JP2013047545A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】より確実に摩耗調整を行うことができるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】ディスクブレーキは、第1リンク132と第2リンクとの連結点150への入力を増幅して出力するトグルリンク130と、トグルリンク130に連結されており、その出力を受けて軸方向に移動可能であるピストン部材126と、ブレーキパッドまたはディスクロータの摩耗により生じた隙間を調整するための調整機構200と、を備える。調整機構200は、ピストン部材126の軸方向まわりの回転によりピストン部材126の軸方向長さを拡張するよう構成されている。調整機構200は、連結点150のブレーキ解除方向の移動に連動して回転するよう配設されている第1歯車202と、第1歯車202の回転をピストン部材126に出力するための第3歯車220と、を含む歯車機構を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、ディスクブレーキに関する。
ピストン駆動軸をロータ軸方向に移動させる機械式作動機構はトグル方式の構成とし、ピストンの変位を摩擦パッドの摩耗に追従させるアジャスト機構はピストン後退作動により摩擦パッドとピストンとの間にクリアランスを一定に保つ構成としたディスクブレーキ装置が知られている(例えば特許文献1)。制動操作が解除されてピストン駆動軸が後退動作をする時に、ピストン内の駒体のピストン駆動軸方向の螺進動作によってピストン駆動軸の実質的な長さが拡張される。こうして、ピストンの位置が摩擦パッドの摩耗に追従した位置に修正される。
特開平11−6535号公報
上述のディスクブレーキ装置においては、ピストンの変位を摩擦パッドの摩耗に追従させるアジャスト機構がピストン駆動軸の後退動作に際して駒体に作用する力(例えばバネ力や摩擦力)のバランスによって作動する。そのため、アジャスト機構の作動は必ずしも安定しないおそれがある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、より確実に摩耗調整を行うことができるディスクブレーキを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のディスクブレーキは、互いに連結されている第1リンクと第2リンクとを含み、該第1リンクと該第2リンクとの連結点への入力を増幅して出力するトグルリンクと、前記トグルリンクに連結されており、前記トグルリンクの出力を受けて軸方向に移動可能であるピストン部材であって、ブレーキパッドに当接して該ブレーキパッドをディスクロータに前進させるためのピストンを含むピストン部材と、前記ブレーキパッドまたは前記ディスクロータの摩耗により生じた隙間を調整するための調整機構であって、前記ピストン部材の前記軸方向まわりの回転を前記ピストンの前記軸方向の変位に変換することにより前記ピストン部材の軸方向長さを拡張するよう構成されている調整機構と、を備える。前記調整機構は、前記連結点のブレーキ解除方向の移動に連動して回転するよう配設されている第1歯車と、前記第1歯車の回転を前記ピストン部材に出力するための最終歯車と、を含む歯車機構を備える。
この態様によると、ブレーキパッドまたはディスクロータの摩耗により生じた隙間を調整するための調整動作に、ブレーキ解除方向のトグルリンクの運動を利用することができる。トグルリンクの運動は歯車機構を介してピストン部材の軸方向長さの拡張へと変換される。歯車機構を介在させることにより、ディスクブレーキの摩耗調整機構をより確実に作動させることができる。
前記第1歯車は、前記トグルリンクの前記第1歯車への当接により回転させられるように、前記トグルリンクの動作面に交差して配設されていてもよい。トグルリンクの第1歯車への当接により、トグルリンクによって第1歯車を直接的に移動及び回転させることができる。
前記トグルリンクの揺動角度範囲は、前記ブレーキパッドと前記ディスクロータとの間に押付力が作用するブレーキ範囲と、前記押付力が解除される非ブレーキ範囲と、を含んでもよい。前記第1歯車は、前記非ブレーキ範囲において前記トグルリンクの揺動に連動して回転するよう配設されていてもよい。このようにすれば、ブレーキの解除から摩耗調整へと、トグルリンクにより継ぎ目なく操作することができる。
前記歯車機構は、前記第1歯車の回転を前記最終歯車に伝達するための少なくとも1つの中間歯車を備え、該少なくとも1つの中間歯車は、前記第1歯車及び前記最終歯車を囲む内歯車を含んでもよい。第1歯車及び最終歯車が中間歯車で包囲されるので、歯車機構を比較的コンパクトに実現することができる。
前記ピストン部材は、前記軸方向に延びており一端にて前記ピストンに螺合する筒状部材を備え、前記ピストンは、前記筒状部材に対する前記軸方向まわりの相対回転が規制されており、前記最終歯車は、前記筒状部材に形成されていてもよい。第1歯車の回転が最終歯車を介して筒状部材に出力される。筒状部材とピストンとが螺合しており、ピストンの回転が規制されていることにより、筒状部材の回転がピストンの並進に変換される。
ディスクブレーキは、前記第1歯車を噛み合い位置と非噛み合い位置とに切り替えるための切替機構をさらに備えてもよい。噛み合い位置においては第1歯車の回転がピストン部材へと伝達され、非噛み合い位置においては第1歯車の回転がピストン部材へと伝達されない。第1歯車を噛み合い位置と非噛み合い位置とで切り替えることにより、適時に摩耗調整をすることができる。
前記切替機構は、前記第1歯車のための位置決め部材と、該位置決め部材に隣接して配置されており、前記ピストンの前進方向に向けて前記ピストン部材に接するよう付勢されている押込部材と、を備えてもよい。前記押込部材が前記位置決め部材に当接することにより前記第1歯車を前記位置決め部材が前記非噛み合い位置から前記噛み合い位置へと変位させるように、前記押込部材及び前記位置決め部材の少なくとも一方は、前記押込部材から前記位置決め部材に作用する力を前記第1歯車の変位方向に向けるための当接面を備えてもよい。このようにすれば、押込部材と位置決め部材との当接面における当接により、第1歯車を非噛み合い位置から噛み合い位置へと切り替えることができる。
