JP2012159189A - ウォームギヤ機構及び同組付け方法 - Google Patents

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勝治 渡辺
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Abstract

【課題】小型で簡単な構成によって、ウォームとウォームホイールとの間のバックラッシを除去すること。
【解決手段】ウォームギヤ機構44は、ウォーム70とウォームホイール80との噛み合い部分のバックラッシを除去するようにウォームホイールの複数の歯81の一部をウォームホイールの回転方向Reに押すことが可能な押圧部材91と、この押圧部材の押し方向Rsに押圧部材を付勢する付勢部材92と、を備える。押圧部材は、ウォームの中心線WL上に配置されており、この中心線に沿って変位可能である。
【選択図】図4

Description

本発明はウォームギヤ機構及び同組付け方法の改良技術に関する。
例えば、電動パワーステアリング装置に搭載されているウォームギヤ機構は、電動モータに連結されたウォームと、負荷に連結されたトルク伝達用のウォームホイールとによって構成されている。電動モータが発生したトルクは、ウォームからウォームホイールを介して負荷に伝達される。このようなウォームギヤ機構では、ウォームとウォームホイールとの間のバックラッシ(歯面同士の隙間)を除去する技術が開発されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1で知られているウォームギヤ機構は、ウォームと、このウォームに噛合うトルク伝達用ウォームホイール及び補助ウォームホイールとからなる。補助ウォームホイールは、トルク伝達用ウォームホイールに対し同心上に位置し、このトルク伝達用ウォームホイールに被せられる、いわゆる冠状歯車と称する(キャップ状歯車とも言う。)歯車である。この補助ウォームホイールは、円盤状のホイール本体の外周面からトルク伝達用ウォームホイールへ向かって突出した複数の歯を有している。補助ウォームホイールのピッチ円直径は、トルク伝達用ウォームホイールの外径よりも大きい。
ウォームの歯は、2つのウォームホイールの噛合い位置において、トルク伝達用ウォームホイールの歯と補助ウォームホイールの歯とによって、両側から挟み込まれている。この挟み込み状態を維持する方向に、補助ウォームホイールが付勢部材によって付勢されている。この結果、ウォームとトルク伝達用ウォームホイールとの間のバックラッシは除去される。
しかしながら、特許文献1で知られているウォームギヤ機構は、トルク伝達用ウォームホイールに冠状の補助ウォームホイールが被せられるとともに、これらの2つのウォームホイールがウォームに噛み合う構成なので、構成が複雑化するとともに、全体が大型にならざるを得ない。つまり、補助ウォームホイールの径がトルク伝達用ウォームホイールの径よりも大きいので、ウォームギヤ機構の全体がウォームホイールの径方向に大型になる。また、トルク伝達用ウォームホイールに冠状の補助ウォームホイールが被せられた構成なので、ウォームギヤ機構の全体がウォームホイールの回転中心線方向に大型になる。さらには、補助ウォームホイールは、トルク伝達用ウォームホイールに対して同期して回転するものである。このため、補助ウォームホイールの外周には、ウォームに噛み合う歯が全周にわたって設けられるので、歯数が多い。その分、補助ウォームホイールの重量が嵩む。このように、ウォームギヤ機構の軽量化や低価格化を図る上でも改良の余地がある。
さらには、上述のように、補助ウォームホイールは冠状歯車によって構成されている。このため、ウォームに対する補助ウォームホイールの噛み合い率は、ウォームに対するトルク伝達用ウォームホイールの噛み合い率よりも小さい。従って、ウォームとトルク伝達用ウォームホイールとの組み合わせに基づく歯車の仕様(諸元)に合わせて、補助ウォームホイールの仕様を設定するには、設計上の制約がある。
特開2004−332921公報
本発明は、小型で簡単な構成によって、ウォームとウォームホイールとの間のバックラッシを除去することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、ウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、からなるウォームギヤ機構において、前記ウォームと前記ウォームホイールとの噛み合い部分のバックラッシ(歯面同士の隙間)を除去するように、前記ウォームホイールの複数の歯の一部を、このウォームホイールの回転方向に押すことが可能な押圧部材と、前記押圧部材の押し方向に、この押圧部材を付勢する付勢部材とを、備え、前記押圧部材は、前記ウォームの中心線に沿って変位可能に、この中心線上に配置されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、前記押圧部材は、前記ウォームに前記ウォームホイールが噛み合っている噛み合い点から離れて位置するとともに、前記複数の歯の一部の歯先にのみ接するように傾斜した斜部を有し、この斜部によって、前記接している歯先を前記ウォームホイールの回転方向に押していることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記斜部は、前記複数の歯の少なくとも2つの歯の歯先に同時に接することが可能な大きさに設定されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、前記付勢部材は、前記ウォームを有したウォーム軸を中心に巻かれたコイルばねによって構成され、前記押圧部材は、前記ウォーム軸に対して相対的なスライド変位が可能に嵌合している筒状の部材であり、前記コイルばねの少なくとも一端部を前記ウォーム軸の長手方向に嵌合し且つ保持することが可能な環状の凹部を有していることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、前記斜部は、前記ウォームの前記中心線をテーパ中心としたテーパ状であることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、前記押圧部材は、前記ウォームに対する相対回転が規制されていることを特徴とする。
請求項7に係る発明では、前記ウォームが一体的に設けられているウォーム軸と、このウォーム軸の一端部と他端部とのいずれか一方を支持するための軸受とを、更に備え、前記ウォーム軸は、前記軸受に相対的な回転が可能に且つ相対的なスライド変位が規制されて組付けられるように構成され、前記押圧部材及び前記付勢部材は、前記ウォームと前記軸受との間に位置し、前記ウォームを有している前記ウォーム軸と前記軸受と前記押圧部材と前記付勢部材とは、一体的に組み立てられた1組の部分組立品を構成していることを特徴とする。
請求項8に係る発明では、前記ウォーム軸は、前記ウォームと前記押圧部材との間に位置するストッパを有し、前記ウォームに前記ウォームホイールが噛み合う前の状態では、前記押圧部材は、前記付勢部材の付勢力によって前記ストッパに押し付けられていることを特徴とする。
請求項9に係る発明では、前記ウォームホイールを収納するためのハウジングを、更に備え、このハウジングには、前記部分組立品が一括して収納されていることを特徴とする。
請求項10に係る発明では、前記ウォーム軸は、このウォーム軸を駆動するための電動モータのモータ軸に直結されることが可能に、このモータ軸の中心線に対して同心に配置され、前記軸受と前記押圧部材と前記付勢部材とは、前記ウォームに対して前記モータ軸寄りに位置していることを特徴とする。
