JP2012185470A - フレネルレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】外界から第一面へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能なフレネルレンズを提供する。
【解決手段】フレネルレンズ1は、第一面10とは反対側の第二面20が複数のレンズ面21を有するものであり、各レンズ面21それぞれが、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面が位置する楕円錐30の側面の一部により構成されている。ここで、フレネルレンズ1は、第一面10上の各点の法線のうち楕円錐30の側面の一部からなるレンズ面21に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差するレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸とが、非平行である。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレネルレンズに関するものである。
従来から、収差のないレンズとして、無収差レンズが知られている(例えば、非特許文献1)。
図10に示すようなレンズ面71を有するレンズにおいて、レンズの光軸Opaに平行な光線Lbを、光路長一定で焦点Fに集光するためには、RF=HFとなる必要がある。Rは、レンズ面71の屈折点、Hは、屈折点Rから光軸Opa上に垂線を下ろしたときの交点(屈折点Rから光軸Opaに下ろした垂線の足)であり、RFは、屈折点Rと焦点Fとの間の光路長、HFは、交点Hと焦点Fとの間の光路長である。RF=HFの条件を満たすためには、レンズ面71を双曲面または楕円面とする必要があることが知られている。ここで、レンズ面71が双曲面である場合には、レンズ材料の屈折率をn、レンズのバックフォーカスをfとすると、レンズ面71は、(1)式で与えられる。
Figure 2012185470
ただし、(1)式は、レンズの焦点Fを原点とし、光軸Opa上にz軸を有し、光軸Opaに直交する面内で互いに直交するx軸およびy軸を有する直交座標を規定したときの、レンズ面71上の任意の点の座標を(x、y、z)とした場合に得られる式である。また、(1)式のa,b,cは、(2)式、(3)式、(4)式でそれぞれ与えられる。
Figure 2012185470
また、従来から、図11に示すように、出射面(第二面)である双曲面120の回転軸Cを、入射面(第一面)である平面110の法線Nと角度θをなすように傾けた集光レンズ101が知られている(特許文献1)。図11に示した構成の集光レンズ101においては、回転軸Cに対してある角度δで入射して集光レンズ101内で双曲面120の回転軸Cと平行となる光線が、焦点Fに無収差で集光される。なお、角度δは、集光レンズ101の屈折率をnとすれば、スネルの法則、すなわち、sin(θ+δ)=nsinθを満足する角度である。ここにおいて、双曲面120の式は、焦点Fを原点とし、双曲面120の回転軸C上にz軸を有し、回転軸Cに直交する面内で互いに直交するx軸、y軸を有する直交座標を規定すると、上述の(1)式で表される。
また、特許文献1には、図12に示すように、集光レンズ101をフレネルレンズとし、軸外収差の発生を抑制するために、第二面の各双曲面121,122,123が共有する回転軸Cを、第一面である平面110に対して斜交させたものが提案されている。ここにおいて、各双曲面121,122,123それぞれがレンズ面を構成している。
特許文献1には、図12のフレネルレンズ101では、各双曲面121,122,123が共有する回転軸Cと平面110とのなす角度に応じて、焦点に無収差で集光する平行光線と平面110の法線Nとの間に角度を持たせることができることが記載されている。したがって、図12のフレネルレンズ101では、軸外収差の発生を抑制することができ、平面110の法線Nに斜交する方向からの光線を効率よく集光することが可能となる。
しかしながら、出射面を構成する各双曲面121,122,123の回転軸Cが入射面である平面110の法線Nに対して斜交したフレネルレンズ101は、各双曲面121,122,123が、平面110の法線Nに対して回転対称ではない。このため、フレネルレンズ101やフレネルレンズ101用の金型は、旋盤などによる回転加工で製作することが困難である。
そこで、フレネルレンズ101やフレネルレンズ101用の金型の製作時には、多軸制御の加工機を用い、図13に示すようにノーズ半径(コーナ半径ともいう)が数μmの鋭利なバイト(工具)130の刃先のみを工作物140に点接触させて微小ピッチで切削加工を行うことで各双曲面121,122,123あるいは各曲面を形成する必要がある。工作物140は、フレネルレンズ101を直接形成するための基材や、金型を形成するための基材である。このため、上述のフレネルレンズ101やフレネルレンズ101用の金型の製作における加工時間が長くなり、フレネルレンズ101のコストアップの要因となってしまう。
これに対して、フレネルレンズの入射面である平面の法線を含む断面形状において各レンズ面の断面形状が直線であれば、図14に示すようにバイト130を工作物140に対して傾けて刃の側面を線接触させて切削加工を行うことにより、レンズ面あるいはレンズ面に応じた曲面の形成が可能であるため、加工時間を大幅に短縮することが可能となる。ここで、出射面における各レンズ面の形状が入射面の法線を回転軸として回転対称となるフレネルレンズにおいては、各レンズ面を円錐台の側面により近似することで、各レンズ面の断面形状を直線とできることが知られている(特許文献2)。