本発明によれば、ディスクブレーキの摩耗調整機構をより確実に作動させることができる。
トグルリンクを備えるディスクブレーキの側面図である。 図1に示すトグルリンクの入力と出力との関係を模式的に示した図である。 図2に示すトグルリンクのリンク角による入力と出力との関係を説明するための模式図である。 リンク角度とトグルリンク出力との関係の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの側面図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るディスクブレーキの動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態に係る第1歯車の初期位相を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構の支持構造を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構の動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構の動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構のための切替機構を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構のための切替機構を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構は、ブレーキ解除のためのトグルリンクの運動を歯車機構を介してピストン部材の軸方向長さの拡張に変換するよう構成されている。ピストン部材が長くなることにより、ブレーキパッドまたはディスクロータの摩耗により生じた隙間が調整される。歯車機構を介在させることにより、トグルリンクの運動を確実に摩耗調整機構に伝達することができる。ブレーキ解除操作から摩耗調整動作へとスムーズに移行することもできる。
発明の理解を容易にするために、まず、図1乃至図4を参照して、ブレーキ操作のためにトグルリンクを備えるディスクブレーキ10を説明する。ディスクブレーキ10には、本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構を適用することができる。
図1は、ディスクブレーキ10の側面図である。図1に示すように、ディスクブレーキ10は、回転軸Axを中心とする円板状のディスクロータ12と、車両に支持されるブレーキキャリパ14と、ブレーキキャリパ14が備える一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bをリンクするトグルリンク30と、を備える。ブレーキキャリパ14は、前述の一対のブレーキパッド16a,16bと、一対のブレーキパッド16a,16bがディスクロータ12に向かって移動できるようにガイドするスライドピン20と、を有する。
リンク機構として機能するトグルリンク30は、例えば、一対のブレーキパッド16a,16bのそれぞれに連結されている第1リンク32及び第2リンク34で構成されている。第1リンク32及び第2リンク34は、一対のブレーキパッド16a,16bと反対側の端部において、連結点50にて互いに連結されている。
なお、トグルリンク30がブレーキパッド16a,16bに連結されているとは、トグルリンク30を構成するリンクが直接ブレーキパッドに連結されている場合だけでなく、例えば図6に示すように、他の部材(例えば、ピストン、キャリパ、その他のリンク等)を介して連結している場合も含まれる。また、第1リンク32及び第2リンク34は、必ずしも一本の棒状の部材ではなくてもよく、複数のリンク部材を連結して構成されていてもよい。
次に、トグルリンク30について説明する。トグルリンク30が有する特徴としては、例えば、(i)入力はリンク系によって伝達される、(ii)入力によって部材が入力方向に移動する、(iii)リンクが一直線(図3に示す角度αi=180deg)になったときには入力が除去されても、部材は反入力方向に戻らず位置が保持される、(iv)位置が保持された後、反入力方向の外力に対して大きな抗力を持つ、などが挙げられる。このようなトグルリンク30をディスクブレーキ10に適用することで、通常の油圧で作動するブレーキキャリパの(a)力を発生させる機能、(b)ストロークする機能を置き換えることができる。また、前述の(iii)の特徴により、駐車ブレーキとしての使用にも適している。
図2は、図1に示すトグルリンク30の入力と出力との関係を模式的に示した図である。図2に示すように、第1リンク32と第2リンク34との連結点50に矢印の方向から入力Fiが加わると、第1リンク32のブレーキパッド16aとの連結点(出力点)25には、矢印の方向へ出力F0が生じる。
図3は、図2に示すトグルリンク30のリンク角による入力Fi及び出力F0の関係を説明するための模式図である。第1リンク32と水平方向とが成す角をα0、第2リンク34と水平方向とが成す角をαi、第1リンク32と第2リンク34とが成す角をα1とすると、以下の式(1)、式(2)が導かれる。
α0=sin−1(A×sinαi/B)・・・式(1)
F0=(Fi×cosα0/sin(αi+α0))・・・式(2)
図4は、第2リンク34と水平方向との成す角αiと、トグルリンク出力との関係の一例を示すグラフである。なお、図4に示すグラフの縦軸は出力F0/入力Fi、横軸は第2リンク34と水平方向との成す角αiである。また、グラフに示す特性は、第1リンク32や第2リンク34の長さ等によって異なるものであり、前述の式(1)、式(2)の関係を満たす範囲で変化しうる。
