JP2012189162A5 - - Google Patents
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ところが、従来、油温昇温を利用して油温センサの故障を検出しているため、油温が飽和する領域での故障の検出(例えば、油温20℃以下、140℃以上のみで検出)が困難であった。また、車両の走行時に油温センサの故障を検出するため、走行条件等で検出領域が限定されている。このような理由により、故障の検出性の低下、頻度低下する原因となっていた。
また、油温センサの故障が確定するまでの時間が長くかかる傾向があった。また、診断判定値を決定するにあたり、油温昇温性の確認が必要となり、確認、適合工数が多くかかっていた。更に、車両部品の変更により、クーラ性能が変更になる場合に(バンパ変更、油量変更、クーラ変更等)、確認工数が大となるという不都合があった。
また、油温センサの故障が確定するまでの時間が長くかかる傾向があった。また、診断判定値を決定するにあたり、油温昇温性の確認が必要となり、確認、適合工数が多くかかっていた。更に、車両部品の変更により、クーラ性能が変更になる場合に(バンパ変更、油量変更、クーラ変更等)、確認工数が大となるという不都合があった。
制御手段12は、図2に示すように、油温センサ10の検出した油温に基づいて油温センサ10の異常状態を判定する故障判定手段12Aと、経過時間を計測する計時手段12Bと、少なくとも検出された油温及び水温を記憶する記憶手段12Cとを備えている。
そして、制御手段12は、内燃機関3の運転停止時に油温センサ10の検出した油温を停止油温として記憶するとともに水温センサ5の検出した水温を停止水温として記憶し、内燃機関3の始動時に油温センサ10の検出した油温を始動油温として記憶するとともに水温センサ5の検出した水温を始動水温として記憶し、記憶された前記停止油温と前記始動油温との差分を算出するとともに、この差分を前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と比較することによって油温センサ10の故障判定を行う。
なお、現在温度の検出値となる水温、油温、気温については、直ぐに演算を用いるため、一時的な記憶(揮発性)でも実施可能であるので、不揮発性メモリに記憶させないようにすることも可能である。
そして、制御手段12は、内燃機関3の運転停止時に油温センサ10の検出した油温を停止油温として記憶するとともに水温センサ5の検出した水温を停止水温として記憶し、内燃機関3の始動時に油温センサ10の検出した油温を始動油温として記憶するとともに水温センサ5の検出した水温を始動水温として記憶し、記憶された前記停止油温と前記始動油温との差分を算出するとともに、この差分を前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と比較することによって油温センサ10の故障判定を行う。
なお、現在温度の検出値となる水温、油温、気温については、直ぐに演算を用いるため、一時的な記憶(揮発性)でも実施可能であるので、不揮発性メモリに記憶させないようにすることも可能である。
また、制御手段12は、油温センサ10の故障判定として、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行う油温センサ10のソーク故障判定(図14参照)と、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行う前記油温センサ10の昇温故障判定(図15参照)との一つ以上の判定を行う。
更に、制御手段12は、前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの判定を行い、前記ソーク故障判定では、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記停止水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行い、前記昇温故障判定では、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記始動水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行う。
更にまた、制御手段12は、内燃機関3の置かれた環境の温度を検出可能とする気温センサとしての吸気温センサ13に連絡し、前記判定値を定めるために3つの判定を行い、この3つの判定を、前記油温と前記水温の乖離度を考慮する乖離判定と、前記計時手段12Bによって計測された前記内燃機関3のソーク時間を考慮するソーク判定と、前記気温センサ13によって検出された気温を考慮する熱害判定とし、前記前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの故障判定に用いる判定値を8パターン設定し(図12参照)、前記乖離判定と前記ソーク判定と前記熱害判定との3つの判定結果に基づいてこのうち一つのパターンを選択する。
なお、気温センサとしては、吸気温センサ13を例示したが、エンジンルームや内燃機関3の雰囲気温度を検出する外気温センサ等のセンサでも可能である。
なお、気温センサとしては、吸気温センサ13を例示したが、エンジンルームや内燃機関3の雰囲気温度を検出する外気温センサ等のセンサでも可能である。
また、制御手段12は、前記乖離判定を、前記停止油温と前記停止水温との差分を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とし、前記ソーク判定を、予め固有値として設定したソーク判定時間によって判定する2値判定とし、前記熱害判定を、前記気温センサとしての吸気温センサ13が前記内燃機関3の始動時に計測した気温を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とする。
