCL1、CL2は、灯具正面方向の消点であるH−Vを鉛直方向に通るV−V線を境にして左右段違いで水平方向に延びており、V−V線よりも右側の対向車線側部分が下段側の水平カットオフラインCL1として形成されるとともに、V−V線よりも左側の自車線側部分が上段側の水平カットオフラインCL2として形成されている。その際、上段側の水平カットオフラインCL2の右端部は、斜めカットオフラインとして形成されており、この斜めカットオフラインはV−V線において下段側の水平カットオフラインCL1に繋がっている。
このロービーム用配光パターンPLにおいて、下段側の水平カットオフラインCL1とV−V線との交点であるエルボ点Eは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方に位置している。これは、各灯具ユニット20A、20Bの光軸Axが車両前後方向に対して0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びていることによるものである。
このロービーム用配光パターンPLは、リフレクタ26で反射した発光チップ24aからの光により投影レンズ22の後側焦点面上に形成される光源像の反転投影像として形成されるようになっている。そして、その下段側の水平カットオフラインCL1は、各第1シェード28A、28Bの上端縁28a1、28a2における上段部28a1の反転投影像として形成され、また、上段側の水平カットオフラインCL2は、その下段部28a2の反転投影像として形成されるようになっている。その際、上段側の水平カットオフラインCL2は、H−Vを水平方向に通るH−H線に略沿って形成されるようになっている。
なお、図4(a2)、(b2)において、破線で示す横長略矩形状の像IA1、IB1は、各灯具ユニット20A、20Bの第1シェード28A、28Bが遮光位置にあるときの、その反転投影像を模式的に示すものである。以下の各図においても同様であるが、これら各反転投影像IA1、IB1の形成位置は、各第1シェード28A、28Bの移動位置に応じてそれぞれ異なったものとなる。
図5(c)は、車両用照明灯具10からの照射光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンPHを透視的に示す図である。
このハイビーム用配光パターンPHは、図5(a2)、(b2)に示す配光パターンPHA、PHBの合成配光パターンとして形成されるようになっている。
その際、配光パターンPHAは、灯具ユニット20Aからの照射光により形成される配光パターンであって、図5(a1)に示すように、第2シェード38は図4(a1)に示す位置に維持したまま、第1シェード28を遮光解除位置に移動させたときに形成される配光パターンである。また、配光パターンPHBは、灯具ユニット20Bからの照射光により形成される配光パターンであって、図5(b1)に示すように、第2シェード38は図4(b1)に示す位置に維持したまま、第1シェード28を遮光解除位置に移動させたときに形成される配光パターンである。
このハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLに対して、その水平カットオフラインCL1、CL2から上方へある程度拡がるように形成されている。これは、各灯具ユニット20A、20Bの第1シェード28A、28Bが遮光解除位置にあり、これによりリフレクタ26からの反射光がそのまま投影レンズ28に入射することによるものである。
なお、この遮光解除位置にあるとき、各第1シェード28A、28Bの反転投影像IA1、IB1は配光パターンPHA、PHBから外れた位置にあり、これら配光パターンPHA、PHBの形成には影響しない。
図6(c)は、車両用照明灯具10からの照射光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成される中間的な配光パターンPM1を透視的に示す図である。
この中間的な配光パターンPM1は、図6(a2)、(b2)に示す配光パターンPM1A、PM1Bの合成配光パターンとして形成されるようになっている。
