以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る物品保管装置1の概略的な構成を示す正面図である。物品保管装置1は、銀行等に代表される金融機関の店舗のオフィスに設置されている。物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、鍵を保持して管理するための鍵管理ユニット21と、物品保管装置1へのログインに必要な装置カード(第1記憶媒体)ACを保持して管理するためのカード管理ユニット22と、バラ通帳(以下、単に「通帳」という。)を保持して管理するための通帳管理ユニット23と、一般ユニット24と、一般ユニット25とを備えている。このように、物品保管装置1は、複数のユニット10,21〜25を組み合わせて構成されている。物品保管装置1には当該オフィスに勤務する複数の利用者が登録されており、利用者に装置カードAC(図3および図4参照)が1枚ずつ配布されている。
図1に示す配置構成では、オフィスの床面直上に一般ユニット25および通帳管理ユニット23が、左右方向にこの順に並置されている。一般ユニット25の上には、カード管理ユニット22および操作制御ユニット10が、左右方向にこの順に並んで載置されている。また、カード管理ユニット22上には鍵管理ユニット21が載置されている。
この明細書では、図1に示す物品保管装置1における床面直上に設置される通帳管理ユニット23および一般ユニット25をそれぞれ「下段ユニット」と言う場合があり、また、下段ユニット(通帳管理ユニット23および一般ユニット25)の上方に設置される操作制御ユニット10、鍵管理ユニット21、カード管理ユニット22および一般ユニット24をそれぞれ「上段ユニット」と言う場合がある。
鍵管理ユニット21は、複数の鍵を収納するとともに、各鍵の持ち出しや返却を個別に管理するための管理/収納ユニットである。鍵管理ユニット21は物品収納部B1内に所定個数(たとえば30個)の鍵を保管可能である。鍵管理ユニット21の物品収納部B1は、筐体からなる物品収納部B1の本体の前面を開閉するための扉215と、扉215を施解錠するための扉施錠部212(図7参照)とを備えている。扉215は物品収納部B1の本体に片開き可能に取り付けられている
カード管理ユニット22は、複数枚の装置カードACを収納するとともに、各装置カードACの持ち出しや返却を個別に管理するための管理/収納ユニットである。装置カードACは、物品保管装置1にログインするために用いられる操作カード(磁気カード)である。カード管理ユニット22のカード収納部(記憶媒体収納部)B2内には、所定枚数(図1および図3に示すカード収納部B2ではたとえば50枚)の装置カードACを収納可能である。
通帳管理ユニット23は3つの物品収納部B10〜B12を備えている。物品収納部B10、物品収納部B11および物品収納部B12は、それぞれ複数の通帳を収納可能である。通帳管理ユニット23は、物品収納部B10〜B12の複数の個別収納部(図示しない)に収納されている通帳の持ち出しや返却を個別に管理する管理/収納ユニットである。
各物品収納部B10〜B12は開閉可能な扉235,265を備えている。物品収納部B10,B11の扉235は、各物品収納部B10,B11の本体に引き出し可能に取り付けられている。物品収納部B12の扉265は、物品収納部B12の本体に片開き可能に取り付けられている。また、通帳管理ユニット23は、各物品収納部B10〜B12の扉235,265を施解錠するための扉施錠部231(図9参照)を備えている。
一般ユニット24は、4つの物品収納部B3〜B6を備えており、ファイルや束通帳等の重要度の高い物品を保管するための重要物管理ユニットである。各物品収納部B3〜B6は開閉可能な扉245を備えている。この扉245は各物品収納部B3〜B6の本体に片開き可能に取り付けられている。また、一般ユニット24は、各物品収納部B3〜B6の扉245を施解錠するための扉施錠部(図示しない)を備えている。
一般ユニット25は、3つの物品収納部B7〜B9を備えており、融資書類等の重要度の極めて高い物品を保管するための耐火ユニットである。各物品収納部B7〜B9は開閉可能な扉255を備えている。この扉255は各物品収納部B7〜B9の本体に引き出し可能に取り付けられている。また、一般ユニット25は、各物品収納部B7〜B9の扉255を施解錠するための扉施錠部(図示しない)を備えている。
操作制御ユニット10は、ユニット21〜25の施解錠等を制御する制御ユニットである。操作制御ユニット10の本体の前面中央部には、タッチパネルLCD(Liquid Crystal Display)102が配設されている。タッチパネルLCD102は、各種の画面やメッセージ等を表示したり、指先等によるタッチにより操作したりするための表示操作部である。利用者は物品保管装置1から物品を持ち出す場合に、タッチパネルLCD102を操作して、目的の物品が保管されているユニット21、23〜25の物品収納部B1,B3〜B12の扉215,235,245,255を解錠する。
また、操作制御ユニット10には、タッチパネルLCD102の一側方(図1に示す右方)に、カードリーダ101が配置されている。操作制御ユニット10の本体の前面には、カードリーダ101の読み取り溝101aが形成されている。カードリーダ101は、装置カードAC(図3および図4参照)や従業員カードECとして用いられる磁気カードからID(Identification)を読み取るための読取装置である。
物品保管装置1には、同じ店舗内にそれぞれ設置されているホストコンピュータ26、ATM(Automatic Teller Machine)27、両替機28、出納機29等が通信可能に接続されている。ホストコンピュータ26は、顧客の銀行口座の口座番号等を含む口座情報や、暗証番号、口座残高等の顧客情報を保持して、顧客の口座を管理するための装置である。ATM27は、顧客が当該顧客の銀行口座に対し、貨幣を引き出したり貨幣を入金したりするための装置である。両替機28は、現金の両替処理を行うための装置である。出納機29は、現金の入金および出金を行うための装置であり、主として店舗の従業員(すなわち利用者)によって操作される。
物品保管装置1は、鍵管理ユニット21から鍵を持ち出す操作をログイン中の利用者が行う場合、その利用者が施解錠権限を有する鍵ホルダの位置を示す鍵位置案内画面(図示しない)がタッチパネルLCD102に表示される。また、物品保管装置1は、ログイン中の利用者が通帳管理ユニット23から通帳を持ち出す操作を行う場合、当該利用者が持ち出そうとしている通帳が収納されている物品収納部B10,B11および通帳個別収納領域の位置を示す通帳位置案内画面(図示しない)が、タッチパネルLCD102に表示される。このように、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面や通帳位置案内画面が表示されるから、利用者は、出し入れの対象になる鍵や通帳が、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット23のどの位置に収納されているかを容易に把握することができる。
しかも、物品保管装置1では、図1に示すように、鍵管理ユニット21、カード管理ユニット22、通帳管理ユニット23、一般ユニット24および一般ユニット25が、操作制御ユニット10に隣接して配置されている。言い換えれば、これらのユニット21〜25は、操作制御ユニット10の周囲に集約して配置されている。そのため、利用者は、タッチパネルLCD102に表示された鍵位置案内画面を見ながら、鍵ホルダ部213に対して鍵を取り出す/投入することができる。また、利用者は、タッチパネルLCD102に表示された通帳位置案内画面を見ながら、通帳管理ユニット23の物品収納部B10,B11に対して通帳を取り出す/投入することができる。これにより、鍵や通帳の取り出し/投入を、より一層容易に行うことができる。
また、片開き可能な扉215を有する鍵管理ユニット21が上段に配置され、手前側に引き出し可能な扉235を有する通帳管理ユニット23(物品収納部B10,B11)が下段に配置されている。これにより、鍵管理ユニット21の鍵ホルダ部213や通帳管理ユニット23(物品収納部B12)の通帳個別収納領域がより一層見易くなる。
図2は、物品保管装置1の電気的構成を示すブロック図である。なお、図2では、物品保管装置1の特徴を説明するために必要な構成要素を中心に示している。
物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、被制御ユニット20とを備えている。この実施形態において被制御ユニット20とは、操作制御ユニット10を除くユニット、すなわち、鍵管理ユニット21、カード管理ユニット22、通帳管理ユニット23、一般ユニット24および一般ユニット25を含む趣旨である。
操作制御ユニット10は、カードリーダ101と、タッチパネルLCD102と、記憶部104(記憶媒体管理手段)と、制御部105とを備えている。
記憶部104は不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって、実現されている。記憶部104は、被制御ユニット管理情報104aを記憶している。また、記憶部104には、利用者管理テーブル104bおよび物品管理テーブル104cが設けられている。
被制御ユニット管理情報104aは、被制御ユニット20に含まれる各ユニット、すなわち鍵管理ユニット21、カード管理ユニット22、通帳管理ユニット23、一般ユニット24および一般ユニット25に関する情報である。被制御ユニット管理情報104aは、各ユニット21,22,23,24,25の位置情報、鍵ホルダ部213(図7参照)の状態に関する情報、各カード個別収納部46の状態に関する情報、通帳管理ユニット23の各通帳個別収納領域の状態に関する情報、通帳管理ユニット23の通帳計数部232(図9参照)による計数結果情報等を含んでいる。
図3は、図1に示すカード管理ユニット22の構成を示す図である。図1および図3を参照して、カード管理ユニット22について説明する。このカード管理ユニット22は装置カードACを収納するとともに、その装置カードACを発行することができるようになっている。この実施形態では装置カードACとして磁気カードが用いられているので、カード管理ユニット22は磁気カードを収納/発行しているが、装置カードACとしてICカード(とくに非接触ICカード)を用いることもでき、この場合には、カード管理ユニット22はICカード(とくに非接触ICカード)を収納・発行することができる。なお、装置カードACとしてICカード(とくに非接触ICカード)を用いる場合には、カードリーダ101として、ICカードを読み取り可能なカードリーダが必要なのは言うまでもない。
カード管理ユニット22のカード収納部B2は、筐体からなる本体内に、複数枚の装置カードACを収納している。カード収納部B2の本体の前壁上部には、装置カードACの投入/排出を行うためのカード投入/排出口31が配設されている。カード投入/排出口31は、装置カードACを水平姿勢で前方へ送り出して発行したり、後方へ送り出して受け入れたりすることが可能な構成になっている。また、以下の説明では、装置カードACを複数枚収納するためのカード収納体43からカード投入/排出口31に至る、装置カードACを搬送するための搬送通路に関し、カード収納体43側を「上流側」と言い、カード投入/排出口31側を「下流側」と言う場合がある。
カード投入/排出口31の後方側(すなわち上流側)には、装置カードACに対してデータを書き込み/読み出すためのカードデータ処理部32が配設されている。カードデータ処理部32は、装置カードACを搬送するための第1搬送機構33と、第1搬送機構33により保持されている装置カードACに対し、データの読み出しや書き込みを実行するためのカードリーダライタ(図示しない)とを備えている。第1搬送機構33は装置カードACを、カード投入/排出口31へ向けて前方へ、あるいはカード投入/排出口31から後方へ向けて、双方向に搬送するものである。第1搬送機構33は装置カードACを水平姿勢で搬送するための第1搬送通路34と、装置カードACを挟み込んだ状態で、当該カードACを第1搬送通路34に沿って搬送するための複数対の第1搬送ローラ35とを備えている。
カードデータ処理部32に対し、カード投入/排出口31と反対側(すなわち上流側)には、装置カードACを回転させてその向きを変更するための回転搬送部36が配設されている。回転搬送部36は、装置カードACを上流側および下流側の双方向に搬送するための第2搬送機構37を備えている。第2搬送機構37は、装置カードACを搬送するための第2搬送通路38と、装置カードACを挟み込んだ状態で、当該カードACを第2搬送通路38に沿って搬送するための複数対の第2搬送ローラ39とを備えている。