図4に示す出力特性では、出力F0が常に入力Fiを上回っていることから、外部よりサーボ機構(倍力機構)を必要としない少ない力で大きな制動力をディスクブレーキ10に発生させることができる。ディスクブレーキ10においてはトグルリンク30が倍力機構として機能する。
出力/入力の値が5〜15倍となる領域Aは、走行時や停車時の通常のフットブレーキに適しており、出力/入力の値が20倍前後となる領域Bは駐車ブレーキに適している。また、角度αiの増加に伴い(角度α0の減少に伴い)出力/入力の値が増加している。そこで、トグルリンク30の動作量を制御することで一つのディスクブレーキ10によりサービスブレーキ(フットブレーキ)と駐車ブレーキとを兼用することができる。このように、ディスクブレーキ10は、トグルリンク30の特長を生かして駐車ブレーキとしても作動でき、その状態を保持する場合は外部からの入力を必要としないようにすることができる。
このように、ディスクブレーキ10は、トグルリンク30により入力Fiを増幅してブレーキパッド16a,16bをディスクロータ12に押し付けることができる。すなわちディスクブレーキ10はトグルリンク30を含む倍力機構を備える。また、入力に対する出力の倍率が5〜15程度の緩やかなところで使用することで、通常のブレーキ(サービスブレーキ)としても制御性にも優れる。また、駐車時にはクランプ力がほぼ無限大となるため、外部より力を加えることなく、駐車を維持できる。
次に、図5乃至図16を参照して、本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ100を説明する。ディスクブレーキ100は、本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構200を備える。以下では、ブレーキパッド摩耗調整機構200を単に、摩耗調整機構200または調整機構200と呼ぶことがある。この調整機構200の詳細については、図9乃至図16を参照して後述する。
図5は、本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ100を示す斜視図である。図6は、本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ100の側面図である。図6はブレーキが解除されているときのディスクブレーキ100を示す。図7及び図8は、ブレーキが操作されているときのディスクブレーキ100の動作を説明するための図である。図7に示すのはブレーキがいくらか操作されている状態であり、図8に示すのはブレーキが最大限操作されている状態である。図5に示す状態においては、図8と同様にブレーキが最大限操作されている。
図5及び図6に示されるように、ディスクブレーキ100は、円板状のディスクロータ112と(図6参照)、ディスクロータ112の両側に設けられた一対のブレーキパッド116a,116bと、を備える。また、ディスクブレーキ100は、車両に支持されるブレーキキャリパ114を備える。以下では、ブレーキキャリパ114をキャリパ114と呼び、ブレーキパッド116a,116bをパッド116a,116bと呼ぶことがある。一対のパッド116a,116bの第1パッド116aと第2パッド116bとを特に区別する必要のないときはパッド116と総称することがある。
また、ディスクブレーキ100は、トグルリンク130と、トグルリンク130を動作させる駆動部(不図示)と、トグルリンク130の出力を受けてパッド116を作動させるために軸方向に移動可能であるピストン部材126と、を備える。トグルリンク130は第1リンク132と第2リンク134との連結点150への入力を増幅するための倍力機構として機能する。トグルリンク130はピストン部材126に連結されている。ピストン部材126は、パッド116をディスクロータ112に向けて前進させ、パッド116とディスクロータ112との間に押付力を作用させるよう構成されている。ピストン部材126は、トグルリンク130により押されて第2パッド116bの裏側に当接する。
キャリパ114は、第1パッド116aが連結されるキャリパボディ118と、第2パッド116bを押圧可能なピストン部材126と、を有する。キャリパ114は、ディスクロータ112(図6参照)を第1パッド116a及び第2パッド116bにより挟持することで摩擦力を発生させる。キャリパ114は、一対のパッド116a,116bがディスクロータ112に向かって移動できるようにガイドするスライドピン120を備える。
図6に示されるように、キャリパ114は、キャリパボディ118を介して第1パッド116aを押圧可能なキャリパアダプタ128を備える(図6参照)。キャリパアダプタ128は、環状に形成され、キャリパボディ118の取付孔に取り付けられる。
また、図6に示されるように、ピストン部材126は、その軸方向に配設された筒状部材122、第1ピストン123、及び第2ピストン124を備える。筒状部材122の一端に第1ピストン123が取り付けられており、筒状部材122の他端に第2ピストン124が取り付けられている。筒状部材122は、キャリパアダプタ128に隙間を介して挿入され、キャリパアダプタ128内を進退可能である。
ピストン部材126を進退させることで、パッド116をディスクロータ112に接近または離間させることができる。第1ピストン123を第2パッド116bに接近させる方向に移動させると、ピストン部材126が一体に移動し、第2ピストン124が第2パッド116bの裏面に当接する。ピストン部材126がさらに移動されることにより、第2パッド116bがディスクロータ112に押し付けられ、それとともに第1パッド116aもまたディスクロータ112に押し付けられて、制動力が生じる。
なお以下では、ディスクブレーキ100の構成要素の配置及び動作を説明するために、便宜上、ピストン部材126を第2パッド116bに接近させる方向を「前進方向」といい、その逆方向を「後退方向」ということがある。また、ピストン部材126の軸方向に関して第2パッド116bに近い位置を「前」と呼び、第2パッド116bから遠い位置を「後」と呼ぶことがある。
