JP2012184303A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体、およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体、およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて低い成形加熱水蒸気圧で型内発泡成形体を生産でき、かつ型内発泡成形体としたときの圧縮強度等の物性低下が少ないポリプロピレン系樹脂発泡粒子を提供する。
【解決手段】(a)〜(d)のすべてを満たすポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。(a)メタロセン系重合触媒で重合されたポリプロピレン系樹脂である。(b)示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、100℃以上135℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂である。(c)有機過酸化物により処理されたポリプロピレン系樹脂である。(d)メルトフローレイトが5g/10分以上30g/10分以下のポリプロピレン系樹脂である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関するものである。さらに詳しくは、型内発泡成形体の原料として好適に使用出来る、低温成形可能で、かつ成形加熱水蒸気圧幅の広い、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関するものである。本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形して得られる型内発泡成形体は、断熱材、緩衝包装材、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材など様々な用途に用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填し、水蒸気で加熱成形して得られる型内発泡成形体は、型内発泡成形体の長所である形状の任意性、軽量性、断熱性などの特徴を持つ。また同様の合成樹脂発泡粒子を用いる型内発泡成形体と比較すると、ポリスチレン系樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体に比べて、耐薬品性、耐熱性、圧縮後の歪回復率に優れており、またポリエチレン系樹脂発泡粒子を用いる型内発泡成形体と比べて、寸法精度、耐熱性、圧縮強度が優れている。これらの特徴により、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、断熱材、緩衝包装材、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材など様々な用途に用いられている。
その反面、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内で粒子同士を相互融着させて型内発泡成形体とするには、ポリスチレン系樹脂発泡粒子やポリエチレン系樹脂発泡粒子に比べて、高温での加熱、すなわち高い水蒸気圧での加熱が必要である。そのため、高圧に耐える金型、成形機が必要で、かつ成形に要する蒸気コストが高い問題がある。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形用の成形機は、耐圧上限が0.4MPa・G(Gはゲージ圧を示す。以下同様。)程度の仕様であるものが大半を占めている。型内発泡成形に用いられるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、これに対応できるような特性の樹脂を用いており、一般には融点が140〜150℃程度のプロピレン系ランダム共重合体が用いられている。
しかしながら、昨今の燃料価格の高騰などにより、より低温での型内発泡成形、すなわち成形加熱水蒸気圧の低減が待望されている。また、複雑な形状の金型、大きな金型等を使用する場合、発泡粒子同士の相互融着が悪い部分が一部に発生することがあり、その部分を融着させるために成形加熱水蒸気圧を高くすると変形、収縮が起こり易く、従来以上の成形加熱水蒸気圧幅(成形加熱条件幅とも言う)の広さも待望されている。
この問題を解決するために、樹脂融点が低く、かつ同一融点で比較した場合の樹脂剛性が高い樹脂が知られており、例えば、チーグラー系重合触媒を用いるプロピレン・1−ブテンランダム共重合体またはプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム3元共重合体(特許文献1、特許文献2)、あるいはメタロセン系重合触媒を用いるPPホモポリマーまたはプロピレン・エチレンランダム共重合体などが提案されている。
しかし、チーグラー系重合触媒を用いる、1−ブテンコモノマーを含むプロピレン系ランダム共重合体は、低融点化に限界があり、市販されているものでは、融点130℃程度が下限である。
メタロセン系重合触媒を用いるプロピレン・エチレンランダム共重合体の場合はより低融点化が可能であり、130℃以下の低融点化が可能である。
低い加熱温度での型内発泡成形を実現するために、樹脂融点が115〜135℃、且つオルゼン曲げ弾性率が500MPa以上のポリプロピレン系樹脂からなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子が提案されている(特許文献3)。使用されている樹脂は、一部がプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム3元共重合体で、大部分はメタロセン系重合触媒を用いて製造されたプロピレン・エチレンランダム共重合体である。実施例の樹脂融点は、120〜134℃であり、確かに低い加熱温度での型内発泡成形を実現しているが、高温での型内発泡成形という点では改善を要するものであり、即ち、広い成形加熱水蒸気圧幅を実現するには至っていない。
また、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を熱流束示差走査熱量測定によって2℃/分の昇温速度で、常温から200℃まで昇温したときに得られる1回目のDSC曲線において、全ピーク熱量に対して70〜95%の吸熱ピーク熱量を示し、かつ吸熱ピークの頂点温度が100〜140℃の主吸熱ピークと、該主吸熱ピークの高温側に2以上の吸熱ピークが現れる結晶構造を有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子が提案されている(特許文献4)。この内容は、メタロセン系重合触媒を用いて製造された低融点のプロピレン・エチレンランダム共重合体とチーグラー系重合触媒で製造されたプロピレン単独重合体のような高融点樹脂を混合するものであり、実施例によれば、従来のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に比べて低い、0.2MPa・G未満の加熱スチーム圧力で良好な型内発泡成形体が得られると記載されている。しかし、成形加熱水蒸気圧幅に関する具体的な記載は無く、また、当該技術では、2つの成分樹脂の融点差が大きすぎるため、発泡粒子のセル構造が乱れ、連続気泡化しやすいことが想定される。
成形加熱水蒸気圧の幅を拡げる技術としては、融点温度差が15℃以上30℃以下の2種類のポリプロピレン系樹脂を混合したポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子が提案されている(特許文献5〜7)。また、融点差のあるポリプロピレン系樹脂混合物を有機過酸化物とともに溶融混練することでメルトフローレートを調整することも記載されている。当該文献実施例によれば、成形加熱水蒸気圧2.0〜3.0kgf/cm・G、あるいは0.2〜0.31MPa・Gの間で良好な成形体が得られることが示されている。しかし、成形加熱水蒸気圧2.0kgf/cm・G(0.2MPa・G)未満の低い成形圧力で良好な成形体が得られるかについて示唆する記述はない。
すなわち、従来のポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関する技術において、型内発泡成形体の原料として好適に使用でき、低温成形可能で、かつ成形加熱水蒸気圧幅の広い、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子に関するものは知られていない。
特開平1−242638号公報 特開平7−258455号公報 国際公開2008/139833号公報 国際公開2009/001626号公報 特開2006−96805号公報 国際公開2006/054727号公報 国際公開2009/051035号公報
本発明は、極めて低い成形加熱水蒸気圧で型内発泡成形体を生産でき、成形加熱水蒸気圧を高くしても、変形・収縮が少なくて成形加熱条件幅が広く、複雑な形状の金型、大きな金型等を使用する場合も良好な成形性を示し、かつ型内発泡成形体としたときの圧縮強度等の物性低下が少ないポリプロピレン系樹脂発泡粒子を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の要件を満たすポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子とすることにより、極めて低い成形加熱水蒸気圧で型内発泡成形が可能で、かつ、成形加熱水蒸気圧を高くしても、変形・収縮が少なくて成形加熱条件幅が広く、複雑な形状の金型、大きな金型等を使用する場合も良好な成形性を示し、かつ、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としたときの圧縮強度等の物性低下が少ないポリプロピレン系樹脂発泡粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成よりなる。
[1] 下記要件(a)〜(d)のすべてを満たすポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
(a)メタロセン系重合触媒で重合されたポリプロピレン系樹脂である。
(b)示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、100℃以上135℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂である。
(c)有機過酸化物により処理されたポリプロピレン系樹脂である。
(d)メルトフローレイトが5g/10分以上30g/10分以下のポリプロピレン系樹脂である。
[2] 示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、102℃以上115℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上155℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることを特徴とする、[1]記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[3] 2種類以上のポリプロピレン系樹脂のブレンド物を基材樹脂とすることを特徴とする、[1]または[2]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[4] 多段重合により重合ブレンドして得られるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることを特徴とする、[1]〜[3]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[5] メタロセン系重合触媒で重合されたポリプロピレンホモポリマーが基材樹脂中に含まれることを特徴とする、[1]〜[4]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[6] 基材樹脂の数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比であるMw/Mn値が、2.3以上3.5以下であることを特徴とする、[1]〜[5]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[7] 前記メタロセン系重合触媒が、下記化1で表されるメタロセン化合物を含むことを特徴とする、[1]〜[6]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
