JP2012175073A - 成膜方法および記憶媒体 - Google Patents

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Shuji Shinonome
秀司 東雲
Yasuhiko Kojima
康彦 小島
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Abstract

【課題】成膜原料としてコバルトカルボニルを用いてCo膜を成膜する場合に、下地との密着性を良好にすることができる成膜方法を提供すること。
【解決手段】処理容器1内に基板Wを配置し、処理容器1内に気体状のコバルトカルボニルを供給し、基板W上でコバルトカルボニルを熱分解させて基板W上にCo膜を成膜するにあたり、基板WのCo膜の下地が、Co膜との界面近傍に混合層を形成する材料で構成されており、基板Wの加熱温度を190〜300℃とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、CVD法によりCo膜を成膜する成膜方法および記憶媒体に関する。
近時、半導体デバイスの高速化、配線パターンの微細化等に呼応して、Alよりも導電性が高く、かつエレクトロマイグレーション耐性等も良好なCuが配線として注目されており、このような用途には電解メッキが用いられている。電解メッキによるCu配線のシードとしては、埋め込み性を向上させる観点から、従来のCuからCoへの変更が検討されている。また、Cu拡散バリア膜としてもCo膜を用いることが提案されている。
Co膜の成膜方法としては、スパッタリングに代表される物理蒸着(PVD)法が多用されていたが、半導体デバイスの微細化にともなってステップカバレッジが悪いという欠点が顕在化している。
そこで、Co膜の成膜方法として、Coを含む原料ガスの熱分解反応や、当該原料ガスの還元性ガスによる還元反応にて基板上にCo膜を成膜する化学蒸着(CVD)法が用いられつつある。このようなCVD法により成膜されたCo膜は、ステップカバレッジ(段差被覆性)が高く、細長く深いパターン内への成膜性に優れているため、微細なパターンへの追従性が高く、Cuメッキのシード層として好適である。
CVD法によるCo膜については、成膜原料としてコバルトカルボニル(Co(CO))を用い、これをチャンバー内に気相供給してチャンバー内に配置された基板上で熱分解させる方法が発表されている(例えば非特許文献1)。
Journal of The Electrochemical Society, 146(7) 2720-2724 (1999)
しかしながら、原料としてコバルトカルボニルを用いてCVD法でCo膜を成膜する場合には、得られたCo膜と下地との密着性が悪い場合があり、このように下地との密着性が悪い場合には、電解メッキによりCuを堆積した際に剥離が生じるという問題点がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、成膜原料としてコバルトカルボニルを用いてCo膜を成膜する場合に、下地との密着性を良好にすることができる成膜方法を提供することを課題とする。
また、そのような成膜方法を実行するためのプログラムを記憶した記憶媒体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、処理容器内に基板を配置し、前記処理容器内に気体状のコバルトカルボニルを供給し、前記基板上でコバルトカルボニルを熱分解させて前記基板上にCo膜を成膜する成膜方法であって、前記基板のCo膜の下地が、Co膜との界面近傍に混合層を形成する材料で構成されており、前記基板の加熱温度を190〜300℃とすることを特徴とする成膜方法を提供する。
本発明の第2の観点では、処理容器内に基板を配置し、前記処理容器内に気体状のコバルトカルボニルを供給し、前記基板上でコバルトカルボニルを熱分解させて前記基板上にCo膜を成膜する成膜方法であって、前記基板のCo膜の下地がAlであり、前記基板の加熱温度を175〜300℃とすることを特徴とする成膜方法を提供する。
本発明の第3の観点では、処理容器内に基板を配置し、前記処理容器内に気体状のコバルトカルボニルを供給し、前記基板上でコバルトカルボニルを熱分解させて前記基板上にCo膜を成膜する成膜方法であって、前記基板のCo膜の下地がTiNまたはCVD−W膜であり、前記基板の加熱温度を215〜300℃とすることを特徴とする成膜方法を提供する。
