JP2012174603A - 燃料電池の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質膜・電極構造体の劣化に応じた温度制御をすることにより、前記電解質膜・電極構造体の最適な発電性能を維持することを可能にする。
【解決手段】燃料電池10は、複数の発電ユニット12を積層して構成される。燃料電池10の運転方法は、MEAの出力低下状態に対応して前記MEAから最高出力が得られる冷却媒体の温度を、予め設定する工程と、前記燃料電池10を運転させながら、所定電流値における出力電圧を検出することにより、前記MEAの前記出力低下状態を判定する工程と、判定された前記出力低下状態に対応する前記冷却媒体の温度により、前記燃料電池10を運転する工程とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が設けられる電解質膜・電極構造体とセパレータとが積層される発電ユニットを備え、前記発電ユニット間に冷却媒体を流通させる冷却媒体流路を形成して該発電ユニットが互いに積層される燃料電池の運転方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セル(発電ユニット)を備えている。燃料電池は、通常、所定の数の単位セルを積層することにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、一方のセパレータの面内に、アノード側電極に対向して燃料ガスを流すための燃料ガス流路が設けられるとともに、他方のセパレータの面内に、カソード側電極に対向して酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路が設けられている。また、セパレータ間には、冷却媒体を流すための冷却媒体流路が、前記セパレータの面方向に沿って設けられている。
この種の燃料電池では、該燃料電池の特性劣化によって出力電圧が低下することにより、所望の出力電力が得られなくなる場合がある。このため、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池の冷却制御装置が知られている。
この冷却制御装置は、図12に示すように、燃料電池1の取出し電流が電流センサ2により検出されるとともに、前記燃料電池1の出力電圧が電圧センサ3により検出されている。
そして、出力特性検出部4は、検出された電流−電圧特性(I−V特性)から出力特性として劣化率を算出している。次いで、冷却液流量調整部5は、算出された劣化率に基づいて、ポンプ6の駆動を調整することにより、冷却液の流量を増量させている。
特開2006−179333号公報
しかしながら、通常、燃料電池の劣化が進行すると、過電圧が上昇してMEA内の熱の発生が多くなってしまい、前記MEAの面内温度が上昇する。このため、MEAは、さらに劣化が促進されるという問題がある。
その際、上記の特許文献1では、燃料電池1の初期から劣化後にわたって、作動温度が一定に維持されている。これにより、上記の面内温度上昇によるさらなる燃料電池1の劣化の加速を抑制することができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、電解質膜・電極構造体の劣化に応じた冷却媒体の温度制御をすることにより、前記電解質膜・電極構造体の最適な発電性能を維持することができ、燃料電池の性能低下を有効に抑制することが可能な燃料電池の運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に一対の電極が設けられる電解質膜・電極構造体とセパレータとが積層される発電ユニットを備え、前記発電ユニット間に冷却媒体を流通させる冷却媒体流路を形成して該発電ユニットが互いに積層される燃料電池の運転方法に関するものである。
この運転方法は、電解質膜・電極構造体の出力低下状態に対応して前記電解質膜・電極構造体から最高出力が得られる冷却媒体の温度を、予め設定する工程と、燃料電池を運転させながら、所定電流値における出力電圧を検出することにより、前記電解質膜・電極構造体の前記出力低下状態を判定する工程と、判定された前記出力低下状態に対応する前記冷却媒体の温度により、前記燃料電池を運転する工程とを有している。
また、この運転方法では、冷却媒体の温度は、冷却媒体流路の入口温度であることが好ましい。
さらに、この運転方法では、出力低下状態が進行した電解質膜・電極構造体は、出力低下前の前記電解質膜・電極構造体に比べて冷却媒体の温度が低温に設定されることが好ましい。
