JP2012160273A - 非水電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】捲回型の高容量非水電解質二次電池では、電池を高温環境下で急速充放電した場合、電極群の外周側の極板に断裂が発生し、その断裂による抵抗の増加で容量が低下することがある。
【解決手段】非水電解質二次電池の電極群において、正極および負極のいずれか一方の極板の外周側の極板終端部を、さらにその外周に位置する他方の極板が覆うように構成し、かつ極板終端部に隣接した位置に補助部材を配置する。これにより、極板終端部に起因する段差変化を緩やかにし、その外周に位置する他方の極板の極板断裂をなくし、容量の低下を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】非水電解質二次電池の電極群において、正極および負極のいずれか一方の極板の外周側の極板終端部を、さらにその外周に位置する他方の極板が覆うように構成し、かつ極板終端部に隣接した位置に補助部材を配置する。これにより、極板終端部に起因する段差変化を緩やかにし、その外周に位置する他方の極板の極板断裂をなくし、容量の低下を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池に関し、特に、その捲回型電極群の改良に関する。
近年、電子機器のポータブル化およびコードレス化が急速に進んでおり、このような機器の駆動用電源として、小型かつ軽量で、高エネルギー密度を有する二次電池への要望が高まっている。また、小型民生用途のみならず、電力貯蔵装置や電気自動車用途などの大型の二次電池においても、高出力特性、長期にわたる耐久性、および安全性などの特性が要求されている。二次電池のなかでも、高電圧であり、かつ高エネルギー密度を有する非水電解質二次電池の開発が盛んに行われている。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、例えば、シート状の集電体上に合剤層を形成した正極と負極との間に、セパレータを配して捲回した電極群を、非水電解質とともに電池ケース内に挿入して構成される。このような捲回型のリチウムイオン二次電池においては、さらなる高エネルギー密度化を目的として、合剤層の圧縮による高密度化や、集電体である金属箔の薄膜化等の開発が行われている。そのような中、極板の圧縮時または捲回時に加えられるテンションに起因する極板断裂等の問題が生じていた。
上記問題を解決するために、例えば特許文献1では、合剤終端部から集電体露出部にかけて絶縁テープを貼着することで、集電体へのストレスを低減し、捲回時の集電体の切れを抑制することが提案されている。
また、特許文献2では、合剤終端部において合剤厚みを傾斜して減少させ、その部分に絶縁テープを貼着し、かつ極板厚みよりも薄くする構成とすることで、合剤の脱落およびセパレータへのダメージを解消する提案がなされている。
このような課題に対して、上記の特許文献1のように、合剤終端部から集電体露出部にかけて絶縁テープを貼着しても、特に、電池を高温環境下で急速充放電を行った場合においては、電極群の外周側の極板に断裂が発生し、その断裂による抵抗の増加で容量が低下するという課題が生じることが分かった。また、断裂が進行した際には、極板は完全に切断され、導通がなくなり容量が出なくなるという問題も生じた。
一般的に、リチウムイオン電池においては、充放電により、リチウムイオンが正極、負極間を移動し、リチウムイオンを受け入れた極板の膨張、リチウムイオンを放出した極板の収縮が起こり、電池作製時に極板へ加わっていたテンションの大きさや方向性は、充放電サイクルにより変化することが知られている。
発明者らの検討の結果、電極群を高密度に充填した場合、外周側の極板の断裂の発生箇所が、その内側に対向している極板の終端部上に位置していることから、上記課題は、こ
の極板の終端部の段差に起因しているとの考えに至った。すなわち、上記終端部の段差が、対向する外周側の極板にテンションを加え、さらに、上述した充放電サイクルによる連続したテンションの変化も加わることで、集電体の金属疲労による極板の断裂が生じると推測された。したがって、特に、高温環境下で急速充放電を行った場合には、上記充放電サイクルによるテンションの変化が一層大きくなり、絶縁テープを貼着した合剤終端部では、他の部分よりも厚みが厚くなるため、捲回時に加えられるテンションが大きくなり、上記課題が顕著に現れることによって、極板断裂を抑制する効果が得られなくなると考えられた。
の極板の終端部の段差に起因しているとの考えに至った。すなわち、上記終端部の段差が、対向する外周側の極板にテンションを加え、さらに、上述した充放電サイクルによる連続したテンションの変化も加わることで、集電体の金属疲労による極板の断裂が生じると推測された。したがって、特に、高温環境下で急速充放電を行った場合には、上記充放電サイクルによるテンションの変化が一層大きくなり、絶縁テープを貼着した合剤終端部では、他の部分よりも厚みが厚くなるため、捲回時に加えられるテンションが大きくなり、上記課題が顕著に現れることによって、極板断裂を抑制する効果が得られなくなると考えられた。
また、特許文献2においては、極板端部において合剤厚みを傾斜して減少させているため、合剤層厚みが小さい部分で、合剤が集電体から脱落しやすくなるため生産性が悪く、また脱落物が極板間に混入した際には内部短絡による製造不良が発生するという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高温環境下の急速充放電による使用の場合においても、極板の断裂を抑制し、優れたサイクル特性を有す非水電解質二次電池を、高い生産性で提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、を捲回した電極群、および、非水電解質を備え、前記正極は、シート状の正極集電体と、前記正極集電体の表面に配された正極合剤層とを含み、前記負極は、シート状の負極集電体と、前記負極集電体の表面に配された負極合剤層とを含み、前記電極群は、前記正極および前記負極のいずれか一方の極板の外周側の極板終端部を、さらにその外周に位置する他方の極板が覆うように構成され、前記極板終端部に隣接した位置に補助部材が配置されていることを特徴としている。
