JP2012160144A - データ収集装置およびデータ収集方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御量と操作量の整定状態を検出して、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行する。
【解決手段】データ収集装置は、リミットサイクル方式のオートチューニング(AT)を実行するAT実行部1と、制御量の挙動を計測する整定判定条件検出部2と、操作量上限値が出力される時間と操作量下限値が出力される時間を計測する出力時間計測部3と、AT実行中の平均操作量を算出して整定操作量とし、AT実行時の操作量切換点となる制御量を整定制御量とする整定状態推定部4と、AT終了後、整定操作量を出力する出力維持部5と、制御量が整定制御量の近傍にある継続時間が、特定時間以上になった場合に、整定状態になったと判定する整定状態検出部6と、整定状態が検出されたときに、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行するデータ収集実行部7とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】データ収集装置は、リミットサイクル方式のオートチューニング(AT)を実行するAT実行部1と、制御量の挙動を計測する整定判定条件検出部2と、操作量上限値が出力される時間と操作量下限値が出力される時間を計測する出力時間計測部3と、AT実行中の平均操作量を算出して整定操作量とし、AT実行時の操作量切換点となる制御量を整定制御量とする整定状態推定部4と、AT終了後、整定操作量を出力する出力維持部5と、制御量が整定制御量の近傍にある継続時間が、特定時間以上になった場合に、整定状態になったと判定する整定状態検出部6と、整定状態が検出されたときに、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行するデータ収集実行部7とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、制御対象をモデリングするためのデータを収集するデータ収集装置およびデータ収集方法に関するものである。
電気ヒータを備える加熱装置などでは、温度制御を行なうために主にPID制御が採用されており、オペレータにとってはPIDパラメータの調整が重要な作業になっている。このような加熱装置の1例を図5に示す。図5の例では、空気循環式の加熱チャンバー101の内部にヒータ102と温度センサ103とが設置されている。温度センサ103は、ヒータ102によって加熱される空気の温度PVを計測する。温調計100は、温度計測値PVと温度設定値SPとの偏差に基づいてPID制御演算により操作量MVを算出する。電力調整器104は、操作量MVに応じた電力を決定し、この決定した電力を電力供給回路105を通じてヒータ102に供給する。こうして、温調計100は、加熱チャンバー101内の温度を制御する。
このような加熱装置などにおけるPIDパラメータ調整手法として、オートチューニング(AT)機能が実用化されている。このAT機能は、制御対象を1次遅れとむだ時間の要素を有するものとし、かつ1次遅れ時定数Tに対するむだ時間Lの比(L/T比)を0.2以下にするという、かなり制約された前提条件でPIDパラメータを決定するものである。したがって、適切なPIDパラメータ値が得られる確率は低い。そこで、さらに精密なPIDパラメータ調整手法として、例えば特許文献1には、制御量PVの時系列データと操作量MVの時系列データを収集して制御対象を簡易的にモデリングし、このモデルを用いたシミュレーションに基づいてPIDパラメータを調整するPIDパラメータ調整支援ツールが開示されている。このPIDパラメータ調整支援ツールでは、データ収集、モデリング、シミュレーション(PIDパラメータ調整)という手順が標準的になっている。ただし、データ収集を開始する直前は、制御量PVと操作量MVが平衡状態で安定している状態(整定状態)であることが、事実上必須の条件になっている。
特許文献1に開示されたPIDパラメータ調整支援ツールによれば、モデリング結果の多様性や実用上の制約的動作に対応することができる。すなわち、このPIDパラメータ調整支援ツールは、モデリング完了後の操作課題(PIDパラメータ調整課題)を解決するものである。ただし、PIDパラメータ調整支援ツールには、モデリングを実施するオペレータが適切なデータ収集パターンを適宜試行錯誤する必要があるという欠点があった。不適切なデータ収集が行われると、そのままモデリングが行なわれるので、モデルの精密さが低下することになる。