その際、配光パターンPM1Aは、灯具ユニット20Aからの照射光により形成される配光パターンであって、図6(a1)に示すように、第1シェード28は図5(a1)に示す位置に維持したまま、第2シェード38をその左側の側端縁38bが光軸Axのやや左側になる位置まで移動させてリフレクタ26からの反射光の一部を遮蔽させるようにしたときに形成される配光パターンである。また、配光パターンPM1Bは、灯具ユニット20Bからの照射光により形成される配光パターンであって、図6(b1)に示すように、第1シェード28は図5(b1)に示す位置に維持したまま、第2シェード38をその右側の側端縁38bが光軸Axのやや右側になる位置まで移動させてリフレクタ26からの反射光の一部を遮蔽させるようにしたときに形成される配光パターンである。
なお、図6(a2)、(b2)において、破線で示す横長略矩形状の像IA2、IB2は、第2シェード38A、38Bの反転投影像を模式的に示すものである。以下の各図においても同様であるが、これら各反転投影像IA2、IB2の形成位置は、各第2シェード38A、38Bの移動位置に応じてそれぞれ異なったものとなる。
図6(a2)に示す配光パターンPM1Aは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方において水平方向に延びる水平カットオフラインCL3Aと、V−V線よりもやや対向車線側において自車線側を向いた状態で鉛直方向に延びる上下カットオフラインCL4Aとを有している。その際、上下カットオフラインCL4Aが、V−V線よりもやや対向車線側に形成されるのは、第2シェード38の側端縁38bが光軸Axよりもやや左側に位置していることによるものである。
一方、図6(b2)に示す配光パターンPM1Bは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方において水平方向に延びる水平カットオフラインCL3Bと、V−V線よりもやや自車線側において対向車線側を向いた上下カットオフラインCL4Bとを有している。その際、上下カットオフラインCL4Bが、V−V線よりもやや自車線側に形成されるのは、第2シェード38の側端縁38bが光軸Axよりもやや右側に位置していることによるものである。
図6(c)に示すように、これら2つの配光パターンPM1A、PM1Bを合成した中間的な配光パターンPM1は、V−V線の左右両側に1対の上下カットオフラインCL4A、CL4Bが形成されるとともに、その間にH−H線のやや下方において水平に延びる水平カットオフラインCL3A、CL3Bとが形成された配光パターンとなっている。
このような中間的な配光パターンPM1を形成することにより、前走車2が存在する場合であっても、その左右両側に1対の上下カットオフラインCL4A、CL4Bを位置させることにより、前走車2のドライバにグレアを与えてしまうことなく、その左右両側の領域を明るく照射することができ、これにより自車ドライバの前方視認性を高めることができる。その際、自車と前走車2との車間距離に応じて、両上下カットオフラインCL4A、CL4Bの間隔を変化させることにより、前走車2のドライバにグレアを与えてしまうことなく、自車ドライバの前方視認性を最大限に高めることができる。
なお、前走車2の位置検出は、コントロールユニット50において、車載カメラ52から入力される前走車2の画像データから、前走車2の幅およびその中心位置等を算出することにより行うことができる。そして、コントロールユニット50は、この位置検出の結果に基づいて各灯具ユニット20A、20Bの第2アクチュエータ40を駆動して、前走車2の両側近傍に1対の上下カットオフラインCL4A、CL4Bを位置させるようになっている。
図7(c)は、車両用照明灯具10からの照射光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成される中間的な配光パターンPM2を透視的に示す図である。
この中間的な配光パターンPM2は、図7(a2)、(b2)に示す配光パターンPM2A、PM2Bの合成配光パターンとして形成されるようになっている。
その際、配光パターンPM2Aは、灯具ユニット20Aからの照射光により形成される配光パターンであって、図7(a1)に示すように、第2シェード38は図6(a1)に示す位置に維持したまま、第1シェード28を遮光位置のやや下方の位置(具体的には、その上端縁の上段部28a1が光軸Axよりもやや下方になる位置)まで上方へ移動させたときに形成される配光パターンである。また、配光パターンPM2Bは、灯具ユニット20Bからの照射光により形成される配光パターンであって、図7(b1)に示すように、第2シェード38は図6(b1)に示す位置に維持したまま、第1シェード28を遮光位置のやや下方の位置(具体的には、その上端縁の上段部28a1が光軸Axよりもやや下方になる位置)まで上方へ移動させたときに形成される配光パターンである。