なお、特許文献1に開示されたフレネルレンズ101および特許文献2に開示されたフレネルレンズは、対象とする光線が赤外線であり、特許文献1,2には、レンズ材料として、ポリエチレンを用いることが開示されている。
特公平7−36041号公報 米国特許第4787722号明細書
久保田宏著,「光学」,第12版,株式会社岩波書店,1986年4月9日,p.282−283
ところで、出射面における各レンズ面の形状が入射面の法線を回転軸として回転対称となるフレネルレンズにおいて、各レンズ面を円錐台の側面により近似したものでは、軸外収差が発生してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、外界から第一面へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能なフレネルレンズを提供することにある。
本発明のフレネルレンズは、第一面とは反対側の第二面が複数のレンズ面を有するフレネルレンズであって、少なくとも1つの前記レンズ面が、楕円錐の側面の一部からなり、前記第一面上の各点の法線のうち前記楕円錐の側面の一部からなる前記レンズ面に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する前記レンズ面に対応する前記楕円錐の中心軸とが、非平行であることを特徴とする。
このフレネルレンズにおいて、前記複数の前記レンズ面のうち少なくとも2つの前記レンズ面が、それぞれ前記中心軸の異なる前記楕円錐の前記側面の前記一部からなり、外側に位置する前記レンズ面に対応する前記楕円錐ほど、前記中心軸と前記法線とのなす角度が大きいことが好ましい。
このフレネルレンズにおいて、前記複数の前記レンズ面のうち中央の前記レンズ面は、曲率が連続的に変化する非球面の一部からなり、前記第一面上の各点の法線のうち前記非球面の一部からなる中央の前記レンズ面に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する中央の前記レンズ面に対応する前記非球面の対称軸とが、非平行であることが好ましい。
このフレネルレンズにおいて、前記非球面は、双曲面であることが好ましい。
このフレネルレンズにおいて、レンズ材料がポリエチレンであり、前記第一面が前記第二面側とは反対側に凸となる曲面であることが好ましい。
本発明のフレネルレンズにおいては、外界から第一面へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能となる。
(a)は実施形態1のフレネルレンズの断面図、(b)は光線の進行経路の説明図である。 同上のフレネルレンズの平面図である。 同上のフレネルレンズのスポットダイヤグラムである。 (a)は同上のフレネルレンズの応用例を示す概略断面図、(b)は要部概略下面図、(c)は(b)の拡大図である。 (a)は実施形態2のフレネルレンズの断面図、(b)は光線の進行経路の説明図である。 同上のフレネルレンズの製作方法の説明図である。 同上のフレネルレンズのスポットダイヤグラムである。 (a)は実施形態3のフレネルレンズの断面図、(b)は光線の進行経路の説明図である。 同上のフレネルレンズのスポットダイヤグラムである。 従来の収差のないレンズの原理説明図である。 従来例を示す集光レンズの断面図である。 (a)は他の従来例のフレネルレンズの平面図、(b)は他の従来例のフレネルレンズの断面図である。 同上のフレネルレンズの製作方法の説明図である。 別の従来例のフレネルレンズの製作方法の説明図である。
(実施形態1)
以下では、本実施形態のフレネルレンズについて図1および図2を参照しながら説明する。
本実施形態のフレネルレンズ1は、第一面10が平面であり、第一面10とは反対側の第二面20が複数(図示例では、3つ)のレンズ面21を有している。このフレネルレンズ1は、中心レンズ部1aと、中心レンズ部1aを取り囲む複数(図示例では、2つ)の輪帯状レンズ部1bとを有している。輪帯状レンズ部1bの数は、特に限定するものではなく、3つ以上でもよい。フレネルレンズ1は、第一面10とは反対側の第二面20が複数のレンズ面21を有する集光レンズであり、中心レンズ部1aのレンズ面21が凸面となっている。要するに、フレネルレンズ1は、凸レンズに比べて厚みを薄くすることが可能な集光レンズである。
各輪帯状レンズ部1bは、第二面20側に山部11bを有している。山部11bは、中心レンズ部1a側の側面からなる立ち上がり面(非レンズ面)22と、中心レンズ部1a側とは反対側の側面からなるレンズ面21とを有している。したがって、フレネルレンズ1の第二面20は、各輪帯状レンズ部1bそれぞれにおけるレンズ面21を有している。また、フレネルレンズ1の第二面20は、中心レンズ部1aにおけるレンズ面21も有している。なお、図1(b)には、第一面10を入射面、第二面20を出射面とした場合について、光線の進行経路を細い実線で示して矢印を付してある。本実施形態のフレネルレンズ1では、図1(b)に示したように、フレネルレンズ1の第一面10の法線に斜交する方向から第一面10に入射した光線が、フレネルレンズ1の第二面20側の焦点Fに集光されていることが分かる。