上記化1において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは第4族遷移金属であり、Yは炭素原子またはケイ素原子であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。
[8] ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、最も低温の融解ピーク温度TLが100℃以上130℃以下であり、かつ、最も高温の融解ピーク温度THが140℃以上160℃以下であることを特徴とする、[1]〜[7]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[9] ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、最も低温の融解ピーク温度TLと最も高温の融解ピーク温度THとの差であるTH−TLが35℃以上40℃以下であることを特徴とする、[1]〜[8]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[10] [1]〜[9]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[11] ポリプロピレン系樹脂粒子と、水、無機分散剤を耐圧容器中に収容した後、攪拌条件下に分散させると共に、発泡剤の存在下、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化点温度以上に昇温し、次いで、耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に耐圧容器中の分散液を放出して発泡させるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法であって、
ポリプロピレン系樹脂粒子が、下記要件(a)〜(d)のすべてを満たすものであることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
(a)メタロセン系重合触媒で重合されたポリプロピレン系樹脂粒子である。
(b)示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、100℃以上135℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂である。
(c)有機過酸化物により処理されたポリプロピレン系樹脂粒子である。
(d)メルトフローレイトが5g/10分以上30g/10分以下のポリプロピレン系樹脂粒子である。
[12] 有機過酸化物による処理が、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物を混合後、溶融混練することにより行われる処理であることを特徴とする、[11]記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、極めて低い成形加熱水蒸気圧でポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を生産でき、かつ、成形加熱水蒸気圧を高くしても、表面性の悪化、変形・収縮が少ないという、成形加熱条件幅が広く、複雑な形状の金型、大きな金型等を使用する場合も良好な成形性を示し、かつ、型内発泡成形体とした時の圧縮強度等の物性低下が少ない特徴を有する。
本発明の実施例2に係る、ポリプロピレン系樹脂の融点測定における2回目の昇温時に得られるDSC曲線を示した図である。 本発明の実施例2に係る、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の1回目の昇温測定で得られるDSC曲線を示した図である。 本発明に係る、高温側の融解ピーク熱量の比率(QH/(QH+QL)×100)(「DSCピーク比」と称する。)の算出方法を示す図である。 低温側の融解ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解開始ベースラインへの接線とにより囲まれる熱量である低温側の融解ピーク熱量QLと、DSC曲線の高温側の融解ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解終了ベースラインへの接線とにより囲まれる熱量である高温側融解ピーク熱量QHから算出できる。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂は、モノマーとしてプロピレンを主成分とした樹脂であり、メタロセン系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂である(以下、メタロセン系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂を、「m−PP」とも言う)。
組成面からは、例えば、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム3元共重合体等やこれらの混合物等が例示できる。また、m-PPの中では、汎用性の点で、プロピレン・エチレンランダム共重合体、ポリプロピレンホモポリマーが特に好ましい。
従来のチーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂では低融点化に限界があり、市販されているものでは、融点130℃程度が下限であったのに対して、メタロセン系重合触媒を用いた場合は130℃以下の低融点化が可能で、さらには、120℃以下の低融点化も可能である。これは、ポリエチレン系樹脂の融点に匹敵する低融点である。このようなm-PPから得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、型内発泡成形する際に、低い成形加熱水蒸気圧で成形可能となる。
本発明におけるm-PPは、低成形加熱水蒸気圧という観点からは、エチレン含有量の多い低融点樹脂が好ましく、プロピレンに共重合させる共重合成分がエチレンの場合、エチレン含有率3.0重量%以上8.0重量%以下が好ましく、3.5重量%以上7.0重量%以下がさらに好ましい。チーグラー系重合触媒の場合は、エチレン含有率5重量%程度が上限であるが、メタロセン系重合触媒の場合は、8重量%程度までのエチレン含有率のものの製造が可能である。
本発明で用いられるm-PPは、低成形加熱水蒸気圧と共に、広い成形加熱条件幅を確保する上で、示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、100℃以上135℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有するものである。このような場合に、低い成形加熱水蒸気圧での成形が可能となると共に、広い成形加熱条件幅をも実現可能となる。
これらのうち、m−PPのDSC曲線において最も低温の融解ピークの温度は、100℃以上130℃以下であることが好ましく、102℃以上115℃以下であることが最も好ましい。最も低温の融解ピークが100℃未満では、得られる型内発泡成形体の耐熱性が低下する傾向にあり、最も低温の融解ピークが135℃を超えると、低い成形加熱水蒸気圧での成形が困難となる傾向がある。
一方、m−PPのDSC曲線において最も高温の融解ピークの温度は、140℃以上155℃以下であることが好ましい。最も高温の融解ピークが140℃未満では広い成形加熱条件幅が得られにくい傾向があり、最も高温の融解ピークが160℃を超えると低い成形加熱水蒸気圧での成形が困難となる傾向がある。
なお、本発明において、ポリプロピレン系樹脂の示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線とは、示差走査熱量計を用いて、試料3〜6mgを10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温した後、10℃/分で220℃から20℃まで降温し、さらに10℃/分で20℃から220℃まで昇温したときに、2回目の昇温時に得られるDSC曲線をいい、融点とは、当該2回目の昇温時のDSC曲線における融解ピークの頂点温度を言う。このような融点測定で得られるDSC曲線には複数の融解ピークが現れることがあるが、このような場合、ポリプロピレン系樹脂は複数の融点を有することになる。
本発明で用いられるm-PPは、有機過酸化物により処理されたポリプロピレン系樹脂である。有機過酸化物により処理する方法に特に限定は無いが、m−PPと有機過酸化物を混合し、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等などに投入して150℃〜260℃の樹脂温度で溶融混練する、等の方法が挙げられる。
一般に、m−PPは、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂に比べて、狭い分子量分布を有する。すなわち、ここでいう「分子量分布」とは、数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比であるMw/Mn値であるが、m−PPのMw/Mn値は、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂のMw/Mn値より小さいことを特徴としている。
一方、ポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物により処理した場合、ポリプロピレン系樹脂の高分子量成分が切断され(減成処理され)、高分子量成分が減少することにより、分子量分布が狭くなる、すなわち、Mw/Mn値が小さくなることが知られている。
しかし、前述したとおり、m−PPは元来、分子量分布が狭いことから、敢えてm−PPを有機過酸化物により処理した後、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子に適用するようなことは行われていなかった。
本発明は、m−PPを敢えて有機過酸化物処理することにより、得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子が、広い成形加熱条件幅を発現することを見出したものである。
すなわち、有機過酸化物により処理されたm−PPを用いることにより、高温での型内発泡成形加工性を維持しつつ、低温での型内発泡成形加工性を発現させることが可能となり、その結果、広い成形加熱条件幅を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子となることを見出したものである。
本発明で用いられる有機過酸化物に特に制限は無く、ポリプロピレン系樹脂の高分子量成分を減成処理することが可能な有機過酸化物であれば良い。