本発明によれば、電解質膜・電極構造体の出力低下状態に対応する冷却媒体温度が予め設定され、前記電解質膜・電極構造体の前記出力低下状態に対応する前記冷却媒体温度により、燃料電池が運転される。このため、出力低下状態にある電解質膜・電極構造体から最高出力を得ることができるとともに、前記電解質膜・電極構造体がさらに性能低下(出力低下)することを確実に阻止することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池を組み込む燃料電池システムの概略説明図である。 前記燃料電池を構成する発電ユニットの要部分解斜視説明図である。 前記発電ユニットを構成する第1セパレータの正面説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る運転方法を説明するフローチャートである。 冷却媒体入口温度と出力性能との関係説明図である。 MEAの劣化状態を示す電流−電圧説明図である。 劣化前後の冷却媒体入口温度と出力性能との関係説明図である。 劣化割合と最適温度との関係説明図である。 MEA測温部位とMEA温度との関係説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成する発電ユニットの要部分解斜視説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する発電ユニットの要部分解斜視説明図である。 特許文献1の冷却制御装置の説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、燃料電池システム11に組み込まれる。この燃料電池システム11は、例えば、車両(図示せず)に搭載される車載用燃料電池システムを構成する。
燃料電池10は、発電ユニット12を備え、複数の前記発電ユニット12が、水平方向(矢印A方向)(又は鉛直方向)に沿って互いに積層される。発電ユニット12は、図1及び図2に示すように、第1セパレータ14、第1電解質膜・電極構造体(MEA)16a、第2セパレータ18、第2電解質膜・電極構造体(MEA)16b及び第3セパレータ20を設ける。第1セパレータ14、第2セパレータ18及び第3セパレータ20は、例えば、金属セパレータで構成されているが、カーボンセパレータ等により構成されてもよい。
図2に示すように、第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16bは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜22と、前記固体高分子電解質膜22を挟持するアノード側電極24及びカソード側電極26とを備える。アノード側電極24は、固体高分子電解質膜22及びカソード側電極26よりも小さな表面積を有する段差型MEAを構成している。
アノード側電極24及びカソード側電極26は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜22の両面に形成される。
発電ユニット12の長辺方向(矢印C方向)の上端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔30a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔32aが設けられる。
発電ユニット12の長辺方向(矢印C方向)の下端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔30bが設けられる。
発電ユニット12の短辺方向(矢印B方向)の両端縁部上方には、矢印A方向に互いに連通して、冷却媒体を供給するための一対の冷却媒体入口連通孔34a、34aが設けられるとともに、前記発電ユニット12の短辺方向の両端縁部下方には、前記冷却媒体を排出するための一対の冷却媒体出口連通孔34b、34bが設けられる。
各冷却媒体入口連通孔34a、34aは、酸化剤ガス入口連通孔30a及び燃料ガス入口連通孔32aに近接し、且つそれぞれ矢印B方向両側の各辺に振り分けられる。各冷却媒体出口連通孔34b、34bは、酸化剤ガス出口連通孔30b及び燃料ガス出口連通孔32bにそれぞれ近接し、且つそれぞれ矢印B方向両側の各辺に振り分けられる。
第1セパレータ14の第1電解質膜・電極構造体16aに向かう面14aには、燃料ガス入口連通孔32aと燃料ガス出口連通孔32bとを連通する第1燃料ガス流路36が形成される。第1燃料ガス流路36は、矢印C方向に延在する複数の流路溝部36aを有するとともに、前記第1燃料ガス流路36の入口近傍及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部38及び出口バッファ部40が設けられる。
第1セパレータ14の面14bには、冷却媒体入口連通孔34aと冷却媒体出口連通孔34bとを連通する冷却媒体流路44の一部である複数の流路溝部44aが形成される。流路溝部44aの入口近傍及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部46a及び出口バッファ部48aが設けられる。
第2セパレータ18の第1電解質膜・電極構造体16aに向かう面18aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとを連通する第1酸化剤ガス流路50が形成される。第1酸化剤ガス流路50は、矢印C方向に延在する複数の流路溝部50aを有する。第1酸化剤ガス流路50の入口近傍及び出口近傍には、入口バッファ部52及び出口バッファ部54が設けられる。
