JP2012180101A - 金属製容器蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器内圧が上昇したときに容器内圧を開放するためにスカート壁にスリットが形成されている金属製容器蓋において、該スリットによるガス抜き性が損なわれることなく、容器口頸部への巻締め初期でのスリットが開いてしまうという不都合を防止する。
【解決手段】円形天面壁7及び円筒形スカート壁9を有し、スカート壁9には、螺子形成領域の上端部分に位置する環状溝17が形成されている金属製容器蓋において、環状溝17よりも上方の部分には、周方向に延びている弧状スリット20からなる内圧開放領域Aが、周方向に少なくとも一つ形成されており、環状溝17よりも上方の部分のスカート壁9には、内圧開放領域A以外の部分Bにおいて、弧状スリット20の延長線Zを跨ぐようにして高さ方向に延びている主ナール21が形成されており、内圧開放領域Aにおいて、弧状スリット20の下側に位置する部分にのみ、補助ナール23が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内圧開放特性(即ち容器内圧が過剰に上昇すると容器内圧を自動的に開放する特性)を有する金属製容器蓋に関する。
一般に、炭酸飲料等を容器内に充填後、容器の口頸部に容器蓋を装着して口頸部を密封した状態で容器の内容物が過剰に加熱された場合、容器の内圧が過剰に上昇するときがある。また、容器口頸部から一旦容器蓋を離脱せしめた後に、再び容器口頸部に容器蓋を装着して密封した後に内容物が腐敗して発酵した場合にも、容器の内圧が過剰に上昇するときがある。
上記のように容器内圧が増大したときには、容器蓋が容器口頸部から飛翔してしまったり、場合によっては、容器自体が破裂してしまうこともある。このような容器内圧の増大による不都合を防止するために、内圧開放特性を有する金属製の容器蓋が提案されている。このような金属製容器蓋として、円形天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁に、複数の周方向スリットが小間隔で形成されている内圧開放領域を設けたものが知られている(例えば特許文献1)。
上記の周方向スリットは、開栓或いは閉栓のために容器蓋を回転する際のグリップ性を高めるために設けられているナールの上端に位置している。このようなスリットを備えた容器蓋では、容器内圧が増大したときには、スリット間の橋絡部が破断し、複数の周方向スリットが連続して大きなスリットとなり、この部分から容器内ガスが外部に放出され、場合によっては、同時に天面壁がドーム状に変形して容器内ガスが放出され、内圧増大により不都合を回避できるというものである。
ところで、上述した従来の内圧開放型の金属製容器蓋においては、金属薄板製シェルのスカート壁の上方部分に周方向を指向するスリットが設けられており、このスリットにより内圧開放ラインが形成されているため、容器蓋を巻締めて容器口頸部に装着する際に、内圧開放ラインを形成するスリットの部分から破断を生じてしまうという問題があった。即ち、容器口頸部への容器蓋の巻締めは、金属薄板製シェルを容器口頸部に被せ、この状態で、適当な治具を用いて該シェルのスカート壁を容器口頸部に押し付け、これにより容器口頸部の外面形状(例えば螺子形状)をスカート壁に転写することにより行われる。このような治具の押し付け時、特に螺子形成時に、上記スリットの下側部分でスカート壁が軸方向に若干引き延ばされるため、この変形の結果、キャッピングの段階において、スリット間の橋絡部が破断してしまい、内圧開放ラインが開いてしまう不具合が生じるのである。
容器内圧を開放するためにスカート壁に設けられている周方向スリットの下側部分での変形を防止するための手段として、本願出願人は、先に、周方向スリットの下側のナールと環状溝との間に環状ビードを設けることを提案した(特許文献2)。
係る手段では、環状ビードの形成によってスカート壁のスリット下側部分が補強されており、従って、容器口頸部への巻締め時、特に螺子形成のために、スカート壁を容器口頸部に押し付けるときのスリットの下側部分でのスカート壁の変形が防止され、この結果、スリット間の橋絡部の誤破断を効果的に防止することができる。