有機過酸化物の具体例としては、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、アルキルパーエステル、パーオキシジカーボネート、ケトンパーオキサイドなどが挙げられ、より具体的には、ジベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、パーメタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ) −3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、などが挙げられる。
これらの中でも、ハンドリングのしやすさなどの観点からは、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、等が好ましく用いられる。
本発明で用いられる有機過酸化物の添加量としては特に制限は無く、後述するように、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイト(以下、「MFR」と記す場合がある。)が5g/10分以上30g/10分以下となるよう適宜調整すればよい。
ポリプロピレン系樹脂のMFRを上記範囲とするための有機過酸化物の添加量は、有機過酸化物処理する前のポリプロピレン系樹脂のMFRにもよるが、概ね、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、0.001重量部以上3重量部以下であり、好ましくは、0.005重量部以上2重量部以下であり、より好ましくは0.01重量部以上1重量部以下である。
有機過酸化物の添加量が0.001重量部未満では、有機過酸化物による減成処理効果が発現しない傾向があり、3重量部を超えると、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子とした際の独立気泡率が低下したり、あるいは気泡径が微細化し、型内発泡成形した際の表面性が低下する傾向がある。
本発明のポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂の、数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比であるMw/Mn値は、2.3以上3.5以下であることが好ましく、2.3以上3.2以下がより好ましく、2.5以上3.2以下がさらに好ましく、2.5以上3.0以下が最も好ましい。
基材樹脂のMw/Mn値が2.3未満では、得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形する際に成形加熱条件幅が狭くなる傾向があり、3.5を超えると低い成形加熱水蒸気圧での成形が困難となる傾向がある。 本発明のポリプロピレン系樹脂のMFRは、5g/10分以上30g/10分以下であり、好ましくは75g/10分以上28g/10分以下であり、より好ましくは105g/10分以上26g/10分以下である。
この値は、ポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物処理した後のMFRであり、有機過酸化物処理する前のポリプロピレン系樹脂のMFRよりも高い値でなければならない。
本発明においては、有機過酸化物処理した後のポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10分以上30g/10分以下であることにより、極めて低い成形加熱水蒸気圧で型内発泡成形体を生産でき、成形加熱水蒸気圧を高くしても、変形・収縮が少なくて成形加熱条件幅が広く、複雑な形状の金型、大きな金型等を使用する場合も良好な成形性を示し、かつ型内発泡成形体としたときの圧縮強度等の物性低下が少ないポリプロピレン系樹脂発泡粒子を提供することができる。
有機過酸化物処理した後のポリプロピレン系樹脂のMFRが5g/10分未満では、成形加熱水蒸気圧が高くなると共に、成形加熱条件幅が狭くなる傾向があり、30g/10分を超えると、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の独立気泡率が低下し、型内発泡成形体の収縮が大きくなったり、圧縮強度等の物性が低下する傾向にある。
なお、MFRの測定は、JIS K7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、樹脂温度230±0.2℃の条件下で測定した時の値である。
本発明の少なくとも2つの融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂を得る方法には、特に制限は無いが、低融点を有するm−PPおよび高融点を有するm−PPを混合後、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等で150℃〜260℃の樹脂温度で溶融して溶融混合する方法や、多段重合により、m−PPの重合時に重合と同時に融点の異なるm−PPをブレンドする(重合ブレンド)する方法等がある。
溶融混合あるいは重合ブレンドを行う場合、低融点を有するm−PPの混合比は、基材樹脂を構成するプロピレン系樹脂全体を100重量%とした場合、60重量%以上95重量%以下であることが好ましい。低融点を有するm−PPの混合比が60重量%未満では、低い成形加熱水蒸気圧では成形しにくくなる傾向があり、95重量%を超えると、広い成形加熱条件幅を得にくい傾向がある。
また、最も低温の融解ピークの由来元となるm−PPとしては、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム3元共重合体、あるいはこれらの混合物等が好ましい。
他方、最も高温の融解ピークの由来元となるm−PPとしては、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム3元共重合体、あるいはこれらの混合物等が好ましが、これらの中でも、ポリプロピレンホモポリマーであることがより好ましい。
本発明において、溶融混合あるいは重合ブレンドを行う場合のポリプロピレン系樹脂としては、いずれもm−PPを用いる必要があるが、本発明の効果を損なわない範囲で、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂を併用しても良い。この際、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂の混合比は、基材樹脂を構成するプロピレン系樹脂全体を100重量%とした場合、概ね10重量%以下である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂においては、最も高温の融解ピークを構成する成分の融点が高い程、また、最も高温の融解ピークを構成する成分の量が多い程、発泡温度、型内発泡成形温度が高くなる傾向があるが、最も高温の融解ピークと最も低温の融解ピークと融点差が大きすぎたり、高融点成分の量が多すぎると、発泡温度が高温側になり、低融点成分の結晶が全融解したり溶融粘度が低くなりすぎて得られる発泡粒子の気泡構造が不均一になったり、連続気泡化する傾向がある。
特に、最も低温の融解ピークの由来元となるポリプロピレン系樹脂にm−PPを用い、最も高温の融解ピークの由来元となるポリプロピレン系樹脂にチーグラー系重合触媒を用いて重合された融点が160℃を超えるポリプロピレンホモポリマーを用いて、融点差の大きいポリプロピレン系樹脂同士のブレンドを行った場合、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得る際の発泡温度が高くなり、得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡構造が乱れて不均一セルが発生し、連続気泡化し易く、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面に窪みが発生したり、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が大きく収縮することになる。
しかし、本発明においては、最も低温の融解ピークの由来元となるポリプロピレン系樹脂がm−PPであると共に、最も高温の融解ピークの由来元となるポリプロピレン系樹脂もm−PPである。この場合、最も高温の融解ピークの由来元となるポリプロピレン系樹脂としてメタロセン系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレンホモポリマーを用いるとしても、その融点はおおむね150℃以下であり、ブレンドするポリプロピレン系樹脂の融点差が大きすぎることがなく、得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡構造は均一なセル構造となり、独立気泡率も高いものとなる。また、このようなポリプロピレン系樹脂発泡粒子を成形して得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面は窪みなどが無く美麗であり、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が大きく収縮することも無い。
本発明において、低温成形可能で、かつ成形加熱水蒸気圧幅の広いポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得るためには、前述したように、少なくとも2つの融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることが好ましい。
このためには、低融点を有するポリプロピレン系樹脂と高融点を有するポリプロピレン系樹脂を溶融混合したり、多段重合により、ポリプロピレン系樹脂の重合時に重合と同時に融点の異なるポリプロピレン系樹脂をブレンドしたりすればよい。
しかしながら、2種以上のポリプロピレン系樹脂をブレンドした場合、組成分布が広がると共に、分子量分布も広がり(Mw/Mn値が大きくなってしまい)、高分子量成分の影響が大きくなることにより、結果として、成形加熱水蒸気圧幅は広くなるものの、低い成形加熱水蒸気圧での成形が困難となる。
これに対し、ブレンドしたポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物で処理する手法を適用することにより、分子量分布を狭くすることがこれまでにも行われてきてはいるが、従来はチーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂に対して、上記手法を適用しているに過ぎず、結果として、十分に低い成形加熱水蒸気圧で成形可能なポリプロピレン系樹脂発泡粒子は得られなかった。
一方、m−PPを用いる場合、元来、m−PPの分子量分布はチーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂に比べて狭いため、2種以上のm−PPをブレンドしたとしても、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂をブレンドした場合はもとより、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂単品に比べても、分子量分布は狭いものとなる。
しかし、2種以上のm−PPを単にブレンドして得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を評価したところ、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂からなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子に比較しては低い成形圧で成形可能となるものの、満足のいく低い成形圧には至らず、より低い成形加熱水蒸気圧で成形可能なポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得るには改善の余地を有するものであった。