このような構造とすることで、外周側に位置する極板に対して、その内側の極板終端部の段差や充放電サイクルによる連続した大きなテンションの変化が生じても、上記の補助部材により極板の強度が確保され、極板の断裂を抑制することができる。
また、本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、正極と、負極との間にセパレータを配し、渦捲状に捲回して電極群を作製する工程を含み、前記電極群を作製する工程は、前記正極および前記負極のいずれか一方の極板を切断するステップと、その切断による極板終端部に隣接して補助部材を配置するステップと、前記極板終端部を覆って他方の極板を配置した後、前記他方の極板を切断するステップと、を含むことを特徴としている。
このような構造とすることで、極板終端部において複雑な加工をすることなく、連続的に補助部材を配置できるため、生産性を向上することができる。
本発明によれば、高温環境下の急速充放電による使用の場合においても、外周側の極板の断裂を抑制し、高サイクル特性を有する優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極、及び正極と負極との間を隔絶するセパレータを、渦捲状に捲回した電極群、並びに非水電解質を備えている。上記電極群は、最外周に位置する極板の長さよりも、その内側に位置する他方の極板の長さが短く構成されている。本発明は、この構成において、内側にある極板終端部と隣接した位置に補強部材を配した上で、その外周に他方の極板を捲回することを、特徴としている。
図1は本発明の一実施形態である円筒型リチウムイオン二次電池の構成を示した一部切り欠き斜視図である。図1のリチウムイオン二次電池は、シート状の正極5と、シート状の負極6とがセパレータ7を介して捲回された電極群14を備えており、電極群14は、非水電解質(図示せず)とともに有底円筒型の金属製の電池ケース1に収容されている。正極5は、金属箔からなる正極集電体とその表面に形成した正極合剤層とを備えており、負極6は、金属箔からなる負極集電体とその表面に形成した負極合剤層とを備えている。最外周極板である負極6は、正極5の極板終端部の外周にも捲回されている。ここで、正極5の極板終端部に隣接した位置には補助部材55が配置されている。
電極群14において、正極5には正極リード端子5aが電気的に接続され、負極6には負極リード端子6aが電気的に接続されている。電極群14は、正極リード端子5aを導出した状態で、下部絶縁板9とともに電池ケース1に収納され、正極リード端子5aの端部には封口板2が溶接される。封口板2は、正極外部端子12と、PTC素子及び防爆弁(図示せず)の安全機構とを備えている。
下部絶縁板9は、電極群14の底面と、電極群14から下方へ導出された負極リード端子6aとの間に挟装され、負極リード端子6aは電池ケース1の内底面に溶接される。電極群14の上面に上部絶縁リング8を載置し、上部絶縁リング8の上方の電池ケース1の上部側面に、周状の段部を形成する。これにより、電極群14を電池ケース1内に保持する。次いで、所定量の非水電解質を電池ケース1内に注入し、正極リード端子5aを折り曲げて電池ケース1内に収容する。前記段部の上には、周縁部にガスケット13を備えた封口板2が載置される。そして、電池ケース1の開口端部を内方に、かしめ封口して円筒型リチウムイオン二次電池を作製する。
電極群14は、正極5と、セパレータ7と、負極6と、別のセパレータ7とを、この順序で重ねて、捲芯(図示せず)を用いて渦捲状に捲回し、次いで捲芯を抜き取ることにより作製される。電極群14の構成要素(正極5、負極6及びセパレータ7)は、2枚のセパレータ7の端部が、正極5及び負極6の長手方向の端部よりも突出した状態で重ねられる。この突出したセパレータ7の端部を一対の捲芯で挟持した状態で、電極群14の構成要素を捲回する。捲き始めから数周目(例えば、捲回の1〜3周目)は、2枚のセパレータ7のみが捲回された状態であってもよい。セパレータ7のみが捲回されている部分を、セパレータ部分16として図1中に示す。
このような捲回構造は、特に、正極活物質又は負極活物質の充填量が多い正極又は負極とともに、高いテンションで捲回して電極群を作製する場合に有用である。例えば、18650型の高容量の円筒型電池は、公称容量が2000mA以上であり、上記捲回構造により製造されている。
活物質の充填量を多くした正極又は負極とともにセパレータを捲回する場合には、電極群の外径が大きくなりやすい。この場合、一定容積の有底ケース内に電極群を収容するためには、捲芯で挟持したセパレータを、高いテンションで、正極及び負極とともに捲回する必要がある。そして、高いテンションで捲回を行うと、正負極とセパレータとの密着が強くなる。
このような高いテンションで捲回された円筒型リチウムイオン二次電池では、高温環境下で急速充放電を行った場合、内側の極板の極板終端部を覆う他方の極板において、上記極板終端部と対向する位置で極板断裂が生じ得る。
図2(a)は、最外周極板となる負極6の内側に位置する正極5において、極板終端部51を模式的に示した図であり、(b)はそのX−X′断面を示す断面図である。正極5の極板終端部51には、隣接して補助部材55が配置されている。このように、極板終端部51に隣接して補助部材55を配置することにより、正極5の極板終端部51の段差に起因する膨張収縮時の力の変化を緩和し、その外周側に対向する負極6の極板断裂を抑制することが可能となる。
ここで、補助部材55の厚みは、上記効果を有効に発揮できるように、隣接する極板終端部51の厚み以下としてテンションを緩和することが望ましい。
また、この補助部材55の断面形状は、隣接する極板終端部51の厚みから徐々に薄くなる形状とし、段差を緩やかに無くしていくことで、上記した効果がより有効に発揮できる。
