JP2012160367A - 燃料電池スタックおよび燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属セパレータの酸化による劣化を抑制することができ、電圧降下を小さくすることが可能な燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1は、固体電解質層21と、固体電解質層21の一方面に設けられた燃料極層22と、固体電解質層21の他方面に設けられた空気極層23とを備えた単セル2を、金属セパレータ3を介して複数積層してなる。空気極層23は、固体電解質層21に接して配置される多孔質層231と、多孔質層231における金属セパレータ3側の面に接して配置される緻密質層232とを有する。空気極層23は、多孔質層231と緻密質層232との境界に、酸化剤ガスを流すガス流路233を有する。上記の燃料電池スタック1を複数積層配置し、燃料電池を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質として固体電解質を利用した燃料電池スタックおよび燃料電池に関する。
燃料電池は、反応物質(燃料)と酸化剤(空気や酸素)とを電池内部に供給することによって電気エネルギーを発生させる変換器である。燃料電池の構造としては、固体電解質層の一方面に燃料極層、他方面に空気極層を配置した単セルを、セパレータを介して複数積層してスタック化し、さらにこの燃料電池スタックを複数積層してなる燃料電池が知られている。
上記燃料電池スタック、燃料電池においては、セパレータの一方面に燃料ガスを流すためのガス流路が形成されており、セパレータの他方面に酸化剤ガスを流すためのガス流路が形成されていることが多い(特許文献1の図8参照)。また、特許文献2に記載されるように、空気極層の内部にガス流路を形成する技術も提案されている。
上記のセパレータ材料としては、従来、セラミックスが使用されてきた。近年では、実用性、経済性などの観点から、金属材料を用いることが試みられている。
特開平5−159790号公報(図8) 特開平9−50812号公報
燃料電池スタックにおいて、上記のセパレータは、その一方面が還元雰囲気に曝され、その他方面が酸化雰囲気に曝される。セパレータ材料として金属材料を用いた金属セパレータの場合、とりわけ、酸化による劣化の問題が生じやすいという問題がある。一方、セラミックセパレータは、耐酸化性に優れるものの、金属セパレータに比べ、電気抵抗が高い。そのため、発電により生じた電流を取り出すときの電圧降下が大きいという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、金属セパレータの酸化による劣化を抑制することができ、電圧降下を小さくすることが可能な燃料電池スタックを提供することにある。
本発明は、固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に設けられた空気極層とを備えた単セルを、金属セパレータを介して複数積層してなる燃料電池スタックであって、上記空気極層は、上記固体電解質層に接して配置される多孔質層と、該多孔質層における上記金属セパレータ側の面に接して配置される緻密質層とを有することを特徴とする燃料電池スタックにある(請求項1)。
本発明の燃料電池スタックは、上記のように、空気極層が、固体電解質層に接して配置される多孔質層と、多孔質層における金属セパレータ側の面に接して配置される緻密質層とを有する。そのため、空気極層の多孔質層に供給される酸化剤ガスが緻密質層によってガスシールされ、金属セパレータに酸化剤ガスが接触するのを抑制することができる。これにより、金属セパレータの酸化による劣化を抑制することができる。それ故、スタックの高信頼性化を図ることができる。
また、上記のように緻密質層によって酸化剤ガスがガスシールされるので、セパレータとして金属セパレータを用いることができるし、耐酸化性をそれほど考慮しなくて済むので、金属セパレータを構成する金属材料の選択自由度が高まり、電気抵抗の低い各種の金属材料から構成される金属セパレータを用いることが可能になる。これにより、セラミックス製のセパレータを用いた場合に比べ、発電により生じた電流を取り出すときの電圧降下を小さくすることができる。それ故、スタックの高性能化を図ることができる。
以上のように本発明によれば、金属セパレータの酸化による劣化を抑制することができ、電圧降下を小さくすることができる。
実施例1における、燃料電池スタックの構成を模式的に示す説明図である。 実施例1における、燃料電池スタックの単セルをガスの流れとともに示す説明図である。 実施例2における、燃料電池スタックの空気極層の変形例を示す説明図である。 実施例3における、燃料電池スタックの空気極層の変形例を示す説明図である。 実施例4における、燃料電池スタックの空気極層の変形例を示す説明図である。