そこで、本発明においては、単に2種以上のm−PPをブレンドするだけではなく、更に有機過酸化物により減成処理して得られるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることにより、チーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂のブレンド物を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子では到底到達し得なかった、十分に低い成形加熱水蒸気圧での成形が可能となると共に、かつ広い成形加熱水蒸気幅をも維持することが可能となった。
本発明において、少なくとも2つの融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂を得ることが好ましく、このためには2種以上のポリプロピレン系樹脂をブレンドすることが好ましく、あるいは多段重合により、ポリプロピレン系樹脂の重合時に重合と同時に異なるポリプロピレン系樹脂をブレンドすることが好ましい。また、2種以上のポリプロピレン系樹脂のブレンドの際には、低融点を有するポリプロピレン系樹脂および高融点を有するポリプロピレン系樹脂をブレンドすることが好ましい。
このようなブレンドの方法としては、前述したとおり、低融点を有するポリプロピレン系樹脂および高融点を有するポリプロピレン系樹脂を押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融混合して得る方法、或いは、多段重合により、ポリプロピレン系樹脂の重合時に重合と同時に融点の異なるポリプロピレン系樹脂をブレンドする(ブレンドしたかのような組成とする)方法等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂同士の混合の良好さという点からは、多段重合によって得られるポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。
本発明において、m−PPを多段重合で製造する場合、例えば、次の前重合(P−1)、予重合(P−2)および本重合(P−3)の工程を経る。これらの工程は、メタロセン系重合触媒存在下で順次実施される。
前重合工程(P−1):エチレンを重合して前重合体を製造する工程。微量のエチレン前重合体を添加することにより、重合触媒を安定化させることができる。
予重合工程(P−2):前重合体の存在下でプロピレンを重合して予重合体を製造する工程。
本重合工程(P−3):予重合体の存在下でプロピレン並びにエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンを共重合してプロピレン系共重合体を製造する工程。
本発明で用いられるm−PPの重合に用いられるメタロセン系重合触媒としては、下記化1で表されるメタロセン化合物を含むメタロセン系重合触媒であることが好ましい。このメタロセン系重合触媒を使用することにより、2,1−挿入および1,3−挿入の異種結合の合計量を0.2mol%以下に減らすことができる。
(上記化1において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は、水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは第4族遷移金属であり、Yは炭素原子またはケイ素原子であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)。
このようなメタロセン化合物としては、具体的には、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の基材樹脂として用いられるポリプロピレン系樹脂は、示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、100℃以上130℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有し、さらに、最も低温の融解ピークと最も高温の融解ピークとの間に融解ピークを有するという、少なくとも3つの融解ピークを有するものであることが、気泡径の均一性、成形加熱条件幅の拡大の点から好ましい。
図1に示すように、低温の融解ピークがメタロセン系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂由来であり、かつ、高温の融解ピークがメタロセン系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレンホモポリマー由来の場合に、最も低温の融解ピークと最も高温の融解ピークの間に、更に融解ピークが現れる傾向がある。最も低温の融解ピークと最も高温の融解ピークの間に現れる融解ピークは、最も低温の融解ピークの由来であるポリプロピレン系樹脂と最も高温の融解ピークの由来であるポリプロピレン系樹脂の共晶と推定される。
本発明においては、最も低温の融解ピークと最も高温の融解ピークの間に融解ピークがはっきり現れるようなポリプロピレン系樹脂であることが、気泡径が均一で、成形加熱条件幅が広いポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得るため、好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂は、多段重合により重合ブレンドする方が、気泡径がより均一になる傾向があるため、好ましい。
本発明においては、m−PPと混合使用可能な他の熱可塑性樹脂、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテン、アイオノマー等をm−PPの特性が失われない範囲で混合使用しても良い。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、予め有機過酸化物により処理されたポリプロピレン系樹脂である。
有機過酸化物による処理方法については、特に制限は無いが、
ポリプロピレン系樹脂に有機過酸化物をブレンドした後、単軸押出機、あるいは二軸押出機などに投入して溶融混練し、ストランド状に押し出した後、冷却してペレット状にカットする方法、
ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物を別々に単軸押出機、あるいは二軸押出機などに投入して溶融混練し、ストランド状に押し出した後、冷却してペレット状にカットする方法などが挙げられる。
溶融混練する際の樹脂温度としては150℃以上260℃以下で行うことができるが、用いる有機過酸化物により適宜調整することが好ましい。例えば、有機過酸化物として1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを用いる場合、樹脂温度を概ね240℃とすることで、溶融混練中に1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが概ね全て分解し、ポリプロピレン系樹脂中に残らず、後々の工程での悪影響を抑制することができることから、好ましい。
有機過酸化物がポリプロピレン系樹脂中に残存した場合、例えば、後のポリプロピレン系樹脂粒子製造工程中に減成が進み、製造物の物性が安定しない恐れがある。また、残存する有機過酸化物が発泡核剤として作用し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡径が不均一になったり、極端に微細化し、所望の物性が得られない恐れもある。
有機過酸化物処理されたポリプロピレン系樹脂は、通常、発泡粒子製造に利用し易いように、予め押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状に加工し、ポリプロピレン系樹脂粒子としておくことが好ましい。
樹脂粒子の大きさは、1粒の重量が0.1mg〜30mgであることが好ましく、0.3mg〜10mgであることがより好ましい。
なお、樹脂粒子の一粒の重量は、樹脂粒子をランダムに100粒採取し、重量を測定し、1粒あたりに平均して得られた平均樹脂粒子重量であり、mg/粒で表示する。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂粒子中への添加剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウムなどのセル造核剤として作用する無機造核剤を、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上0.5重量部以下添加することが好ましい。
また、発泡剤として空気、窒素、炭酸ガス、水等の無機発泡剤を使用する場合は、前記無機造核剤および/または吸水物質を使用することが好ましい。ここで、吸水物質とは、当該物質をポリプロピレン系樹脂粒子中に添加し、該ポリプロピレン系樹脂粒子を水と接触させる或いは水分散系で発泡剤含浸をする際に、ポリプロピレン系樹脂粒子内に水を含有させうる物質をいう。
吸水物質としては、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硼砂、硼酸亜鉛等の水溶性無機物、ポリエチレングリコール、ポリエーテルを親水性セグメントとした特殊ブロック型ポリマー(商品名:ペレスタット;三洋化成(株)製)、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、ブタジエン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシル化ニトリルゴムのアルカリ金属塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩及びポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩等の親水性ポリマー、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、イソシアヌル酸等の多価アルコール類、メラミン等が挙げられる。
吸水物質の添加量は、目的とする発泡倍率、使用する発泡剤、使用する吸水物質の種類によって異なり一概に記載することはできないが、水溶性無機物、多価アルコール類を使用する場合、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上2重量部以下であることが好ましく、親水性ポリマーを使用する場合、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.05重量部以上5重量部以下であることが好ましい。
これらの水溶性無機物、親水性ポリマー、多価アルコール類等を2種以上併用してもよく、例えば、ポリエチレングリコールとメラミン、グリセリンとメラミンといった併用が発泡倍率向上の点から好ましい。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂には、他に、帯電防止剤、顔料、難燃性改良剤、導電性改良剤等を必要により加えてもよく、その場合は、これらは、通常、樹脂粒子の製造過程において溶融した樹脂中に添加することが好ましい。
なお、ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理工程とポリプロピレン系樹脂粒子製造工程を別々に行う方法を例示したが、これらを同時に行うことも可能である。