また、この補助部材55を、樹脂材料とすることにより柔軟性が向上し、電極群の周面に沿うように配置することができるため、膨張収縮に対する圧力変化を緩和することができる。
さらに、この補助部材55の、少なくとも一部に粘着剤を配する構造をすることで、適切な位置に貼着固定することが可能となり好ましい。
粘着剤を配置する位置は、補助部材が極板終端部51に隣接する面と、補助部材がセパレータに隣接する面とがある。極板終端部51に接する面に粘着剤を配置した場合、セパレータと補助部材は固定されないため、捲回時、電極群の周面に追随することができ、不要な隙間が発生しない特長がある。また、セパレータに接する面に粘着剤を配置した場合、補助部材の捲回方向の長さを調整することで、セパレータと補助部材55との接着強度を確保し、安定した生産が可能となる。
また、補助部材55として用いる樹脂材料は、安全性の観点から、120℃以上においても変性しないものが好ましい。例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、テフロン(登録商標)等を用いることができる。
本発明の製造方法は、正極および負極を、セパレータを介して捲回して電極群を作製する工程において、捲回最終部において、内側に位置する極板を切断した後、その極板終端部51に隣接して補助部材55を配置して捲回し、その極板終端部51を覆うように、さらに外側の極板を配置した後、その極板を切断することが生産性の観点から好ましい。また、正極および負極を、電極群の構成に必要な長さになるよう切断してから捲回し、その捲回の際に、内側の極板終端部51に隣接して補助部材を配置してもよい。さらに、補助部材をあらかじめ極板終端部51に接着した極板を用いて構成してもよい。
なお、図1では、円筒型の電極群について説明したが、捲回された電極群は、捲回軸に垂直な端面が長円形である角型電池に用いる扁平形状の電極群であってもよい。
以下、本発明の各構成要素について、さらに詳細に説明する。
(正極)
正極は、シート状の正極集電体と、正極集電体の表面に付着した正極合剤層とを含む。正極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の正極集電体、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などで形成された金属箔などが使用できる。正極集電体の材料は、加工性、実用強度、正極合剤層との密着性、電子伝導性、耐食性などを考慮して適宜選択できる。正極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
正極は、シート状の正極集電体と、正極集電体の表面に付着した正極合剤層とを含む。正極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の正極集電体、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などで形成された金属箔などが使用できる。正極集電体の材料は、加工性、実用強度、正極合剤層との密着性、電子伝導性、耐食性などを考慮して適宜選択できる。正極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
正極合剤層は、正極活物質の他、導電剤、結着剤、増粘剤などを含有してもよい。正極活物質としては、例えばリチウムイオンをゲストとして受け入れるリチウム含有遷移金属化合物が使用できる。例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも一種の金属とリチウムとの複合金属酸化物、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCoxNi(1−x)O2(0<x<1)、LiCoyM1−yO2(0.6≦y<1)、LiNizM1−zO2(0.6≦z<1)、LiCrO2、αLiFeO2、LiVO2などが例示できる。上記組成式において、Mは、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBの群から選ばれる少なくとも1つの元素(特に、Mg及び/又はAl)を示す。正極活物質は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
結着剤は、分散媒に混練により溶解又は分散できるものであれば特に限定されない。結着剤としては、例えば、フッ素樹脂、ゴム類、アクリルポリマー又はビニルポリマー(アクリル酸メチル、アクリロニトリルなどのアクリルモノマー、酢酸ビニルなどのビニルモノマーなどのモノマーの単独又は共重合体など)などが例示できる。フッ素樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどが例示できる。ゴム類としては、アクリルゴム、変性アクリロニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)などが例示できる。結着剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。結着剤は、分散媒に分散したディスパージョンの形態で使用してもよい。
導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛などの各種グラファイト;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維などが使用できる。
必要に応じて増粘剤を用いてもよい。増粘剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなど)などが例示できる。
分散媒としては、結着剤が溶解又は分散可能であれば特に制限されず、結着剤の分散媒に対する親和性に応じて、有機溶媒及び水(温水を含む)のいずれも使用できる。有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン;テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラメチル尿素などが例示できる。分散媒は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
