JP2004055536A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】開放電圧の低下及び暗電流の発生を充分に防止でき、高い光電変換効率を得ることのできる色素増感型太陽電池の提供。
【解決手段】色素増感型太陽電池20は、受光面F2を有する半導体電極2と、受光面F2上に隣接して配置された透明電極1と、対極CEとを有し、半導体電極と対極とが電解質Eを介して対向配置された構成を有する。そしてこの電解質には、サッカリン、サッカリン塩、サッカリン誘導体、及び、サッカリン誘導体塩からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤が含有されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色素増感型太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化やエネルギー問題に対する関心の高まりとともにシリコンpn接合型太陽電池や色素増感型太陽電池等の太陽電池の様々な開発が進められている。その太陽電池の中でも、色素増感型太陽電池はグレッツェルらにより提案されて以来(例えば、特許文献1参照)、使用する材料が安価であること、比較的シンプルなプロセスで製造できること等の利点からその実用化が期待されている。
【0003】
上記特許文献1に記載されているように、従来の色素増感型太陽電池では、I /I等の酸化還元対に加え、光電流を増大させる目的でヨウ化リチウムを支持電解質として電解液中に添加していた。
【0004】
電解液中においてヨウ化リチウムから生じるリチウムカチオンには、負に帯電した半導体電極(光電極)の表面に引き寄せられた際に、その正電荷により半導体電極表面のフェルミ準位を下げる働き(より正の電位の側にシフトさせる働き)があると考えられている。これにより、半導体電極表面のフェルミ準位と増感色素の励起準位との電位差が拡げられ、その結果、色素から酸化物半導体への電子移動が速やかに進行するようになり、光電流が増加すると考えられている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2664194号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電池をはじめとする従来の色素増感型太陽電池のように支持電解質としてヨウ化リチウムを使用すると、開放電圧(最大出力電圧)が低下するという問題があった。開放電圧が低下すると発電時に得られる出力電圧も低下し、充分な光電変換効率を得ることができなくなる。色素増感型太陽電池の開放電圧は半導体電極のフェルミ準位と電解液中の酸化還元対の酸化還元電位との差により決まるが、支持電解質としてヨウ化リチウムを使用すると、先に述べたリチウムカチオンの作用により半導体電極表面のフェルミ準位がシフト(開放電圧が減少する側にシフト)することが上記の問題の大きな要因の1つとして考えられている。
【0007】
そして、上述のように半導体電極表面のフェルミ準位がシフトすると、開放電圧の低下に伴って半導体電極表面又は光励起された増感色素から電解質中へ電子が移動するいわゆる逆電子移動(暗電流)が発生し易くなるという問題もあった。この暗電流が発生すると、発電時に得られる出力電圧及び光電流密度が低下することになる。
【0008】
そこで、上述の開放電圧の低下及びこれに伴う暗電流の発生を抑制する目的で、4−tert−ブチルピリジンなどの添加剤が電解質中に添加される場合がある。この添加剤には、半導体電極表面に配位して、半導体電極表面から電解質中への暗電流の発生を抑制する働きがあると考えられている。しかしながら、本発明者らは、上記目的で従来使用されていた添加剤を添加するだけでは、依然として相当量の暗電流が流れており、充分な光電変換効率が得られず未だ不充分であることを見出した。
【0009】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、開放電圧の低下及び暗電流の発生を充分に防止でき、高い光電変換効率を得ることのできる色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、サッカリン及びサッカリン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を電解質に添加することにより、開放電圧の低下及び暗電流の発生を充分に抑制しつつ増感色素から半導体電極(光電極)表面への光電流密度を増加させることができることを見出し、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極とを有しており、
半導体電極と対極とが増感色素を少なくとも含有する電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、
電解質には、サッカリン、サッカリン塩、サッカリン誘導体、及び、サッカリン誘導体塩からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤が含有されていること、
を特徴とする色素増感型太陽電池を提供する。
【0012】
ここで、本発明において、「サッカリン」とは、サッカリン(サッカリン遊離型)を示す。また、「サッカリン塩」とは、サッカリン分子を構成するイミノ基(−NH−基)に相当する原子団部分の水素原子が金属原子に置換された構造を有する化合物を示す。更に、「サッカリン誘導体」とは、サッカリン分子を構成するo−フェニレン基(−C−基)に相当する原子団部分の4つの水素原子の少なくとも1つが水素原子以外の元素の原子又は他の原子団(官能基)に置換された構造を有する化合物を示す。また、「サッカリン誘導体塩」とは、上記「サッカリン誘導体」分子を構成するイミノ基(−NH−基)に相当する原子団部分の水素原子が金属原子に置換された構造を有する化合物を示す。
