JP2012164897A - 半導体微粒子膜、ダイオード、光電変換素子およびそれらの製造方法 - Google Patents

半導体微粒子膜、ダイオード、光電変換素子およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコン微粒子本来の機能を損なうことなく、粒子サイズレベルで均一な厚みを有し、安価に製造可能で不純物原子濃度の制御が容易なp型またはn型シリコン微粒子層、それらを有するダイオードおよび光電変換素子ならびにそれらの安価かつ簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、膜状構造を形成していることを特徴とする半導体微粒子膜、反応性の官能基を含む膜化合物を、上記のシリコン微粒子混合物と接触させ、シリコン微粒子の表面官能基との間で結合を形成させ、反応性シリコン微粒子混合物を製造後、反応性の官能基の反応により化学結合を形成させ、シリコン微粒子同士を結合固定させることを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン微粒子を用いた半導体微粒子膜の改良、それを用いたダイオードおよび光電変換素子ならびにそれらの製造方法に関する。
従来のシリコン光電変換素子としては、ガラス基板表面にプラズマCVD法を用いて製膜したシリコンアモルファス型光電変換素子や、シリコン結晶やポリシリコン結晶を切断して板状に加工した後、不純物拡散したシリコン結晶型光電変換素子等が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、従来のシリコンアモルファス型光電変換素子では、高価な真空装置を用いるため、製造コストが高くなるという欠点があった。また、シリコン結晶型光電変換素子では、高純度なシリコン結晶やポリシリコン結晶を多量に用いるため、製造コストが高くなるという欠点があった。
本発明者は、上記課題に鑑みて、シリコンを用いながら、従来のアモルファス型光電変換素子やシリコン結晶型光電変換素子に比べ、大幅にコストダウンできる大面積光電変換素子とその製造方法の提供を目的として、表面に共有結合した第1の反応性官能基を含む有機膜で被われたn型シリコン微粒子と表面に共有結合した第2の反応性官能基を含む有機膜で被われたn型シリコン微粒子を有機溶媒中で混合しペースト化し、基材表面に塗布する工程と、表面を有機膜で被われたp型シリコン微粒子と表面に共有結合した第2の反応性官能基を含む有機膜で被われたp型シリコン微粒子を有機溶媒中で混合しペーストを製造する工程と、基材表面に塗布する工程と、硬化させる工程とにより、表面に共有結合した有機薄膜で被われているn型シリコン微粒子層と表面に共有結合した有機薄膜で被われているp型シリコン微粒子層が積層形成されている光電変換素子およびその製造方法を提案した(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−247629号公報 特開2007−173516号公報
しかしながら、特許文献2記載の光電変換素子およびその製造方法において、接合特性の優れたダイオードを製作しようとすると、粒径10nmのp型またはn型シリコン微粒子を用いる場合には、微粒子を構成する原子数が約10個程度と少なくなるため、不純物原子濃度の制御が困難になる場合がある。すなわち、p型またはn型シリコン微粒子層中の不純物原子濃度を1012〜1017cm−3程度にするには、シリコン原子10〜1011個あたり1個の割合で不純物原子(ホウ素、リン等)を導入する必要があるが、特に粒径10nm程度のp型またはn型シリコン微粒子を用いる場合、微粒子1個あたりの不純物原子数が1個以下となるため、現実には不純物原子の導入および不純物原子濃度の制御が非常に困難になる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、シリコン微粒子本来の機能を損なうことなく、粒子サイズレベルで均一な厚みを有し、安価に製造可能で不純物原子濃度の制御が容易なp型またはn型シリコン微粒子膜、それらを有するダイオードおよび光電変換素子ならびにそれらの安価かつ簡便な製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明の第1の態様は、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、膜状構造を形成していることを特徴とする半導体微粒子膜を提供することにより上記課題を解決するものである。
なお、本発明において、混合された2種類以上のシリコン微粒子全体を指す場合、あるいは不純物原子濃度等に関係なく特定の1つの微粒子を指す場合に、総称としての「シリコン微粒子」という用語を用いる。
本発明の第1の態様に係る半導体微粒子膜において、前記シリコン微粒子が、分子架橋を介して互いに化学結合した膜状構造を形成していることが好ましい。
本発明の第1の態様に係る半導体微粒子膜において、前記2種類以上のシリコン微粒子が、純粋シリコン微粒子と、p型シリコン微粒子またはn型シリコン微粒子との組み合わせであってもよい。
本発明の第1の態様に係る半導体微粒子膜において、前記2種類以上のシリコン微粒子の混合物が、粒子径が異なるシリコン微粒子を含んでいてもよい。
本発明の第1の態様に係る半導体微粒子膜において、前記シリコン微粒子の粒子径が10〜5μmであることが好ましい。
本発明の第1の態様に係る半導体微粒子膜において、前記シリコン微粒子の表面には、第1の反応性の官能基を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、該表面の少なくとも一部を覆った第1の被膜、または前記第1の官能基と反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、該表面の少なくとも一部を覆った第2の被膜が形成されており、それぞれ異なるシリコン微粒子上に存在する前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基とが反応して化学結合することにより、前記分子架橋が形成されていてもよい。
上記の場合において、前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであってもよい。
本発明の第1の態様に係る半導体微粒子膜において、前記シリコン微粒子の表面には、第4の反応性の官能基を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、該表面の少なくとも一部を覆った第4の被膜が形成されており、前記シリコン微粒子の1つと化学結合した前記第4の被膜の有する第4の反応性の官能基と、前記1つのシリコン微粒子以外のシリコン微粒子と化学結合した前記第4の被膜の有する前記第4の反応性の官能基と、前記反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤を介して化学結合することにより形成されていてもよい。
上記の場合において、前記第4の反応性の官能基と架橋反応基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであってもよい。
本発明の第2の態様は、第1の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第1の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3(ここで、塗膜の好ましい不純物濃度は、1011〜1018/cm、より好ましくは1012〜1017/cm程度であるが、必要に応じて適宜調整すればよい。以下同じ。)となるように均一に混合したシリコン微粒子混合物と接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する第1の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた第1の反応性シリコン微粒子混合物を製造する工程と、前記第1の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第2の膜化合物を前記シリコン微粒子混合物と接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する第2の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた第2の反応性シリコン微粒子混合物を製造する工程と、前記第1の反応性シリコン微粒子混合物と前記第2の反応性シリコン微粒子混合物とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程と、前記第1および第2の反応性シリコン微粒子混合物を含むペーストを基材表面に塗布する工程と、前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第2の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の被膜を形成後、前記第1および第2の反応性シリコン微粒子混合物を溶媒で洗浄し、余分な前記第1および第2の膜化合物を除去する工程をさらに有することが好ましい。
本発明の第3の態様は、第1の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第1の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子のそれぞれと接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する第1の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた2種類以上の第1の反応性シリコン微粒子を製造する工程と、前記第1の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第2の膜化合物を前記2種類以上のシリコン微粒子のそれぞれと接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する第2の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた2種類以上の第2の反応性シリコン微粒子を製造する工程と、前記2種類以上の第1の反応性シリコン微粒子と前記2種類以上の第2の反応性シリコン微粒子とを、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に有機溶媒中で混合して、反応性シリコン微粒子混合物を含むペーストを製造する工程と、前記ペーストを基材表面に塗布する工程と、前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第3の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記第1および第2の被膜を形成後、前記2種類以上の第1および第2の反応性シリコン微粒子をそれぞれ溶媒で洗浄し、余分な前記第1および第2の膜化合物を除去する工程をさらに有することが好ましい。
