JP2012159150A - ブレーキキャリパ - Google Patents
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Abstract
【課題】パッドとロータとのクリアランスを調整可能なブレーキキャリパを提供する。
【解決手段】ブレーキキャリパ14は、ディスクロータ12を該ディスクロータの回転軸Axと略平行な方向から挟持することで摩擦力を発生させる第1のブレーキパッド16aおよび第2のブレーキパッド16bと、第1のブレーキパッド16aと接続されている第1のリンク22と、第2のブレーキパッド16bと接続されている第2のリンク23と、第1のリンク22と第2のリンク23とを接続するリンク機構24と、第1のリンク22とリンク機構24とが接続されている第1の接続部C1と、第2のリンク23とリンク機構24とが接続されている第2の接続部C2との距離を変更する変更手段25と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】ブレーキキャリパ14は、ディスクロータ12を該ディスクロータの回転軸Axと略平行な方向から挟持することで摩擦力を発生させる第1のブレーキパッド16aおよび第2のブレーキパッド16bと、第1のブレーキパッド16aと接続されている第1のリンク22と、第2のブレーキパッド16bと接続されている第2のリンク23と、第1のリンク22と第2のリンク23とを接続するリンク機構24と、第1のリンク22とリンク機構24とが接続されている第1の接続部C1と、第2のリンク23とリンク機構24とが接続されている第2の接続部C2との距離を変更する変更手段25と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブレーキキャリパに関する。
従来、ブレーキキャリパのシリンダと同等の機構として、トグルリンクを用いた車両ブレーキが考案されている(特許文献1参照)。また、摩擦ライニングの取り付けられた回転可能な摩擦円板を備える自己サーボ式ディスクブレーキにおいて、圧力板の一枚がハウジング内にあるドラグ停止当接部を伴う他の圧力板にあるラグにより制止されるまで摩擦円板とともに回転し、他の圧力板が角運動を継続してサーボ作用を提供するとされている技術が考案されている(特許文献2参照)。
ところで、通常のディスクブレーキは、ロータやパッドの摩耗に伴い、パッドとロータとのクリアランスが変化する。そのため、ディスクブレーキにおいて継続的に適切な制動を実現するためには、クリアランスの調整が必要である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パッドとロータとのクリアランスを調整可能なブレーキキャリパを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキキャリパは、ディスクロータを該ディスクロータの回転軸と略平行な方向から挟持することで摩擦力を発生させる第1のパッドおよび第2のパッドと、前記第1のパッドと接続されている第1のリンクと、前記第2のパッドと接続されている第2のリンクと、前記第1のリンクと前記第2のリンクとを接続するリンク機構と、前記第1のリンクと前記リンク機構とが接続されている第1の接続部と、前記第2のリンクと前記リンク機構とが接続されている第2の接続部との距離を変更する変更手段と、を備える。
この態様によると、ロータやパッドの摩耗によりパッドとロータとのクリアランスが変化した場合、変更手段により第1の接続部と第2の接続部との距離を変更できる。これにより、第1の接続部に接続されている第1のリンクおよび第2の接続部に接続されている第2のリンクが相対的に移動し、第1のパッドと第2のパッドの距離を変化させることでパッドとロータとのクリアランスを調整することができる。
前記リンク機構は、第3のリンクおよび第4のリンクで構成されており、前記変更手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとが成す角度を変更するように構成されていてもよい。
本発明によれば、パッドとロータとのクリアランスを調整可能なブレーキキャリパを提供できる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るディスクブレーキの正面図である。図1に示すように、ディスクブレーキ10は、回転軸Axを中心とする円板状のディスクロータ12と、車両に支持されるブレーキキャリパ14と、を備える。ブレーキキャリパ14は、ディスクロータ12をディスクロータの回転軸Axと略平行な方向から挟持することで摩擦力を発生させる一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク18と、一対のブレーキパッド16a,16bがディスクロータ12に向かって移動できるようにブレーキパッドの側部を保持する一対のスライド面20と、を有する。