請求項11に係る発明では、ウォーム軸に一体的に設けられているウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、前記ウォームと前記ウォームホイールとのバックラッシを除去するように前記ウォームホイールの歯をこのウォームホイールの回転方向に押すための押圧部材と、前記押圧部材の押し方向にこの押圧部材を付勢する付勢部材と、前記ウォーム軸を支持する軸受と、前記ウォームホイールを収納するハウジングと、を準備する準備工程と、
前記ウォーム軸に、前記軸端から前記押圧部材と前記付勢部材と前記軸受とを、この順に嵌め込むとともに、前記ウォーム軸に、前記軸受を相対的な回転を許容し且つ相対的なスライド変位を規制するように組付けることによって、前記ウォームと前記ウォーム軸と前記軸受と前記押圧部材と前記付勢部材とを、1組の部分組立品に一体的に組み立てる部分組立工程と、
前記1組の部分組立品を前記ハウジングに収納する収納工程と、を含むウォームギヤ機構の組付け方法である。
請求項1に係る発明では、付勢部材に付勢された押圧部材は、ウォームホイールの複数の歯の一部を、このウォームホイールの回転方向に押している。つまり、ウォームホイールは、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部分のバックラッシを除去するように、押圧部材によって押されている。ウォームとウォームホイールとは、常にバックラッシを有することなく、良好な噛み合い状態を維持することができる。
さらに、請求項1に係る発明では、押圧部材は、ウォームの中心線に沿って変位可能に、この中心線上に配置されている。バックラッシを除去するのに、ウォームの中心線上に押圧部材を配置し、この押圧部材を付勢部材によって付勢するだけの、簡単な構成でよい。ウォームの中心線周りの空きスペースに押圧部材及び付勢部材を配置することができる。しかも、バックラッシを除去するのに、ウォーム及びウォームホイールの大きさを変更する必要もない。従って、ウォームギヤ機構の小型化を図ることができる。また、バックラッシを除去するのに、従来のような冠状の補助ウォームホイールを用いないので、ウォームギヤ機構の設計の自由度が高まる。
請求項2に係る発明では、押圧部材に有している斜部は、ウォームホイールの複数の歯の一部の歯先に接するとともに、接している歯先をウォームホイールの回転方向に押している。このため、押圧部材がウォームホイールの複数の歯と歯の間に入り込むことはない。斜部は、接している歯先を、ウォームホイールの回転方向に常に安定して押すことができる。従って、バックラッシを安定して除去することができる。
請求項3に係る発明では、斜部は、ウォームホイールの複数の歯の少なくとも2つの歯の歯先に同時に接することが可能な大きさに設定されている。このため、ウォームホイールの回転に従って斜部に接触する歯は、1つずつ隣の歯に順次移り替わる。つまり、ウォームホイールが回転しても、複数の歯は少なくとも1つの歯先が斜部に接し続ける。従って、斜部は、ウォームホイールを回転方向に常に安定して押し続けることができる。
請求項4に係る発明では、押圧部材がウォーム軸に嵌合され、コイルばねがウォーム軸を中心に巻かれている。押圧部材は、コイルばねの少なくとも一端部をウォーム軸の長手方向に嵌合し且つ保持することが可能な環状の凹部を有している。このため、斜部によってウォームホイールの歯先を付勢することによる反力が押圧部材に作用しても、押圧部材に対するコイルばねの相対的な曲げ変形を抑制することができる。従って、コイルばねによって押圧部材をウォームの中心線上に安定して付勢することができる。
請求項5に係る発明では、斜部は、ウォームの中心線をテーパ中心としたテーパ状なので、ウォームホイールの全ての歯の歯先の面(歯先円)に対して、滑らかに接触することができる。
請求項6に係る発明では、押圧部材は、ウォームに対する相対回転が規制されている。このため、押圧部材は、ウォーム軸の回転に従って同方向へ回転する。この結果、斜部は回転することにより、ウォームホイールの歯に対して接触する部位が刻々と変化する。斜部の耐摩耗性を高めることができる。さらには、ウォーム軸と押圧部材との嵌合部分(双方の嵌合面同士)は、軸方向への相対的な摺動だけが許容され、回転方向の相対的な摺動が規制される。このため、嵌合部分の耐摩耗性を高めることができるので、ウォーム軸に対する押圧部材の滑らかな作動を、恒久的に確保することができる。しかも、嵌合部分が摩耗することによるガタツキ音(騒音)の発生を、一層防止することができるので、ウォームギヤ機構の商品性が高まる。
ウォームホイールが回転しているときに、押圧部材によって押される歯は、隣の歯に順次移り替わる。しかも、押圧部材がウォームホイールの複数の歯の一部を、ウォームホイールの回転方向へ押すことによって、押圧部材には反力が作用する。この反力により、押圧部材にはウォーム軸に対して回転方向へ振動しようとする現象、いわゆる自励振動が発生し得る。これに対し、請求項6に係る発明では、ウォーム軸と押圧部材との嵌合部分は、回転方向の相対的な摺動が規制されている。このため、押圧部材の自励振動の発生を、より一層防止することができる。従って、押圧部材の自励振動による作動音の発生を、一層防止することができるので、ウォームギヤ機構の商品性が高まる。
請求項7に係る発明では、ウォームを有しているウォーム軸と、ウォーム軸を支持する軸受と、ウォームと軸受との間に位置している押圧部材及び付勢部材とは、一体的に組み立てられた1組の部分組立品を構成している。ウォーム軸は、軸受に相対的な回転が可能に且つ相対的なスライド変位が規制されて組付けられている。このように、押圧部材と付勢部材とを含む多数の部品が、1組の部分組立品に予めまとめられる。このため、部分組立品を一まとめにして、他の部材に組付けることができる。例えば、一体的に組み立てられているウォームをウォームホイールに噛合わせるとともに、軸受をハウジングに取り付けることができる。従って、ウォームギヤ機構の組付け作業が容易であるとともに、組立工数の削減を図ることができ、この結果、生産性を高めることができる。
請求項8に係る発明では、ウォームにウォームホイールが噛み合う前の状態では、押圧部材は、付勢部材の付勢力によってストッパに押し付けられている。つまり、押圧部材には、ウォームホイールの複数の歯の一部を押す前に、押す方向への予圧(preload)が加わっている。当然のことながら、付勢部材に付勢された押圧部材が、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部分のバックラッシを除去するように、ウォームホイールの歯を押すのであるから、押す力(押し付け力)は、予圧を付加しない場合に対して基本的に同じ値に設定される。このため、付勢部材の特性、つまり、付勢部材に単位当たりの変化量を与えるのに必要な力(コイルばねを採用した場合は、ばね定数)は、予圧を付加しておく分だけ小さく設定される。
このように、請求項8に係る発明では、押圧部材に、押す方向への予圧を付加しておくことによって、バックラッシの変動による付勢部材の変化量が少なくてすむ。このため、ウォームホイールの複数の歯の一部の歯先に対する押圧部材の摩擦抵抗の変動を抑制することができる。押圧部材は、接している歯先を、ウォームホイールの回転方向に常に安定して押すことができる。従って、バックラッシを安定して除去することができる。
請求項9に係る発明では、ウォームホイールを収納するためのハウジングに、部分組立品を一括して収納することができるので、ウォームギヤ機構の組付け作業が容易であるとともに、組立工数の削減を図ることができる。
請求項10に係る発明では、ウォーム軸は、モータ軸の中心線に対し同心に配置され、例えばカップリングによって直結することが可能である。このため、1組の部分組立品にまとめられている中の、ウォーム軸の端部を、モータ軸に容易に連結することが可能である。さらには、軸受と押圧部材と付勢部材とは、ウォームに対してモータ軸寄りに位置している。