本発明の燃料電池スタックにおいて、上記固体電解質層を構成する固体電解質としては、例えば、イットリア、スカンジア等の酸化物が固溶されたジルコニアやセリア系固溶体などの固体酸化物セラミックス、フッ素系炭化水素等の高分子にスルホン酸基等の電解質基が導入された固体高分子電解質、リン酸塩ガラス等のイオン導電性ガラスなどを例示することができる。上記固体電解質層を構成する固体電解質としては、好ましくは、酸素イオン導電性を示す固体電解質であり、より好ましくは、ジルコニア系の固体酸化物セラミックスである。固体電解質層として固体酸化物層を用いた固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」という。)スタックは、電池作動温度が高く、金属セパレータの酸化による劣化が問題となりやすい。そのため、本発明による効果が大きいからである。但し、本発明は、SOFCスタックに限定されるものではない。
上記燃料電池スタックは、平板型、円筒型のいずれの構造であってもよい。好ましくは、比較的スタック化が容易な平板型であるとよい。また、上記単セルは、燃料極層、固体電解質層、空気極層のいずれの発電主要素を支持体として機能させてもよい。発電主要素以外のものを別途支持体として具備することもできる。また、燃料極層を構成する材料としては、例えば、SOFCスタックの場合、金属ニッケル、酸化ニッケル、これらとイットリア安定化ジルコニア等のジルコニア系の固体酸化物セラミックスとのサーメットなどを例示することができる。
ここで、上記空気極は、多孔質層と緻密質層とを有している。本発明において、多孔質層は、空気極層に流す酸化剤ガスを透過させることができれば、その気孔率は特に限定されるものではない。気孔率分布も一様であってもよいし、厚み方向で異なっていてもよい。酸化剤ガスの拡散性、空気極層の製造性などを考慮して決定することができる。多孔質層は、1層または2層以上から構成することができる。
一方、本発明において、緻密質層にいう「緻密質」とは、空気極層に流す酸化剤ガスのガス透過性が無視できるほど小さいことをいう。緻密質層は、1層または2層以上から構成することができる。好ましくは、1層から構成されているとよい。単セルの厚みが薄くなり、スタックの小型化を図りやすくなるからである。上記多孔質層、緻密質層を構成する材料としては、例えば、SOFCスタックの場合、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、ランタン−鉄系酸化物などの導電性を有するペロブスカイト型酸化物などを例示することができる。
上記空気極層において、多孔質層の厚みおよび緻密質層の厚みは、特に限定されるものではない。酸化剤ガスの拡散性、ガス流路の形成容易性、ガスシール性などを考慮して設定することができる。好ましくは、緻密質層の厚みは、多孔質層の厚みに対し、0.05〜0.5倍の範囲内、より好ましくは、0.1〜0.2倍の範囲内にあるとよい。ガスシール性と酸化剤ガスの拡散性とのバランスがよいからである。多孔質層の厚みは、100〜1000μmが好ましく、より好ましくは、200〜500μmである。一方、緻密質層の厚みは、10〜100μmが好ましく、より好ましくは、20〜50μmである。
上記空気極層は、SOFCスタックの場合、例えば、多孔化剤を含有する層状の多孔質層形成材料と、層状の緻密質層形成材料とを積層し、焼成することにより製造することができる。また、多孔質層形成材料と緻密質層形成材料とを押出成形し、焼成することにより製造することもできる。
上記燃料電池スタックにおいて、上記空気極層は、多孔質層と緻密質層との境界に酸化剤ガスを流すガス流路を有していることが好ましい(請求項2)。
この場合には、多孔質層の面方向に流れる酸化剤ガスを制御しやすくなる。そのため、スタックの性能向上に寄与することができる。上記ガス流路は、上記境界を挟んで多孔質層側に形成されていてもよいし、上記境界を挟んで緻密質層側に形成されていてもよい。上記境界を挟んで多孔質層と緻密質層とにまたがって形成することもできる。好ましくは、上記ガス流路は、上記境界を挟んで多孔質層側に形成されているとよい。ガス流路のみならず、ガス流路が形成されていない多孔質部位をも利用して酸化剤ガスを供給することができ、酸化剤ガスの拡散性に優れるからである。
また、上記ガス流路は、多孔質層に形成された複数の溝部と、緻密質層の表面とによって囲まれる空間より構成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、多孔質層と酸化剤ガスとが接触する面積が大きくなる。そのため、多孔質層中へ酸化剤ガスが拡散しやすくなる。また、ガス拡散に関与しない緻密質層の厚みを薄くし、その分、多孔質層の厚みを増すことができる。そのため、同じ厚みの空気極層を有する場合に比べ、酸化剤ガスの拡散性が向上し有利である。