図7(a2)に示す配光パターンPM2Aは、図6(a2)に示す配光パターンPM1Aに対して、その上端部がカットされてH−H線のやや上方(例えばH−H線の0.5〜1°程度上方)に水平カットオフラインCL5Aが形成された配光パターンとなっており、その分だけ上下カットオフラインCL4Aが短くなっている。
一方、図7(b2)に示す配光パターンPM2Bは、図6(b2)に示す配光パターンPM1bに対して、その上端部がカットされてH−H線のやや上方(例えばH−H線の1〜1.5°程度上方)に水平カットオフラインCL5Bが形成された配光パターンとなっており、その分だけ上下カットオフラインCL4Bが短くなっている。
その際、これら各配光パターンPM2A、PM2Bの上端部に水平カットオフラインCL5A、CL5Bが形成されるのは、第1シェード28が遮光位置のやや下方の位置まで上方へ移動したことによるものである。
図7(c)に示すように、これら2つの配光パターンPM2A、PM2Bを合成した中間的な配光パターンPM2は、図6(c)に示す中間的な配光パターンPM1に対して、その上端部がカットされて左右段違いの水平カットオフラインCL5A、CL5Bが形成された配光パターンとなっている。
このような中間的な配光パターンPM2を形成することにより、前走車2のほかに車両前方路面の左右両側に歩行者6が存在する場合であっても、その上端部に水平カットオフラインCL5A、CL5Bが形成されていることにより、前走車2や歩行者6にグレアを与えてしまうことなく、前走車2の左右両側の領域を明るく照射して、自車ドライバの前方視認性を高めることができる。その際、各歩行者6が存在する位置等に応じて、各上下カットオフラインCL4A、CL4Bの上下方向の位置を変化させることにより、各歩行者6にグレアを与えてしまうことなく、自車ドライバの前方視認性を最大限に高めることができる。
なお、歩行者6の位置検出は、コントロールユニット50において、車載カメラ52から入力される歩行者6の画像データから、歩行者6の幅およびその頭部の高さ等を算出することにより行うことができる。そして、コントロールユニット50は、この位置検出の結果に基づいて各灯具ユニット20A、20Bの第1アクチュエータ30を駆動して、歩行者6の頭部の下方近傍に水平カットオフラインCL5A、CL5Bを位置させるようになっている。
図8(c)は、車両用照明灯具10からの照射光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成される中間的な配光パターンPM3を透視的に示す図である。
この中間的な配光パターンPM3は、図8(a2)、(b2)に示す配光パターンPM3A、PM3Bの合成配光パターンとして形成されるようになっている。
その際、配光パターンPM3Aは、灯具ユニット20Aからの照射光により形成される配光パターンであって、図8(a1)に示すように、第1シェード28を図7(a1)に示す位置から僅かに下方へ移動させるとともに、第2シェード38を図7(a1)に示す位置から多少左方向へ移動させたときに形成される配光パターンである。また、配光パターンPM3Bは、灯具ユニット20Bからの照射光により形成される配光パターンであって、図8(b1)に示すように、第1シェード28を図7(b1)に示す位置から僅かに上方へ移動させるとともに、第2シェード38を図7(b1)に示す位置から僅かに左方向へ移動させたときに形成される配光パターンである。
図8(a2)に示す配光パターンPM3Aは、図7(a2)に示す配光パターンPM2Aに対して、上下カットオフラインCL4Aが対向車線側へ多少変位するとともに、水平カットオフラインCL5Aがやや上方に変位した配光パターンとなっている。
一方、図8(b2)に示す配光パターンPM3Bは、図7(b2)に示す配光パターンPM2Bに対して、水平カットオフラインCL5Bがやや下方に変位した配光パターンとなっている。
その際、配光パターンPM3Aにおける上下カットオフラインCL4Aおよび水平カットオフラインCL5Aの変位は、第1シェード28および第2シェード38が、図7(a1)に位置からそれぞれ移動したことによるものであり、また、配光パターンPM3Bにおける上下カットオフラインCL4Bおよび水平カットオフラインCL5Bの変位は、第1シェード28および第2シェード38が、図7(b1)に位置から移動したことによるものでる。