回転搬送部36は、左右方向に水平に延びる中心軸40まわりに回転搬送部36を回転させる回転機構41を備えている。中心軸40は第2搬送通路38における搬送方向の略中央に配設されている。回転機構41は、回転搬送部36を、第2搬送通路38が鉛直方向に延びる鉛直姿勢と、第2搬送通路38が水平方向に延びる水平姿勢との間で、中心軸40まわりに略90°回転させることが可能である。回転搬送部36が鉛直姿勢にある状態では、回転搬送部36は移動搬送部51との間で互いに装置カードACの受け渡しが可能である。また、回転搬送部36が水平姿勢にある状態では、回転搬送部36は、カードデータ処理部32との間で互いに装置カードACの受け渡しが可能である。回転機構41は、回転搬送部36を回転駆動するためのステッピングモータ等の回転駆動部(図示しない)や、回転搬送部36の回転位置を検知するための回転位置検知部(図示しない)等を含む。
回転搬送部36の後方には、異常のある装置カードACを回収するためのリジェクトボックス42が配設されている。カードデータ処理部32で異常のカードと判別された装置カードACは、水平姿勢にある回転搬送部36から後方に向けて搬送され、リジェクトボックス42に受け入れられて回収される。
一方、カード収納部B2の下部には、複数枚の装置カードACを収納するためのカード収納体43が配設されている。すなわち、カード収納体43は、カードデータ処理部32、回転搬送部36およびリジェクトボックス42の下方に配設されている。カード収納体43の下方には、カード収納体43に収納されている任意の装置カードACを、カード収納体43内から上方へ押し出すための押出手段44が配設されている。押出手段44は移動搬送部51に同伴移動可能に結合されている。
カード収納体43は、上下双方に開口する前後方向に長いカード収納枠45を有している。カード収納枠45内に、装置カードACを収納するための複数のカード個別収納部46は前後方向に所定のピッチで並置されている。各カード個別収納部46は装置カードACを、鉛直姿勢でかつ上方に取出可能に収納保持する。
カード収納枠45には、複数のリブ48を有するリブプレート47が取り付けられている。具体的には、リブプレート47はカード収納枠45の左右両端部にねじ止めにより取り付けられている。隣り合うリブ48間には、カード個別収納部46に収納される装置カードACの側辺を受け止めるための溝部49、およびカード個別収納部46に収納される装置カードACの下辺を支持するための支持部50(図4参照)が形成されている。左右両側で互いに対向する一対の溝部49の間に、装置カードACを収納するためのカード個別収納部46が形成されている。
複数のカード個別収納部46の上方には、たとえば透過型の光学センサによって構成され、カード個別収納部46からの装置カードACの上方に向かう飛び出しを検知するための飛び出し検知センサ66(図8参照)が配設されている。具体的には、飛び出し検知センサ66はカード収納枠45の前後両端の上部にそれぞれ取り付けられた投光部および受光部を備えている。投光部は受光部に向けて、前方または後方に光を投射する。また、各受光部は、投光部からの光を検出する。カード個別収納部46から上方へ飛び出した装置カードACによって、その光が遮られることにより、装置カードACの飛び出しが検知されるようになっている。カード収納部B2では、装置カードAC毎に収納すべきカード個別収納部46が設定されており、記憶部104の利用者管理テーブル104bには、各利用者に配布された装置カードACを収納すべきカード個別収納部46の位置(複数のカード個別収納部46のうち一のカード個別収納部46の位置。以下、「カード収納位置」と言う場合がある。)に関する位置情報(たとえば収納位置番号。)が記憶されている。
カード収納部B2における上下方向中間部には、装置カードACを鉛直姿勢で鉛直方向に搬送する移動搬送部51が前後方向に移動可能に配設されている。移動搬送部51は、カードデータ処理部32、回転搬送部36およびリジェクトボックス42と、カード収納体43との間の領域を前後方向に移動する。移動搬送部51は、装置カードACを搬送するための第3搬送機構52を備えている。第3搬送機構52は、装置カードACを鉛直姿勢で搬送するための第3搬送通路53と、装置カードACを挟み込んだ状態で、当該カードACを第3搬送通路53に沿って搬送するための複数対の第3搬送ローラ54とを備えている。
移動搬送部51は、移動搬送部51を前後方向に水平移動させるための移動機構(図示しない)を備えている。移動機構は、最も前方のカード個別収納部46との間で装置カードACの受け渡しが可能な前位置(図3に二点鎖線で示す右側の位置)と、最も後方のカード個別収納部46との間で装置カードACの受け渡しが可能な後位置(図3に二点鎖線で示す左側の位置)との間で、移動搬送部51を前後方向に水平移動させることが可能である。この移動搬送部51の原点位置は、鉛直姿勢にある回転搬送部36との間で互いに装置カードACの受け渡しを可能とする位置(図3に実線で示す位置)である。移動機構は、移動搬送部51を水平移動させるためのステッピングモータ等の駆動部(図示しない)や、移動搬送部51の水平方向位置を検知するための水平方向位置検知部(図示しない)等を含む。そして、装置カードACを発行するためのカード発行部(記憶媒体発行部)は、カードデータ処理部32、回転搬送部36、移動搬送部51および制御部150を含む。
図4は、カード収納体43および押出手段44の構成を示す図である。図3および図4を参照して、押出手段44は、移動搬送部51に同伴して前後方向に水平移動可能な移動枠55を備えている。移動枠55は、カード収納体43の左右一方に配置される鉛直部56とカード収納体43の下方に配置される水平部57とを有しており、略L字形をなしている。
移動枠55の水平部57には、カード収納体43の下方に配置される押出レバー58が、左右方向に水平な支軸65によって揺動可能に支持されている。押出レバー58の一端には、押出レバー58の揺動に同伴して移動し、カード収納体43内に進退する押出部59が突設されている。押出レバー58の他端には、押出部59が下降する方向に付勢する圧縮コイルばね60が移動枠55との間に介装されている。
移動枠55の鉛直部56にはソレノイド61が配設され、このソレノイド61のプランジャ62と押出レバー58とがリンク63を介して連結されている。ソレノイド61のオン時には、押出部59が上昇してカード収納体43内に進入するように押出レバー58が揺動し、これにより、押出部59がカード個別収納部46内に収納されている装置カードACの下辺に接触して上方へ押し出す。一方、ソレノイド61のオフ時には、圧縮コイルばね60の付勢力で、押出部59は下降しカード収納体43内から下方へ退避する。
押出部59の上面には装置カードACと接触する接触面64が形成され、この接触面64は装置カードACの下辺を受け入れ可能に、カード主面の方向に沿う円弧状をなす凹状に設けられている。
図5は、図2に示す利用者管理テーブル104bの一例を示す図である。利用者管理テーブル104bには、物品保管装置1に登録済みの利用者のデータが格納(記憶)されている。具体的には、利用者管理テーブル104bには、利用者に配布されている装置カードACのID(以下、「装置用ID」という。)に対応して、当該利用者の名称、当該装置カードACに関連して登録されているパスワード(以下、「装置パスワード」という。)、当該利用者に付与されている従業員カードEC(図1参照)のID(以下、「従業員用ID」という。)、当該従業員カードECに関連して登録されているパスワード(以下、「従業員パスワード」という。)、当該装置カードACを収納すべき個別収納部として割り当てられたカード個別収納部46の位置情報(以下、「カード収納位置情報」という。)、当該カード個別収納部46における装置カードACの有無を示すカード有無フラグの値、当該利用者が施解錠権限を有する扉(以下、「権限扉」という。)および当該利用者の権限(図4では「利用者権限」と示す。)が格納されている。
従業員カードECは、当該利用者である従業員に金融機関から付与されたカード(磁気カード)である。この従業員カードECを用いて、各店舗のオフィスにおける勤怠管理が行われている。
利用者の装置カードACが当該装置カードACに割り当てられたカード個別収納部46に収納されているときは、カード有無フラグに「1」が格納され、利用者の装置カードACが当該カード個別収納部46に収納されていないときは、カード有無フラグに「0」が格納される。この実施形態では、カード有無フラグに「0」や「1」を格納して装置カードACの有無を管理しているが、このような管理のためにカード有無フラグに格納される値は「0」や「1」に限られず、他の値が用いられてもよいのは言うまでもない。
利用者の権限とは、物品保管装置1を管理する上での各利用者に付与された権限(の度合い)をいう。この利用者の権限は、利用者の役職および/または職務に応じて当該利用者に付与されている。図5では、利用者の権限は、管理者および行員の2段階に区分けされているが、3段階以上に区分けされていてもよい。また、利用者の権限として、図5に示す「管理者」または「一般」のような役職(および/または職務)のまま利用者管理テーブル104bに格納するものであってもよいし、「高」または「低」のような権限度合いのまま利用者管理テーブル104bに格納するものであってもよい。
物品保管装置1への利用者の登録、すなわち利用者管理テーブル104bへのデータの格納は、操作制御ユニット10のタッチパネルLCD102の操作により行われる。
図5では、物品保管装置1に登録されている利用者の一例として、「栄光太郎」および「栄光次郎」の2名を挙げているが、実際にはより多くの利用者を物品保管装置1に登録できることは言うまでもない。
図6は、物品管理テーブル104cの一例を示す図である。物品管理テーブル104cには、物品保管装置1の複数の物品収納部B1,B3〜B12に関し、各物品収納部B1,B3〜B12に収納される物品、および各物品収納部B1,B3〜B12を利用可能な利用者が記憶されている。
図2を再び参照して制御部105について説明する。制御部105は、被制御ユニット20からの情報の取得、利用者の認証、タッチパネルLCD102の表示制御、被制御ユニット20への各種指示等の処理を行う。制御部105は、情報取得部105a、認証部105b、表示制御部105cおよび指示部105dを備えており、たとえばマイクロコンピュータにより実現されている。
情報取得部105aは、被制御ユニット20(ユニット21〜25)から情報を取得するための処理部である。たとえば、情報取得部105aは、鍵管理ユニット21、カード管理ユニット22、通帳管理ユニット23および一般ユニット24,25から、各ユニット21〜25の位置情報や物品収納部B1,B3〜B12の扉の開閉状態情報等を取得する。
より具体的には、情報取得部105aは、カード収納体43に含まれるカード個別収納部46の位置情報やカード個別収納部46の状態情報を鍵管理ユニット21から取得する。カード個別収納部46の状態情報は、カード個別収納部46に装置カードACが収納(装填)されているか否かを示すカード有無情報を含む。
また、タッチパネルLCD102に利用者の指先等でタッチされた情報は、情報取得部105aに付与される。
認証部105bは、利用者の認証を行うための処理部である。具体的には、認証部105bは、カードリーダ101によって読み取られた従業員用IDが、利用者管理テーブル104bに格納されているか否かを判定する。また、この従業員用IDが利用者管理テーブル104bに格納されているとき、次いで、認証部105bは、タッチパネルLCD102に入力された従業員用パスワードが、この従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている従業員パスワードと一致するか否かを判定する。そして、この従業員パスワードが一致したとき、認証部105bは真正の利用者であると認証する。
さらに、認証部105bは、カードリーダ101によって読み取られた装置用IDが、前記の従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている装置用IDと一致するか否かを判定する。また、認証部105bは、タッチパネルLCD102に入力された装置パスワードが、前記の従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている装置パスワードと一致するか否かを判定する。装置用IDが一致しかつ装置パスワードが一致したとき、認証部105bは真正の利用者であると認証する。
表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して各種の画面を表示させる処理部である。
指示部105dは、被制御ユニット20に含まれる物品収納部B1,B3〜B12の扉215,235,245,255の施解錠等の制御指示を実行する。また、指示部105dは、カード管理ユニット22のカード発行動作を指示(以下、「発行指示」という場合がある。)するとともに、カード管理ユニット22のカード収納動作を指示(以下、「収納指示」という場合がある。)する。
図7は、鍵管理ユニット21の電気的構成を示すブロック図である。鍵管理ユニット21は、I/F(Interface)部211と、扉施錠部212と、鍵ホルダ部213と、鍵管理部214とを備えている。