第2セパレータ18の第2電解質膜・電極構造体16bに向かう面18bには、燃料ガス入口連通孔32aと燃料ガス出口連通孔32bとを連通する第2燃料ガス流路58が形成される。第2燃料ガス流路58は、矢印C方向に延在する複数の流路溝部58aを有するとともに、前記第2燃料ガス流路58の入口近傍及び出口近傍には、入口バッファ部60及び出口バッファ部62が設けられる。
第3セパレータ20の第2電解質膜・電極構造体16bに向かう面20aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとを連通する第2酸化剤ガス流路66が形成される。第2酸化剤ガス流路66は、矢印C方向に延在する複数の流路溝部66aを有する。第2酸化剤ガス流路66の入口近傍及び出口近傍には、入口バッファ部68及び出口バッファ部70が設けられる。
第3セパレータ20の面20bには、冷却媒体流路44の一部である複数の流路溝部44bが形成される。流路溝部44bの入口近傍及び出口近傍には、それぞれ複数のエンボスを有する入口バッファ部46b及び出口バッファ部48bが設けられる。
第1セパレータ14の面14a、14bには、この第1セパレータ14の外周端縁部を周回して第1シール部材74が、個別に又は一体に設けられる。第2セパレータ18の面18a、18bには、この第2セパレータ18の外周端縁部を周回して第2シール部材76が、個別に又は一体に設けられるとともに、第3セパレータ20の面20a、20bには、この第3セパレータ20の外周端縁部を周回して第3シール部材78が、個別に又は一体に設けられる。
図3に示すように、第1セパレータ14の面14bでは、第1シール部材74は、冷却媒体入口連通孔34a、34aを冷却媒体流路44の入口側に連通する一方、冷却媒体出口連通孔34b、34b及び冷却媒体連通路35を前記冷却媒体流路44の出口側に連通する。
同様に、第3セパレータ20の面20bでは、図2に示すように、第3シール部材78は、冷却媒体入口連通孔34a、34aを冷却媒体流路44の入口側に連通する一方、冷却媒体出口連通孔34b、34b及び冷却媒体連通路35を前記冷却媒体流路44の出口側に連通する。
第1セパレータ14は、燃料ガス入口連通孔32aと第1燃料ガス流路36とを連通する複数の外側供給孔部80a及び内側供給孔部80bと、燃料ガス出口連通孔32bと前記第1燃料ガス流路36とを連通する複数の外側排出孔部82a及び内側排出孔部82bとを有する(図2及び図3参照)。
第2セパレータ18は、燃料ガス入口連通孔32aと第2燃料ガス流路58とを連通する複数の供給孔部84と、燃料ガス出口連通孔32bと前記第2燃料ガス流路58とを連通する複数の排出孔部86とを有する。
発電ユニット12同士が互いに積層されることにより、一方の発電ユニット12を構成する第1セパレータ14と、他方の発電ユニット12を構成する第3セパレータ20との間には、矢印B方向に延在する冷却媒体流路44が形成される。
図1に示すように、複数の発電ユニット12の積層方向(矢印A方向)の一端には、ターミナルプレート90a、絶縁プレート92a及びエンドプレート94aが配設される。発電ユニット12の積層方向の他端には、ターミナルプレート90b、絶縁プレート92b及びエンドプレート94bが配設される。
エンドプレート94aには、図示しないが、燃料ガスの供給を行う燃料ガス供給マニホールド、前記燃料ガスの排出を行う燃料ガス排出マニホールド、酸化剤ガスの供給を行う酸化剤ガス供給マニホールド、前記酸化剤ガスの排出を行う酸化剤ガス排出マニホールドが設けられる。
エンドプレート94aには、さらに冷却媒体の供給を行う冷却媒体供給マニホールド96a及び前記冷却媒体の排出を行う冷却媒体排出マニホールド96bが設けられる。冷却媒体供給マニホールド96a及び冷却媒体排出マニホールド96bには、冷却媒体循環供給装置98を構成する冷却媒体循環路100が接続される。
冷却媒体循環路100には、循環ポンプ102とラジエータ104とサーモスタッド部(流量調整弁)106とが配設される。サーモスタッド部106は、冷却媒体循環路100から分岐してラジエータ104を迂回するバイパス路108の途上に接続される。
冷却媒体循環路100には、燃料電池10の冷却媒体入口に対応し、すなわち、冷却媒体供給マニホールド96aに近接して入口側温度検出器110が配設される。冷却媒体循環路100には、燃料電池10の冷却媒体出口に対応し、すなわち、冷却媒体排出マニホールド96bに近接して出口側温度検出器112が配設される。入口側温度検出器110及び出口側温度検出器112からの検出信号は、コントローラ114に送られるとともに、前記コントローラ114は、燃料電池システム11全体の制御を行う。
このように構成される燃料電池10の運転方法について、図4に示すフローチャートに沿って、以下に説明する。
なお、以下の説明では、第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16bを、単にMEAともいう。また、MEAの劣化(出力低下)は、荷重抜けによる電気抵抗の上昇、電極触媒層の劣化による活性化電圧の上昇、カーボンペーパのカーボン腐食による過電圧の上昇等に起因する。
先ず、発電ユニット12の劣化状態、具体的には、MEA(第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16b)の出力低下状態に対応して、前記MEAから最高出力が得られる冷却媒体の温度が、予め設定される(スッテップS1)。