ところで、上記の環状ビードによるスカート壁の変形防止及びスリット間の橋絡部の誤破断防止効果はラボ実験では十分に確認されていたのであるが、実際の製造ラインに流すと、容器口頸部への巻締め時、特に巻締め開始時において、天面壁とスカート壁との境界部からスカート壁の上方部分を容器口頸部に押し付けていく際に、スリットの部分が開いてしまうという不都合が稀に生じており、そのさらなる改善が望まれている。
例えば、容器口頸部へのスカート壁の巻締め初期でのスリットの開きを防止するための手段としては、スリットの上下にナールを設けることが提案されている(特許文献3)。
この方法によれば、確かにスリットが開いてしまうという不都合を効果的に防止することができるのであるが、この場合には、容器内のガス圧が上昇したときにスリットが開いてガス抜きを生じさせるという機能が損なわれてしまうという問題がある。また、ナールは、その深さが深い方が浅いものに比して大きな補強効果を示すが、反面、スカート壁9の上端(天面壁7との境界)に深いナールを形成してしまうと、巻締め時に変形などがかえって生じ易くなってしまう。
実公平7−25318号公報 特開2007−45452号公報 特許第4522669号
従って本発明の目的は、容器内圧が上昇したときに容器内圧を開放するためにスカート壁にスリットが形成されている金属製容器蓋において、該スリットによるガス抜き性が損なわれることなく、容器口頸部への巻締め初期でのスリットが開いてしまうという不都合が有効に防止された金属製容器蓋を提供することにある。
本発明者等は、金属製容器蓋を容器口頸部に巻締める際に生じるスリットの開きについて多くの実験を行って検討した結果、この容器蓋のスカート壁の上部、特にスリットの上部に打痕(凹み)が形成されていた場合、この打痕が要因となって巻締め初期段階でスリットの開きが生じ易くなるという知見を得、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁を有する金属薄板製シェルと、該シェル内に配設された合成樹脂製ライナーとを具備し、該シェルの該スカート壁には、螺子形成領域と該螺子形成領域の上端部分に位置する環状溝とが形成されている金属製容器蓋において、
前記スカート壁の前記環状溝よりも上方の部分には、周方向に延びている弧状スリットからなる内圧開放領域が、周方向に少なくとも一つ形成されており、
前記環状溝よりも上方の部分の前記スカート壁には、前記内圧開放領域以外の部分において、前記弧状スリットの延長線を跨ぐようにして高さ方向に延びている主ナールが形成されており、前記内圧開放領域において、前記弧状スリットの下側に位置する部分にのみ、高さ方向に延びている補助ナールが形成されていることを特徴とする金属製容器蓋が提供される。
本発明の金属製容器蓋においては、
(1)前記円形天面壁の中心を基準として、前記弧状スリットは25乃至45度の周方向長さを有しており、該弧状スリットに隣接する内圧開放領域以外の部分は20度以上の周方向長さを有していること、
(2)前記弧状スリットが、周方向に複数本、均等に分布するように形成されていること、
(3)前記主ナールは、前記弧状スリットの延長線の上方に位置する上ナールと、該延長線の下方に位置する下ナールとに区画されており、該下ナールが上ナールよりも深く形成されていること、
(4)前記スカート壁には、前記環状溝と前記主ナール及び補助ナールの下端との間を通るように環状ビードが形成されていること、
が好適である。
本発明の金属製容器蓋においては、周方向に延びている弧状スリットからなる内圧開放領域がスカート壁に形成されているため、容器の内圧が過剰に上昇した場合には、該弧状スリットが開き、これにより容器内のガス抜きが行われ、容器内圧が開放され、容器内圧の急激な上昇に伴うキャップ飛びなどの不都合を有効に防止することができる。かかるガス抜き特性は、本発明の金属製容器蓋の基本特性である。
本発明では、上記のような弧状スリットによるガス抜き性が有効に保持されながらも、この金属製容器蓋の容器口頸部への巻締め時における弧状スリットの開きが有効に防止されている。