鍵ホルダ部213は、複数(たとえば30個)の鍵ホルダを備えている。各鍵ホルダは個別に施解錠可能に設けられている。
I/F部211は操作制御ユニット10との間で通信を行うための入出力部である。操作制御ユニット10から鍵管理ユニット21の扉215の解錠指示または施錠指示が出力されると、これらの指示はI/F部211が受信した後、扉施錠部212に付与される。扉施錠部212は、操作制御ユニット10からの解錠指示または施錠指示に基づいて鍵管理ユニット21の扉215の施解錠を行う。
なお、I/F部211は、鍵管理ユニット21に対する指示だけでなく、鍵管理ユニット21の下方に設置された下段ユニット、すなわち、カード管理ユニット22や一般ユニット25に対する指示も受け取る。一般ユニット25に対する指示を受け取ったI/F部211はカード管理ユニット22に対して送信する。
なお、操作制御ユニット10およびI/F部211間、ならびにI/F部211および下段ユニット間の通信インターフェイスとしては、たとえばRS−485を用いることができる。
鍵管理部214は、鍵ホルダ施解錠指示部214aと、状態検知部214bと、記憶部214cと、情報通知部214dとを備えている。鍵管理部214と操作制御ユニット10との間の通信は、I/F部211経由ではなく、LAN(Local Area Network)等を用いて直接行われる。
鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ部213に対し、鍵ホルダ部213に含まれる鍵ホルダの解錠または施錠を指示する処理部である。
状態検知部214bは、各鍵ホルダ部213に含まれる鍵ホルダが施錠状態または解錠状態のいずれにあるか、および各鍵ホルダに鍵が返却された状態であるか否か(鍵が返却された状態または鍵が持ち出された状態のいずれであるか)を検知する。
記憶部214cは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されており、鍵ホルダ部213に含まれる鍵ホルダの位置情報や、鍵ホルダの状態等を記憶している。
情報通知部214dは、記憶部214cに記憶された情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部214dは、記憶部214cに記憶されている情報が更新された場合に、更新された鍵ホルダ状態情報を記憶部214cから取り出して操作制御ユニット10に対して通知する。また、情報通知部214dは、物品保管装置1の起動時に、鍵ホルダ部213に含まれる各鍵ホルダの位置情報を操作制御ユニット10に対して通知する。
図8は、カード管理ユニット22の電気的構成を示すブロック図である。カード管理ユニット22は、I/F部221と、カード収納部B2の内部に収納されるべき装置カードACを管理するためのカード管理部224とを備えている。
I/F部221は、鍵管理ユニット21のI/F部211に接続されている。このI/F部221は、鍵管理ユニット21を介して操作制御ユニット10からの発行指示や収納指示を受け取ってカード管理部224に付与するとともに、カード管理部224から各カード個別収納部46の位置情報や状態情報を受け取って、鍵管理ユニット21を介して操作制御ユニット10に送信する。
また、I/F部221はカード管理部224と操作制御ユニット10との間の中継だけでなく、一般ユニット25と操作制御ユニット10との間の通信の中継も行うことができるI/F部である。
カード管理部224は、駆動制御部224aと、記憶部224bと、情報通知部224cと、状態検知部224dとを備えている。
駆動制御部224aは、カードデータ処理部32、回転搬送部36、移動搬送部51および押出手段44を駆動する処理部である。具体的には駆動制御部224aは、第1搬送ローラ35、第2搬送ローラ39、回転機構41、移動機構(図示しない)、ソレノイド61等を制御対象として駆動する。
記憶部224bは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されており、各カード個別収納部46の位置情報や、各カード個別収納部46の状態情報(カード有無情報を含む。)等を記憶している。
情報通知部224cは、記憶部224bに記憶された情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部224cは、記憶部224bに記憶されている、各カード個別収納部46の状態情報が更新された場合に、当該状態情報を記憶部224bから取り出して操作制御ユニット10に対して通知する。また、情報通知部224cは、物品保管装置1の起動時に、各カード個別収納部46の位置情報や状態情報を操作制御ユニット10に対して通知する。
状態検知部224dには飛び出し検知センサ66からの検出出力が入力されている。状態検知部224dは、この検出出力に基づいて、各カード個別収納部46における装置カードACの有無を検知する。
カード管理ユニット22では、所定のタイミングでおよび/または所定時間毎に、各カード個別収納部46における装置カードACの有無を確認する有無確認処理が実行される。図3、図4および図8を参照して、有無確認処理について具体的に説明する。
駆動制御部224aは前記移動機構を制御して、移動搬送部51を、前記前位置、前記後位置および原点位置のいずれかの位置に移動させる。また、駆動制御部224aは移動搬送部51に同伴移動している押出手段44のソレノイド61をオンにして、押出部59をカード個別収納部46内に下方から進入させる。
カード個別収納部46に装置カードACが収納されている場合、カード個別収納部46内に進入する押出部59により装置カードACが上方へ押し出されて、飛出し検知センサ66がそれまでの受光状態から遮光状態になり、これに伴って飛出し検知センサ66の検出出力が変化する。そのため、状態検知部224dは、装置カードACがカード個別収納部46に収納されていることを検知することができる。一方、カード個別収納部46に装置カードACが未収納である場合、飛出し検知センサ66は受光状態で維持される。そのため、状態検知部224dは、カード個別収納部46に装置カードACが未収納であることを検知することができる。
このカード個別収納部46に対する有無確認後は、駆動制御部224aはソレノイド61をオフするとともに、前記移動機構を制御して移動搬送部51を当該カード個別収納部の隣のカード個別収納部46との間でカード受け渡し可能な位置まで移動させる。この位置への移動後、駆動制御部224aは、ソレノイド61をオン/オフ制御して押出部59をカード個別収納部46内に進入/退避させるとともに、状態検知部224dは、飛出し検知センサ66からの検出出力の有無を確認する。このようにして、この有無確認処理では、カード収納体43の全てのカード個別収納部46に対し、装置カードACの有無確認が実行される。
図9は、通帳管理ユニット23の電気的構成を示すブロック図である。通帳管理ユニット23は、扉施錠部231と、通帳計数部232と、通帳精査部233とを備えている。
各物品収納部B10,B11内は複数の通帳個別収納領域に区分けされており、通帳個別収納領域毎に、同一種類の通帳を収納することができるようになっている。より具体的には、各物品収納部B10,B11は、左手前側の領域、右手前側の領域、左奥側の領域および右奥側の領域という4つの領域に区分けされており、これらの各領域が通帳個別収納領域を構成している。
扉施錠部231は、通帳管理ユニット23の扉235の施解錠を行うための施解錠部である。扉施錠部231は、通帳管理ユニット23の上方に設置された一般ユニット25のI/F部(図示しない)を介して操作制御ユニット10との間で通信を行っている。扉施錠部231は、操作制御ユニット10からの指示に従って物品収納部B10〜B12の扉235,265の施解錠を行う。
通帳計数部232は、通帳管理ユニット23の物品収納部B10,B11に収納された通帳を計数するための機構である。通帳計数部233は通帳個別収納領域毎に設けられている。各通帳計数部233は、対応する通帳個別収納領域に収納された通帳の冊数を計数する。通帳計数部232の具体的な構成については後述する。
通帳精査部233は、計数制御部233aと、記憶部233bと、情報通知部233cとを備えている。
図10および図11は、物品保管装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである。以下、図1〜図3、図5、および図7〜図11を参照して、物品保管装置1の処理手順について説明する。
電源が投入されて物品保管装置1が起動されると、物品保管装置1は初期化処理を行う(ステップS0)。この初期化処理において、制御部105の情報取得部105aは、被制御ユニット20(ユニット21〜25)の位置情報、鍵ホルダに関連する情報(位置情報など)、カード個別収納部46の位置情報や状態情報、計数結果情報等を取得し、被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104に記憶させる。初期化処理の終了後、物品保管装置1では、制御部105(表示制御部105c)がタッチパネルLCD102にカード未持ち出し待機画面を表示させる(ステップS1)。
図12は、タッチパネルLCD102に表示されるカード未持ち出し待機画面の一例を示す図である。カード未持ち出し待機画面には、従業員カードECをカードリーダ101に通すことを促す旨の画像251、ならびに「装置カードを取り出してください。」および「従業員カードを通してください。」など、利用者に対し装置カード発行操作の実行を促すメッセージ250が表示される。装置カード発行操作は、従業員カードECをカードリーダ101に通し、その後従業員パスワードを入力することにより行われる。
図1および図10に示すように、従業員カードECがカードリーダ101に通され、カードリーダ101によって従業員カードECから従業員用IDが読み取られると(ステップS2でYES)、制御部105の表示制御部105cが、タッチパネルLCD102に従業員パスワード入力画面を表示させる(ステップS3)。
図13は、タッチパネルLCD102に表示される従業員パスワード入力画面の一例を示す図である。従業員パスワード入力画面には、パスワードを入力するための操作キー260、ならびに「パスワード入力」および「従業員パスワードを入力してください。」など、利用者に対し従業員パスワードの入力を促すメッセージ264が表示される。操作キー260は数字キーなどの複数のキーを備えている。具体的には、図13に示す従業員パスワード入力画面には、「0」〜「9」の数字キー、「00」という数字キー、クリアキーおよびOKキーが備えられている。
また、従業員パスワード入力画面には、入力従業員パスワード表示部261が備えられている。表示制御部105cは、操作キー260の操作により入力された従業員パスワードを、入力従業員パスワード表示部261に表示させる。
この従業員パスワード入力画面には、画面の下部に、入力した従業員パスワードを取り消すための戻るボタン表示部262と、装置カードACの発行(取出し)を指示するために操作されるカード取出しボタン263とが設けられている。
カード取出しボタン263が押操作されると、図10に示すように、次いで、認証部105bは、利用者の認証に成功したか否かを判定する(ステップS4)。
具体的には、認証部105bは、カードリーダ101によって読み取られた従業員用IDが、利用者管理テーブル104bに格納されており、かつ、タッチパネルLCD102に入力された従業員用パスワードが、この従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている従業員パスワードと一致した場合に、利用者の認証に成功したと判定する(ステップS4でYES)。すなわち、装置カード発行操作に必要な認証(第1の認証)は、ID認証とパスワード認証との双方である。利用者の認証に成功した場合(ステップS4でYES)、従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに管理されている装置カードAC、すなわち当該利用者に配布されている装置カードACがカード管理ユニット22から発行される(S6:装置カード発行処理)。
以下、図1〜図3、図5および図8を参照して、ステップS6の装置カード発行処理について具体的に説明する。装置カード発行処理では、操作制御ユニット10(指示部105d)がカード管理ユニット22のカード管理部224に対し、カードリーダ101によって読み取られた従業員用IDに対応するカード個別収納部46(カード収納位置情報)に収納されている装置カードACを発行する旨を指示する。カード管理ユニット22の待機状態すなわち物品保管装置1の待機状態では、回転搬送部36が鉛直姿勢に位置しており、移動搬送部51は原点位置に位置している。
操作制御ユニット10(指示部105d)からの発行指示に基づいて、カード管理部224の駆動制御部224aは、前記移動機構を制御して、移動搬送部51を、装置カードACの取り出しの対象になるカード個別収納部46との間で装置カードACの受け渡しが可能な位置に移動させる。また、カード管理部224の駆動制御部224aは、移動搬送部51に同伴移動している押出手段44のソレノイド61をオンして押出部59をカード個別収納部46内に下方から進入させる。これにより、カード個別収納部46内に収納されていた装置カードACは上方に押し出されて移動搬送部51に引き渡される。