ところで、フレネルレンズ1は、各レンズ面21が、それぞれ、楕円錐30の側面の一部からなり、第一面10上の各点の法線のうち楕円錐30の側面の一部からなるレンズ面21に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差するレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸とが、非平行である(つまり、傾いている)。ここにおいて、各楕円錐30は、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面(図示せず)が位置している。また、本実施形態のフレネルレンズ1では、第一面10が平面なので、楕円錐30の中心軸は、第一面10上の各点の各々における法線に対して斜交する。また、第一面10上の点と、その点における法線がレンズ面21に交差する交点とを結ぶ方向を、レンズ厚さ方向と規定した場合、第一面10が平面であれば、第一面10上の各点における法線に沿った方向がレンズ厚さ方向となる。したがって、図1(a),(b)の各々においては、上下方向が、レンズ厚さ方向となる。よって、フレネルレンズ1は、各レンズ面21それぞれが、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面が位置し且つ中心軸がレンズ厚さ方向に対して斜交する楕円錐30の側面の一部により構成されている。なお、レンズ厚さ方向に沿った1つの仮想直線を含む断面形状(ここでは、第一面10の法線を含む断面形状)において、第一面10に平行な面と各レンズ面21とのなす角度は鈍角であり、第一面10に平行な面と各立ち上がり面22とのなす角度は略直角である。
本願発明者らは、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能であるという課題を解決するために、まず、第二面20を、主軸が第一面10の法線に対して斜交する複数の双曲面(二葉双曲面の一方の双曲面)25それぞれの一部により構成した基本構造に関して、レンズ厚さ方向に沿った1つの仮想直線を含む断面形状において、複数の双曲面25それぞれの上記一部を直線で近似することを考えた。
ここで、双曲面25は、当該双曲面25の回転軸に直交する断面上の各点における接線の集合が円錐となる。したがって、出射面における各レンズ面の形状が入射面の法線を回転軸として回転対称となるフレネルレンズにおいては、各レンズ面を円錐の側面の一部により近似することができる。
ところで、任意の平面の中心を原点として、当該任意の平面において互いに直交するx軸とy軸とを規定し、当該任意の平面に直交するz軸を規定した直交座標系においては、円錐の任意の点の座標を(x,y,z)とし、b,cを係数として、円錐の方程式は下記の標準形で表される。ここで、係数cは、zに無関係な定数である。
Figure 2012185470
この円錐をxy平面に平行な2つの面で切り取った円錐台では、上述の基準構造における各双曲面25それぞれの上記一部を近似することはできない。
一方、双曲面25は、当該双曲面25の回転軸に垂直でない断面上の各点における接線40の集合が楕円錐となる。ここで、本願発明者らは、上述の基準構造における双曲面25を、双曲面25の主軸に斜交する平面と双曲面25との交線上の各点において、双曲面25と接する楕円錐30で近似できる点に着目し、各レンズ面21それぞれを、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面(図示せず)が位置し且つ中心軸(図示せず)がレンズ厚さ方向に対して斜交する楕円錐30の側面の一部により構成することを考えた。
図1のフレネルレンズ1において、それぞれ楕円錐30の一部により構成されるレンズ面21に着目すれば、楕円錐30が、その楕円錐30に内接する双曲面25をもち、楕円錐30と双曲面25との交線上の各点においては両者の接線の傾きが一致するので、楕円錐30と双曲面25との交線上の各点を通る光線は、双曲面25の回転軸上の一点に集光される。本実施形態のフレネルレンズ1では、複数のレンズ面21のうちの少なくとも1つのレンズ面21を、楕円錐30と双曲面25の交線を含むように楕円錐30の一部を切り取った形状とすることによって、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能となり、且つ、低コスト化が可能となる。ここにおいて、フレネルレンズ1は、山部11bの高さが低いほど、この山部11bを通る光線を一点に集光しやすくなるので、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25の交線が、山部11bと交わることが望ましい。
各山部11bの高さおよび隣り合う山部11bの頂点間の間隔は、フレネルレンズ1において集光対象とする電磁波の波長以上の値に設定する必要がある。例えば、波長10μmの赤外線を集光対象とする場合には、各山部11bの高さおよび隣り合う山部11bの頂点間の間隔を10μm以上とする必要がある。一方、フレネルレンズ1では、各山部11bの高さおよび隣り合う山部11bの頂点間の間隔が大きくなると、軸外収差が大きくなるという課題、第一面10側からレンズ模様が視認可能となるという課題が生じてしまうことが考えられる。そこで、フレネルレンズ1は、軸外収差の許容値(目標値)を例えば焦点Fに配置する赤外線用の光電変換素子の大きさである0.6×0.6mm以下とする場合、山部11の最大高さを150μm以下とすることが好ましい。また、フレネルレンズ1は、第一面10から30cmだけ離れたところから意識せずに眺めた場合に第二面20側のレンズ模様を視認できないことを要求されるような場合、隣り合う山部11b間の間隔を0.3mm以下とすることが好ましい。一方、隣り合う山部11b間の間隔を小さくするほど山部11の数が増えるので、隣り合う山部11b間の間隔は、例えば0.1〜0.3mmの範囲で設定することが、より好ましい。
