JP4404243B2 - 缶蓋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶容器の端板部として缶胴の開口端部に二重巻締めで固着される缶蓋(上蓋や底蓋)に関し、特に、缶内圧が高い正内圧缶(陽圧缶)に使用される缶蓋について、缶内圧が異常に上昇してバックリングが起きても、巻締部の破壊によるブローオフが起きることがない缶蓋の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸飲料やビール等の発泡性飲料を内容物とする飲料缶のような缶内圧の高い正内圧缶(陽圧缶)の缶詰では、振動や衝撃や温度上昇等により缶内圧が異常に上昇したときに、缶胴に巻き締められた缶蓋の周辺部分が反転してパネル部が缶外方に角出し変形する所謂バックリングという現象が起きることがあって、そのようなバックリングが起きた後も缶内圧が上昇し続けて異常に高い状態になると、角出し部によって引っ張られる状態で、チャックウォール部に続く巻締部の缶蓋側(カバーフック)と缶胴側(ボディフック)の係合状態が引き延ばされて、遂には、巻締部が破壊されて缶蓋が缶胴から外れることで多量の内容物が一度に周囲に飛び散ったり或いは缶蓋が吹き飛んだりする所謂ブローオフと呼ばれる現象が起きることがある。
【0003】
そのように缶内圧の上昇により缶蓋が外れるという点に関して、例えば、特公昭51−31606号公報には、「底蓋つきの円筒状金属胴に二重まきしめされ且つ容器内圧に対する抵抗力が該底蓋のもつ該抵抗力よりも小であるドーム状金属製上蓋を備えた密封内圧容器において、該ドーム状金属製上蓋と該金属胴との二重まきしめ部上端を含む部分に、該上蓋の直径方向に、多数の刻み線を設けた」という圧力放出機構をもつ密封内圧容器(エアゾール容器)について記載されており、また、そのような圧力放出機構により、高熱により内圧が増加したときに、ドーム状金属製上蓋の膨出により刻み線を破断させて、それによる漏出口から内容品を放出させることで、内圧によって底蓋が吹き飛ぶのを防止するということが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来公知の密封内圧容器の圧力放出機構は、ドーム状の金属製上蓋を備えたエアゾール容器に関するものであって、内圧の増加による金属製上蓋の膨出に応じて刻み線(スコア線)が破断されることで、内圧により底蓋が吹き飛ぶのを防止するものであるが、内圧の増加によりドーム状の金属製上蓋が膨出する際には、飲料缶のバックリングにおける角出し変形のようなものが該金属製上蓋のどの箇所で発生するのか判らない(上記の引用公報中には、角出し変形のような変形が起きるということは全く記載されていない)ことから、該金属製上蓋には、その二重まきしめ部上端を含む部分に、直径方向の刻み線が円周方向に間隔を置いて多数設けられている。
【0005】
そのため、缶内圧が高い正内圧缶(陽圧缶)の飲料缶等において、缶内が異常に上昇してバックリングが起きた後で、更に巻締部の破壊によるブローオフが起きるのを防止するために、仮に上記のような従来公知の圧力放出機構を適用した場合、缶蓋に多数のスコア線(刻み線)を設けることによって、缶蓋自体の強度を大きく低下させることとなり、缶内圧の増加がさほど大きくなくてもスコア線が破断したり、落下衝撃を受けるだけでスコア線が破断したりすることで、バックリングが発生するような高内圧時以外にもスコア線が破断されて内容物が放出されてしまう虞が生じるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、缶内圧の高い正内圧缶用の缶蓋について、缶内圧が異常に上昇してバックリングが発生したときに、それに続いて巻締部の破壊により多量の内容物を一度に周囲に飛散させるブローオフが起きることのないようにすることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、略円板状のパネル部の周辺部から外方に、缶内側に凹んだ補強用の環状溝と、該環状溝の外側壁に続く傾斜したチャックウォール部と、外周部をカールさせたフランジカール部とが連続するように一体成形されている缶蓋において、パネル部の周辺部付近に、バックリングの起点となる角出し変形が容易なバックリング誘発部を、パネル部に加工を施した構造として形成すると共に、パネル部でバックリング誘発部の付近に、バックリング時の角出し変形によって破断されるスコア線を、缶蓋の中心とバックリング誘発部とを通る仮想線を横切るように形成することを特徴とするものである。