【0013】
なお、本明細書においては、「サッカリン、サッカリン塩、サッカリン誘導体、及び、サッカリン誘導体塩からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤」を、必要に応じて「サッカリン化合物」と総称して表現する。
【0014】
本発明において、電解質中に上述のサッカリン化合物を添加することにより、開放電圧の低下及び暗電流の発生を充分に抑制しつつ増感色素から半導体電極表面への光電流密度を増加させることができるようになることの詳細なメカニズムについては、明確に解明されていないが、本発明者らは以下のように考えている。
【0015】
すなわち、電解質中に上述のサッカリン化合物が添加されると、先に述べたイミノ基(−NH−基)に相当する原子団、或いは、この−NH−基のHが他の金属原子に置換された構造を有する原子団の部分が電離して、嵩高い複環構造をもつアニオンと、カチオン(水素イオン或いは金属イオン)とが生じる。このカチオンは、半導体電極(光電極)表面の増感色素の未吸着部分に高い密度で配位することができ、そのため半導体電極表面のフェルミ準位を下げ(より正の電位の側にシフトさせ)、増感色素から半導体電極表面への光電子移動をより速やかに進行させる機能を有すると考えられる。一方、上記嵩高い構造のアニオンは、半導体電極表面或いは光励起状態の増感色素から電解質への逆電子移動(例えば、電解質中の酸化還元対のうちの酸化体への逆電子移動)を強く阻害する機能を有すると考えられる。
【0016】
そして、上記の機能をそれぞれを有するアニオンとカチオンとが同一の電解質中に共存することにより、半導体電極表面から電解質への逆電子移動を防止しつつ増感色素から半導体電極表面への光電子移動を選択的にかつ速やかに進行させることができるようになり、ひいては、電池の光電変換効率が向上すると本発明者らは考えている。
【0017】
また、本発明において、電解質中に上述のサッカリン化合物が添加されると、高温(60〜85℃)の作動環境下、又は、高温(60〜85℃)の保存状態下であっても、優れた光電変換性能を長期にわたり維持することができるようになることを本発明者らは見出した。
【0018】
サッカリン化合物が添加により、上記の効果が得られることについての詳細なメカニズムについては明確には解明されていないが、本発明者らは、以下のように考えている。すなわち、高温において光電変換性能が低下する要因の一つとして、増感色素から電解液への逆電子移動が起こることに伴って発生する増感色素の分解が考えられるが、サッカリン化合物を電解液中に添加することによって上記理由によりこの逆電子移動が強く阻害される結果、増感色素の分解が大幅に抑制され、高温保持特性が改善されると考えている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の光電極及び色素増感型太陽電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、本発明の色素増感型太陽電池の第1実施形態の基本構成を示す模式断面図である。
【0021】
図1に示す色素増感型太陽電池20は、主として、光電極10と、対極CEと、スペーサSにより光電極10と対極CEとの間に形成される間隙に充填された電解質Eとから構成されている。また、図1に示す光電極10は、主として、受光面F2を有する半導体電極2と、当該半導体電極2の受光面F2上に隣接して配置された透明電極1とから構成されている。そして、半導体電極2は、受光面F2と反対側の裏面F22において電解質Eと接触している。
【0022】
この色素増感型太陽電池20は、透明電極1を透過して半導体電極2に照射される光L10によって、半導体電極2内に吸着されている増感色素が励起され、この増感色素から半導体電極2へ電子が注入される。そして、半導体電極2において注入されした電子は、透明電極1に集められて外部に取り出される。
【0023】
透明電極1の構成は特に限定されるものではなく、通常の色素増感型太陽電池に搭載される透明電極を使用できる。例えば、図1に示す透明電極1は、ガラス基板等の透明基板4の半導体電極2の側にいわゆる透明導電膜3をコートした構成を有する。この透明導電膜3としては、液晶パネル等に用いられる透明電極を用いればよい。
【0024】
例えば、フッ素ドープSnOコートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO−Sb)、等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものでもよい。
【0025】
透明基板4としては、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いてよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するものであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などでもよい。
【0026】
図1に示す半導体電極2は、酸化物半導体粒子を構成材料とする酸化物半導体層からなる。半導体電極2に含有される酸化物半導体粒子は特に限定されるものではなく、公知の酸化物半導体等を使用することができる。酸化物半導体としては、例えば、TiO,ZnO,SnO,Nb,In,WO,ZrO,La,Ta,SrTiO,BaTiO等を用いることができる。これらの酸化物半導体の中でもアナターゼ型TiOが好ましい。