即ち、金属製容器蓋のスカート壁(特に円形天面壁とスカート壁との境界部分やその近傍)に凹みが生じている場合に、容器口頸部への巻締め時(特に巻締め初期)に、スリットの開きが生じ易い。このような凹みが生じていると、金属製容器蓋のスカート壁を所定の治具により押圧し、このスカート壁に容器口頸部のネジ形状を転写する際及び天面壁とスカート壁との境界部分を容器口頸部に対して下方側に押しつける際、スカート壁の円形性が崩れてしまって偏心しているため、スカート壁の一部(特に強度の低いスリット近傍部分)に応力が集中してしまうとともに、凹みが更に大きな凹みとなり、この結果、弧状スリットの開きが生じ易くなってしまうのである。しかも、実際の製造ラインでは、容器蓋が成形された後、容器口頸部に巻締められるまでの間、ホッパーなどの搬送装置に投入され且つ高速で搬送されたり、その多数個が箱詰めされるなどの過程を経るため、このような過程で容器蓋同士が激しく衝突し、凹みである打痕がスカート壁や境界部に形成されてしまう場合が多い。種々の構造の金属製容器蓋を作製し、ラボ実験でスリットの開き防止効果などを確認するときには、金属製容器蓋に積極的に打痕を形成させることはなく、従って、ラボ実験では、容器口頸部への巻締め時でのスリットの開きがほとんど確認されていないような場合でも、実際の製造ラインでは、容器口頸部への巻締め時に、上記のような不都合が生じる場合が多かったのである。
しかるに、本発明では、弧状スリットが形成されている内圧開放領域では弧状スリットの下側部分に補助ナールが形成されており、弧状スリットが形成されていない領域、即ち内圧開放領域以外の部分には主ナールが形成されている。
即ち、弧状スリット近傍のスカート壁が補助ナールによって補強されていると同時に、弧状スリットが形成されていない領域も主ナールによって補強され、弧状スリットが形成されている部分では、その延長線部分も含め、全周にわたってスカート壁が補強され、巻締め時のスカート壁の変形を防止する形態となっている。
さらに、主ナールは、弧状スリットの延長線の下側のみならず、上側にも形成されており、天面壁との境界近傍にまで延びている。主ナール及び補助ナールは、打痕に比して深く凹部となっているため、主ナールが天面壁との境界近傍にまで延びていることにより、打痕の影響を大きく緩和することができる。即ち、弧状スリットの上方部分に打痕が形成された場合においても、巻締め初期段階でスカート壁の上端部分を偏心することなく回転させることができ、局部的に大きな力が弧状スリットの上部に作用することが防止される。
本発明では、以上のような主ナール及び補助ナールによる効果が総合的に作用して、容器口頸部への巻締めに際しての弧状スリットの開きを有効に回避することができる。
また、本発明においては、補助ナールは弧状スリットの下側にのみ設けられており、弧状スリットの上側にはナールは全く形成されていない。従って、弧状スリットのガス抜き性は損なわれておらず、容器内圧が急激に上昇したようなときには、この弧状スリットが大きく開いて効果的にガス抜きが行われるのである。
本発明の容器蓋の一部断面側面図であり、スカート壁の内圧開放領域での側断面が示されている図。 図1の容器蓋を容器口頸部に被せた状態を示す一部断面側面図であり、スカート壁の内圧開放領域での側断面が示されている図。 図1の容器蓋を容器口頸部に被せた状態を示す一部断面側面図であり、スカート壁の内圧開放領域以外の領域の側断面が示されている図。 図1の容器蓋を容器口頸部に巻締める工程を説明するための図。 図1の容器蓋を容器口頸部に巻締めた状態を示す一部断面側面図。 図5の容器蓋が、内圧上昇により変形した状態を示す図。 図1の容器蓋のスカート壁に形成されている弧状スリットのパターンを示すスカート壁の展開図。
図1乃至図3を参照して、本発明の金属製容器蓋は、全体として1で示されており、金属薄板製シェル3と該シェル3内に設けられている合成樹脂製ライナー5とから構成されている。
金属薄板製シェル3は、適度な強度が確保される限り、その材質は制限されず、例えば、アルミニウム若しくはアルミニウム合金等の金属薄板から形成されていてよいが、特に優れた耐落下衝撃性を確保するという観点からは、例えば厚さが0.22乃至0.26mm程度の厚みのアルミニウム基合金製薄板から形成されていることが好ましく、その引張強度は、200乃至230N/mmの範囲にあることが好適である。また、かかるシェル3は、円形天面壁7と、この天面壁7の周縁から垂下する略円筒形状のスカート壁9とを有する。