図6に示されるように、トグルリンク130は、キャリパアダプタ128に連結されている第1リンク132と、ピストン部材126の後端に連結されている第2リンク134と、で構成されている。第1リンク132はキャリパアダプタ128を介して第1パッド116aへと連結され、第2リンク134はピストン部材126を介して第2パッド116bへと連結されている。第1リンク132と第2リンク134とは、連結点150にて互いに連結されている。
第1リンク132及び第2リンク134は、必ずしも一本の棒状の部材ではなくてもよく、複数のリンク部材を連結して構成されていてもよい。また、図5に示されるように、第1リンク132及び第2リンク134はそれぞれピストン部材126の両側に一対に設けられている。図6においては一対のリンク部材のうち手前側の部材が示されている。
トグルリンク130は、第1軸部136、第2軸部138、及び第3軸部140をさらに備える。第1軸部136は、第2リンク134と第1ピストン123とを回動可能に連結する。第2軸部138は、第1リンク132とキャリパアダプタ128とを回動可能に連結する。第3軸部140は、第1リンク132と第2リンク134とを回動可能に連結する。すなわち第3軸部140は、第1リンク132と第2リンク134との連結点150である。
第1リンク132は、第2軸部138との連結部分及び第3軸部140との連結部分の間に湾曲した屈曲部132aが形成されている。図示の例においては、第2リンク134は、第1リンク132の長手方向の長さより短く形成され、第1リンク132の略半分の長さに形成されている。
第3軸部140は駆動部(図示せず)に連結され、駆動部からの入力に応じて動作する。駆動部は制動要求に応じて駆動する。第1軸部136、第2軸部138及び第3軸部140は、平行に配される。第1軸部136及び第2軸部138はピストン部材126の軸に直交する。第1リンク132と第2リンク134をピストン部材126の軸線方向に重ねて配置、すなわち第2リンク134を第1リンク132から折り返すように配することで、トグルリンク130の軸方向長さを小さくすることができる。
トグルリンク130は、第1軸部136、第2軸部138及び第3軸部140に直交する平面内で動作する。この面を以下では、トグルリンク130の動作面ということがある。トグルリンク130の動作面は、第1リンク132、第2リンク134、及び連結点150の移動範囲を含む仮想的な平面である。第1リンク132及び第2リンク134はそれぞれ、動作面に沿って揺動する。
図6乃至図8を参照して、ディスクブレーキ100のブレーキ動作を説明する。図6はブレーキが解除されているときのディスクブレーキ100を示す。トグルリンク130は緩んだ状態にあり、パッド116はディスクロータ112から離間して制動力は発生してない。第1リンク132と第2リンク134との連結点150は、ピストン部材126の軸線より(図において)上方に位置する。言い換えれば、第3軸部140の軸心は、第1軸部136及び第2軸部138の軸心より上方に位置する。
図7及び図8は、ブレーキが操作されているときのディスクブレーキ100の動作を説明するための図である。図7は通常のブレーキ(サービスブレーキ)を示し、図8は駐車ブレーキを示す。図7には、図6に示すブレーキ解除状態からいくらか動作したトグルリンク130が示されており、図8には、最大限動作した状態のトグルリンク130が示されている。
図7に示されるように、駆動部に連結された第3軸部140が、駆動部によって下方に揺動させられる。第3軸部140が揺動すると、第1リンク132及び第2リンク134が相対回転し、かつスライドする。第3軸部140が下方に移動し、第1軸部136と第2軸部138の間隔は短くなる。第2軸部138は、キャリパアダプタ128とともに第1方向、すなわち第1パッド116aをディスクロータ112に接近させる方向にスライドされる。第2軸部138及びキャリパアダプタ128の動作に連動してキャリパボディ118も第1方向にスライドし、さらにキャリパボディ118によって第1パッド116aも第1方向にスライドする。
一方、第1軸部136は、第1方向とは逆の第2方向、すなわち第2パッド116bをディスクロータ112に接近させる方向にスライドされる。第1軸部136及び第2軸部138は同軸上でスライドする。第1軸部136の動作に連動して、ピストン部材126が第2方向にスライドし、第2パッド116bも第2方向にスライドする。
こうして、トグルリンク130の揺動により第1パッド116a及び第2パッド116bがディスクロータ112に接近する方向に移動させられる。ピストン部材126は、ブレーキパッド116をディスクロータ112に向けて前進させ、ブレーキパッド116とディスクロータ112との間に押付力を作用させる。
図8に示されるように、第3軸部140がさらに揺動して、第1軸部136、第2軸部138及び第3軸部がピストン部材126の軸線上に並んでいる。このとき、パッド116がディスクロータ112に最も強く押しつけられている。この状態が駐車ブレーキに利用される。
第1リンク132の屈曲部132aの窪みが第1軸部136の外周に当接して、第3軸部140の移動は規制され、第1リンク132及び第2リンク134の回転が規制されている。屈曲部132aの窪みを形成したことで、屈曲部132aが第1軸部136に接触したときに、第1軸部136、第2軸部138及び第3軸部140の軸心がピストン軸に直交するように、すなわち死点となるように設計できる。ディスクロータ112から逆入力があった場合にトグルリンク130が動作することを抑えることができるので、ディスクブレーキ100を駐車ブレーキに兼用する場合に有用である。
このようにして、ディスクブレーキ100においては、例えば図4に示されるように、入力よりも増幅された押付力がトグルリンク130によって得られる。第3軸部140への入力の大きさとトグルリンク130のリンク角度とによって定まる大きさの押付力がディスクロータ112とパッド116との間に生じる。トグルリンク130の動作量を制御することで、ディスクブレーキ100による制動力を制御することができる。