本発明の第2および第3の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、あらかじめ、前記ペーストを塗布する前の基材表面に、前記第1および第2の反応性官能基の一方または双方と反応する第3の反応性官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第3の膜化合物を接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記基材の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する第3の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた反応性基材を製造する工程をさらに有していることが好ましい。
本発明の第2および第3の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記第3の被膜を形成後、前記反応性基材の表面を溶媒で洗浄し、余分な前記第3の膜化合物を除去する工程をさらに有することが好ましい。
本発明の第4の態様は、第4の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第4の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合したシリコン微粒子混合物と接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記純粋シリコン微粒子とp型またはn型シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第4の膜化合物の形成する被膜で表面の少なくとも一部が覆われた第4の反応性シリコン微粒子混合物を製造する工程と、前記第4の反応性シリコン微粒子混合物と、前記第4の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程と、前記第4の反応性シリコン微粒子混合物および前記架橋剤を含むペーストを基材表面に塗布する工程と、前記第4の反応性の官能基と前記架橋反応基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第4の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記第4の被膜を形成後、前記第4の反応性シリコン微粒子混合物を溶媒で洗浄し、余分な前記第4の膜化合物を除去する工程をさらに有することが好ましい。
本発明の第5の態様は、第4の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第4の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子のそれぞれと接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記純粋シリコン微粒子とp型またはn型シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第4の膜化合物の形成する被膜で表面の少なくとも一部が覆われた2種類以上の第4の反応性シリコン微粒子を製造する工程と、前記2種類以上の第4の反応性シリコン微粒子と、前記第4の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程と、前記ペーストを基材表面に塗布する工程と、前記第4の反応性の官能基と前記架橋反応基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第5の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記第4の被膜を形成後、前記2種類以上の第4の反応性シリコン微粒子を溶媒で洗浄し、余分な前記第4の膜化合物を除去する工程をさらに有することが好ましい。
本発明の第4および第5の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、あらかじめ、前記ペーストを塗布する前の基材表面に、前記第4の膜化合物を接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記基材の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第4の膜化合物の形成する第4の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた反応性基材を製造する工程をさらに有していることが好ましい。
本発明の第4および第5の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記反応性基材の表面の前記第4の被膜を形成後、前記反応性基材の表面を溶媒で洗浄し、余分な未反応の前記第4の膜化合物を除去する工程をさらに有することが好ましい。
本発明の第2および第3の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応、または前記第1の反応性の官能基と前記第3の反応性の官能基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであってもよい。
本発明の第4および第5の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記第4の反応性の官能基と前記架橋反応基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであってもよい。
本発明の第2から第5の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記2種類以上のシリコン微粒子が、純粋シリコン微粒子と、p型シリコン微粒子またはn型シリコン微粒子との組み合わせ、あるいはp型シリコン微粒子とn型シリコン微粒子との組み合わせであってもよい。
本発明の第第2から第5の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記シリコン微粒子の粒子径が10〜5μmであることが好ましい。
本発明の第2から第5の態様に係る半導体微粒子膜の製造方法において、前記2種類以上のシリコン微粒子の混合物が、粒子径が異なるシリコン微粒子を含んでいてもよい。
本発明の第6の態様は、不純物原子濃度の異なる2種類以上のn型シリコン微粒子、または純粋シリコン微粒子とn型シリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するn型半導体層と、不純物原子濃度の異なる2種類以上のp型シリコン微粒子、または純粋シリコン微粒子とp型シリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するp型半導体層とが基材上に積層されていることを特徴とするダイオードを提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第6の態様に係るダイオードにおいて、前記2種類以上のシリコン微粒子の粒子径が10〜5μmであることが好ましい。
本発明の第6の態様に係るダイオードにおいて、前記2種類以上のシリコン微粒子の混合物が、粒子径が異なるシリコン微粒子を含んでいてもよい。
本発明の第6の態様に係るダイオードにおいて、前記分子架橋が、前記シリコン微粒子の1つと化学結合した第1の被膜の有する第1の反応性の官能基と、前記シリコン微粒子以外のシリコン微粒子と化学結合した第2の被膜の有する前記第1の官能基と反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基とが反応して化学結合することにより形成されていてもよい。
上記の場合において、前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであってもよい。
本発明の第6の態様に係るダイオードにおいて、前記分子架橋が、2種類以上のシリコン微粒子の1つと化学結合した被膜の有する反応性の第3の官能基と、前記1つの2種類以上のシリコン微粒子以外の2種類以上のシリコン微粒子と化学結合した被膜の有する前記反応性の官能基と、前記反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤を介して化学結合することにより形成されていてもよい。
上記の場合において、前記第3の反応性の官能基と架橋反応基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであってもよい。
本発明の第7の態様は、本発明の第6の態様に係るダイオードを含む光電変換素子を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第7の態様に係る光電変換素子において、前記光電変換素子が太陽電池、またはフォトセンサーであってもよい。
本発明の第8の態様は、本発明の第2から第5の態様に係るいずれかの方法により、透明基材上に不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合された複数の純粋シリコン微粒子と複数のn型シリコン微粒子とが分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するn型半導体層を形成する工程と、本発明の第2から第5の態様に係るいずれかの方法により、前記n型シリコン微粒子層上に、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合された複数の純粋シリコン微粒子と複数のp型シリコン微粒子とが分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するp型半導体層を形成する工程とを有することを特徴とする光電変換素子の製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第9の態様は、本発明の第8の態様に係るダイオードの製造方法を含む光電変換素子の製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明の第9の態様に係る光電変換素子の製造方法において、前記光電変換素子が太陽電池またはフォトセンサーであってもよい。