例えば、ウォームホイールが収納されているハウジングに部分組立品を一括して収納する場合には、次の作業手順によって収納することが可能である。先ず、ウォーム軸を、モータ軸に連結しない方の軸端からハウジング内に嵌め込みながら、ウォームをウォームホイールに噛合わせていき、さらに、軸受をハウジングに嵌め込む。軸受がハウジングに嵌め込まれた状態では、ウォームホイールの歯の一部に押圧部材が当たる。最後に、ウォーム軸の軸端(軸受の近傍に位置している軸端)をモータ軸にカップリングによって連結する。このように、ウォームギヤ機構の組付け作業が容易である。
請求項11に係る発明では、ウォーム軸に、軸端から押圧部材と付勢部材と軸受とを、この順に嵌め込むとともに、ウォーム軸に、軸受を相対的な回転を許容し且つ相対的なスライド変位を規制するように組付ける。この結果、ウォームとウォーム軸と軸受と押圧部材と付勢部材とを、1組の部分組立品に一体的に組み立てることができる。その後に、この一体的な部分組立品をハウジングに収納する。このように、押圧部材と付勢部材とを含む多数の部品を複雑に組み立てる作業を、ハウジング外で予め行って、1組の部分組立品に一体的に組み立てておく。このため、ウォームギヤ機構の組付け作業が容易であるとともに、組立工数の削減を図ることができる。
本発明に係る実施例1のウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置の模式図である。 図1に示された電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 図2の3−3線断面図である。 図2の4−4線断面図である。 図4に示されたウォームギヤ機構に押圧部材と付勢部材とを備えた構成の要部を拡大した図である。 図4に示されたウォーム軸と押圧部材と付勢部材との関係を示す分解図である。 図5に示されたウォームホイールの歯に対する押圧部材の接触状態の作用図である。 本発明に係る実施例2の押圧部材とウォームホイールの歯との関係を示す分解図である。 本発明に係る実施例3の押圧部材とウォーム軸との関係を示す分解図である。 本発明に係る実施例4の押圧部材とウォーム軸との関係を示す図である。 本発明に係る実施例5のウォームギヤ機構の断面図である。 本発明に係る実施例5のウォームギヤ機構の組付け方法を説明する図である。 本発明に係る実施例5の付勢部材の付勢力と圧縮量との関係を説明する図である。 本発明に係る実施例5の押圧部材と、付勢部材と、ウォームホイールとの関係を説明する図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例1に係るウォームギヤ機構を電動パワーステアリング装置に搭載した例を図1〜図7に基づき説明する。
図1に示されるように、実施例1の電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングホイール21から車両の操舵車輪29,29(例えば前輪)に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40とからなる。
ステアリング系20は、ステアリングホイール21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介してピニオン軸24(回転軸24)を連結し、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵車輪29,29を連結したものである。
ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成されたピニオン31と、ラック軸26に形成されたラック32とからなる。
ステアリング系20によれば、運転者がステアリングホイール21を操舵することで、この操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
補助トルク機構40は、ステアリングホイール21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操舵トルクセンサ41で検出し、この操舵トルクセンサ41のトルク検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生し、この補助トルクをウォームギヤ機構44を介してピニオン軸24に伝達し、さらに、補助トルクをピニオン軸24からステアリング系20のラックアンドピニオン機構25に伝達するようにした機構である。
操舵トルクセンサ41は、ピニオン軸24に加えられたトルクを検出し、トルク検出信号として出力するものであり、例えば磁歪式トルクセンサやトーションバー式トルクセンサによって構成される。
電動パワーステアリング装置10によれば、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補助トルクを加えた複合トルクにより、ラック軸26で操舵車輪29,29を操舵することができる。
図2に示されるように、ハウジング51は車幅方向(図左右方向)に延びており、ラック軸26を軸方向にスライド可能に収容している。ラック軸26は、ハウジング51から突出した長手方向両端にボールジョイント52,52を介してタイロッド27,27を連結している。
図3に示されるように、電動パワーステアリング装置10は、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、操舵トルクセンサ41及びウォームギヤ機構44をハウジング51に収納し、ハウジング51の上部開口を上部カバー部53で塞いだものである。操舵トルクセンサ41は、上部カバー部53に取付けたものである。
ハウジング51は、上下に延びるピニオン軸24の上部24u、長手中央部24m及び下端部24dを3個の軸受(上から下方へ順に第1軸受55、第2軸受56、第3軸受57)を介して回転可能に支持したものであり、さらに電動モータ43を取付けるとともに、ラックガイド60を備えている。3個の軸受55〜57はボールベアリングからなる。第3軸受57の外輪は、ハウジング51の嵌合孔に圧入によって固定されている。
ラックガイド60は、ラック32とは反対側からラック軸26に当てるガイド部61と、このガイド部61を圧縮ばね62を介して押す調整ボルト63とからなる、ラック押圧手段である。
図4に示されるように、電動モータ43はハウジング51の側面に取り付けられており、横向きのモータ軸43aを備える。このモータ軸43aはハウジング51内に延び、カップリング45によってウォーム軸46に連結されている。ハウジング51は、水平に延びるウォーム軸46の両端部46a,46bを、軸受47,48を介して回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承している。2個の軸受47,48はボールベアリングからなる。以下、ウォーム軸46の一端部46a、つまりモータ軸43aに対して反対側の端部46aを支持する軸受47のことを「第1軸受47」といい、他方の軸受48のことを「第2軸受48」ということにする。
図3及び図4に示されるように、ウォームギヤ機構44は、電動モータ43で発生した補助トルクをピニオン軸24に伝達する補助トルク伝達機構、すなわち倍力機構である。詳しく述べると、ウォームギヤ機構44は、ウォーム70と、このウォーム70に噛み合うウォームホイール80とからなる。ウォームホイール80のことを、以下「ホイール80」と略称する。ウォーム70の中心線WLに対して、ホイール80の中心線CLは例えば直角に配置されている。このホイール80の中心線CLは、ピニオン軸24の中心線CLでもある。