本実施形態のフレネルレンズ1では、レンズ厚さ方向に直交し(つまり、平面からなる第一面10に平行で)且つ輪帯状レンズ部1bにおける山部11bの谷からの高さが山部11bの最大高さの1/2となる平面15上に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25との交線が存在する。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、図1(b)に示すように、レンズ面21と平面15との交点上を通る光線を、焦点Fに集光する。
一般の楕円錐の方程式は、任意の平面の中心を原点として、当該任意の平面において互いに直交するx軸とy軸とを規定し、当該任意の平面に直交するz軸を規定した直交座標系において、楕円錐の任意の点の座標を(x,y,z)とし、a,b,cを係数として、下記の(6)式の標準形で表される。ここで、係数cは、zに無関係な定数である。
Figure 2012185470
以下では、説明の便宜上、図1のフレネルレンズ1において、3つの楕円錐30にそれぞれ異なる符合を付して説明する。ここでは、中央のレンズ面21に対応するものを楕円錐30、中央のレンズ面21に最も近い第1輪帯となるレンズ面21に対応するものを楕円錐30、中央のレンズ面21に2番目に近い第2輪帯となるレンズ面21に対応するものを楕円錐30とする。要するに、中央のレンズ面21に対応する楕円錐30を除いた楕円錐30のうち、中央のレンズ面21に近い側から順に数えてn(n≧1)番目の第n輪帯となるレンズ面21に対応するものを楕円錐30とする。また、ここでは、各楕円錐30,30,30それぞれの頂点P,P,Pを頂点P,P,Pとし、各楕円錐30,30,30それぞれの中心軸をCA,CA,CAとする。要するに、ここでは、第n輪帯となるレンズ面21に対応する楕円錐30の頂点をPとし、その楕円錐30の中心軸をCAとする。そして、各楕円錐30,30,30それぞれについて、頂点P,P,Pを原点として、中心軸CA,CA,CAをz軸とし、z軸に直交する断面における楕円の長径方向に沿ってx軸、短径方向に沿ってy軸を規定した直交座標系を定義する。すると、各楕円錐30,30,30の式は、各直交座標系において、上述の(6)式で表すことができる。なお、図1では、楕円錐30,30,30に内接する双曲面25,25,25をそれぞれ双曲面25,25,25としてある。
一実施例のフレネルレンズ1として、それぞれ楕円錐30の側面の一部からなる6つのレンズ面21を備えたものを例示する。この一実施例のフレネルレンズ1において、6つの楕円錐30のうち中央のレンズ面21に対応するものを楕円錐30、第1輪帯〜第5輪帯それぞれとなるレンズ面21に対応するものを楕円錐30〜30とする。この一実施例のフレネルレンズ1では、各山部11b以外の部分からなるベース部分の厚みtを0.5mm、各輪帯状レンズ部1bにおいて焦点Fに最も近い点での山部11bの高さ(レンズ段差)Δtを0.05mm、レンズ材料を屈折率が1.53のポリエチレンとした場合、(6)式における係数a,b,cが表1に示す値となる。ただし、表1に示した係数a,b,cは、フレネルレンズ1の第一面10に平行な像面Iから第一面10までの距離を5.5mmとし、入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させることを前提条件として求めた値である。
Figure 2012185470
また、第一面10上の各点の各々における法線に対して、その法線が交わる第二面20のレンズ面21の中心軸は傾いている。以下では、説明の便宜上、図1のフレネルレンズ1において、第一面10の点A1、A2,B1,B2,C1,C2それぞれにおける法線と第二面20との交点をA1’,A2’、B1’,B2’,C1’,C2’とし、第一面10の点A1、A2,B1,B2,C1,C2それぞれにおける法線をA1−A1’,A2−A2’,B1−B1’,B2−B2’,C1−C1’,C2−C2’と称する。ここにおいて、中央のレンズ面21に交差する法線A1−A1’,A2−A2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、中央のレンズ面21に最も近い第1輪帯となるレンズ面21に交差する法線B1−B1’,B2−B2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、中央のレンズ面21に2番目に近い第2輪帯となるレンズ面21に交差する法線C1−C1’,C2−C2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとする。同様に、第3輪帯となるレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第4輪帯となるレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第4輪帯となるレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとすれば、θ〜θは、下記の表2に示す値となる。
Figure 2012185470
表2から、フレネルレンズ1は、第一面10上の各点における法線と、その法線が交わる第二面20の各レンズ面21の中心軸とがなす角度が、外側の輪帯状レンズ部1bほど大きくなることが分かる。
