JP2012178297A - 光電変換素子および光電変換素子モジュール - Google Patents

光電変換素子および光電変換素子モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】FF、短絡電流値、および開放電圧値を効果的に向上させることができる光電変換素子および光電変換素子モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の光電変換素子は、透光性基板と支持基板とが封止材により固定されたものであって、該透光性基板上に形成された透明導電層と、該透明導電層上に形成された光電変換層と、支持基板に接するかまたは離間して設けられた対極導電層と、該透明導電層と電気的に接続された光電変換層側端部電極と、対極導電層と電気的に接続された対極側端部電極とを有し、透明導電層、光電変換層、および対極導電層は、キャリア輸送材料を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子および光電変換素子モジュールに関する。
化石燃料に代るエネルギー源として、太陽光を電力に変換する太陽電池が注目されている。現在、結晶系シリコン基板を用いた太陽電池や、薄膜シリコン太陽電池が実用化されている。しかし、前者の太陽電池は、シリコン基板の作製コストが高いという問題があり、後者の薄膜シリコン太陽電池は、多種の半導体製造用ガスや複雑な装置を用いる必要があるために製造コストが高くなるという問題がある。このため、いずれの太陽電池も光電変換の高効率化による発電出力当たりのコストを低減する努力が続けられているが、上記の問題を解決するには至っていない。
さらに、新しいタイプの太陽電池として、金属錯体の光誘起電子移動を応用した光電変換素子が提案されている(たとえば、特許文献1)。この光電変換素子は、2枚のガラス基板の間に、光増感色素を吸着させて可視光領域に吸収スペクトルをもたせた光電変換層と電解液とを挟持した構造を有する。上記の2枚のガラス基板はそれぞれ、第1電極および第2電極が形成されている。
そして、第1電極側から光を照射すると、光電変換層に電子が発生し、発生した電子が一方の第1電極から外部電気回路を通って対向する第2電極に移動する。移動した電子は、電解質中のイオンに運ばれて光電変換層に戻る。このような一連の電子の移動により、電気エネルギーを取り出すことができる。
上記特許文献1に記載の光電変換素子は、2枚のガラス基板の電極間に電解液を注入した構造であるため、小面積の太陽電池の試作は可能であるが、1m角のような大面積の太陽電池を作製することは困難である。すなわち、1つの太陽電池セルの面積を大きくすると、発生電流は面積に比例して増加するが、第1電極の面内方向の抵抗が増大し、それに伴って太陽電池としての内部直列電気抵抗が増大する。その結果、光電変換時の電流電圧特性における曲線因子(FF:フィルファクタ)が低下するという問題が起こる。
かかるFFの低下を防止するための試みとして、特許文献2には、第1電極102上に集電電極103を形成した色素増感太陽電池が提案されている。図8(a)は、特許文献2の色素増感太陽電池の上面図であり、図8(b)は、特許文献2の色素増感太陽電池をA−Aで切断したときの断面図である。
特許文献2の色素増感太陽電池は、図8(b)に示されるように、第1電極102上の同一平面内に複数の短冊状の光電変換層104が形成されたものである。そして、かかる光電変換層104の間に、金と銀の合金からなる格子状の集電電極103を形成されている。かかる集電電極103を形成することにより、電気抵抗を低減することができ、もって飛躍的にFFが向上するとともに短絡電流密度を向上させることができる。
また、特許文献2とは別のFFの低下を防止する試みとして、特許文献3には、図9(a)および図9(b)に示される色素増感太陽電池が提案されている。図9(a)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の模式的な断面図であり、図9(b)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の別の形態の模式図である。
特許文献3の色素増感太陽電池は、図9(a)に示されるように、第1電極201上に光電変換層203を形成し、該光電変換層203上(すなわち、光電変換層203の第1電極201と接触する面の反対面)に、集電電極204を形成したものである。また、特許文献3に開示される別の形態の色素増感太陽電池として、図9(b)に示されるように、集電電極204をライン状や格子状に形成し、電解質の移動の妨げとならない形状も提案されている。このようにして5cm角の光電変換層203上に集電電極204を形成することにより、飛躍的にFFが向上し、短絡電流密度を向上させることができる。
特許第2664194号公報 特開2003−203681号公報 特許第4474691号公報
しかしながら、特許文献2に示されるように集電電極の形状を変えても、FFの上限は0.66〜0.67程度に留まり、さらなるFFの向上は望めなかった。また、特許文献3の色素増感太陽電池は、集電電極204の材料によっては、集電電極204からのリーク電流が大きくなり、開放電圧が低下する問題があり、結果的に変換効率が向上しない問題があった。
また、特許文献3の色素増感太陽電池において、光電変換層203の膜厚によっては、集電電極204の設置による効果がほとんど得られない問題があった。これは、光を照射したときに光電変換層203の膜厚方向に電子の分布が生じ、受光面から膜厚方向に向かって電子の分布が小さくなるが、その部分に集電電極204を設置しても、集電による効果が得られないためである。
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、FF、短絡電流値、および開放電圧値を効果的に向上させることができる光電変換素子および光電変換素子モジュールを提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、光電変換素子および光電変換素子モジュールにおいて、光電変換層の長手方向部分に端部電極を形成することにより、FFを向上させることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の光電変換素子は、透光性基板と支持基板とが封止材により固定されたものであって、該透光性基板上に形成された透明導電層と、該透明導電層上に形成された光電変換層と、支持基板に接するかまたは離間して設けられた対極導電層と、該透明導電層と電気的に接続された光電変換層側端部電極と、対極導電層と電気的に接続された対極側端部電極とを有し、透明導電層、光電変換層、および対極導電層は、キャリア輸送材料を含むことを特徴とする。
上記の光電変換層側端部電極のシート抵抗は、透明導電層のシート抵抗以下であることが好ましく、対極側端部電極のシート抵抗は、対極導電層のシート抵抗以下であることが好ましい。
光電変換層側端部電極と透明導電層との間、または対極側端部電極と対極導電層との間のいずれか一方もしくは両方に、さらに導電性材料からなる導電膜を備えることが好ましい。
光電変換層側端部電極または対極側端部電極の少なくとも一部は、多孔性絶縁層に接することが好ましい。透明導電膜と光電変換層側端部電極との間、または対極導電層と対極側端部電極との間の少なくとも一部に絶縁層を有することが好ましい。