以上説明したとおり、本発明によれば、不純物濃度の異なる複数のシリコン微粒子を組み合わせて用いることにより、不純物原子濃度や膜厚を容易に制御可能な半導体微粒子膜およびそれを用いた接合特性に優れた高性能な光電変換素子、ならびにそれらを安価かつ簡便に製造可能な半導体微粒子膜およびそれを用いた光電変換素子の製造方法が提供される。さらに、本発明の半導体微粒子膜および光電変換素子の製造には、高価な真空機器を必要とせず、湿式法を用いて微細形状を有するものから大面積のものまで容易に製造可能である。
本発明の第一の実施の形態に係る半導体微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図である。 同半導体微粒子膜の製造方法において、エポキシ化シリコン微粒子を製造する工程を説明するために分子レベルまで拡大した模式図であり、(a)は反応前のシリコン微粒子の断面構造、(b)はエポキシ基を含む単分子膜が形成されたエポキシ化シリコン微粒子の断面構造をそれぞれ表す。 本発明の第二の実施の形態に係る半導体微粒子膜の断面構造を模式的に表した説明図である。 本発明の第三の実施の形態に係る太陽電池の断面構造を模式的に表した説明図である。
本発明の半導体微粒子膜において、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、分子架橋を介して互いに化学結合した膜状構造を形成している。以下、分子架橋の形成の態様および製造方法がそれぞれ異なる第一から第四の実施の形態に係る半導体微粒子膜について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の各実施の形態において、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子として、純粋シリコン微粒子とn型シリコン微粒子とを組み合わせて用いた場合について説明する。
半導体微粒子膜の製造方法は、反応性シリコン微粒子混合物をペースト化し、基材上に塗布後、塗膜を硬化させることにより複数層を一度に積層させる方法と、反応性シリコン微粒子混合物の分散液を基材表面に塗布し結合させ、余分な反応性シリコン微粒子混合物を洗浄除去することにより一層ずつ積層させる方法に大別される。また、分子架橋の形成方法の観点から、対となる2つの反応性の官能基の一方を含む2種類の被膜を用いる方法と、1つの反応性の官能基と2以上の架橋反応基を有する架橋剤とを組み合わせて用いる方法とに大別される。
図1、2に示すように、本発明の第一の実施の形態に係るn型シリコン微粒子膜(半導体微粒子膜の一例)10において、シリコン微粒子の表面には、分子の一端にエポキシ基(第1の反応性の官能基の一例)を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、その表面の少なくとも一部を覆った、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜(第1の被膜の一例)16、またはエポキシ基と反応して結合を形成するアミノ基(第2の反応性の官能基の一例)を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、その表面の少なくとも一部を覆った、図示しないアミノ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜(第2の被膜の一例)が形成されている。これらのシリコン微粒子間では、エポキシ化純粋シリコン微粒子11およびエポキシ化n型シリコン微粒子11a上に存在するエポキシ基と、アミノ化シリコン微粒子12およびアミノ化n型シリコン微粒子12a上に存在するアミノ基とが反応して化学結合することにより、N−CHCH(OH)結合(分子架橋の一例)が形成されており、この結合を介してシリコン微粒子同士が互いに化学結合した膜状構造を形成している。
n型シリコン微粒子膜10が形成された反応性基材13の表面には、エポキシ基またはアミノ基(第3の反応性の官能基の一例)を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、その表面の少なくとも一部を覆った、エポキシ基またはアミノ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜(第3の被膜の一例)が形成されており、エポキシ化純粋シリコン微粒子11およびエポキシ化n型シリコン微粒子11a上に存在するエポキシ基、またはアミノ化シリコン微粒子12およびアミノ化n型シリコン微粒子12a上に存在するアミノ基との間でN−CHCH(OH)結合(分子架橋の一例)を形成し、n型シリコン微粒子膜10と基材とを強固に結びつけている。
n型シリコン微粒子膜10は、下記の工程[1]〜[6]を含む方法により製造される。
[1]エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物(第1の膜化合物の一例)を、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合した純粋シリコン微粒子とn型シリコン微粒子との混合物(シリコン微粒子混合物の一例:以下、単に「シリコン微粒子混合物」と略称する場合がある。)と接触させ、アルコキシシリル基とシリコン微粒子表面のヒドロキシル基(表面官能基の一例)15との間でSi−O−結合を形成させ、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜16で表面の少なくとも一部が覆われたエポキシ化純シリコン微粒子11とエポキシ化n型シリコン微粒子11aの混合物(第1の反応性シリコン微粒子混合物の一例:以下「エポキシ化シリコン微粒子混合物」と略称する場合がある。)を製造する工程
[2]アミノ基を有するアルコキシシラン化合物(第2の膜化合物の一例)をシリコン微粒子混合物と接触させ、アルコキシシリル基とシリコン微粒子表面のヒドロキシル基15との間でSi−O−結合を形成させ、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜で表面の少なくとも一部が覆われたアミノ化純シリコン微粒子12とアミノ化n型シリコン微粒子12aの混合物(第2の反応性シリコン微粒子混合物の一例:以下「アミノ化シリコン微粒子混合物」と略称する場合がある。)を製造する工程
[3]基材表面に、エポキシ基またはアミノ基と反応する第3の反応性官能基を有するアルコキシシラン化合物(第3の膜化合物の一例)を接触させ、アルコキシシリル基と基材の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、第3の膜化合物の単分子膜(第3の被膜の一例)で表面の少なくとも一部が覆われた反応性基材13を製造する工程
[4]エポキシ化シリコン微粒子混合物とアミノ化シリコン微粒子混合物とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程
[5]エポキシ化シリコン微粒子混合物とアミノ化シリコン微粒子混合物を含むペーストを反応性基材13表面に塗布する工程
[6]エポキシ基とアミノ基との反応によりN−CHCH(OH)結合を形成させ、ペーストの塗膜を硬化させる工程
以下、各工程についてより詳細に説明する。
[1]エポキシ化シリコン微粒子混合物の製造
エポキシ化シリコン微粒子混合物は、図2に示すように、エポキシ基を含むアルコキシシラン化合物と、アルコキシシリル基とシリコン微粒子の表面のヒドロキシル基15との縮合反応を促進するための縮合触媒と、非水系の有機溶媒とを含む反応液中で、シリコン微粒子をアルコキシシラン化合物と接触させることにより製造される。
エポキシ化シリコン微粒子混合物の製造に用いるシリコン微粒子(純シリコン微粒子およびn型シリコン微粒子)の粒径は、10〜5μmであることが好ましい。シリコン微粒子の粒径が10nmを下回ると、n型シリコン微粒子膜10におけるエポキシ基またはアミノ基を有する単分子膜の体積分率が大きくなりすぎるため、電気的特性が低下するおそれがある。一方、シリコン微粒子の粒径が5μmを超えると、n型シリコン微粒子膜10における空隙率が増大するため、やはり電気的特性が低下するおそれがある。また、印刷でデバイス用の微細なシリコン微粒子パターンを形成する際、パターンの切れが悪くなる。
シリコン微粒子の混合物は、粒子径が異なるシリコン微粒子を含んでいてもよい。この場合において、純シリコン微粒子とn型シリコン微粒子との粒径が異なっていてもよく、純シリコン微粒子およびn型シリコン微粒子のそれぞれが異なる粒径のシリコン微粒子の混合物であってもよい。例えば、純シリコン微粒子よりも粒径の小さなn型シリコン微粒子を用いた場合、両者を均一に混合すると、前者の空隙を後者が満たすように分布させることができ、不純物原子の空間分布の均一性を向上させることができる。
充填率でいえば、2種類の粒径の微粒子を混合して用いる場合には、粒径の大きな微粒子7に対して粒径の小さな微粒子を3の割合にすれば充填率を最高にできるという論文もあるが、実用上Si微粒子は2種類である必要はないので、この限りではない。
純シリコン微粒子とn型シリコン微粒子の混合比は特に制限されず、所望の不純物原子の平均濃度、シリコン微粒子の粒径等に応じて適宜決定される。純シリコン微粒子とn型シリコン微粒子の混合比は、例えば、100:1〜1,000,000:1であることが好ましい。n型シリコン微粒子の割合が高すぎると、n型シリコン微粒子1個あたりの不純物原子の含有数を低く抑える必要が生じ、不純物原子濃度の制御が困難になる場合がある。一方、n型シリコン微粒子の割合が低すぎると、自由電子の担い手となる不純物原子(リン等)の間隔が大きくなりすぎ、電子の移動特性が低下するおそれがある。
なお、塗膜の目標とする好ましい不純物濃度は、1011〜1018/cm、より好ましくは1012〜1017/cm程度である。
エポキシ化シリコン微粒子混合物の製造に用いる反応液は、エポキシ基を含むアルコキシシラン化合物と、アルコキシシリル基とシリコン微粒子の表面のヒドロキシル基15との縮合反応を促進するための縮合触媒と、非水系の有機溶媒とを混合することにより調製される。
エポキシ基を含むアルコキシシラン化合物としては、直鎖状アルキレン基の両末端に、エポキシ基(オキシラン環)を含む官能基およびアルコキシシリル基をそれぞれ有し、下記の一般式(化1)で表されるアルコキシシラン化合物が好ましい。