すなわち、ポリプロピレン系樹脂に有機過酸化物、無機造核剤、吸水物質、その他添加剤をあらかじめブレンドし、これを単軸押出機、あるいは二軸押出機などに投入して溶融混練し、ストランド状に押し出した後、冷却して円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の粒子形状に加工し、ポリプロピレン系樹脂粒子を得ることができる。単軸押出機、あるいは二軸押出機などに投入する際は、ポリプロピレン系樹脂、有機過酸化物、無機造核剤、吸水物質、その他添加剤を適宜、別々に添加して溶融混練しても良い。また、別々に添加する場合は、押出機の同じ場所から投入しても良く、あるいは、異なる場所から投入しても良い。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する方法には、特に限定はないが、耐圧容器内にポリプロピレン系樹脂粒子を発泡剤存在下、分散剤等と共に水中に分散させ、加圧下で所定の発泡温度まで加熱すると共に、発泡剤をポリプロピレン系樹脂粒子に含浸させた後、容器内の温度、圧力を一定に保持しながら、耐圧容器内のポリプロピレン系樹脂粒子を含む分散物を低圧域(通常は大気圧下)に放出・発泡させる方法が好ましい。
耐圧容器内から分散物を低圧域に放出させる際の耐圧容器内の温度(以下、「発泡温度」と称する場合がある。)は、得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の倍率や、後述するポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線における最も高温の融解ピーク熱量、等により適宜調整することになるが、概ね120℃以上160℃以下の範囲の中から選択すれば良い。
示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、100℃以上130℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂粒子を用いる場合は、最も低温の融解ピーク温度と最も高温の融解ピーク温度の中間の温度[(最も低温の融解ピーク温度+最も高温の融解ピーク温度)÷2(℃)を指し、以下、「中間温度」と称する。)を基準として、[該中間温度−15]℃以上、[該中間温度+15]℃以下の範囲内で、発泡温度を調節することが好ましい。
発泡温度を上記範囲内に調節することにより、得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線における、最も高温の融解ピーク熱量QHを2J/g以上40J/g以下に調節しやすく、かつ、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の高温側の融解ピーク熱量の比率(QH/(QH+QL)×100)(以下、「DSCピーク比」と称する。)を10%以上50%以下に調節することができる。
ここで、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線における高温の融解ピーク熱量がQH、低温の融解ピーク熱量がQLである。これらについては後述する。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂粒子に含浸させる発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の炭化水素系発泡剤、空気、窒素、炭酸ガス、水等の無機発泡剤等があげられる。これらの発泡剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上併用してもよい。
これらのうち、好ましくは、炭酸ガス、水や、より高倍率での発泡を可能とするイソブタンである。
本発明における発泡剤の使用量は、使用する樹脂、発泡剤、所望の発泡倍率によって変わるが、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の所望の発泡倍率に応じて適宣使用すれば良く、通常、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して、1重量部以上60重量部以下であることが好ましい。
本発明において用いられる分散剤としては、例えば、第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、アルミノ珪酸塩、硫酸バリウム、カオリン等の無機系分散剤が挙げられる。
本発明において、分散剤と共に分散助剤を使用してもよく、用いられる分散助剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等の界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、分散剤および分散助剤としては、第三リン酸カルシウムとn−パラフィンスルホン酸ソーダを組み合わせて使用することが好ましい。
分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、ポリプロピレン系樹脂粒子/水の仕込み比が1/3〜1/1の範囲の場合、水100重量部に対して分散剤0.1重量部以上5重量部以下、分散助剤0.001重量部以上0.1重量部以下であることが、分散安定性を確保し、得られる発泡粒子表面に分散剤が付着しにくく型内発泡成形時に発泡粒子同士の融着を阻害させない傾向があるため好ましい。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子製造時に使用する耐圧容器には特に制限はなく、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子製造時における容器内圧力、容器内温度に耐えられるものであればよく、例えばオートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、示差走査熱量計DSCを用いて、試料3〜6mgを10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温する際に得られる、いわゆる、示差走査熱量計DSCによる1回目の昇温測定で得られるDSC曲線において、図2に示すように、少なくとも2つの融解ピークを有することが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の最も低温の融解ピーク温度TLは、100℃以上130℃以下であり、かつ、最も高温の融解ピーク温度THが140℃以上160℃以下であることが、良好な成形性を得るために好ましい。
最も低温の融解ピーク温度が低い程、型内発泡成形時の成形加熱水蒸気圧を低くすることができる。また、最も高温の融解ピーク熱量QHが一定量存在することにより、高温での型内発泡成形にも耐えられ、成形加熱条件幅を広くすることができる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線に現れる、最も低温の融解ピーク温度TLと最も高温の融解ピーク温度THの差TH−TLは、広い成形加熱条件幅を実現するために、30℃以上40℃以下であることが好ましく、35℃以上40℃以下であることがさらに好ましい。TH−TLが30℃未満では成形加熱条件幅が狭くなる傾向があり、40℃を超えると得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡構造が乱れて不均一セルが発生し、連続気泡化し易い傾向がある。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線において、低温の融解ピークと高温の融解ピークの2本の融解ピークを有することが好ましいが、低温の融解ピーク熱量QLと高温の融解ピーク熱量QHとの比であるDSCピーク比[=QH/(QH+QL)×100(%)]は、10%以上50%以下であることが好ましく、更に好ましくは15%以上35%以下である。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子のDSCピーク比が10%未満では、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の独立気泡率が低く、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の成形体変形率が大きくなる傾向にある。また、DSCピーク比が50%を超えると、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形する際の2次発泡力が十分得られない場合があり、粟おこし状で発泡粒子同士の融着の劣るポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が得られる場合がある。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線における高温の融解ピーク熱量QHは、2J/g以上40J/g以下であることが好ましく、更に好ましくは5J/g以上30J/g以下である。
最も高温の融解ピーク熱量QHが、2J/g未満では独立気泡率が低く、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の成形体変形率が大きくなる傾向にあり、40J/gを超えるとポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形する際の2次発泡力が十分得られない場合があり、粟おこし状で発泡粒子同士の融着の劣るポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が得られる場合がある。
なお、低温の融解ピーク熱量QLとは、図3に示すように、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線において、最も低温の融解ピークと、低温の融解ピークと高温の融解ピークの間の極大点からの融解開始ベースラインへの接線とにより囲まれる部分の熱量である。また、高温の融解ピーク熱量QHとは、DSC曲線の高温の融解ピークと、低温の融解ピークと高温の融解ピークの間の極大点からの融解終了ベースラインへの接線とにより囲まれる部分の熱量である。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の平均気泡径は、30μm以上1000μm以下が好ましく、50μm以上500μm以下がより好ましく、100μm以上350μm以下が最も好ましい。
平均気泡径が30μm未満では、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体としたときに収縮率が大きくなったり、表面美麗性が低下する場合がある。また1000μmを超えると、気泡径が不均一になり易く、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の倍率ばらつきも大きくなり易い。
ここで、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の平均気泡径は、以下のようにして測定したものである。すなわち、発泡粒子をランダムに10個サンプリングし、各発泡粒子を2等分に切断した気泡断面を顕微鏡で観察する。中央部2mm(2000μm)の線上を横切る気泡の個数をカウントし、気泡径(μm)=2000/気泡の個数、を求め、10個の発泡粒子の平均を平均気泡径とする。
本発明において、空気、窒素、炭酸ガス、水等の無機発泡剤を使用する場合は、一段目の発泡倍率が比較的低倍率であるため、高発泡倍率の発泡粒子を得る場合は、前記方法にて一旦ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得た後、該発泡粒子に空気等の不活性ガスを含浸させて発泡粒子内圧を0.1MPa(絶対圧)以上0.8MPa(絶対圧)以下程度にすることにより発泡能を付与した後、0.005MPa・G以上0.4MPa・G以下程度の水蒸気と接触させることにより更に発泡させるという、いわゆる二段発泡法を採用してもよい。二段発泡した際に発泡粒子の独立気泡率が低下しない(連続気泡率が高くならない)、あるいは発泡粒子どうしがブロッキングしない点からは、発泡粒子内圧は0.1MPa(絶対圧)以上0.6MPa(絶対圧)以下が好ましく、水蒸気圧としては0.02MPa・G以上0.25MPa・G以下が好ましい。