図1は、第1の実施の形態に係るディスクブレーキの正面図である。図1に示すように、ディスクブレーキ10は、回転軸Axを中心とする円板状のディスクロータ12と、車両に支持されるブレーキキャリパ14と、を備える。ブレーキキャリパ14は、ディスクロータ12をディスクロータの回転軸Axと略平行な方向から挟持することで摩擦力を発生させる一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク18と、一対のブレーキパッド16a,16bがディスクロータ12に向かって移動できるようにブレーキパッドの側部を保持する一対のスライド面20と、を有する。
トグルリンク18は、第1のブレーキパッド16aと接続されている第1のリンク22と、第2のブレーキパッド16bと接続されている第2のリンク23と、第1のリンク22と第2のリンクとを接続するリンク機構24と、第1のリンク22とリンク機構24とが接続されている第1の接続部C1、および、第2のリンク23とリンク機構24とが接続されている第2の接続部C2、の距離を変更する変更手段25と、を有する。
リンク機構24は、第3のリンク24aおよび第4のリンク24bで構成されている。また、変更手段25は、第3のリンク24aと第4のリンク24bとが成す角度を変更するように構成されている。具体的には、変更手段25は、第3のリンク24aの所定の場所に支持されている保持部25aと、第4のリンク24bの所定の場所に支持されている保持部25bと、保持部25aおよび保持部25bを連結するネジ25cにより構成されている。そして、ネジ25cを矢印Rに示す方向に回転することで、保持部25a,25bの間隔が変化し、第3のリンク24aと第4のリンク24bとが成す角度が変化する。これにより、仮想リンク26の長さを変更することができる。
次に、トグルリンク18について詳述する。トグルリンクが有する特徴としては、例えば、(i)入力はリンク系によって伝達される、(ii)入力によって部材が入力方向に移動する、(iii)入力が除去されても、部材は反入力方向に戻らず位置が保持される、(iv)位置が保持された後、反入力方向の外力に対して大きな抗力を持つ、などが挙げられる。
図2は、図1に示すトグルリンク18の入力と出力との関係を模式的に示した図である。なお、説明の便宜上、第2のリンク23およびリンク機構24を一本の仮想リンク26で示してある。図2に示すように、第1のリンク22と仮想リンク26との連結点に矢印の方向から入力Fiが加わると、仮想リンク26の第2のブレーキパッド16bとの連結点には、矢印の方向へ出力F0が生じる。
図3は、図2に示すトグルリンクのリンク角による入力Fiおよび出力F0の関係を説明するための模式図である。第1のリンク22と水平方向とが成す角をαi、仮想リンク26と水平方向とが成す角をα0とすると、以下の式(1)、式(2)が導かれる。
α0=sin−1(A×sinαi/B)・・・式(1)
F0=(Fi×cosα0/sin(αi+α0))・・・式(2)
α0=sin−1(A×sinαi/B)・・・式(1)
F0=(Fi×cosα0/sin(αi+α0))・・・式(2)
図4は、第1のリンクと水平方向との成す角と、トグルリンク出力との関係の一例を示すグラフである。図4に示すグラフの縦軸は出力F0/入力Fi、横軸は第1のリンク22と水平方向との成す角αiである。また、図4に示す実線Cはブレーキパッドおよびディスクロータが新品の状態における入出力特性を示し、点線Dはブレーキパッドとディスクロータの摩耗量が合わせて10mmの場合に仮想リンクを調整した状態における入出力特性を示す。なお、グラフに示す特性は、トグルリンク18を構成する各リンクの長さ等によって異なるものであり、前述の式(1)、式(2)の関係を満たす範囲で変化しうる。
図4に示す入出力特性では、出力F0が常に入力Fiを上回っていることから、外部よりサーボ機構を必要としない少ない力で大きな制動力をディスクブレーキに発生させることができる。本実施の形態では、トグルリンクがサーボ機構として機能する。また、角度αiの増加に伴い出力/入力の値が増加しているため、出力/入力の値が5〜15倍となる領域Eは、走行時や停車時の通常のフットブレーキに適しており、出力/入力の値が20倍前後となる領域Fは駐車ブレーキに適している。そこで、トグルリンクの動作量を制御することで1つのディスクブレーキによりフットブレーキと駐車ブレーキとを兼用することができる。このように、本実施の形態に係るディスクブレーキ10は、トグルリンクの特長を生かして駐車ブレーキとしても作動でき、その際は外部からの入力は必要としない。