また、駆動制御部224aは、第3搬送ローラ54を回転駆動して、カード収納体43から受け取った装置カードACを、第3搬送通路53を下流側に向けて搬送させる。また、駆動制御部224aは、前記移動機構を駆動して移動搬送部51を原点位置まで移動させる。そして、移動搬送部51が原点位置にある状態で、上方の鉛直姿勢にある回転搬送部36に装置カードACが引き渡される。
また、駆動制御部224aは、移動搬送部51が装置カードACを受け取った後、第2搬送ローラ39を回転駆動して、装置カードACを、第2搬送通路38を下流側に向けて搬送させる。また、駆動制御部224aは、回転機構41を駆動して回転搬送部36を水平姿勢になるまで回転させる。そして、水平姿勢になった回転搬送部36から、カードデータ処理部32に装置カードACが引き渡される。
駆動制御部224aは、第1搬送ローラ35を回転駆動して、回転搬送部36から受け取った装置カードACを、第1搬送通路34を下流側に向けて搬送させ、カード投入/排出口31からユニット外に排出させる。これにより、カード管理ユニット22から装置カードACが発行される。
図10を再び参照して、一方、カードリーダ101によって読み取られた従業員用IDが利用者管理テーブル104bに記憶されていないか、あるいは入力された従業員パスワードが、カードリーダ101によって読み取られた従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている従業員パスワードと不一致である場合に、利用者の認証に失敗したと判定される(ステップS4でNO)。この場合、制御部105(表示制御部105c)は、タッチパネルLCD102における従業員パスワード入力画面上に、認証が成立しない旨のエラーメッセージなどを表示させる(S5:エラー表示)。そして、エラー表示後、またはステップS2においてカードリーダ101によって従業員カードECが未だ読み取られていない場合(ステップS2でNO)、制御部105は、ステップS1以降の処理を繰り返す。
ステップS6の装置カード発行処理の実行後は、物品保管装置1では、制御部105(表示制御部105c)が、タッチパネルLCD102に通常待機画面を表示させる(ステップS8)。
図14は、タッチパネルLCD102に表示される通常待機画面の一例を示す図である。通常待機画面には、装置カードACをカードリーダ101に通すことを促す旨の画像271、ならびに「ログインしてください。」および「装置カードを通してください。」など、利用者に対しログイン操作の実行を促すメッセージ270が表示される。また、通常待機画面には、画面の下部に、直近に装置カードを取り出した利用者とは異なる他の利用者の装置カードACを、カード管理ユニット22から持ち出すために操作される持ち出しボタン272と、持ち出し(発行)済みの装置カードACを物品保管装置1内に返却するために操作される返却ボタン273とを備えている。
図10に示すように、装置カードACがカードリーダ101に通され、カードリーダ101によって装置カードACから装置用IDが読み取られると(ステップS9でYES)、制御部105(表示制御部105c)が、タッチパネルLCD102に装置パスワード入力画面を表示させる(ステップS10)。
図15は、タッチパネルLCD102に表示される装置パスワード入力画面の一例を示す図である。装置パスワード入力画面には、パスワードを入力するための操作キー280、ならびに「パスワード入力」および「装置パスワードを入力してください。」など、利用者に対し装置パスワードの入力を促すメッセージ284が表示される。操作キー280は数字キーなどの複数のキーを備えている。具体的には、図15に示す装置パスワード入力画面には、「0」〜「9」の数字キー、「00」という数字キー、クリアキーおよびOKキーが備えられている。
また、装置パスワード入力画面には、入力装置パスワード表示部281が備えられている。表示制御部105cは、操作キー280の操作により入力された装置パスワードを、入力装置パスワード表示部281に表示させる。
この装置パスワード入力画面には、画面の下部に、入力した装置パスワードを取り消すための戻るボタン282と、物品保管装置1へのログインを決定するために操作されるログインボタン283が設けられている。図10に示すように、ログインボタン283が押操作されると、次いで認証部105bは、利用者の認証に成功したか否かを判定する(ステップS11)。
具体的には、認証部105bは、カードリーダ101によって読み取られた装置用IDが、前記の従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている装置用IDと一致し、かつ入力された装置パスワードが、前記の従業員用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている装置パスワードと一致した場合に、利用者の認証に成功したと判定する(ステップS11でYES)。すなわち、ログインに必要な認証(第2の認証)は、ID認証とパスワード認証との双方である。利用者の認証に成功した場合(ステップS11でYES)、次いで表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に操作メニュー画面(操作選択画面)を表示させる(ステップS13)。ここで、操作メニュー画面には、ユニット21、23〜25の物品収納部B1,B3〜B12(の扉215,235,245,255)にそれぞれに対応するアイコン(操作ボタン)が表示される。
一方、カードリーダ101によって読み取られた装置用IDが利用者管理テーブル104bに記憶されている装置用IDと不一致であるか、あるいは入力された装置パスワードが、カードリーダ101によって読み取られた装置用IDに対応して利用者管理テーブル104bに記憶されている装置パスワードと不一致である場合に、利用者の認証に失敗したと判定される(ステップS11でNO)。この場合、制御部105(表示制御部105c)が、タッチパネルLCD102における装置パスワード入力画面上に、認証が成立しない旨のエラーメッセージなどを表示させる(S12:エラー表示)。そして、エラー表示後、またはステップS9において装置カードACがカードリーダ101に未だ読み取られていない場合(ステップS9でNO)、物品管理装置1は待機状態になり、制御部105はステップS7以降の処理を繰り返す。このとき、タッチパネルLCD102には通常待機画面が表示される。言い換えれば、物品管理装置1の起動後、ある利用者により装置カードACが一旦取り出された後しばらくすると、物品管理装置1は待機状態に移行し、タッチパネルLCD102には通常待機画面が表示されている。
この状態で、他の利用者が自身の装置カードACを持ち出すことができる。具体的には、当該他の利用者は、タッチパネルLCD102の通常待機画面の持ち出しボタン272を押操作する(ステップS8でYES)。これにより、ステップS1の処理へと戻り、再び、タッチパネルLCD102にカード未持ち出し待機画面が表示される。そして、前述した装置カード発行のための認証に成功し、その後ログインのための認証に成功することにより、物品保管装置1にログインすることができる。
また、この待機状態において、利用者は、物品保管装置1から持ち出した、ある装置カードACを物品保管装置1内に返却することができる。装置カードACをカード管理ユニット22に返却(収納)するための装置カード収納処理については、具体的に後述する。
次いで、ステップS14以降の処理について説明する。
操作メニュー画面において鍵管理ユニット21の物品収納部B1に対応するアイコンが選択操作されると(ステップS14でYES)、その後、所定の鍵出入操作が行われることにより、制御部105は、鍵管理ユニット21内に収納されている鍵を持ち出しまたは返却するための鍵出入処理を実行する(ステップS15)。
具体的には、鍵出入処理では、制御部105(指示部105d)は、鍵管理ユニット21の扉施錠部212を制御して、鍵管理ユニット21の物品収納部B1の扉215を解錠する。また、制御部105は、出し入れ対象の鍵ホルダを施解錠する施解錠部(図示しない)を制御して、当該鍵ホルダを解錠させる。なお、鍵の出し入れ後には、所定の終了操作が行われることにより、制御部105は扉施錠部212を制御して物品収納部B1の扉215を施錠するとともに、出し入れ対象の鍵ホルダを施錠する。これにより、鍵出入処理が終了する。
また、操作メニュー画面において通帳管理ユニット23の物品収納部B10,B11に対応するアイコンが選択操作されると(ステップS16でYES)、制御部105は、通帳選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS17)。
具体的には、物品収納部B10,B11に対応するアイコンが選択操作されると、表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に通帳選択画面を表示させる。この通帳選択画面は、出し入れの対象になる通帳の種類を、通帳管理ユニット23の物品収納部B10,B11に収納するとして設定されている複数種類の通帳の中から選択させるための画面である。そして、この通帳選択画面において出し入れの対象になる一種類の通帳が選択されると、制御部105は通帳選択操作が行われたと判定し(ステップS17でYES)。次いで、通帳出入処理を実行する(ステップS18)。
具体的には、通帳出入処理では、制御部105(指示部105d)は、通帳管理ユニット23の扉施錠部231を制御して、出し入れ対象の通帳を収納するための物品収納部B10,B11の扉235を解錠する。なお、通帳の出し入れ後には、所定の終了操作が行われることにより、制御部105は扉施錠部231を制御して出し入れ対象の物品収納部B10,B11の扉235を施錠する。これにより、通帳出入処理が終了する。
なお、通帳出入処理の終了後は、出し入れ対象の物品収納部B10,B11において、通帳計数部232による通帳の冊数の計数が実行される。この通帳の冊数の計数は、出し入れ対象の物品収納部B10,B11の出し入れ対象の通帳個別収納領域だけで実行されていてもよいし、出し入れ対象の物品収納部B10,B11に含まれる全ての通帳個別収納領域で実行されていてもよい。また、出し入れ対象の物品収納部B10,B11だけでなく、全ての物品収納部B10〜B12で通帳の冊数が計数されていてもよい。
さらに、物品収納部B10,B11に収納されている通帳の冊数の計数は、通帳出入処理の終了後だけでなく、初期化処理時、所定時刻、所定時間の経過毎などに実行されるものであってもよい。
また、操作メニュー画面において一般ユニット24,25の物品収納部B3〜B9に対応するアイコンが選択操作されると(ステップS19でYES)、制御部105は、物品収納部の選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS20)。
具体的には、操作メニュー画面において物品収納部B3〜B9に対応するアイコンが選択操作されると、表示制御部105cは、物品収納部選択画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。この物品収納部選択画面は、出し入れの対象の物品収納部を、一般ユニット24,25の物品収納部B3〜B9の中から選択させるための画面である。そして、この収納部選択画面において出し入れの対象の物品収納部B3〜B9が選択されると(ステップS20でYES)、制御部105は、その選択された物品収納部B3〜B9の物品出入処理を実行する(ステップS22)。
物品出入処理では、制御部105(指示部105d)は、一般ユニット24,25の扉施錠部(図示しない)を制御して、出し入れ対象の物品収納部B3〜B9の扉255を解錠させる。より具体的には、上段ユニットである一般ユニット24の物品収納部B3〜B6が出し入れ対象である場合には、指示部105dは、一般ユニット24のI/F部(図示しない)に対して物品収納部の扉255の解錠を指示する。これに対し、下段ユニットである一般ユニット25の物品収納部B7〜B9が出し入れ対象である場合には、指示部105dは、一般ユニット25の上部に設置された鍵管理ユニット21のI/F部211経由で物品収納部B7〜B9の解錠を指示する。
なお、物品の出し入れ後には、所定の終了操作が行われることにより、制御部105は扉施錠部(図示しない)を制御して、出し入れ対象の物品収納部B3〜B9の扉255を施錠する。これにより、物品出入処理が終了する。
ステップS15の鍵出入処理、ステップS18の通帳出入処理あるいはステップS22の物品出入処理がそれぞれ終了したとき、またはタッチパネルLCD102における操作メニュー画面において、物品収納部B1,B3〜B12に対応するアイコンに対応するアイコンのいずれも選択操作されていないとき(ステップS19でNO)、制御部105はログアウト操作が行われたか否かを判定する(ステップS23)。かかる処理において、ログアウト操作が行われていないとき(ステップS23でNO)、制御部105は、ステップS13以降の処理を繰り返す。一方、ログアウト操作が行われたと判定した場合(ステップS23でYES)、制御部105は、ステップS8以降の処理を繰り返す。