【0008】
上記のような構成によれば、缶内圧が異常に上昇してバックリングが発生したときに、バックリング誘発部で積極的に缶蓋が角出し変形するのに連れて、バックリング誘発部の付近に形成されたスコア線が破断されることにより、直ちに缶内圧が下がって巻締部の破壊によるブローオフの発生が確実に防止されることとなる。しかも、バックリング誘発部の付近にだけスコア線を必要最小限に設けていることで、缶蓋の強度をそれ程低下させることはなく、本来バックリングが発生しないような状態でスコア線が容易に破断されることはない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の缶蓋の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の缶蓋の一実施形態について、図1は、(A)缶蓋全体の平面形状と(B)A図のB−B線に沿った缶蓋の縦断面形状とを示し、図2は、スコア線が形成されたバックリング誘発部の付近の(A)平面形状と(B)縦断面形状とをそれぞれ示し、図3は、図2に示したスコア線とは平面形状が異なるスコア線の各例(A),(B)をそれぞれ示すものである。また、図4は、本発明の他の実施形態について、スコア線が形成されたバックリング誘発部の付近の(A)平面形状と(B)縦断面形状とをそれぞれ示すものである。さらに、図5(A),(B)は、バックリング発生時の缶蓋の角出し変形の状態を示すものである。
【0010】
本実施形態の缶蓋は、炭酸飲料やビール等を内容物とする正内圧缶(陽圧缶)に使用されるものであり、従来から知られた成形金型によるプレス成形により缶蓋用の金属板材から一体成形されたものであって、図1(A)に示すように、缶蓋1には、パネル部2と環状溝3とチャックウォール部4とフランジカール部5の各部分が一体的に形成されていて、図1(B)に示すように、未使用の缶蓋の缶内側を下にした状態で、略円板状のパネル部2の周辺部から外方に、下方(缶内側)に凹むように補強用の環状溝3が形成され、環状溝3の外側壁と略面一に続くようにチャックウォール部4が外方に傾斜して立ち上がり、チャックウォール部4の上端はフランジカール部5の内周部のラッパ状曲面に連なっていて、フランジカール部5の外周部は下方にカールされている。
【0011】
なお、この缶蓋1は、プレス成形された後の未使用の製品であって、図示していないが、フランジカール部5の裏面側に有機高分子製のシール剤が塗布されてから、缶本体(缶胴)のフランジ部の上に載置されて、フランジカール部5により缶本体のフランジ部に二重巻締めされることで、缶の端板部(上蓋や底蓋)として缶本体に一体的に巻締め固着されるものである。
【0012】
缶蓋1の素材として使用する缶蓋用の金属板材については、圧延されてから必要に応じて適宜の表面処理やメッキが施された金属板を主材として、その少なくとも缶内面側となる面(内容物と接する面)に樹脂被膜を形成したものであって、金属板としては、例えば、純アルミニウムやアルミニウム合金(3004材,5052材,5082材,5182材等)によるアルミ板材や、電解クロム酸処理鋼板,ニッケルメッキ鋼板,錫メッキ鋼板等のような鋼板材が使用できる。また、樹脂被膜としては、食品衛生性や耐食性や加工性やフレーバー性の観点から、エポキシ−フェノール樹脂,エポキシ−アクリル樹脂,塩化ビニル系樹脂等の塗料や、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリアミド,アイオノマー等の熱可塑性樹脂のl種又は2種以上から構成される樹脂フィルム等が使用できる。
【0013】
ところで、上記のようにパネル部2と環状溝3とチャックウォール部4とフランジカール部5とが一体成形された缶蓋1において、本実施形態では、図1(A)に示すように、パネル部2の周辺部で、円周方向に略等間隔(缶蓋の中心に対して90°の間隔)を置いて4箇所に、バックリングの起点となる角出し変形が容易なバックリング誘発部6が形成されており、この缶蓋1が巻締め固着された缶詰において缶内圧が異常に高くなったときには、このバックリング誘発部6の部分で優先的に角出し変形が起きることでバックリングが発生するようになっている。
【0014】
缶蓋1の各バックリング誘発部6は、本実施形態では、何れも圧印加工(コイニング)により形成されていて、図2(A),(B)に示すように、板厚が薄肉化されて上方(缶外側)に突出するようなコイニング部として形成されている。そして、各バックリング誘発部6のうちの少なくとも何れかに対して、そのバックリング誘発部6の角出し変形によって破断されるようにスコア線7が形成されていて、このスコア線7は、缶蓋1の中心とバックリング誘発部6とを通る仮想線Lを横切るように形成されている。
