JP2012162605A - 多孔質膜の製造方法、および多孔質膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリフッ化ビニリデン多孔質膜を簡便安価に製造する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の多孔質膜の製造方法は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を70℃〜110℃の温度下で溶媒に溶解して溶液を調製すること、および該溶液を支持体上に塗布した後、30℃〜70℃で乾燥させることを含む。好ましい実施形態においては、上記溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の多孔質膜の製造方法は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を70℃〜110℃の温度下で溶媒に溶解して溶液を調製すること、および該溶液を支持体上に塗布した後、30℃〜70℃で乾燥させることを含む。好ましい実施形態においては、上記溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンである。
【選択図】図1
Description
本発明は、多孔質膜の製造方法、および当該製造方法により得られる多孔質膜に関する。
精密濾過膜、限界濾過膜等の分離膜、および電池の電極、セパレーター等の電気材料として多孔質高分子膜が広く用いられている。このような多孔質高分子膜を形成する素材のひとつとして、物理的強度および耐薬品性に優れるポリフッ化ビニリデンが知られている。このポリフッ化ビニリデンを用いた多孔質膜は、一般に、多くの流路を有するスポンジ様の内部構造を有する。
このようなポリフッ化ビニリデン多孔質膜の製造方法としては、加熱したポリフッ化ビニリデンを含むキャステイング溶液を支持体上に塗布した後、塗布層を急冷、洗浄および乾燥を行う方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、このような方法は、急冷および洗浄を必要とするため、製造工程が複雑であり、製造コストが高くなるという問題がある。
急冷工程を経ずにポリフッ化ビニリデン多孔質膜を得る製造方法としては、溶媒/非溶媒混合物中にポリフッ化ビニリデンポリマーを溶解したキャステイング溶液を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、このような方法は、乾燥時に溶媒/非溶媒の比が変化するため、工程管理が難しく、多孔質性について再現性よくポリフッ化ビニリデン多孔質膜を得ることが難しいという問題がある。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜を簡便安価に製造する方法を提供することにある。
本発明の多孔質膜の製造方法は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を70℃〜110℃の温度下で溶媒に溶解して溶液を調製すること、および該溶液を支持体上に塗布した後、30℃〜70℃で乾燥させることを含む。
好ましい実施形態においては、上記溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンである。
本発明の別の局面においては、多孔質膜が提供される。本発明の多孔質膜は、上記製造方法により得られる。
好ましい実施形態においては、上記多孔質膜の厚みは、5μm〜100μmである。
好ましい実施形態においては、上記多孔質膜の平均孔径は、5μm〜40μmである。
好ましい実施形態においては、上記多孔質膜の通気度は、ガーレー数で0.5秒/100cc〜200秒/100ccである。
好ましい実施形態においては、上記溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンである。
本発明の別の局面においては、多孔質膜が提供される。本発明の多孔質膜は、上記製造方法により得られる。
好ましい実施形態においては、上記多孔質膜の厚みは、5μm〜100μmである。
好ましい実施形態においては、上記多孔質膜の平均孔径は、5μm〜40μmである。
好ましい実施形態においては、上記多孔質膜の通気度は、ガーレー数で0.5秒/100cc〜200秒/100ccである。
本発明によれば、特定の温度下でポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶媒に溶解して溶液を調製し、当該溶液を支持体上に塗布した後、塗布層を特定の温度で乾燥させることにより、塗布層を急冷させることなく、多孔質膜を得ることができる。このような本発明の製造方法によれば、急冷、さらに急冷後の洗浄を行わないので、簡便安価に多孔質膜を得ることができる。また、急冷および洗浄に伴う排水が発生しないので、環境負荷を低減することができる。
本発明の多孔質膜の製造方法は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶媒に溶解して溶液を調製し、該溶液を支持体上に塗布した後、塗布層を乾燥させることを含む。ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶媒に溶解して溶液を調整する際の温度、および/または塗布層を乾燥させる際の温度を調整することにより、多孔質膜の構造的性質および機械的性質を制御することができる。本発明の製造方法においては、上記乾燥時の溶媒の蒸発に伴って、溶解したポリフッ化ビニリデン系樹脂の球晶が生じ、当該球晶が連結することにより多孔質膜の骨格が形成される。