このフレネルレンズ1の焦点Fにおけるスポットダイヤグラムを図3に示す。この図3には、焦点Fを中心とした2×2mmの範囲のスポットダイヤグラムを示してある。集光スポットの大きさは、フレネルレンズ1の焦点Fに合わせて配置する光電変換素子の大きさ以下(ここでは、0.6×0.6mm以下)であればよい。
本実施形態のフレネルレンズ1では、レンズ厚さ方向に沿った1つの仮想直線を含む断面形状(第一面10の法線を含む断面形状)において、各レンズ面21が直線である。これにより、本実施形態のフレネルレンズ1では、図14に示すようにバイト130を工作物(フレネルレンズ1を直接形成するための基材や、金型を形成するための基材)140に対して傾けて刃の側面を線接触させて切削加工を行うことで、レンズ面21あるいはレンズ面21に応じた曲面の形成が可能となる。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、フレネルレンズ1やフレネルレンズ1用の金型の製作時においてバイト130による工作物140の加工時間を短縮することが可能となる。フレネルレンズ1の材料であるレンズ材料については、光線の波長などに応じて適宜選択すればよく、例えば、プラスチック(ポリエチレン、アクリル樹脂など)、ガラス、シリコン、ゲルマニウムなどから、適宜選択すればよい。例えば、光線の波長が赤外線の波長域にある場合には、ポリエチレン、シリコン、ゲルマニウムなどを選択すればよく、光線の波長が可視光の波長域に有る場合には、アクリル樹脂、ガラスなどを選択すればよい。また、金型の材料は特に限定するものではないが、例えば、リン青銅などを採用することができる。なお、金型を用いてフレネルレンズ1を成形する場合には、例えば、射出成形法や圧縮成形法などにより成形すればよい。
以上説明した本実施形態のフレネルレンズ1は、第一面10が平面であり、第二面20が複数のレンズ面21を有するものであり、各レンズ面21それぞれが、第二面20側に頂点Pが位置するとともに第一面10側に底面が位置し且つ中心軸がレンズ厚さ方向に対して斜交する楕円錐30の側面の一部により構成されている。ここで、本実施形態のフレネルレンズ1は、第一面10上の各点の法線のうち楕円錐30の側面の一部からなるレンズ面21に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差するレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸とが、非平行である。しかして、本実施形態のフレネルレンズ1では、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能となる。なお、フレネルレンズ1は、少なくとも各レンズ面21のうちの1つを、楕円錐30の側面の一部により構成することにより、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能となる。
上述のフレネルレンズ1の応用例としては、例えば、図4に示す構成のセンサ装置がある。このセンサ装置では、プリント配線板からなる回路基板8に、パッケージ4が実装されている。このパッケージ4は、円盤状のステム5と、このステム5に接合される有底円筒状のキャップ6と、このキャップ6の底部に形成された開口部6aを閉塞するように配置され所望の光線を透過する機能を有する光線透過部材7とで構成されている。また、パッケージ4内には、光電変換素子2を保持した素子保持部材(例えば、MID基板など)3が収納されている。そして、センサ装置は、3つのフレネルレンズ1,1’,1からなるマルチレンズを有するカバー部材9が、パッケージ4を覆うように回路基板8の一表面側に配置されている。ここにおいて、光電変換素子2としては、例えば、焦電素子などの赤外線センサ素子や、フォトダイオードなどの受光素子などを用いることができる。なお、光電変換素子2として赤外線センサ素子を用いる場合には、光線透過部材7として、シリコン基板やゲルマニウム基板などを用いることが好ましい。
マルチレンズにおける真ん中のフレネルレンズ1’は、第二面20’における各レンズ面21’それぞれが、第二面20’側に頂点(図示せず)が位置するとともに第一面10’側に底面(図示せず)が位置し且つ中心軸が第一面10’の中心の法線に一致する円錐の側面の一部により構成されている。したがって、マルチレンズを低コストで提供することが可能となる。また、光電変換素子2として例えば赤外線センサ素子を用いた場合に、センサ装置として、画角の広い赤外線センサを実現することが可能となる。
なお、マルチレンズにおけるフレネルレンズ1,1’の数は特に限定するものではない。
(実施形態2)
以下では、本実施形態のフレネルレンズについて図5を参照しながら説明する。
本実施形態のフレネルレンズ1の基本構成は実施形態1と略同じであり、複数のレンズ面21のうち中央のレンズ面21を、回転軸がレンズ厚さ方向に対して斜交し且つ曲率が連続的に変化する非球面である双曲面25の一部としてある点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態1のフレネルレンズ1のように、複数のレンズ面21の全てを楕円錐30の一部により構成することが可能である。しかしながら、複数のレンズ面21の全てを楕円錐30の一部により構成した場合には、中心レンズ部1aのレンズ面21が楕円錐30の頂点Pを含んでしまい、この頂点Pにおいて曲面が不連続となるため、頂点Pを通る光線が焦点Fに集光されいくい。
これに対して、本実施形態のフレネルレンズ1では、複数のレンズ面21のうち中央のレンズ面21、言い換えれば、中心レンズ部1aのレンズ面21を、上述の双曲面25の一部としてある。