【0015】
なお、スコア線7の平面形状については、図2(A)に示したものでは、缶蓋1の中心とバックリング誘発部6とを通る仮想線Lと直交する方向に延びる直線状のものとしているが、そのようなものに限らず、例えば、図3(A)に示ように、円弧状に形成したり、或いは、図3(B)に示すように、折れ線状に形成したりしても良く、そのようにスコア線7の両端を缶蓋1の中心側の方に向けておくことにより、例えば、各バックリング誘発部6の全てに対してスコア線7を形成したような場合において、その全てのスコア線7が破断された際に、缶蓋1の周辺部で各スコア線7の破断端同士が円周方向で繋がって缶蓋1が大きく口を開けるということが起きるのを防止することができる。
【0016】
バックリング誘発部6が4箇所に形成されている缶蓋1でのバックリングの発生状態(角出し変形の状態)については、先ず、缶内圧が異常に高くなって最初のバックリングが起きることで、図5(A)に示すように、1箇所で角出し変形部10が形成される。そして、その後も缶内圧が異常に高い状態が続くと、缶蓋の全周で順次に2回目のバックリングが起きて、最終的には、図5(B)に示すように、4箇所の全てで角出し変形部10が形成されることとなる。
【0017】
そのような缶蓋1がバックリングする際に、各バックリング誘発部6は何れも角出し変形を起こすための起点となるものであるが、そのようにバックリングの起点となる各バックリング誘発部6での角出し変形の容易性(耐変形性)について、本実施形態では、各バックリング誘発部6の間に強度差を設けることで、バックリング時の各バックリング誘発部6の角出し変形に優先順位をつけるようにしている。具体的には、4箇所に形成された各バックリング誘発部6のうち、缶蓋の中心に対して対称な2箇所の強度を、他の対称な2箇所の強度よりも弱く(変形容易性を大きく、即ち、変形し易く)して、この部分が優先的にバックリング起点となるようにしている。
【0018】
コイニング部による各バックリング誘発部6において変形容易性(耐変形性)に強度差を設けるための具体的な方法については、コイニング部の突出の高さ(深さ)を変えたり、或いは、コイニング部の板厚を変えたりすることにより可能なものであって、突出の高さを高く(深く)するほど変形し易くなり、また、板厚を薄くするほど変形し易くなる。
【0019】
そのように各バックリング誘発部6の間で角出し変形の容易性について強度差を設けているのに対して、バックリング誘発部6の付近に形成するスコア線7は、各バックリング誘発部6のうちの角出し変形の容易性が比較的小さい(変形し難い)ものにだけ形成するようにしている。すなわち、コイニング部として形成されている各バックリング誘発部6のうちで、コイニング部が比較的変形し難く形成されている2箇所のバックリング誘発部6のそれぞれ(何れか一方でも良い)に対して、図2(A),(B)に示すように、缶蓋1の中心とバックリング誘発部6とを通る仮想線Lを横切るようにスコア線7を形成しており、具体的には、バックリング誘発部6であるコイニング部(突出している薄肉部分)を横切るように(コイニング部の範囲内でも良い)スコア線7を形成している。
【0020】
なお、バックリング誘発部6の付近に(本実施形態ではコイニング部を横切るように)形成されるスコア線7の位置については、缶蓋1の金属板の圧延方向(圧延方向に対して0°方向)との関係で、圧延方向で缶蓋の中心を通る仮想線上(該仮想線を横切る状態)でも、圧延方向に直交する方向で缶蓋の中心を通る仮想線上(該仮想線を横切る状態)でも良く、また、圧延方向とは関係なくランダムに配置しても良いのではあるが、本実施形態では、図1(A)に示すように、バックリング誘発部6と缶蓋1の中心とを通る仮想線Lが圧延方向Xと45°の角度となるように各バックリング誘発部6を配置して、この圧延方向Xと45°の角度になる仮想線L上(該仮想線L上にあるバックリング誘発部6を横切る状態)にスコア線7を形成している。
【0021】
上記のようにバックリング誘発部6とスコア線7が形成されている本実施形態の缶蓋1によれば、特定の箇所(バックリング誘発部6)を確実にバックリング起点とすることができ、且つ、そのような特定の箇所(バックリング誘発部6)に対してだけ必要最少限の数のスコア線7を形成することで、多数のスコア線を形成して缶蓋の強度を大きく低下させるようなことなく、バックリングが発生したときに確実にスコア線7を破断させることができて、その結果、スコア線7の破断による缶内圧の低下によってブローオフの発生を確実に防止することができる。