ウォーム70は、ウォーム軸46に一体に形成されている金属製品、例えば機械構造用炭素鋼鋼材(JIS−G−4051)等の鉄鋼製品である。ホイール80は、全体又は少なくとも歯81の部分がナイロン樹脂等の樹脂製品である。金属製品のウォーム70に樹脂製品のホイール80を噛合わせるようにしたので、噛合いを比較的円滑にすることができるとともに、騒音を一層低減させることができる。
ウォーム70のねじ山71(つまり、歯71)は1条に設定されている。ホイール80の外周面には、全周にわたって等ピッチの複数の歯81が形成されている。このホイール80は、ピニオン軸24に対して軸方向への相対移動が規制され、且つ相対回転が規制されて取り付けられている。例えば、ホイール80はピニオン軸24に対して、回転方向にはセレーションやスプラインによって連結されるとともに、軸方向には止め輪によって取り付けられている。駆動側のウォーム70に負荷側のホイール80を噛合わせることによって、ウォーム70からホイール80を介して負荷にトルクを伝達することができる。
さらに、図4及び図5に示されるように、ウォームギヤ機構44は、押圧部材91と付勢部材92とを備えている。
押圧部材91は、ウォーム70とホイール80との噛み合い部分のバックラッシ(歯面同士の隙間)を除去するように、ホイール80の複数の歯81の一部(例えば1つ又は2つの歯)を、このホイール80の回転方向Re、つまり正転方向と逆転方向のいずれか一方に押すことが可能な部材である。この押圧部材91は金属製品、例えば機械構造用炭素鋼鋼材(JIS−G−4051)等の鉄鋼製品である。
付勢部材92は、押圧部材91の押し方向Rsに、この押圧部材91を付勢する部材であって、ウォーム70を有したウォーム軸46を中心に巻かれたコイルばね、例えば圧縮コイルばねによって構成されている。付勢部材92のことを適宜「コイルばね92」ということにする。以下、押圧部材91及び付勢部材92について詳しく説明する。
図4〜図6に示されるように、押圧部材91はウォーム70の中心線WL、つまりウォーム軸46の中心線WLに沿って変位可能に、この中心線WL上に配置されている。より詳しく述べると、押圧部材91は、ウォーム軸46に対して相対的なスライド変位が可能に、且つ相対的な回転が可能に嵌合している筒状(好ましくは円筒状)の部材である。
さらに、押圧部材91は、ウォーム70にホイール80が噛み合っている噛み合い点Po(図5参照)から離れて位置している。例えば、ウォーム軸46において、モータ軸43aに対し反対側の端部46a(一端部46a)と、ウォーム70を有する部位46cと、の間の部位46d(中間部46d)に、押圧部材91が位置している。
この押圧部材91の外周面91aには、ウォーム70の中心線WLをテーパ中心とした、テーパ状の斜部91bが形成されている。この斜部91bは、押圧部材91の一端面91c(ウォーム70に臨む端面91c)からウォーム軸46の一端部46aへ向かって、所定のテーパ長さLt(図7参照)だけ形成されたものである。斜部91bのテーパの方向は、ウォーム70へ向かって先細り状となる方向、つまり、ホイール80の複数の歯81の一部の歯先81aにのみ接する方向である。このように、斜部91bは、ホイール80の複数の歯81の一部の歯先81aにのみ接するように、傾斜している。
より具体的に述べると、図7に示されるように、斜部91bは、複数の歯81の少なくとも2つの歯81,81の歯先81a,81aに同時に接することが可能な大きさに設定されている。ここで、斜部91bの大きさとは、図7に示されるようにテーパの小径部分の径d1、テーパの大径部分の径d2(押圧部材91の外径d2)、テーパ長さLt、テーパ角θのことである。この斜部91bの大きさは、ウォームギヤ機構44の仕様(諸元)、つまりウォーム70とホイール80の各種寸法や各部70,80の組み合わせ寸法に応じて決まる。
斜部91bは、このように設定されることによって、ホイール80の回転角(歯81の回転軌跡)に従って、図5に示されるように同時に1つの歯81の歯先81aにのみ接する場合と、図7に示されるように同時に2つの歯81,81の歯先81a,81aにのみ接する場合とがある。押圧部材91の外径d2が、ウォーム70の外径に対して若干大きい程度に設定されることによって、押圧部材91はウォーム70の中心線WL周りの空きスペースSpに十分に収まる。
さらに、図5に示されるように、押圧部材91は、コイルばね92の少なくとも一端部92a(ウォーム70に臨む方の端部92a)をウォーム軸46の長手方向に嵌合し且つ保持することが可能な凹部91dを有している。この凹部91dは、ウォーム70の中心線WLに対して同心の環状に形成されており、押圧部材91の他端面91e(ウォーム70に対して反対側の端面91e)に開放している。このように、押圧部材91は、中間部46dに嵌合するための貫通した嵌合孔91fの周囲に、同じ中心線WLを基準とした凹部91dを有している。コイルばね92は、ウォーム軸46の一端部46aを支持している第1軸受47の内輪47aの端面と、押圧部材91の凹部91dの底との間に介在しており、上述のように圧縮コイルばねによって構成されている。このため、コイルばね92は、押圧部材91をウォーム70へ向かって、つまり押し方向Rsへ付勢している。コイルばね92が押圧部材91を押し方向Rsへ付勢する力(押し付け力)はfpである。
図4及び図5に示されるように、押圧部材91は、ウォーム70の中心線WL上に位置するとともに、ウォーム70にホイール80が噛み合っている噛み合い点Poに対し、ウォーム軸46の端(一端部46aまたは他端部46b)へ向かって離れて位置している。例えば、押圧部材91は、噛み合い点Poに対し電動モータ43とは反対側へ離れて位置している。
このため、図5に示されるように、ホイール80の複数の歯81のうち、テーパ状の斜部91bが接している歯81の歯先81aは、ウォーム70の中心線WLに対して傾いている。斜部91bから歯先81aへ作用する押し付け力fpは、ホイール80の回転方向Re(図5ではホイール80の正転方向)へ向かう第1の分力frと、ホイール80の中心線CLへ向かう第2の分力fcとに、分かれる。ホイール80は第1の分力frによって回転方向Reへ回ろうとする。
このように、押圧部材91がコイルばね92によって付勢されているので、斜部91bは、ウォーム軸46に対して相対的なスライド変位をすることにより、接している歯先81aをホイール80の回転方向Reに押すことが可能である。この斜部91bによって、接している歯先81aをホイール80の回転方向Reに押している。このため、ホイール80が回転方向Reに回るので、噛み合い点Poに位置している歯81はウォーム70の歯71に押し付けられる。この結果、歯71,81間のバックラッシが除去される。
実施例1の説明をまとめると、次の通りである。
図5に示されるように、付勢部材92(コイルばね92)に付勢された押圧部材91は、ホイール80の複数の歯81の一部を、このホイール80の回転方向Reに押している。つまり、ホイール80は、ウォーム70とホイール80との噛み合い部分のバックラッシを除去するように、押圧部材91によって押されている。ウォーム70とホイール80とは、常にバックラッシを有することなく、良好な噛み合い状態を維持することができる。しかも、バックラッシを除去することによって、ウォーム70とホイール80との間でトルクを時間遅れ無く迅速に且つ確実に伝えることができる。例えば、負荷を制御するために刻々と変化する制御トルクを、ウォーム70からホイール80へ伝達する場合に、時間遅れが無い。従って、負荷を制御する制御性が高まる。しかも、バックラッシを有することによる歯同士の打音を、低減することができる。