これに対して、特許文献2には、妥当な時系列データの収集が確実に実施できる確率を向上させることが可能なデータ収集装置が開示されている。特許文献2に開示されたデータ収集装置は、適度な変動の与え方となる操作量MVの時系列データをあらかじめ取得して記憶しておき、このデータを取得したときの制御対象と類似の特性にあると想定される制御対象については、記憶している操作量MVの時系列データをそのまま制御対象に出力するか、あるいは間引きや補間、数値変換等を行いながら操作量MVの時系列データを出力して、制御量PVの時系列データを収集するようにしたものである。
特許文献2に開示されたデータ収集装置は、制御量PVと操作量MVの整定後の操作課題(データ収集課題)を解決するものである。したがって、簡易モデリングのためのデータ収集において、制御量PVと操作量MVの整定状態を得るために、オペレータの判断と操作が必要になる。しかし、特許文献2に開示されたデータ収集装置では、PID調整の専門知識がないオペレータが使用することを前提にしており、専門知識がないオペレータでは、適切な整定状態(平衡状態)を判断できないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、制御量PVと操作量MVの整定状態を自動的に検出して、制御対象のモデリングのためのデータ収集を自動的に実行することができるデータ収集装置およびデータ収集方法を提供することを目的とする。
本発明のデータ収集装置は、制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させてコントローラのPIDパラメータを設定するリミットサイクル方式のオートチューニング(AT)を実行するAT実行手段と、前記リミットサイクルによる制御量の挙動を計測する整定判定条件検出手段と、前記ATの実行中に操作量上限値が出力される時間である上限時間と、操作量下限値が出力される時間である下限時間とを計測する出力時間計測手段と、前記操作量上限値と前記操作量下限値と前記上限時間と前記下限時間とからAT実行中の平均操作量を算出して、この平均操作量を整定操作量とすると共に、AT実行時の操作量切換点となる制御量を整定制御量とする整定状態推定手段と、AT終了後、前記整定操作量を制御対象に出力している状態を維持する出力維持手段と、前記整定操作量の出力が維持されている状態において、計測される制御量が前記整定制御量の近傍にある継続時間が、特定時間以上になった場合に、制御量が整定状態になったと判定する整定状態検出手段と、この整定状態検出手段によって整定状態が検出されたときに、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行するデータ収集実行手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集装置の1構成例において、前記整定判定条件検出手段は、前記制御量の挙動を表す情報として、制御量の上下動幅Wxと上下動時間Txとを計測することを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集装置の1構成例において、前記整定状態検出手段は、制御量と前記整定制御量との差の絶対値が、前記上下動幅Wxに一定倍率αを掛けた値αWx以内である場合、制御量が前記整定制御量の近傍にあると判定し、前記上下動時間Txに一定倍率βを掛けた時間βTxを前記特定時間とすることを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集装置の1構成例において、前記データ収集実行手段は、予め記憶された操作量の時系列データを制御対象に出力することにより、制御量の時系列データを収集することを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集装置の1構成例において、前記データ収集実行手段は、制御の設定値を変更してPID制御動作により操作量と制御量に変化を生じさせることにより、操作量と制御量の時系列データを収集することを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集装置の1構成例において、前記整定状態検出手段は、制御量と前記整定制御量との差の絶対値が、前記上下動幅Wxに一定倍率αを掛けた値αWx以内である場合、制御量が前記整定制御量の近傍にあると判定し、前記上下動時間Txに一定倍率βを掛けた時間βTxを前記特定時間とすることを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集装置の1構成例において、前記データ収集実行手段は、予め記憶された操作量の時系列データを制御対象に出力することにより、制御量の時系列データを収集することを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集装置の1構成例において、前記データ収集実行手段は、制御の設定値を変更してPID制御動作により操作量と制御量に変化を生じさせることにより、操作量と制御量の時系列データを収集することを特徴とするものである。