【0022】
なお、本実施形態では、缶蓋1のパネル部2の周辺部(パネル部2の周辺部に形成されるコイニング部の範囲内)にスコア線7を形成していることにより、缶蓋の巻締部となる部分にスコア線を形成したような場合に比べて、缶を誤って落下させたときに、スコア線を直接地面と接触させることがなく、落下衝撃によるスコア線の破断を防ぐことができると共に、バックリングの発生によりスコア線が破断されたときに、スコア線の破断により巻締部が破壊されてブローオフが発生するようなこともない。
【0023】
また、本実施形態では、缶蓋1の中心とバックリング誘発部6とを通るように缶蓋1の半径方向に延びている仮想線Lを横切るようにスコア線7を形成していることにより、バックリングが発生することでバックリング誘発部6が角出し変形するのに連れて、パネル部2の周辺部付近が缶蓋の半径方向に沿って外方に突出するように稜状(山折れ状)に変形したときに、この稜状に変形した部分をスコア線7が横切る状態となることから、スコア線7の破断が確実に行なわれることとなる。これに対して、スコア線を缶蓋の半径方向に沿って延ばしている場合には、スコア線の部分で稜状に折れ曲がるだけで、スコア線が破断されないような虞がある。
【0024】
また、本実施形態では、バックリング誘発部6を複数箇所(4箇所)に形成して、各バックリング誘発部6での変形容易性に強度差を設けると共に、各バックリング誘発部6のうちの変形容易性が小さい(変形し難い)バックリング誘発部6に対してスコア線7を設けていることにより、缶内圧が異常に上昇してバックリングが発生する際に、最初に変形し易いバックリング誘発部6で角出し変形が起きて1回目のバックリングが発生して一時的に缶内圧を低下させた後、さらに缶内圧が次第に上昇して、変形し難いバックリング誘発部6で角出し変形が起きて2回目のバックリングが発生する時に、スコア線7を破断させることができて、その結果、缶内圧がブローオフを引き起こす程に上昇するまでスコア線7の破断を抑制することができ、缶内圧がさほど高くない状態でのスコア線7の破断を防止することができる。
【0025】
なお、缶蓋全体に設けるバックリング誘発部6の数については、1個でも良いのであるが、1個では確実にバックリングの起点を制御するのが難しく、一方、数が多すぎると、缶蓋の耐圧強度を大きく低下させることから、2〜4個程度が好ましい。具体的には、本実施形態では、バックリング誘発部6を4箇所に形成して、そのうちの缶蓋の中心に対して対称な2箇所の強度を、他の対称な2箇所の強度よりも弱く(変形容易性を大きく、即ち、変形し易く)して、この部分が優先的にバックリング起点となるようにしている。そして、変形容易性が小さい(変形し難い)2箇所のバックリング誘発部6のそれぞれに対して1個ずつの計2個(或いは、その何れか一方に対して1個だけでも良い)のスコア線7を設けるようにしている。
【0026】
また、スコア線7の位置については、圧延方向で缶蓋の中心を通る仮想線上(該仮想線を横切る状態)でも、圧延方向に直交する方向で缶蓋の中心を通る仮想線上(該仮想線を横切る状態)でも良く、また、圧延方向とは関係なくランダムに配置しても良いのではあるが、本実施形態では、缶蓋1の金属板の圧延方向Xと45°の角度で缶蓋の中心を通る仮想線L上(該仮想線Lを横切る状態)に形成しており、それによって、スコア線7の残厚を比較的厚く(刻み目を浅く)しても、バックリング時にスコア線7が破断されるようにしている。
【0027】
すなわち、圧延された金属板では、圧延方向と45°の角度の方向の強度がその他の方向の強度と比べて弱い、ということは従来から周知の事項であって、そのような金属板の強度が弱い部分にスコア線を形成することで、スコア線の残厚を比較的厚くしても、バックリング時にスコア線の破断を生じさせることができて、その結果、スコア線の残厚を薄くした際の落下衝撃によるスコア線の破断や缶蓋の内面品位の低下などを防止することができる。また、強度の比較的弱い圧延方向に対して45°方向ではバックリングの際の角出し変形も起き易いことから、バックリング誘発部6によりバックリング起点の位置の制御をより確実に行うことができる。
【0028】