更に、制御手段12は、前記ソーク故障判定に用いる判定値を定めるための所定のマップを3種類設け、この3種類のマップを、図14に示すように、油温差の低い側の故障を判定するための判定値を与える低側マップと、油温差の高い側の故障を判定するための判定値を与える高側マップと、油温差が前記内燃機関3の水温との相関性のある範囲を定めるコアマップとする。
その後、内燃機関始動時における熱害環境判定(内燃機関停止時診断許可)で、条件の成立(hot=1)又は不成立(hot=0)を設定する(ステップA07)。つまり、診断実施するDCの内燃機関停止時の各温度をモニタして、診断実施、及び条件に合った最適な故障判定の判定値を選定する。
この熱害環境判定において、内燃機関始動時の前提条件は、図7に示すように、始動油温(TftSta)が低側油温(TftStaL)と高側油温(TftStaH)の範囲、始動水温(EngWaSta)が低側水温(EngWaStaL)と高側水温(EngWaStaH)の範囲、始動気温(EngArSta)が低側気温(EngArStaL)と高側気温(EngArStaH)の範囲の条件を満たしたときに、成立する。
また、熱害は、図8に示すように、始動気温(EngArSta)が水温に応じて設定された判定値(HotTbl)以上の場合に、判定される。
この熱害環境判定において、内燃機関始動時の各温度を記憶する場合には、図9に示すように、バッテリ電圧が設定電圧(VbSto)以上、エンジン回転数が設定回転数(EngSto)以上、INP回転数が設定回転数(InpSto)以上、車速が設定車速(VholSto)以下、シフトポジションがパーキングレンジ(P)又はニュートラルレンジ(N)、アクセル開度が設定開度(AcclSto)以下の全ての条件が成立したときに、車両停止、かつ内燃機関3の始動とみなして、各温度を記憶する。この温度については、次回の2DC(2回目の運転状態及び時間)において使用するため、2回分以上記憶することができるものである。つまり、始動水温、始動油温、始動気温を、現在のDC格納データ及び前回のDC格納データとして記憶する(図10参照)。
この発明では、各温度の格納タイミングを内燃機関3の停止時、内燃機関次回始動時及び内燃機関次回停止時としている。
詳細は後述するが、先ず、この発明では、内燃機関停止時と内燃機関次回始動時の降温性能による判断と、内燃機関次回始動時と内燃機関次回停止時の昇温性能による判断とを利用して、油温センサ10の故障診断を行う。
また、この発明では、降温性能による判断の後に、昇温性能による判断を行う構成としている。これは、昇温判定による判断を行う場合に、油温センサ10の故障判定の誤判定を防止するためにある程度まで水温が低下していることが、必要であるためである。予め内燃機関3が暖機状態である場合には、水温が比較的高温であって水温の変化量が少ない。この状態で、さらに油温センサ10が高温側でスタック故障している場合、水温及び油温の変化量が共に少なく、且つ同様の変化傾向をとるため、油温センサ10のスタック故障を検出できない場合があるためである。
さらに、この発明では、油温センサ10の故障診断を行う頻度を高めることができる。降温性能による判断を昇温性能による判断よりも先に行うことで、油温センサ10の故障診断を開始するために、予め内燃機関3を冷却して、水温を低下させる時間を設ける必要が無いためである。
また、各温度を記憶する値については、診断開始時間から診断終了時間までの間の各温度の平均値をそれぞれ算出して記憶すること(図11参照)、通信ノイズ等を考慮して一定時間経過したときの温度を記憶すること、各温度はフィルタ後の値を記憶すること、フィルタに関しては定数にて適合可能にすることが、好ましい。
なお、この熱害環境判定は、気温が高い場合に、温度推移が安定しないため、故障判定に水温に応じた熱害判定用の判定値を用い、始動気温が判定値よりも大きい場合に、成立する。
この熱害環境判定において、内燃機関始動時の前提条件は、図7に示すように、始動油温(TftSta)が低側油温(TftStaL)と高側油温(TftStaH)の範囲、始動水温(EngWaSta)が低側水温(EngWaStaL)と高側水温(EngWaStaH)の範囲、始動気温(EngArSta)が低側気温(EngArStaL)と高側気温(EngArStaH)の範囲の条件を満たしたときに、成立する。
また、熱害は、図8に示すように、始動気温(EngArSta)が水温に応じて設定された判定値(HotTbl)以上の場合に、判定される。
この熱害環境判定において、内燃機関始動時の各温度を記憶する場合には、図9に示すように、バッテリ電圧が設定電圧(VbSto)以上、エンジン回転数が設定回転数(EngSto)以上、INP回転数が設定回転数(InpSto)以上、車速が設定車速(VholSto)以下、シフトポジションがパーキングレンジ(P)又はニュートラルレンジ(N)、アクセル開度が設定開度(AcclSto)以下の全ての条件が成立したときに、車両停止、かつ内燃機関3の始動とみなして、各温度を記憶する。この温度については、次回の2DC(2回目の運転状態及び時間)において使用するため、2回分以上記憶することができるものである。つまり、始動水温、始動油温、始動気温を、現在のDC格納データ及び前回のDC格納データとして記憶する(図10参照)。
この発明では、各温度の格納タイミングを内燃機関3の停止時、内燃機関次回始動時及び内燃機関次回停止時としている。
詳細は後述するが、先ず、この発明では、内燃機関停止時と内燃機関次回始動時の降温性能による判断と、内燃機関次回始動時と内燃機関次回停止時の昇温性能による判断とを利用して、油温センサ10の故障診断を行う。