典型的なブレーキ装置においては、サービスブレーキと駐車ブレーキとが別々の操作系で操作される。例えば、サービスブレーキはブレーキペダルで操作され、駐車ブレーキはパーキングブレーキレバーで操作される。これに対して、ディスクブレーキ100は、トグルリンク130を含む共通の操作系を備える。サービスブレーキのための操作系と駐車ブレーキのための操作系とが1つに統合されている。そのため、ディスクブレーキ100においては、サービスブレーキから駐車ブレーキまでを継ぎ目なく操作することができる。操作の簡素化が望まれる場合には、こうした操作系の共通化は1つの好ましい構成であると考えられる。
次に、図9乃至図16を参照して、ディスクブレーキ100のためのブレーキパッド摩耗調整機構200を説明する。各図において理解を容易にするために、摩耗調整機構200に直接的には関係しない構成要素の図示を省略していることがある。また、摩耗調整機構200に関係する構成要素であっても、図を見やすくするために省略していることがある。例えば、図9においては、第2リンク134や第1ピストン123、第2ピストン124等の図示を省略し、摩耗調整機構200を中心に示している。
図9は、本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構200を説明するための斜視図である。図9は、トグルリンク130(第1リンク132)が最大限動作した状態を示しており、図8に示す動作状態に対応する。図9において手前がピストン部材126の軸方向後方を示し、奥がピストン部材126の軸方向前方(第2パッド116b側)を示す。
ブレーキパッド摩耗調整機構200は、パッド116またはディスクロータ112の摩耗(例えば経時的な摩耗)により生じた隙間を調整するために、ディスクブレーキ100に設けられている。摩耗調整機構200は、トグルリンク130により第2パッド116bに押し付けられる第2ピストン124と第2パッド116bとの隙間を調整するよう構成されている。
調整機構200は、第2ピストン124のパッド116への押付力を解除するためのトグルリンク130の運動を、ピストン部材126の軸方向まわりの回転へと伝達するための歯車機構を備える。これを主として図9乃至図11を参照して説明する。また、調整機構200は、ピストン部材126の軸方向まわりの回転を第2ピストン124の軸方向の変位に変換することによりピストン部材126の軸方向長さを拡張するよう構成されている。これを主として図12を参照して説明する。
調整機構200の歯車機構は、トグルリンク130及びピストン部材126に交差する支持部材に支持されている。支持部材は、ある間隔で固定され対向する第1プレート222と第2プレート224とを含み、それらの間に歯車機構が収容される(図11、図12参照)。第1プレート222及び第2プレート224は、ピストン部材126の回転軸に垂直な面に沿って延在し配設されている。支持部材は、第1プレート222及び第2プレート224を支持するためのハウジング218を含む。
調整機構200の歯車機構は、互いに噛み合う少なくとも一組の歯車、第1歯車202及び第2歯車204を備える。第1歯車202は、詳しくは後述するように、第2歯車204に対して相対移動可能に設けられている。第1歯車202の相対移動によって、第1歯車202は、第1歯車202と第2歯車204とが噛み合う噛み合い位置と、第1歯車202と第2歯車204とが噛み合わない非噛み合い位置と、を移動可能である。
第1歯車202が噛み合い位置にあるときには第1歯車202と第2歯車204との間で回転を伝達することが可能である。第1歯車202が非噛み合い位置にあるときには第1歯車202と第2歯車204とは離れており、第1歯車202と第2歯車204との間の回転伝達は不能となる。図9においては第1歯車202は噛み合い位置にある。第1歯車202の噛み合い位置と非噛み合い位置との切替は、台座214と押込部材215とを含む後述する切替機構300が担う(図15及び図16参照)。
調整機構200は、第1歯車202の噛み合い位置における回転が、連結点150のブレーキ解除方向の移動に連動するよう構成されている。そのために、第1歯車202は、トグルリンク130の第1歯車202への当接により噛み合い位置にて回転させられるように、トグルリンク130の動作面に交差して配設されている。具体的には、第1歯車202は、トグルリンク130の第1リンク132との当接によって回転させられるよう配設されている。第1歯車202は第1リンク132の動きを第2歯車204に伝えるために設けられている。
第1歯車202は、一実施例においては平歯車である。第1歯車202は扇形状の形状を有し、その円弧部分208に歯が形成されている。よって第1歯車202が噛み合い位置にあるときに第1歯車202の円弧部分208が第2歯車204と噛み合う。第1歯車202は、第1回転軸206によって回転可能に支持されている。第1回転軸206はピストン部材126の軸方向に平行である。また、図11を参照して後述するように、第1回転軸206はピストン移動方向に垂直な面内でいくらか移動可能とされている。よって、第1歯車202は第1回転軸206によって非噛み合い位置と噛み合い位置とを移動可能に支持されている。第1歯車202及び第1回転軸206は、第1プレート222に支持されている。
また、第1歯車202の扇形状の形状の2本の半径のうち一方には、第1リンク132に対向するリンク当接面210が形成されている。リンク当接面210は、第1リンク132が第1歯車202に当接する部位を含む。ブレーキ解除の際に第1リンク132が第1歯車202に向けて接近したときに、第1リンク132はリンク当接面210に接触して第1歯車202を移動または回転させる。