上式において、Eはエポキシ基を含む官能基を、mは3〜20の整数を、Rは炭素数1〜4のアルキル基をそれぞれ表す。
エポキシ化シリコン微粒子11、11aの製造に用いることができるエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の一例としては、下記(11)〜(22)に示した化合物が挙げられる。
(11) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(12) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OCH)3
(13) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OCH)3
(14) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(15) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(16) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OCH)3
(17) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(18) (CHOCH)CH2O(CH2)Si(OC)3
(19) (CHOCH)CH2O(CH2)11Si(OC)3
(20) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(21) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
(22) (CHCHOCH(CH)CH(CH2)Si(OC)3
ここで、(CHOCH)CHO−基は、化2で表される官能基(グリシジルオキシ基)を表し、(CHCHOCH(CH)CH−基は、化3で表される官能基(3,4−エポキシシクロヘキシル基)を表す。
縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステルおよびチタン酸エステルキレート等の金属塩が利用可能である。この様な触媒を用いれば、エポキシ基を開環反応させることなく室温でアルコキシシリル基のみを反応させることが可能となる。
縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキシシラン化合物の0.2〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
カルボン酸金属塩の具体例としては、酢酸第1スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第1スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄が挙げられる。
カルボン酸エステル金属塩の具体例としては、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩が挙げられる。
カルボン酸金属塩ポリマーの具体例としては、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマーが挙げられる。
カルボン酸金属塩キレートの具体例としては、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレートが挙げられる。
チタン酸エステルの具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラノニルチタネートが挙げられる。
チタン酸エステルキレート類の具体例としては、ビス(アセチルアセトニル)ジ−プロピルチタネートが挙げられる。
シリコン微粒子混合物を反応液中に浸漬し、室温の空気中で反応させると、アルコキシシリル基とシリコン微粒子の表面のヒドロキシル基15とが縮合反応を起こし、下記の化4で示されるような構造を有するエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜16を生成する。なお、酸素原子から延びた3本の単結合はシリコン微粒子の表面または隣接するシラン化合物のケイ素(Si)原子と結合しており、そのうち少なくとも1本はシリコン微粒子の表面のケイ素原子と結合している。
アルコキシシリル基は、水分の存在下で分解するので、反応は相対湿度45%以下の空気中で行うことが好ましい。縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを用いた場合、縮合反応の完了までに要する時間は2時間程度である。
上述の金属塩の代わりに、ケチミン化合物、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキルアルコキシシラン化合物からなる群より選択される1または2以上の化合物を縮合触媒として用いた場合、反応時間を1/2〜2/3程度まで短縮できる。
あるいは、これらの化合物を助触媒として、上述の金属塩と混合(質量比1:9〜9:1の範囲で使用可能だが、1:1前後が好ましい)して用いると、反応時間をさらに短縮できる。
例えば、縮合触媒として、ジブチルスズオキサイドの代わりにケチミン化合物であるジャパンエポキシレジン社のH3を用い、その他の条件は同一にしてエポキシ化シリコン微粒子11、11aの製造を行うと、エポキシ化シリコン微粒子11、11aの品質を損なうことなく反応時間を1時間程度にまで短縮できる。
さらに、縮合触媒として、ジャパンエポキシレジン社のH3とジブチルスズビスアセチルアセトネートとの混合物(混合比は1:1)を用い、その他の条件は同一にしてエポキシ化シリコン微粒子11、11aの製造を行うと、反応時間を20分程度に短縮できる。
なお、ここで用いることができるケチミン化合物は特に限定されるものではないが、例えば、2,5,8−トリアザ−1,8−ノナジエン、3,11−ジメチル−4,7,10−トリアザ−3,10−トリデカジエン、2,10−ジメチル−3,6,9−トリアザ−2,9−ウンデカジエン、2,4,12,14−テトラメチル−5,8,11−トリアザ−4,11−ペンタデカジエン、2,4,15,17−テトラメチル−5,8,11,14−テトラアザ−4,14−オクタデカジエン、2,4,20,22−テトラメチル−5,12,19−トリアザ−4,19−トリエイコサジエン等が挙げられる。
また、用いることができる有機酸としても特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸等が挙げられるが、この場合、濃度が高いと室温でもエポキシ基が開環してしまうので、添加量は、アルコキシシラン化合物の0.2〜0.5%が好ましい。
反応液の調製には、有機塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、シリコーン系溶媒、およびこれらの混合溶媒を用いることができる。アルコキシシラン化合物の加水分解を防止するために、乾燥剤または蒸留により使用する溶媒から水分を除去しておくことが好ましい。また、溶媒の沸点は50〜250℃であることが好ましい。
具体的に使用可能な溶媒としては、非水系の石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、ノナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
さらに、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはそれらの混合物を用いることもできる。
また、用いることができるフッ化炭素系溶媒としては、フロン系溶媒、フロリナート(米国3M社製)、アフルード(旭硝子株式会社製)等がある。なお、これらは1種単独で用いても良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み合わせてもよい。さらに、ジクロロメタン、クロロホルム等の有機塩素系溶媒を添加してもよい。
反応液におけるアルコキシシラン化合物の好ましい濃度は、0.5〜3質量%である。
反応後、溶媒で洗浄し、未反応物として表面に残った過剰なアルコキシシラン化合物および縮合触媒を除去すると、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜16で表面が覆われたエポキシ化シリコン微粒子11、11aが得られる。洗浄には、連続処理およびバッチ処理のいずれの方法を用いてもよい。洗浄溶媒とエポキシ化シリコン微粒子11、11aとの分離は、ろ過、デカンテーション、および遠心分離等の任意の公知の方法を用いて行うことができる。このようにして製造されるエポキシ化シリコン微粒子11、11aの断面構造の模式図を図2(b)に示す。
洗浄溶媒としては、アルコキシシラン化合物を溶解できる任意の溶媒を用いることができるが、安価であり、溶解性が高く、風乾により容易に除去することのできるジクロロメタン、クロロホルム、N−メチルピロリドン等が好ましい。
反応後、生成したエポキシ化シリコン微粒子11、11aを溶媒で洗浄せずに空気中に放置すると、表面に残ったアルコキシシラン化合物の一部が空気中の水分により加水分解を受け、生成したシラノール基がアルコキシシリル基と縮合反応を起こす。その結果、エポキシ化シリコン微粒子11、11aの表面にポリシロキサンよりなる極薄のポリマー膜が形成される。このポリマー膜は、エポキシ化シリコン微粒子11、11aの表面に共有結合により固定されていないが、エポキシ基を含んでいるため、アミノ基に対してエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜16と同様の反応性を有している。そのため、洗浄を行わなくても、以後のn型シリコン微粒子膜10の製造工程に特に支障をきたすことはない。
[2]アミノ化シリコン微粒子混合物の製造
アミノ化シリコン微粒子混合物は、アルコキシシラン化合物として、直鎖状アルキレン基の両末端に、アミノ基およびアルコキシシリル基をそれぞれ有し、下記の一般式(化5)で表されるアルコキシシラン化合物を用いること以外は、上述のエポキシ化シリコン微粒子混合物と同様に製造することができる。
上式において、mは3〜20の整数を、Rは炭素数1〜4のアルキル基をそれぞれ表す。なお、エポキシ基は、アルコキシシリル基との副反応を避けるために、保護基によって保護されていてもよい。保護基は加水分解等により容易に除去できるものが好ましく、ケトンとアミノ基との反応により生成するケチミン誘導体等が挙げられる。