このような中間的な配光パターンPM3を形成することにより、各歩行者6が図7(c)の場合とは異なる位置に存在したり、対向車4が現れたりしたような場合においても、前走車2や対向車4のドライバさらには歩行者6にグレアを与えてしまうことなく、前走車2および対向車4の左右両側の領域を明るく照射して、自車ドライバの前方視認性を高めることができる。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、ハイビーム用配光パターンPHとロービーム用配光パターンPLとを選択的に形成するように構成されたプロジェクタ型の灯具ユニット20A、20Bを備えているが、これら各灯具ユニット20A、20Bは、その可動式のシェードとして、左右段違いの水平カットオフラインCL1、CL2を形成するための左右段違いの上端縁28a1、28a2を有する第1シェード28と、上下カットオフラインCL4A、CL4Bを形成するための側端縁38bおよびその下端位置から水平方向に延びる水平カットオフラインCL3A、CL3Bを形成するための上端縁38aを有する第2シェード38とを備えた構成となってなり、そして、第1シェード28は、第1アクチュエータ30の駆動により上下方向に移動して、遮光位置と遮光解除位置とその中間位置とを採り得るように構成されており、また、第2シェード38は、第2アクチュエータ40の駆動により、第1シェード28の前方近傍において左右方向に移動し得るように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、各灯具ユニット20A、20Bにおいて、第1シェード28を遮光位置に移動させるとともに、第2シェード38を、リフレクタ26からの反射光を遮蔽しない位置に移動させることにより、左右段違いの水平カットオフラインCL1、CL2を有するロービーム用配光パターンPLを形成することができる。
一方、この状態から、各灯具ユニット20A、20Bにおいて、第1シェード28を遮光解除位置に移動させることにより、ハイビーム用配光パターンPHを形成することができる。
そして、この状態から、各灯具ユニット20A、20Bにおいて、第2シェード38を、該第2シェード38によりリフレクタ26からの反射光の一部を遮蔽する位置まで移動させることにより、上下カットオフラインCL4A、CL4Bおよび水平カットオフラインCL3A、CL3Bを有する、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用配光パターンPHとの中間的な配光パターンPM1を形成することができる。
その際、この中間的な配光パターンPM1においては、第2シェード38の移動位置によって上下カットオフラインCL4A、CL4Bの形成位置を左右方向の任意の位置に設定することができる。したがって、これら各上下カットオフラインCL4A、CL4Bの形成位置を、車両走行状況に応じて適宜設定することにより、前走車2や対向車4のドライバにグレアを与えてしまうことなく、自車ドライバの前方視認性を十分に確保することができる。
さらに、この中間的な配光パターンPM1を形成している状態において、第1シェード28を中間位置に移動させることにより、この中間的な配光パターンPM1の上端部を形成しているリフレクタ26からの反射光を遮蔽して、この中間的な配光パターンPM1の上端部を左右段違いの水平カットオフラインCL5A、CL5Bに沿ってカットすることができる。したがって、この左右段違いの水平カットオフラインCL5A、CL5Bの形成位置を、車両走行状況に応じて適宜設定して中間的な配光パターンPM2またはPM3を形成することにより、自車ドライバの前方視認性を確保した上で歩行者6等にグレアを与えないようにすることができる。
このように本実施形態によれば、ハイビーム用配光パターンPHとロービーム用配光パターンPLとを選択的に形成するように構成された灯具ユニット20A、20Bを備えてなる車両用照明灯具10において、中間的な配光パターンPM1、PM2、PM3として、前走車2や対向車4のドライバや歩行者6等にグレアを与えてしまうことなく自車ドライバの前方視認性を高めることができる配光パターンを形成することができる。