このように、ディスクブレーキ10は、トグルリンク18により入力Fiを増幅してブレーキパッド16をディスクロータ12に押し付けることができる。また、入力に対する出力の倍率が5〜15程度の緩やかなところで使用することで、通常のブレーキとしても制御性にも優れる。また、駐車時にはクランプ力がほぼ無限大となるため、外部より力を加えることなく、駐車を維持できる。
ところで、ブレーキパッドおよびディスクロータが新品の場合、トグルリンク18は、図4の実線Cで示される入出力特性を有する。しかしながら、ディスクブレーキを使用し続けると、ディスクロータ12やブレーキパッド16a,16bの摩耗によりパッドとロータとのクリアランスが変化していく。その結果、トグルリンク18の入出力特性は、摩耗量の増加に伴って実線Cから乖離してしまい、ブレーキフィーリングの変化が生じることになる。
そこで、図1に示す変更手段25のネジ25cを回転し、第3のリンク24aと第4のリンク24bとの成す角を狭め、仮想リンクの長さを短くする。つまり、第1の接続部C1と第2の接続部C2との距離を摩耗量に応じて短くする。その結果、第1の接続部C1に接続されている第1のリンク22および第2の接続部C2に接続されている第2のリンク23が相対的に移動し、第1のブレーキパッド16aと第2のブレーキパッド16bの距離が短くなり、ブレーキパッド16a,16bとディスクロータ12とのクリアランスを適性に調整することができる。図4に示す点線Dは、このような調整を行うことで実現した入出力特性を示しており、実線Cで示す入出力特性とほぼ同じである。
次に、図1を参照して、第1の実施の形態に係るディスクブレーキの動作について詳述する。図1は、ディスクブレーキ10が制動時の状態を示している。
図1に示すように、第1の実施の形態に係るトグルリンク18は、ディスクロータ12を跨ぐために仮想リンク26を構成している。そのため、リンク機構24は、一つの棒状の部材ではなく、3つの部材を連結して構成されている。この状態で、第1のリンク22とリンク機構24との第1の接続部C1に矢印の向きから入力Fiを加えると、第1のリンク22とリンク機構24との第2の接続部C2に、出力F0が矢印の向きに発生する。そして、出力F0が第2のリンク23を介して第2のブレーキパッド16bをディスクロータ12に押し付け、制動力が発生する。
図1に示す状態から更にトグルリンク18の第1の接続部C1を下方(矢印方向)に向けて押圧すると、仮想リンク26がディスクロータ12の回転軸Axとほぼ平行になり、トグルリンクの出力が最大となる。そのため、ディスクブレーキ10は、駐車ブレーキとして機能することもできる。
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係るディスブレーキの正面図である。図5に示すディスクブレーキ30は、第1の実施の形態に係るディスクブレーキ10の第2のリンク23に相当する位置にパンダグラフジャッキ32を備えている点がディスクブレーキ10と大きく異なる。パンダグラフジャッキ32は、第1の実施の形態に係るディスクブレーキ10の変更手段25として機能する。なお、第1の実施の形態に係るディスクブレーキ10と同様の構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図5は、第2の実施の形態に係るディスブレーキの正面図である。図5に示すディスクブレーキ30は、第1の実施の形態に係るディスクブレーキ10の第2のリンク23に相当する位置にパンダグラフジャッキ32を備えている点がディスクブレーキ10と大きく異なる。パンダグラフジャッキ32は、第1の実施の形態に係るディスクブレーキ10の変更手段25として機能する。なお、第1の実施の形態に係るディスクブレーキ10と同様の構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
第2の実施の形態に係るディスクブレーキ30は、ディスクロータ12と、車両に支持されるブレーキキャリパ34と、を備える。ブレーキキャリパ34は、一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク36と、一対のスライド面20と、を備える。
トグルリンク36は、第1のブレーキパッド16aと接続されている第1のリンク22と、第2のブレーキパッド16bと接続されているパンダグラフジャッキ32と、第1のリンク22とパンダグラフジャッキ32とを接続するリンク機構38と、を有する。