さらにまた、押圧部材91は、ウォーム70の中心線WLに沿って変位可能に、この中心線WL上に配置されている。バックラッシを除去するのに、ウォーム70の中心線WL上に押圧部材91を配置し、この押圧部材91を付勢部材92によって付勢するだけの、簡単な構成でよい。ウォーム70の中心線WL周りの空きスペースSpに押圧部材91及び付勢部材92を配置することができる。しかも、バックラッシを除去するのに、ウォーム70及びウォームホイール80の大きさを変更する必要もない。従って、ウォームギヤ機構44の小型化を図ることができる。
また、バックラッシを除去するのに、従来の技術(上記特許文献1の技術)のような冠状の補助ウォームホイールを用いない。このため、ウォームギヤ機構44の全体の大きさや、ハウジング51の大きさを、ホイール80の径方向やホイール80の回転中心線CL方向に小型化できる。しかも、図3に示されるように、ホイール80が組み付けられたピニオン軸24の全長を短くすることができる。この結果、図3に示されるように、ハウジング51の下端51aからピニオン軸24の先端24aまでの全高さShを小さくできるので、電動パワーステアリング装置10を小型化及び軽量化できる。車両に搭載される電動パワーステアリング装置10の配置の自由度が高まり、この結果、車両に対する電動パワーステアリング装置10の搭載性が高まる。さらに、電動パワーステアリング装置10の軽量化によって、車両全体の総重量を減少させることができ、この結果、車両の燃費を高めることができるので、省エネルギー化に貢献できる。
さらには、バックラッシを除去するのに、冠状の補助ウォームホイールを用いないので、ウォームギヤ機構44の設計の自由度が高まる。
さらには、バックラッシを除去するのに、図3及び図5に示されるように、ウォーム70の中心線WL上に押圧部材91を配置し、この押圧部材91を付勢部材92によって付勢するだけの構成なので、ウォームギヤ機構44のための、複雑な加工工程や組立工程は一切不要であり、ウォームギヤ機構44の低価格化を図ることができる。さらには、このような構成をウォームギヤ機構44に採用したので、例えば、ウォーム70の中心線WLに対して、ホイール80の中心線CLを直角ではない角度で交差する方向に配置、つまり軸角が90°でない斜交軸の構成とした場合であっても、ウォームギヤ機構44の生産性を十分に確保することができる(生産上の優位性がある。)。
さらに実施例1では、図5に示されるように、押圧部材91に有している斜部91bは、ホイール80の複数の歯81の一部の歯先81aに接するとともに、接している歯先81aをホイール80の回転方向Reに押している。このため、押圧部材91がホイール80の複数の歯81と歯81の間に入り込むことはない。斜部91bは、接している歯先81aを、ホイール80の回転方向Reに常に安定して押すことができる。従って、バックラッシを安定して除去することができる。
さらに、斜部91bは、ホイール80の複数の歯81の少なくとも2つの歯81,81の歯先81a,81aに同時に接することが可能な大きさに設定されている。このため、ホイール80の回転に従って斜部91bに接触する歯81は、1つずつ隣の歯81に順次移り替わる。つまり、ホイール80が回転しても、複数の歯81は少なくとも1つの歯先81aが斜部91bに接し続ける。従って、斜部91bは、ホイール80を回転方向Reに常に安定して押し続けることができる。
さらに、押圧部材91はウォーム軸46に嵌合され、コイルばね92はウォーム軸46を中心に巻かれている。この押圧部材91は、コイルばね92の少なくとも一端部92aをウォーム軸46の長手方向に嵌合し且つ保持することが可能な環状の凹部91dを有している。このため、斜部91bによってホイール80の歯先81aを付勢することによる反力が押圧部材91に作用しても、押圧部材91に対するコイルばね92の相対的な曲げ変形を抑制することができる。従って、コイルばね92によって押圧部材91をウォーム70の中心線WL上に安定して付勢することができる。
さらに、斜部91bは、ウォーム70の中心線WLをテーパ中心としたテーパ状なので、ホイール80の全ての歯81の歯先81aの面(歯先円)に対して、滑らかに接触することができる。また、ホイール80の歯81は樹脂製品であり、押圧部材91は金属製品である。金属性の斜部91bが樹脂製の歯81の歯先81aの面に直接に接触し且つ押すものであるから、斜部91bと歯先81aの面との間の摩擦係数は小さくてすむ。斜部91bと歯先81aの面との間で発生する摩擦力を、十分に抑制することができる。
さらに実施例1では、上記構成のウォームギヤ機構44を図1に示される電動パワーステアリング装置10に採用している。ウォームギヤ機構44のバックラッシを除去することによって、ウォーム70に対するホイール80の良好な噛合い状態を維持することができる。このため、ステアリングハンドル21を戻し操作したときに、ウォームギヤ機構44からステアリング系20に補助トルクが伝達される時間遅れの発生を抑制することができる。さらには、バックラッシを除去したので、ウォーム70によってホイール80を回転させた場合に、歯71,81同士が衝当することなく、緩やかに当たって噛合うので、ステアリングハンドル21の戻り作動を良好にすることができる。このようなことから、電動パワーステアリング装置10の操舵感覚(操舵フィーリング)を、より高めることができる。
さらには、バックラッシを除去するのに、ホイール80の中心線CLに対するウォーム70の中心線WLの位置を調整する必要はない。このため、モータ軸43aに対してウォーム軸46の軸心を合致させた状態を、常に維持することができる。モータ軸43aに対するウォーム軸46の心ずれが無いので、心ずれに伴う振動や騒音を防止することができる。このため、電動パワーステアリング装置10の商品性を高めることができる。
実施例2に係るウォームギヤ機構について説明する。図8は実施例2の押圧部材91Aとホイール80との関係を示している。実施例2のウォームギヤ機構44Aは、上記図5及び図6に示されている押圧部材91を、図8に示された押圧部材91Aに変更したことを特徴とし、他の構成については上記図1〜図7に示す構成と同じなので、説明を省略する。
具体的には、実施例2の押圧部材91Aの斜部91bAは、ホイール80の複数の歯81の一部の歯先81aにのみ接するように、勾配に形成されている。この勾配の傾きは、実施例1のテーパ状の斜部91bと同じ傾きである。このように、押圧部材91Aの斜部91bAは、ホイール80側さえ傾斜していればよく、任意の形状に設定することができる。つまり、斜部91bAは、押圧部材91Aにおいて、ホイール80の複数の歯81の一部の歯先81aに接する部位だけに有していればよい。従って、押圧部材91Aの構成をより簡単にすることができる。実施例2によれば、上記実施例1の作用、効果と同様の作用、効果を発揮することができる。
実施例3に係るウォームギヤ機構について説明する。図9は実施例3のウォーム軸46Bと押圧部材91Bとの関係を示している。実施例3のウォームギヤ機構44Bは、上記図5及び図6に示されているウォーム軸46及び押圧部材91を、図9に示されたウォーム軸46B及び押圧部材91Bに変更したことを特徴とし、他の構成については上記図1〜図7に示す構成と同じなので、説明を省略する。
詳しく述べると、実施例3の押圧部材91Bは、ウォーム軸46Bに対して相対的なスライド変位が可能に、且つ相対的な回転が規制された構成である。より具体的には、押圧部材91Bは、ウォーム軸46Bに対しセレーションやスプラインによって連結されている。この結果、押圧部材91Bはウォーム70に対する相対回転が規制される。このため、押圧部材91Bは、ウォーム軸46Bの回転に従って、同方向へ回転する。斜部91bは回転することにより、ホイール80の歯81に対して接触する部位が刻々と変化する。斜部91bの耐摩耗性を高めることができる。