本発明の第4の観点では、コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、上記第1〜第3の観点の成膜方法が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させることを特徴とする記憶媒体を提供する。
本発明によれば、下地材料に応じて密着性が良好になる成膜温度が存在し、その温度以上でCo膜を成膜すれば密着性が良好になるという知見を得、その知見に基づいて、下地材料に応じて適切な温度でCo膜を成膜するので、良好な密着性でCo膜を成膜することができる。
本発明の一実施形態に係る成膜方法を実施するための成膜装置の一例を示す略断面である。 Co膜を電解メッキによるCu配線のシードとして用いる場合のウエハの構造の一例を示す断面図である。 Co膜を電解メッキによるCu配線のシードとして用いる場合のウエハの構造の他の例を示す断面図である。 図2の構造のウエハにシード膜としてCo膜を成膜し、さらに電解メッキによりホール内にCu配線を形成した状態を示す断面図である。 図3の構造のウエハにシード膜としてCo膜を成膜し、さらに電解メッキによりホール内にCu配線を形成した状態を示す断面図である。 種々の下地材料について種々の成膜温度で成膜したCo膜の密着性の評価結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<本発明の一実施形態に係る成膜方法を実施するための成膜装置の構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る成膜方法を実施するための成膜装置の一例を示す略断面である。
この成膜装置100は、気密に構成された略円筒状のチャンバー1を有しており、その中には被処理基板である半導体ウエハWを水平に支持するためのサセプタ2が、後述する排気室の底部からその中央下部に達する円筒状の支持部材3により支持された状態で配置されている。このサセプタ2はAlN等のセラミックスからなっている。また、サセプタ2にはヒーター5が埋め込まれており、このヒーター5にはヒーター電源6が接続されている。一方、サセプタ2の上面近傍には熱電対7が設けられている。熱電対7の信号は後述する温度コントローラ60に伝送されるようになっている。そして、温度コントローラ60は熱電対7の信号に応じてヒーター電源6に指令を送信し、ヒーター5の加熱を制御してウエハWを所定の温度に制御するようになっている。なお、サセプタ2には3本のウエハ昇降ピン(図示せず)がサセプタ2の表面に対して突没可能に設けられており、ウエハWを搬送する際に、サセプタ2の表面から突出した状態にされる。
チャンバー1の天壁1aには、円形の孔1bが形成されており、そこからチャンバー1内へ突出するようにシャワーヘッド10が嵌め込まれている。シャワーヘッド10は、後述するガス供給機構30から供給された成膜用のガスをチャンバー1内に吐出するためのものであり、その天板11には成膜原料ガスが導入されるガス導入口12が設けられている。シャワーヘッド10の内部にはガス拡散空間13が形成されており、シャワーヘッド10の底板14には多数のガス吐出孔15が設けられている。そして、ガス導入口12からガス拡散空間13に導入されたガスがガス吐出孔15からチャンバー1内に吐出されるようになっている。
チャンバー1の底壁には、下方に向けて突出する排気室21が設けられている。排気室21の側面には排気管22が接続されており、この排気管22には真空ポンプや圧力制御バルブ等を有する排気装置23が接続されている。そしてこの排気装置23を作動させることによりチャンバー1内を所定の真空度まで減圧することが可能となっている。
チャンバー1の側壁には、ウエハ搬送室(図示せず)との間でウエハWの搬入出を行うための搬入出口24と、この搬入出口24を開閉するゲートバルブGとが設けられている。また、チャンバー1の壁部には、ヒーター26が設けられており、成膜処理の際にチャンバー1の内壁を加熱することが可能となっている。ヒーター26にはヒーター電源27から給電されるようになっている。
ガス供給機構30は、成膜原料である固体状のコバルトカルボニルであるCo(CO)を貯留する成膜原料容器31を有している。成膜原料容器31の周囲にはヒーター32が設けられ、これにより成膜原料であるCo(CO)を加熱して気化するようになっている。ヒーター32にはヒーター電源48から給電されるようになっている。