図1から明らかなように、スカート壁9の下端は、半径方向外方に膨出せしめられており、膨出しているこの下端部には、破断可能な複数のブリッジ11を介してタンパーエビデント(TE)裾部13が連なっている。
上記のスカート壁9の略中央部は、後述する巻締めによって螺子が形成される螺子形成領域15となっており、この螺子形成領域15の上端には環状溝17が形成されている。この環状溝17は、巻締め時の螺子形成用治具を導入するためのものである。
環状溝17の上方には、周方向に延びている弧状スリット20が設けられている。この弧状スリット20が設けられている領域が内圧開放領域Aとなっており、容器内圧が上昇した場合には、この弧状スリット20が開き、この部分を通ってガス抜きが行われ、容器内圧が開放されるようになっている。この機能については後述する。
この例では、3箇所に弧状スリット20が設けられて内圧開放領域Aを形成しており、その間が内圧開放領域以外の領域B(以下、固定領域Bと呼ぶ)となっている。図1及び図2においては、弧状スリット20(内圧開放領域A)でのスカート壁9の断面(X−X断面)が示されており、図3では、弧状スリット20が形成されていない固定領域Bでのスカート壁9の断面(Y−Y断面)が示されている。
また、上記固定領域Bには、主ナール21が形成され、上記内圧開放領域Aでは、弧状スリット20の下側に補助ナール23が形成されている。
これらのナール21,23は、グリップ性を高め、開栓或いは閉栓のために、手で握っての容器蓋の回転を容易にする機能を有し、この容器蓋の高さ方向に延びている凹凸が周方向に交互に形成されてなるものであり、具体的には、適当な間隔でスカート壁9を押し込んで凹ませることによって形成されたものである。21及び23の番号は、何れも凹部を示している。
上記のような金属製容器蓋1は、図2及び図3に示されているように、容器口頸部70に被せられ、図4に示す巻締め工程によって容器口頸部70に巻締められ、これにより、図5に示されている様に容器口頸部70に固定され、容器口頸部70が密封される。
図1に戻って、ライナー5は、軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成されるものであり、天面壁7の内面に合成樹脂溶融物を供給し、この溶融物を所要形状に型押成形することによって好都合に形成することができる。図示の実施形態におけるライナー5は、比較的肉薄の円形中央部5aと比較的肉厚の環状周縁部5bとから構成されている。図1の側断面部分から理解されるように、環状周縁部5bの中央部分は若干凹んだ凹部となっている。
図2及び図3を参照して、容器口頸部70は、金属、ガラス、硬質樹脂等からなるものであり、図2等では金属製のものが例示されている。この容器口頸部70の上端にはカール部71が形成され、側面には、螺子73が形成され、螺子73の下方には外方に張り出す顎部75が形成されている。
図2及び図3に示されているように、容器口頸部70に巻締めるために容器蓋1(シェル3)を容器口頸部70に被せた状態では、容器口頸部70の上端(カール部71)に前述したライナー5の環状周縁部5bの凹部が対面し、また、容器蓋1のTE裾部13の下端が容器口頸部70の顎部75の下側に位置する。
上記の状態で、図4に示すようにして巻締めが行われる。即ち、容器口頸部70に被せられた容器蓋1を、外側押圧具77で容器口頸部70の上端に押さえ付けて、天面壁7の周縁部からスカート壁9の上端部分を下方にかしめていきながら(巻締め初期)、螺子形成用ローラ79を容器蓋1の環状溝17に導入し、次いで容器蓋1のスカート壁9を押し付けながら容器口頸部70の螺子73に沿ってローラ79を回転させていくことにより、スカート壁9の螺子形成領域15に、容器口頸部70の螺子73と螺子係合する螺子25を形成する。
一方、容器蓋1のTE裾部13の下端は、図示されていない裾部巻締めローラによって容器口頸部70の顎部75の下側に押し付けられ、これにより、顎部75の下側に沿って変形することとなる。