第1歯車202の扇形状の形状の2本の半径のうち他方には、台座214に隣接する台座対向面212が形成されている。台座214は、第1歯車202の初期位相を定めるために設けられている。ここで初期位相とは、第1歯車202に第1リンク132が当接していないときの第1歯車202の角度位置である。
図10は、本発明の一実施形態に係る第1歯車202の初期位相を説明するための図である。図示されるように、第1歯車202のリンク当接面210のうち第1回転軸206に近接する部位216(短い斜線で示す)が台座214との当接により支持されている。このようにして、第1歯車202は、台座214によって、第2歯車204との噛み合い位置における初期の回転角度である所定の初期位相に支持されている。台座214は、第1歯車202のための位置決め部材である。第1歯車202の位置決めをより確実にするために、第1歯車202を台座214へ向けて付勢するスプリング(図示せず)が第1歯車202と台座214との間に取り付けられていてもよい。
図10に破線で示すように、ブレーキ解除の際にトグルリンク130が第1歯車202のリンク当接面210に当接する。トグルリンク130が更に揺動することにより、第1歯車202は、台座対向面212が台座214に接近する方向(図示の破線矢印の方向)へと回転する。この回転が、第1歯車202と噛み合う第2歯車204へと伝達される。
第2歯車204は、図9に示されている。第2歯車204は、歯車機構の中間歯車であり、第1歯車202の回転を第3歯車220に伝達するために設けられている。第2歯車204は、一実施例においては内歯車である。よって第2歯車204の円形開口部分に第1歯車202と噛み合う歯が形成されている。第1歯車202の円弧部分208が第2歯車204に内接するときに、第1歯車202と第2歯車204とが噛み合う。よって、第1歯車202の噛み合い位置は、第1歯車202が第2歯車204に内接する位置である。第1歯車202の非噛み合い位置は、第1歯車202が第2歯車204との間に隙間を有する位置である。
第2歯車204は、第1歯車202及び台座214を囲む。つまり第2歯車204の開口に第1歯車202及び台座214は収容されている。また、その開口を第1リンク132及び筒状部材122が通過して延びている。第2歯車204の外周部は、ハウジング218に回転可能に支持されている。第2歯車204の回転軸は円形開口の中心にあり、第1回転軸206に平行である。
なお、調整機構200の歯車機構は複数の中間歯車を含んでもよく、第1歯車から最終歯車へとこれら複数の中間歯車を介して回転が伝達されるよう構成されていてもよい。また、調整機構200の歯車機構は、中間歯車を有していなくてもよい。その場合、調整機構200の歯車機構は、第1歯車と最終歯車とが噛み合うよう構成され、第1歯車から最終歯車へと直接に回転が伝達されてもよい。
調整機構200の歯車機構は、第2歯車204の回転を伝達するための第3歯車220を更に備える。第3歯車220は、歯車機構の最終歯車であり、第1歯車202の回転をピストン部材126に出力するために設けられている。第3歯車220は、筒状部材122の後端の外周に形成されている。第3歯車220もまた、第2歯車204の円形開口に収容され、第2歯車204に内接して噛み合っている。よって、以下では、筒状部材122は第3歯車220を有するため、筒状歯車122とも呼ぶ。筒状歯車122の回転軸は第1回転軸206に平行であり、ピストン部材126の軸線に一致する。
筒状歯車122の軸方向後端面に接するように、押込部材215が設けられている。押込部材215は、台座214に隣接して配置されている。また、押込部材215は、第2ピストン124の前進方向に向けてピストン部材126に接するよう付勢されている。具体的には、押込部材215は、スプリング等の付勢部材(図15及び図16参照)によって筒状歯車122の軸方向後端面に付勢されている。
押込部材215は、ピストン部材126の軸線に垂直な面に沿って延びる薄板状の部材である。押込部材215は、筒状歯車122、第2歯車204、及び台座214よりもピストン部材126の軸方向後方に配設されている。押込部材215は、ピストン部材126を挟んで配置されている一対のトグルリンク130(第1リンク132)に、ピストン部材126と同様に挟まれている。
押込部材215は、その上端部で台座214に当接し、下端部がハウジング218に形成されたキー溝226に係合している。そのため、押込部材215はキー部材と呼ぶこともできる。押込部材215は、上端部と下端部との中間に円形開口が形成された環状部分228を有する。台座214との押込部材215の当接部230が環状部分228の一方の側に設けられ、押込部材215のキー係合部232が環状部分228の当接部230とは反対側に設けられている。押込部材215のキー係合部232がハウジング218のキー溝226に係合する。環状部分228が筒状歯車122の軸方向後端面に当接する。環状部分228の円形開口にピストン部材126の第1ピストン123が挿入される(図12参照)。図9では第1ピストン123は図示を省略している。
図11は、本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構200の支持構造を説明するための斜視図である。図12は、本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構200を説明するための断面図である。図11においては図9と同様に、手前がピストン部材126の軸方向後方を示し、奥がピストン部材126の軸方向前方(第2パッド116b側)を示す。第1歯車202を支持するための第1歯車支持孔234、及び台座214を支持するための台座支持孔236を説明するために、図11においては第1歯車202及び台座214の図示を省略している。
調整機構200の支持構造は前述のように、ハウジング218、第1プレート222、及び第2プレート224(図12参照)を備える。ハウジング218は、調整機構200を収容するための環状の部材である。第1プレート222及び第2プレート224は軸方向に対向してハウジング218に固定されており、第1プレート222と第2プレート224との間に調整機構200が収容される。また、第2プレート224は、押込部材215の軸方向後方への移動を制限するために設けられている。