以上のようにして得られる、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、型内発泡成形を行ってポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体とする。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形に用いる場合には、
イ)発泡粒子をそのまま用いる方法、ロ)予め発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入し、発泡能を付与する方法、ハ)発泡粒子を圧縮し粒子内圧を高めた状態で金型内に充填し成形する方法、など従来既知の方法が使用しうる。
例えば、ロ)の場合、予め耐圧容器内で空気加圧し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子中に空気を圧入し、発泡粒子内圧を0.08MPa(絶対圧)以上0.3MPa(絶対圧)以下程度にすることにより発泡能を付与し、これを閉鎖しうるが密閉し得ない成形金型内に充填し、水蒸気を加熱媒体として0.05MPa・G以上0.4MPa・G以下程度の加熱水蒸気圧で1秒以上120秒以下程度の加熱時間で成形しポリプロピレン系樹脂発泡粒子同士を融着させ、その後、成形金型を水冷により型内発泡成形体取り出し後の型内発泡成形体の変形を抑制できる程度まで冷却することにより、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体とすることができる。得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面性、機械物性、寸法安定性などが良好となる点からは、発泡粒子内圧としては0.1MPa(絶対圧)以上0.25MPa(絶対圧)以下が好ましく、加熱水蒸気圧としては0.05MPa・G以上0.25MPa・G以下が好ましく、加熱時間としては5秒以上60秒以下が好ましい。
得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の発泡倍率は、通常3〜100倍、好ましくは6〜60倍である。
ここで、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の発泡倍率は、発泡成形体の乾燥重量W(g)、水没体積V(cm)およびポリプロピレン系樹脂の樹脂密度d=0.9g/cmから、(発泡成形体の発泡倍率)=0.9×V÷Wで求められる。
本発明における、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の密度は、9g/L以上700g/L以下であることが好ましく、より好ましくは15g/L以上200g/L以下である。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例において測定および評価は以下のように行った。
<示差走査熱量計によるポリプロピレン系樹脂の融点測定>
示差走査熱量計(DSC)[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、ポリプロピレン系樹脂粒子3〜6mgを10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温した後、10℃/分で220℃から20℃まで降温し、さらに10℃/分で20℃から220℃まで昇温した際に得られる、2回目の昇温時のDSC曲線の融解ピーク温度を融点とした。
<分子量測定>
ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下の測定条件にて得られたMn、Mwを採用し、これらの値から、重量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnを算出した。
(測定条件)
試料の前処理:試料30mgをO−ジクロロベンゼン20mLに145℃で完全に溶解した後、その溶液を孔径が1.0μmの焼結フィルターで濾過したものを分析試料とした。
測定装置 :ゲル浸透クロマトグラフ Alliance GPC 2000型(Waters社製)
解析装置:データ処理ソフトEmpowerプロフェッショナル(Waters社製)
カラム :TSKgel GMH−HT 2本、TSKgel GMH−HTL 2本(それぞれ、内径7.5mm×長さ300mm、東ソー社製)
移動相 :O−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
カラム温度:140℃
検出器 :示差屈折率計
流速 :1.0mL/min
試料濃度 :0.15%(W/V)−O−ジクロロベンゼン
注入量 :500μL
サンプリング時間間隔:1秒
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)
分子量換算:ポリプロピレン(PP)換算/汎用較正法
<ポリプロピレン系樹脂発泡粒子のDSC測定>
示差走査熱量計(DSC)[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子3〜6mgを10℃/分の昇温速度で20℃から220℃まで昇温したときに得られる、1回目の昇温時のDSC曲線より、各融解ピーク温度、あるいは融解熱量を求めた。
<発泡粒子の発泡倍率>
嵩体積約50cmのポリプロピレン系樹脂発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm)を求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度d=0.9(g/cm)から、次式により求めた。
発泡倍率=d×v÷w
<型内発泡成形体密度>
得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の密度は、型内発泡成形体の乾燥重量W(g)と水没体積V(cm)から、次式により求めた。
型内発泡成形体の密度(g/L)=(W/V)×1000
<ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の50%圧縮強度>
得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体から、縦50mm×横50mm×厚み25mmのテストピースを切り出し、NDZ−Z0504に準拠し、10mm/分の速度で圧縮した際の50%圧縮時の圧縮応力(MPa)を測定した。約20g/Lの発泡成形体密度での50%圧縮強度により、以下の基準により評価した。
○:50%圧縮強度が0.12MPa以上。
×:50%圧縮強度が0.12MPa未満。
<成形体評価>
ポリオレフィン発泡成形機[ダイセン株式会社製、KD−345]および、縦400mm×横300mm×厚み50mmの金型を用いて、成形加熱水蒸気圧を0.09MPa・G〜0.30MPa・Gの間で変化させて、型内発泡成形を実施した。
得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、1時間室温で放置した後、75℃の恒温室内で15時間養生乾燥を行い、再び室温に取出し、室温で4時間放置した後、下記の発泡粒子間の融着性、型内発泡成形体の表面性、寸法収縮率、変形度合いを評価して、以下の基準により、成形加熱条件幅を評価した。
すなわち、成形加熱水蒸気圧を変化させて得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体において、融着性、表面性、寸法収縮率、変形度合いの全てが合格になる、最低の成形加熱水蒸気圧および最高の成形加熱水蒸気圧を求め、その成形加熱水蒸気圧の差を成形加熱条件幅とした。
○:成形加熱条件幅が0.1MPa・G以上。
△:成形加熱条件幅が0.05MPa・G以上、0.1MPa・G未満。
×:成形加熱条件幅が0.05MPa・G未満。
(1)融着性評価
得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を、カッターナイフで型内発泡成形体の厚み方向に約5〜10mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部から型内発泡成形体を破断し、破断面を観察して、粒子界面ではなく、粒子が破断している割合を求めて、以下の基準にて、融着性を判定した。
合格: 粒子破断の割合が60%以上。
不合格:粒子破断の割合が60%未満。
(2)表面性評価
得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の表面状態を目視観察し、以下の基準にて表面性を評価した。
合格: しわ、粒間少なく、美麗。
不合格:しわ、ヒケがあり外観不良。
(3)寸法収縮率評価
得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の縦寸法(縦方向上辺部)を測定し、金型縦寸法(400mm)に対する収縮率を算出して、以下の基準にて寸法収縮性を判定した。
合格: 金型縦寸法に対する収縮率が5%未満。
不合格:金型縦寸法に対する収縮率が5%以上。
(4)変形度合い評価
得られたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の厚み(縦方向中央部、右辺および左辺から30mmの2箇所の厚みの平均値)を測定し、金型厚み寸法(50mm)に対する収縮率を算出して以下の判定とした。
合格: 金型厚み寸法に対する収縮率が7%未満。
不合格:金型厚み寸法に対する収縮率が7%以上。
(実施例1)
<メタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造>
(1)固体触媒担体の製造
1L枝付フラスコにSiO2[洞海化学社製]300gをサンプリングし、トルエン800mLを入れてスラリー化した。次に、得られたスラリーを5L四つ口フラスコへ移液し、トルエン260mLを加えた。さらに、該フラスコ内に、メチルアルミノキサン(以下、「MAO」と略す。)のトルエン溶液[アルベマール社製、10wt%溶液]を2830mL導入し、室温下で30分間撹拌した。フラスコ内の温度を1時間かけて110℃まで昇温し、110℃で4時間撹拌処理を行った。撹拌終了後、室温まで冷却した。
冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで置換し、置換率が95%になるまで置換を行った。
(2)固体触媒成分の製造(担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、5L四つ口フラスコ内に、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを2.0g秤取した。該フラスコを外へ出し、トルエン0.46Lおよび(1)の方法で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー1.4Lを窒素下で加え、30分間撹拌して、担持を行った。
得られたジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2トルエンスラリーは、n−ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5Lとした。この操作は、室温で行った。
(3)前重合P−1
前記(2)で調製した固体触媒成分202g、トリエチルアルミニウム109mL、n−ヘプタン100Lを、内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに導入し、内温15〜20℃に保ち、エチレンを2020g挿入し、180分間攪拌しながら反応させた。