また、本発明のデータ収集方法は、制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させてコントローラのPIDパラメータを設定するリミットサイクル方式のオートチューニング(AT)を実行するAT実行ステップと、前記リミットサイクルによる制御量の挙動を計測する整定判定条件検出ステップと、前記ATの実行中に操作量上限値が出力される時間である上限時間と、操作量下限値が出力される時間である下限時間とを計測する出力時間計測ステップと、前記操作量上限値と前記操作量下限値と前記上限時間と前記下限時間とからAT実行中の平均操作量を算出して、この平均操作量を整定操作量とすると共に、AT実行時の操作量切換点となる制御量を整定制御量とする整定状態推定ステップと、AT終了後、前記整定操作量を制御対象に出力している状態を維持する出力維持ステップと、前記整定操作量の出力が維持されている状態において、計測される制御量が前記整定制御量の近傍にある継続時間が、特定時間以上になった場合に、制御量が整定状態になったと判定する整定状態検出ステップと、この整定状態検出ステップによって整定状態を検出したときに、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行するデータ収集実行ステップとを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、AT実行手段と、整定判定条件検出手段と、出力時間計測手段と、整定状態推定手段と、出力維持手段と、整定状態検出手段と、データ収集実行手段とを設けることにより、制御量と操作量の整定状態を自動的に検出して、制御対象のモデリングのためのデータ収集を自動的に実行することができる。したがって、本発明では、PID調整の専門知識がないオペレータが使用する場合であっても、適切なデータを収集することができる。また、本発明では、温調計のAT機能を利用してAT実行手段を実現すれば、データの自動収集に必要な機能の追加を最小に抑えることができる。
[発明の原理]
リミットサイクル方式のオートチューニング(AT)実行後に整定制御量PVsと整定操作量MVsを推定し、最終的には整定操作量MVsを維持することにより、確実に所望の整定状態に近い状態が得られることに発明者は着眼した。AT実行後にそのままPID制御を実行し続けると、ATとの相性次第ではPIDパラメータ調整が不適切になり、ハンチング(制御量PVと操作量MVの振動状態)が継続することもある。データ収集の目的は制御対象の簡易モデリングなので、制御量PVを設定値SPに整定させることよりも、制御量PVと操作量MVが特定の平衡状態に落ち着くことが優先であり、通常の温調計が備えるAT機能を用いて実現できる。この場合、妥当な整定判定時間もAT実行情報に基づき推定できる。
リミットサイクル方式のオートチューニング(AT)実行後に整定制御量PVsと整定操作量MVsを推定し、最終的には整定操作量MVsを維持することにより、確実に所望の整定状態に近い状態が得られることに発明者は着眼した。AT実行後にそのままPID制御を実行し続けると、ATとの相性次第ではPIDパラメータ調整が不適切になり、ハンチング(制御量PVと操作量MVの振動状態)が継続することもある。データ収集の目的は制御対象の簡易モデリングなので、制御量PVを設定値SPに整定させることよりも、制御量PVと操作量MVが特定の平衡状態に落ち着くことが優先であり、通常の温調計が備えるAT機能を用いて実現できる。この場合、妥当な整定判定時間もAT実行情報に基づき推定できる。
また、特許文献1に開示されたPIDパラメータ調整支援ツールや特許文献2に開示されたデータ収集装置が実装される上位コンピュータから見れば、下位の温調計のAT機能を利用して情報取得することで整定状態を得られるため、上位コンピュータ側が備える演算機能が少なくて済む。すなわち、データ収集装置を温調計と上位コンピュータとから構成すれば、温調計の標準的な機能(AT機能)を有効活用することができるので、上位コンピュータの機能追加を最小限に抑えることができる。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るデータ収集装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態のデータ収集装置は、AT実行部1と、整定判定条件検出部2と、出力時間計測部3と、整定状態推定部4と、出力維持部5と、整定状態検出部6と、データ収集実行部7とを備えている。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るデータ収集装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態のデータ収集装置は、AT実行部1と、整定判定条件検出部2と、出力時間計測部3と、整定状態推定部4と、出力維持部5と、整定状態検出部6と、データ収集実行部7とを備えている。