しかも、本実施形態に係る車両用照明灯具10は、灯具ユニットとして、1対の灯具ユニット20A、20Bを備えた構成となっており、一方の灯具ユニット20Aにおける第2シェード38を、その側端縁38bにより上下カットオフラインを自車線側を向いた上下カットオフラインCL4Aとして形成する構成となっているとともに、他方の灯具ユニット20Bにおける第2シェード38を、その側端縁38bにより上下カットオフラインを対向車線側を向いた上下カットオフラインCL4Bとして形成する構成となっているので、両灯具ユニット20A、20Bからの照射光の組合せにより、中間的な配光パターンとして、ハイビーム用配光パターンPHの上部における左右方向の中間領域が暗部となった中間的な配光パターンPM1を形成することができる。その際、両灯具ユニット20A、20Bの第1シェード28を中間位置に移動させるようにすれば、中間的な配光パターンとして、1対の上下カットオフラインCL4A、CL4Bの高さを低くすることができ、かつ、その各々の高さを任意に設定することができる中間的な配光パターンPM2またはPM3を形成することができる。そしてこれにより、左右中間領域から外れた位置に存在する歩行者6等にグレアを与えてしまわない範囲内で、自車ドライバの前方視認性を最大限に高めることができる。
なお、上記実施形態においては、車両用照明灯具10が1対の灯具ユニット20A、20Bを備えているものとして説明したが、これらのうちの一方のみを備えた構成とすることも可能である。このようにした場合には、灯具ユニット20Aにより形成される配光パターンPM1A、PM2A、PM3Aまたは灯具ユニット20Bにより形成される配光パターンPM1B、PM2B、PM3Bが、それぞれ中間的な配光パターンを構成することとなる。また、一般に車両用照明灯具10は車両前端部の左右両側に1対配置されるので、そのうちの一方に灯具ユニット20Aを設けるとともに他方に灯具ユニット20Bを設けるようにすれば、車両全体として上記実施形態と略同様の作用効果を得ることが可能である。その際、右側に配置される車両用照明灯具10に灯具ユニット20Aを設け、左側に配置される車両用照明灯具10に灯具ユニット20Bを設けることが好ましい。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図9は、本変形例に係る車両用照明灯具110を示す、図1と同様の図である。また、図10は、図9のX−X線断面図である。
これらの図に示すように、本変形例に係る車両用照明灯具110の基本的な構成は、上記実施形態の車両用照明灯具10と同様であるが、その各灯具ユニット120A、120Bにおける第2シェード138および第2アクチュエータ140の構成ならびに第1アクチュエータ130の配置が、上記実施形態の各灯具ユニット20A、20Bの場合と異なっている。
すなわち、本変形例においては、各灯具ユニット120A、120Bにおける第2シェード138が、灯具正面視において縦長矩形状の外形形状を有する直方体ブロックで構成されており、その上端縁138aの左右両側に側端縁138bがそれぞれ形成されている。そして、この第2シェード138は、第1シェード28の後方近傍において左右方向(すなわち車幅方向)に移動可能に配置されている。
これを実現するため、第2シェード138は、光軸Axの下方において左右方向に延びるシャフト142と螺合するとともに、このシャフト142の下方近傍に配置されたガイドピン144とスライド可能に係合している。
これらシャフト142およびガイドピン144は、その両端部において、ホルダ132に載置固定されたブラケット146に固定支持されている。そして、シャフト142は、その一端部において第2アクチュエータ140に連結されている。この第2アクチュエータ140は、一方のブラケット146に固定支持されている。
第2アクチュエータ140は、ステッピングモータ等で構成されており、その駆動によりシャフト142を回転させて、このシャフト142と螺合する第2シェード138を左右方向に移動させるようになっている。そして、このアクチュエータ30の駆動により、第2シェード138は左右方向の任意の位置に移動し得るようになっている。
第2シェード138は、シャフト142と螺合した状態において、その上端縁138aが光軸Axを含む水平面上に位置するように形成されている。そして、この第2シェード138は、ガイドピン144との係合により、シャフト142が回転した場合においても、常に直立した姿勢を維持するようになっている。
図11(c)は、本変形例に係る車両用照明灯具110からの照射光により上記仮想鉛直スクリーン上に形成される中間的な配光パターンPM4を透視的に示す図である。
この中間的な配光パターンPM4は、図7(c)に示す中間的な配光パターンPM2に対応する配光パターンとして形成されている。