なお、物品(鍵、通帳およびその他の物品)の出し入れの際に、出し入れの対象の物品収納部(扉)に対応するアイコンを選択することにより、この物品の出し入れの操作を行うものとして説明した。言い換えれば、出し入れの対象の物品収納部(扉)を選択することにより、出し入れ対象のユニット21,23〜25を指定していた。しかしながら、出し入れの対象の物品を選択することにより、出し入れ対象のユニット21,23〜25を指定するようにすることも可能であるのは言うまでもない。具体的には、物品名が描かれた操作ボタンを操作することにより、物品の出し入れの操作を行うようにしてもよい。
各利用者は退勤時または外出時に、自身に配布された装置カードACを物品保管装置1内に返却する。以下、図1〜図3、図5および図8を参照して、装置カード収納処理について具体的に説明する。
物品保管装置1の待機状態では、タッチパネルLCD102に、図14の通常待機画面が表示されている。そして、カード返却ボタン273が選択操作されると、制御部105(指示部105d)はカード管理ユニット22に対して収納指示を通知する。この収納指示に基づいて、駆動制御部224aは、カードを上流側に搬送する方向に第1搬送ローラ35を回転駆動する。そして、収納対象の装置カードACがカード投入/排出口31に挿入(投入)されると、装置カードACは、第1搬送ローラ35の回転駆動によって第1搬送通路34を上流側に向けて搬送される。そして、装置カードACは、第1搬送通路34上におけるカードリーダライタ(図示しない)に対向する領域を通過する際に、カードリーダライタによって装置用IDが読み取られる。この装置用IDが制御部105(情報取得部105a)に取得される。そして、制御部105は利用者管理テーブル104bを参照して、装置用IDに対応するカード収納位置を調べる。そして、そのカード収納位置を収納すべきカード個別収納部46として設定する。
駆動制御部224aは、第1搬送ローラ35の回転駆動を続行して、回転搬送部36から受け取った装置カードACを、第1搬送通路34を上流側に向けてさらに搬送させる。また、駆動制御部224aは回転機構41を制御して、待機状態以降も鉛直姿勢に位置していた回転搬送部36を水平姿勢へと回転させる。そして、第1搬送通路34の上流端まで搬送された装置カードACは、水平姿勢にある回転搬送部36に引き渡される。
駆動制御部224aは、第2搬送ローラ39を駆動して、カードデータ処理部32から受け取った装置カードACを、第2搬送通路38を上流側に向けて搬送する。また、駆動制御部224aは、回転機構41を駆動して回転搬送部36を鉛直姿勢まで回転させる。そして、鉛直姿勢にある回転搬送部36から、待機状態以降も原点位置にある移動搬送部51に装置カードACが引き渡される。
回転搬送部36から装置カードACを受け取った後、駆動制御部224aは第3搬送ローラ35を駆動して、受け取った装置カードACを、第3搬送通路53を上流側に向けて搬送する。また、駆動制御部224aは前記移動機構を駆動して、移動搬送部51を、当該装置カードACを収納すべきカード個別収納部46との間で装置カードACの受け渡しが可能な位置まで移動させる。そして、当該カード個別収納部46に装置カードACが引き渡されて、その内部に収納(装填)される。
物品保管装置1では、物品保管装置1に登録されている利用者全員の装置カードACが返却されると、その後、自動的にシャットダウン(自動シャットダウン)される。図16は、物品保管装置1で実行される自動シャットダウン処理の流れを示すフローチャートである。
起動後の物品保管装置1では、ある装置カードACが一旦発行された後は、利用者全員の装置カードACが返却済みになるか否かが監視されている。具体的には、制御部105は前述の装置カード収納処理が終了する毎に利用者管理テーブル104bを参照し、利用者全員の装置カードACが返却済みの状態であるか否か、すなわち、利用者に対応するカード個別収納部46のカード有無フラグの値が全て「1」であるか否かを調べる(ステップS51,S52)。全ての装置カードACが返却済みである場合には(ステップS52でYES)、制御部105は、シャットダウン処理を実行する(ステップS53)。
また、起動後の物品保管装置1において、利用者全員の装置カードACが返却済みになるか否かが常時監視されていてもよい。この場合、たとえば所定の時刻(たとえば15時0分)以降であり、かつ全ての装置カードACが返却済みである場合に、制御部105がシャットダウン処理を実行してもよい。
以上により、この実施形態によれば、物品保管装置1にログインするために用いられる装置カードACを収納するためのカード管理ユニット22が、物品保管装置1内に設けられている。そして、使用していない装置カードACをカード管理ユニット22に収納することにより、装置カードACを物品保管装置1内で安全に保管することができる。利用者が装置カードACを物品保管装置1外で保管する必要がないから、利用者の心理的負担を解消することができる。
また、従業員カードECを用いた操作によって、カード管理ユニット22から装置カードACを発行させることができる。そして、カード管理ユニット22から発行された装置カードACを用いた操作によって、物品保管装置1にログインすることができる。したがって、物品保管装置1にログインするために2回の操作が必要になり、しかも、各操作で必要なカードが異なるので、物品保管装置1のセキュリティをより一層高めることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することができる。
たとえば、物品保管装置1を、利用者の勤怠管理(出退勤管理)と連動させることも可能である。具体的には、図1に二点鎖線で示すように、物品保管装置1には、オフィス内に設置された出退管理機30が通信可能に接続されている。出退管理機30は、たとえばオフィスのドアの周囲に設置されたリーダを備えており、オフィス内で勤務する利用者の出勤/退勤の有無や出退時間などの出退勤情報を管理している。オフィスへの出勤時/退勤時に利用者が自己の従業員カードECなどをリーダに通すことにより、出退管理機30はその利用者の出退勤情報を管理する。また、出退管理機30は、物品保管装置1に、当該物品保管装置1に登録されている利用者の出退勤情報を常時送信している。
図5に二点鎖線で示すように、利用者管理テーブル104bには、物品保管装置1に登録済みの利用者の装置用IDに対応して、当該利用者の出勤の有無を示す出退フラグの値が格納されている。
物品保管装置1は、出退管理機30から受信した、利用者の出退勤情報に基づいて、利用者管理テーブル104bの出退フラグに「0」または「1」の値を格納する。出退管理機30が「出勤」状態と管理している利用者、すなわちオフィスに出勤している利用者に対応する出退フラグには「1」が格納され、また、出退管理機30が「退勤」状態と管理している利用者、すなわちオフィスに未出勤している利用者に対応する出退フラグには「0」が格納される。なお、出退フラグに格納される値は、「0」や「1」に限られず、他の値が用いられてもよいのは言うまでもない。
この場合、現在出勤している利用者に対応する装置カードACのみ、カード管理ユニット22からの発行が許容されていてもよい。具体的には、装置カード発行操作があった場合、装置カード発行処理に先立って利用者管理テーブル104bが参照され、装置カード発行操作を行った利用者に対応する出退フラグの値が「1」であるときは、その後装置カード発行処理が実行され、当該出退フラグの値が「0」であるときは、装置カード発行処理の実行が禁止されるようになっていてもよい。
言い換えれば、オフィスに未出勤の利用者に関連付けられた(対応付けられた)装置カードACの発行は禁止され、出勤済みの利用者に関連付けられた(対応付けられた)装置カードACの発行は許容される。すなわち、物品保管装置1にログインするために用いられる可能性のある装置カードACを除いて、装置カードACの発行が禁止される。これにより、利用者の使い勝手を阻害することなく、より安全に装置カードACを保管することができる。
また、この場合において、出退管理機30が管理するある利用者が、「出勤」状態から「退勤」状態になったのに対し、当該利用者に対応するカード個別収納部46に装置カードACが未収納であるとき、より具体的には、利用者管理テーブル104bのある利用者に対応する出退フラグの値が「1」から「0」に切り換わったのにも拘らず、当該利用者に対応するカード有無フラグの値が依然として「0」のままであるとき、利用者が装置カードACを物品保管装置1に返却(収納)しないまま退勤しようとしているとして、物品保管装置がたとえばアラーム音の出力などの報知を行うようにしてもよい。なお、このような報知は出退管理機30により実行されてもよい。
また、前述の実施形態では、装置カード発行のための認証およびログインのための認証の双方で、カードID(従業員用ID、装置用ID)を用いた認証(以下、単に「ID認証」という。)と、パスワード(従業員パスワード、装置パスワード)を用いた認証(以下、単に「パスワード認証」という。)という2種類の認証が実行されていた。すなわち、装置カード発行のための認証と、ログインのための認証とでは、その種類および回数が同じ(認証の態様が同じ)であった。
しかしながら、装置カード発行のための認証とログインのための認証とで、その内容(認証の態様)が異ならされていてもよい。たとえば、装置カード発行のための認証では前述の実施形態と同様に、カード認証とパスワード認証との2つの認証が行われているが、ログインのための認証では、カード認証のみが行われていてもよい。
逆に、ログインのための認証ではカード認証とパスワード認証との2つの認証が行われているが、装置カード発行のための認証では、パスワード認証のみが行われていてもよい。また、これに代えて、装置カード発行のための認証で、カード認証のみが行われていてもよい。
さらには、装置カード発行のための認証ではパスワード認証のみが行われ、ログインのための認証ではカード認証のみが行われていてもよい。
また、装置カード発行のための認証と、ログインのための認証との内容(認証の態様)が同じであってもよい。具体的には、装置カード発行のための認証とログインのための認証との双方で、カード認証のみが行われていてもよい。
前述したように、通帳管理ユニット23では、物品収納部B10,B11に収納されている通帳の冊数を計数する。この通帳管理ユニット23は、通帳の冊数だけに止まらず、通帳の異常の有無等をも含めた通常の状態を精査することができる(自動精査機能)。この自動精査機能は、通帳管理ユニット23の通帳計数部232および通帳精査部233によって実現される。以下、通帳計数部232および通帳精査部233について説明する。
図17は、通帳計数部232の構成を模式的に示す図である。図17(A)および図17(B)では、通帳計数部232の内部をY方向から見た図を図17(A)に、通帳計数部232の内部をZ方向の反対方向から見た図を図17(B)に示している。なお、図17(A)および図17(B)は、通帳計数部232の特徴部分を中心に示しており、その他の部分は適宜省略している。
図17(A)および図17(B)を参照して、通帳計数部232は、計数対象になる通帳を積層状態で収納するための収納部420と、収納部420に収納されている通帳の背を検出するための主センサ411aおよび副センサ411bとを備えている。
収納部420は、開口を有する箱状に形成されている。収納部420の内部は仕切り板430によって複数の収納領域に仕切られている。各収納領域は、複数冊の通帳を積層状態で収納可能である。通帳の積層方向に沿う方向を、図17(A)および図17(B)に示すX方向(以下、単に「X方向」と言う。)とする。通帳は、その背を図17(B)に示す所定のY方向(開口側。以下、単に「Y方向」と言う。)を向けるとともに、その前小口(背の反対側)がY方向と反対方向を向いた姿勢で、収納部420に収納される。このY方向は、X方向と直交する所定の一方向である。なお、仕切り板430は収納部420に固定的に取り付けられている。
そして、収納部420の各収納領域は、当該収納領域に収納されている通帳を押さえるための押さえ板440を備えている。押さえ板440はX方向に沿って移動可能に設けられており、計数の際には、収納領域に収納されている複数冊の通帳をX方向に向けて押し付ける。その結果、通帳に余計な膨らみがなくなり、各通帳の厚みが一様になる。押さえ板440の可動範囲は図17(B)に示す可動範囲mである。