また、この発明では、降温性能による判断の後に、昇温性能による判断を行う構成としている。これは、昇温判定による判断を行う場合に、油温センサ10の故障判定の誤判定を防止するためにある程度まで水温が低下していることが、必要であるためである。予め内燃機関3が暖機状態である場合には、水温が比較的高温であって水温の変化量が少ない。この状態で、さらに油温センサ10が高温側でスタック故障している場合、水温及び油温の変化量が共に少なく、且つ同様の変化傾向をとるため、油温センサ10のスタック故障を検出できない場合があるためである。
さらに、この発明では、油温センサ10の故障診断を行う頻度を高めることができる。降温性能による判断を昇温性能による判断よりも先に行うことで、油温センサ10の故障診断を開始するために、予め内燃機関3を冷却して、水温を低下させる時間を設ける必要が無いためである。
また、各温度を記憶する値については、診断開始時間から診断終了時間までの間の各温度の平均値をそれぞれ算出して記憶すること(図11参照)、通信ノイズ等を考慮して一定時間経過したときの温度を記憶すること、各温度はフィルタ後の値を記憶すること、フィルタに関しては定数にて適合可能にすることが、好ましい。
なお、この熱害環境判定は、気温が高い場合に、温度推移が安定しないため、故障判定に水温に応じた熱害判定用の判定値を用い、始動気温が判定値よりも大きい場合に、成立する。
以上、この発明の実施例について説明してきたが、上述の実施例の構成を請求項毎に当てはめて説明する。
先ず、請求項1に記載の発明において、制御手段12は、内燃機関3の運転停止時に油温センサ10の検出した油温を停止油温として記憶するとともに水温センサ10の検出した水温を停止水温として記憶し、内燃機関3の始動時に油温センサ10の検出した油温を始動油温として記憶するとともに水温センサ5の検出した水温を始動水温として記憶し、記憶された前記停止油温と前記始動油温との差分を算出するとともに、この差分を前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と比較することによって油温センサ10の故障判定を行う。
これにより、診断実施可否判断の実施時期を限定する走行条件を重要としないようにでき、走行条件を必要とせずに、故障診断の判断を実施することができる。また、水温の状態に応じて判定値(閾値)が変更可能であり、判定精度を高めることができる。更に、基本的に検出した油温、水温だけで判断するので、制御が簡単で制御手段12の演算負荷が小さく、個々の車両への適合も容易にできる。
請求項2に記載の発明において、制御手段12は、油温センサ10の故障判定として、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行う油温センサ10のソーク故障判定と、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行う油温センサ10の昇温故障判定との一つ以上の判定を行う。
これにより、内燃機関停止時での降温性能と運転中の昇温性能とのいずれかのみによる判断であっても、より多くの温度範囲(内燃機関3を運転する常温域として、従来は不可能であった20℃〜140℃の範囲の全域を含む)で故障診断が可能となる。
請求項3に記載の発明において、制御手段12は、前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの判定を行い、前記ソーク故障判定では、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記停止水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行い、前記昇温故障判定では、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記始動水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行う。
これにより、内燃機関停止時での降温性能と運転中の昇温性能との両方による判断であるため、精度が高く、また、より多くの温度範囲で故障診断が可能となる。
請求項4に記載の発明において、制御手段12は、内燃機関3の置かれた環境の温度を検出可能とする気温センサとしての吸気温センサ13に連絡し、前記判定値を定めるために3つの判定を行い、この3つの判定を、前記油温と前記水温の乖離度を考慮する乖離判定と、計時手段12Bによって計測された内燃機関3のソーク時間を考慮するソーク判定と、吸気温センサ13によって検出された気温を考慮する熱害判定とし、前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの故障判定に用いる判定値を8パターン設定し、前記乖離判定と前記ソーク判定と前記熱害判定との3つの判定結果に基づいてこのうち一つのパターンを選択する。
これにより、車両1の置かれた環境と車両の運転状態を考慮した8パターンにより、きめ細かく判定値を設定できるので、精度を極めて高くでき、誤判定を少なくできる。また、内燃機関3の水温との相関性を考慮し、車両の置かれた環境と車両の運転状態とを考慮した3つの判断によって8パターンに振り分けるので、個々の判定値の設定を最適にでき、グレーゾーンを小さくできる。
請求項5に記載の発明において、制御手段12は、前記乖離判定を、前記停止油温と前記停止水温との差分を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とし、前記ソーク判定を、予め固有値として設定したソーク判定時間によって判定する2値判定とし、前記熱害判定を、吸気温センサ13が内燃機関3の始動時に計測した気温を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とする。