A.溶液の調整
本発明の製造方法においては、まず、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶媒に溶解して溶液を調製する。溶液を調整する際の温度(ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度)は、70℃〜110℃である。ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度を調整することにより、多孔質膜の孔径および通気度を制御することができる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度を高くすることにより、大孔径、高通気度の多孔質膜が得られる。一方、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度が70℃未満の場合、得られる膜が多孔質化され難いおそれがある。これは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解時に、視認できないほど小さい微結晶が溶け残りとして存在するためであると考えられる。より詳細には、このような微結晶の溶け残りが存在すれば、溶媒を蒸発させる際に、微結晶が核となり小さな球晶が発生する。微結晶が多い場合、小さな球晶が多量に発生するため、小さな球晶が緻密にパッキングされて、その結果、得られる膜が多孔質化され難くなると考えられる。また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を高温で溶解した場合は、上記微結晶の溶け残りが少ないので、大孔径、高通気度の多孔質膜が得られると考えられる。ただし、高温で溶解した場合、孔径が大きく球晶の連結性が低いので、得られる多孔質膜の機械強度は小さくなる。したがって、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度は上記のように110℃を超えないことが好ましい。ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解に要する時間は、代表的には、0.5時間〜1.5時間である。
本発明の製造方法においては、まず、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶媒に溶解して溶液を調製する。溶液を調整する際の温度(ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度)は、70℃〜110℃である。ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度を調整することにより、多孔質膜の孔径および通気度を制御することができる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度を高くすることにより、大孔径、高通気度の多孔質膜が得られる。一方、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度が70℃未満の場合、得られる膜が多孔質化され難いおそれがある。これは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解時に、視認できないほど小さい微結晶が溶け残りとして存在するためであると考えられる。より詳細には、このような微結晶の溶け残りが存在すれば、溶媒を蒸発させる際に、微結晶が核となり小さな球晶が発生する。微結晶が多い場合、小さな球晶が多量に発生するため、小さな球晶が緻密にパッキングされて、その結果、得られる膜が多孔質化され難くなると考えられる。また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を高温で溶解した場合は、上記微結晶の溶け残りが少ないので、大孔径、高通気度の多孔質膜が得られると考えられる。ただし、高温で溶解した場合、孔径が大きく球晶の連結性が低いので、得られる多孔質膜の機械強度は小さくなる。したがって、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する際の温度は上記のように110℃を超えないことが好ましい。ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶解に要する時間は、代表的には、0.5時間〜1.5時間である。
上記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100000〜400000であり、さらに好ましくは200000〜300000である。
上記溶媒は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解し得る限り、任意の適切な溶媒が採用され得る。上記溶媒は、好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンである。
上記溶媒へのポリフッ化ビニリデン系樹脂の添加量は、溶液100重量部に対して、好ましくは5重量部〜20重量部、さらに好ましくは8重量部〜17重量部である。
B.多孔質膜の形成
本発明の製造方法においては、上記のようにして調製した溶液を支持体上に塗布した後、上記溶媒を乾燥させることにより、多孔質膜を形成させることができる。
本発明の製造方法においては、上記のようにして調製した溶液を支持体上に塗布した後、上記溶媒を乾燥させることにより、多孔質膜を形成させることができる。