重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびn−ヘプタンによる洗浄を2回行った。なお、投入した溶媒(n−ヘプタン)量および回収された溶媒量から計算される触媒洗浄率は99%であった。
得られた前重合体を精製n−ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で2g/Lとなるよう、n−ヘプタンにより調整を行った。一部、サンプリングを行い、前重合体の分析を行った結果、前重合体は固体触媒成分1g当りポリエチレンを10g含んでいた。
(4)予重合P−2
内容量58Lの管状重合器内に、プロピレンを57kg/hr、水素を4NL/hr(NLはノルマルリットル)、前記(3)で調製した前重合体の触媒スラリーを固体触媒成分として7.1g/hr、トリエチルアルミニウムを4.0mL/hrの速度にて連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は2.6MPa・Gであった。
(5)本重合P−3
前記の(4)予重合で得られたスラリーを、内容量1000Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。その際、プロピレンを50kg/hr、エチレンを1.6kg/hr、水素を気相部の水素濃度が0.39mol%になるように、該重合器内へ供給し、重合温度60℃、圧力2.5MPa・Gの条件にて重合を行った。
得られたスラリーを内容量500Lの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。その際、プロピレンを11kg/hr、エチレンを1.1kg/hr、水素を気相部の水素濃度が0.39mol%になるように、重合器内へ供給し、重合温度59℃、圧力2.4MPa・Gの条件にて重合を行った。
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系共重合体(プロピレン−エチレンランダム共重合体(M))を得た。得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体(M)は、80℃で真空乾燥を行った。
なお、得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体(M)は、エチレン含有量5.2重量%、ポリプロピレンホモポリマー含有量15重量%、示差走査熱量計による融点測定で得られた最も低温の融解ピーク温度107℃、最も高温の融解ピーク温度148℃、MFR5g/10分であった。
<ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理>
プロピレン−エチレンランダム共重合体(M)100重量部に対して、有機過酸化物である1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.009重量部をブレンドした後、45mmφ二軸押出機[株式会社オーエヌ機械製、TEK45mm押出機]内で樹脂温度240℃にて溶融混練した。得られた溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、ポリプロピレン系樹脂ペレットを得た。
<ポリプロピレン系樹脂粒子の製造>
有機過酸化物処理したポリプロピレン系樹脂ペレット100重量部に対して、セル造核剤としてタルク[林化成製、PKS]0.1重量部、吸水剤としてポリエチレングリコール[ライオン(株)製、PEG#300]0.5重量部をブレンドした後、50mmφ単軸押出機[大阪精機工作(株)製、20VSE−50−28型]内で樹脂温度220℃にて溶融混練した。得られた溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、一粒の重量が1.2mg/粒のポリプロピレン系樹脂粒子を得た。
<ポリプロピレン系発泡粒子の製造>
容量10Lの耐圧オートクレーブ中に、得られたポリプロピレン系樹脂粒子100重量部、水200重量部、分散剤として第3リン酸カルネシウム0.5重量部、分散助剤としてn−パラフィンスルホン酸ナトリウム0.05重量部を仕込み、撹拌下、発泡剤として炭酸ガスを6.25重量部添加した。オートクレーブ内容物を昇温し、134℃の発泡温度まで加熱した後、さらに炭酸ガスを追加してオートクレーブ内圧を3.0MPa・Gとした。その後、30分間保持した後、オートクレーブ下部のバルブを開き、4.0mmφの開口オリフィスを通して、オートクレーブ内容物を大気圧下に放出して一段発泡粒子を得た。得られた一段発泡粒子の発泡倍率は10倍、DSCピーク比は29%であった。得られた一段発泡粒子内に、空気含浸により0.32MPa(絶対圧)の内圧を付与し、0.02MPa・Gの蒸気により加熱し、発泡倍率27倍の発泡粒子を得た。
<ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造>
得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、pH=1の塩酸水溶液で洗浄した後水洗し、75℃で乾燥し、耐圧容器にて加圧空気を含浸して粒子内圧を0.2MPa(絶対圧)とした後、ポリオレフィン発泡成形機[ダイセン株式会社製、KD−345]および、縦400mm×横300mm×厚み50mmの金型を用いて、加熱水蒸気圧力を0.09〜0.30MPa・Gで変化させて、型内発泡成形を実施した。なお、この時の成形加熱時間は18秒(一方加熱/逆一方加熱/本加熱=3秒/3秒/12秒)とした。
得られた型内発泡成形体は1時間室温で放置した後、75℃の恒温室内で15時間養生乾燥を行い、再び室温に取出してから室温で4時間放置した後の粒子間の融着性、表面性、寸法収縮率、変形度合いから、成形加熱条件幅を評価した。
結果を、表1に示す。
(実施例2〜4)
<ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理>において、有機過酸化物1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン量を表1記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様に、メタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造、ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を、表1に示す。
(実施例5)
<メタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造>
実施例1のメタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造で得たプロピレン−エチレンランダム共重合体(M)90重量%、および別途メタロセン系重合触媒で重合したポリプロピレンホモポリマー(融点147℃、MFR4.0g/10分)10重量%をブレンドしたものを、45mmφ二軸押出機[株式会社オーエヌ機械製、TEK45mm押出機]を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練し、溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、ポリプロピレン系樹脂ペレットを得た。
<ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理>
得られたポリプロピレン系樹脂ペレット100重量部に有機過酸化物である1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.035重量部をブレンドした後、45mmφ二軸押出機[株式会社オーエヌ機械製、TEK45mm押出機]内で樹脂温度240℃にて溶融混練した。得られた溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、有機過酸化物処理したポリプロピレン系樹脂ペレットを得た。
<樹脂粒子、発泡粒子および型内発泡成形体の製造>
以降は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で得たプロピレン−エチレンランダム共重合体(M)を有機過酸化物処理せずに用いた以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を、表1に示す。
(比較例2)
<メタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造>
ポリプロピレンホモポリマー含有量5重量%、MFRを10g/10分となるよう調整した以外は、実施例1のメタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造と同様にしてプロピレン−エチレンランダム共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体は、エチレン含有量5.2重量%、ポリプロピレンホモポリマー含有量5重量%、示差走査熱量計による融点測定で得られた最も低温の融解ピーク温度108℃、最も高温の融解ピーク温度141℃、MFR105g/10分であった。
得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体を有機過酸化物処理せずに用いた以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を、表1に示す。
(比較例3)
<ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理>において、有機過酸化物1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの量を表1記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にメタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造、ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
なお、有機過酸化物処理したポリプロピレン系樹脂のMFRは31g/10分であった。結果を、表1に示す。
(比較例4)
<メタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造>において、(4)予重合P−2を行わず、(5)本重合において、1000Lのベッセル重合器にて、エチレンを1.6kg/hr、水素を気相部の水素濃度が0.31mol%になるように供給し、500Lのベッセル重合器にて、エチレンを1.1kg/hr、水素を気相部の水素濃度が0.31mol%になるように供給した以外は、実施例1と同様にして、プロピレン−エチレンランダム共重合体を得た。
なお、得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体は、エチレン含有量5.1重量%、ポリプロピレンホモポリマー含有量なし、示差走査熱量計による融点測定で得られた最も低温の融解ピーク温度107℃、最も高温の融解ピーク温度119℃、MFR12g/10分であった。
得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体を有機過酸化物処理せずに用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を、表1に示す。
(比較例5)
<メタロセン系重合触媒によるポリプロピレン系樹脂の製造>において、(4)予重合P−2を行わず、(5)本重合において、1000Lのベッセル重合器にて、エチレンを1.2kg/hr、水素を気相部の水素濃度が0.48mol%になるように供給し、500Lのベッセル重合器にて、エチレンを0.8kg/hr、水素を気相部の水素濃度が0.48mol%になるように供給した以外は、実施例1と同様にして、プロピレン−エチレンランダム共重合体を得た。