光電変換層の幅は、6mm以下であることが好ましく、光電変換層の長さは、5cm以下であることが好ましい。
光電変換層側端部電極または対極側端部電極は、チタン、ニッケル、タングステン、タンタルから選択された1種以上の金属材料を含むことが好ましい。
本発明は、2以上の光電変換素子を電気的に直列に接続されてなる光電変換素子モジュールでもあり、該光電変換素子モジュールを構成する光電変換素子の少なくとも1つは、上記の光電変換素子であることを特徴とする。本発明の光電変換素子モジュールは、上記の光電変換素子を直列に接続されてなるものである。
本発明によれば、FF、短絡電流値、開放電圧値を効果的に向上させることができ、変換効率の高い光電変換素子および光電変換素子モジュールを提供することができる。
(a)は、本発明の光電変換素子の上面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をA−Aで切断したときの断面図である。 (a)は、本発明の光電変換素子をある一方の面で切断したときの断面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をB−Bで切断したときの断面図である。 (a)は、本発明の光電変換素子をある一方の面で切断したときの断面図であり、(b)は、(a)の光電変換素子をC−Cで切断したときの断面図である。 本発明の光電変換素子の上面図である。 本発明の光電変換層の幅を変更したときのFFの変化を示したグラフである。 本発明の光電変換層の長さを変更したときのFFの変化を示したグラフである。 本発明の光電変換素子モジュールの構造の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、特許文献2に示される色素増感太陽電池モジュールの上面図であり、(b)は、(a)の色素増感太陽電池モジュールをA−Aで切断したときの断面図である。 (a)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の模式的な断面図であり、(b)は、特許文献3に示される色素増感太陽電池の別の形態の模式的な断面図である。
以下、本発明の光電変換素子および光電変換素子モジュールについて図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表わすものではない。
<光電変換素子>
本発明の光電変換素子の構成例を、図1〜図3を用いて以下の実施の形態1〜3で説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の光電変換素子の構造の一例を模式的に示す上面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−Aで切断したときの断面図である。本実施の形態の光電変換素子10は、図1(a)に示されるように、透光性基板1の両端であって、光電変換層3に被らない位置に、光電変換層側端部電極8および対極側端部電極8’を備えることを特徴とする。図1(a)におけるA−Aの断面を図解すると、図1(b)のような断面の光電変換素子となる。
本実施の形態の光電変換素子10は、図1(b)に示されるように、透光性基板1と支持基板7とが封止材9により固定されたものであり、透光性基板1上に形成された透明導電層2と、該透明導電層2上に形成された光電変換層3と、支持基板7に接するかまたは離間して設けられた対極導電層6と、透明導電層2および封止材9と電気的に接続された光電変換層側端部電極8と、対極導電層6と電気的に接続された対極側端部電極8’とを有し、透明導電層2、光電変換層3、および対極導電層6は、キャリア輸送材料を含むことを特徴とする。
ここで、光電変換層3は、多孔性半導体に光増感剤が吸着されたものである。また、対極導電層6上には、触媒層5が設けられている。また、光電変換層3と触媒層5との間にも、キャリア輸送材料4が充填されている。以下においては、本実施の形態の光電変換素子10を構成する各部を説明する。
≪透光性基板≫
本発明において、透光性基板1は、少なくとも受光面となる部分は光透過性が必要となるため、光透過性の材料からなる必要がある。ただし、後述する色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料であればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。かかる透光性基板1は、その厚みが0.2〜5mm程度であることが好ましい。
このような透光性基板1を構成する材料としては、一般に太陽電池に使用されている材料であれば特に限定されず、たとえばソーダガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラスなどのガラス基板、可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板などを用いることができる。かかる可撓性フィルムとしては、たとえばテトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂、テフロン(登録商標)などを挙げることができる。
透光性基板1上に加熱を伴って他の部材を形成する場合、すなわちたとえば、透光性基板上に250℃程度の加熱を伴って多孔性半導体からなる光電変換層3を形成する場合は、250℃以上の耐熱性を有するテフロン(登録商標)を用いることが特に好ましい。また、透光性基板1は、他の構造体に取り付けるときの基体として利用することができる。すなわち、透光性基板1の周辺部に対し、金属加工部品とねじを用いることにより、他の構造体に容易に取り付けることができる。
≪透明導電層≫
本発明において、透明導電層2は、後述する光増感剤に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させ得る材料であればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。このような材料としては、たとえばインジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、タンタルあるいはニオブをドープした酸化チタンなどを挙げることができる。
かかる透明導電層2は、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により、透光性基板1上に形成することができる。透明導電層2の膜厚は、0.02〜5μm程度であり、その膜抵抗は低いほど好ましく、40Ω/sq以下がより好ましい。
透光性基板1としてソーダ石灰フロートガラスを用いる場合は、透光性基板1上に、FTOからなる透明導電層を積層することが特に好ましく、市販品の透明導電層付きの透光性基板を用いてもよい。
≪光電変換層≫
本発明において、光電変換層3は、光増感剤を吸着した多孔性半導体からなるものであり、キャリア輸送材料4が層内外を移動することができるものである。図4は、本発明の光電変換素子の構造の一例を模式的に示す上面図である。本発明の光電変換素子において、図4に示されるように、一方の光電変換層側端部電極8から他方の光電変換層側端部電極8までの方向を長さ方向とし、光電変換層の長さ方向に垂直に交わる方向を幅方向とすると、光電変換層の幅は、6mm以下であることが好ましい。図5は、酸化チタンからなる光電変換層の幅を変化させたときのフィルファクタの値を示すグラフである。図5に示されるグラフの結果から明らかなように、光電変換層3の奥行き(幅)が6mmを超えると、光電変換素子のフィルファクタが低下するため好ましくない。