正極合剤層は、正極活物質、必要により、結着剤、導電剤及び/又は増粘剤を、分散媒とともに混練して分散させたスラリー状の合剤を調製し、この合剤を正極集電体に付着させることにより形成できる。具体的には、正極集電体の表面に、合剤を公知のコーティング方法により塗布し、乾燥し、必要により圧延することにより正極合剤層を形成できる。
正極集電体の一部には、正極合剤層が形成されずに集電体の表面が露出した部位が形成されており、この露出部に正極リードが溶接される。正極は、柔軟性に優れる方が好ましい。
正極集電体の一部には、正極合剤層が形成されずに集電体の表面が露出した部位が形成されており、この露出部に正極リードが溶接される。正極は、柔軟性に優れる方が好ましい。
合剤の塗布は、公知のコーター、例えば、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーターなどを用いて行うことができる。塗布後の乾燥は、自然乾燥に近い条件で行うことが好ましいが、生産性を考慮して、70℃〜200℃の温度範囲で10分間〜5時間乾燥させてもよい。合剤層の圧延は、例えば、ロールプレス機を用い、線圧1000〜2000kgf/cm(19.6kN/cm)の条件で、所定の厚みになるまで数回圧延を繰り返すことにより行うことができる。必要により、線圧を変えて圧延してもよい。
スラリー状の合剤の混練の際に、必要に応じて、各種分散剤、界面活性剤、安定剤などを添加してもよい。
正極合剤層は、正極集電体の片面又は両面に形成することができる。正極合剤層における活物質密度は、活物質としてリチウム含有遷移金属化合物を用いる場合、3〜4g/ml、好ましくは3.4〜3.9g/ml、3.5〜3.7g/mlである。
正極の厚みは、例えば、70〜250μm、好ましくは100〜210μmである。
(負極)
負極は、シート状の負極集電体と、負極集電体の表面に付着した負極合剤層とを含む。負極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の負極集電体、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金などで形成された金属箔などが使用できる。負極集電体は、加工性、実用強度、正極合剤層との密着性、電子伝導性などを考慮して、銅箔、銅合金からなる金属箔などが好ましい。集電体の形態は特に制限されず、例えば、圧延箔、電解箔などであってもよく、孔開き箔、エキスパンド材、ラス材などであってもよい。負極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは2〜50μmである。
負極は、シート状の負極集電体と、負極集電体の表面に付着した負極合剤層とを含む。負極集電体としては、非水電解質二次電池用途で公知の負極集電体、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金などで形成された金属箔などが使用できる。負極集電体は、加工性、実用強度、正極合剤層との密着性、電子伝導性などを考慮して、銅箔、銅合金からなる金属箔などが好ましい。集電体の形態は特に制限されず、例えば、圧延箔、電解箔などであってもよく、孔開き箔、エキスパンド材、ラス材などであってもよい。負極集電体の厚みは、例えば、1〜100μm、好ましくは2〜50μmである。
負極合剤層は、負極活物質の他、導電剤、結着剤、増粘剤などを含有してもよい。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出し得る黒鉛型結晶構造を有する材料、例えば、天然黒鉛や球状又は繊維状の人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)などの炭素材料が例示できる。特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.3350〜0.3400nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料が好ましい。さらに、ケイ素;シリサイドなどのケイ素含有化合物;スズ、アルミニウム、亜鉛、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも一種を含むリチウム合金および各種合金組成材料を用いることもできる。
ケイ素含有化合物としては、例えば、ケイ素酸化物SiOα(0.05<α<1.95)などが挙げられる。αは、好ましくは0.1〜1.8、さらに好ましくは0.15〜1.6である。ケイ素酸化物においては、ケイ素の一部が1または2以上の元素で置換されていてもよい。このような元素としては、例えば、B、Mg、Ni、Co、Ca、Fe、Mn、Zn、C、N、Snなどが挙げられる。
結着剤、導電剤、増粘剤及び分散媒としては、それぞれ、正極について例示したものなどが使用できる。
負極合剤層は、結着剤などを併用した前記コーティングに限らず、公知の方法により形
成することができる。例えば、負極活物質を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの気相法により集電体表面に堆積させることにより形成してもよい。また、正極合剤層と同様の方法により、負極活物質と、結着剤と必要により導電剤とを含むスラリー状の合剤を用いて、形成してもよい。
成することができる。例えば、負極活物質を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの気相法により集電体表面に堆積させることにより形成してもよい。また、正極合剤層と同様の方法により、負極活物質と、結着剤と必要により導電剤とを含むスラリー状の合剤を用いて、形成してもよい。