【0027】
また、半導体電極2に含有される増感色素は、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ色素であれば特に限定されるものではない。より好ましくは、少なくとも200nm〜10μmの波長の光により励起されて電子を放出するものであればよい。このような増感色素としては、金属錯体や有機色素等を用いることができる。金属錯体としては銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィルまたはその誘導体、ヘミン、ルテニウム、オスミウム、鉄及び亜鉛の錯体(例えば、シス−ジシアネート−N,N’−ビス(2、2’−ビピリジル−4、4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II))等が挙げられる。有機色素としては,メタルフリーフタロシアニン,シアニン系色素,メロシアニン系色素,キサンテン系色素,トリフェニルメタン系色素等を用いることができる。
【0028】
また、対極CEは、電解質中の酸化還元対(例えば、I /I等)に高効率で電子を渡すことができる材料から構成されるのもであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン太陽電池、液晶パネル等に通常用いられている対極と同じものを用いてよい。例えば、前述の透明電極1と同じ構成を有するものであってもよく、透明電極1と同様の透明導電膜3上にPt等の金属薄膜電極を形成し、金属薄膜電極を電解質Eの側に向けて配置させるものであってもよい。また、透明電極1の透明導電膜3に白金を少量付着させたものであってもよく、白金などの金属薄膜、炭素などの導電性膜などであってもよい。
【0029】
更に、電解質Eは、先に述べたサッカリン化合物を含んでおり、かつ、光励起され半導体への電子注入を果した後の色素を還元するための酸化還元種を含んでいれば特に限定されず、例えば、液状の電解質であってもよく、これに公知のゲル化剤(高分子或いは低分子のゲル化剤)を添加して得られるゲル状の電解質であってもよい。
【0030】
例えば、電解質Eに使用される液状電解質の溶媒としては、溶質成分を溶解できる化合物であれば特に制限はないが、電気化学的に不活性で、比誘電率が高くかつ粘度が低い溶媒(およびこれらの混合溶媒)に溶かしたものが好ましく、例えば、メトキシプロピオニトリルやアセトニトリルのようなニトリル化合物,γ−ブチロラクトンやバレロラクトンのようなラクトン化合物,エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのようなカーボネート化合物、炭酸プロピレン等が挙げられる。
【0031】
また、電解質Eに添加される溶質のうち後述するサッカリン化合物の他の溶質としては、半導体電極2に担持された色素や対極CEと電子の受け渡しを行える酸化還元対(I /I系の電解質、Br /Br系の電解質、ハイドロキノン/キノン系の電解質などのレドックス電解質)や、この電子の受け渡しを助長する作用を有する化合物(本発明にかかるサッカリン化合物以外の化合物)等が挙げられ、これらがそれぞれ単独あるいは複数組み合せて含まれていてもよい。このように、本発明においては、サッカリン化合物以外の電子の受け渡しを助長する作用を有する化合物を共存させてもよい。これにより、より確実に光電変換効率を向上させることができる。
【0032】
より具体的には、酸化還元対を構成する物質としては、例えば,ヨウ素,臭素,塩素などのハロゲン,ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム,ヨウ化テトラプロピルアンモニウム,ヨウ化リチウムのようなハロゲン化物などが挙げられる。
【0033】
また、サッカリン化合物以外の電子の受け渡しを効率よく行うための化合物としては、4−t−ブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾールのようなヘテロ環状化合物などが挙げられる。
【0034】
電解質Eに使用されるサッカリン化合物は、サッカリン、サッカリン塩、サッカリン誘導体、及び、サッカリン誘導体塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であるが、先に例示した電解質に含まれる各成分と組み合せた場合に、開放電圧の低下及び暗電流の発生を充分に抑制しつつ増感色素から半導体電極(光電極)表面への光電流密度をより確実に増加させる観点から、上記化合物の中でも特に、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【化2】
Figure 2004055536
【0035】
ここで、式(1)中、Xは、アルカリ金属原子を示し、Rは、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が2〜5の不飽和鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、シリル基、及び、アルキルシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を示し、mは0〜4の整数を示し、ただし、mが2〜4の場合、各Rは同一であっても異なっていてもよい。
【0036】
更に、上述した観点と同様の観点から、式(1)で表される化合物の中でも特に好ましい化合物としては、サッカリン、サッカリンリチウム、サッカリンナトリウム又はサッカリンカリウムが挙げられる。なお、これらは単独で使用してもよく、任意に組み合せて使用してもよい。
【0037】