さらには、ウォーム軸46Bと押圧部材91Bとの嵌合部分(双方の嵌合面同士)は、軸方向への相対的な摺動だけが許容され、回転方向の相対的な摺動が規制される。このため、嵌合部分の耐摩耗性を高めることができるので、ウォーム軸46Bに対する押圧部材91Bの滑らかな作動を、恒久的に確保することができる。しかも、嵌合部分が摩耗することによるガタツキ音の発生を、一層防止することができるので、ウォームギヤ機構44の商品性が高まる。
上述のように、ホイール80が回転しているときに、押圧部材91によって押される歯81は、隣の歯81に順次移り替わる。しかも、押圧部材91がホイール80の複数の歯81の一部を、ホイール80の回転方向Reへ押すことによって、押圧部材91には反力が作用する。この反力により、押圧部材91にはウォーム軸46Bに対して回転方向へ振動しようとする現象、いわゆる自励振動が発生し得る。これに対し、実施例3では、ウォーム軸46Bと押圧部材91Bとの嵌合部分は、回転方向の相対的な摺動が規制されている。このため、押圧部材91Bの自励振動の発生を、より一層防止することができる。従って、押圧部材91Bの自励振動による作動音(騒音)の発生を、一層防止することができるので、ウォームギヤ機構44の商品性が高まる。さらに、実施例3によれば、上記実施例1の作用、効果と同様の作用、効果を発揮する。
実施例4に係るウォームギヤ機構について説明する。図10は実施例4のウォーム軸46Cと押圧部材91Cとの関係を示している。図10(a)は図9に対応させて表してある。図10(b)は図10(a)のb−b線方向の図である。図10(c)は図10(a)のc−c線方向の断面図である。
実施例4のウォームギヤ機構44Cは、上記図9に示されているウォーム軸46B及び押圧部材91Bを、図10に示されたウォーム軸46C及び押圧部材91Cに変更したことを特徴とし、他の構成については上記図1〜図7、図9に示す構成と同じなので、説明を省略する。
詳しく述べると、実施例4の押圧部材91Cは、上記実施例3と同様に、ウォーム軸46Cに対して相対的なスライド変位が可能に、且つ相対的な回転が規制された構成である。より具体的には、ウォーム軸46Cの中間部46dは、外周面を2面取り又は4面取りすることによって形成された平坦面46df,46dfを有している。つまり、中間部46dの断面は非円形状に形成されている。また、押圧部材91Cの嵌合孔91fは、中間部46dに合わせた形状及び大きさであって、嵌合孔91fの内周面を2面取り又は4面取りすることにより形成された平坦面91ff,91ffを有している。つまり、嵌合孔91fの断面は非円形状に形成されている。嵌合孔91fに中間部46dを嵌合した場合に、嵌合孔91fの平坦面91ff,91ffに中間部46dの平坦面46df,46dfが接することによって、ウォーム軸46Cに対する押圧部材91Cの相対的な回転が規制される。実施例4によれば、上記実施例3の作用、効果と同様の作用、効果を発揮する。
実施例5に係るウォームギヤ機構について説明する。図11は実施例5のウォームギヤ機構44Dの断面構成を示し、上記図4に対応させて表している。図12(a)は、図11に示されたウォームギヤ機構44Dが部分組立された構成を示している。図12(b)は、図12(a)に示されたウォームギヤ機構44Dをハウジング51に組み付けた構成を示している。
実施例5のウォームギヤ機構44Dは、上記図4〜図6に示されているウォームギヤ機構44に対して押圧部材91の位置を、図11及び図12に示された位置に変更したことを特徴とし、他の構成については上記図1〜図7に示す構成と実質的に同じなので、説明を省略する。
図11に示されるように、ウォームギヤ機構44Dは、ウォーム70が一体的に設けられているウォーム軸46Dと、このウォーム軸46Dの一端部46Daを支持するための第1軸受47Dと、ウォーム軸46Dの他端部46Dbを支持するための第2軸受48Dと、この第2軸受48Dに一端が接触し第1軸受47Dに向かって延びているコイルばね(付勢部材)92Dと、このコイルばね92Dの先端に被せられウォームホイール80を押圧する押圧部材91と、ピニオン軸24と、このピニオン軸24の外周に一体的に取付けられウォーム70に噛み合うホイール80とを、ハウジング51内に収納した構成である。
実施例5のウォーム軸46Dは、上記図4〜図6に示されている実施例1のウォーム軸46に実質的に相当している。同様に、第1軸受47Dは第1軸受47に相当し、第2軸受48Dは第2軸受48に相当し、コイルばね(付勢部材)92Dはコイルばね92に相当する。
ウォーム軸46Dは、第2軸受48Dに相対的な回転が可能に且つ相対的なスライド変位が規制されて組付けられるように構成されている。詳しく述べると、図12(a)に示されるように、ウォーム軸46Dは段差面97を有している。この段差面97は、第2軸受48Dを嵌合するための他端部46Dbの径が、それよりもウォーム70寄りの部位の径に対して小径に設定されることによって、形成されている。第2軸受48Dは、他端部46Dbに嵌合された後に、この他端部46Dbにセットされた止め輪98によって、ウォーム軸46Dに位置決めされる。つまり、第2軸受48Dは、段差面97と止め輪98とによって挟み込まれることにより、ウォーム軸46Dに対して相対的な回転が可能に且つ相対的なスライド変位が規制されて組付けられる。
さらに、図12(a)に示されるように、第2軸受48Dは、ハウジング51に嵌合された状態で、位置決めボルト99によってハウジング51に対する位置決めがなされている。このため、ウォーム軸46D及び各軸受47D,48Dはハウジング51に対して軸長手方向への相対的なスライド変位が規制されて、組付けられる。
図12(a)に示されるように、ウォーム軸46Dには、ウォーム70と第2軸受48Dとの間にストッパ95が一体に形成されている。このストッパ95は、例えばウォーム70において第2軸受48D側の端面から成る。ウォーム70の外径がウォーム軸46Dの径よりも大径なので、ウォーム70の端面はストッパ95の役割を果たすことが可能である。
押圧部材91及びコイルばね92Dは、ウォーム70と第2軸受48Dとの間に位置している。具体的には、押圧部材91の一端面91cはストッパ95に接している。この状態において、押圧部材91はウォーム軸46Dの軸長手方向への遊びが無いように、コイルばね92Dによって付勢されている。この状態において、押圧部材91の一端面91cは、まだコイルばね92Dによってストッパ95に押し付けられていない。つまり、コイルばね92Dの付勢力fは0又は略0の値である。
ウォーム軸46Dと第2軸受48Dと押圧部材91とコイルばね92Dとは、一体的に組み立てられた1組の部分組立品100を構成している。
ウォーム軸46Dは、ウォーム軸46Dを駆動するための電動モータ43のモータ軸43aの中心線WLに対して同心に配置されている。ウォーム軸46Dは、電動モータ43のモータ軸43aに、カップリング結合されている。即ち、電動モータ43のモータ軸43aに、ウォーム軸46Dが直結されている。第2軸受48Dと押圧部材91とコイルばね92Dとは、ウォーム70に対してモータ軸43a寄りに位置している。
押圧部材91とコイルばね92Dとを含む多数の部品が、1組の部分組立品100に予めまとめられる。このため、部分組立品100を一まとめにして、他の部材に組付けることができる。例えば、一体的に組み立てられているウォーム70をホイール80に噛合わせるとともに、第2軸受48Dをハウジング51に取り付けることができる。従って、ウォームギヤ機構44Dの組付け作業が容易であるとともに、組立工数の削減を図ることができ、この結果、生産性を高めることができる。
加えて、ホイール80を収納するためのハウジング51に、部分組立品100を一括して収納することができるので、ウォームギヤ機構44Dの組付け作業がさらに容易になるとともに、組立工数のさらなる削減を図ることができる。