また、上記緻密質層は、さらに、多孔質層の側面を覆っていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、多孔質層の平面だけでなく、多孔質の側面においても緻密質層によって酸化剤ガスがガスシールされる。そのため、酸化剤ガスと金属セパレータとの接触を抑制しやすく、金属セパレータの酸化による劣化の抑制を図りやすくなる。それ故、スタックの高信頼性化を図りやすくなる。
なお、上記緻密質層は、多孔質層の側面の一部を覆っていてもよいし、ガス流路となる部位を除いて多孔質層の側面の全てを覆っていてもよい。好ましくは、後者である。多孔質層の側面露出が少なくなるほど、多孔質層に供給される酸化剤ガスのガスシール性が向上し、金属セパレータの酸化による劣化を抑制する上で有利だからである。
上記金属セパレータは、金属材料から構成されている。上記の「金属」とは、純金属以外に合金も含む意味である。上記金属セパレータは、Crを含有する金属材料から構成されていてもよいが、Crを含有しない金属材料から構成されていることが好ましい(請求項5)。なお、「Crを含有しない金属材料」には、Crを不可避的不純物として含有する金属材料は含まれる。
ここで、Crを含有する金属セパレータを用いた従来の燃料電池スタックの場合、セパレータ表面に生成した保護被膜のCrが酸化してCrO(g)が蒸発し、これが空気極に凝縮するというCr被毒が生じることがある。Cr被毒は、セル間の電気抵抗を増大させ、電池性能を低下させる。しかしながら、本発明の燃料電池スタックは、緻密質層によって酸化剤ガスがガスシールされるので、金属セパレータに酸化剤ガスが接触し難く、金属セパレータの酸化による劣化を抑制することができる。そのため、Crを含有する金属セパレータを用いた場合でも、Cr被毒の影響を受け難い構造であるといえる。さらに、上記金属セパレータがCrを含有しない金属材料から構成されている場合には、空気極層が緻密質層を有することと相まってCr被毒の影響を回避しやすくなる。そのため、Cr被毒に起因してセル間の電気抵抗が増大するおそれがなくなり、スタックの高性能化に寄与することができる。とりわけ、固体電解質として固体酸化物セラミックスを用いる固体酸化物形燃料電池は、作動温度が比較的高く、強い酸化雰囲気となるため、その効果が大きい。
上記Crを含有する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、Cr基合金などを例示することができる。ステンレス鋼としては、SUS430、SUS434、SUS405等のフェライト系ステンレス鋼、SUS403、SUS410、SUS431等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS201、SUS301、SUS305等のオーステナイト系ステンレス鋼などが挙げられる。一方、上記Crを含有しない金属材料としては、例えば、Ni基合金、Cu基合金、Fe基合金などを例示することができる。これらのうち、好ましくは、耐熱性に優れる観点から、Ni基合金である。Ni基合金としては、Ni−Fe−Co系合金、Ni−Cu系合金、Ni−Mo系合金などが挙げられる。これらNi基合金のうち、強度、熱膨張などの観点から、Ni−Fe−Co系合金が好適である。
また、上記燃料電池スタックにおいて、上記単セルの熱膨張係数は、9.5〜14.5×10−6/Kの範囲内、上記金属セパレータの熱膨張係数は、9.5〜14.5×10−6/Kの範囲内にあることが好ましい。熱歪による部品間の接合部の剥離を防ぎやすくなるからである。より好ましくは、上記単セルの熱膨張係数は、10〜12×10−6/Kの範囲内、上記金属セパレータの熱膨張係数は、10〜12×10−6/Kの範囲内にあるとよい。
本発明の燃料電池は、上述した燃料電池スタックを有している(請求項6)。
そのため、金属セパレータの酸化による劣化に起因する出力低下を抑制しつつ、高電圧化を図ることができる。なお、燃料電池スタックは積層して配置することができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係る燃料電池スタック、燃料電池について、図1、図2を用いて説明する。
本例の燃料電池スタック1は、平板型のスタックであり、図1に示すように、4つの単セル2が、セル間に配置された金属セパレータ3を介して積層されている。単セル2は、固体電解質層21と、固体電解質層21の一方面に設けられた燃料極層22と、固体電解質層21の他方面に設けられた空気極層23とを備えている。固体電解質層21には、イットリア安定化ジルコニア(厚み10μm)を用いた。燃料極層22には、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとのサーメット(厚み500μm)を用いた。