また、電解質E中のサッカリン化合物の濃度は、0.01〜1mol/Lであることが好ましい。サッカリン化合物の濃度が0.01mol/L未満であると、液状電解質を充分にゲル化できなくなる傾向が大きくなる。また、サッカリン化合物の濃度が1mol/Lを超えると、電解質Eのイオン伝導性の低下の問題が発生する傾向が大きくなる。
【0038】
また、スペーサSの構成材料は特に限定されるものではなく、例えば、シリカビーズ等を用いることができる。
【0039】
また、電解質Eを密封する目的で光電極10、対極CE及びスペーサSを一体化するために使用する封止材としては、電解質Eの成分ができる限り外部に漏洩しないように封止できるものであればよく、特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エチレン/メタクリル酸共重合体,表面処理ポリエチレンからなる熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0040】
次に、図1に示した色素増感型太陽電池20の製造方法の一例について説明する。
【0041】
透明電極1を製造する場合は、ガラス基板等の基板4上に先に述べたフッ素ドープSnO等の透明導電膜3をスプレーコートする等の公知の薄膜製造技術を用いて形成することができる。例えば、この他にも、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法及びゾルゲル法の公知の薄膜製造技術を用いて形成することができる。
【0042】
透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する方法としては、例えば、以下の方法がある。すなわち、先ず、所定の大きさ(例えば粒子径が10〜30nm程度)を有する酸化物半導体粒子を分散させた分散液を調製する。この分散液の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など酸化物半導体粒子を分散できるものなら特に限定されない。また、分散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加えてもよい。
【0043】
次に、分散液を透明電極1の透明導電膜3上に塗布し、次いで乾燥する。このときの塗布方法としてはバーコーター法、印刷法などを用いることができる。そして、乾燥した後、空気中、不活性ガス或いは窒素中で加熱、焼成して半導体電極2(多孔質半導体膜)を形成する。
【0044】
次に、半導体電極2中に浸着法等の公知の技術により増感色素を含有させる。増感色素は半導体電極2に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)させることにより含有させる。この付着方法は、例えば色素を含む溶液中に半導体電極2を浸漬するなどの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。なお、このとき、色素の他に必要に応じて、銀等の金属やアルミナ等の金属酸化物を半導体電極2中に含有させてもよい。
【0045】
なお、半導体電極2内に含まれる光電変換反応を阻害する不純物を除去する表面酸化処理を、各層それぞれの形成時毎、或いは、各層全てを形成した時などに公知の方法により適宜施してもよい。
【0046】
また、透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する他の方法としては、以下の方法がある。すなわち、透明電極1の透明導電膜3上にTiO等の半導体を膜状に蒸着させる方法を用いてもよい。透明導電膜3上に半導体を膜状に蒸着させる方法としては公知の薄膜製造技術を用いることができる。例えば、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、クラスタイオンビーム蒸着等の物理蒸着法を用いてもよく、酸素等の反応性ガス中で金属等を蒸発させ、反応生成物を透明導電膜3上に堆積させる反応蒸着法を用いてもよい。更に、反応ガスの流れを制御する等してCVD等の化学蒸着法を用いることもできる。
【0047】
このようにして光電極10を作製した後は、例えば、光電極10の作製に用いた方法と同様の公知の薄膜製造技術により対極CEを作製し、図1に示すように、光電極10と、対極CEとをスペーサSを介して対抗させるように組み上げる。このとき、スペーサSにより光電極10と対極CEとの間に形成される空間に、サッカリン化合物を含有する電解質Eを充填し、色素増感型太陽電池20を完成させる。
【0048】
[第2実施形態]
図2は、本発明の色素増感型太陽電池の第2実施形態を示す模式断面図である。以下、図2に示す色素増感型太陽電池30について説明する。なお、上述の図1に示した色素増感型太陽電池20に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0049】
図2に示す色素増感型太陽電池30は、図1に示した光電極10を使用し、図1に示した対極CEと同様の対極CEを使用している。そして、図1に示した色素増感型太陽電池20においてはスペーサSにより光電極10と対極CEとの間に形成される空間に電解質Eを充填したのに比較して、図2に示す色素増感型太陽電池30においては、光電極10と対極CEとの間に多孔体層PSを配置している。そして、対極CEの多孔体層PSと反対側の面には透明基板6が配置されている。
【0050】
この多孔体層PSは多数の細孔を有した構造を有しており、この多孔体層PSの内部には、図1に示した色素増感型太陽電池20に使用したものと同様のサッカリン化合物を含有する電解質Eがしみ込まされて保持されている。
【0051】