一対のセンサ411a,411bは、投光部(後述する)および受光部(後述する)が収納部420に収納される通帳の背に対向する姿勢で、センサホルダ470によって保持されている。具体的には、一対のセンサ411a,411bは、センサ411a,411b同士を結ぶ線分が図17(A)および図17(B)に示すZ方向(以下、単に「Z方向」と言う。)に沿うように、センサホルダ470のセンサ基板(図示しない)に並置されている。センサホルダ470およびセンサ411a,411bは、X方向に沿って移動可能に設けられている。センサ411a,411bの可動範囲は可動範囲sである。また、Y方向から見たときのセンサ411a,411bの走査範囲はセンサ通過範囲fである。なお、いずれのセンサ411a,411bを主センサとして取り扱うのかは予め設定可能であり、また適宜変更可能とする。
なお、X方向、Y方向、Z方向は互いに直交する方向である。すなわち、X方向がY方向およびZ方向の双方と直交しており、かつY方向がX方向およびZ方向の双方と直交している。
また、各センサ411a,411bはいわゆる反射型の光学センサであり、投光部(図示しない)および受光部(図示しない)を備えている。各投光部は、計数対象である通帳に向けて光を投射する。また、各受光部は、通帳によって反射する光を検出する(図17(B)に示す折れ矢印700参照)。また、センサ411a,411bによる検出動作に併せて、各センサ411a,411bはセンサ通過範囲f内をZ方向に沿って走査する。
また、両センサ411a,411bの焦点距離は異なっている。すなわち、センサ411aの焦点距離がd1なのに対し、センサ411bの焦点距離はd2である(d1>d2)。これにより、検出値が両センサ411a,411b間で異なるようになる。
また、仕切り板430および押さえ板440は、Z方向に沿って延びる樹脂ブロック450をそれぞれ備えている。このような樹脂ブロック450は、主センサ411aおよび副センサ411bの検出結果から計数対象範囲を切り出す際における切り出し位置の指標の特定のために設けられている。したがって、樹脂ブロック450は、2つのセンサ411a,411bの検出結果において特定が可能なように、次に述べる2つの特徴を有している。
1つ目の特徴は、樹脂ブロック450をZ方向に直交する面で切断した断面形状が、直角を頂点とする直角三角形となっており、また、かかる頂点が丸みを帯びたいわゆるR形状になっている点である。したがって、主センサ411aおよび/または副センサ411bに傾き誤差が存在する場合であっても、その傾きを含んだ上での検出結果を得ることができる。
また、前述した断面形状の傾斜によって、主センサ411aおよび副センサ411bの受光素子が反射光を受けにくくなるため、樹脂ブロック450の頂点の反射光のみを特定し易くすることができる。なお、図17(B)の拡大図gには、樹脂ブロック450の頂点が半径3mmのR形状である場合を示しているが、検証試験などを通じて、樹脂ブロック450の位置特定に適正な検出結果が得られる形状とすればよい。
また、2つ目の特徴は、樹脂ブロック450は反射率の高い白色を基調としつつ、透過率の低い素材で構成されている点である。このため、樹脂ブロック450は、主センサ411aおよび副センサ411bの検出結果において高い出力値を示すことが期待できるので、樹脂ブロック450の位置を特定し易くすることができる。なお、樹脂ブロック450が樹脂製であるとして説明したが、その材料は樹脂に限定されず、反射率が高くて透過率の低いものであればよい。
また、仕切り板430および押さえ板440は、それぞれ、センサ通過範囲f内の所定箇所に切り欠き460を有している。このような切り欠き460は、主センサ411aおよび副センサ411bの検出結果の各々から計数対象範囲を切り出す際に、樹脂ブロック450の位置を切り出し位置の指標として特定し易くするためのものである。具体的には、切り欠き460は反射率の低い黒色を基調としており、そのため、反射率の高い樹脂ブロック450の位置を検出結果の上で明確化する役割を果たす。
また、切り欠き460は、樹脂ブロック450の頂点から、通帳と接触する樹脂ブロック450端面までの最短距離iの位置に存在している。これにより、樹脂ブロック450と通帳との間に確実に検出結果の差異をつけることができる。
図18は、通帳精査部233の電気的構成を示すブロック図である。図18では、通帳精査部233の特徴を説明するために必要な構成のみを示しており、その他の構成は適宜省略している。
通帳精査部233は、前述のように、計数制御部233aと、記憶部233bと、情報通知部233cとを備えている。また、通帳精査部233はセンサ部411をさらに含む。
計数制御部233aは、センサ部411から入力した信号に基づいて通帳の部数の計数を行い、その計数結果を検証および判定して情報通知部233cに対して通知する処理を行う。
また、計数制御部233aは、計数結果の判定内容によってはセンサ411a,411bの切替を行い、他方のセンサから得た出力による再計数処理の制御などを行う。計数制御部233aは、波形抽出部234aと、凹凸計数部234bと、検証部234cと、計数結果判定部234dと、切替部234eとを含む。
記憶部233bは、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、抽出変数群235aと、閾値情報235bと、計数情報235cとを記憶する。
情報通知部233cは、計数結果判定部234dからの計数値や、正常終了や異常終了といった終了ステータスなどの計数結果通知を受け取る処理部である。また、情報通知部233cは、計数結果判定部234dからの計数結果通知を操作制御ユニット10に対して出力する。
センサ部411は、センサ411a,411b(図17参照)からの出力信号を受け取り、波形抽出部234aに対して通知する入力デバイスである。また、センサ部411は、センサ411a,411b毎に個別に設けられている。したがって、通帳計数部232にセンサ411a,411bが複数設けられている場合には、複数のセンサ部411が互いに独立して計数処理を実行する。
次いで、計数制御部233aの波形抽出部234a、凹凸計数部234b、検証部234c、計数結果判定部234d、および切替部234eについて、順に説明する。
図19は、波形抽出部234aにおける処理を説明するための図である。なお、図19(A)に波形データの抽出を説明する図を示し、図19(B)は、波形データの平滑化を説明するための図を示している。また、図19(C)は、波形データの切り出しを説明する図を示している。
以下、図18、図19(A)、図19(B)および図19(C)を参照しつつ、波形抽出部234aについて説明する。波形抽出部234aは、センサ部411から入力した信号に基づいて計数可能な形のデータヘ加工する処理を行う。また、加工したデータを凹凸計数部234bに対して通知する。
図19(A)に示すように、波形抽出部234aは、センサ部411から入力した信号を波形データとしてサンプリングする。この際、波形抽出部234aは、記憶部233bの抽出変数群235aに予め格納されているサンプリング間隔値を参照して処理を行う。なお、図19(A)に示すサンプリング範囲tは、1冊の通帳、すなわち計数単位を表している。
また、波形抽出部234aは、図19(A)に示す波形データに基づき、波形データを平滑化する処理を行う(図19(B)参照)。この平滑化のための処理は、各サンプリングポイントと前後のサンプリングポイントとの平均値を新たなサンプリングポイントとするもので、波形データの細かい変化を逓減させてノイズ成分を抑える効果を得ることができる。
なお、波形抽出部234aは、記憶部233bの抽出変数群235aに予め格納されている平滑化変数を参照して処理を行う。図19(B)に示す「平滑化(3)」とは、3つのサンプリングポイント平均値であることを表しており、この場合の平滑化変数は3である。
また、波形抽出部234aは、図19(B)に示す平滑化後の波形データから、図19(C)に示す計数対象範囲を切り出す処理を行う。この際、波形抽出部234aは、記憶部233bの抽出変数群235aに予め格納されている樹脂ブロック位置特定情報を参照して処理を行う。かかる樹脂ブロック位置特定情報は、図17に示す樹脂ブロック450の位置を特定するための最短距離iなどを含む。なお、図19(C)に示すB1およびB2は、樹脂ブロック450の頂点を表している。
次に、凹凸計数部234bについて説明する。図18に示すように、凹凸計数部234bは、波形抽出部234aが加工したデータに基づいて通帳を計数する。具体的には、凹凸計数部234bは、計数対象範囲全ての凹凸部を検出して、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間を計数単位とし、かかる計数単位の計数を行う。
この際、凹凸計数部234bは、記憶部233bの閾値情報235bとして予め格納されている電圧閾値(各凹凸部を検出するための電圧閾値)を参照して処理を行う。また、凹凸計数部234bは、検出した全ての凹凸部と計数単位の計数値とを、検証部234cに対して通知する処理を行う。
また、凹凸計数部234bは、切替部234eからの再計数指示を受け取り、新たに計数対象となった411a,411bのデータに基づいて通帳を計数する処理を行う。なお、センサ部411と、波形抽出部234aと、凹凸計数部234bとで各センサ411a,411bに対応する計数手段を構成する。
次に、検証部234cについて説明する。
検証部234cは、凹凸計数部234bが検出した全ての凹凸部に基づいてデータを検証する処理を行う。具体的には、検証部234cは、天地判定処理、凹部判定処理および幅検証処理を実行する。また、検証部234cは、このようなデータの検証結果と凹凸計数部234bから受け取った計数値とを、計数結果判定部234dに対して通知する。
図20は、検証部234cによって実行される天地判定処理を説明するための図である。図21は、検証部234cによって実行される凹部判定処理を説明するための図である。図22および図23は、検証部234cによって実行される幅検証処理を説明するための図である。
検証部234cは、凹凸計数部234bが検出した全ての凸部を処理対象として通帳の天地判定処理を行う。ここにいう通帳の天地とは、図17に示すY方向を天とし、Y方向と反対方向を地としている。すなわち、天地判定処理では、通帳の前小口(背の反対側)が天へ向いて収納されている通帳が計数対象範囲の中に存在するか否か、つまりいわゆる逆向きに収納されている通帳が存在するか否かを判定している。
図20に示すように、411a,411bの検出結果においては、通帳の収納状態の差異は所定の区間のサンプリングポイント数の差異として表れてくる。たとえば、図20に示す1冊正常の場合のH1区間のサンプリングポイント数は4個、1冊逆の場合のH2区間は6個、2冊逆の場合のH3区間は12個である。したがって、所定のサンプジングポイント数を閾値とすれば(閾値として設定されたサンプジングポイント数を、以下、天地判定用閾値と言う。)、天地逆向きで収納された通帳の検出が可能となる。
そして、通帳が天地逆向きで収納されていた場合でも、図20に示す1冊逆の場合のように、適正に凹部が検出されていれば、計数単位として計数を行うことが可能である。しかしながら、図20に示す2冊逆の場合の枠Pのように、適正に凹部が検出されていなければ、計数単位として計数を行うことができない。
そこで、天地判定処理では検証部234cは、通帳が2冊以上連続して天地逆向きであるために計数不能である場合を、天地判定用閾値に基づいて天地判定する処理が行われる。以下に、天地判定処理の手順を説明する。
まず、検証部234cは、前小口(背の反対側)を天に向けて収納された通帳を検出するため、所定の電圧値以上の凸部を検索する。通常、通帳の前小口は白色であるため、センサ411a,411bの光を受けた際の反射率が高くなり、所定の電圧値以上の出力値を示すからである。ここで、所定の電圧値は、図20のhで示す値であり、記憶部233bの閾値情報235bに格納されている。
次いで、検証部234cは、サンプリングポイントを計数する区間を区切るため、検出した凸部の電圧値から境界電圧を算出する。ここで、境界電圧は図20に示すbであり、予め記憶部233bに閾値情報235bとして格納された所定の比率に基づいて算出される。
そして、検証部234cは、図20に示す境界電圧bによって区切られた区間(図20の区間H1、区間H2および区間H3を参照)のサンプリングポイントの計数を行う。そして、検証部234cは、計数したサンプリングポイント数と天地判定用閾値とを比較して、天地逆向きの通帳が2冊以上連続しているか否かの判定を行う。その結果、2冊以上連続していれば天地判定異常とされる。この天地判定用閾値は、記憶部233bに閾値情報235bとして格納されている。この天地判定用閾値は、後述する通帳厚み計測処理の計測結果に基づいて自動的に設定される。
次に、図21を参照して、検証部234cによって実行される凹部検証処理を説明する。図21(A)は、凹部検証処理における正常なパターンの例を示し、図21(B)は、凹部検証処理における異常なパターンの例を示している。
ここで、たとえば黒色や青色といった、センサ411a,411bの光が照射された際の反射率が低い暗色の通帳が計数対象である場合に、図21(A)に示す正常なパターンでは、図21(A)に示す点γである凸部と両隣に位置する2つの凹部とを、凹凸計数部234bが適正に検出している。これに対し、図21(B)に示す異常なパターンでは、同国に示した点γ周辺の凸部と右隣の凹部とを、凹凸計数部234bが適正に検出できていない。