また、アミノ基は、化5に示したような1級アミン以外に2級アミンでもよく、アミノ基の代わりにピロール基、イミダゾール基等のイミノ基を有する官能基を含むアルコキシシラン化合物を用いることができる。
この場合において、用いることができるアミノ基を有するアルコキシシラン化合物の一例としては、下記(31)〜(38)に示した化合物が挙げられる。
(31) H2N(CH2)Si(OCH)3
(32) H2N(CH2)Si(OCH)3
(33) H2N(CH2)Si(OCH)3
(34) H2N(CH2)Si(OCH)3
(35) H2N(CH2)Si(OC)3
(36) H2N(CH2)Si(OC)3
(37) H2N(CH2)Si(OC)3
(38) H2N(CH2)Si(OC)3
縮合触媒のうち、スズ(Sn)塩を含む化合物は、アルコキシシラン誘導体に含まれるアミノ基と反応して沈殿を生成するため、縮合触媒として用いることができない。したがって、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる場合には、カルボン酸スズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボン酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレートを除き、反応液と同様の化合物を単独でまたは2種類以上を混合して縮合触媒として用いることができる。
用いることのできる助触媒の種類およびそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、および助触媒の濃度、反応条件ならびに反応時間についてはエポキシ化シリコン微粒子11、11aの製造の場合と同様であるので、ここでは詳しい説明を省略する。
[3]反応性基材の製造
エポキシ化シリコン微粒子混合物およびアミノ化シリコン微粒子混合物の製造において用いたアルコキシシラン化合物と同様の、エポキシ基またはアミノ基を有するアルコキシシラン化合物を基材の表面に接触させ、アルコキシシラン化合物の単分子膜で表面が覆われた反応性基材13を製造する。
基材の大きさ、形状及び厚さには特に制限はなく、表面官能基として、アルコキシシリル基と反応して共有結合を形成しうる官能基を有していれば、任意の材質のものを用いることができる。太陽電池、光センサー等の光電変換素子に使用される基材としては、ガラス等の透光性を有する透明基材であってもよく、透明電極としてITO等の導電性被膜が表面に形成されていてもよい。アルミニウム等の金属、ポリカーボネート等の合成樹脂を用いることもできる。
基材材料の表面に水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する場合には、ガラスの場合と同様に、第2の膜化合物としてアルコキシシラン化合物を用いることができる。この様な基材の具体例としては、アルミニウム等の金属、セラミックス等が挙げられる。
基材材料として合成樹脂を用いる場合には、プラズマ処理等により活性水素基を有する化合物をグラフトする等の処理を行うことにより、アルコキシシラン化合物を用いることができる場合がある。
反応性基材13の製造に用いることのできるアルコキシシラン化合物の種類、縮合触媒、助触媒の種類及びそれらの組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシラン化合物、縮合触媒、及び助触媒の濃度、反応条件並びに反応時間についてはエポキシ化シリコン微粒子混合物の製造の場合と同様であるので、説明を省略する。なお、エポキシ化シリコン微粒子11、11aおよびアミノ化シリコン微粒子12、12aの両者と反応可能なように、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物とアミノ基を有するアルコキシシラン化合物とを混合して用い、両者の混合単分子膜を形成するようにしてもよい。
反応後、溶媒で洗浄し、未反応物として表面に残った過剰なアルコキシシラン化合物及び縮合触媒を除去すると、アルコキシシラン化合物の単分子膜で表面が覆われた反応性基材13が得られる。洗浄溶媒としては、エポキシ化シリコン微粒子混合物の製造の場合と同様の洗浄溶媒を用いることができる。
反応後、生成した反応性基材13を溶媒で洗浄せずに空気中に放置すると、表面に残ったアルコキシシラン化合物の一部が空気中の水分により加水分解を受け、生成したシラノール基がアルコキシシリル基と縮合反応を起こす。その結果、反応性基材13の表面にポリシロキサンよりなる極薄のポリマー膜が形成される。このポリマー膜は、反応性基材13の表面に共有結合により固定されていないが、エポキシ基またはアミノ基を含んでいるため、洗浄を行わなくても、以下の製造工程に特に支障をきたすことはない。
[4]ペーストの製造
上記[1]および[2]の工程においてそれぞれ製造したエポキシ化シリコン微粒子混合物とアミノ化シリコン微粒子混合物とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する。ペーストの製造に用いる溶媒の量は、シリコン微粒子の粒径、製造するn型シリコン微粒子膜10の膜厚等によって適宜定められるため一義的に決定することは困難であるが、得られるペーストの粘度が5〜300Pa・sとなる程度の量が好ましく、より具体的にはシリコン微粒子の10〜50重量%である。エポキシ化シリコン微粒子混合物、アミノ化シリコン微粒子混合物、および溶媒の混合は、撹拌ばね、ハンドミキサー等の任意の手段により行うことができる。
[5]ペーストの塗布
反応性基材13の表面へのペーストの塗布には、インクジェット法、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー法等の任意の方法により行うことができる。形成される塗膜の膜厚は、ペーストの粘度、溶媒含量、原料として用いたシリコン微粒子の粒径、塗布回数等によって適宜制御することができる。
[6]塗膜の硬化
次いで塗膜を加熱し、シリコン微粒子及び反応性基材13上のエポキシ基とアミノ基との結合形成により塗膜を硬化させ、n型シリコン微粒子膜10を製造する。
加熱温度は、50〜200℃が好ましい。加熱温度が50℃未満だと、架橋反応の進行に長時間を要し、200℃を上回ると、塗膜の表面で架橋反応が迅速に進行することにより、閉じ込められた溶媒が揮発しにくくなり、均一なn型シリコン微粒子膜10が得られない。
なお、本実施の形態においては反応性基材13を用いたが、アルコキシシラン化合物の単分子膜を形成してない基材を直接用いてもよい。
分子架橋の形成に利用される結合は、共有結合、イオン結合、配位結合、及び分子間力による結合のいずれであってもよいが、形成されるn型シリコン微粒子膜10の強度及びペーストや塗膜の形成の容易さ等を考慮すると、塗膜の形成後に、加熱又は光等のエネルギー線の照射により形成される共有結合が好ましい。
加熱により形成される共有結合の具体例としては、エポキシ基とアミノ基又はイミノ基との反応により形成されるN−CHCH(OH)結合以外に、イソシアネート基とアミノ基との反応により形成されるNH−CONH結合等であってもよい。
光照射により形成される共有結合の具体例としては、シンナモイル基またはカルコニル基の光二量化反応により形成される共有結合が挙げられる。
次に、本発明の第二の実施の形態に係る半導体微粒子膜について説明する。
図3に示すように、本発明の第二の実施の形態に係るn型シリコン微粒子膜20は、分子の一端にエポキシ基(第4の反応性の官能基の一例)を有するアルコキシシラン化合物(第4の膜化合物の一例)の形成する単分子膜(第4の被膜の一例)で表面の少なくとも一部が被覆されたエポキシ化純シリコン微粒子31とエポキシ化n型シリコン微粒子31aとの混合物(第4の反応性シリコン微粒子混合物の一例)と、2−メチルイミダゾール(第2の架橋剤の一例)とを含み、エポキシ化シリコン微粒子31、31aが、エポキシ基と、2−メチルイミダゾールのアミノ基およびイミノ基(架橋反応基の一例)との反応により形成された結合を介して成形および硬化している。
n型シリコン微粒子膜20は、下記の工程[1]〜[5]を含む方法により製造される。
[1]エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物(第4の膜化合物の一例)を、シリコン微粒子混合物と接触させ、アルコキシシリル基とシリコン微粒子表面のヒドロキシル基との間でSi−O−結合を形成させ、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜で表面の少なくとも一部が覆われたエポキシ化純シリコン微粒子21とエポキシ化n型シリコン微粒子21aの混合物(第4の反応性シリコン微粒子混合物の一例:以下「エポキシ化シリコン微粒子混合物」と略称する場合がある。)を製造する工程
[2]エポキシ化シリコン微粒子混合物と、2−メチルイミダゾールとを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程
[3]基材表面に、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物(第4の膜化合物の一例)を接触させ、アルコキシシリル基と基材の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜(第4の被膜の一例)で表面の少なくとも一部が覆われた反応性基材23を製造する工程
[4]エポキシ化シリコン微粒子混合物と、2−メチルイミダゾールとを含むペーストを反応性基材23表面に塗布する工程
[5]エポキシ基とアミノ基またはイミノ基(架橋反応基の一例)との反応によりN−CHCH(OH)結合を形成させ、ペーストの塗膜を硬化させる工程
以下、各工程についてより詳細に説明する。
[1]エポキシ化シリコン微粒子の製造
エポキシ化シリコン微粒子21の製造については、本発明の第一の実施の形態に係るn型シリコン微粒子膜10の製造におけるエポキシ化シリコン微粒子11、11aの製造の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。
[2]ペーストの製造
上述のように製造したエポキシ化シリコン微粒子混合物と、2−メチルイミダゾールとを有機溶媒中で混合し、ペーストを製造する。2−メチルイミダゾールはエポキシ基と反応するアミノ基(>NH)およびイミノ基(=N−)を、それぞれ1−位および3−位に有しており、下記の化6に示すような架橋反応により化学結合を形成する。