この中間的な配光パターンPM4は、図11(a2)、(b2)に示す同一形状の配光パターンPM4A、PM4Bの合成配光パターンとして形成されるようになっている。
その際、これら各配光パターンPM4A、PM4Bは、各灯具ユニット120A、120Bからの照射光によりそれぞれ形成される配光パターンであって、その第1シェード28を図7(a1)、(b1)に示す位置と同じ位置までそれぞれ移動させた状態で、その第2シェード138を、図11(a1)、(b1)に示すように、その左右方向の中心位置が光軸Ax上に位置するまでそれぞれ左右方向に移動させたときに形成される配光パターンである。
これら各配光パターンPM4A、PM4Bが、中間的な配光パターンPM4と同一形状で形成されるのは、第2シェード138が、その上端縁138aの左右両側に側端縁138bがそれぞれ形成されていることにより、左右中間領域の左右両側に1対の上下カットオフラインCL4A、CL4Bが形成されることによるものである。
このような中間的な配光パターンPM4を形成することにより、前走車2のほかに車両前方路面の左右両側に歩行者6が存在する場合であっても、その上端部に水平カットオフラインCL5A、CL5Bが形成されていることにより、前走車2や歩行者6にグレアを与えてしまうことなく、前走車2の左右両側の領域を明るく照射して、自車ドライバの前方視認性を高めることができる。その際、各歩行者6が存在する位置等に応じて、各上下カットオフラインCL4A、CL4Bの上下方向の位置を変化させることにより、各歩行者6にグレアを与えてしまうことなく、自車ドライバの前方視認性を最大限に高めることができる。
このように本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
また、本変形例の構成を採用した場合において、1対の灯具ユニット120A、120B相互間で第2シェード138の位置を左右方向に僅かにずらすようにすれば、1対の配光パターンPM4A、PM4B相互間で各上下カットオフラインCL4A、CL4Bの位置を左右方向に僅かにずらすことができる。そしてこれにより、中間的な配光パターンPM4において、必要に応じて各上下カットオフラインCL4A、CL4Bをぼかすことが可能となる。
なお、上記変形例においては、車両用照明灯具110が1対の灯具ユニット120A、120Bを備えているものとして説明したが、これらのうちの一方のみを備えた構成とすることも可能である。このようにした場合、灯具ユニット120Aにより形成される配光パターンPM4Aまたは灯具ユニット120Bにより形成される配光パターンPM4Bが、それぞれ中間的な配光パターンを構成することとなるので、その左右中間領域の左右両側に1対の上下カットオフラインCL4A、CL4Bが形成された中間的な配光パターンを得ることができる。
上記実施形態および変形例においては、光源が発光素子24の発光チップ24aである場合について説明したが、光源として放電バルブの発光部やハロゲンバルブのフィラメント等を採用した場合においても同様の作用効果を得ることが可能である。
なお、上記実施形態および変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
2 前走車
4 対向車
6 歩行者
10、110 車両用照明灯具
12 灯具本体
14 ランプボディ
16 透光カバー
20A、120A 一方の灯具ユニット
20B、120B 他方の灯具ユニット
22 投影レンズ
24 発光素子
24a 発光チップ
24b 基板
26 リフレクタ
26a 反射面
28 第1シェード
28a1 上端縁(の上段部)
28a2 上端縁(の下段部)
30、130 第1アクチュエータ
32、132 ホルダ
32a 張出し部
38、138 第2シェード
38A 本体部
38B 支持部
38a、138a 上端縁
38b、138b 側端縁
40、140 第2アクチュエータ
50 コントロールユニット
52 車載カメラ
54 ビーム切換スイッチ
142 シャフト
144 ガイドピン
146 ブラケット
Ax 光軸
Ax1 鉛直軸線
CL1 下段側の水平カットオフライン
CL2 上段側の水平カットオフライン
CL3A、CL3B、CL5A、CL5B 水平カットオフライン
CL4A、CL4B 上下カットオフライン
E エルボ点
F 後側焦点
IA1、IA2、IB1、IB2 反転投影像
PH ハイビーム用配光パターン
PHA、PHB 配光パターン