上記溶液を支持体上に塗布する際、当該溶液は、冷却されていてもよく、冷却されていなくてもよい。1つの実施形態においては、作業の容易性の観点から、当該溶液は、室温まで冷却してから支持体上に塗布される。
上記支持体としては、例えば、ガラス板、金属板、樹脂シート等が挙げられる。上記支持体の厚みは、本発明の効果を損なわない限り、任意の適切な厚みに設定し得る。上記支持体の厚みは、代表的には1mm〜10mmである。
上記溶液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティング法が挙げられる。
上記溶液を支持体上に塗布して形成された塗布層の厚みは、所望とする多孔質膜の厚みに応じて任意の適切な厚みに設定され得る。好ましくは50μm〜1000μm、さらに好ましくは150μm〜900μm、特に好ましくは250μm〜750μmである。
上記塗布後、塗布層を乾燥させる。乾燥は、例えば、塗布層の形成された支持体を乾燥機に投入して、熱風乾燥により行う。上記のとおり、当該乾燥時の溶媒の蒸発に伴って、溶解したポリフッ化ビニリデン系樹脂の球晶が生じる。さらに、上記溶解の際に生じた溶け残り微結晶が成長する。このように生じた比較的粗大な結晶が連結することにより、多孔質膜の骨格が形成される。本発明の製造方法により得られる多孔質膜は、急冷することなく得られるので、多孔質膜を形成するポリフッ化ビニリデン系樹脂の結晶性が高い。このような多孔質膜は電気材料にも好適に用いることができる。
乾燥温度は、30℃〜70℃であり、好ましくは50℃〜70℃である。乾燥温度を調整することにより、多孔質膜の孔径および通気度を制御することができる。乾燥温度が上記のような範囲であれば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の結晶化および上記溶け残り微結晶の成長を促進して、多孔質化した膜を得ることができる。乾燥温度が70℃より高い場合、溶媒の蒸発速度が速く、上記溶け残り微結晶が成長し難い。そのため、微結晶がポリフッ化ビニリデン系樹脂の球晶の隙間を埋めて、多孔質化された膜が得られないおそれがある。乾燥温度が30℃未満の場合、溶媒の蒸発速度が遅く、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の結晶化速度が遅いため、結晶が緻密化されて、多孔質化された膜が得られないおそれがある。また、乾燥温度が30℃未満の場合は、乾燥に長時間を要し、実用的ではない。乾燥時間は、代表的には、30分〜5時間である。
上記乾燥により、支持体上に多孔質膜が形成される。形成された多孔質膜は、支持体ごと水に浸漬することにより、支持体から容易に剥がし取ることができる。
C.多孔質膜
本発明の多孔質膜は、本発明の多孔質膜の製造方法により得られる。
本発明の多孔質膜は、本発明の多孔質膜の製造方法により得られる。
上記多孔質膜の厚みは、所望の特性(例えば、強度、通気度)に応じて、任意の適切な厚みに設定され得る。上記多孔質膜の厚みは、好ましくは5μm〜100μmであり、さらに好ましくは20μm〜50μmである。
上記多孔質膜の平均孔径は、好ましくは5μm〜40μmであり、さらに好ましくは5μm〜30μmである。本発明の製造方法によれば、従来の方法よりも大孔径の多孔質膜を得ることができる。なお、平均孔径は、ASTM・E1294−86に準じた測定方法で測定することができる。
上記多孔質膜の通気度は、ガーレー数で、好ましくは0.5秒/100cc〜200秒/100ccであり、さらに好ましくは10秒/100cc〜100秒/100ccである。ガーレー数は、JIS P8117に準じた測定方法で測定することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
N,N−ジメチルアセトアミド87.5重量部中に、ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、商品名「KFポリマー」)12.5重量部を添加し、70℃の温度下で1時間撹拌して、溶液を調製した。得られた溶液に、視認できる溶け残りはなかった。
得られた溶液を室温まで冷却した後、ガラス板上に塗布して塗布層を形成させた。このとき、塗布層の厚みは500μmとした。次いで、塗布層を有するガラス板を乾燥機内に入れ、塗布層を50℃で5時間乾燥させて、多孔質膜を形成させた。その後、水中で、多孔質膜付きガラス板から多孔質膜を剥がし取った。得られた多孔質膜の厚みは50μmであった。
N,N−ジメチルアセトアミド87.5重量部中に、ポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、商品名「KFポリマー」)12.5重量部を添加し、70℃の温度下で1時間撹拌して、溶液を調製した。得られた溶液に、視認できる溶け残りはなかった。
得られた溶液を室温まで冷却した後、ガラス板上に塗布して塗布層を形成させた。このとき、塗布層の厚みは500μmとした。次いで、塗布層を有するガラス板を乾燥機内に入れ、塗布層を50℃で5時間乾燥させて、多孔質膜を形成させた。その後、水中で、多孔質膜付きガラス板から多孔質膜を剥がし取った。得られた多孔質膜の厚みは50μmであった。
[実施例2]
溶液調整時の温度を70℃に代えて、90℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
溶液調整時の温度を70℃に代えて、90℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
[実施例3]