リンク機構38は、一つの棒状の部材ではなく、3つの部材を連結して構成されている。また、パンダグラフジャッキ32は、リンク機構38と接続されている第2の接続部C2と、第2のブレーキパッド16bと接続されている第3の接続部C3との距離を変化させることができる。具体的には、パンダグラフジャッキ32は、菱形に配置された4つの棒状(または板状)の部材32a,32b,32c,32dと、菱形の対角線上に配置された変更手段40と、を有する。
部材32a,32b,32c,32dは、それぞれ隣接する部材と傾動可能に連結されている。変更手段40は、部材32aと部材32bとの連結部C4に支持されている保持部40aと、部材32cと部材32dとの連結部C5に支持されている保持部40bと、保持部40aおよび保持部40bを連結するネジ40cにより構成されている。そして、ネジ40cを矢印Rに示す方向に回転することで、保持部40a,40bの間隔が変化し、連結部C4と連結部C5との距離が変化する。それに伴い、パンダグラフジャッキ32における第2の接続部C2と第3の接続部C3との距離も変化する。
そのため、ブレーキパッドやディスクロータが摩耗した場合、ブレーキキャリパ34によれば、変更手段40のネジ40cを回転し、第2の接続部C2と第3の接続部C3との距離を摩耗量に応じて長くすることができる。その結果、第1のブレーキパッド16aと第2のブレーキパッド16bの距離が短くなり、ブレーキパッド16a,16bとディスクロータ12とのクリアランスを適性に調整することができる。
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態に係るディスブレーキの正面図である。なお、図6では、ディスクロータ12は省略されている。図6に示すブレーキディスク50は、ディスクロータ(不図示)と、車両に支持されるブレーキキャリパ52と、を備える。ブレーキキャリパ52は、一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク54と、を備える。
図6は、第3の実施の形態に係るディスブレーキの正面図である。なお、図6では、ディスクロータ12は省略されている。図6に示すブレーキディスク50は、ディスクロータ(不図示)と、車両に支持されるブレーキキャリパ52と、を備える。ブレーキキャリパ52は、一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク54と、を備える。
トグルリンク54は、第1のブレーキパッド16aと接続されている第1のリンク22と、第2のブレーキパッド16bと接続されているリンク機構56と、第1のリンク22とリンク機構56とを接続するリンク機構38と、を有する。トグルリンク54は、更に、リンク機構38とリンク機構56とが接続されている第2の接続部C2、および、第2のブレーキパッド16bとリンク機構56とが接続されている第3の接続部C3、の距離を変更する変更手段58を有する。
リンク機構56は、第5のリンク56aおよび第6のリンク56bで構成されている。また、変更手段58は、第5のリンク56aと第6のリンク56bとが成す角度を変更するように構成されている。具体的には、変更手段58は、第2の接続部C2に支持されている保持部58aと、第3の接続部C3に支持されている保持部58bと、保持部58aおよび保持部58bを連結するネジ58cにより構成されている。そして、ネジ58cを矢印Rに示す方向に回転することで、保持部58a,58bの間隔が変化し、第5のリンク56aと第6のリンク56bとが成す角度が変化する。それに伴い、リンク機構56における第2の接続部C2と第3の接続部C3との距離も変化する。
そのため、ブレーキディスクやディスクロータが摩耗した場合、ブレーキキャリパ52によれば、変更手段58のネジ58cを回転し、第2の接続部C2と第3の接続部C3との距離を摩耗量に応じて長くすることができる。その結果、第1のブレーキパッド16aと第2のブレーキパッド16bの距離が短くなり、ブレーキパッド16a,16bとディスクロータ12とのクリアランスを適性に調整することができる。
(第4の実施の形態)
図7は、第4の実施の形態に係るディスブレーキの正面図である。なお、図7では、ディスクロータ12は省略されている。図7に示すブレーキディスク60は、ディスクロータ(不図示)と、車両に支持されるブレーキキャリパ62と、を備える。ブレーキキャリパ62は、一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク64と、を備える。
