JP2009152056A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロービーム配光時における車両前方斜め上方の視認性の向上を図る。
【解決手段】第1光源ユニット3の第1半導体発光素子4aを点灯すると、その出射光は第1リフレクタ5により投影レンズ2側に向けて反射され、その反射光の一部がシェード6により遮断されて、上端縁にカットオフラインCLを有するロービーム配光パターンPLが形成される。第1リフレクタ5からシェード6よりも前方位置に向けて反射した光の一部は、シェード6の前方に配置された平板状リフレクタ7で上方側に向けて反射して投影レンズ2に入射し、該投影レンズ2から車両前方斜め上方に指向した光束LOが出射される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のヘッドランプやフォグランプ等に用いられるプロジェクタ型の車両用灯具に関する。
自動車のヘッドランプの中には、光源として例えば発光ダイオード(LED)のような半導体発光素子を用いたプロジェクタ型のヘッドランプが多用されており、中でも、1つのプロジェクタ型の灯具でロービーム配光パターンとハイビーム配光パターンとを形成するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−164735号公報
ロービーム配光パターンは、周知のように上端縁にカットオフラインを形成して、対向車および前走車の乗員に眩惑を与えないようにグレア光を抑制するようにしてある。
このため、カットオフラインよりも鉛直上方に設置された道路標識等にランプ照射光が行き届きにくく、車両前方斜め上方の視認性を高めることが望まれる。
そこで、本発明はロービーム配光パターン形成時に、オーバーヘッドサインと称される車両前方斜め上向きの光束が得られて、カットオフラインよりも鉛直上方に設置された道路標識等を明確に視認することができるプロジェクタ型の車両用灯具を提供するものである。
本発明の車両用灯具にあっては、投影レンズの後方に配置した半導体発光素子の出射光を、リフレクタにより投影レンズ側に向けて反射し、その一部を半導体発光素子の前方に配置したシェードにより遮断して、上端縁にカットオフラインを有するロービーム配光パターンを形成するプロジェクタ型の車両用灯具において、
前記投影レンズとシェードとの間に、リフレクタからの反射光の一部を上方側へ向けて反射し、投影レンズを通して車両前方斜め上方に指向した光束を形成する平板状リフレクタを設けたことを主要な特徴としている。
本発明によれば、半導体発光素子を点灯すると、その出射光はリフレクタにより投影レンズ側に向けて反射され、この反射光の一部がシェードにより遮断されて、投影レンズを通して車両前方に上端縁にカットオフラインを有するロービーム配光パターンが形成される。
リフレクタからシェードよりも前方位置に向けて反射した光の一部は、シェードの前方に配置された平板状リフレクタで上方側に向けて反射して投影レンズに入射し、該投影レンズからオーバーヘッドサインと称される車両前方斜め上方に指向した光束が出射される。
この結果、ロービーム配光パターンであっても、オーバーヘッドサインにより、カットオフラインよりも鉛直上方に設置された道路標識等を明確に視認することができる。
以下、本発明の実施形態を自動車のヘッドランプを例に採って、図面と共に詳述する。
図1〜4は本発明にかかるヘッドランプの第1実施形態を示し、図1はヘッドランプを鉛直断面としてロービーム配光時の光路状態を示す略示的説明図、図2はヘッドランプを鉛直断面としてハイビーム配光時の光路状態を示す略示的説明図、図3は車両前方の仮想鉛直スクリーンに形成されるロービーム配光パターンを模式的に示す説明図、図4は車両前方の仮想鉛直スクリーンに形成されるハイビーム配光パターンを模式的に示す説明図である。
図1に示すように本実施形態のヘッドランプ1は、その前後方向に延びる光軸Xを有する投影レンズ2と、該投影レンズ2の後方に配置されたロービーム配光用の第1光源ユニット3と、ハイビーム配光用の第2光源ユニット10とを備えたプロジェクタ型ランプとして構成されている。