これにより、車両1の置かれた環境と車両の運転状態を考慮した8パターンについての選択(パターン決定)を簡素化でき、制御手段12の演算負荷を小さくできる。
請求項6に記載の発明において、制御手段12は、前記ソーク故障判定に用いる判定値を定めるための所定のマップを3種類設け、この3種類のマップを、油温差の低い側の故障を判定するための判定値を与える低側マップと、油温差の高い側の故障を判定するための判定値を与える高側マップと、油温差が内燃機関3の水温との相関性のある範囲を定めるコアマップとする。
これにより、ソーク判定の概要図に示すように、広い温度範囲にわたって、また、各温度において最適な判定値を与えることができ、精度の高い故障診断が可能となる。
先ず、請求項1に記載の発明において、制御手段12は、内燃機関3の運転停止時に油温センサ10の検出した油温を停止油温として記憶するとともに水温センサ10の検出した水温を停止水温として記憶し、内燃機関3の始動時に油温センサ10の検出した油温を始動油温として記憶するとともに水温センサ5の検出した水温を始動水温として記憶し、記憶された前記停止油温と前記始動油温との差分を算出するとともに、この差分を前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と比較することによって油温センサ10の故障判定を行う。
これにより、診断実施可否判断の実施時期を限定する走行条件を重要としないようにでき、走行条件を必要とせずに、故障診断の判断を実施することができる。また、水温の状態に応じて判定値(閾値)が変更可能であり、判定精度を高めることができる。更に、基本的に検出した油温、水温だけで判断するので、制御が簡単で制御手段12の演算負荷が小さく、個々の車両への適合も容易にできる。
請求項2に記載の発明において、制御手段12は、油温センサ10の故障判定として、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行う油温センサ10のソーク故障判定と、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行う油温センサ10の昇温故障判定との一つ以上の判定を行う。
これにより、内燃機関停止時での降温性能と運転中の昇温性能とのいずれかのみによる判断であっても、より多くの温度範囲(内燃機関3を運転する常温域として、従来は不可能であった20℃〜140℃の範囲の全域を含む)で故障診断が可能となる。
請求項3に記載の発明において、制御手段12は、前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの判定を行い、前記ソーク故障判定では、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記停止水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行い、前記昇温故障判定では、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記始動水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行う。
これにより、内燃機関停止時での降温性能と運転中の昇温性能との両方による判断であるため、精度が高く、また、より多くの温度範囲で故障診断が可能となる。
請求項4に記載の発明において、制御手段12は、内燃機関3の置かれた環境の温度を検出可能とする気温センサとしての吸気温センサ13に連絡し、前記判定値を定めるために3つの判定を行い、この3つの判定を、前記油温と前記水温の乖離度を考慮する乖離判定と、計時手段12Bによって計測された内燃機関3のソーク時間を考慮するソーク判定と、吸気温センサ13によって検出された気温を考慮する熱害判定とし、前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの故障判定に用いる判定値を8パターン設定し、前記乖離判定と前記ソーク判定と前記熱害判定との3つの判定結果に基づいてこのうち一つのパターンを選択する。
これにより、車両1の置かれた環境と車両の運転状態を考慮した8パターンにより、きめ細かく判定値を設定できるので、精度を極めて高くでき、誤判定を少なくできる。また、内燃機関3の水温との相関性を考慮し、車両の置かれた環境と車両の運転状態とを考慮した3つの判断によって8パターンに振り分けるので、個々の判定値の設定を最適にでき、グレーゾーンを小さくできる。
請求項5に記載の発明において、制御手段12は、前記乖離判定を、前記停止油温と前記停止水温との差分を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とし、前記ソーク判定を、予め固有値として設定したソーク判定時間によって判定する2値判定とし、前記熱害判定を、吸気温センサ13が内燃機関3の始動時に計測した気温を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とする。
これにより、車両1の置かれた環境と車両の運転状態を考慮した8パターンについての選択(パターン決定)を簡素化でき、制御手段12の演算負荷を小さくできる。
請求項6に記載の発明において、制御手段12は、前記ソーク故障判定に用いる判定値を定めるための所定のマップを3種類設け、この3種類のマップを、油温差の低い側の故障を判定するための判定値を与える低側マップと、油温差の高い側の故障を判定するための判定値を与える高側マップと、油温差が内燃機関3の水温との相関性のある範囲を定めるコアマップとする。