2−メチルイミダゾールの添加量は、シリコン微粒子の大きさに依存して制御する必要があるが、エポキシ化シリコン微粒子混合物の0.5〜15重量%が好ましい。2−メチルイミダゾールの添加量がエポキシ化シリコン微粒子混合物の表面のエポキシ基の数に比べて極端に少なくなると、得られるn型シリコン微粒子膜20の機械的強度が低くなり、同等以上になると、架橋反応に必要な2−メチルイミダゾールの必要を超えることとなるので経済的でない。
ペーストの製造に用いる有機溶媒の種類および量、撹拌の方法等については、本発明の第一の実施の形態に係るn型シリコン微粒子膜10の製造におけるエポキシ化シリコン微粒子11、11aを含むペーストの製造の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。
本実施の形態においては、架橋剤として2−メチルイミダゾールを用いたが、下記化7で表される任意のイミダゾール誘導体を用いることができる。あるいは、イミダゾール−金属錯体やトリアゾールを用いてもよい。
化7で表されるイミダゾール誘導体の具体例としては、下記(41)〜(48)に示すものが挙げられる。
(41) 2−メチルイミダゾール(R=Me、R=R=H)
(42) 2−ウンデシルイミダゾール(R=C1123、R=R=H)
(43) 2−ペンタデシルイミダゾール(R=C1531、R=R=H)
(44) 2−メチル−4−エチルイミダゾール(R=Me、R=Et、R=H)
(45) 2−フェニルイミダゾール(R=Ph、R=R=H)
(46) 2−フェニル−4−エチルイミダゾール(R=Ph、R=Et、R=H)
(47) 2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(R=Ph、R=Me、R=CHOH)
(48) 2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール(R=Ph、R=R=CHOH)
なお、Me、Et、およびPhは、それぞれメチル基、エチル基、およびフェニル基を表す。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸無水物、ジシアンジアミド、ノボラック等のフェノール誘導体、トリアゾール等の化合物を第2の架橋剤として用いてもよい。この場合、架橋反応を促進するためにイミダゾール誘導体を触媒として用いてもよい。
なお、本実施の形態においてはエポキシ基を有する膜化合物を用いた場合について説明しているが、アミノ基またはイミノ基を有する膜化合物を用いる場合には、架橋反応基として2もしくは3以上のエポキシ基または2もしくは3以上のイソシアネート基を有するカップリング剤を用いる。イソシアネート基を有する化合物の具体例としては、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート等が挙げられる。
これらのジイソシアネート化合物の添加量は、2−メチルイミダゾールの場合と同様、エポキシ化シリコン微粒子の5〜15重量%が好ましい。この場合、膜前駆体の製造に用いることのできる溶媒としては、キシレン等の芳香族有機溶媒が挙げられる。
また、架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル等の2または3以上のエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。
[3]反応性基材の製造、
アルコキシシラン化合物としてエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を用いる以外は、本発明の第一の実施の形態に係るn型シリコン微粒子膜10の製造における反応性基材13の製造と同様であるので、詳しい説明を省略する。
[4]ペーストの塗布、および[5]塗膜の硬化の各工程については、本発明の第一の実施の形態に係るn型シリコン微粒子膜10の製造における対応する各工程と同様であるので、詳しい説明を省略する。
なお、上述の各実施形態においては、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合した純粋シリコン微粒子とn型シリコン微粒子との混合物を出発物質として、エポキシ化n型シリコン微粒子混合物およびアミノ化n型シリコン微粒子混合物の製造を行ったが、不純物原子濃度の異なる2種類以上のn型シリコン微粒子を均一に混合したものを用いてもよい。
あるいは、純粋シリコン微粒子とn型シリコン微粒子もしくは不純物原子濃度の異なる2種類以上のn型シリコン微粒子のそれぞれについて、上述の方法と同様の手順を用いてエポキシ化n型シリコン微粒子およびアミノ化n型シリコン微粒子をそれぞれ製造後、不純物原子の平均濃度が、上述の範囲内の所望の値となるような混合比でこれらを混合してペーストを製造してもよい。
本発明の各実施の形態に係るn型シリコン微粒子膜10、20において、表層に位置する反応性シリコン微粒子混合物には、未反応の反応性の官能基(例えば、エポキシ基およびアミノ基)が残っているので、上述の方法と同様の手順を用いて、その上にp型シリコン微粒子膜を積層させ、pn接合を形成することができる。このようにして製造されたpn接合を有する半導体微粒子膜は、整流作用等のダイオードとしての特性を示す。そのため、本発明はダイオードおよびその安価かつ簡便な製造方法も提供する。
また、n型およびp型シリコン微粒子膜の膜厚は、nm〜μmオーダーで制御可能であるので、光透過性を確保できるため、本発明により提供されるダイオードは各種光電変換素子に応用できる。図4に、光電変換素子の一例である太陽電池50の断面構造の模式図を示す。上記いずれかの方法を用いて形成されたn型シリコン微粒子膜51およびp型シリコン微粒子膜52が、光の入射側となる透明電極であるITO基板53上に積層されている。p型シリコン微粒子膜52の上には、アルミニウム電極54が蒸着されている。なお、n型シリコン微粒子膜51とITO基板53との間あるいはITO基板53上には、図示しない反射防止膜を設けてもよく、n型シリコン微粒子膜51およびp型シリコン微粒子膜52との間に純シリコン微粒子膜を設けたpin接合を有する構造としてもよい。また、n型シリコン微粒子膜51およびp型シリコン微粒子膜52は平面上である必要はなく、ジグザグ型の断面を有するように積層してもよい。
以下、実施例を用いて本発明の詳細を説明するが、本願発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1:n型シリコン微粒子膜の製造[1]
(1)エポキシ化シリコン微粒子混合物の製造
平均粒径10nmの純シリコン微粒子と平均粒径10nmのn型シリコン微粒子(不純物原子濃度1019cm−3)を用意し、重量比99.99:0.01となるよう混合した。このようにして得られたシリコン微粒子混合物(不純物原子の平均濃度1016cm−3)をよく乾燥した。
ここで、塗膜の目標とする好ましい不純物濃度は、1011〜1018/cm、より好ましくは1012〜1017/cm程度であるが、必要に応じて適宜混合条件を調整すればよい。
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(化8)0.99重量部、およびジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、反応液を調製した。
このようにして得られた反応液中にシリコン微粒子混合物を分散させ、撹拌しながら空気中(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。
その後、エタノールで洗浄し、余分なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
(2)アミノ化シリコン微粒子混合物の製造
平均粒径が10nm程度のシリコン微粒子混合物((1)で用いたものと同一。)を用意し、よく乾燥した。
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(化9、信越化学工業株式会社製)0.99重量部、および酢酸(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン溶媒に溶解し、反応液を調製した。
このようにして得られた反応液中にシリコン微粒子を分散させ、撹拌しながら空気中(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。
その後、エタノールで洗浄し、余分なアルコキシシラン化合物およびジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
(3)シリコン微粒子ペーストの製造
(1)で製造したエポキシ化シリコン微粒子混合物50重量部と、(2)で製造したアミノ化シリコン微粒子混合物50重量部とを混合し、これにイソプロピルアルコール40重量部を加えた。得られた混合物を十分混合してシリコン微粒子ペーストを得た。
(4)エポキシ化ガラス基材の製造
ガラス基材を用意し、よく洗浄して乾燥した。
3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(化8)0.99重量部、及びジブチルスズビスアセチルアセトナート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100重量部のヘキサメチルジシロキサン−ジメチルホルムアミド混合溶媒(1:1 v/v)に溶解し、反応液を調製した。
反応液をガラス基材板の表面に塗布し、空気中(相対湿度45%)で2時間程度反応させた。その後、クロロホルムで洗浄し、過剰なアルコキシシラン化合物及びジブチルスズビスアセチルアセトナートを除去した。
(5)塗膜の形成およびn型シリコン微粒子膜の形成
(3)で製造したシリコン微粒子ペーストを、(4)で製造したエポキシ化ガラス基材上に塗布し、膜厚3μmの塗膜を形成した。
室温下でイソプロピルアルコールを蒸発させた後、ガラス基材及びその上に形成された塗膜を170℃で30分間加熱することにより、n型シリコン微粒子膜を形成した。
実施例2:n型シリコン微粒子膜の製造方法[2]
実施例1の(1)と同様にn型不純物原子の平均濃度1017cm−3になるように調整したn型シリコン微粒子混合物を用いて製造したエポキシ化シリコン微粒子混合物100重量部に、2−メチルイミダゾールを5重量部とイソプロピルアルコール40重量部を加えた。得られた混合物を十分混合してシリコン微粒子ペーストを得た。このようにして製造したシリコン微粒子ペーストを、実施例1の(4)と同様に製造したエポキシ化ガラス基材上に塗布し、膜厚3μmの塗膜を形成した。
室温下でイソプロピルアルコールを蒸発させた後、ガラス基材及びその上に形成された塗膜を170℃で30分間加熱することにより、n型シリコン微粒子膜を形成した。