なお、得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体は、エチレン含有量3.8重量%、ポリプロピレンホモポリマー含有量なし、示差走査熱量計による融点測定で得られた最も低温の融解ピーク温度114℃、最も高温の融解ピーク温度126℃、MFR20g/10分であった。
得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体を有機過酸化物処理せずに用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を、表1に示す。
(比較例6)
ポリプロピレン系樹脂として、チーグラー系重合触媒を用いて重合して得られた、エチレン含有量4.1重量%、示差走査熱量計による融点測定で得られた単一の融解ピーク温度134℃、MFR7g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体[プライムポリマー社製、F744NP]を用いて、有機過酸化物処理せずに用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を、表1に示す。
(比較例7)
ポリプロピレン系樹脂として、チーグラー系重合触媒を用いて重合して得られた、エチレン含有量2.4重量%、1−ブテン含有量3.7重量%、示差走査熱量計による融点測定で得られた単一の融解ピーク温度133℃、MFR7g/10分であるプロピレン−エチレン・1−ブテンランダム共重合体[プライムポリマー社製、F337D]を用いて、有機過酸化物処理せずに用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を、表1に示す。
(比較例8)
<ポリプロピレン系樹脂の製造>
チーグラー系重合触媒を用いて重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体Aを85重量%(エチレン含量4.1重量%、示差走査熱量計による融点測定で得られた単一の融解ピーク温度139℃、MFR2g/10分)と、チーグラー系重合触媒を用いて重合して得られたポリプロピレンホモポリマーBを15重量%(示差走査熱量計による融点測定で得られた単一の融解ピーク温度165℃、MFR6.5g/10分)をブレンドしたものを、45mmφ二軸押出機[株式会社オーエヌ機械製、TEK45mm押出機]を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練し、溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、ポリプロピレン系樹脂ペレットを得た。
<ポリプロピレン系樹脂の有機過酸化物処理>
得られたポリプロピレン系樹脂ペレット100重量部に有機過酸化物である1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.07重量部をブレンドした後、45mmφ二軸押出機[株式会社オーエヌ機械製、TEK45mm押出機]内で樹脂温度240℃にて溶融混練した。得られた溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、有機過酸化物処理したポリプロピレン系樹脂ペレットを得た。この有機過酸化物処理したポリプロピレン系樹脂の示差走査熱量計による融点測定で得られた単一の融解ピーク温度は145℃、MFR10g/10分であった。
<樹脂粒子、発泡粒子および型内発泡成形体の製造>
以降は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子の製造、ポリプロピレン系発泡粒子の製造、ポリプロピレン系型内発泡成形体の製造を行って型内発泡成形体を得、成形体評価を行った。
結果を表1に示す。
実施例1〜5は、最低成形加熱水蒸気圧が0.12MPa・G〜0.16MPa・Gとポリエチレン系樹脂の成形加熱水蒸気圧に匹敵するほど極めて低く、成形加熱条件幅が0.10MPa・G以上と広かった。ただし、実施例1は、成形圧0.16MPa・Gにおいて得られる型内発泡成形体表面の粒間がやや多く、表面性評価では合格レベルではあるものの、実施例2〜5と比較すると、やや低下する傾向であった。
これに対して、有機過酸化物処理を実施していない比較例1、2では、最低成形加熱水蒸気圧は0.18MPa・G、0.17MPa・Gと低いが、成形加熱条件幅が0.10MPa・G未満と狭かった。
比較例3は、最低成形加熱水蒸気圧が0.12MPa・Gと低いものの圧縮強度が低く、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子あるいはポリプロピレン系型内発泡成形体が連続気泡化している傾向であった。
比較例4、5は、最低成形加熱水蒸気圧は0.18MPa・G、0.17MPa・Gと低いが、成形加熱条件幅が0.02MPa・G、0.04MPa・Gと極端に狭かった。
比較例6〜8は、いずれもチーグラー系重合触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂を基材樹脂としたものであるが、最低成形加熱水蒸気圧が0.20MPa・Gを超えて高く、成形加熱条件幅も0.06MPa・Gあるいは0.08MPa・Gと狭かった。特に比較例8のチーグラー系重合触媒を用いて重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体とチーグラー系重合触媒を用いて重合して得られたポリプロピレンホモポリマーをブレンドした場合は、有機過酸化物処理によりMw/Mnは3.3と比較的小さいが、最低成形加熱水蒸気圧が0.25MPa・Gと高く、得られるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡構造が不均一で乱れたものとなり、型内発泡成形した成形体の表面にムラが目立つものであった。

Claims (12)

  1. 下記要件(a)〜(d)のすべてを満たすポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
    (a)メタロセン系重合触媒で重合されたポリプロピレン系樹脂である。
    (b)示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、100℃以上135℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂である。
    (c)有機過酸化物により処理されたポリプロピレン系樹脂である。
    (d)メルトフローレイトが5g/10分以上30g/10分以下のポリプロピレン系樹脂である。
  2. 示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、102℃以上115℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上155℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることを特徴とする、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  3. 2種類以上のポリプロピレン系樹脂のブレンド物を基材樹脂とすることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  4. 多段重合により重合ブレンドして得られるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とすることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  5. メタロセン系重合触媒で重合されたポリプロピレンホモポリマーが基材樹脂中に含まれることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  6. 基材樹脂の数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比であるMw/Mn値が、2.3以上3.5以下であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  7. 前記メタロセン系重合触媒が、下記化1で表されるメタロセン化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
    (上記化1において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは第4族遷移金属であり、Yは炭素原子またはケイ素原子であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
  8. ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、最も低温の融解ピーク温度TLが100℃以上130℃以下であり、かつ、最も高温の融解ピーク温度THが140℃以上160℃以下であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  9. ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量計による1回目の昇温測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、最も低温の融解ピーク温度TLと最も高温の融解ピーク温度THとの差であるTH−TLが35℃以上40℃以下であることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形してなる、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  11. ポリプロピレン系樹脂粒子と、水、無機分散剤を耐圧容器中に収容した後、攪拌条件下に分散させると共に、発泡剤の存在下、前記ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化点温度以上に昇温し、次いで耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に耐圧容器中の分散液を放出して発泡させるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法であって、
    ポリプロピレン系樹脂粒子が、下記要件(a)〜(d)のすべてを満たすものであることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
    (a)メタロセン系重合触媒で重合されたポリプロピレン系樹脂粒子である。
    (b)示差走査熱量計による融点測定で得られるDSC曲線において、少なくとも2つの融解ピークを有し、100℃以上135℃以下に最も低温の融解ピークを有し、かつ、140℃以上160℃以下に最も高温の融解ピークを有するポリプロピレン系樹脂である。
    (c)有機過酸化物により処理されたポリプロピレン系樹脂粒子である。
    (d)メルトフローレイトが5g/10分以上30g/10分以下のポリプロピレン系樹脂粒子である。
  12. 有機過酸化物による処理が、ポリプロピレン系樹脂および有機過酸化物を混合後、溶融混練することにより行われる処理であることを特徴とする、請求項11記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
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