第1光源ユニット3は、投影レンズ2の後側焦点Fよりも後方側で光軸X上に配置された第1半導体発光素子4aと、第1半導体発光素子4aの上方側を覆って配置された第1リフレクタ5と、後側焦点Fから光軸Xに沿って第1半導体発光素子4aへ向けて延びる平板状のシェード6と、を備えている。
第1半導体発光素子4aとして、例えば所要の大きさの発光チップ4上に形成されたLEDが用いられ、この発光チップ4を光軸X上において鉛直上方に向けて配置されている。
第1リフレクタ5の反射面5aは、光軸X上に長軸を持つ回転楕円面を基調とした自由曲面で構成されている。反射面5aの離心率は、図1に示す鉛直断面において最も小さく、水平断面に近づくにつれて大きく設定されている。
図1,図2に示す鉛直断面では、反射面5aは発光チップ4の発光中心を第1焦点とし、光軸X上の後側焦点Fまたはそのやや前方位置を第2焦点faとする自由曲面に形成されているため、第1半導体発光素子4aの出射光は第2焦点fa近傍に収束されることになる。
本実施形態では便宜上、第2焦点faの位置を後側焦点Fの位置としている。
シェード6は上面が反射面を形成し、光軸X上に水平に配置されている。第1リフレクタ5からの反射光の一部はシェード6により遮断されて、図3に示すように上端縁にカットオフラインCLを有するロービーム配光パターンPLが形成される。
従って、カットオフラインCLはシェード6の前端部上面の形状によって決定され、例えば図3に示す左右段付きのカットオフラインCLは、この前端部上面を左右に段差がある平担面に形成することにより得られる。
投影レンズ2とシェード6との間には、少なくともその上面を反射面とした平板状リフレクタ7が配置されている。
平板状リフレクタ7は、光軸X上で後側焦点Fよりも前方位置に水平に配置されている。
これにより、後側焦点Fよりも前方位置に指向するリフレクタ4からの反射光の一部が上方側に向けて反射され、投影レンズ2を通して車両前方斜め上方に指向したオーバーヘッドサインと称される光束LOが形成される。
第2光源ユニット10は、平板状リフレクタ7の前後方向中央部分で光軸Xと直交する直線Z上に配置された第2半導体発光素子11aと、第2半導体発光素子11aの前方側を覆って配置された第2リフレクタ12と、第2半導体発光素子11aの下側で直線Zに沿って配置された平板状の第3リフレクタ13と、を備えている。
第2半導体発光素子11aとして、第1光源ユニット3と同様に例えば所要の大きさの発光チップ11上に形成されたLEDが用いられ、この発光チップ11を直線Z上において前方に向けて配置されている。
第2リフレクタ12は、第1リフレクタ5と同様に直線Z上に長軸を持つ回転楕円面を基調とした自由曲面に形成された反射面12aを備えている。
図1,図2に示す鉛直断面では、反射面12aは発光チップ11の発光中心を第1焦点とし、反射面12aで反射した第2半導体発光素子11aの光が、平板状リフレクタ7の配置部分に収束するようにされている。
第3リフレクタ13は、前面を反射面としてあり、第2リフレクタ12の上側部分で反射した第2半導体発光素子11aの光の一部を、平板状リフレクタ7に向けて反射させるもので、シェード6と第2リフレクタ12の相互で反射光を遮断するシェードを兼ねている。
一方、平板状リフレクタ7は、支軸8を中心に所定の角度で前下がりに傾動可能とされている。
本実施形態では、第2リフレクタ12の第2焦点fbは、直線Z上において前下がりに傾動した平板状リフレクタ7の反射面もしくはその上下方向近傍位置に設定される。
これにより、図2に示すように第2リフレクタ12および第3リフレクタ13からの反射光は傾動した平板状リフレクタ7の反射面に向けて収束され、該反射面で投影レンズ2に向けて反射させて、投影レンズ2を通して水平方向やや上向きのハイビーム配光Lが得られるようにしている。
第2半導体発光素子11aの点灯と、平板状リフレクタ7の傾動は、図外のランプスイッチのハイビーム位置への切り換え操作によって同時に行われる。
ランプスイッチのハイビーム位置からロービーム位置への切り換え操作により、第2半導体発光素子11aの消灯と、平板状リフレクタ7の元の水平位置への回動復帰とが同時に行われる。
以上の構成よりなる第1実施形態のヘッドランプ1によれば、図外のランプスイッチにより第1半導体発光素子4aを点灯すると、その出射光は図1に示すように第1リフレクタ5の反射面5aで前方に向けて反射して投影レンズ2に入射される。