しかして、本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態1のフレネルレンズ1に比べて、収差を小さくすることが可能となり、集光性能を向上させることが可能となる。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1を実施形態1で説明したセンサ装置に応用すれば、感度を向上させることが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1では、中心レンズ部1aのレンズ面21を双曲面25の一部により構成することにより、双曲面25以外の非球面の一部により構成する場合に比べて、収差を小さくすることが可能になる。中心レンズ部1aのレンズ面21が双曲面25の一部である場合、フレネルレンズ1用の金型の製作にあたっては、図6に示すようにバイト130のすくい面131をレンズ面21に応じた曲面に対して垂直となるように傾けながら動かすことにより加工できる。この場合は、バイト130のノーズ半径が、双曲面25の曲率半径よりも小さければ加工できるので、中央レンズ部1aのレンズ面21が双曲面25の一部であっても加工時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施形態のフレネルレンズ1では、中心レンズ部1aのレンズ面21が、双曲面25に限らず、対称軸がレンズ厚さ方向に対して斜交し且つ曲率が連続的に変化する非球面であれば、実施形態1のフレネルレンズ1に比べて、集光性能を向上させることが可能となる。要するに、フレネルレンズ1は、複数のレンズ面21のうち中央のレンズ面21を、曲率が連続的に変化する非球面の一部とし、第一面10上の各点の法線のうち非球面の一部からなる中央のレンズ面21に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する中央のレンズ面21に対応する非球面の対称軸(非球面が双曲面25の場合には双曲面25の回転軸OP1)とが、非平行である(つまり、傾いている)ことが好ましく、これにより、集光性能を向上させることが可能となる。ここにおいて、フレネルレンズ1は、この非球面にとっての対称軸と、中央のレンズ面21を第一面10の中心軸に平行な方向へ投影したときの第一面10での投影領域における各点の法線とが、非平行であればよい。
本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態1のフレネルレンズ1と同様に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25との交線が、山部11bと交わることが望ましい。図5のフレネルレンズ1では、レンズ厚さ方向に直交し(つまり、平面からなる第一面10に平行で)且つ輪帯状レンズ部1bにおける山部11bの谷からの高さが山部11bの最大高さの1/2となる平面15上に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25の交線が存在する。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、図5(b)に示すように、レンズ面21と平面15との交点上を通る光線を、焦点Fに集光する。
図5のフレネルレンズ1において、中心レンズ部1aのレンズ面21となる双曲面25は、焦点Fを原点、双曲面25の回転軸OP1をz軸とし、z軸にそれぞれ直交するx軸、y軸を有する直交座標系を定義すると、上述の(1)式で表される。また、各楕円錐30,30は、それぞれ、頂点P,Pを原点として、中心軸CA,CAをz軸とし、z軸に直交する断面における楕円の長径方向に沿ってx軸、短径方向に沿ってy軸を規定した直交座標系を定義すると、上述の(6)式で表すことができる。
一実施例のフレネルレンズ1として、双曲面25の一部からなる中央のレンズ面21と、それぞれ楕円錐30の側面の一部からなる5つのレンズ面21とを備えたものを例示する。この一実施例のフレネルレンズ1において、5つの楕円錐30のうち第1輪帯〜第5輪帯それぞれとなるレンズ面21に対応するものを楕円錐30〜30とする。この一実施例のフレネルレンズ1では、各山部11b以外の部分からなるベース部分の厚みtを0.5mm、各輪帯状レンズ部1bにおいて焦点Fに最も近い点での山部11bの高さ(レンズ段差)Δtを0.05mm、レンズ材料を屈折率が1.53のポリエチレンとした場合、(1)式または(6)式における係数a,b,cが表3に示す値となる。ここで、表3は、双曲面25について、(1)式におけるa,b,cの値を記載してあり、楕円錐30〜30について、(6)式におけるa,b,cの値を記載してある。ただし、表3に示した係数a,b,cは、フレネルレンズ1の第一面10に平行な像面Iから第一面10までの距離を5.5mmとし、入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させることを前提条件として求めた値である。
Figure 2012185470