また、光電変換層の長さは、5cm以下であることが好ましい。図6は、酸化チタンからなる光電変換層の長さを変化させたときのフィルファクタの値を示すグラフである。図6に示されるグラフの結果から明らかなように、光電変換層3の長さが5cmを超えると、光電変換素子のフィルファクタが低下するため好ましくない。
これは、光電変換層3の長さが5cmを超えると、光電変換層側端部電極8および対極側端部電極8’によるフィルファクタの向上効果が小さくなり、また光電変換層3の幅が6mmを超えても、透明導電膜の抵抗が大きくなることにより、光電変換層側端部電極8および対極側端部電極8’の効果が小さくなるためである。以下に、多孔性半導体および光増感剤についてそれぞれ説明する。
(多孔性半導体)
光電変換層3を構成する多孔性半導体は、一般に光電変換材料に使用されるものであればその種類は特に限定されず、たとえば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2、SrCu22などの半導体およびこれらの組み合わせを用いることができる。これらの中でも、安定性および安全性の点から、酸化チタンを用いることが特に好ましい。
多孔性半導体に好適に用いられる酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタンおよび水酸化チタン、含水酸化チタン等を挙げることができ、これらを単独または混合物を用いることができる。アナターゼ型とルチル型との2種類の結晶系酸化チタンは、その製法や熱履歴によりいずれの形態にもなり得るが、多孔性半導体を構成する酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタンの含有率が高いことが好ましく、80%以上のアナターゼ型酸化チタンを含むことがより好ましい。
多孔性半導体は、単結晶および多結晶のいずれによって形成されてもよいが、安定性、結晶成長の容易さ、製造コストなどの観点から、多結晶であることが好ましい。また、多孔性半導体は、ナノスケールからマイクロスケールの半導体微粒子によって構成されることが好ましく、より好ましくは、酸化チタンの微粒子を用いることである。かかる酸化チタンの微粒子は、気相法、液相法(水熱合成法、硫酸法)など公知の方法により製造することができる。また、デグサ(Degussa)社が開発した塩化物を高温加水分解することによっても得ることができる。
また、多孔性半導体を構成する半導体微粒子としては、同一の組成からなる半導体化合物を用いてもよいし、2種類以上の異なる組成の半導体化合物を混合して用いてもよい。また、半導体微粒子の粒子サイズとしては、100〜500nm程度の平均粒子径のものを用いてもよいし、5nm〜50nm程度の平均粒子径のものを用いてもよいし、これらの半導体微粒子を混合したものを用いてもよい。100〜500nm程度の粒子径の半導体微粒子は、入射光を散乱させ光捕捉率の向上に寄与し、5nm〜50nm程度の平均粒子径の半導体微粒子は、吸着点をより多くして色素の吸着量の向上に寄与するものと考えられる。
異なる粒子径の半導体微粒子を2種以上混合して多孔性半導体を構成する場合は、粒子径が小さい半導体微粒子の平均粒子径が、粒子径が大きい半導体微粒子の平均粒子径の10倍以上であることが好ましい。2種以上の半導体微粒子を混合する場合、吸着作用の強い半導体化合物を粒子サイズの小さな半導体微粒子とするのが効果的である。
多孔性半導体の膜厚、すなわち光電変換層3の膜厚は、特に限定されるものではないが、セル間絶縁部の高さと同一であることが好ましく、たとえば0.1〜100μm程度であることが好ましい。多孔性半導体は、その表面積が大きなものが好ましく、たとえば10〜200m2/g程度であることが好ましい。
(光増感剤)
上記の多孔性半導体に吸着される光増感剤は、光電変換素子に入射した光エネルギを電気エネルギに変換するために設けられるものである。このような光増感剤を多孔性半導体に強固に吸着させるためには、光増感剤を構成する分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。ここで、インターロック基とは、一般に、多孔性半導体に色素が固定される際に介在し、励起状態の色素と半導体の伝導帯との間の電子の移動を容易にする電気的結合を提供するものである。
多孔性半導体に吸着される光増感剤としては、可視光領域や赤外光領域に吸収をもつ種々の有機色素の他、金属錯体色素などを用いることができ、これらの色素の1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の有機色素としては、たとえばアゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などを挙げることができる。かかる有機色素の吸光係数は、一般に後述する金属錯体色素の吸光係数に比べて大きい。
上記の金属錯体色素としては、金属原子に遷移金属が配位結合したものである。このような金属錯体色素としては、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ルテニウム系色素などを挙げることができる。金属錯体色素を構成する金属原子としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどを挙げることができる。中でも、フタロシアニン系色素、ルテニウム系色素に金属が配位したものが好ましく、ルテニウム系金属錯体色素が特に好ましい。
特に、次式(1)〜(3)で表されるルテニウム系金属錯体色素が好ましい。市販のルテニウム系金属錯体色素としては、たとえば、Solaronix社製の商品名Ruthenium535色素、Ruthenium535−bisTBA色素、Ruthenium620−1H3TBA色素などを挙げることができる。
Figure 2012178297
Figure 2012178297
Figure 2012178297
≪キャリア輸送材料≫
本発明において、図1に示される光電変換素子において、キャリア輸送材料4は、図1に示されるように、透明導電層2、対極導電層6、および封止材9によって囲まれた領域、ならびに光電変換層3および触媒層5に充填されている。
本発明の光電変換素子は、図1に示されるものに限られるものではなく、図2および図3に示される光電変換素子の構造であってもよい。図2に示される光電変換素子も、図1に示される光電変換素子と同様に、キャリア輸送材料は、透光性基板11、透明導電層12、支持基板17、および封止材19によって囲まれる領域、ならびに光電変換層13、触媒層15および多孔性絶縁層101に充填される。なお、本明細書においては、便宜的に他の構成要素が介在せず、キャリア輸送材料のみで満たされている領域を、キャリア輸送材料14とする。図2および図3に示される光電変換素子は、後述する。
このようなキャリア輸送材料は、イオンを輸送できる導電性材料で構成されるものであり、好適な材料としては、液体電解質、固体電解質、ゲル電解質、溶融塩ゲル電解質などを用いることができる。