さらに、ウォーム軸46Dは、モータ軸43aの中心線WLに対し同心に配置され、例えばカップリングによって直結することが可能である。このため、1組の部分組立品100にまとめられている中の、ウォーム軸46Dの他端部46Dbを、モータ軸43aに容易に連結することが可能である。
図12(b)に示されるように、ウォームギヤ機構44Dを組み立てるには、まず、ウォーム70が一体的に設けられているウォーム軸46Dと、ウォーム70に噛み合うウォームホイール80と、ウォーム70とホイール80とのバックラッシを除去するための押圧部材91と、押圧部材91の押し方向に押圧部材91を付勢するコイルばね92Dと、ウォーム軸46Dを支持する第2軸受48Dと、ホイール80を収納するハウジング51とを準備する(準備工程)。
次に、図12(a)に示されるように、ウォーム軸46Dに、ウォーム軸46Dの他端部46Dbから押圧部材91とコイルばね92Dと第2軸受48Dとを、この順に嵌め込む。ウォーム70とウォーム軸46Dと第2軸受48Dと押圧部材91とコイルばね92Dとを、1組の部分組立品100に一体的に組み立てる(部分組立工程)。
第2軸受48Dは、ウォーム軸46Dに対して相対的な回転を許容し、且つ相対的なスライド変位を規制するように、ウォーム軸46Dに組付けられる。
部分組立品100単独の状態では、押圧部材91は、コイルばね92Dの付勢力fによってストッパ95に押し付けられている。即ち、ウォーム70にホイール80が噛み合う前の状態では、押圧部材91は、付勢部材の付勢力によってストッパ95に押し付けられている。
部分組立品100の組立てが終わったら、図12(b)に示されるように、部分組立品100をハウジング51に収納する(収納工程)。
ウォーム70にウォームホイール80が噛み合っている状態では、押圧部材91は、コイルばね92Dの付勢力fpによってストッパ95に押し付けられている。押圧部材91は、ストッパ95から圧縮量Δδだけ離れている。即ち、図12(a)に比べて、コイルばね92Dが圧縮量Δδだけ縮んでいる。
収納工程の詳細については後述する。
一体的な部分組立品100をハウジング51に収納する。このように、押圧部材91とコイルばね92D(付勢部材)とを含む多数の部品を複雑に組み立てる作業を、ハウジング51外で予め行って、1組の部分組立品100に一体的に組み立てておく。このため、ウォームギヤ機構44Dの組付け作業が容易であるとともに、組立工数の削減を図ることができる。
さらに、図11も併せて説明すると、第2軸受48Dと押圧部材91とコイルばね92Dとは、ウォーム70に対してモータ軸43a寄り(図面右側)に位置している。
例えば、ホイール80が収納されているハウジング51に部分組立品100を一括して収納する場合には、次の作業手順によって収納することが可能である。先ず、ウォーム軸46Dを、モータ軸43aに連結しない方の軸端(図左側)からハウジング51内に嵌め込みながら、ウォーム70をホイール80に噛合わせていき、さらに、第2軸受48Dをハウジング51に嵌め込む。第2軸受48Dがハウジング51に嵌め込まれた状態では、ホイール80の歯81の一部に押圧部材91が当たる。最後に、ウォーム軸46Dの軸端(第2軸受48Dの近傍に位置している軸端)をモータ軸43aにカップリング96によって連結する。このように、ウォームギヤ機構44Dの組付け作業が容易である。
図12(a)で説明したように、ウォーム70にホイール80が噛み合う前の状態で、押圧部材91がコイルばね92Dの付勢力fは0である。この理由について、図13も併せて参照し、説明する。
図13(a)は、横軸をコイルばね92Dの圧縮量δとし縦軸を横軸をコイルばね92Dの付勢力fとして、コイルばね92Dの圧縮量と付勢力との関係を説明するばね特性図である。図12(b)を参照しつつ説明すると、図13(a)に示されるように、ウォームギヤ機構44Dでは、ホイール80に噛み合う前の状態Piにおいて、コイルばね92Dは自由高さに設定されている。即ち、ホイール80に噛み合う前の状態Piにおいて、コイルばね92Dの圧縮量は0であり、コイルばね92Dの付勢力も0である。
ホイール80にウォーム70を噛合わせられた状態Psにおいて、コイルばね92Dは圧縮量δpだけ圧縮される。即ち、噛み合う前の状態と比較して、コイルばね92Dは圧縮量Δδだけ圧縮される。コイルばね92Dが圧縮量Δδだけ圧縮された際のコイルばね92Dの付勢力は、fpである。付勢力fpで、押圧部材91がホイール80を付勢する。
ところで、コイルばね92Dのばね特性については、図13(a)に示される特性の他に、図13(b)に示されるばね特性(変形例)に設定することができる。図13(a)は、上記図13(a)に合わせて表している。
図13(b)に示されるのは、変形例に係るコイルばね92Dの圧縮量と付勢力との関係を説明するばね特性図である。ホイール80へのウォーム70の噛合わせ前後でコイルばね92Dが圧縮量Δδだけ圧縮されること、ホイール80へウォーム70を噛合わせた状態におけるコイルばねの付勢力がfpであることは、図12(a)の実施例と同様である。
実施例では、ホイール80へウォーム70を噛合わせる前の状態Piにおいて、コイルばね92Dが自然高さから圧縮量δbだけ圧縮されている。圧縮量δbだけ圧縮されているため、コイルばね92Dは付勢力fで押圧部材91を付勢している。
押圧部材91を付勢力fで付勢している状態で、ホイール80へウォーム70を噛合わせる。ホイール80へウォーム70を噛合わせることによって、コイルばね92Dは、自由高さからδc圧縮される。ホイール80へウォーム70を噛合わせた状態Psにおける、コイルばね92Dの付勢力はfpである。付勢力fpで、押圧部材91がホイール80を付勢する。
図12(a)に示される実施例と図13(b)に示される変形例とを比較すると、ホイール80へのウォーム70の噛合わせ前後における、コイルばね92Dの付勢力の差Δfが異なる。比較例では、Δfが大きく、変形例ではΔfが小さい。変形例では、予めコイルばね92Dをδb圧縮し、予圧を与えた。予圧を与えることによって、ばね定数kの小さいコイルばね92Dを用いても、ウォーム70に噛合わせ状態における付勢力をfpとすることができる。予圧を与える、変形例に係るウォームギヤ機構44Dでは、以下のことがいえる。
ウォーム70にホイール80が噛み合う前の状態((図12a)参照)では、押圧部材91は、コイルばね92Dの付勢力fによってストッパ95に押し付けられている。つまり、押圧部材91には、ホイール80の複数の歯81の一部を押す前に、押す方向への予圧(preload)が加わっている。当然のことながら、コイルばね92Dに付勢された押圧部材91が、ウォーム70とホイール80との噛み合い部分のバックラッシを除去するように、ホイール80の歯を押すのであるから、押す力(押し付け力)は、予圧を付加しない場合に対して基本的に同じ値に設定される。このため、コイルばね92Dの特性、つまり、コイルばね92Dに単位当たりの変化量を与えるのに必要な力(コイルばねを採用した場合は、ばね定数)は、予圧を付加しておく分だけ小さく設定される。
このように、ウォームギヤ機構44Dは、押圧部材91に、押す方向への予圧を付加しておくことによって、バックラッシの変動によるコイルばね92Dの変化量が少なくてすむ。このため、ホイール80の複数の歯81の一部の歯先81aに対する押圧部材91の摩擦抵抗の変動を抑制することができる。押圧部材91は、接している歯先81aを、ホイール80の回転方向に常に安定して押すことができる。従って、バックラッシを安定して除去することができる。
部分組立品100のハウジング51への取り付け方の詳細を次図で説明する。
図14(a)に示されるように、例えば、ウォーム軸46Dを回転させることで、ハウジング51内部(図面左側)へ向かって部分組立品100を前進させる。ウォーム軸46Dの一端部46Daが第1軸受47Dに接触する前の状態では、押圧部材91は、ウォームホイール80の歯先81aに接触していない。