成膜原料容器31には、上方からガス導入配管33が挿入されている。ガス導入配管33にはバルブ34が介装されている。ガス導入配管33はCOガス配管35とキャリアガス配管36に分岐されており、COガス配管35にはCOガス供給源37が、キャリアガス配管36にはキャリアガス供給源38が接続されている。COガス配管35には流量制御器としてのマスフローコントローラ39およびその前後のバルブ40が介装されており、キャリアガス配管36には流量制御器としてのマスフローコントローラ41およびその前後のバルブ42が介装されている。キャリアガスとしてはArガスまたはNガスを好適に用いることができる。
COガスは、気化したコバルトカルボニル(Co(CO))の分解を抑制するために導入される。すなわち、Co(CO)は分解されることによりCOを生成するが、成膜原料容器31にCOを供給してCO濃度を高くすることにより、Co(CO)が分解してCOを生成する反応が抑制される。一方、キャリアガスは成膜原料容器31内で気化して生成されたCo(CO)ガスをチャンバー1に搬送するために導入される。なお、COガスにキャリアガスの機能を持たせてもよく、その場合には別途のキャリアガスは不要である。
成膜原料容器31には、上方から成膜原料ガス供給配管43が挿入されており、成膜原料ガス供給配管43の他端はガス導入口12に接続されている。そして、ヒーター32により加熱されて気化されたCo(CO)ガスがキャリアガスにより成膜原料ガス供給配管43内を搬送されてガス導入口12を経てシャワーヘッド10へ供給される。成膜原料ガス供給配管43の周囲には、ヒーター44が設けられている。ヒーター44にはヒーター電源49から給電される。また、成膜原料ガス供給配管43には、流量調整バルブ45と、そのすぐ下流側の開閉バルブ46と、ガス導入口12の直近の開閉バルブ47とが設けられている。
成膜原料ガス供給配管43のバルブ47の上流には、希釈ガス供給配管61が接続されている。希釈ガス配管61の他端には、希釈ガスとして例えばArガスまたはNガス等を供給する希釈ガス供給源62が接続されている。希釈ガス配管61には流量制御器としてのマスフローコントローラ63およびその前後のバルブ64が介装されている。なお、希釈ガスはパージガスや安定化ガスとしても機能する。
上記チャンバー1の壁部には熱電対51が取り付けられ、上記成膜原料容器31内には熱電対52が取り付けられ、上記成膜原料ガス供給配管43には熱電対53が取り付けられており、これら熱電対51、52、53は温度コントローラ60に接続されている。上述した熱電対7も含めて、これら熱電対が検出した温度検出信号は温度コントローラ60に送られる。温度コントローラ60には上述のヒーター電源6、27、48、49が接続されている。そして、温度コントローラ60は、上述した熱電対7,51,52,53の検出信号に応じてヒーター電源6、27、48、49に制御信号を送り、サセプタ2の温度、チャンバー1の壁部の温度、成膜原料容器31内の温度、成膜原料ガス供給配管43内の温度を制御するようになっている。
成膜原料であるCo(CO)は、成膜原料容器31においてヒーター32で加熱されて気化され、成膜原料ガス供給配管43内をヒーター44で加熱されることで気体状のままチャンバー1内に供給されるが、この時のCo(CO)の加熱温度は、温度コントローラ60によって分解開始温度未満の温度に制御される。具体的には、後述するように、コバルトカルボニルの減圧TG(熱重量分析計)で把握される分解開始温度は45℃であるため、45℃未満に制御することが好ましい。チャンバー1の壁部(内壁)の温度も、Co(CO)ガスの分解温度未満に制御されることが好ましい。
本実施形態においては、成膜の際のウエハWの温度(成膜温度)は、後述するように、下地の種類に応じて密着性が改善される温度以上の温度に制御される。また、成膜温度は300℃以下に制御される。300℃を超えるとCoが凝集してしまう。
成膜装置100は制御部70を有し、この制御部70により各構成部、例えば温度コントローラ60、排気装置23、マスフローコントローラ、流量調整バルブ、バルブ等の制御等を行うようになっている。温度コントローラ60に関しては、温度コントローラ60により制御すべき部分の温度設定等を行う。この制御部70は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)を備えたプロセスコントローラ71と、ユーザーインターフェース72と、記憶部73とを有している。プロセスコントローラ71には成膜装置100の各構成部が電気的に接続されて制御される構成となっている。ユーザーインターフェース72は、プロセスコントローラ71に接続されており、オペレータが成膜装置100の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作などを行うキーボードや、成膜装置100の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなっている。記憶部73もプロセスコントローラ71に接続されており、この記憶部73には、成膜装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ71の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわち処理レシピや、各種データベース等が格納されている。処理レシピは記憶部73の中の記憶媒体(図示せず)に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスク等の固定的に設けられているものであってもよいし、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース72からの指示等にて所定の処理レシピを記憶部73から呼び出してプロセスコントローラ71に実行させることで、プロセスコントローラ71の制御下で、成膜装置100での所望の処理が行われる。
<本発明の一実施形態に係る成膜方法>
次に、以上のように構成された成膜装置を用いて行われる本発明の一実施形態に係る成膜方法について説明する。
本実施形態の成膜方法は、例えば、電解メッキによるCu配線のシードとして用いるCo膜の成膜に適用することができる。Cu配線のシードとしてCo膜を用いる場合には、ウエハWとして、例えば図2、3に示すような構造のものを用いる。図2は、シリコン基板101に、下層の配線層103に達するホール102が形成され、全面に絶縁膜104が形成された構造であり、図3は、絶縁膜104の上にバリア膜105が形成された構造である。下層の配線層103としては、Al膜、W膜、Cu膜等を挙げることができる。絶縁膜104としては、SiO膜を用いることができる。バリア膜105としては、TiN/Tiの2層膜(上層がTiN膜)、Ti膜、TiN膜、Ta膜等を用いることができる。
また、MOS型半導体におけるソース・ドレイン電極、ゲート電極の上にコンタクト層として用いるCo膜の成膜に適用することができる。この場合には、図示はしていないが、Siからなるソース・ドレイン電極、ゲート電極が表面に形成されたウエハにCo膜が形成されることとなる。
Co膜の成膜にあたっては、成膜原料容器31内に、成膜原料として固体状のCo(CO)を装入した状態とし、さらに、チャンバー1内のサセプタ2の温度、およびチャンバー1の壁部の温度を成膜の際の温度に制御する。次いで、ゲートバルブGを開け、図示しない搬送装置により上記図2または図3の構造のウエハWをチャンバー1内に導入し、サセプタ2上に載置する。
次いで、チャンバー1内を排気装置23により排気してチャンバー1内の圧力を133〜1333Pa(1〜10Torr)とし、ヒーター5によりサセプタ2を加熱してサセプタ2(半導体ウエハWの温度)の温度を、後述するように、下地の材料に応じて密着性が改善される温度以上で、かつCoが凝集しない300℃以下の所定の温度に制御する。
そして、バルブ46を閉じバルブ47、64を開けて希釈ガス供給源62からチャンバー1内に希釈ガスを供給して安定化を行う。
一方、ヒーター32および44により、成膜原料容器31および成膜原料ガス供給配管43をコバルトカルボニル(Co(CO))の分解開始温度未満の所定温度に厳密に温度制御しつつ加熱しておき、所定時間希釈ガスによる安定化を行った後、希釈ガスの供給を停止し、または所定流量で希釈ガスを供給したまま、COガスおよび/またはキャリアガスを成膜原料容器31に供給するとともに、バルブ46を開けて成膜原料容器31内で気化したCo(CO)ガスをキャリアガスにより成膜原料ガス供給配管43内を搬送させ、シャワーヘッド10を介してチャンバー1内に供給する。このとき、成膜原料容器31内の圧力を1200〜101300Pa(9〜760Torr)とする。
チャンバー1内に供給されたCo(CO)ガスは、サセプタ2内のヒーター5により所定温度に加熱されたウエハWの表面に至り、そこで熱分解してCo膜が形成される。
このようにしてCo膜を成膜した後、パージ工程を行う。パージ工程では、成膜原料タンク31へのキャリアガスの供給を停止してCo(CO)の供給を停止した後、排気装置23の真空ポンプを引き切り状態とし、希釈ガス供給源62から希釈ガスをパージガスとしてチャンバー1内に流してチャンバー1内をパージする。この場合に、できる限り迅速にチャンバー1内をパージする観点から、キャリアガスの供給は断続的に行うことが好ましい。