また、この電解質Eは半導体電極2内や、使用する構成材料(例えば、炭素等の多孔質の導電性膜)によっては対極CEにも保持されている。そして、図2に示す色素増感型太陽電池30の半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面は、電解質が、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面から外部に漏れることを防止するためにシール材5により被覆されている。
【0052】
多孔体層PSは、電解質Eを保持可能であり、電子伝導性を有さない多孔体であれば特に限定されない。例えば、ルチル型の酸化チタン粒子により形成した多孔体を使用してもよい。また、ルチル型の酸化チタン以外の構成材料としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
【0053】
また、シール材5としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。対極CEの側に配置される透明基板6は光電極10の透明電極1に使用される透明基板4と同様の基板を使用することができる。
【0054】
次に、図2に示す色素増感型太陽電池30の製造方法の一例について説明する。先ず、図1に示した色素増感型太陽電池20と同様にして光電極10を作製する。次に、光電極10の半導体電極2を作製する場合と同様の手順により、光電極10の半導体電極2の面F22上に多孔体層PSを形成する。例えば、ルチル型の酸化チタン等の多孔体層PSの構成材料を含む分散液(スラリー)を調製し、これを半導体電極2の面F22上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。
【0055】
また、対極CEについても、例えば、炭素等の多孔質の導電性膜を対極CEとする場合には、例えば、カーボンペーストを調製し、これを多孔体層PSの面上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。そして、公知の薄膜製造技術により、対極CEの多孔体層PSの側と反対の側の面上に透明基板6を形成し、半導体電極2、多孔体層PS及び対極CEの側面をシール材5で被覆して色素増感型太陽電池30を完成する。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0057】
例えば、本発明の色素増感型太陽電池は、例えば、図3に示す色素増感型太陽電池40のように、複数の電池を併設したモジュールの形態を有していてもよい。図4に示す色素増感型太陽電池40は、図2に示した色素増感型太陽電池30を複数個直列に併設する場合の一例を示している。
【0058】
図2に示した色素増感型太陽電池30に比較して、図3に示す色素増感型太陽電池40は、隣り合う太陽電池の単セルの光電極10間に設けられるシール材5と一方の単セル(以下、単セルAという)の光電極10との間に溝が形成されている。
【0059】
この溝は、単セルAの半導体電極2を、例えばレーザースクライブなどの技術により削りとることにより形成される。この溝のうちのシール材5の近傍部分は、半導体電極2の部分を完全に除去して透明電極1の透明導電膜3の層があらわれる深さまで達している。また、この溝のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分は、半導体電極2の部分と透明導電膜3の部分を完全に除去して、透明電極1の透明基板4の層があらわれる深さまで達している。
【0060】
そして、この溝のうちのシール材5の近傍部分には、隣り合う光電極10の透明導電膜3及び該透明導電膜3上の半導体電極2の部分同士が電気的に接触しないように、これらの部分の間に単セルAの多孔体層PSの鍔状に形成された縁部分が透明電極1の透明基板4に接触するようにして挿入されている。
【0061】
更に、この溝のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分、すなわち、単セルAの多孔体層PSとシール材5との間の部分には、単セルAの対極CEの鍔状に形成された縁部分が、もう一方の単セルの透明電極1の透明導電膜3に接触するようにして挿入されている。
【0062】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の色素増感型太陽電池について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
以下に示す手順により、図1に示した光電極10と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、この光電極を用いた以外は図1に示す色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:0.7cm)を作製した。
【0064】
先ず、市販のTiO粒子(商品名:「P25」,日本エアロジル製)を、ヒドロキシプロピルセルロース(3質量%)を含むブチルカルビトール中に懸濁させた液を調製した。次に、この液を透明導電性ガラス基板上に塗布し、大気中、450℃で30分焼成処理することにより酸化チタン電極を得た。次に、この酸化チタン電極を赤色色素である、ジ(チオシアネート)−N−(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)−N’−{2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸−ビス(テトラブチルアンモニウム)}−ルテニウム(II)色素(ソラロニクス社製、商品名:「N719」)を5mmol/Lの濃度で含むアセトニトリル溶液に25℃の温度条件のもとで24時間放置した。これにより、半導体電極の内部に増感色素を約1.1×10−7mol/cm吸着させ、半導体電極を得た。なお、半導体電極の酸化物半導体からなる層の厚さは約10μmであった。