ここで、冷却媒体入口温度、具体的には、冷却媒体供給マニホールド96aの温度と、MEAの出力性能とは、図5に示す関係を有している。
MEAは、湿度が100%の状態で且つ最高出力が得られる最適温度T1を有している。このMEAでは、冷却媒体入口温度が低すぎると、水つまりが惹起される一方、冷却媒体入口温度が高すぎると、湿度が低下して乾燥されてしまう。
そこで、予め、図5に示すように、MEAの発電性能が最大となる前記MEAの最適温度T1が実験的に求められる。そして、MEAの温度が最適温度T1になるときの冷却媒体入口温度が算出される。以下、冷却媒体入口温度とMEA最適温度とは、同一の概念として用いる。
次いで、燃料電池10の運転中に、所定電流値の電圧を測定することにより、MEAにどの程度劣化(出力低下状態)が進んでいるかを示す劣化率が算出される。具体的には、図6に示すように、燃料電池10では、I−V(電流−電圧)特性が得られている。例えば、200Aの電流値において、初期(劣化のない)電圧V0に対し電圧V1まで出力低下が惹起された際に、初期状態からの劣化率(例えば、20%減少)が算出される。なお、劣化測定における電流値は、直線的な変化を示す抵抗過電圧の領域で行うことが好ましい。
MEAに劣化(出力低下)が生じると、このMEA内の熱の発生が多くなって、膜温度が上昇する。このため、MEAの劣化の割合(劣化率)に応じた冷却媒体の最適温度を、予め設定されたグラフ(図7参照)から読み出す。
例えば、図8に示すように、初期MEA(性能出力が低下していないMEA)では、冷却媒体入口温度が最適温度T1として予め得られている。一方、性能低下が惹起されたMEAでは、冷却媒体入口温度が最適温度T1よりも低温の最適温度T2において最高出力が得られる。
従って、例えば、20%の劣化率を有するMEAでは、最適温度T2となる冷却媒体入口温度に設定される。そして、MEAの最適温度(MEA最適温度)とMEAの劣化率(劣化の割合)とが得られ、このデータは、図8に示すように、予めグラフとして記憶されている。
次いで、ステップS2に進んで、燃料電池10の運転が開始される。図2に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔32aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、一対の冷却媒体入口連通孔34a、34aには、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第2セパレータ18の第1酸化剤ガス流路50及び第3セパレータ20の第2酸化剤ガス流路66に導入される。この酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス流路50に沿って矢印C方向(重力方向)に移動し、第1電解質膜・電極構造体16aのカソード側電極26に供給されるとともに、第2酸化剤ガス流路66に沿って矢印C方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体16bのカソード側電極26に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔32aから外側供給孔部80aを通って第1セパレータ14の面14b側に移動する。さらに、燃料ガスは、内側供給孔部80bから面14a側に導入された後、第1燃料ガス流路36に沿って重力方向(矢印C方向)に移動し、第1電解質膜・電極構造体16aのアノード側電極24に供給される。
また、燃料ガスは、供給孔部84を通って第2セパレータ18の面18b側に移動する。このため、燃料ガスは、面18b側で第2燃料ガス流路58に沿って矢印C方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体16bのアノード側電極24に供給される。
従って、第1及び第2電解質膜・電極構造体16a、16bでは、カソード側電極26に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極24に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、第1及び第2電解質膜・電極構造体16a、16bの各カソード側電極26に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。
第1電解質膜・電極構造体16aのアノード側電極24に供給されて消費された燃料ガスは、内側排出孔部82bを通って第1セパレータ14の面14b側に導出される。面14b側に導出された燃料ガスは、外側排出孔部82aを通って、再度、面14a側に移動し、燃料ガス出口連通孔32bに排出される。
また、第2電解質膜・電極構造体16bのアノード側電極24に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部86を通って面18a側に移動する。この燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔32bに排出される。