第1プレート222及び第2プレート224はそれぞれ円板状の部材であり、ハウジング218の軸方向前側及び後側の開口を閉塞するようハウジング218に取り付けられている。第2歯車204よりも軸方向前方に第1プレート222が設けられ、第2歯車204よりも軸方向後方に第2プレート224が設けられる。ハウジング218の軸方向後端面に、第2プレート224をハウジング218に固定するための取付孔238が設けられている。こうして、第1歯車202、第2歯車204、及び第3歯車220が第1プレート222と第2プレート224との間に収容される。
ハウジング218の内周面が第2歯車204を回転可能に支持する。ハウジング218によって、第2歯車204は回転軸に垂直な方向への移動が規制されている。これにより、第2歯車204は、トグルリンク130から第1歯車202を介して伝わる押付力を受けられる。
第1プレート222及び第2プレート224にはそれぞれ、軸方向に延びる部材(ピストン部材126、トグルリンク130)のための開口が形成されている。よって、ピストン部材126及びトグルリンク130は第1プレート222及び第2プレート224を貫通して軸方向に延びている。第1プレート222及び第2プレート224は、ピストン部材126の軸方向移動のためのガイドの役割を有する。第1プレート222及び第2プレート224に形成されているトグルリンク130のためのリンク開口240は、トグルリンク130の揺動を許容するために揺動方向に延びる開口として形成されている。
第1歯車202は第1プレート222に回転可能かつ移動可能に支持されている。そのために、第1プレート222には、第1歯車202の第1回転軸206を回転可能かつ移動可能に支持するための第1歯車支持孔234が形成されている。第1回転軸206は第1歯車支持孔234に挿通されて支持される。第1歯車支持孔234は、第1歯車202の移動方向に沿って延びる長円形状を有する。第1歯車支持孔234は、第1回転軸206の移動を案内するためのガイド孔である。よって、第1歯車202は、第1歯車支持孔234の長手方向に沿って往復移動可能に配設されている。
第2歯車204に近接する第1歯車支持孔234の一端が第1歯車202の噛み合い位置を提供し、第2歯車204から遠いほうの第1歯車支持孔234の他端が第1歯車202の非噛み合い位置を提供する。このようにして、第1歯車202は第1歯車支持孔234を往復可能に、第1プレート222に平行な第1歯車202の配置面内で回転可能に、かつ当該配置面外への移動は規制された状態で取り付けられている。
第1歯車202の位置決めのための台座214もまた、第1プレート222に支持されている。台座214は、第1プレート222に対し揺動可能に台座支持孔236に取り付けられている。台座214(または第1歯車202)を初期位置に付勢するためのスプリング等の付勢部材(図15及び図16参照)が、台座214(または第1歯車202)と第1プレート222(またはハウジング218)との間に取り付けられていてもよい。なお、第1歯車202及び台座214は、第1プレート222によって支持されることに代えて、第2プレート224によって支持されていてもよい。
図12は、ピストン部材126の軸方向まわりの回転をピストン部材126の軸方向長さの拡張に変換するための運動変換機構を示す。この運動変換機構は、上述の第3歯車220が外周に形成されている筒状歯車122と、この筒状歯車122の端部に形成されている第2ピストン124とのねじ係合部242と、筒状歯車122の回転に伴う第2ピストン124の回転を規制するための回り止め部244と、を備える。なおピストン部材126の軸線を符号Xで図12に示す。
すなわち、筒状歯車122は、ピストン部材126の軸方向に延びており当該軸方向前端のねじ係合部242にて第2ピストン124に螺合する。ねじ係合部242は、筒状歯車122が第1歯車202及び第2歯車204によって回転されたときに、第2ピストン124を軸方向に前進させるように形成されている。
第2ピストン124は、回り止め部244によって筒状歯車122に対する軸線Xまわりの相対回転が規制されている。回り止め部244は第2ピストン124の前端から第2パッド116bに向けて突き出して形成されている。回り止め部244が第2パッド116bの裏面に形成されている凹部246に係合することで、第2ピストン124の筒状部材122に対する相対回転が規制されている。
また、第2ピストン124を第2パッド116bに押し当てるためのスプリング等の付勢部材248が設けられている。この付勢部材248は筒状歯車122と、筒状歯車122の軸方向移動を支持する支持部との間に取り付けられている。例えば、付勢部材248の一端は筒状歯車122の前端に設けられているスナップリング250に取り付けられており、付勢部材248の他端はキャリパアダプタ128に取り付けられている。
付勢部材248は、所定の圧縮取付荷重で取り付けられている。よって、付勢部材248によりキャリパアダプタ128からスナップリング250(すなわち筒状歯車122)を離隔する方向の力が作用する(矢印Mで図示する)。筒状歯車122は第2ピストン124の裏面を押す。よって、第2ピストン124を第2パッド116bに押し当てる方向の力がピストン部材126に作用する(矢印Nで図示する)。
第2ピストン124またはピストン部材126は通常のディスクブレーキキャリパと同様に、ピストンシールを介してキャリパシリンダ内側を摺動する。通常のディスクブレーキと同様にピストンシールがあることで、通常の制動時にはシールリトラクトによるピストンの戻し効果が期待できるとともに、パッド摩耗時には摩耗分ピストンがシールを滑ることで適正なクリアランスが維持される。摩耗が進んだとき、パッドは通常のキャリパと同様にシール及びキャリパピストン(図示せず)の作用により摩耗した分だけ変位した位置に停止する(図では右に移動する)。