上記の巻締め工程によって、図5に示すように、シェル3からなる金属製容器蓋1は、容器口頸部70に巻締め固定され、容器口頸部70(カール部71)の上端及び外周部に前述したライナー5の環状周縁部5bが密着することにより、容器口頸部70が密封されることとなる。この状態において、スカート壁9は容器口頸部70の外面に螺子係合しており、且つTE裾部13の下端は、容器口頸部70の顎部75の下側に固定されている。
容器口頸部70に巻締め固定されている容器蓋1は、これを開栓方向に回転させていくことにより、スカート壁9が上昇して容器口頸部70から取り除かれるが、この際、TE裾部13は、その下端が容器口頸部70の顎部75の下側に係合するために、その上昇が制限され、この結果、ブリッジ11が破断し、TE裾部13がスカート壁9から切り離される。従って、容器口頸部70から除去された容器蓋1ではTE裾部13が切り離されており、これにより、開封の事実を認識することができる。
尚、前述した主ナール21及び補助ナール23は、容器蓋を回転させる際の滑り止めとして機能する。
既に述べたように、上記のような構造の容器蓋1では、弧状スリット20により内圧開放ラインAが形成されている。即ち、容器内圧が何らかの理由により上昇した場合(例えば容器内容物の発酵等)、容器蓋1の天面壁7が膨らんだ状態に変形すると、図6に示すように、直ちに内圧開放ラインAにおける弧状スリット20が開き、このスリット20を通してガス抜きが行われ、例えば容器蓋1(天面壁7)の過度の変形や容器口頸部70からのキャップ飛びなどの不都合が有効に防止されるようになっている。
しかるに、上記のような内圧開放のための弧状スリット20や内圧開放ラインAが形成された容器蓋1において、搬送工程等での容器蓋同士の強い衝突などにより、弧状スリット20の上部近傍に打痕(凹み)が形成されていると、図4の巻締め工程時、特に巻締め初期において、外側押圧具77によりスカート壁で容器口頸部70の上端に押さえ付けて、天面壁7の周縁部からスカート壁9の上端部分をかしめていく際に、弧状スリット20が開いて図6に示すような状態になってしまうことがある。即ち、巻締め時にスカート壁9の上端部分に偏心が生じてしまい、この弧状スリット20の上部近傍が局部的に強く押し付けられてしまい、この結果、弧状スリット20の上部スカート壁9が凹み、該スリット20が開いてしまうのである。
本発明においては、上記のような巻締め工程、特に巻締め初期に生じる弧状スリット20の開きを、主ナール21と補助ナール23とによって有効に防止されている。即ち、本発明では、これらのナール21,23は、グリップ性を高め、滑り止めとして機能し、容器蓋1の回転を容易にするというナール本来の機能に加えて、巻締め時での弧状スリット20の開き防止という機能を有している。
即ち、スカート壁9の展開図を示す図7を参照して、弧状スリット20が形成されている内圧開放領域Aでは、弧状スリット20の下側部分に補助ナール23が形成され、弧状スリット20が形成されていない固定領域Bでは、主ナール21が形成されている。この主ナール21は、弧状スリット20の延長線Zを挟むようにして容器蓋1の高さ方向に延びており、その上端は、天面壁7とスカート壁9との境界部分に近い部分に位置している。
このような形態において、主ナール21及び補助ナール23は、何れも、通常形成されてしまうおそれのある打痕(凹み)よりも深くスカート壁9を凹ませることにより形成されるものであり、補強機能と同時に、打痕要因による偏心を緩和する機能を有しており、これにより、弧状スリット20の開きの要因となる打痕を弧状スリット20の近傍に形成され難くし、且つ打痕が形成された場合においても、その深さは、これらナール21,23よりもかなり浅く、従って、打痕の形成による回転時の偏心が有効に緩和され、この結果、巻締め時、特に巻締め初期での弧状スリット20の開きを有効に防止することができる。
例えば、主ナール21が弧状スリット20の延長線Zよりも上方に延びていない場合には、巻締め初期において、スカート壁9の上端を回転下に容器口頸部70の上端に押し付けて行く際、打痕による偏心を抑制できず、この結果、打痕が形成された場合、弧状スリット20の上部(補助ナール23が形成されておらず、低強度部分となっている)に局部的に大きな力が作用する事態を招き、結局、弧状スリット20の開きを生じてしまう。また、補助スリット23が形成されていない場合には、弧状スリット20を挟んで、その上下のスカート壁9が低強度となり、変形し易くなってしまい、この場合にも、打痕が形成されたときの巻締め工程での弧状スリット20の開きを防止することが困難となってしまう。