以下、本実施の形態のデータ収集装置の動作を説明する。図2はデータ収集装置の動作を示すフローチャートであり、図3はAT実行部1と整定判定条件検出部2と出力時間計測部3の動作を説明する図である。
AT実行部1は、オペレータからの起動指令に応じて、リミットサイクル方式のATを起動する(図2ステップS100)。AT実行部1は、図3に示すように制御量PVが設定値SPより大きい場合、所定の操作量下限値OLを操作量MVとして制御対象に出力し、制御量PVが設定値SP以下の場合、所定の操作量上限値OHを操作量MVとして制御対象に出力することを、一定の動作周期毎に繰り返し行う。こうして、操作量MVの振幅が一定のリミットサイクルが発生する。そして、AT実行部1は、操作量MVの出力に応じた制御量PVの応答に基づいてPIDパラメータを算出し、このPIDパラメータをコントローラ(図5の温調計100)に設定する。
リミットサイクル方式のATについては、例えば特許第3881593号公報に開示されているので、ATの詳細については説明を省略する。なお、図5に示した加熱装置を制御対象とする場合、操作量MVの出力先は電力調整器104であり、制御量PVは温度センサ103によって計測されることは言うまでもない。
整定判定条件検出部2は、リミットサイクルによる制御量PVの極大値と極小値との差である上下動幅Wxと、リミットサイクルによって制御量PVに極大値が生じた時点と極小値が生じた時点との時間差である上下動時間Txを計測して、計測した上下動幅Wxと上下動時間Txの値を整定状態検出部6に送る(ステップS101)。なお、リミットサイクルの極大値および極小値を生じさせる回数は予め規定されており、また最初の極大値あるいは極小値はリミットサイクルとして安定した波形になっていないことが多いので、少なくとも1回目の極大値あるいは極小値が確認された後に計測を開始するのが、より好適である。
出力時間計測部3は、図3に示すようにAT実行中に操作量上限値OHが出力される時間である上限時間Tohと、操作量下限値OLが出力される時間である下限時間Tolを計測する(ステップS102)。
整定状態推定部4は、次式に示すようにAT実行中の平均操作量を算出し、この平均操作量を整定操作量MVsとすると共に、AT実行時の操作量切換点となる制御量PVを整定制御量PVsとする(ステップS103)。特許第3881593号公報に開示されたリミットサイクル方式のATの場合、AT実行時の操作量切換点は設定値SPなので、PVs=SPとなる。
MVs=(OHToh+OLTol)/(Toh+Tol) ・・・(1)
MVs=(OHToh+OLTol)/(Toh+Tol) ・・・(1)
出力維持部5は、AT終了後、図3に示すように整定操作量MVsを制御対象に出力している状態を維持する(ステップS104)。
整定状態検出部6は、整定操作量MVsの出力が維持されている状態において、制御量PVが整定制御量PVsの近傍にある継続時間が、特定時間以上になったかどうかを判定し(ステップS105)、継続時間が特定時間以上になった場合に、制御量PVが整定状態になったと判定する(ステップS106)。整定状態検出部6は、制御量PVと整定制御量PVsとの差の絶対値が、上下動幅Wxに一定倍率α(αは例えば0.2程度)を掛けた値αWx以内である場合、制御量PVが整定制御量PVsの近傍にあると判定する。特定時間としては、上下動時間Txに一定倍率β(βは例えば2.0程度)を掛けた時間βTxを使用すればよい。
整定状態検出部6は、整定操作量MVsの出力が維持されている状態において、制御量PVが整定制御量PVsの近傍にある継続時間が、特定時間以上になったかどうかを判定し(ステップS105)、継続時間が特定時間以上になった場合に、制御量PVが整定状態になったと判定する(ステップS106)。整定状態検出部6は、制御量PVと整定制御量PVsとの差の絶対値が、上下動幅Wxに一定倍率α(αは例えば0.2程度)を掛けた値αWx以内である場合、制御量PVが整定制御量PVsの近傍にあると判定する。特定時間としては、上下動時間Txに一定倍率β(βは例えば2.0程度)を掛けた時間βTxを使用すればよい。