第1リフレクタ5の反射光の一部はシェード6により遮断されて、その反射面で反射した光は投影レンズ2の上部側に入射される。
これにより、投影レンズ2から水平方向やや下向きのロービーム配光Lが得られ、図3に示すように上端縁にカットオフラインCLを有するロービーム配光パターンPLが形成される。
第1リフレクタ5から後側焦点Fよりも前方位置に向けて反射した光の一部は、平板状リフレクタ7上面の反射面で上方側へ向けて反射して投影レンズ2に入射される。
これにより、投影レンズ2から、車両前方斜め上方に指向したオーバーヘッドサインと称される光束LOが出射される。
この結果、図3に示すようにロービーム配光パターンPLのカットオフラインCLの中央部分の上側に、オーバーヘッドサインLOによる配光パターンPOが形成され、カットオフラインCLよりも鉛直上方に設置された道路標識等を明確に視認することができる。
次に、図外のランプスイッチのハイビーム切り換えにより、第1半導体発光素子4aの点灯に加えて第2半導体発光素子11aを点灯すると、これと同時に図2に示すように平板状リフレクタ7が前下がりに所定角度に傾動される。
すると、第2半導体発光素子11aの出射光は、第2リフレクタ12の反射面12aで反射して、傾動した平板状リフレクタ7に向けて収束される。
平板状リフレクタ7の反射面で反射した光は投影レンズ2に入射され、該投影レンズ2から水平方向やや上向きのハイビーム配光Lとして車両前方に出射される。
これにより、ロービーム配光Lとハイビーム配光Lとの合成配光パターンとして、図4に示すようにロービーム配光パターンPLのカットオフラインCLの上方側に広がる配光領域PUを持つハイビーム配光パターンPHが形成される。
このように本実施形態のヘッドランプ1では、ロービーム配光パターン形成時には、オーバーヘッドサインLOによってカットオフラインCLよりも鉛直上方の視認性を向上することができる。
しかも、1つのプロジェクタ型ランプで、ロービーム配光パターンPLとハイビーム配光パターンPHとを任意に切り換えて現出させることができる。
ここで、特に本実施形態では前述のように、平板状リフレクタ7を前下がりに所定角度に傾動可能とし、その上方に配設した第2光源ユニット10における第2半導体発光素子11aの出射光を第2リフレクタ12で反射して、傾動した平板状リフレクタ7に向けて収束させる簡単な構造でハイビーム配光パターンPHを形成することができる。
このため、ロービーム配光パターンPLとハイビーム配光パターンPHとを切り換え可能なプロジェクタ型のヘッドランプ1を構造上有利に得ることができる。
また、平板状リフレクタ7は、第2半導体発光素子11aの点灯と同時に前下がりに所定角度に傾動可能としてあるため、ハイビーム切り換え時に直ちにハイビーム配光パターンPHを現出できて、遠方視認性を確保することができる。
更に、第2リフレクタ12の第2焦点fbは、傾動した平板状リフレクタ7の反射面もしくはその上下方向近傍位置に設定されているため、平板状リフレクタ7の面積を可及的に小さくして、第2半導体発光素子11aの鮮明な光源像が得られるから、ハイビーム配光時の光量損失を少なく抑えることができる。
また、第1半導体発光素子4aと第2半導体発光素子11aとが前後に所要の間隔をおいて離間配置されるため、これら第1,第2半導体発光素子4,11の放熱性を高めることができる。
図5は本発明の第2実施形態を示す図2と同様の断面説明図である。
本実施形態では、第2光源ユニット10が第1実施形態とは逆に、平板状リフレクタ7の下方に配設されている。
第2光源ユニット10が、第1実施形態に示す配置状態から、光軸Xの線対称として平板状リフレクタ7の下方に配設された場合、第2半導体発光素子11aの直接光が投影レンズ2に斜め上向きに入射して配光性が悪化してしまう。
そこで、本実施形態にあっては、発光チップ11が、直線Z上で第2半導体発光素子11aを後方に向けて配置されていると共に、第2リフレクタ12は第2半導体発光素子11aの後方を覆って配置されている。
平板状の第3リフレクタ13は、第2半導体発光素子11aの上側で直線Zに沿って配置されるが、第2リフレクタ12の下側部分で反射した第2半導体発光素子11aの光の一部を、平板状リフレクタ7に向けて反射し得るように、後面が反射面として形成される。