空気極層23は、多孔質層231と緻密質層232とを有している。多孔質層231は、固体電解質層21に接して配置される。一方、緻密質層232は、多孔質層231における金属セパレータ3側の面に接して配置される。多孔質層231と緻密質層232とはともに同じ材料(La0.8Sr0.2MnO)にて形成した。但し、多孔質層231は、酸化剤ガスとしての空気を通気させる程度に多孔質化した(気孔率は約30%〜50%)。一方、緻密質層232は、酸化剤ガスとしての空気を実質的に透過させない程度に緻密質化した。また、多孔質層231の厚みは300μm、緻密質層232の厚みは50μmとした。
空気極層23は、多孔質層231と緻密質層232との境界Bに、酸化剤ガスを流すガス流路233を有している。具体的には、ガス流路233は、複数の流路群から形成されている。複数の流路群は、多孔質層231に形成された複数の溝部233aと、緻密質層232の表面とによって囲まれる空間233bより構成されている。これら流路群の一端部は、多孔質層231の一方の側端面に連通する。また、流路群の他端部は、多孔質層231の一方の側端面と対向する位置にある側端面に連通する。なお、溝部幅は2000μm、溝部深さは200μm、溝部のピッチは2000μmとした。
なお、空気極層23は、La0.8Sr0.2MnO粉末と多孔化剤とバインダーとを含有するペーストを塗工するとともに、バインダーにより流路パターンを形成した後、La0.8Sr0.2MnO粉末とバインダーとを含有するスラリーを塗工し、焼成することにより作製した。この際、上記塗工にはスクリーン印刷法を用いた。
セル間に配置される金属セパレータ3は、平板状のステンレス鋼(SUS430)から構成されている。金属セパレータ3の厚みは1mmとした。金属セパレータ3は、燃料極層22側の面に、燃料ガスとしての水素ガスを流すガス流路31を有している。なお、空気極層23側の面は、平坦面とされている。本例では、酸化剤ガスを流すガス流路233が空気極層23に形成されているからである。
本例の燃料電池スタック1は、図1に示すように、上記の単セル2、セル間の金属セパレータ3以外に、セル外の金属セパレータ11、集電体12、シール部材13、一対の絶縁体14、一対の固定部材15、ガス供給マニフォルド16、ガス排気マニフォルド17などを有している。
セル外の金属セパレータ11は、最上部の単セル2の上方(空気極層23側)に積層配置されている。セル外の金属セパレータ11は、セル間の金属セパレータ3と同じ材料からなる。但し、セル外の金属セパレータ11は、両面ともガス流路が形成されていない。単セル2の燃料極層22に燃料ガスを供給する必要がないからである。
集電体12は、単セル2と金属セパレータ3、単セル2と金属セパレータ11との間に配置されている。単セル2の燃料極層22側と金属セパレータ3との間に配置する集電体12には、Niフェルトを用いた。他にもNiメッシュなどを適用することができる。一方、単セル2の空気極層23側と金属セパレータ3、11との間に配置する集電体12には、フェライト系Cr合金を用いた。他にも、銀系ペーストなどの導電性コンタクト材料を適用することができる。
シール部材13は、単セル2の側端面に設けられている。本例では、単セル2の側端面のうち、ガス流路233以外の部分をガラスシール材にてシールした。
一対の絶縁体14は、アルミナから板状に形成されている。一対の絶縁体14は、金属セパレータ3を介して積層された両端の単セル2の外側に積層されている。また、これら一対の絶縁体14の外側には、一対の固定部材15が積層されている。燃料電池スタック1は、一方の固定部材15から他方の固定部材15にかけて、発電に影響がでないように、積層方向と垂直な方向にスタック1を貫通する貫通孔(不図示)を4つ有している。これら貫通孔には、締結部材としてのボルト(不図示)が挿通されるとともに、ボルトの先端には、相手側の締結部材であるナット(不図示)が取り付けられている。これら締結部材の締結力により、燃料電池スタック1は一対の固定部材15間に挟持されている。
ガス供給マニフォルド16は、単セル2の一方の側端面に設けられている。ガス供給マニフォルド16は、その内部に、燃料ガス(矢印F)としての水素を金属セパレータ3へ供給する燃料ガス供給路161と、酸化剤ガス(矢印A)としての空気を空気極層23へ供給する酸化剤ガス供給路162とを有している。積層配置されたガス供給マニフォルド16間において、燃料ガス供給路161、酸化剤ガス供給路162はそれぞれ連通している。燃料ガス供給路161の上流側端部は、ガス供給システム(不図示)に接続されている。一方、酸化剤ガス供給路162の上流側端部は、空気供給システム(不図示)に接続されている。