図14(a)に示す状態から、さらにウォーム軸46Dを回転させ、ハウジング51内部(図面左側)へ向かって部分組立品100前進させる。
図14(b)に示されるように、ウォーム軸46Dの一端部46Daが第1軸受47Dに嵌合することで、押圧部材91がウォームホイール80の歯先81aに接触する。
即ち、ウォーム軸46Dの先端が、このウォーム軸46Dの先端部(一端部46Da)を回転可能に支持する支持部(第1軸受47D)に嵌合するまで、押圧部材91がウォームホイール80の歯先81aに接触しないよう、ウォーム軸46Dの長さが設定されている。
ウォーム軸46Dの一端部46Daが第1軸受47Dに嵌合した後は、コイルばね92Dの力に抗してさらに部分組立品100を前進させる。所定の位置まで部分組立品100を前進させることで、部分組立品100のハウジング51への組付け作業が終了する。
仮に、ウォーム軸46Dの一端部46Da(先端部)が第1軸受47D(支持部)に嵌合する前に、押圧部材91がウォーム70の歯先81aに接触する場合は、コイルばね92Dの付勢力を受けながらウォーム軸46Dの一端部46Daを第1軸受47Dに嵌合させる必要がある。ウォーム軸46Dの一端部46Daは、ハウジング51の内部にあり、視認することが困難である。視認することが困難なウォーム軸46Dの一端部46Daを、コイルばね92Dの付勢力に抗して第1軸受47Dに嵌合させることは、困難である。
本発明によれば、ウォーム軸46Dの一端部46Daが第1軸受47Dに嵌合するまで、押圧部材91がウォームホイール80の歯先81aに接触しない。接触しないため、ウォーム軸46Dの一端部46Daを第1軸受47Dに嵌合させる際に、部分組立品100に、コイルばね92Dの付勢力がかからない。視認するのが困難なウォーム軸46Dの一端部46Daにコイルばね92D(付勢部材)の付勢力が加わることを防ぐことで、部分組立品100の組付け作業が容易になる。
本発明のウォームギヤ機構44,44A,44B,44C,44Dは、ステアリングホイール21で発生した操舵トルクを操舵トルクセンサ41にて検出し、この操舵トルクセンサ41の検出信号に応じて電動モータ43が補助トルクを発生し、この補助トルクをウォームギヤ機構44を介してステアリング系20に伝える車両用電動パワーステアリング装置10に好適である。
10…電動パワーステアリング装置、44,44D…ウォームギヤ機構、46,46B,46C,46D…ウォーム軸、51…ハウジング、70…ウォーム、71…歯、80…ウォームホイール、81…歯、81a…歯先、91,91A,91B,91C…押圧部材、91b,91bA…斜部、91d…凹部、92,92D…付勢部材(コイルばね)、92a…コイルばねの一端部、100…部分組立品、Re…ウォームホイールの回転方向、Rs…押圧部材の押し方向、Po…噛み合い点、WL…ウォームの中心線。

Claims (11)

  1. ウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、からなるウォームギヤ機構において、
    前記ウォームと前記ウォームホイールとの噛み合い部分のバックラッシを除去するように、前記ウォームホイールの複数の歯の一部を、このウォームホイールの回転方向に押すことが可能な押圧部材と、
    前記押圧部材の押し方向に、この押圧部材を付勢する付勢部材とを、備え、
    前記押圧部材は、前記ウォームの中心線に沿って変位可能に、この中心線上に配置されていることを特徴とするウォームギヤ機構。
  2. 前記押圧部材は、前記ウォームに前記ウォームホイールが噛み合っている噛み合い点から離れて位置するとともに、前記複数の歯の一部の歯先にのみ接するように傾斜した斜部を有し、この斜部によって、前記接している歯先を前記ウォームホイールの回転方向に押していることを特徴とする請求項1記載のウォームギヤ機構。
  3. 前記斜部は、前記複数の歯の少なくとも2つの歯の歯先に同時に接することが可能な大きさに設定されていることを特徴とする請求項2記載のウォームギヤ機構。
  4. 前記付勢部材は、前記ウォームを有したウォーム軸を中心に巻かれたコイルばねによって構成され、
    前記押圧部材は、前記ウォーム軸に対して相対的なスライド変位が可能に嵌合している筒状の部材であり、前記コイルばねの少なくとも一端部を前記ウォーム軸の長手方向に嵌合し且つ保持することが可能な環状の凹部を有していることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のウォームギヤ機構。
  5. 前記斜部は、前記ウォームの前記中心線をテーパ中心としたテーパ状であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項記載のウォームギヤ機構。
  6. 前記押圧部材は、前記ウォームに対する相対回転が規制されていることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項記載のウォームギヤ機構。
  7. 前記ウォームが一体的に設けられているウォーム軸と、このウォーム軸の一端部と他端部とのいずれか一方を支持するための軸受とを、更に備え、
    前記ウォーム軸は、前記軸受に相対的な回転が可能に且つ相対的なスライド変位が規制されて組付けられるように構成され、
    前記押圧部材及び前記付勢部材は、前記ウォームと前記軸受との間に位置し、
    前記ウォームを有している前記ウォーム軸と前記軸受と前記押圧部材と前記付勢部材とは、一体的に組み立てられた1組の部分組立品を構成していることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載のウォームギヤ機構。
  8. 前記ウォーム軸は、前記ウォームと前記押圧部材との間に位置するストッパを有し、
    前記ウォームに前記ウォームホイールが噛み合う前の状態では、前記押圧部材は、前記付勢部材の付勢力によって前記ストッパに押し付けられていることを特徴とする請求項7記載のウォームギヤ機構。
  9. 前記ウォームホイールを収納するためのハウジングを、更に備え、
    このハウジングには、前記部分組立品が一括して収納されていることを特徴とする請求項7又は請求項8記載のウォームギヤ機構。
  10. 前記ウォーム軸は、このウォーム軸を駆動するための電動モータのモータ軸に直結されることが可能に、このモータ軸の中心線に対して同心に配置され、
    前記軸受と前記押圧部材と前記付勢部材とは、前記ウォームに対して前記モータ軸寄りに位置していることを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか1項記載のウォームギヤ機構。
  11. ウォーム軸に一体的に設けられているウォームと、このウォームに噛み合うウォームホイールと、前記ウォームと前記ウォームホイールとのバックラッシを除去するように前記ウォームホイールの歯をこのウォームホイールの回転方向に押すための押圧部材と、前記押圧部材の押し方向にこの押圧部材を付勢する付勢部材と、前記ウォーム軸を支持する軸受と、前記ウォームホイールを収納するハウジングと、を準備する準備工程と、
    前記ウォーム軸に、前記軸端から前記押圧部材と前記付勢部材と前記軸受とを、この順に嵌め込むとともに、前記ウォーム軸に、前記軸受を相対的な回転を許容し且つ相対的なスライド変位を規制するように組付けることによって、前記ウォームと前記ウォーム軸と前記軸受と前記押圧部材と前記付勢部材とを、1組の部分組立品に一体的に組み立てる部分組立工程と、
    前記1組の部分組立品を前記ハウジングに収納する収納工程と、を含むウォームギヤ機構の組付け方法。
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