図7は、第4の実施の形態に係るディスブレーキの正面図である。なお、図7では、ディスクロータ12は省略されている。図7に示すブレーキディスク60は、ディスクロータ(不図示)と、車両に支持されるブレーキキャリパ62と、を備える。ブレーキキャリパ62は、一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク64と、を備える。
トグルリンク64は、第1のブレーキパッド16aと接続されている第1のリンク22と、第2のブレーキパッド16bと接続されているリンク機構66と、第1のリンク22とリンク機構66とを接続するリンク機構38と、を有する。リンク機構66は、第5のリンク66aおよび第6のリンクで構成されている。
トグルリンク64は、更に、リンク機構38とリンク機構66とが接続されている第2の接続部C2、および、第2のブレーキパッド16bとリンク機構66とが接続されている第3の接続部C3、の距離を変更する変更手段68を有する。また、リンク機構66は、第2の接続部C2と第3の接続部C3とが相対的に移動できるように第2の接続部C2および第3の接続部C3を保持するスライダー70が連結されている。スライダー70は、第2の接続部C2がディスクロータの回転軸方向に移動できるように形成された長穴70aが形成されている。
変更手段68は、第5のリンク66aと第6のリンク66bとが成す角度を変更するように構成されている。具体的には、変更手段68は、第5のリンク66aと第6のリンク66bとの連結部C5に支持されている保持部68aと、スライダー70の底辺70bに係合し、少なくとも上方への移動が規制されている係合部68bと、保持部68aおよび係合部68bを連結するネジ68cにより構成されている。そして、ネジ68cを矢印Rに示す方向に回転することで、保持部68aと係合部68bとの間隔が変化し、第5のリンク66aと第6のリンク66bとが成す角度が変化する。それに伴い、リンク機構66における第2の接続部C2と第3の接続部C3との距離も変化する。
そのため、ブレーキディスクやディスクロータが摩耗した場合、ブレーキキャリパ62によれば、変更手段68のネジ68cを回転し、第2の接続部C2と第3の接続部C3との距離を摩耗量に応じて長くすることができる。その結果、第1のブレーキパッド16aと第2のブレーキパッド16bの距離が短くなり、ブレーキパッド16a,16bとディスクロータ12とのクリアランスを適性に調整することができる。
上述のように、各実施の形態に係るブレーキキャリパは、ブレーキパッドやディスクロータの摩耗により拡大したクリアランスを、トグルリンクを構成するリンク同士の角度を変化させることで調整することができる。また、初期(新品)状態のブレーキキャリパの各リンクの長さや角度を、ブレーキパッドやディスクロータの摩耗に応じて調整することで、ディスクブレーキの入出力特性をほぼ一定に保つことができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
なお、上述のディスクブレーキやブレーキキャリパは、車両だけではなく、産業用の設備において制動力が必要な用途にも適用できる。
10 ディスクブレーキ、 12 ディスクロータ、 14 ブレーキキャリパ、 16a 第1のブレーキパッド、 16b 第2のブレーキパッド、 18 トグルリンク、 22 第1のリンク、 23 第2のリンク、 24 リンク機構、 24a 第3のリンク、 24b 第4のリンク、 25 変更手段、 25a,25b 保持部、 25c ネジ、 26 仮想リンク。
Claims (2)
- ディスクロータを該ディスクロータの回転軸と略平行な方向から挟持することで摩擦力を発生させる第1のパッドおよび第2のパッドと、
前記第1のパッドと接続されている第1のリンクと、
前記第2のパッドと接続されている第2のリンクと、
前記第1のリンクと前記第2のリンクとを接続するリンク機構と、
前記第1のリンクと前記リンク機構とが接続されている第1の接続部と、前記第2のリンクと前記リンク機構とが接続されている第2の接続部との距離を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とするブレーキキャリパ。 - 前記リンク機構は、第3のリンクおよび第4のリンクで構成されており、
前記変更手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとが成す角度を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキキャリパ。
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