ガス排気マニフォルド17は、単セル2の他方の側端面に設けられている。ガス排気マニフォルド17は、その内部に、発電に使用されなかった燃料ガスをスタック1外へ排気する燃料ガス排気路171と、発電に使用されなかった酸化剤ガスをスタック1外へ排気する酸化剤ガス排気路172とを有している。積層配置されたガス排気マニフォルド17間において、燃料ガス排気路171、酸化剤ガス排気路172はそれぞれ連通している。燃料ガス排気路171の下流側端部は、燃料ガス排気システム(不図示)に接続されている。一方、酸化剤ガス排気路172の下流側端部は、酸化剤ガス排気システム(不図示)に接続されている。
上記の燃料電池スタック1は、次のようにして作動させることができる。ガス供給マニフォルド16の燃料ガス供給路161の上流側端部(In)から、水素ガス(燃料ガス)を供給する。水素ガスは、燃料ガス供給路161を流れ、各単セル2の燃料極層22側に配置された金属セパレータ3に達する。金属セパレータ3に達した水素ガスは、金属セパレータ3内のガス流路31を流れ、各単セル2の燃料極層22に供給される。一方、ガス排気マニフォルド17の酸化剤ガス供給路162の上流側端部(In)から、空気(酸化剤ガス)を供給する。空気は、酸化剤ガス供給路162を流れ、各単セル2の空気極層23のうち、多孔質層231側に供給される。
各単セル2に供給された水素ガス、空気は、電池反応に供されて消費される。一方、電池反応に供されなかった水素ガスは、ガス排気マニフォルド17内の燃料ガス排気路171を流れ、燃料ガス排気路171の下流側端部(Out)から排気される。一方、電池反応に供されなかった空気は、ガス排気マニフォルド17内の酸化剤ガス排気路172を流れ、酸化剤ガス排気路172の下流側端部(Out)から排気される。
上記により、燃料電池スタック1は、各単セル2の燃料極層22と空気極層23と間に起電力が生じ、発電装置として機能することができる。発電による電力は、燃料極層22側においては、燃料極層22と金属セパレータ3との間に配設された集電体12を介して燃料電池スタック1の下方に配置されている単セル2の燃料極層22側の端部に取り出される。一方、空気極層23側においては、空気極層23と金属セパレータ3との間に配設された集電体12を介して燃料電池スタック1の上方に配置されている単セル2の空気極層23側の端部に取り出される。燃料電池スタック1全体の電力は、スタック両端部の間で取り出される。なお、本例の燃料電池スタック1は、600〜900℃の温度で好適に作動させることができる。
以上説明した本例によれば、空気極層23の多孔質層231に供給される酸化剤ガスとしての空気が緻密質層232によってガスシールされ、金属セパレータ3に空気が接触するのを抑制することができる。これにより、金属セパレータ3の酸化による劣化を抑制することができる。それ故、スタック1の高信頼性化を図ることができる。
また、緻密質層232によって空気がガスシールされるので、セパレータとして金属セパレータを用いることができるし、耐酸化性をそれほど考慮しなくて済むので、金属セパレータ3を構成する金属材料の選択自由度が高まり、電気抵抗の低い各種の金属材料から構成される金属セパレータ3を用いることが可能になる。これにより、セラミックス製のセパレータを用いた場合に比べ、発電により生じた電流を取り出すときの電圧降下を小さくすることができる。
次に、本例の燃料電池(モジュール)について説明する。本例の燃料電池(不図示)は、上記した本例の燃料電池スタック1を有している。具体的には、本例の燃料電池は、燃料電池スタック1が3つ積層配置されており、各燃料電池スタック1間が直列に接続されている。
本例の燃料電池によれば、金属セパレータ3の酸化による劣化に起因する出力低下を抑制しつつ、高電圧化を図ることができる。なお、本例では、燃料電池スタック1を3つ積層配置したが、これに限定されることはなく、必要とする電圧値を考慮して、複数個積層配置することができる。
(実施例2)
本例は、図3に示すように、実施例1の燃料電池スタック1における単セル2の空気極層23の構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1は、図3に示すように、緻密質層232が、多孔質層231の側面を覆っている。具体的には、緻密質層232は、平面縁部に対向する一対の延設部232aを有している。一対の延設部232aは、積層方向から見て四角形状に形成された多孔質層231の4辺における側面のうち、酸化剤ガスである空気の流路と交差しない2つの対向する側面を被覆する。本例において、多孔質層231は、延設部232aの約厚み分だけ固体電解質層21より小さく形成されている。つまり、延設部232aは、固体電解質層21よりも内側に配置されている。その他は、実施例1と同様である。