PL ロービーム用配光パターン
PLA、PLB 配光パターン
PM1、PM2、PM3、PM4 中間的な配光パターン
PM1A、PM1B、PM2A、PM2B、PM3A、PM3B、PM4A、PM4B 配光パターン
4 対向車
6 歩行者
10、110 車両用照明灯具
12 灯具本体
14 ランプボディ
16 透光カバー
20A、120A 一方の灯具ユニット
20B、120B 他方の灯具ユニット
22 投影レンズ
24 発光素子
24a 発光チップ
24b 基板
26 リフレクタ
26a 反射面
28 第1シェード
28a1 上端縁(の上段部)
28a2 上端縁(の下段部)
30、130 第1アクチュエータ
32、132 ホルダ
32a 張出し部
38、138 第2シェード
38A 本体部
38B 支持部
38a、138a 上端縁
38b、138b 側端縁
40、140 第2アクチュエータ
50 コントロールユニット
52 車載カメラ
54 ビーム切換スイッチ
142 シャフト
144 ガイドピン
146 ブラケット
Ax 光軸
Ax1 鉛直軸線
CL1 下段側の水平カットオフライン
CL2 上段側の水平カットオフライン
CL3A、CL3B、CL5A、CL5B 水平カットオフライン
CL4A、CL4B 上下カットオフライン
E エルボ点
F 後側焦点
IA1、IA2、IB1、IB2 反転投影像
PH ハイビーム用配光パターン
PHA、PHB 配光パターン
PL ロービーム用配光パターン
PLA、PLB 配光パターン
PM1、PM2、PM3、PM4 中間的な配光パターン
PM1A、PM1B、PM2A、PM2B、PM3A、PM3B、PM4A、PM4B 配光パターン
Claims (3)
- ハイビーム用配光パターンとロービーム用配光パターンとを選択的に形成するように構成された灯具ユニットを備えてなる車両用照明灯具において、
上記灯具ユニットは、投影レンズと、この投影レンズの後側焦点よりも後方側に配置された光源と、この光源からの光を上記投影レンズへ向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタと上記投影レンズとの間において上記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽し得るように配置された可動式のシェードと、を備えた構成となってなり、
上記シェードとして、上記灯具ユニットからの照射光により形成される配光パターンに左右段違いの水平カットオフラインを形成するための左右段違いの上端縁を有する第1シェードと、上記配光パターンの上部に上下方向に延びる上下カットオフラインを形成するための側端縁と上記上下カットオフラインの下端位置から水平方向に延びる水平カットオフラインを形成するための上端縁とを有する第2シェードと、を備えており、
上記第1シェードは、第1アクチュエータの駆動により上下方向に移動して、該第1シェードの上端縁が上記投影レンズの後側焦点近傍を通るように配置される遮光位置と、該第1シェードによる上記リフレクタからの反射光の遮蔽を解除する遮光解除位置と、これら遮光位置および遮光解除位置の間の中間位置と、を採り得るように構成されており、
上記第2シェードは、第2アクチュエータの駆動により、上記第1シェードの前方近傍または後方近傍において左右方向に移動し得るように構成されている、ことを特徴とする車両用照明灯具。 - 上記灯具ユニットとして、1対の灯具ユニットを備えており、
一方の上記灯具ユニットにおける上記第2シェードが、該第2シェードの側端縁により上記上下カットオフラインを自車線側を向いた上下カットオフラインとして形成するように構成されており、
他方の上記灯具ユニットにおける上記第2シェードが、該第2シェードの側端縁により上記上下カットオフラインを対向車線側を向いた上下カットオフラインとして形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用照明灯具。 - 上記第2シェードは、上記上端縁の左右両側に上記側端縁がそれぞれ形成された構成となっている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用照明灯具。
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Legal Events
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