負極合剤層は、負極集電体の片面に形成してもよく、両面に形成してもよい。活物質として炭素材料を含む合剤を用いて形成される負極合剤層において、活物質密度は、1.3〜2g/ml、好ましくは1.4〜1.9g/ml、さらに好ましくは1.5〜1.8g/mlである。
負極の厚みは、例えば、100〜250μm、好ましくは110〜210μmである。柔軟性を有する負極が好ましい。
(セパレータ)
セパレータの厚みは、例えば、5〜35μmの範囲から選択でき、好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは12〜20μmである。
セパレータの厚みは、例えば、5〜35μmの範囲から選択でき、好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは12〜20μmである。
セパレータ材料は、ポリオレフィン系材料、またはポリオレフィン系材料と耐熱性材料の組み合わせが好ましい。
ポリオレフィン多孔膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体の多孔膜などが例示できる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。必要により、他の熱可塑性ポリマーを、ポリオレフィンと併用してもよい。また、ポリオレフィン多孔膜は、それぞれ、単一の層(1層の多孔質ポリオレフィン層からなる多孔膜)であってもよく、複数の多孔質ポリオレフィン層を含んでもよい。
耐熱性多孔膜としては、耐熱性樹脂、無機フィラーのそれぞれ単体膜、または、耐熱性樹脂と無機フィラーの混合体を用いることが出来る。
耐熱性樹脂としては、ポリアリレート、アラミドなどの芳香族ポリアミド(全芳香族ポリアミドなど);ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドなどのポリイミド樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル;ポリフェニレンサルファイド;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルエーテルケトン;ポリベンゾイミダゾールなどが挙げられる。耐熱性樹脂は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。非水電解質保持力および耐熱性の観点から、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドなどが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、酸化鉄などの金属酸化物;シリカ、アルミナ、チタニア、ゼオライトなどのセラミックス類;タルク、マイカなどの鉱物系フィラー;活性炭、炭素繊維などの炭素系フィラー;炭化ケイ素などの炭化物;窒化ケイ素などの窒化物;ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレークなどが例示できる。
さらに、両者の機能を組み合わせて、耐熱性多孔膜に、無機フィラーを含んでいてもよい。
耐熱性多孔膜の厚みは、好ましくは1〜16μmであり、さらに好ましくは2〜10μmである。
ポリオレフィン多孔膜(又は多孔質ポリオレフィン層)における空隙率は、例えば、20〜80%、好ましくは30〜70%である。また、耐熱性多孔膜の空隙率は、リチウム
イオンの移動性を十分に確保する観点から、例えば、20〜70%、好ましくは25〜65%である。
イオンの移動性を十分に確保する観点から、例えば、20〜70%、好ましくは25〜65%である。
(非水電解質)
非水電解質は、非水溶媒にリチウム塩を溶解することにより調製される。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどのラクトン;1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化アルカン;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパンなどのアルコキシアルカン;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;スルホラン、3−メチル−スルホラン;ジメチルホルムアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどのリン酸アルキルエステルなどが例示できる。非水溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
非水電解質は、非水溶媒にリチウム塩を溶解することにより調製される。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどのラクトン;1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化アルカン;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパンなどのアルコキシアルカン;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;スルホラン、3−メチル−スルホラン;ジメチルホルムアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどのリン酸アルキルエステルなどが例示できる。非水溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
リチウム塩としては、電子吸引性の強いリチウム塩、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3などが挙げられる。リチウム塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。非水電解質中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5〜1.5M、好ましくは0.7〜1.2Mである。