平板状リフレクタ7は、その上下両面が反射面として形成されていると共に、第2半導体発光素子11aの点灯と同時に前上がりに所定角度に傾動可能とされている。
そこで、第2リフレクタ12の第2焦点fbは、前上がりに傾動した平板状リフレクタ7の下側反射面もしくはその上下方向近傍位置に設定される。
このように、第2光源ユニット10を平板状リフレクタ7の下方に配設した場合であっても、ロービーム配光時は第1実施形態と全く同様に図3に示すロービーム配光パターンPLと、オーバーヘッドサインLOによる配光パターンPOとが形成される。
ハイビーム配光時は、図5に示すように第2半導体発光素子11aの出射光が第2リフレクタ12の反射面12aで反射して、前上がりに傾動した平板状リフレクタ7に向けて収束される。
平板状リフレクタ7で反射した光は投影レンズ2に入射され、該投影レンズ2から水平方向やや上向きのハイビーム配光Lとして車両前方に出射される。
これにより、ロービーム配光Lとハイビーム配光Lとの合成配光パターンとして、図4に示すようなハイビーム配光パターンPHを得ることができる。
なお、前記各実施形態ではヘッドランプに本発明を適用した例を示したが、フォグランプやコーナリングランプ等に適用することもできる。
本発明の第1実施形態に関わるヘッドランプの鉛直断面におけるロービーム配光時の光路状態を示す略示的説明図。 本発明の第1実施形態に関わるヘッドランプの鉛直断面におけるハイビーム配光時の光路状態を示す略示的説明図。 本発明の第1実施形態における車両前方の仮想鉛直スクリーンに形成されるロービーム配光パターンを模式的に示す説明図。 本発明の第1実施形態における車両前方の仮想鉛直スクリーンに形成されるハイビーム配光パターンを模式的に示す説明図。 本発明の第2実施形態に関わるヘッドランプの鉛直断面におけるハイビーム配光時の光路状態を示す略示的説明図。
符号の説明
1 ヘッドランプ(車両用灯具)
2 投影レンズ
4 第1半導体発光素子(半導体発光素子)
5 第1リフレクタ(リフレクタ)
6 シェード
7 平板状リフレクタ
11 第2半導体発光素子
12 第2リフレクタ
ロービーム配光
ハイビーム配光
LO 車両前方斜め上方に指向した光束
PL ロービーム配光パターン
PH ハイビーム配光パターン
CL カットオフライン
PO 車両前方斜め上方に指向した光束の配光パターン
PU カットオフラインの上方側に広がる配光領域
fb 第2リフレクタの第2焦点

Claims (4)

  1. 投影レンズの後方に配置した半導体発光素子の出射光を、リフレクタにより投影レンズ側に向けて反射し、その一部を半導体発光素子の前方に配置したシェードにより遮断して、上端縁にカットオフラインを有するロービーム配光パターンを形成するプロジェクタ型の車両用灯具において、
    前記投影レンズとシェードとの間に、リフレクタからの反射光の一部を上方側へ向けて反射し、投影レンズを通して車両前方斜め上方に指向した光束を形成する平板状リフレクタを設けたことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記平板状リフレクタの上方又は下方位置に、第2半導体発光素子と、該第2半導体発光素子の出射光を前記平板状リフレクタに向けて反射する第2リフレクタと、を配置する一方、
    前記平板状リフレクタを上下方向に所定角度に傾動可能とし、
    前記第2リフレクタからの反射光を、傾動した平板状リフレクタにより前記投影レンズ側に向けて反射して、ロービーム配光パターンのカットオフラインの上方側に広がった配光領域を持つハイビーム配光パターンを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記平板状リフレクタを、前記第2半導体発光素子の点灯と同期して傾動するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
  4. 前記第2リフレクタの第2焦点位置を、所定角度に傾動した平板状リフレクタの反射面もしくはその上下方向近傍に設定したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用灯具。
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