これにより、ソーク判定の概要図に示すように、広い温度範囲にわたって、また、各温度において最適な判定値を与えることができ、精度の高い故障診断が可能となる。
なお、この発明においては、油温センサ以外の昇降性のある温度センサ(エンジン水温センサ、吸気温センサ等)については、同様の診断が可能である。
また、油温センサについても、2個搭載したものについては、油温センサ同士で診断を可能とする。
更に、気温を使用することにより、熱害等の温度降下が安定しないパターンについても、判定値を分けることにより、より精度の高い診断が可能となる。
また、油温センサについても、2個搭載したものについては、油温センサ同士で診断を可能とする。
更に、気温を使用することにより、熱害等の温度降下が安定しないパターンについても、判定値を分けることにより、より精度の高い診断が可能となる。
Claims (6)
- 内燃機関を搭載する車両の動力伝達機構に使用される作動油の温度を検出する油温センサを設け、前記内燃機関の冷却水の温度としての水温を検出する水温センサを設け、前記油温センサの検出した油温に基づいて前記油温センサの異常状態を判定する故障判定手段と経過時間を計測する計時手段と少なくとも検出された油温及び水温を記憶する記憶手段とが備えられた制御手段を設けた油温センサの故障診断制御装置において、前記制御手段は、前記内燃機関の運転停止時に前記油温センサの検出した油温を停止油温として記憶するとともに前記水温センサの検出した水温を停止水温として記憶し、前記内燃機関の始動時に前記油温センサの検出した油温を始動油温として記憶するとともに前記水温センサの検出した水温を始動水温として記憶し、記憶された前記停止油温と前記始動油温との差分を算出するとともに、この差分を前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と比較することによって前記油温センサの故障判定を行うことを特徴とする油温センサの故障診断制御装置。
- 前記制御手段は、前記油温センサの故障判定として、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行う前記油温センサのソーク故障判定と、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記記憶したいずれかの水温に基づいて所定の条件で定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行う前記油温センサの昇温故障判定との一つ以上の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の油温センサの故障診断制御装置。
- 前記制御手段は、前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの判定を行い、前記ソーク故障判定では、前回停止時の停止油温と今回始動時の始動油温との第一油温差を算出し、前記停止水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第一油温差とを比較して行い、前記昇温故障判定では、次回始動時の始動油温と次回停止時の停止油温との第二油温差を算出し、前記始動水温に基づいて所定のマップで定めた判定値と前記第二油温差とを比較して行うことを特徴とする請求項2に記載の油温センサの故障診断制御装置。
- 前記制御手段は、前記内燃機関の置かれた環境の温度を検出可能とする気温センサに連絡し、前記判定値を定めるために3つの判定を行い、この3つの判定を、前記油温と前記水温の乖離度を考慮する乖離判定と、前記計時手段によって計測された前記内燃機関のソーク時間を考慮するソーク判定と、前記気温センサによって検出された気温を考慮する熱害判定とし、前記前記ソーク故障判定と前記昇温故障判定との2つの故障判定に用いる判定値を8パターン設定し、前記乖離判定と前記ソーク判定と前記熱害判定との3つの判定結果に基づいてこのうち一つのパターンを選択することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の油温センサの故障診断制御装置。
- 前記制御手段は、前記乖離判定を、前記停止油温と前記停止水温との差分を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とし、前記ソーク判定を、予め固有値として設定したソーク判定時間によって判定する2値判定とし、前記熱害判定を、前記気温センサが前記内燃機関の始動時に計測した気温を水温に基づく判定値によって判定する2値判定とすることを特徴とする請求項4に記載の油温センサの故障診断制御装置。
- 前記制御手段は、前記ソーク故障判定に用いる判定値を定めるための所定のマップを3種類設け、この3種類のマップを、油温差の低い側の故障を判定するための判定値を与える低側マップと、油温差の高い側の故障を判定するための判定値を与える高側マップと、油温差が前記内燃機関の水温との相関性のある範囲を定めるコアマップとすることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の油温センサの故障診断制御装置。
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JP2011054132A JP5679118B2 (ja) | 2011-03-11 | 2011-03-11 | 油温センサの故障診断制御装置 |
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