さらに、本発明においては、弧状スリット20の上部には補助ナール23は設けられていない。従って、弧状スリット20のガス抜き性は損なわれておらず、容器内圧が急激に上昇しての膨張により天面壁7が変形したときには、この弧状スリット20が大きく開いて効果的にガス抜きが行われる。
上述した本発明において、弧状スリット20の周方向長さp(図7参照)は、ガス抜き性と巻締め工程での開き防止とのバランスを考慮して決定することが好ましい。例えば、この周方向長さpが長すぎると、ガス抜き性は良好であるものの、巻締め時での開きが生じ易くなってしまう傾向があり、逆に、周方向長さpが短すぎると、巻締め時での開きは生じ難くなるものの、ガス抜き性が損なわれてしまう傾向がある。
また、弧状スリット20に隣接する固定領域Bの周方向長さqも巻締め工程での開き防止性に影響を与える。例えば、この固定領域Bの周方向長さqが必要以上に短いと、主ナール21による補強効果や偏心抑制効果が乏しくなり、巻締め時での弧状スリット20の開きを防止することが困難となってしまう。
従って、本発明においては、良好なガス抜き性と巻締め工程での弧状スリット20の開き防止を実現するために、円形天面壁7の中心Oを基準として、弧状スリット20の周方向長さを25乃至45度の範囲とし、この弧状スリット20に隣接する固定領域Bの周方向長さqを20度以上の範囲とすることが好ましい。
また、上記の弧状スリット20の数は特に制限されず、1本でもよいし、周方向に複数本の弧状スリット20を形成することもできるが、その周方向長さp及び固定領域Bの周方向長さqが上記の範囲内であることを条件として、周方向に複数本の弧状スリット20を均等に分布することが最も好適である。即ち、このような形態において、主ナール21の偏心抑制機能が最大限に発揮され、最も効果的に、巻締め工程での弧状スリット20の開きを防止することができるからである。因みに、上述した例では、図7に示されているように、3本の弧状スリット20が周方向に均等に分散して設けられている。
尚、上記弧状スリット20は、できるだけ低い位置、即ち、天面壁7とスカート壁9との境界部から離れた位置に形成されていることが好ましく、例えば、天面壁7の上面からの長さd(図1参照)が2.4mm以上の範囲に弧状スリット20を形成することが好ましい。天面壁7とスカート壁9との境界部に近い部分では、巻締め初期において、スカート壁9の上端が大きくかしめられるため、弧状スリット20の上部でのスカート壁9の変形が生じ易くなってしまうからである。また、弧状スリット20は、弧状スリット20に隣接する固定領域Bに形成される主ナール21に対して、その軸方向の略中心に位置している。
さらに、本発明において、主ナール21及び補助ナール23の大きさ(長さや幅)、そのピッチ及び数等は、これらナールの機能が十分に発揮され、巻締め時での弧状スリット20の開きが最も効果的に防止し得るように設定すればよい。
また、弧状スリット20が形成されていない固定領域Bに形成される主ナール21は、弧状スリット20の延長線Zを跨ぐように、上下に連続して延びていてもよいが、本発明においては、特に、図1等に示されているように、弧状スリット20の延長線Zの上方に位置する上ナール21aと、延長線Zの下方に位置する下ナール21bとに分割されていることが好ましい。即ち、このように主ナール21を上下に分割して設けることにより、その機能を最大限に発揮させることができる。
例えば、ナールは、その深さが深い方が浅いものに比して大きな補強効果を示すが、反面、スカート壁9の上端(天面壁7との境界)に深いナールを形成してしまうと、巻締め時に変形などがかえって生じ易くなってしまうことがわかった。従って、上記のように、主ナール21を、上ナール21aと下ナール21bとに分割し、下ナール21bを上ナール21aよりも深く形成することが最適である。
また、上述した構造の本発明の容器蓋1においては、スカート壁9の環状溝17と主ナール21及び補助ナール23の下端との間を通るように環状ビード30が形成されていることが好適である。