液体電解質は、酸化還元種を含む液状物であればよく、一般に太陽電池の分野に使用されるものであれば特に限定されず、たとえば酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶融塩からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤と溶融塩からなるものを用いることができる。
酸化還元種としては、たとえば、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系などを挙げることができ、具体的には、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとI2の組み合わせが特に好ましい。
また、酸化還元種の溶剤としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、水、非プロトン極性物質などが挙げられる。これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
固体電解質は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料で、太陽電池の電解質として用いることができ、流動性がないものであればよい。具体的には、ポリカルバゾールなどのホール輸送材、テトラニトロフロオルレノンなどの電子輸送材、ポリロールなどの導電性ポリマー、液体電解質を高分子化合物により固体化した高分子電解質、ヨウ化銅、チオシアン酸銅などのp型半導体、溶融塩を含む液体電解質を微粒子により固体化した電解質などが挙げられる。
ゲル電解質は、通常、電解質とゲル化剤からなる。ゲル化剤としては、たとえば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体や架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコーン樹脂類、側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などが挙げられる。
溶融塩ゲル電解質は、通常、上記のようなゲル電解質と常温型溶融塩からなる。常温型溶融塩としては、たとえば、ピリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類などが挙げられる。
上記の電解質には、必要に応じて添加剤を加えてもよい。添加剤としては、t-ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩が挙げられる。
電解質中の電解質濃度は、0.001mol/L以上1.5mol/L以下の範囲が好ましく、0.01mol/L以上0.7mol/L以下の範囲がより好ましい。ただし、色素増感太陽電池モジュールにおいて、支持基板7が受光面となる場合、入射光が電解液を通して光電変換層3に達し、キャリアが励起されることになる。そのため、電解質濃度により、太陽電池の性能が低下する場合があるので、この点を考慮して電解質濃度を設定するのが好ましい。
≪封止材≫
本発明において、封止材9は、透光性基板1と支持基板7とを結合させるために設けられるものである。このような封止材9は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラス系材料などからなることが好ましく、これらの2種類以上を用いて積層構造にしてもよい。
封止材9を構成する材料としては、たとえば、スリーボンド社製、型番:31X−101や、スリーボンド社製、型番:31X−088や一般に市販されているエポキシ樹脂などを挙げることができる。シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスフリットを用いて封止材9を形成する場合は、ディスペンサーを用いて形成することが好ましく、ホットメルト樹脂を用いて封止材9を形成する場合は、シート状のホットメルト樹脂にパターニングした穴を開けることにより形成することができる。
≪光電変換層側端部電極≫
本発明において、光電変換層側端部電極8は、光電変換層3に電気的に接続して形成されるものであり、透明導電層2および封止材9に接して設けられるものである。このような光電変換層側端部電極8を設けることにより、セルの内部抵抗を低減することができる。
かかる光電変換層側端部電極8は、導電性を有するものであれば特に限定されず、光透過性を有していても有していなくてもよいが、光電変換層3側が受光面となる場合は、透光性を有することが好ましい。光電変換層側端部電極8を構成する材料としては、たとえばインジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化錫にフッ素をドープしたもの(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などを用いることができる他、チタン、ニッケル、タンタルなど、電解液に対して腐食性を示さない金属を用いてもよい。このような材料からなる光電変換層側端部電極8は、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により形成することができる。このような光電変換層側端部電極8は、透明導電層2と同時に形成してもよいし、透明導電層2を形成する前後に形成してもよい。
光電変換層側端部電極8の膜厚は、0.02μm〜5μm程度が適当であり、膜抵抗としては低いほど好ましい。そして、光電変換層側端部電極8のシート抵抗は、透明導電層2のシート抵抗以下であることが好ましい。これによりセルの内部抵抗を低減することができる。ただし、光電変換層側端部電極8が透明導電層2の表面に形成される場合は、光電変換層側端部電極8に透明導電層2も含めたシート抵抗を光電変換層側端部電極8のシート抵抗とすることができる。
≪対極側端部電極≫
本発明において、対極側端部電極8’は、対極導電層6に電気的に接続された部分に形成されるものであり、対極導電層6および封止材9に接して設けられるものである。このような対極側端部電極8’を設けることにより、セルの内部抵抗を低減することができる。
かかる対極側端部電極8’の組成、構造および形成方法は、上記の光電変換層側端部電極8の組成、構造および形成方法と同様のものとすることができる。対極側端部電極8’のシート抵抗は、対極導電層6のシート抵抗以下であることが好ましい。これにより対極側端部電極8’によるフィルファクタの向上効果を効果的にすることができる。ただし、対極側端部電極8’が対極導電層6の表面に形成される場合は、対極側端部電極8’に対極導電層6も含めたシート抵抗を対極側端部電極8’のシート抵抗とすることができる。
≪支持基板≫
本発明において、支持基板7は、キャリア輸送材料4を内部に保持し、かつ外部からの水などの浸入を防ぐことができるものを用いる必要がある。このような支持基板7が受光面となる場合は、透光性基板1と同様の光透過性が必要となるため、透光性基板1と同様の材料を用いる必要がある。光電変換素子を屋外に設置する場合を考慮すると、支持基板7は、強化ガラスなどを用いることが好ましい。
ここで、支持基板7(表面に触媒層や対極導電層が形成される場合これらも含む)は、透光性基板1上に形成された光電変換層3とは接触しないことが好ましい。これにより光電変換素子の内部に十分な量のキャリア輸送材料を保持することができる。このような支持基板7は、キャリア輸送材料を注入するための注入口を備えることが好ましい。かかる注入口から真空注入法や真空含浸法などを用いてキャリア輸送材料を注入することができる。また、支持基板7と透光性基板1上に形成された光電変換層3とが接触していないことにより、注入口からキャリア輸送材料を注入するときの注入速度を速くすることができる。このため、光電変換素子および光電変換素子モジュールの製造タクトを向上させることができる。