非水電解質には、適宜添加剤を含有させてもよい。例えば、正負極上に良好な皮膜を形成させたりするために、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびこれらの変性体などを用いてもよい。リチウムイオン二次電池が過充電状態になったときに作用する添加剤として、例えば、ターフェニル、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテルなどを使用してもよい。添加剤は、一種で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの添加剤の割合は、特に制限されないが、例えば、非水溶電解質に対して0.05〜10重量%程度である。
電池ケースは、上端が開口している円筒型や角型ケースがあり、その材質は、耐圧強度の観点から、マンガン、銅等の金属を微量含有するアルミニウム合金、安価なニッケルメッキを施した鋼鈑などが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、好ましくは18650型円筒型電池などとして使用できる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、ここで述べる内容は本発明の例示に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)正極5の作製
適量のN−メチル−2−ピロリドンに、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電剤としてアセチレンブラックを2重量部、及び結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂を3重量部加えて混練し、これらの成分が分散したスラリー状の合剤を調製した。このスラリーを、シート状のアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に対して間欠的に、連続して塗布し、乾燥した。次いで、線圧1000kgf/cm(9.8kN/cm)で、2〜3回圧延を行い、厚みを180μmに調整した。幅57mm、長さ620mmのサイズに裁断することにより、表面に正極合剤層を有する正極5を作製した。正極合
剤層の活物質密度は、3.6g/mlであった。
(1)正極5の作製
適量のN−メチル−2−ピロリドンに、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電剤としてアセチレンブラックを2重量部、及び結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂を3重量部加えて混練し、これらの成分が分散したスラリー状の合剤を調製した。このスラリーを、シート状のアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に対して間欠的に、連続して塗布し、乾燥した。次いで、線圧1000kgf/cm(9.8kN/cm)で、2〜3回圧延を行い、厚みを180μmに調整した。幅57mm、長さ620mmのサイズに裁断することにより、表面に正極合剤層を有する正極5を作製した。正極合
剤層の活物質密度は、3.6g/mlであった。
合剤が塗布されていないアルミニウム箔の露出部には、アルミニウム製の正極リード端子5aを超音波溶接した。この超音波溶接した部分において、正極リード端子5aを覆うようにポリプロピレン樹脂製の絶縁テープを貼り付けた。
(2)負極6の作製
適量の水に、負極活物質としてリチウムを吸蔵及び放出可能な鱗片状黒鉛を100重量部、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)の水性ディスパージョンを固形分として1重量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウムを1重量部加えて混練し、これらの成分を分散させてスラリー状の合剤を調製した。このスラリーを、シート状の銅箔(厚さ10μm)の両面に対して間欠的に、連続して塗布し、110℃で30分間乾燥した。次いで、線圧110kgf/cm(1.08kN/cm)で、2〜3回圧延を行い、厚みを174μmに調整した。幅59mm、長さ645mmのサイズに裁断することにより、表面に負極合剤層を有する負極6を作製した。負極合剤層の活物質密度は、1.6g/mlであった。
適量の水に、負極活物質としてリチウムを吸蔵及び放出可能な鱗片状黒鉛を100重量部、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)の水性ディスパージョンを固形分として1重量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウムを1重量部加えて混練し、これらの成分を分散させてスラリー状の合剤を調製した。このスラリーを、シート状の銅箔(厚さ10μm)の両面に対して間欠的に、連続して塗布し、110℃で30分間乾燥した。次いで、線圧110kgf/cm(1.08kN/cm)で、2〜3回圧延を行い、厚みを174μmに調整した。幅59mm、長さ645mmのサイズに裁断することにより、表面に負極合剤層を有する負極6を作製した。負極合剤層の活物質密度は、1.6g/mlであった。
合剤が塗布されていない銅箔の露出部には、ニッケル製の負極リード端子6aを抵抗溶接した。この抵抗溶接した部分において、負極リード端子6aを覆うようにポリプロピレン樹脂製の絶縁テープを貼り付けた。
(3)セパレータ7の作製
ポリエチレンとアラミドによる耐熱性複合膜を作製した。具体的には、ポリエチレン多孔膜(厚み16.5μm)の一方の表面に、セパレータの厚みが20μmとなるような割合で、塩化カルシウムを含むアラミドのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を塗布し、その後、乾燥させた。さらに、得られた積層体を水洗に供して塩化カルシウムを除去することにより、アラミドを含む中間層に微孔を形成し、乾燥することにより、耐熱性複合膜のセパレータ7を作製した。得られたセパレータを、幅60.9mmのサイズにカットし、電極群の作製に供した。