このように構成した場合には、多孔質層231の平面だけでなく、多孔質層231の側面においても緻密質層232によって空気がガスシールされる。そのため、酸化剤ガスである空気と金属セパレータ3との接触を抑制しやすくなり、金属セパレータ3の酸化による劣化の抑制を図りやすくなる。さらに、延設部232aが固体電解質層21よりも内側に配置されているので、延設部232aと燃料極層22とを離隔しやすくなり、リークのおそれを回避しやすくなる。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図4に示すように、実施例1の燃料電池スタック1における単セル2の空気極層23の構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1において、空気極層23は、図4に示すように、多孔質層231と緻密質層232との境界Bに酸化剤ガスとしての空気を流すガス流路234を有している。但し、ガス流路234は、境界Bを挟んで緻密質層232側に形成されている。その他は、実施例1と同様である。
このような構成とした場合でも、緻密質層232によって酸化剤ガスとしての空気をガスシールすることができる。そのため、空気と金属セパレータ3との接触が抑制され、金属セパレータ3の酸化による劣化の抑制を図ることができる。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図5に示すように、実施例1の燃料電池スタック1における単セル2の空気極層23の構造を変更した例である。
本例の燃料電池スタック1において、空気極層23は、図5に示すように、多孔質層231と緻密質層232との境界Bに酸化剤ガスとしての空気を流すガス流路235を有している。但し、ガス流路235は、境界Bを挟んで多孔質層231と緻密質層232とにまたがって形成されている。その他は、実施例1と同様である。
このような構成とした場合でも、緻密質層232によって酸化剤ガスとしての空気をガスシールすることができる。そのため、空気と金属セパレータ3との接触が抑制され、金属セパレータ3の酸化による劣化の抑制を図ることができる。その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
1 燃料電池スタック
2 単セル
21 固体電解質層
22 燃料極層
23 空気極層
231 多孔質層
232 緻密質層
232a 延設部
B 境界
233 ガス流路
233a 溝部
233b 空間
234 ガス流路
235 ガス流路
3 (セル間)金属セパレータ
31 ガス流路
11 (セル外)金属セパレータ
12 集電体
13 シール部材
14 絶縁体
15 固定部材
16 ガス供給マニフォルド
161 燃料ガス供給路
162 酸化剤ガス供給路
17 ガス排気マニフォルド
171 燃料ガス排気路
172 酸化剤ガス排気路

Claims (6)

  1. 固体電解質層と、該固体電解質層の一方面に設けられた燃料極層と、上記固体電解質層の他方面に設けられた空気極層とを備えた単セルを、金属セパレータを介して複数積層してなる燃料電池スタックであって、
    上記空気極層は、上記固体電解質層に接して配置される多孔質層と、該多孔質層における上記金属セパレータ側の面に接して配置される緻密質層とを有することを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1に記載の燃料電池スタックにおいて、上記空気極層は、上記多孔質層と上記緻密質層との境界に、酸化剤ガスを流すガス流路を有することを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項2に記載の燃料電池スタックにおいて、上記ガス流路は、上記多孔質層に形成された複数の溝部と、上記緻密質層の表面とによって囲まれる空間より構成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、上記緻密質層は、さらに、上記多孔質層の側面を覆っていることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、上記金属セパレータは、Crを含有しない金属材料から構成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池スタックを有することを特徴とする燃料電池。
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