≪対極導電層≫
本発明において、対極導電層6は、導電性を有するものであれば特に限定されず、光透過性を必ずしも有していなくてもよい。ただし、透光性基板を受光面にする場合は、透明導電層と同様に光透過性を有する必要がある。
上記の対極導電層6を構成する材料としては、たとえば、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化錫にフッ素をドープしたもの(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などを用いることができる他、チタン、ニッケル、タンタルなど、電解液に対して腐食性を示さない金属を用いてもよい。このような材料からなる対極導電層6は、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により形成することができる。
対極導電層6の膜厚は、0.02μm〜5μm程度であることが好ましく、対極導電層6の膜抵抗は低いほどよく、40Ω/sq以下が好ましい。
≪触媒層≫
本発明において、触媒層5は、対極導電層6に接して設けられることが好ましい。このような触媒層5は、その表面で電子の受け渡しができる材料であれば特に限定されずいかなるものをも用いることができ、たとえば白金、パラジウムなどの貴金属材料、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレンなどのカーボン系材料などを挙げることができる。
(実施の形態2)
図2(a)は、本発明の光電変換素子の構造の一例を模式的に示す断面図であり、図2(b)は、図2(a)におけるB−Bで切断したときの断面図である。本実施の形態の光電変換素子は、図2に示される形態のものであってもよい。
本実施の形態の光電変換素子は、図2(a)および図2(b)に示されるような形態のものであってもよい。すなわち、本実施の形態の光電変換素子は、図2(b)に示されるように、透光性基板11と支持基板17とが封止材19により固定されたものであり、透光性基板11上に形成された透明導電層12と、該透明導電層12上に形成された光電変換層13とを有するものである。
そして、透明導電層12には、スクライブライン12’が設けられており、該スクライブライン12’上および光電変換層13上には、多孔性絶縁層101が設けられ、該多孔性絶縁層101上に触媒層15および対極導電層16が設けられている。また、支持基板17が封止材19によって透光性基板11に接合されている。該支持基板17と封止材19と透光性基板11によって囲まれた領域にキャリア輸送材料14が充填されており、該キャリア輸送材料14は、光電変換層13、多孔性絶縁層101、および触媒層15の空隙にも充填されている。
本実施の形態の光電変換素子20は、封止材19と光電変換層13との間に光電変換層側端部電極18が設けられ、封止材19と対極導電層16との間に対極側端部電極18’が設けられている。本実施の形態に用いる各部は、上述の実施の形態1で用いたものと同様のものを用いることができる。よって、以下においては、実施の形態1で用いていない多孔性絶縁層を説明する。
≪多孔性絶縁層≫
本発明において、多孔性絶縁層101は、光電変換層13から対極導電層16へのリーク電流を低減するために設けられるものである。かかる多孔性絶縁層101を構成する材料としては、たとえば、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、シリカガラス、ソーダガラスなどの酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられ、これらの材料の1種または2種以上を選択的に用いることができる。多孔性絶縁層101に用いられる材料は、粒子状であるのが好ましく、その平均粒径は5〜500nmであることがより好ましく、さらに好ましくは10〜300nmである。また、粒径が100nm〜500nmの酸化チタンまたはルチル型酸化チタンを好適に用いることができる。
≪対極導電層≫
本実施の形態において、対極導電層16は、実施の形態1で挙げた対極導電層の材料および構造を用いることができるが、それに加えて対極導電層16をキャリア輸送材料が容易に通過できるように、対極導電層16に複数の小孔を形成することが好ましい。
かかる小孔は、対極導電層16に対し、物理接触やレーザー加工をすることによって形成することができる。小孔の大きさは、0.1〜100μm程度が好ましく、1〜50μm程度がより好ましい。小孔間の間隔は1〜200μm程度であることが好ましく、10〜300μm程度であることがより好ましい。また、対極導電層16にストライプ状の開口部を形成することによっても同様な効果が得られる。ストライプ状の開口部は、1μm〜200μm程度の間隔であることが好ましく、より好ましくは10μm〜300μm程度の間隔である。
(実施の形態3)
図3(a)は、本発明の光電変換素子の構造の一例を模式的に示す断面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるC−Cで切断したときの断面図である。本実施の形態の光電変換素子は、図3に示される形態のものであってもよい。図3に示される光電変換素子は、実施の形態2の光電変換素子に対し、光電変換層側端部電極と対極側端部電極との間にセル間絶縁層を設けたことが異なる他は同一のものである。
すなわち、本実施の形態の光電変換素子は、透光性基板21と、該透光性基板21上に形成された透明導電層22と、該透明導電層22上に形成された光電変換層23と、該光電変換層23上に形成された多孔性絶縁層201と、多孔性絶縁層201上に形成された触媒層25と、触媒層25上に形成された対極導電層26とを有するものである。
また、透光性基板21上に設けられた透明導電層22が封止材29によって光電変換層側端部電極28に接合されており、支持基板27が封止材29によって対極側端部電極28’に接合されている。該支持基板17と封止材19と透光性基板11によって囲まれた領域にキャリア輸送材料14が充填されており、該キャリア輸送材料14は、光電変換層13、多孔性絶縁層101、および触媒層15の空隙にも充填されている。本実施の形態に用いる各部は、上述の実施の形態1、2で用いたものと同様のものを用いることができる。よって、以下においては、実施の形態1で用いていない絶縁層を説明する。
≪絶縁層≫
本実施の形態で用いられる絶縁層202は、光電変換層側端部電極28と対極側端部電極28’とを絶縁するために、光電変換層側端部電極28と対極側端部電極28’との間に設けられるものである。
上記の絶縁層202を形成する材料は、光電変換層側端部電極28と対極側端部電極28’とを電気的に絶縁できる材料であればよく、その内部構造は緻密であることが好ましい。このような絶縁層202を構成する材料としては、たとえばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラス系材料などを挙げることができ、これらの2種類以上を用いて複数層構造にしてもよい。