即ち、図4に示す巻締め工程では、螺子形成用ローラ79によりスカート壁9の螺子形成領域15を容器口頸部70の螺子75に沿って変形させる。従って、該ローラ79が導入される環状溝17に近接している部分では、スカート壁9の変形を生じ易い。しかるに、環状溝17の上部に隣接して環状ビード30を設けておくと、螺子形成用ローラ19の押圧による変形の上方への伝達が該環状ビード30によって遮断され、弧状スリット20の下側部分の変形を有効に防止することができる。即ち、螺子形成時での弧状スリット20の開きも有効に抑制することができる。
<実施例1>
厚さ0.25mmのアルミニウム基合金薄板(引張強度215N/mm)から、図1に示す形態を有し、呼び径33mmのシェルを形成し、次いで、かかるシェルの天面壁に軟化溶融状態の軟質ポリエチレンを供給し、図1に図示するとおりの形態のライナーを型押成形し、図1〜図7に示すとおりの弧状スリット20、主ナール21(上ナール21a,下ナール21b)、補助ナール23及び環状ビード30を有する形態の容器蓋を形成した。かかる容器蓋の仕様は以下の通りである。尚、ナールの数は、凹部の数である。
ライナー外径:31.2mm
弧状スリット20(内圧開放ラインA)の周長p:40度
弧状スリット20の個数:3個
固定領域Bの周長q:80度
主ナール21(上ナール21a,下ナール21b)の周方向の数:18個
補助ナール23の数:12個
上記の容器蓋を実際の製造ラインで搬送し、弧状スリット20の上部に打痕が観察されたものを50個採取し、試料とした。
三菱マテリアル株式会社から販売されている、内容積310mlで呼び径33mmの口頸部(外巻カールの外径は28.75mmであった)を有するアルミニウム薄板製容器を用意し、この容器の口頸部に、上記の試料の容器蓋を図4に示すように巻締めた。50個の試料容器蓋について、全く同様にしてそれぞれ巻締めを行ったところ、弧状スリット20の開きは全く認められなかった。
<比較例1>
主ナール21の内、上ナール21aを形成せず、下ナール21bのみに変更した以外は、実験例1と同様にして容器蓋を作製し、且つ同様にして巻締め試験を行った。
巻締め試験の結果、50個の容器蓋について、5個に弧状スリット20の開きが観察された。
7:天面壁
9:スカート壁
17:環状溝
20:弧状スリット
21:主ナール
23:補助ナール
30:環状ビード

Claims (5)

  1. 円形天面壁及び該天面壁の周縁から垂下する円筒形スカート壁を有する金属薄板製シェルと、該シェル内に配設された合成樹脂製ライナーとを具備し、該シェルの該スカート壁には、螺子形成領域と該螺子形成領域の上端部分に位置する環状溝とが形成されている金属製容器蓋において、
    前記スカート壁の前記環状溝よりも上方の部分には、周方向に延びている弧状スリットからなる内圧開放領域が、周方向に少なくとも一つ形成されており、
    前記環状溝よりも上方の部分の前記スカート壁には、前記内圧開放領域以外の部分において、前記弧状スリットの延長線を跨ぐようにして高さ方向に延びている主ナールが形成されており、前記内圧開放領域において、前記弧状スリットの下側に位置する部分にのみ、高さ方向に延びている補助ナールが形成されていることを特徴とする金属製容器蓋。
  2. 前記円形天面壁の中心を基準として、前記弧状スリットは25乃至45度の周方向長さを有しており、該弧状スリットに隣接する内圧開放領域以外の部分は20度以上の周方向長さを有している請求項1に記載の金属製容器蓋。
  3. 前記弧状スリットが、周方向に複数本、均等に分布するように形成されている請求項2に記載の金属製容器蓋。
  4. 前記主ナールは、前記弧状スリットの延長線の上方に位置する上ナールと、該延長線の下方に位置する下ナールとに区画されており、該下ナールが上ナールよりも深く形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の金属製容器蓋。
  5. 前記スカート壁には、前記環状溝と前記主ナール及び補助ナールの下端との間を通るように環状ビードが形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の金属製容器蓋。
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