第一面10に対して入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させる場合、中心レンズ部1aの双曲面25の回転軸OP1と第一面10の法線とのなす角度は、スネルの法則により、27.5°とすればよい。すなわち、回転軸OP1は、第一面10の法線に対して27.5°だけ傾ければよい。また、第一面10上の各点の各々における法線に対して、その法線が交わる第二面20のレンズ面21の中心軸は傾いている。中央のレンズ面21に最も近い第1輪帯となるレンズ面21に交差する法線B1−B1’,B2−B2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、中央のレンズ面21に2番目に近い第2輪帯となるレンズ面21に交差する法線C1−C1’,C2−C2’と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとする。同様に、第3輪帯となるレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第4輪帯となるレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、第4輪帯となるレンズ面21に交差する法線と楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとすれば、θ〜θは、下記の表4に示す値となる。
Figure 2012185470
表4から、フレネルレンズ1は、第一面10上の各点における法線と、その法線が交わる第二面20の各レンズ面21の中心軸とがなす角度が、外側の輪帯状レンズ部1bほど大きくなることが分かる。
このフレネルレンズ1の焦点Fにおけるスポットダイヤグラムを図7に示す。この図7には、焦点Fを中心とした2×2mmの範囲のスポットダイヤグラムを示してある。集光スポットの大きさは、フレネルレンズ1の焦点Fに合わせて配置する光電変換素子の大きさ以下(ここでは、0.6×0.6mm以下)であればよい。図3と図7とを比較すれば、本実施形態のフレネルレンズ1では、実施形態1のフレネルレンズ1に比べて収差を小さくできることが分かる。
なお、フレネルレンズ1は、複数の輪帯状レンズ部1bのうちの少なくとも1つの輪帯状レンズ部1bのレンズ面21を、楕円錐30の側面の一部により構成することにより、外界から第一面10へ斜め入射する入射光を利用する場合に軸外収差の発生を抑制することが可能であり、且つ、低コスト化が可能となる。
(実施形態3)
以下では、本実施形態のフレネルレンズ1について図8を参照しながら説明する。本実施形態のフレネルレンズ1の基本構成は実施形態2と略同じであり、第一面10が第二面20側とは反対側に凸となる曲面である点が相違する。なお、本実施形態のフレネルレンズ1では、第一面10が曲率半径の大きな球面の一部からなるが、球面の一部に限定するものではない。
ところで、実施形態2のフレネルレンズ1では、レンズ材料としてポリエチレンを採用した場合、第一面10が平面であるため、射出成形の冷却、固化過程で生じる収縮むらなどにより、ひけ(sink mark)や、うねりが発生し、外観が損なわれてしまう懸念がある。また、例えば図4に示した構成のセンサ装置をテレビやエアコンなどの機器に搭載する場合、フレネルレンズ1は、機器の外観の一部をなすので、機器のデザイン性を損なわないために、第一面10を、機器の表面における第一面10の周辺部と略面一となる形状とすることが好ましい。
そこで、レンズ材料としてポリエチレンを採用し射出成形により製作する場合、フレネルレンズ1は、図8に示すように、曲率半径が大きな曲面(曲率が小さな曲面)とすることが好ましい。この場合、レンズ厚さ方向は、第一面10上の各点の各々における法線方向である。本実施形態のフレネルレンズ1では、第一面10を、第二面20側とは反対側に凸となる曲面とすることにより、うねりの方向を一方向に抑制することが可能となり、外観が損なわれるのを防止することが可能となる。なお、フレネルレンズ1は、第一面10を、非球面である双曲面25の一部からなる中央のレンズ面21よりも曲率半径が大きく且つ双曲面25とは反対側に凸となるなだらかな曲面とすることが好ましい。
本実施形態のフレネルレンズ1では、軸外収差が許容値を超えない範囲(光電変換素子の大きさ以下)で、第一面10の曲率を設計すれば、レンズ材料としてポリエチレンを採用して、軸外収差の発生を抑制しつつ、ひけや、うねりの発生を抑制することが可能となる。さらに、フレネルレンズ1の外観面となる第一面10を、機器の表面における第一面10の周辺部と同じ曲率とすれば、機器のデザイン性を高めることが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1では、実施形態2と同様に、中心レンズ部1aのレンズ面21が双曲面25の一部により構成されているが、実施形態2の一実施例と同様に双曲面25の回転軸OP1を27.5°だけ傾けた場合、45°の入射角で入射する光線に対して軸外収差が大きくなる。そこで、本実施形態のフレネルレンズ1のように、第一面10が球面の一部からなる場合には、さらに、双曲面25の回転軸OP1を、この双曲面25に関して実施形態1において定義した直交座標系のxz面内で双曲面25の頂点Pxのまわりに回転して傾けることにより、軸外収差を小さくすることが可能となる。
本実施形態のフレネルレンズ1は、実施形態1のフレネルレンズ1および実施形態2のフレネルレンズ1と同様に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25の交線が、山部11bと交わることが望ましい。図8のフレネルレンズ1では、輪帯状レンズ部1bにおける山部11bの谷からの高さが山部11bの最大高さの1/2となる平面15上に、楕円錐30と楕円錐30に内接する双曲面25との交線が存在する。したがって、本実施形態のフレネルレンズ1では、図8(b)に示すように、レンズ面21と平面15との交点上を通る光線を、焦点Fに集光する。