ただし、多孔性半導体を形成する前に絶縁層202を形成する場合、絶縁層202は、多孔性半導体の形成時の加熱温度に対する耐熱性を有する必要がある。また、透光性基板1を受光面とする場合、絶縁層202も紫外線に照射されることになるため、紫外線に対する耐光性が必要となる。以上のような観点から、絶縁層202としては、ガラス系材料を用いることがより好ましく、さらに好ましくは、ビスマス系ガラスペーストを用いることである。
上記で挙げたガラス系材料としては、たとえば、ガラスペーストやガラスフリットとして市販されているものがあるが、キャリア輸送材料との反応性や環境問題を考慮すれば、鉛フリーの材料であることが好ましい。さらに、ガラス材料からなる透光性基板1上に絶縁層202を形成する場合、550℃以下の焼成温度で形成されることが好ましい。以下においては、各部の製造方法を説明する。
≪多孔性半導体の形成方法≫
透光性基板1上に光電変換層3を構成する多孔性半導体を形成する。多孔性半導体を形成する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。すなわちたとえば、半導体微粒子を適当な溶剤に懸濁した懸濁液を、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法を用いて所定の場所に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことによって形成される。
封止材9によって分割される領域に光電変換層3を形成したい場合は、懸濁液の粘度を低く調整し、これをディスペンサーなどから封止材9によって分割される領域に塗布することが好ましい。これによりペーストの自重で当該領域の端部まで広がり容易にレベリングする。
懸濁液に用いる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエンなどのアルコール系混合溶剤、水などを挙げることができる。また、このような懸濁液の代わりに市販の酸化チタンペースト(たとえば、Solaronix社製、Ti−nanoxide、T、D、T/SP、D/SP)を用いてもよい。
このようにして得られた懸濁液を透明導電層2上に塗布した上で、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことにより、透明導電層2上に多孔性半導体を形成する。懸濁液を塗布する方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法を用いることができる。
ここで、多孔性半導体を乾燥および焼成するために必要な条件(温度、時間、雰囲気など)は、半導体微粒子の種類に応じて適宜設定すればよく、たとえば、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で乾燥および焼成することが好ましく、50〜800℃程度の範囲で10秒〜12時間程度行なうことが好ましい。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行なってもよい。
多孔性半導体は、複数層を積層したものであってもよい。多孔性半導体を積層させるためには、異なる半導体微粒子の懸濁液を調製し、塗布、乾燥、および焼成の少なくともいずれかの工程を2回以上繰り返すことが好ましい。
このようにして多孔性半導体を形成した後、半導体微粒子同士の電気的接続を向上させるために、後処理を行なうことが好ましい。たとえば、多孔性半導体が酸化チタンからなる場合は、四塩化チタン水溶液で後処理することによって、多孔性半導体の性能を向上させることができる。また、多孔性半導体の表面積を増加させたり、半導体微粒子上の欠陥準位を低減させたりしてもよい。
≪多孔性絶縁層の形成≫
次に、光電変換層13上に多孔性絶縁層101を形成する。かかる多孔性絶縁層101は、上述の多孔性半導体と同様の方法を用いて形成することができる。すなわち、上記微粒子状の絶縁物を適当な溶剤に分散し、さらにエチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)などの高分子化合物を混合してペーストを作製する。このようにして得られたペーストを光電変換層13上に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なう。これにより、光電変換層13上に多孔性絶縁層101を形成することができる。
(光増感剤の吸着)
次に、多孔性半導体に光増感剤を吸着させることにより、光電変換層3を作製する。光増感剤を吸着させる方法としては特に限定されず、たとえば、多孔性半導体を上述の色素吸着用溶液に浸漬する方法を用いることができる。この際、色素吸着用溶液を多孔性半導体内の微細孔奥部まで浸透させるために、色素吸着用溶液を加熱してもよい。
光増感剤を溶解させる溶剤としては、光増感剤を溶解するものであればよく、たとえば、アルコール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。かかる溶剤は、精製されたものを用いることが好ましく、2種類以上を混合して用いてもよい。
色素吸着用溶液に含まれる色素の濃度は、使用する色素、溶剤の種類、色素吸着工程などの条件に応じて適宜設定することができるが、吸着機能を向上させるためには、高濃度であることが好ましく、たとえば、1×10-5mol/L以上であることが好ましい。色素吸着用溶液の調製においては、色素の溶解性を向上させるために加熱してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、各層の膜厚は、特に断りのない限り、表面粗さ形状測定機(株式会社東京精密製、商品名:サーフコム1400A)を用いて測定した値である。
<実施例1>
本実施例では、図1(a)および(b)に示される光電変換素子を作製した。まず、10mm×40mm×厚さ1.0mmの透明電極基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス、シート抵抗:10.5Ω/□)を用意した。該透明電極基板は、ガラスからなる透光性基板1上に、SnO2からなる透明導電層2が成膜されたものである。
かかる透明電極基板の透明導電層2上に、5mm×30mmのパターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型番:LS−150)を用いて、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名:D/SP)を塗布し、室温で1時間レベリングを行なった。
その後、酸化チタンペーストの塗膜を80℃に設定したオーブンで20分間乾燥した。さらに、上記塗膜を500℃に設定した焼成炉(株式会社デンケン製、型番:KDF P−100)を用いて空気中で60分間焼成した。上記と同様に、酸化チタンペーストの塗布および焼成を各4回ずつ繰り返すことにより、膜厚25μmの多孔性半導体を作製した。
次に、多孔性半導体の両端であって、かつ透明導電層2の上部に蒸着機を用いて、5mm×10mmのチタンからなる光電変換層側端部電極8を形成した。該光電変換層側端部電極8は、その膜厚が1μmであり、シート抵抗は1.1Ω/□であった。
次いで、体積比1:1のアセトニトリルとt−ブタノールとの混合溶剤に対し、上記式(2)の色素(Solaronix社製、商品名:Ruthenium620 1H3TBA)を濃度4×10-4モル/リットルになるように溶解させて色素吸着用溶液を調製した。