したがって、図21(B)に示す異常なパターンでは、図21(B)に示す区間H1および区間H2をそれぞれ計数単位としてしまうため、同図に示した例では通帳が3冊と計数されるべきところを2冊と計数してしまい、正確な計数結果が得られなくなる。
かかる正常なパターンと異常なパターンとの差異は、図21(A)および図21(B)に示す点α、点βおよび点γである各凸部の区間T1、区間T2のサンプリング間隔数の差異として表れてくる。したがって、所定のサンプリング間隔数を閾値とすれば(閾値として設定されたサンプリング間隔数を、以下、凹部検証用閾値と言う。)、正常なパターンと異常なパターンとの判別が可能になる。
そこで、検証部234は、黒色や青色といった暗色の通帳が計数対象としてある場合に、正常なパターンと異常なパターンとの判別を、凹部検証用閾値との比較に基づいて行う。以下に、凹部検証処理の手順を説明する。
まず、凹部検証処理では検証部234は、所定の電圧値以下の凹部を検索する。通常、通帳が黒色や青色といった暗色である場合、センサ411a,411bの光を受けた際の反射率が低くなり、所定の電圧値以下の出力値を示すからである。ここで、所定の電圧値は、図21(A)および図21(B)にbで示す値であり、記憶部233bの閾値情報235bとして格納されている。
次いで、検証部234cは、検出した凹部の両隣に位置する2つの凸部間を、サンプリング間隔を計数する区間として区切り(図21(A)および図21(B)に示す区間T1、区間T2参照)、サンプリング間隔の計数を行う。そして、計数したサンプリング間隔数と凹部検証用閾値とを比較して、正常なパターンと異常なパターンとの判別を行い、異常なパターンと判別すれば凹部検証異常とする。この凹部検証用閾値は、記憶部233bに閾値情報235bとして格納されている。この凹部検証用閾値は、後述する通帳厚み計測処理の計測結果に基づいて自動的に設定される。
次に、図22および23を参照して、検証部234cによって実行される幅検証処理を説明する。図23(A)は幅検証処理における正常なパターンの例を示し、図23(B)は幅検証処理における異常なパターンの例を示している。
検証部234cは、凹凸計数部234bが検出した全ての凹凸部を処理対象として幅検証処理を行う。ここにいう幅検証とは、通帳精査部233の対応規格外である幅を有する通帳の存否を判定することを指す。そこで、幅検証処理において、検証部234cは、全ての凹凸部から計数単位当りのセンサ通過時間を検証して、適正でない幅を有する通帳の存否を判定する処理を行う。
まず、検証部234cは、凹凸計数部234bが検出した全ての凹凸部を処理対象として、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間、すなわち計数単位当りのサンプリング間隔の計数を、全ての計数単位に対して行う。図22に示すtnは、このような計数単位当りのサンプリング間隔数を表している。
次いで、検証部234cは、前述した計数単位当りのサンプリング間隔数の分布を求める(図23(A)および図23(B)参照)。ここで、サンプリング間隔数とはセンサ通過時間と同義であるため、かかる分布は計数単位当りのセンサ通過時間範囲を表すことになる。
そして、検証部234cは、計数単位当りのセンサ通過時間範囲が所定の範囲内にあるか否かを判定する。ここに言う所定の範囲とは、通帳精査部233が対応する通帳幅をセンサ通過時間に換算した上限値および下限値の範囲である。以下、この所定の範囲を、以下、幅検証用範囲と言う。この幅検証用範囲は、記憶部233bに閾値情報235bとして格納されている。幅検証用範囲(の上限値および下限値)は、後述する通帳厚み計測処理の計測結果に基づいて自動的に設定される。
ここで、図23(A)に示すような正常なパターンでは、全ての計数単位が幅検証用範囲内(すなわち、センサ通過時間の上限値(図23(A)に示すL2)および下限値(図23(A)に示すL1)の範囲内)に存在するため、検証部234cは、全ての通帳幅が適正であると判定する。
また、図23(B)に示すような異常なパターンでは、幅検証用範囲外(すなわち、センサ通過時間の上限値(図23(B)に示すL2)および下限値(図23(B)に示すL1)の範囲外)にも計数単位が存在するため(図23(B)に示す枠O参照)、検証部234cは、適正でない幅を有する通帳が存在すると判定する。
次いで、図18を再び参照して、計数結果判定部234dについて説明する。計数結果判定部234dは、検証部234cから受け取ったデータの検証結果に基づき、計数結果を判定する処理を行う。
また、計数結果判定部234dは、このような計数結果の判定に基づき、情報通知部233cに対して処理結果を通知する処理を行う。さらに、計数結果判定部234dは、このような計数結果の判定に基づき、切替部234eに対してセンサ411a,411bの出力についての切替指示を通知する処理を行う。
具体的には、計数結果判定部234dは、検証部234cの検証結果から天地判定処理が正常であるか否かを判定する。そして、検証部234cの天地判定処理が正常でない場合、通帳のセット状態が異常である旨を情報通知部233cに対して通知して、センサ411a,411bの出力の切り替えによる再計数を行わずに処理を終了する。なぜなら天地逆向きの通帳による検証異常の場合には、センサ411a,411bの出力を切り替えて再計数を行っても、再度検証部234cの天地判定処理で異常となる可能性が高いためである。
また、計数結果判定部234dは、検証部234cの天地判定処理が正常である場合、検証部234cの凹部検証処理または幅検証処理が正常であるか否かを判定する処理を行う。そして、いずれかの処理が異常である場合、計数結果判定部234dは、センサ411a,411bの出力を切り替えるべく切替部234eに対して、センサ411a,411bの出力についての切替指示を通知する。
そして、計数結果判定部234dは、検証部234cの全ての検証結果が正常である場合、検証部234cから受け取った計数値を、記憶部233bの計数情報235cに登録する処理を行う。また、計数結果判定部234dは、その計数値を情報通知部233cに対して通知する処理も併せて行う。
切替部234eは、計数結果判定部234dから受け取ったセンサ411a,411bの出力についての切替指示に基づき、これまで計数対象としたデータを別のセンサが出力したデータヘと切り替える処理を行う。また、切替部234eは、凹凸計数部234bに対して再計数の指示を通知する処理を行う。
次に、記憶部233bに記憶される抽出変数群235a、閾値情報235bおよび計数情報235cについて説明する。
抽出変数群235aは、センサ部411の出力値を計数可能なデータヘ加工する際に必要となるパラメータ群であり、波形抽出部234aによって参照される。具体的には、センサ部411の出力値を波形データとして抽出するためのサンプリング間隔値と、抽出した波形データを平滑化するための平滑化変数と、波形データの切り出し範囲を特定するための樹脂ブロック位置特定情報とを含む。
閾値情報235bは、波形抽出部234aが抽出した計数対象範囲の波形データを計数もしくは検証する際に必要となる閾値や範囲(上限および下限)に関する情報である。閾値情報235bは、凹凸計数部234bおよび検証部234cによって参照される。
具体的には、閾値情報235bは、波形データの各凹凸部を検出するための電圧閾値と、境界電圧を算出するための所定の比率と、前述の天地判定用閾値と、前述の凹部検証用閾値と、前述の幅検証用範囲と含む。天地判定用閾値、凹部検証用閾値、および幅検証用範囲(の上限値および下限値)は、後述する通帳厚み計測処理の計測結果に基づいて自動的に設定される。また、境界電圧を算出するための所定の比率や、凹凸部を検出するための電圧閾値は、検証試験などを経て好適な値が設定される。
計数情報235cは、計数対象である通帳の冊数の計数値であり、計数結果判定部234dによって登録される。
図24は、通帳精査部233により実行される通帳計数処理の流れを示すフローチャートである。この図24では、センサ機構が一方向のみ(たとえば図17に示すX方向へのみ)走査した場合の処理の流れを示しているが、実際には、往路復路の二方向分が連続して実行される。
図24に示すように、通帳精査部233はセンサ部411の出力値を波形データとして抽出する(ステップS101)。そして、通帳精査部233はセンサ部411から得た波形データを平滑化した後(ステップS102)、計数対象とする範囲の切り出しを行う(ステップS103)。
そして、センサ411a,411bのうちの1つを主センサとし、主センサ以外のセンサを副センサとして、主センサから得た波形データを計数対象とする(ステップS104)。そして、計数対象とした波形データのすべての凹部および凸部を検出して、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部を計数単位とし、計数を行う(ステップS105)。
次いで、通帳精査部233は天地判定処理を実行する(ステップS106)。そして、ステップS106の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS107)。
ステップS107の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS107でNO)、通帳精査部233は、通帳のセット異常である旨を計数結果判定部234dに対して通知した後(ステップS108)、処理を終了する。
次いで、通帳精査部233は凹部検証処理を実行する(ステップS109)。そして、ステップS109の結果か正常であるか否かの判定を行う(ステップS110)。
そして、凹部検証処理の結果が正常であると判定された場合(ステップS110でYES)、通帳精査部233は幅検証処理を実行する(ステップS111)。そして、ステップS109の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS112)。
そして、幅検証処理の結果が正常であると判定された場合(ステップS112でYES)、通帳精査部233は、検証後の計数結果を計数結果判定部234dに対して通知した後(ステップS113)、処理を終了する。
また、ステップS110の判定条件を満たさなかった場合(ステップS110でNO)あるいはステップS112の判定条件を満たさなかった場合(ステップS112でNO)には、通帳精査部233は主センサが現在の計数対象であるか否かを判定する(ステップS114)。
ここで、ステップS114の判定条件を満たした場合には(ステップS114でYES)、通帳精査部233は、計数対象とする主センサから得た出力を副センサから得た出力に切り替えて(ステップS115)、ステップS105以降の処理を繰り返す。
また、ステップS114の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS114でNO)、通帳精査部233は、通帳のセット異常である旨を計数結果判定部234dに対して通知した後(ステップS116)、処理を終了する。
通帳精査部233はこのような計数処理を、往路復路分の2回実行する。そして、往路復路それぞれの計数値が一致した場合には、正常終了として計数値を出力する処理を行う。また、いずれかの計数処理における天地判定処理の異常があった場合には、異常終了として処理を終了する。
図25は、タッチパネルLCD102に表示される扉設定画面の一例を示す図である。
タッチパネルLCD102に表示される操作メニュー画面において所定の係員メニューボタンが操作されることにより、タッチパネルLCD102に係員メニュー画面が表示される。その係員メニュー画面において所定の設定メニューボタンが操作されることにより、タッチパネルLCD102に各種設定画面が表示される。この各種設定画面において、
通帳管理ユニット23の物品収納部B10,B11のいずれかに対応するアイコンが選択操作されると、タッチパネルLCD102に図25に示す扉設定画面が表示される。
扉設定画面には、「扉設定」というタイトル300と、メッセージ301と、通帳管理ユニット23の物品収納部B10,B11を模した画像302と、物品収納部B10の通帳個別収納領域に収納すべき通帳に関する所定の情報を入力するための通帳情報入力部303と、扉設定操作をキャンセルするために操作されるキャンセルボタン304と、扉設定操作を完了させるために操作される完了ボタン305とが表示されている。図25ならびに後述する図28および図30において、「通帳01」は物品収納部B10の左手前の通帳個別収納領域を指し、「通帳02」は物品収納部B10の右手前の通帳個別収納領域を指す。また、「通帳03」は物品収納部B10の左奥の通帳個別収納領域を指し、「通帳04」は物品収納部B10の右奥の通帳個別収納領域を指す。
メッセージ301は、「通帳を選択してください」など、利用者に対し、設定の対象になる物品収納部B10,B11の選択を促す旨のメッセージである。