塗膜の目標とする好ましい不純物濃度は、1011〜1018/cm、より好ましくは1012〜1017/cm程度であるが、必要に応じて適宜混合条件を調整すればよい。
実施例3:n型シリコン微粒子膜の製造[3]
実施例1の(2)と同様に製造したアミノ化シリコン微粒子混合物100重量部に、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート5重量部とイソプロピルアルコール40重量部を加えた。得られた混合物を十分混合してシリコン微粒子ペーストを得た。このようにして製造したシリコン微粒子ペーストを、実施例1の(4)と同様に製造したエポキシ化ガラス基材上に塗布し、膜厚3μmの塗膜を形成した。
室温下でイソプロピルアルコールを蒸発させた後、ガラス基材及びその上に形成された塗膜を170℃で30分間加熱することにより、n型シリコン微粒子膜を形成した。
実施例4:n型シリコン微粒子膜の製造[4]
平均粒径10nmの純シリコン微粒子と平均粒径10nmのn型シリコン微粒子(不純物原子濃度1019cm−3)を混合することなく、それぞれについて、実施例1の(1)および(2)と同様の手順により、エポキシ化純シリコン微粒子、エポキシ化n型シリコン微粒子、アミノ化純シリコン微粒子およびアミノ化n型シリコン微粒子を製造後、これらを99.9:0.1:99.9:0.1の重量比で混合し、実施例1の(3)と同様の手順を用いてペーストを製造した以外は実施例1と同様の手順により、n型シリコン微粒子膜を製造した。
実施例5:太陽電池の調製[1]
実施例1の(4)と同様の手順により、ITOガラス板の表面に、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜を形成した。このようにして製造したエポキシ化ITOガラス板の表面に、実施例1の(2)と同様に製造したアミノ化n型シリコン微粒子混合物のエタノール分散液を塗布し、100℃で加熱した。反応後、水で洗浄し、余分なアミノ化n型シリコン微粒子混合物を除去した。
次いで、n型シリコン微粒子の代わりにp型シリコン微粒子を用いた以外は実施例1の(1)と同様に製造したエポキシ化p型シリコン微粒子混合物のエタノール分散液をさらに塗布し、100℃で加熱した。さらに、その上にアルミニウム電極を蒸着するとダイオード構造の太陽電池が得られた。
実施例6:太陽電池の調製[2]
実施例1の(4)と同様の手順により、ITOガラス板の表面に、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜を形成した。このようにして製造したエポキシ化ITOガラス板の表面に、実施例2と同様に製造したn型シリコン微粒子混合物を含むペーストを塗布し、得られた塗膜を170℃で30分間加熱した。
次いで、n型シリコン微粒子の代わりにp型シリコン微粒子を用いた以外は実施例2と同様に製造したp型シリコン微粒子混合物を含むペーストを塗布し、得られた塗膜を170℃で30分間加熱した。その後、その上にアルミニウム電極を蒸着すると太陽電池が得られた。
なお、この太陽電池は、容易に小型化が可能であり、上記と同様の製造方法によりフォトセンサーも製造できた。
10、20 n型シリコン微粒子層
11、21 エポキシ化純粋シリコン微粒子
11a、21a エポキシ化n型シリコン微粒子
12 アミノ化純粋シリコン微粒子
12a アミノ化n型シリコン微粒子
13、23 反応性基材
14 純粋シリコン微粒子
15 ヒドロキシル基
16 エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の単分子膜
50 太陽電池
51 n型シリコン微粒子層
52 p型シリコン微粒子層
53 ITO電極
54 アルミニウム電極

Claims (38)

  1. 不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、膜状構造を形成していることを特徴とする半導体微粒子膜。
  2. 前記シリコン微粒子が、分子架橋を介して互いに化学結合した膜状構造を形成していることを特徴とする請求項1記載の半導体微粒子膜。
  3. 前記2種類以上のシリコン微粒子が、純粋シリコン微粒子と、p型シリコン微粒子またはn型シリコン微粒子との組み合わせであることを特徴とする請求項1または2記載の半導体微粒子膜。
  4. 前記2種類以上のシリコン微粒子の混合物が、粒子径が異なるシリコン微粒子を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の半導体微粒子膜。
  5. 前記シリコン微粒子の粒子径が10nm〜5μmであることを特徴とする請求項1または2記載の半導体微粒子膜。
  6. 前記シリコン微粒子の表面には、第1の反応性の官能基を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、該表面の少なくとも一部を覆った第1の被膜、または前記第1の官能基と反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、該表面の少なくとも一部を覆った第2の被膜が形成されており、
    それぞれ異なるシリコン微粒子上に存在する前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基とが反応して化学結合することにより、前記分子架橋が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の半導体微粒子膜。
  7. 前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであることを特徴とする請求項6記載の半導体微粒子膜。
  8. 前記シリコン微粒子の表面には、第4の反応性の官能基を有し、Si−O−結合を介して化学結合し、該表面の少なくとも一部を覆った第4の被膜が形成されており、
    前記シリコン微粒子の1つと化学結合した前記第4の被膜の有する第4の反応性の官能基と、前記1つのシリコン微粒子以外のシリコン微粒子と化学結合した前記第4の被膜の有する前記第4の反応性の官能基と、前記反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤を介して化学結合することにより形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の半導体微粒子膜。
  9. 前記第4の反応性の官能基と架橋反応基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであることを特徴とする請求項8記載の半導体微粒子膜。
  10. 第1の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第1の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合したシリコン微粒子混合物と接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する第1の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた第1の反応性シリコン微粒子混合物を製造する工程と、
    前記第1の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第2の膜化合物を前記シリコン微粒子混合物と接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する第2の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた第2の反応性シリコン微粒子混合物を製造する工程と、
    前記第1の反応性シリコン微粒子混合物と前記第2の反応性シリコン微粒子混合物とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程と、
    前記ペーストを基材表面に塗布する工程と、
    前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法。
  11. 前記第1および第2の被膜を形成後、前記第1および第2の反応性シリコン微粒子混合物をそれぞれ溶媒で洗浄し、余分な前記第1および第2の膜化合物を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項10記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  12. 第1の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第1の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子のそれぞれと接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第1の膜化合物の形成する第1の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた2種類以上の第1の反応性シリコン微粒子を製造する工程と、
    前記第1の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第2の膜化合物を前記2種類以上のシリコン微粒子のそれぞれと接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第2の膜化合物の形成する第2の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた2種類以上の第2の反応性シリコン微粒子を製造する工程と、
    前記2種類以上の第1の反応性シリコン微粒子と前記2種類以上の第2の反応性シリコン微粒子とを、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に有機溶媒中で混合して、反応性シリコン微粒子混合物を含むペーストを製造する工程と、
    前記ペーストを基材表面に塗布する工程と、
    前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法。