【0065】
次に、上記の光電極と同様の形状と大きさを有する対極を作製した。先ず、透明導電性ガラス上に、塩化白金酸六水和物のイソプロパノール溶液を滴下し、大気中で乾燥した後に450℃で30分焼成処理することにより、白金焼結対極を得た。なお、この対極には予め電解質の注入用の孔(直径1mm)を設けておいた。
【0066】
次に、溶媒となるγ−ブチロラクトンに、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムと、ヨウ素と、4−tert−ブチルピリジンと、サッカリンリチウムとを溶解させて液状電解質(ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムの濃度:0.6mol/L、ヨウ化リチウムの濃度:0.1mol/L4−tert−ブチルピリジン濃度:0.5mol/L、サッカリンリチウムの濃度:0.1mol/L)を調製した。次に、液状電解質に対して8質量%の1,3:2,4−ジ−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール(ゲル化剤)を添加して、加熱溶解させ、ゲル状電解質を得た。
【0067】
なお、サッカリンリチウムは次のように合成した。サッカリン0.1molをイオン交換水200mLに溶解し、これに炭酸リチウム0.05molを撹拌しながら徐々に加えてサッカリン分子を構成する−NH−基の「H」を「Li」で置換した。完全に反応が収束するまで撹拌を続け、収束後に水を留去して白色結晶を得た。そしてこの結晶をイオン交換水から再結晶化することにより、サッカリンリチウムを得た。
【0068】
次に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有する三井デュポンポリケミカル社製のスペーサS(商品名:「ハイミラン」,エチレン/メタクリル酸ランダム共重合体アイオノマーフィルム)を準備し、図2に示すように光電極と対極とをスペーサを介して対向させ、それぞれを熱溶着により張り合わせて電池の筐体(電解質未充填)を得た。
【0069】
次に、ゲル状電解質を加熱溶解し、これを対極の孔から筐体内に注入した後、孔をスペーサと同素材の部材で塞ぎ、更に対極の孔にこの部材を熱溶着させて孔を封止し、色素増感型太陽電池を完成させた。なお、ゲル状電解質は加熱状態(90℃以上)では液状となるが、電池の筐体に注入後冷却することで、電池内部でゲル化する。
【0070】
(実施例2)
サッカリンリチウムの代わりにサッカリンを同濃度で含む液状電解質を用いて調製したゲル状電解質を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0071】
(実施例3)
サッカリンリチウムの代わりにサッカリンカリウムを同濃度で含む液状電解質を用いて調製したゲル状電解質を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0072】
(実施例4)
半導体電極の酸化物半導体からなる層の厚さを約10μmから約8μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0073】
(実施例5)
増感色素として、ジ(チオシアネート)−N−(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)−N’−{2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸−ビス(テトラブチルアンモニウム)}−ルテニウム(II)色素(ソラロニクス社製、商品名:「N719」)のかわりに、黒色色素である、トリ(チオシアネート)−N−N’−N‘’−(2,2’:6‘’2‘’−タービピリジル−4,4’4‘’−トリカルボン酸−トリ−テトラブチルアンモニウム)−ルテニウム(II)色素(ソラロニクス社製)を使用したこと、及び、液状電解質中のサッカリンの濃度を0.1mol/Lから0.3mol/Lに変更したこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0074】
(比較例1)
サッカリンリチウムを含まない液状電解質を用いて調製したゲル状電解質を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0075】
(比較例2)
サッカリンリチウムの代わりにヨウ化リチウムを同濃度(0.1mol/L)で含む液状電解質を用いて調製したゲル状電解質を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0076】
(比較例3)
サッカリンリチウムの代わりにヨウ化リチウムを同濃度(0.1mol/L)で含む液状電解質を用いて調製したゲル状電解質を用いたこと以外は、実施例4と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0077】
(比較例4)
サッカリンリチウムの代わりにヨウ化リチウムを同濃度(0.3mol/L)で含む液状電解質を用いて調製したゲル状電解質を用いたこと以外は、実施例5と同様の手順及び条件で色素増感型太陽電池を作製した。
【0078】
[電池特性試験]
以下の手順により電池特性試験を行ない、実施例1〜実施例3、比較例1及び比較例2の色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率ηを測定した。