通帳情報入力部303は、通帳個別収納領域毎に設けられている。各通帳情報入力部303は、対応する通帳個別収納領域に収納される通帳の種類(通帳(大)や通帳(小)などの種類)を入力するための通帳種類入力部306と、対応する通帳個別収納領域に収納される通帳の基準となる厚みを表示するための基準厚み表示部307と、対応する通帳個別収納領域に収納される通帳の厚みを自動的に設定するために操作される通帳厚み自動設定ボタン308とを備えている。
通帳精査部233の記憶部233bには、通帳の種別に応じて基準厚みが予め設定されている。そして、利用者によって通帳種類入力部306に通帳の種類が入力されると、通帳精査部233はその入力された通帳に対応する通帳厚みを操作制御ユニット10に送信する。操作制御ユニット10の表示制御部105cは、その通帳厚みを基準厚み表示部307に表示させる。
ところで、通帳の種類が共通していても、通帳の厚みは必ずしも一致しているわけではない。そのため、通帳管理ユニット23の物品収納部B10,B11に実際に収納される通帳の実際の厚みを計測し、その計測値を通帳厚みとして設定することが望まれている。
この通帳管理ユニット23は、通帳厚みを計測する通帳厚み計測機能を備えている。すなわち、各通帳個別収納領域に含まれる通帳計数部232および通帳精査部233は、当該通帳個別収納領域に収納されている通帳の厚みを計測する通帳厚み計測処理を実行可能である。そして、その通帳厚み計測処理の計測結果を、通帳厚みとして自動設定することが可能である。以下、「通帳01」に相当する通帳個別収納領域で通帳厚み計測処理を実行し、その計測結果を通帳厚みとして自動設定する場合を例に挙げて説明する。
図26〜図28は、タッチパネルLCD102に表示される通帳厚み設定画面の一例を示す図である。図25に示す扉設定画面で通帳厚み自動設定ボタン308が選択操作されると、タッチパネルLCD102に、図26に示す画面が表示される。
図26に示す画面では、通帳厚み設定というタイトル310と、「セットする冊数を選択し、実行してください。」とのメッセージ311と、「10冊」を選択するために操作される10冊ボタン312と、「20冊」を選択するために操作される20冊ボタン313と、キャンセルボタン314と、実行ボタン315とが表示されている。
10冊ボタン312または20冊ボタン313が選択操作された後に実行ボタン315が選択操作されると、次いでタッチパネルLCD102に、図27に示す画面が表示される。図27に示す画面では、通帳厚み設定というタイトル320と、「○○通帳の設定を××冊で行います。よろしいですか?」とのメッセージ321と、いいえボタン322と、はいボタン323とが表示されている。
はいボタン322が選択操作されると、次いでタッチパネルLCD102に、図28に示す画面が表示される。図28に示す画面では、通帳厚み設定というタイトル330と、通帳管理ユニット23の物品収納部(この場合物品収納部B10)の複数の通帳個別収納領域を模した画像331と、「△△扉のセット位置□□に、○○通帳を××冊セットして扉を閉めてください。」とのメッセージ332とが表示されている。
選択された10冊ボタン312(図26参照)または20冊ボタン313(図26参照)に対応する冊数の通帳が、利用者によって、「通帳01」に相当する通帳個別収納領域に投入される。具体的には、利用者は10冊または20冊の通帳を、「通帳01」に相当する通帳個別収納領域内の通帳計数部232の収納部420(収納領域)に積層状態で投入する。通帳の投入後、物品収納部B10の扉235(図1参照)が閉じられると、この通帳個別収納領域の通帳計数部232および通帳精査部233は、通帳厚み計測処理を実行する。通帳厚み計測処理では、通帳計数部232のセンサ機構が一方向のみ(たとえば図17に示すX方向へのみ)走査する。図29は、計数制御部233aが実行する通帳厚み計測処理の流れを示すフローチャートである。
通帳厚み計測処理では、図29に示すように、計数制御部233aはセンサ部411の出力値を波形データとして抽出する(ステップS501)。そして、計数制御部233aはセンサ部411から得た波形データを平滑化した後(ステップS502)、収納部420の収納領域に収納されている10冊または20冊の通帳の全体幅を特定する(ステップS503)。そして、計数制御部233aは通帳の平均幅を算出し(ステップS504)、情報通知部233cに通知する。情報通知部233cは、算出された平均幅を操作制御ユニット10に送信する。
図30は、通帳厚み計測処理後にタッチパネルLCD102に表示される扉設定画面の一例を示す図である。図30に示すように、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、計測後の通帳厚み(たとえば7(mm))を基準厚み表示部307に表示させる。
また、計数制御部233aは、算出された通帳の平均幅を記憶部233bに閾値情報235bとして格納する(自動的に設定)。そして、その後に通帳計数部232および通帳精査部233で実行される通帳計数処理において、天地判定用閾値を用いて天地判定処理(図24に示すステップS106)が実行され、凹部検証用閾値を用いて凹部検証処理(図24に示すステップS109)が実行され、また、幅検証用範囲を用いて、幅検証処理(図24に示すステップS111)が実行される。
以上、物品収納部B10に対して扉設定を行う場合を例に挙げて説明したが、物品収納部B11に対して扉設定を行う場合にも、同様の処理が実行される。
自動精査機能として通帳管理ユニット23の自動精査機能を例に挙げて説明したが、一般管理ユニット24,25においても、収納されている物品の内容(たとえば、物品の種類および/または数量)を自動的に精査する自動精査機能を備えていてもよい。この場合、一般管理ユニット24,25で管理される物品として、貨幣、証書、小切手等を例示することができる。
これらの自動精査機能により精査した結果は、たとえば物品保管装置1内で管理する。具体的には、記憶部104に記憶可能である。しかしながら、この精査結果を、ホストコンピュータ26(図1参照)や、オフィス内に設置され、物品保管装置1と通信可能な他のサーバ(図示しない)で管理しておくこともできる。
また、複数の収容庫(物品収納部B1〜B12)の配置レイアウトが、1パターン(たとえば図1に示すもの)に限られず、複数パターン(多様なパターン)に変更可能であってもよい。この場合、各収納庫(物品収納部B1〜B12)の構成として、各パターンで配置(載置)可能な構成が採用される。たとえば上段ユニットの各収容庫(物品収納部B1〜B6)を下段に、下段ユニットの各収容庫(物品収納部B7〜B12)を上段に配置する場合には、収容庫(物品収納部B1〜B6)の構成を下段ユニットとしても適用可能な構成とし、収容庫(物品収納部B7〜B12)の構成を上段ユニットとしても適用可能な構成とすることができる。これにより、顧客の用途やニーズに合った収容庫レイアウトを実現することができる。
図31は、本発明の第2実施形態に係る物品保管装置の電気的構成を示すブロック図である。図31に示す物品保管装置は、鍵管理ユニット21や一般ユニット24等の上段ユニットのみが操作制御ユニット10に接続される第1実施形態のような構成ではなく、カード管理ユニット22や通帳管理ユニット23、一般管理ユニット25を含む全ての被制御ユニット20(ユニット21〜25)が、操作制御ユニット10に直接接続されている。
図32は、本発明の第3実施形態に係る物品保管装置の構成を示す図である。図32に示す物品保管装置は、当該物品保管装置に含まれる複数個のユニット10,21〜25が集約して配置される第1実施形態のような構成ではなく、複数個のユニット10,21〜25がオフィス内に分散して配置されている。この場合、被制御ユニット20(ユニット21〜25)が操作制御ユニット10から離間した状態で配置されている。
このとき、各被制御ユニット20(ユニット21〜25)は、装置カードACから装置用IDを読み取る機能および/または装置パスワードを入力する機能と、入力等された装置用IDおよび/または装置パスワードを用いて認証を行う認証機能とを有している。具体的には、各被制御ユニット20(ユニット21〜25)は、装置カードACから装置用IDを読み取るためのリーダおよび/または装置パスワードを入力するためのタッチLCDと、入力等された装置用IDおよび/または装置パスワードを用いて認証を行うための制御部とを備えている。
この場合、利用者はまず操作制御ユニット10で本人認証を行い、本人認証が成功することにより物品保管装置1にログインすることができる。次いで、物品の出し入れ対象のユニット21〜25まで移動し、当該被制御ユニット21〜25で本人認証を行い、本人認証が成功することにより所望の扉を施解錠することができる。
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、本発明は他の形態でも実施することができる。
たとえば、前述の各実施形態では、利用者は自身に配布された装置カードACの発行(持ち出し)しか許容されないとしたが、管理者(管理者の権限を有する利用者)は、他の利用者の装置カードACを持ち出すことができるようになっていてもよい。たとえば、管理者は他の利用者の装置カードACを選択的に取り出し可能であってもよいし、利用者全員の装置カードACを一括して取り出し可能であってもよい。
また、装置カードACを収納すべきカード個別収納部46の位置(カード収納位置)が予め設定されていなくてもよい。この場合、駆動制御部224a(図8参照)は装置カードACからの装置IDの読み出し時に、空き状態にあるカード個別収納部46の中から、当該装置カードACを収納すべきカード個別収納部46(すなわち、カード収納位置)を決定するとともに、決定されたカード個別収納部46に装置カードACを搬送するように、カードデータ処理部32、回転搬送部36および移動搬送部51を制御する。また、情報通知部224c(図8参照)は、決定されたカード個別収納部46の位置を操作制御ユニット10に通知する。
また、カード管理ユニット22の構成として図3に示す構成を例に挙げたが、より簡略化された構成を採用することもできる。
図33はカード管理ユニットの変形例(カード管理ユニット22A)を示す断面図である。たとえば、カード管理ユニット22Aは、前面に開口を有する筐体からなる収納部本体220Aと、収納部本体220Aの前面を開閉するための扉221Aと、扉221Aを施解錠するための扉施錠部(図示しない)とを備え、収納部本体220A内の内部空間が、複数枚の装置カードACを収納(収容)するための収納空間になっている。扉221Aは収納部本体220Aに片開き可能に取り付けられている。扉221Aには、装置カードACを収納部本体220A内に投入するための装置カード投入口222Aが形成されている。装置カード投入口222Aは、扉221Aの上下方向の中間部に形成されており、正面視で左右方向に長い矩形状をなしている。
このカード管理ユニット22Aでは、扉221Aを開いて収納部本体220Aから装置カードACを持ち出すことにより、カード管理ユニット22Aから装置カードACを取り出す。実際の運用では、管理者(管理者の権限を有する利用者)がオフィスに所属する利用者全員の装置カードACを一括して取り出す。
具体的には、管理者に対し、当該管理者の従業員カードACを用いたID認証および当該管理者の従業員パスワードを用いたパスワード認証(2つの認証により本人認証が実現)が行われ、本人認証に成功したときは、扉施錠部(図示しない)は解錠され、扉221Aは解錠状態になる。そして、収納部本体220Aから全員の装置カードACを一括して持ち出す。持ち出された装置カードACは、各利用者に引き渡される。そして、各利用者は退勤時または外出時には、自身に配布された装置カードACを装置カード投入口222Aに投入することにより、装置カードACをカード管理ユニット22に収納する。
また、金融機関が複数のオフィスを店舗として有しており、各オフィスに物品保管装置1が設置されている場合には、複数のオフィスに設置されている物品保管装置1が互いに通信可能に接続されていてもよい。このとき、金融機関の本店(本部)のオフィスに設置されている物品保管装置1が親装置として、他の店舗(すなわち支店)のオフィスに設置されている物品保管装置1が子装置として機能する。すなわち、本店の物品保管装置1が、他の物品保管装置1(すなわち支店に設置されている他の全ての物品保管装置1)の管理を行うようになっている。
また、第1記憶媒体として、磁気カードやICカードからなる装置カードを用いる場合を例に挙げたが、記憶媒体はカード状のものに限られず、コイン状またはスティック状のものであってもよい。さらに、第2記憶媒体として、磁気カードからなる装置カードを用いる場合を例に挙げたが、装置カードがICカードによって構成されていてもよいのは言うまでもない。また、第1記憶媒体および/または第2記憶媒体はカード状のものに限られず、コイン状またはスティック状のものであってもよい。
また、装置カード発行のための認証として、カード認証および/またはパスワード認証に代えて/に併せて、顔認証などの生体認証を採用することもできる。この生体認証として、指紋認証、虹彩認証、静脈認証等を採用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。