パージ工程が終了後、ゲートバルブGを開け、図示しない搬送装置により、搬入出口24を介してウエハWを搬出する。これにより、1枚のウエハWの一連の工程が終了する。
本実施形態のようにCVDでCo膜を形成する場合には、下地の材料によっては、下地との界面の極近傍に混合層を形成し、このような場合には混合層により密着性を確保する。しかし、成膜初期にC(カーボン)を主成分とする阻害物が付着することがあり、この阻害物が付着すると両者の密着性が低下してしまうことが判明した。そこで、このような密着性低下が生じない条件を検討した結果、成膜温度を190℃以上とすることにより、上記阻害物の吸着が抑制され、良好な密着性が得られることが見出された。このような混合層を形成して密着性を確保可能な下地材料としては、Cu、Ta、Ti、Si、SiOを挙げることができる。
また、下地の材料がAlの場合、その表面にAlの酸化物層が形成され、この酸化物層がCo膜の密着性を低下させることが判明した。しかし、成膜温度を175℃以上とすることにより、Alの酸化物層にクラックが発生し、そのクラックにCoが入り込むことにより良好な密着性が得られることが見出された。成膜温度が190℃以上になるとクラックを通して酸化物層を通過したCoとAlとの間で混合層を形成するため、密着性をさらに向上させることができる。
下地の材料がTiNの場合には、成膜温度が低いと密着性が低いが、成膜温度が215℃以上であれば、成膜の際にTiNの粒界中にCoが拡散し、それによって良好な密着性が得られることが見出された。
下地の材料がWの場合にもやはり成膜温度が低いと密着性が低いが、成膜温度が215℃以上であれば、W膜表面のアンカー効果によりCo膜の密着性を良好にすることができる。特に、表面粗さを粗くする効果の高い還元ガス、例えばBガスを使用してCVDで成膜したW膜の場合に、W膜表面のアンカー効果をより大きくすることができ、より良好な密着性が得られることが見出された。
このようにしてCo膜を成膜するに際し、成膜原料容器31および成膜原料ガス供給配管43は、Co(CO)ガスの分解開始温度未満の温度に制御することにより、成膜原料容器31内で気化により生成されたCo(CO)ガスが成膜原料容器31から成膜原料ガス供給配管43を経てチャンバー1内に至るまでの間、その温度が分解開始温度未満となりCo(CO)の分解を抑制することができる。
Co(CO)ガスのような化合物の分解温度については、通常、DTA(示差熱分析)で把握され、DTAで求めたCo(CO)ガスの分解開始温度は51℃であるが、減圧TGによる重量変化から、より厳密に分解温度を把握したところ、分解開始温度は45℃であった。この結果より、成膜原料容器31および成膜原料ガス供給配管43の加熱温度を45℃未満に制御することが好ましい。下限は事実上室温となるので、室温以上45℃未満に制御することが好ましい。
また、このように、成膜原料容器31および成膜原料ガス供給配管43は、Co(CO)ガスの分解開始温度未満の温度に制御することに加えて、成膜原料容器31内にCOガスを導入することにより、その中のCO濃度が高くなり、Co(CO)が分解してCOを生成する反応を抑制することができ、Co(CO)を気化させてチャンバー内に供給する過程での分解反応をより効果的に抑制することができる。
チャンバー1の壁部(内壁)の温度はCo(CO)ガスの分解温度未満であることが好ましい。これによりチャンバー1の内壁に達したCo(CO)ガスが分解してCo膜中の不純物が増加することを防止することができる。
図2、3に示す構造のウエハWの場合には、以上のようにしてシード膜としてCo膜106を形成した後、ホール102内に電解メッキでCu膜を形成し、CMPにより平坦化することによりCu配線107とすることにより、図4、5の構造を得る。
また、MOS型半導体が形成されたウエハWの場合には、ソース・ドレイン電極、ゲート電極を形成するSi(シリコン基板またはポリシリコン)の上にコンタクト層としてCo膜を形成し、さらに配線層を形成する。この場合には、シリコン基板表面またはポリシリコン膜の表面に以上のようにしてCo膜を成膜した後、不活性ガス雰囲気または還元ガス雰囲気でシリサイド化のための熱処理を行う。この際の熱処理の温度は、450〜800℃が好ましい。
なお、本実施形態のCo膜は、CVD−Cu膜の下地膜として用いることもできる。さらには、Cu拡散バリア膜として用いることもできる。
<本発明の効果を示すための実験>
次に、本発明の効果を示すための実験を行った結果について説明する。