  13. 前記第1および第2の被膜を形成後、前記2種類以上の第1および第2の反応性シリコン微粒子をそれぞれ溶媒で洗浄し、余分な前記第1および第2の膜化合物を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項12記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  14. あらかじめ、前記ペーストを塗布する前の基材表面に、前記第1および第2の反応性官能基の一方または双方と反応する第3の反応性官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第3の膜化合物を接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記基材の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第3の膜化合物の形成する第3の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた反応性基材を製造する工程をさらに有することを特徴とする請求項10から13のいずれか1項記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  15. 前記第3の被膜を形成後、前記反応性基材の表面を溶媒で洗浄し、余分な前記第3の膜化合物を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項14記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  16. 第4の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第4の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合したシリコン微粒子混合物と接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記純粋シリコン微粒子とp型またはn型シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第4の膜化合物の形成する被膜で表面の少なくとも一部が覆われた第4の反応性シリコン微粒子混合物を製造する工程と、
    前記第4の反応性シリコン微粒子混合物と、前記第4の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程と、
    前記ペーストを基材表面に塗布する工程と、
    前記第4の反応性の官能基と前記架橋反応基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法。
  17. 前記第4の被膜を形成後、前記第4の反応性シリコン微粒子混合物を溶媒で洗浄し、余分な前記第4の膜化合物を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項16記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  18. 第4の反応性の官能基およびハロシリル基またはアルコキシシリル基をそれぞれ有する第4の膜化合物を、不純物原子濃度の異なる2種類以上のシリコン微粒子のそれぞれと接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記純粋シリコン微粒子とp型またはn型シリコン微粒子の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第4の膜化合物の形成する被膜で表面の少なくとも一部が覆われた2種類以上の第4の反応性シリコン微粒子を製造する工程と、
    前記2種類以上の第4の反応性シリコン微粒子と、前記第4の反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤とを有機溶媒中で混合してペーストを製造する工程と、
    前記ペーストを基材表面に塗布する工程と、
    前記第4の反応性の官能基と前記架橋反応基との反応により化学結合を形成させ、前記ペーストの塗膜を硬化させる工程とを含むことを特徴とする半導体微粒子膜の製造方法。
  19. 前記第4の被膜を形成後、前記2種類以上の第4の反応性シリコン微粒子を溶媒で洗浄し、余分な前記第4の膜化合物を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項18記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  20. あらかじめ、前記ペーストを塗布する前の基材表面に、前記第4の膜化合物を接触させ、前記ハロシリル基またはアルコキシシリル基と前記基材の表面官能基との間でSi−O−結合を形成させ、前記第4の膜化合物の形成する第4の被膜で表面の少なくとも一部が覆われた反応性基材を製造する工程をさらに有することを特徴とする請求項16から19のいずれか1項記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  21. 前記反応性基材の表面の前記第4の被膜を形成後、前記反応性基材の表面を溶媒で洗浄し、余分な前記第4の膜化合物を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項20記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  22. 前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応、または前記第1の反応性の官能基と前記第3の反応性の官能基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであることを特徴とする請求項10から15のいずれか1項記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  23. 前記第4の反応性の官能基と前記架橋反応基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであることを特徴とする請求項16から20のいずれか1項記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  24. 前記2種類以上のシリコン微粒子が、純粋シリコン微粒子と、p型シリコン微粒子またはn型シリコン微粒子との組み合わせであることを特徴とする請求項10から23のいずれか1項記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  25. 前記シリコン微粒子の粒子径が10〜5μmであることを特徴とする請求項10から24のいずれか1項記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  26. 前記2種類以上のシリコン微粒子の混合物が、粒子径が異なるシリコン微粒子を含むことを特徴とする請求項10から25のいずれか1項記載の半導体微粒子膜の製造方法。
  27. 不純物原子濃度の異なる2種類以上のn型シリコン微粒子、または純粋シリコン微粒子とn型シリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するn型半導体層と、
    不純物原子濃度の異なる2種類以上のp型シリコン微粒子、または純粋シリコン微粒子とp型シリコン微粒子が、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合され、分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するp型半導体層とが基材上に積層されていることを特徴とするダイオード。
  28. 前記2種類以上のシリコン微粒子の粒子径が10〜5μmであることを特徴とする請求項27記載のダイオード。
  29. 前記2種類以上のシリコン微粒子の混合物が、粒子径が異なるシリコン微粒子を含むことを特徴とする請求項27または28記載のダイオード。
  30. 前記分子架橋が、前記シリコン微粒子の1つと化学結合した第1の被膜の有する第1の反応性の官能基と、
    前記シリコン微粒子以外のシリコン微粒子と化学結合した第2の被膜の有する前記第1の官能基と反応して化学結合を形成する第2の反応性の官能基とが反応して化学結合することにより形成されていることを特徴とする請求項27から29のいずれか1項記載のダイオード。
  31. 前記第1の反応性の官能基と前記第2の反応性の官能基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであることを特徴とする請求項30記載のダイオード。
  32. 前記分子架橋が、2種類以上のシリコン微粒子の1つと化学結合した被膜の有する反応性の第3の官能基と、前記1つの2種類以上のシリコン微粒子以外の2種類以上のシリコン微粒子と化学結合した被膜の有する前記反応性の官能基と、前記反応性の官能基と熱で反応して化学結合を形成する複数の架橋反応基を有する架橋剤を介して化学結合することにより形成されていることを特徴とする請求項27から29のいずれか1項記載のダイオード。
  33. 前記第3の反応性の官能基と前記第架橋反応基との反応により形成された化学結合が、アミノ基またはイミノ基とエポキシ基との反応により形成されたN−CHCH(OH)結合、およびアミノ基またはイミノ基とイソシアネート基との反応により形成されたNH−CONH結合のいずれかであることを特徴とする請求項32記載のダイオード。
  34. 請求項27から33のいずれか1項記載のダイオードを含む光電変換素子。
  35. 前記光電変換素子が太陽電池、またはフォトセンサーである請求項34記載の光電変換素子。
  36. 請求項10から22のいずれか1項記載の方法により、透明基材上に不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合された複数の純粋シリコン微粒子と複数のn型シリコン微粒子とが分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するn型半導体層を形成する工程と、
    請求項10から24のいずれか1項記載の方法により、前記n型シリコン微粒子層上に、不純物原子の平均濃度が1010〜1020cm−3となるように均一に混合された複数の純粋シリコン微粒子と複数のp型シリコン微粒子とが分子架橋を介して互いに化学結合した積層膜状構造を有するp型半導体層を形成する工程とを有することを特徴とするダイオードの製造方法。
  37. 請求項36記載のダイオードの製造方法を含む光電変換素子の製造方法。
  38. 前記光電変換素子が太陽電池、またはフォトセンサーである請求項37記載の光電変換素子の製造方法。
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