図8のフレネルレンズ1において、中心レンズ部1aの双曲面25は、双曲面25の焦点を原点、回転軸OP1をz軸とし、z軸にそれぞれ直交するx軸、y軸を有する直交座標系権を定義すると、(1)式で表される。また、各楕円錐30,30は、それぞれ、頂点P,Pを原点として、中心軸CA,CAをz軸とし、z軸に直交する断面における楕円の長径方向に沿ってx軸、短径方向に沿ってy軸を規定した直交座標系を定義すると、上述の(6)式で表すことができる。
一実施例のフレネルレンズ1として、双曲面25の一部からなる中央のレンズ面21と、それぞれ楕円錐30の側面の一部からなる5つのレンズ面21とを備えたものを例示する。この一実施例のフレネルレンズ1において、5つの楕円錐30のうち第1輪帯〜第5輪帯それぞれとなるレンズ面21に対応するものを楕円錐30〜30とする。この一実施例のフレネルレンズ1では、第一面10を曲率半径が100mmの球面の一部とし、山部11b以外の部分からなるベース部分の最小高さtを0.5mm、各輪帯状レンズ部1bにおいて焦点Fに最も近い点での山部11bの高さ(レンズ段差)Δtを0.05mm、レンズ材料を屈折率が1.53のポリエチレンとした場合、(1)式または(6)式における係数a,b,cが表5に示す値となる。ここで、表5は、双曲面25について、(1)式におけるa,b,cの値を記載してあり、楕円錐30〜30について、(6)式におけるa,b,cの値を記載してある。ただし、表5に示した係数a,b,cは、フレネルレンズ1の像面Iから像面Iに平行で第一面10に接する平面までの距離を5.5mm、とし、入射角が45°で入射する光線を焦点Fに集光させることを前提条件として求めた値である。
Figure 2012185470
ここにおいて、フレネルレンズ1は、中心レンズ部1aのレンズ面21に対応する双曲面25に関して、実施形態2の中心レンズ部1aの双曲面25の回転軸OP1を、上述のxz面内で双曲面25の頂点Pxのまわりに2.5°だけ回転して傾けることにより、軸外収差を小さくすることができる。また、第一面10上の各点における法線は、第一面10の曲率中心に向かっており、その法線が交わる第二面20の各レンズ面21の中心軸CA,CAとは傾いている。像面Iの法線と第1輪帯になるレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、像面Iと第2輪帯になるレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとする。同様に、像面Iの法線と第3輪帯になるレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、像面Iの法線と第4輪帯になるレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθ、像面Iの法線と第4輪帯になるレンズ面21に対応する楕円錐30の中心軸CAとのなす角度をθとすれば、θ〜θは、下記の表6に示す値となる。
Figure 2012185470
このフレネルレンズ1の焦点Fにおけるスポットダイヤグラムを図9に示す。この図9には、焦点Fを中心とした2×2mmの範囲のスポットダイヤグラムを示してある。集光スポットの大きさは、フレネルレンズ1の焦点Fに合わせて配置する光電変換素子の大きさ以下(ここでは、0.6×0.6mm以下)であればよい。図7と図9とを比較すれば、本実施形態のフレネルレンズ1では、実施形態2のフレネルレンズ1と同等の収差であることが分かる。
1 フレネルレンズ
10 第一面
20 第二面
21 レンズ面
25 双曲面(非球面)
30 楕円錐
30,30,30 楕円錐
A1−A1’ 法線
A2−A2’ 法線
B1−B1’ 法線
B2−B2’ 法線
C1−C1’ 法線
C2−C2’ 法線
CA,CA,CA 中心軸
OP1 回転軸(対称軸)
P 頂点
,P,P 頂点

Claims (5)

  1. 第一面とは反対側の第二面が複数のレンズ面を有するフレネルレンズであって、少なくとも1つの前記レンズ面が、楕円錐の側面の一部からなり、前記第一面上の各点の法線のうち前記楕円錐の側面の一部からなる前記レンズ面に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する前記レンズ面に対応する前記楕円錐の中心軸とが、非平行であることを特徴とするフレネルレンズ。
  2. 前記複数の前記レンズ面のうち少なくとも2つの前記レンズ面が、それぞれ前記中心軸の異なる前記楕円錐の前記側面の前記一部からなり、外側に位置する前記レンズ面に対応する前記楕円錐ほど、前記中心軸と前記法線とのなす角度が大きいことを特徴とする請求項1記載のフレネルレンズ。
  3. 前記複数の前記レンズ面のうち中央の前記レンズ面は、曲率が連続的に変化する非球面の一部からなり、前記第一面上の各点の法線のうち前記非球面の一部からなる中央の前記レンズ面に交差する任意の法線と、当該任意の法線が交差する中央の前記レンズ面に対応する前記非球面の対称軸とが、非平行であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフレネルレンズ。
  4. 前記非球面は、双曲面であることを特徴とする請求項3記載のフレネルレンズ。
  5. レンズ材料がポリエチレンであり、前記第一面が前記第二面側とは反対側に凸となる曲面であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のフレネルレンズ。
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