ポリエチレンとアラミドによる耐熱性複合膜を作製した。具体的には、ポリエチレン多孔膜(厚み16.5μm)の一方の表面に、セパレータの厚みが20μmとなるような割合で、塩化カルシウムを含むアラミドのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を塗布し、その後、乾燥させた。さらに、得られた積層体を水洗に供して塩化カルシウムを除去することにより、アラミドを含む中間層に微孔を形成し、乾燥することにより、耐熱性複合膜のセパレータ7を作製した。得られたセパレータを、幅60.9mmのサイズにカットし、電極群の作製に供した。
なお、アラミドのNMP溶液は、次のようにして調製した。まず、反応槽内で、適量のNMPに対し、所定量の乾燥した無水塩化カルシウムを添加し、加温して完全に溶解した。この塩化カルシウム添加NMP溶液を常温に戻した後、パラフェニレンジアミン(PPD)を所定量添加し、完全に溶解した。次に、テレフタル酸ジクロライド(TPC)を、少しずつ滴下し、重合反応によりポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)を合成した。反応終了後、減圧下で30分間撹拌して脱気した。得られた重合液を、さらに、塩化カルシウム添加NMP溶液にて、適宜希釈することにより、アラミド樹脂のNMP溶解液を調製した。
(4)補助部材55の準備
補助部材55は、ポリプロピレン材質のものを準備した。図2に示すように補助部材は、正極5の厚みと同等の厚みから徐々に薄くなる断面形状となるよう押し出し成型で作成し、正極5の幅に合わせて切断し作製した。その補助部材の下面部にアクリル系粘着剤を塗布した。
補助部材55は、ポリプロピレン材質のものを準備した。図2に示すように補助部材は、正極5の厚みと同等の厚みから徐々に薄くなる断面形状となるよう押し出し成型で作成し、正極5の幅に合わせて切断し作製した。その補助部材の下面部にアクリル系粘着剤を塗布した。
(5)電極群14の作製
正極5と負極6とを、これらの間に、セパレータ7(長尺フープ)を介在させて、渦捲状に捲回して電極群14を構成した。具体的には、正極5と、セパレータ7と、負極6と、別のセパレータ7とを、この順序で、2枚のセパレータの長手方向における端部を、正極5及び負極6よりも突出させた状態で、重ね合わせた。突出した2枚のセパレータの端
部を一対の捲芯で挟持し、捲芯を捲回軸として捲回することにより渦捲状の電極群14を形成した。この時、正極5の外周側の極板終端部51を捲き付けた後に隣接して補助部材55を補助部材の下面部に塗布された粘着剤56をセパレータ7と貼着させて固定して配置した。捲回後、セパレータを裁断し、捲芯による挟持を緩め、電極群から捲芯を抜き取った。なお、電極群において、セパレータの長さは、700〜720mmであった。
正極5と負極6とを、これらの間に、セパレータ7(長尺フープ)を介在させて、渦捲状に捲回して電極群14を構成した。具体的には、正極5と、セパレータ7と、負極6と、別のセパレータ7とを、この順序で、2枚のセパレータの長手方向における端部を、正極5及び負極6よりも突出させた状態で、重ね合わせた。突出した2枚のセパレータの端
部を一対の捲芯で挟持し、捲芯を捲回軸として捲回することにより渦捲状の電極群14を形成した。この時、正極5の外周側の極板終端部51を捲き付けた後に隣接して補助部材55を補助部材の下面部に塗布された粘着剤56をセパレータ7と貼着させて固定して配置した。捲回後、セパレータを裁断し、捲芯による挟持を緩め、電極群から捲芯を抜き取った。なお、電極群において、セパレータの長さは、700〜720mmであった。
(5)非水電解質二次電池の作製
ニッケルメッキした鋼鈑(肉厚0.20mm)を、プレス成型により作製した金属製の電池ケース(直径17.8mm、総高64.8mm)1内に、電極群14及び下部絶縁板9を収納した。このとき、下部絶縁板9は、電極群14の底面と電極群14から下方に導出された負極リード端子6aとの間に挟持させた状態で配設した。負極リード端子6aは、電池ケース1の内底面と抵抗溶接した。
ニッケルメッキした鋼鈑(肉厚0.20mm)を、プレス成型により作製した金属製の電池ケース(直径17.8mm、総高64.8mm)1内に、電極群14及び下部絶縁板9を収納した。このとき、下部絶縁板9は、電極群14の底面と電極群14から下方に導出された負極リード端子6aとの間に挟持させた状態で配設した。負極リード端子6aは、電池ケース1の内底面と抵抗溶接した。
電池ケース1に収容された電極群14の上面に上部絶縁リング8を載置し、上部絶縁リング8の上方かつ電池ケース1の上部側面に、周状に段部を形成することにより、電極群14を電池ケース1内に保持した。
電池ケース1の上方に導出した正極リード端子5aに、封口板2をレーザー溶接し、次いで、非水電解質を注液した。なお、非水電解質は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒(容積比2:1)に、LiPF6を1.0Mの濃度となるように溶解し、シクロヘキシルベンゼンを0.5重量%添加することにより調製した。
次いで、正極リード端子5aを屈曲させて電池ケース1内に収容し、前記段部の上には、周縁部にガスケット13を備えた封口板2を載置した。そして、電池ケース1の開口端部を、内方にかしめて封口することにより、円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。この電池は、直径18.1mm、高さ65.0mmの18650型で、公称容量2800mAhである。この電池は、300個作製した。
(比較例1)
正極5の極板終端部51に隣接させた補助部材55を配置させることなく、それ以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を300個作製した。