さらに、本実施形態では、缶蓋1の金属板の圧延方向Xと45°の角度で缶蓋の中心を通る仮想線L上にバックリング誘発部6を位置させていることで、バックリングの際の角出し変形も起こり易いことから、バックリング誘発部6によるバックリング起点の制御をより確実に行うことができると共に、バックリング誘発部6を緩く成形(具体的には、例えば、コイニング部で、突出の高さを低くしたり、板厚を厚くしたり)しても、角出し変形し易くすることができて、その結果、コイニング加工等による缶蓋の耐圧強度の低下を抑えることができる。これに対して、圧延方向に対して45°方向以外では、バックリングの起点としての角出し変形を起こし易くするために、バックリング誘発部の成形を比較的きつくする必要があり、そうすることで缶蓋の耐圧強度が低下してしまう。
【0029】
以上、本発明の缶蓋の一実施形態について説明したが、本発明は、上記のような実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば、バックリング誘発部の数については、上記の実施形態に示したような4箇所に限らず、1箇所以上であれば良いし、バックリング誘発部の構造については、上記の実施形態に示したようなコイニング部に限らず、例えば、下方(缶内側)に凹むようなコイニング部や、部分的に板厚を薄くしただけのコイニング部であっても良く、更には、コイニング部に限らず、図4(A),(B)に示すように、補強用の環状溝3の内側上端縁(言い換えれば、パネル部2の外周縁)の角部を部分的に切り欠くような溝状凹部のバックリング誘発部6として形成するようにしても良いし、その他の適宜の構造であっても良いものであり、また、バックリング誘発部に対するスコア線の位置関係についても、バックリング誘発部上(例えば、コイニング部を横切るような位置)に限らず、バックリング誘発部で角出し変形が起きたときに缶蓋が変形する範囲に形成されていれば良い等、適宜に設計変更可能なものであることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の缶蓋によれば、多数のスコア線を形成することで缶蓋の耐圧強度を大きく低下させるようなことなく、しかも、缶内圧が異常に上昇してバックリングが発生した場合には、バックリング誘発部の付近に必要最小限に設けられているスコア線が確実に破断されることで、バックリングが発生した後で巻締部の破壊によるブローオフが発生するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の缶蓋の一実施形態について、(A)缶蓋全体を示す平面図、および(B)A図のB−B線に沿った縦断面図。
【図2】図1に示した缶蓋について、スコア線が形成されたバックリング誘発部の付近を部分的に示す(A)平面図、および(B)縦断面形状図。
【図3】図1に示した缶蓋のバックリング誘発部の付近について、図2に示したスコア線とは平面形状が異なる他のスコア線の各例(A),(B)をそれぞれ示す平面図。
【図4】本発明の缶蓋の他の実施形態について、スコア線が形成されたバックリング誘発部の付近を部分的に示す(A)平面図、および(B)縦断面形状図。
【図5】バックリング発生時の缶蓋の角出し変形の状態について、(A)最初のバックリング時の状態と(B)最終的なバックリング時の状態とをそれぞれ示す斜視説明図。
【符号の説明】
1 缶蓋
2 パネル部
3 環状溝
4 チャックウォール部
5 フランジカール部
6 バックリング誘発部
7 スコア線
L 缶蓋の中心とバックリング誘発部とを通る仮想線
X 金属板の圧延方向

Claims (2)

  1. 略円板状のパネル部の周辺部から外方に、缶内側に凹んだ補強用の環状溝と、該環状溝の外側壁に続く傾斜したチャックウォール部と、外周部をカールさせたフランジカール部とが連続するように一体成形されている缶蓋において、パネル部の周辺部付近に、バックリングの起点となる角出し変形が容易なバックリング誘発部が、パネル部に加工を施した構造として形成されていると共に、パネル部でバックリング誘発部の付近に、バックリング時の角出し変形によって破断されるスコア線が、缶蓋の中心とバックリング誘発部とを通る仮想線を横切るように形成されていることを特徴とする缶蓋。
  2. バックリング誘発部が2箇所以上に形成されており、各バックリング誘発部での角出し変形の容易性に強度差が設けられていて、各バックリング誘発部のうちの角出し変形の容易性が比較的小さいバックリング誘発部に対してスコア線が形成されていることを特徴とする請求項に記載の缶蓋。
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