溶液調整時の温度を70℃に代えて、110℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
溶液調整時の温度を70℃に代えて、110℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
[実施例4]
乾燥温度を50℃に代えて、70℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
乾燥温度を50℃に代えて、70℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
[実施例5]
溶液調整時の温度を70℃に代えて90℃とし、乾燥温度を50℃に代えて70℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
溶液調整時の温度を70℃に代えて90℃とし、乾燥温度を50℃に代えて70℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
[実施例6]
溶液調整時の温度を70℃に代えて110℃とし、乾燥温度を50℃に代えて70℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
溶液調整時の温度を70℃に代えて110℃とし、乾燥温度を50℃に代えて70℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
[実施例7]
乾燥温度を50℃に代えて、30℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
乾燥温度を50℃に代えて、30℃とした以外は、実施例1と同様にして多孔質膜を得た。
[比較例1]
溶液調整時の温度を70℃に代えて30℃とした以外は、実施例1と同様にして膜を得た。
溶液調整時の温度を70℃に代えて30℃とした以外は、実施例1と同様にして膜を得た。
[比較例2]
溶液調整時の温度を70℃に代えて50℃とした以外は、実施例1と同様にして膜を得た。
溶液調整時の温度を70℃に代えて50℃とした以外は、実施例1と同様にして膜を得た。
<評価>
1.通気度
実施例で得られた多孔質膜について、ガーレー数を測定し、通気度を評価した。評価結果を表1に示す。ガーレー数は、JIS P8117に準拠して、ガーレー式デンソメーター(テスター産業株式会社製)を用いて求めた。
なお、比較例で得られた膜は、通気性がなく、ガーレー数を測定することができなかった。
2.SEM観察
実施例1および実施例2で得られた多孔質膜、ならびに比較例1および比較例2で得られた膜を走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。実施例1で得られた多孔質膜の表面(乾燥時における支持体とは反対側の面)のSEM写真を図1(a)に、裏面(乾燥時に支持体に接触していた側の面)のSEM写真を図1(b)に、断面のSEM写真を図1(c)に示す。実施例2で得られた多孔質膜の断面のSEM写真を図2に示す。比較例1で得られた膜の断面を図3に、比較例2で得られた膜の断面を図4に示す。
1.通気度
実施例で得られた多孔質膜について、ガーレー数を測定し、通気度を評価した。評価結果を表1に示す。ガーレー数は、JIS P8117に準拠して、ガーレー式デンソメーター(テスター産業株式会社製)を用いて求めた。
なお、比較例で得られた膜は、通気性がなく、ガーレー数を測定することができなかった。
2.SEM観察
実施例1および実施例2で得られた多孔質膜、ならびに比較例1および比較例2で得られた膜を走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。実施例1で得られた多孔質膜の表面(乾燥時における支持体とは反対側の面)のSEM写真を図1(a)に、裏面(乾燥時に支持体に接触していた側の面)のSEM写真を図1(b)に、断面のSEM写真を図1(c)に示す。実施例2で得られた多孔質膜の断面のSEM写真を図2に示す。比較例1で得られた膜の断面を図3に、比較例2で得られた膜の断面を図4に示す。
表1および図1〜4から明らかなように、特定の温度下でポリフッ化ビニリデンを溶解して溶液を調製し、かつ、特定温度で乾燥させることにより、通気性を有する膜、すなわち多孔質膜を得ることができた。一方、溶液調製時の温度が低い場合、膜を多孔質化することができなかった。また、溶液調製時の温度および/または乾燥温度を調整することにより、多孔質膜の通気度を制御することができた。
本発明の多孔質膜は、精密濾過膜、限界濾過膜等の分離膜、および電池の電極、セパレーター等の電気材料として好適に用いられ得る。
Claims (6)
- ポリフッ化ビニリデン系樹脂を70℃〜110℃の温度下で溶媒に溶解して溶液を調製すること、および該溶液を支持体上に塗布した後、30℃〜70℃で乾燥させることを含む、多孔質膜の製造方法。
- 前記溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンである、請求項1に記載の多孔質膜の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法により得られた、多孔質膜。
- 厚みが5μm〜100μmである、請求項3に記載の多孔質膜。
- 平均孔径が5μm〜40μmである、請求項3または4に記載の多孔質膜。
- 通気度が、ガーレー数で0.5秒/100cc〜200秒/100ccである、請求項3から5のいずれかに記載の多孔質膜。
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