この色素吸着用溶液に上記で作製した多孔性半導体を浸漬させて、その状態を室温で100時間保った。その後、多孔性半導体をエタノールで洗浄し、約60℃で約5分間乾燥させることにより、多孔性半導体に色素を吸着させた。このようにして色素が吸着した多孔性半導体からなる光電変換層3を作製した。
支持基板7としては、上記の透明電極基板と同様のものを用いた。すなわち、ガラスからなる支持基板7の表面に、SnO2からなる対極導電層6が成膜されたものである。この対極導電層6上に、上記の光電変換層側端部電極8と同形状の対極側端部電極8’を形成した。
次いで、光電変換層3の周囲を囲うように切り出した熱融着フィルム(デュポン社製、ハイミラン1702)を貼り合わせた。この熱融着フィルム上に、対極導電層6が形成された支持基板7を貼り合わせて、約100℃に設定したオーブンで10分間加熱することによりこれらを圧着した。この熱融着フィルムが封止材9となる。
次いで、支持基板7に設けられた電解液注入用孔から予め調製しておいたキャリア輸送材料を注入した。そして、電解液注入用孔を紫外線硬化樹脂(スリーボンド社製、型番:31X−101)229を用いて封止することにより、本実施例の光電変換素子(単セル)を完成した。得られた光電変換素子10の透光性基板1上にAgペースト(藤倉化成株式会社製、商品名:ドータイト)を塗布して、集電電極部を形成した。
上記キャリア輸送材料は、アセトニトリルを溶剤として、酸化還元種としてLiI(アルドリッチ社製)が濃度0.1モル/リットル、I2(キシダ化学社製)が濃度0.01モル/リットルになり、さらに添加剤としてt−ブチルピリジン(アルドリッチ社製)が濃度0.5モル/リットル、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(四国化成工業社製)が濃度0.6モル/リットルになるように調整したものを用いた。
<実施例2〜3>
実施例1に対し、光電変換層側端部電極8および対極側端部電極8’が異なる他は、同様の方法によって、本実施例の光電変換素子を作製した。すなわち、実施例2では、1mm×10mmで2μmの膜厚のチタン(シート抵抗:0.71Ω/□)からなる光電変換層側端部電極8および対極側端部電極8’を形成した。また、実施例3では、1mm×10mmで0.5μmの膜厚のチタン(シート抵抗:2.3Ω/□)からなる光電変換層側端部電極8および対極側端部電極8’を形成した。
<比較例1>
実施例1に対し、透光性基板1および支持基板7の大きさを10mm×30mmとし、光電変換層側端部電極8および対極側端部電極8’を形成しなかったことを除いては、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
<実施例4>
本実施例では、図2(a)および(b)に示される光電変換素子を作製した。まず、15mm×40mm×厚さ1.0mmの透明電極基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス)を用意した。該透明電極基板は、ガラスからなる透光性基板11上に、フッ素をドーピングしたSnO2からなる透明導電層12が成膜されたものである。
上記の透明電極基板の透明導電層12をレーザースクライブによって切断することによりスクライブライン12’を形成した。そして、実施例1と同様の方法によって透明導電層2上に、25μmの膜厚の多孔性半導体を作製した。次いで、上記のスクライブライン12’の光電変換層13側に実施例1と同様の方法によって光電変換層側端部電極8を形成した。
次いで、7mm×38mmのパターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機を用いて、多孔性半導体上に平均粒子経50nmのジルコニア粒子を含むペーストを塗布した。該ペーストを500℃の温度で60分間焼成を行なうことにより、平坦部分の膜厚が13μmの多孔性絶縁層101を形成した。
そして、多孔性絶縁層101上に多孔性半導体と位置および大きさが同じになるように、実施例1と同様の方法を用いてPtからなる触媒層15を形成した。そして、触媒層15およびその周辺部分上に、9mm×36mmの大きさのチタンを蒸着することで、対極導電層16および対極側端部電極8’を同時に形成した。
次に、実施例1と同様の方法によって多孔性半導体に色素を吸着させることにより、光電変換層13を作製した。その後、11mm×40mmの大きさのガラス基板を支持基板17として準備した。この支持基板17を熱融着フィルム(デュポン社製、ハイミラン1702)を用いて実施例1と同様の方法によって貼り合わせた。そして、実施例1と同様にしてキャリア輸送材料を注入し、注入口を封止することによって光電変換素子を作製した。
<実施例5>
本実施例では、図3(a)および(b)に示される光電変換素子を作製した。すなわち、実施例4に対し、多孔性絶縁層の大きさを7mm×30mmとし、その両端に7mm×4mmの大きさの絶縁層202を形成したことが異なる他は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。かかる絶縁層202を構成する材料としては、ガラスペーストを用いた。
<比較例2>
実施例4に対し、多孔性絶縁層101上に形成する対極導電層16の大きさを9mm×30mmとして対極側端部電極を形成しなかったことが異なる他は実施例4と同様にして光電変換素子を作製した。
<実施例6>
本実施例では、図7に示される断面であって、図7中のD−Dの断面が、図2(b)の構造となる光電変換素子モジュールを作製した。まず、縦50mm×横37mm×厚さ1.0mmの透明電極基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス)を用意した。該透明電極基板は、ガラスからなる透光性基板1上に、SnO2からなる透明導電層2が成膜されたものである。
上記の透明電極基板の両端から1mmずつの距離の位置に9mm×35mmの大きさの光電変換層側端部電極を作製した。
上記の透明導電層32および光電変換層側端部電極に対し、レーザースクライブによって透明導電層32および光電変換層側端部電極を切断し、縦方向に平行に60μmの幅のスクライブライン32’を形成した。該スクライブラインは透光性基板31の左端部から9.5mmの位置と、そこから7mm間隔で合計4箇所に形成した。
次に、実施例1と同様の方法により、透光性基板31の左端部から6.9mmの位置を中心として25μm、幅5mm、長さ30mmのサイズの多孔性半導体を形成し、その位置から7mmの間隔で同様のサイズの多孔性半導体を3つ形成した。
そして、該多孔性半導体上に、実施例1と同様の方法によって多孔性絶縁層301を作製した。かかる多孔性絶縁層301は、透光性基板31の左端から6.9mmの位置を中心として、幅5.6mm、長さ46mmのサイズで1つ形成した。この左端の多孔性絶縁層301の中心から7mmの間隔で同様のサイズの多孔性絶縁層301を3つ作製した。
次いで、実施例1と同様にして多孔性絶縁層301上にPtからなる触媒層を形成した。触媒層35は、多孔性半導体と同様の位置および大きさとした。そして、実施例1と同様の方法によって、対極導電層36および対極側端部電極を形成した。対極導電層36は、透光性基板の左端部から7.2mmの位置を中心として、幅5.6mm、長さ44mmのサイズで1つ形成し、該左端の多孔性絶縁層301の中心から7mmの間隔で同様の大きさの対極導電層36を3つ形成した。