さらに、図1に示すように、冷却媒体循環供給装置98を構成する冷却媒体循環路100から燃料電池10に供給された冷却媒体は、左右一対の冷却媒体入口連通孔34a、34aに供給される(図2参照)。冷却媒体は、一方の発電ユニット12を構成する第1セパレータ14と、他方の発電ユニット12を構成する第3セパレータ20との間に形成された冷却媒体流路44に導入される。
図3に示すように、一対の冷却媒体入口連通孔34a、34aは、発電ユニット12の上部側左右両端に酸化剤ガス入口連通孔30a及び燃料ガス入口連通孔32aに近接する位置に振り分けて設けられている。
このため、各冷却媒体入口連通孔34a、34aから冷却媒体流路44に供給される冷却媒体は、矢印B方向に且つ互いに近接する方向に供給される。そして、互いに近接する冷却媒体は、冷却媒体流路44の矢印B方向中央部側で衝突して重力方向(矢印C方向下方)に移動した後、発電ユニット12の下部側両側部に振り分けて設けられている各冷却媒体出口連通孔34b、34bに排出される。また、冷却媒体流路44の下流に流動した冷却媒体の一部は、冷却媒体連通路35に向かって重力方向に排出されている。
各冷却媒体出口連通孔34b、34bに排出される冷却媒体は、図1に示すように、冷却媒体循環路100に戻される。冷却媒体は、サーモスタッド部106を介してラジエータ104に供給される強制冷却用経路と、前記ラジエータ104を迂回する経路(バイパス路108)とに選択的に流通される。さらに、循環ポンプ102の作用下に、冷却媒体は、燃料電池10に循環供給される。
さらに、図4中、ステップS3に進んで、コントローラ114は、燃料電池10を運転させながら、所定電流値における出力電圧を検出する(図6参照)。MEAに出力電圧の低下、すなわち、劣化が惹起されていると判断されると(ステップS3中、YES)、ステップS4に進んで、MEAの劣化率(出力低下状態)が判定される。
ここで、例えば、MEAの劣化率が20%であると(出力電圧V0から出力電圧V1に低下)、図7に示すグラフに基づいて、MEAの最適温度T2が読み出される(ステップS5)。
次に、このMEAの最適温度T2に対応する冷却媒体入口温度が読み出される。コントローラ114は、読み出された冷却媒体入口温度になるように、サーモスタッド部106を駆動制御する。そして、燃料電池10の運転が終了することにより(ステップS6中、YES)、上記の制御が終了する。
この場合、第1の実施形態では、MEAの出力低下状態に対応する冷却媒体入口温度が予め設定され、前記MEAの前記出力低下状態に対応する前記冷却媒体入口温度により、燃料電池10が運転されている。
特に、発電ユニット12では、図2に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスが鉛直上方向から鉛直下方向に向かって流通されるとともに(平行流)、冷却媒体が発電面に沿って鉛直上方向から鉛直下方向に向かって流れている。
従って、発電ユニット12の発電面下方側には、他の部分に比べて高温になり易い、所謂、ヒートスポットが発生し易い。このため、図9に示すように、MEAの劣化が進むと、特に、前記MEAの下部側は、劣化閾値を越えてさらに劣化が促進されるおそれがある。
そこで、第1の実施形態では、冷却媒体入口温度を初期の冷却媒体入口温度よりも低温に設定している。これにより、MEAの上部から下部にわたって、MEA温度が劣化閾値以下に冷却されるため、前記MEAの劣化の促進を有効に抑制することが可能になる。従って、劣化したMEAにおける最高出力を得ることができるとともに(図8参照)、前記MEAがさらに性能低下することを確実に阻止することが可能になるという効果が得られる。
しかも、冷却媒体入口温度を初期の冷却媒体入口温度よりも低温にすることができる。このため、MEA全体にわたりヒートスポットの発生が確実に阻止され、良好な発電性能を得ることが可能になる。
なお、MEAの劣化は、冷却媒体入口温度(冷却媒体供給マニホールド96aの温度)と冷却媒体出口温度(冷却媒体排出マニホールド96bの温度)との温度差を検出することにより、判定することもできる。検出された温度差が、初期温度差を超える値となった際、冷却媒体入口温度を初期冷却媒体入口温度よりも低温に設定すればよい。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池120を構成する発電ユニット122の要部分解斜視説明図である。
なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
発電ユニット122は、電解質膜・電極構造体124が、第1セパレータ126と第2セパレータ128とに挟持される。発電ユニット122の矢印C方向の上端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔34a及び燃料ガス入口連通孔32aが、矢印A方向に貫通形成される。発電ユニット122の矢印方向の下端縁部には、燃料ガス出口連通孔32b、冷却媒体出口連通孔34b及び酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印A方向に貫通形成される。