データ収集実行部7は、整定状態検出部6によって整定状態が検出されると、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行する(ステップS107)。データ収集実行部7は、例えば特許文献2に開示されているように、予め記憶された操作量MVの時系列データを制御対象に出力することにより、制御量PVの時系列データを収集すればよい。
以上で、データ収集装置の動作が終了する。
以上で、データ収集装置の動作が終了する。
図4は温調計100と上位コンピュータ106とを用いた場合のデータ収集装置の構成を示す図である。上記の発明の原理で説明したように、AT実行部1として、通常の温調計に実装されているリミットサイクル方式のAT機能を利用することができる。この場合、整定判定条件検出部2と出力時間計測部3と整定状態推定部4と出力維持部5と整定状態検出部6とデータ収集実行部7とは、データ収集装置本体である上位コンピュータ106に設けられる。温調計100と上位コンピュータ106とは、通信回線を介して接続される。オペレータから起動指令が与えられると、上位コンピュータ106から通信回線を介して起動指令が温調計100に送られ、温調計100のAT機能が起動する。
図4に示した構成の場合、制御量PVは温度センサ103により計測され、操作量MVは温調計100から電力調整器104に出力される。したがって、上位コンピュータ106は、通信回線を介して制御量PVと操作量MV(操作量上限値OH、操作量下限値OLの出力状況)を取得する。
上位コンピュータ106の出力維持部5は、AT終了後に、通信回線を介して温調計100に整定操作量MVsを送信する。温調計100は、受信した整定操作量MVsを電力調整器104に出力する。
上位コンピュータ106の出力維持部5は、AT終了後に、通信回線を介して温調計100に整定操作量MVsを送信する。温調計100は、受信した整定操作量MVsを電力調整器104に出力する。
上位コンピュータ106のデータ収集実行部7は、制御量PVの整定状態が検出されたときに、通信回線を介して温調計100に操作量MVの時系列データを送信する。温調計100は、この操作量MVの時系列データを電力調整器104に出力する。データ収集の対象としては、操作量MVの時系列データと制御量PVの時系列データが、対象になる。
また、データ収集実行部7は、温調計100にPID制御の実行開始を指示した後、通信回線を介して温調計100の設定値SPを変更して、温調計100のPID制御動作により操作量MVと制御量PVの変化を生じさせて、操作量MVと制御量PVの時系列データを収集するようにしてもよい。
また、データ収集実行部7は、温調計100にPID制御の実行開始を指示した後、通信回線を介して温調計100の設定値SPを変更して、温調計100のPID制御動作により操作量MVと制御量PVの変化を生じさせて、操作量MVと制御量PVの時系列データを収集するようにしてもよい。
以上のようにして、本実施の形態では、制御対象のモデリングにとって適切なデータを自動的に収集することができる。また、本実施の形態では、温調計100のAT機能を利用してAT実行部1を実現すれば、データの自動収集に必要な機能の追加を最小に抑えることができる。
本実施の形態の温調計100と上位コンピュータ106の各々は、それぞれCPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。各々の装置のCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、制御対象をモデリングするためのデータを収集する技術に適用することができる。
1…AT実行部、2…整定判定条件検出部、3…出力時間計測部、4…整定状態推定部、5…出力維持部、6…整定状態検出部、7…データ収集実行部、100…温調計、101…加熱チャンバー、102…ヒータ、103…温度センサ、104…電力調整器、105…電力供給回路、106…上位コンピュータ。
Claims (10)
- 制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させてコントローラのPIDパラメータを設定するリミットサイクル方式のオートチューニング(AT)を実行するAT実行手段と、
前記リミットサイクルによる制御量の挙動を計測する整定判定条件検出手段と、
前記ATの実行中に操作量上限値が出力される時間である上限時間と、操作量下限値が出力される時間である下限時間とを計測する出力時間計測手段と、
前記操作量上限値と前記操作量下限値と前記上限時間と前記下限時間とからAT実行中の平均操作量を算出して、この平均操作量を整定操作量とすると共に、AT実行時の操作量切換点となる制御量を整定制御量とする整定状態推定手段と、