次に、実施例1で用いた色素吸着用溶液に4つの多孔性半導体を浸漬させて、室温で120時間保持することによって、多孔性半導体に色素を吸着させた。次に、光電変換層33の間および透光性基板31の周囲に、ディスペンサー(EFD社製 ULTRASAVER)を用いて紫外線硬化樹脂(スリーボンド社製 31X−101)を塗布した。そして、縦60mm×横30mmのガラス基板からなる支持基板37を貼り合わせて、紫外線ランプ(EFD社製 NOVACURE)を用いて紫外線を照射した。これにより紫外線工か樹脂を硬化させて封止材39を形成した。
その後、実施例1と同様の方法によってキャリア輸送材料を注入して、注入口を紫外線硬化樹脂で封止することにより本実施例の光電変換素子モジュールを完成した。この光電変換素子モジュールの透光性基板31上にAgペースト(藤倉化成株式会社製、商品名:ドータイト)を塗布することにより、集電電極部41を形成した。
<実施例7>
実施例6に対し、図7のD−Dの断面の構造を図3(b)としたことが異なる他は実施例6と同様の光電変換素子モジュールを作製した。
まず、実施例6と同様の方法によって、光電変換層側端部電極を作製した後に、光電変換層側端部電極の作製に用いたスクリーン印刷版と同形状のスクリーン印刷版を用いて、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型式:LS−34TVA)によって、ガラスペースト(ノリタケカンパニーリミテド製、商品名:ガラスペースト)を塗布した。かかるガラスペーストの塗布膜を、100℃で15分間乾燥させた後、焼成炉を用いて500℃で60分間焼成することにより絶縁部を形成した。その後は、多孔性絶縁層の大きさを幅5.6mm、長さ30mmとしたことが異なる他は、実施例6と同様にして、本実施例の光電変換素子モジュールを作製した。
<比較例3>
実施例6に対し、光電変換層側端部電極を形成しなかったこと、対極導電層の大きさを5.6mm×30mmとしたこと、および対極側端部電極を形成しないことが異なる他は、実施例6と同様の方法によって本実施例の光電変換素子モジュールを作製した。
<実施例1〜5および比較例1〜2の光電変換素子の太陽電池特性>
実施例1〜5および比較例1〜2の光電変換素子に対し、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、太陽電池特性を測定した。以下の表1に短絡電流値Jsc(mA/cm2)、開放電圧Voc(V)、フィルファクタ(FF)、および光電変換効率(%)の測定結果を示す。
<実施例6〜7および比較例3の光電変換素子モジュールの太陽電池特性>
実施例6〜7の色素増感太陽電池モジュールに対し、上記と同様の方法で太陽電池特性を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2012178297
表1において、実施例1〜3の光電変換素子と、比較例1の光電変換素子とを対比すると、光電変換層側端部電極および対極側端部電極を形成することにより、フィルファクタを向上させることができ、もって太陽電池特性を向上させることができることが導かれる。
また、実施例4〜5の光電変換素子と、比較例2の光電変換素子とを対比することからも、上記の実施例1〜3および比較例1の対比と同様の結論を導き出される。さらに、実施例6〜7の色素増感太陽電池モジュールと比較例3のそれとを対比することによっても、上記の実施例1〜3および比較例1の対比と同様の結論を導き出される。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,11,21,31 透光性基板、2,12,22,32 透明導電層、3,13,23,33 光電変換層、4,14 キャリア輸送材料、5,15,25,35 触媒層、6,16,26,36 対極導電層、7,17,27,37 支持基板、8,18,28 光電変換層側端部電極、8’,18’,28’ 対極側端部電極、9,19,29,39 封止材、10,20 光電変換素子、12’,32’ スクライブライン、41 集電電極部、101 多孔性絶縁層、103 集電電極、104 光電変換層、201 多孔性絶縁層、202 絶縁層、203 光電変換層、204 集電電極、301 多孔性絶縁層。

Claims (11)

  1. 透光性基板と支持基板とが封止材により固定された光電変換素子であって、
    前記透光性基板上に形成された透明導電層と、
    前記透明導電層上に形成された光電変換層と、
    前記支持基板に接するかまたは離間して設けられた対極導電層と、
    前記透明導電層と電気的に接続された光電変換層側端部電極と、
    前記対極導電層と電気的に接続された対極側端部電極とを有し、
    前記透明導電層、前記光電変換層、および前記対極導電層は、キャリア輸送材料を含む、光電変換素子。
  2. 前記光電変換層側端部電極のシート抵抗は、前記透明導電層のシート抵抗以下である、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記対極側端部電極のシート抵抗は、前記対極導電層のシート抵抗以下である、請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記光電変換層側端部電極と前記透明導電層との間、または前記対極側端部電極と前記対極導電層との間のいずれか一方もしくは両方に、さらに導電性材料からなる導電膜を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記光電変換層側端部電極または前記対極側端部電極の少なくとも一部は、多孔質絶縁層に接する、請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記透明導電膜と前記光電変換層側端部電極との間、または前記対極導電層と前記対極側端部電極との間の少なくとも一部に絶縁層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 前記光電変換層の幅は、6mm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 前記光電変換層の長さは、5cm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 前記光電変換層側端部電極または前記対極側端部電極は、チタン、ニッケル、タングステン、タンタルから選択された1種以上の金属材料を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子。
  10. 2以上の光電変換素子を電気的に直列に接続されてなる光電変換素子モジュールであって、
    前記光電変換素子の少なくとも1つは、請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子である、光電変換素子モジュール。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子を直列に接続されてなる、光電変換素子モジュール。
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