【0079】
電池特性試験は、ソーラーシミュレータ(ワコム製、商品名;「WXS−85−H型」)を用い、AMフィルター(AM1.5)を通したキセノンランプ光源から100mW/cmの疑似太陽光を照射することにより行った。
【0080】
各色素増感型太陽電池について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、開放電圧(Voc/V)、短絡電流(Isc/mA・cm−2)、曲線因子(F.F.)を求め、これらから初期のエネルギー変換効率η[%](光照射開始から1分経過した後のエネルギー変換効率)を求めた。その結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 2004055536
【0082】
表1に示した結果から明らかなように、サッカリン化合物の電解液への添加が、色素増感型太陽電池の光電変換効率の向上に非常に有効であることが確認された。
【0083】
また、60℃に保持した恒温槽に、実施例4及び実施例5並びに比較例3及び比較例4の各色素増感型太陽電池を入れ、遮光状態でありかつ回路開放状態で保存し、所定時間経過するごとに恒温槽から取り出して、室温にて上記と同様の電流−電圧特性を測定し、所定時間経過後のエネルギー変換効率ηを求めた。そして、その経時変化についての評価を得た。その結果を図4及び図5に示す。
【0084】
図4及び図5に示した実施例4及び実施例5並びに比較例3及び比較例4の各色素増感型太陽電池に関する結果から明らかなように、本発明にかかる実施例4及び実施例5の色素増感型太陽電池は、60℃の環境下で長期にわたり保存された後においても優れた光電変換性能を維持することができることが確認された。一方、比較例1及び比較例2の色素増感型太陽電池は、保存時間の経過とともに光電変換性能が低下していることが確認された。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の色素増感型太陽電池によれば、開放電圧の低下及び暗電流の発生を充分に防止することができ、光電流密度を効果的に増加させることができるので、高い光電変換効率を得ることができる。また、本発明の色素増感型太陽電池によれば、高温(60〜85℃)の作動環境下、又は、高温(60〜85℃)の保存状態下であっても、優れた光電変換性能を長期にわたり維持することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色素増感型太陽電池の第1実施形態の基本構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の色素増感型太陽電池の第2実施形態の基本構成を示す模式断面図である。
【図3】図2に示した色素増感型太陽電池を複数併設する場合の一例を示す模式断面図である。
【図4】実施例4及び比較例3の色素増感型太陽電池について得られるηの経時変化を示すグラフである。
【図5】実施例5及び比較例4の色素増感型太陽電池について得られるηの経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…透明電極、2…半導体電極、3…透明導電膜、4…透明基板、5…シール材、6・・・透明基板、10…光電極,20…色素増感型太陽電池、30,40…色素増感型太陽電池、CE…対極、E…電解質、F1,F2,F3,…受光面、F22…半導体電極2の裏面、L10…入射光、S…スペーサ、PS…多孔体層。

Claims (4)

  1. 受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極とを有しており、
    前記半導体電極と前記対極とが増感色素を少なくとも含有する電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、
    前記電解質には、サッカリン、サッカリン塩、サッカリン誘導体、及び、サッカリン誘導体塩からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤が含有されていること、
    を特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 前記サッカリン誘導体が下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
    Figure 2004055536
    [式(1)中、Xは、アルカリ金属原子を示し、
    Rは、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が2〜5の不飽和鎖式炭化水素基、ハロゲン原子、シリル基、及び、アルキルシリル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を示し、
    mは0〜4の整数を示し、
    ただし、mが2〜4の場合、各Rは同一であっても異なっていてもよい。]
  3. 前記式(1)で表される化合物が、サッカリン、サッカリンリチウム、サッカリンナトリウム又はサッカリンカリウムであること、
    を特徴とする請求項2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記電解質中における前記添加剤の濃度が0.01〜1mol/Lであること、
    を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の色素増感型太陽電池。
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