ここでは、Co(CO)を用い、成膜温度を変化させて上記手順で種々の下地材料に対してCo膜を成膜した。下地材料としては、SiO、Si、Al、TiN(TiN/Ti2層バリアの上層)、Ti、Ta、Cu、CVD−Wを用いた。各下地材料に対して成膜温度は120℃、160℃、190℃、215℃で成膜した。CVD−Wについては、成膜原料としてWFを用い、還元ガスとしてBを用いた。
以上のようにして形成されたCo膜の密着性をテープテストにより評価した。評価基準は、テープテストによりCo膜が剥がれない試料を○、Co膜が生じた試料を×とした。結果を図6に示す。図6は各下地材料について各成膜温度で成膜したCo膜の密着性の評価結果を示す図である。
図6に示すように、下地としてSiO、Si、Ti、Ta、Cuを用いた場合には、成膜温度190℃以上で良好な密着性が得られることが確認された。また、下地としてAlを用いた場合には、成膜温度175℃以上で良好な密着性が得られることが確認された。下地としてTiNを用いた場合には、成膜温度215℃以上で良好な密着性が得られることが確認された。さらに、下地として、還元ガスをBとしたCVD−W膜を用いた場合には、215℃以上で良好な密着性が得られることが確認された。
<本発明の他の適用>
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、成膜原料であるCo(CO)の供給手法は上記実施形態の手法に限定する必要はなく、種々の方法を適用することができる。また、成膜原料として適用するコバルトカルボニルはCo(CO)に限らず、Co(CO)12等の他のコバルトカルボニルを用いることもできる。
また、被処理基板として半導体ウエハを用いた場合を説明したが、これに限らず、フラットパネルディスプレイ(FPD)基板等の他の基板であってもよい。
1;チャンバー
2;サセプタ
5;ヒーター
7;熱電対
10;シャワーヘッド
23;排気装置
30;ガス供給機構
31;成膜原料容器
37;COガス供給源
60;温度コントローラ
70;制御部
71;プロセスコントローラ
73;記憶部(記憶媒体)
W;半導体ウエハ

Claims (9)

  1. 処理容器内に基板を配置し、前記処理容器内に気体状のコバルトカルボニルを供給し、前記基板上でコバルトカルボニルを熱分解させて前記基板上にCo膜を成膜する成膜方法であって、前記基板のCo膜の下地が、Co膜との界面近傍に混合層を形成する材料で構成されており、前記基板の加熱温度を190〜300℃とすることを特徴とする成膜方法。
  2. 処理容器内に基板を配置し、前記処理容器内に気体状のコバルトカルボニルを供給し、前記基板上でコバルトカルボニルを熱分解させて前記基板上にCo膜を成膜する成膜方法であって、前記基板のCo膜の下地がAlであり、前記基板の加熱温度を175〜300℃とすることを特徴とする成膜方法。
  3. 処理容器内に基板を配置し、前記処理容器内に気体状のコバルトカルボニルを供給し、前記基板上でコバルトカルボニルを熱分解させて前記基板上にCo膜を成膜する成膜方法であって、前記基板のCo膜の下地がTiNまたはCVD−W膜であり、前記基板の加熱温度を215〜300℃とすることを特徴とする成膜方法。
  4. 前記基板のCo膜の下地がCVD−W膜である場合に、その膜を成膜する際の還元ガスがBであることを特徴とする請求項3に記載の成膜方法。
  5. 前記コバルトカルボニルは、Co(CO)であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成膜方法。
  6. 原料容器内で成膜原料として固体状のCo(CO)をその分解開始温度未満の温度で気化させて前記処理容器内に供給することを特徴とする請求項5に記載の成膜方法。
  7. 前記原料容器内にCOガスを供給することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成膜方法。
  8. 前記Co膜を成膜後、その上に電解メッキによりCuを堆積させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の成膜方法。
  9. コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、請求項1から請求項8のいずれかの成膜方法が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させることを特徴とする記憶媒体。
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