正極5の極板終端部51に隣接させた補助部材55を配置させることなく、それ以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を300個作製した。
実施例及び比較例の非水電解質二次電池について、充放電特性を評価した。
充放電試験は、45℃の恒温槽中で、充電レート0.8C相当、放電レート1C相当として、放電容量をサイクルごとに測定し、500サイクルまで測定を行い。500サイクル経過した電池の初期容量に対する平均容量維持率を算出した。評価結果を表1に示す。
実施例1は、サイクル途中における急激な容量低下がなく、500サイクル経過後に電池を分解して観察しても極板断裂は全く発生していなかった。
それに対して、比較例1は、300個中39個が200サイクル経過以内に急激な容量低下を起こした。その電池を分解して極板を観察すると、すべての電池で、最外周の負極が、その内側の正極の極板終端部と対向する箇所で、完全に切断していた。500サイクル
経過までに急激な容量低下が起こらなかった電池を、10個分解して極板観察を行うと、完全な切断までは至っていなかったが、部分的な断裂が観察された。
それに対して、比較例1は、300個中39個が200サイクル経過以内に急激な容量低下を起こした。その電池を分解して極板を観察すると、すべての電池で、最外周の負極が、その内側の正極の極板終端部と対向する箇所で、完全に切断していた。500サイクル
経過までに急激な容量低下が起こらなかった電池を、10個分解して極板観察を行うと、完全な切断までは至っていなかったが、部分的な断裂が観察された。
この結果は、正極の極板終端部の段差を緩和することにより、充放電時における最外周負極への膨張収縮時の圧力のかかり方が弱くなり、最外周負極の断裂が抑制された結果であると考えられる。よって、本発明によれば、極板断裂を抑制し、高性能な電池を作製することが可能となる。
なお、本実施例においては、負極を最外周とした例を示したが、正極を最外周とした場合であっても、同様の構成とすることで、最外周の正極の極板断裂に対して同様の効果が得られる。
本発明の電池は、特に正極活物質および負極活物質の高密度化などエネルギー密度を向上させた捲回型の電極群を備えたリチウムイオン二次電池に有用である。
1 電池ケース
2 封口板
5 正極
5a 正極リード端子
51 極板終端部
55 補助部材
56 粘着剤
6 負極
6a 負極リード端子
7 セパレータ
8 上部絶縁リング
9 下部絶縁板
12 正極外部端子
13 ガスケット
14 電極群
16 セパレータ部分
2 封口板
5 正極
5a 正極リード端子
51 極板終端部
55 補助部材
56 粘着剤
6 負極
6a 負極リード端子
7 セパレータ
8 上部絶縁リング
9 下部絶縁板
12 正極外部端子
13 ガスケット
14 電極群
16 セパレータ部分
Claims (6)
- 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータと、を捲回した電極群、および、非水電解質を備え、
前記正極は、シート状の正極集電体と、前記正極集電体の表面に配された正極合剤層とを含み、
前記負極は、シート状の負極集電体と、前記負極集電体の表面に配された負極合剤層とを含み、
前記電極群は、前記正極および前記負極のいずれか一方の極板の外周側の極板終端部を、さらにその外周に位置する他方の極板が覆うように構成され、
前記極板終端部に隣接した位置に補助部材が配置されている非水電解質二次電池。 - 前記補助部材の厚みは、隣接する前記極板終端部の厚み以下であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記補助部材の断面形状は、前記極板終端部に隣接した位置から徐々に薄くなる形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非水電解質二次電池。
- 前記補助部材は、樹脂材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記補助部材の少なくとも一部には、粘着剤が配されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 正極と、負極との間にセパレータを配し、渦捲状に捲回して電極群を作製する工程を含み、
前記電極群を作製する工程は、前記正極および前記負極のいずれか一方の極板を切断するステップと、その切断による極板終端部に隣接して補助部材を配置するステップと、前記極板終端部を覆って他方の極板を配置した後、前記他方の極板を切断するステップと、を含むことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011017539A JP2012160273A (ja) | 2011-01-31 | 2011-01-31 | 非水電解質二次電池及びその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2014034708A1 (ja) * | 2012-08-29 | 2016-08-08 | シャープ株式会社 | 電極板および二次電池 |
WO2022038994A1 (ja) * | 2020-08-18 | 2022-02-24 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
JP2022134345A (ja) * | 2021-03-03 | 2022-09-15 | プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 | 二次電池 |
-
2011
- 2011-01-31 JP JP2011017539A patent/JP2012160273A/ja active Pending
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