AT終了後、前記整定操作量を制御対象に出力している状態を維持する出力維持手段と、
前記整定操作量の出力が維持されている状態において、計測される制御量が前記整定制御量の近傍にある継続時間が、特定時間以上になった場合に、制御量が整定状態になったと判定する整定状態検出手段と、
この整定状態検出手段によって整定状態が検出されたときに、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行するデータ収集実行手段とを備えることを特徴とするデータ収集装置。 - 請求項1記載のデータ収集装置において、
前記整定判定条件検出手段は、前記制御量の挙動を表す情報として、制御量の上下動幅Wxと上下動時間Txとを計測することを特徴とするデータ収集装置。 - 請求項2記載のデータ収集装置において、
前記整定状態検出手段は、制御量と前記整定制御量との差の絶対値が、前記上下動幅Wxに一定倍率αを掛けた値αWx以内である場合、制御量が前記整定制御量の近傍にあると判定し、前記上下動時間Txに一定倍率βを掛けた時間βTxを前記特定時間とすることを特徴とするデータ収集装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ収集装置において、
前記データ収集実行手段は、予め記憶された操作量の時系列データを制御対象に出力することにより、制御量の時系列データを収集することを特徴とするデータ収集装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ収集装置において、
前記データ収集実行手段は、制御の設定値を変更してPID制御動作により操作量と制御量に変化を生じさせることにより、操作量と制御量の時系列データを収集することを特徴とするデータ収集装置。 - 制御対象に一定振幅の操作量を繰り返し出力するリミットサイクルを発生させてコントローラのPIDパラメータを設定するリミットサイクル方式のオートチューニング(AT)を実行するAT実行ステップと、
前記リミットサイクルによる制御量の挙動を計測する整定判定条件検出ステップと、
前記ATの実行中に操作量上限値が出力される時間である上限時間と、操作量下限値が出力される時間である下限時間とを計測する出力時間計測ステップと、
前記操作量上限値と前記操作量下限値と前記上限時間と前記下限時間とからAT実行中の平均操作量を算出して、この平均操作量を整定操作量とすると共に、AT実行時の操作量切換点となる制御量を整定制御量とする整定状態推定ステップと、
AT終了後、前記整定操作量を制御対象に出力している状態を維持する出力維持ステップと、
前記整定操作量の出力が維持されている状態において、計測される制御量が前記整定制御量の近傍にある継続時間が、特定時間以上になった場合に、制御量が整定状態になったと判定する整定状態検出ステップと、
この整定状態検出ステップによって整定状態を検出したときに、制御対象のモデリングのためのデータ収集を実行するデータ収集実行ステップとを備えることを特徴とするデータ収集方法。 - 請求項6記載のデータ収集方法において、
前記整定判定条件検出ステップは、前記制御量の挙動を表す情報として、制御量の上下動幅Wxと上下動時間Txとを計測することを特徴とするデータ収集方法。 - 請求項7記載のデータ収集方法において、
前記整定状態検出ステップは、制御量と前記整定制御量との差の絶対値が、前記上下動幅Wxに一定倍率αを掛けた値αWx以内である場合、制御量が前記整定制御量の近傍にあると判定し、前記上下動時間Txに一定倍率βを掛けた時間βTxを前記特定時間とすることを特徴とするデータ収集方法。 - 請求項6乃至8のいずれか1項に記載のデータ収集方法において、
前記データ収集実行ステップは、予め記憶された操作量の時系列データを制御対象に出力することにより、制御量の時系列データを収集することを特徴とするデータ収集方法。 - 請求項6乃至8のいずれか1項に記載のデータ収集方法において、
前記データ収集実行ステップは、制御の設定値を変更してPID制御動作により操作量と制御量に変化を生じさせることにより、操作量と制御量の時系列データを収集することを特徴とするデータ収集方法。
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JP2015018470A (ja) * | 2013-07-12 | 2015-01-29 | アズビル株式会社 | 調節計およびデータ収集方法 |
JP2020149569A (ja) * | 2019-03-15 | 2020-09-17 | 株式会社チノー | 制御装置および制御方法 |
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