第1セパレータ126のカソード側電極26に対向する面には、重力方向下方に向かって酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流路130が形成される。第2セパレータ128のアノード側電極24に対向する面には、重力方向下方に向かって燃料ガスを流通させる燃料ガス流路132が形成される。
第1セパレータ126と第2セパレータ128との各対向する面には、これらの間に重力方向に向かって冷却媒体を流通させる冷却媒体流路134が形成される。
このように構成される発電ユニット122では、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体は、重力方向下方に向かってそれぞれ流通する平行流を構成している。従って、特に発電ユニット122の下部側にヒートスポットが発生し易い。
このため、第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様に、電解質膜・電極構造体124の出力低下状態に対応する冷却媒体入口温度が、予め設定される。これにより、電解質膜・電極構造体124にヒートスポットが発生することがなく、所望の発電性能を得ることができる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池140を構成する発電ユニット142の要部分解斜視説明図である。
発電ユニット142は、電解質膜・電極構造体144が第1セパレータ146と第2セパレータ148とに挟持される。発電ユニット142の矢印B方向一端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体出口連通孔34b及び燃料ガス出口連通孔32bが、矢印A方向に貫通形成される。発電ユニット142の矢印B方向他端縁部には、燃料ガス入口連通孔32a、冷却媒体入口連通孔34a及び酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印A方向に貫通形成される。
第1セパレータ146のカソード側電極26に対向する面には、酸化剤ガス流路150が形成されるとともに、第2セパレータ148のアノード側電極24に対抗する面には、燃料ガス流路152が形成される。第1セパレータ146と第2セパレータ148との間には、冷却媒体流路154が形成される。
これのように構成される第3の実施形態では、酸化剤ガス流路150の酸化剤ガス流れ方向と燃料ガス流路152の燃料ガス流れ方向とは、互いに反対方向に、すなわち、対向流に構成されている。この第3の実施形態では、上記の第1及び第2の実施形態と同様の運転方法を採用することにより、同様の効果が得られる。
10、120、140…燃料電池 11…燃料電池システム
12、122、142…発電ユニット
14、18、20、126、128、146、148…セパレータ
16a、16b、124、144…電解質膜・電極構造体
22…固体高分子電解質膜 24…アノード側電極
26…カソード側電極 30a…酸化剤ガス入口連通孔
30b…酸化剤ガス出口連通孔 32a…燃料ガス入口連通孔
32b…燃料ガス出口連通孔 34a…冷却媒体入口連通孔
34b…冷却媒体出口連通孔
36、58、132、152…燃料ガス流路
44、134、154…冷却媒体流路
50、66、130、150…酸化剤ガス流路
74、76、78…シール部材 98…冷却媒体循環供給装置
100…冷却媒体循環路 102…循環ポンプ
104…ラジエータ 106…サーモスタッド部
108…バイパス路 110、112…温度検出器
114…コントローラ

Claims (3)

  1. 電解質膜の両側に一対の電極が設けられる電解質膜・電極構造体とセパレータとが積層される発電ユニットを備え、前記発電ユニット間に冷却媒体を流通させる冷却媒体流路を形成して該発電ユニットが互いに積層される燃料電池の運転方法であって、
    前記電解質膜・電極構造体の出力低下状態に対応して該電解質膜・電極構造体から最高出力が得られる冷却媒体の温度を、予め設定する工程と、
    前記燃料電池を運転させながら、所定電流値における出力電圧を検出することにより、前記電解質膜・電極構造体の前記出力低下状態を判定する工程と、
    判定された前記出力低下状態に対応する前記冷却媒体の温度により、前記燃料電池を運転する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  2. 請求項1記載の運転方法において、前記冷却媒体の温度は、前記冷却媒体流路の入口温度であることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  3. 請求項1又は2記載の運転方法において、前記出力低下状態が進行した前記電解質膜・電極構造体は、出力低下前の前記電解質膜・電極構造体に比べて前記冷却媒体の温度が低温に設定されることを特徴とする燃料電池の運転方法。
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