こうした構成により、ピストン部材126の運動変換機構は次のように動作する。まず、トグルリンク130の揺動によって第1歯車202及び第2歯車204が回転し、その回転は第3歯車220へと伝達される。付勢部材248の作用によりピストン部材126は第2パッド116bに追従して押し当てられている。第3歯車220はピストン部材126の筒状歯車122の外周に一体的に形成されているから、第3歯車220とともにピストン部材126も回転する。このとき、第2ピストン124は回り止め部244によって軸方向まわりの回転が規制されている。そのため、筒状歯車122と第2ピストン124とのねじ係合部242によって、筒状歯車122の回転が第2ピストン124の前進に変換される。
こうして、ピストン部材126の長さが軸方向に拡張される。ピストン部材126が長くなることにより、パッド116またはディスクロータ112の摩耗により生じた隙間が埋められ、第2ピストン124の軸方向位置が第2パッド116bに追従した位置へと修正される。なお、こうした運動変換機構は、上述の機構に代えて、摩耗量で変化したピストン位置を補正するための公知の機構を適宜採用することができる。
図13、図14は、本発明の一実施形態に係るブレーキパッド摩耗調整機構200の動作を説明するための図である。図9、図13、及び図14を参照して、摩耗調整機構200の動作を説明する。図9は上述のように駐車ブレーキの動作状態を示しており、最大限動作した状態のトグルリンク130が示されている。図13は通常のブレーキ(サービスブレーキ)を示しており、図9に示す駐車ブレーキ状態からいくらか制動力が低減されるよう動作したトグルリンク130が示されている。図14は、ブレーキが解除され摩耗調整動作がなされているときのトグルリンク130が示されている。なお図9、図13、及び図14に示すトグルリンク130の動作状態はそれぞれ、図8、図7、及び図6に対応する。
倍力機構としてのトグルリンク130の揺動角度範囲(連結点150の可動範囲)は、ブレーキ範囲と非ブレーキ範囲とに区分けされる。ブレーキ範囲においてはトグルリンク130により増幅された押付力がパッド116とディスクロータ112との間に作用する。非ブレーキ範囲においてはパッド116とディスクロータ112とが離隔され、押付力は作用しない。
非ブレーキ範囲に比べてブレーキ範囲は、ピストン部材126の軸線とトグルリンク130の第1リンク132とがなす角度α0が小さい。ブレーキ範囲は例えば、角度α0が0°ないし15°のときであり、非ブレーキ範囲は例えば、当該角度が15°ないし30°のときである。
さらに、ブレーキ範囲は、駐車ブレーキ範囲と通常ブレーキ範囲とに区分けされる。既述のように駐車ブレーキ範囲のほうが通常ブレーキ範囲よりも角度αiが大きい(すなわち、角度α0が小さい)。よって、ブレーキを解除するためにトグルリンク130の締め付け力を開放する側に動かしていくときに、トグルリンク130はこれらの領域を順に経ていく。トグルリンク130の操作により、駐車ブレーキ、通常ブレーキ、及びブレーキ非作動という3つの状態を継ぎ目なく移行することができる。
図9に示されるように、駐車ブレーキ状態においては、トグルリンク130は下がっており、ピストン部材126が第2パッド116bに強く押し付けられ、それによってパッド116とディスクロータ112との間に強い押付力が生じている。このときトグルリンク130の第1リンク132と第1歯車202とは接触せずに離れている。ブレーキパッド摩耗調整機構200が作動状態にある場合、第1歯車202は噛み合い位置に位置決めされており、第2歯車204と噛み合っている。図10を参照して説明したように、第1歯車202が台座214に当接することにより、第1歯車202の初期の位相が確保されている。トグルリンク130をブレーキ解除方向に揺動させることにより(図において第1リンク132を上方に揺動させることにより)、駐車ブレーキから通常ブレーキへと移行する。
図13に示されるように、通常ブレーキ状態においてトグルリンク130をブレーキ解除方向に更に揺動させることにより、トグルリンク130が第1歯車202に当接する。具体的には、トグルリンク130の第1リンク132が第1歯車202のリンク当接面210に接触して押し当てられる。
このようにしてトグルリンク130と第1歯車202とが接触したときのトグルリンク130の揺動角度を、第1揺動角度と呼ぶこととする。第1揺動角度が非ブレーキ範囲に含まれるようにトグルリンク130は構成されている。第1歯車202は、非ブレーキ範囲においてトグルリンク130の揺動に連動して回転するよう配設されている。そのため、トグルリンク130がブレーキ解除方向に揺動される場合にトグルリンク130が第1歯車202に接触したときには既に、パッド116とディスクロータ112とが離隔されて押付力が解除されている。
図14に示されるように、トグルリンク130をブレーキ解除方向に更に揺動させることにより、トグルリンク130は第1揺動角度よりも大きい第2揺動角度まで移動させられる。トグルリンク130が第1揺動角度から第2揺動角度まで移動させられる間に、トグルリンク130が第1歯車202に当接した状態で第1歯車202が回転させられる(矢印D)。
第1歯車202の回転に連動して、第1歯車202と噛み合っている第2歯車204が回転させられる(矢印E)。第2歯車204の回転に連動して、第2歯車204と噛み合っている筒状歯車122が回転させられる(矢印F)。筒状部材122の回転に連動して、図12を参照して説明したように、ピストン部材126の長さが軸方向に拡張される。こうして、ディスクブレーキ100における摩耗量が調整される。
このようにして、トグルリンク130の揺動角度範囲のうち非ブレーキ範囲に、摩耗量調整動作のための揺動範囲が含まれている。よって、ブレーキを解除するためにトグルリンク130の締め付け力を開放する側に動かしていくときに、駐車ブレーキ、通常ブレーキ、及び摩耗量調整動作という3つの動作状態を順に経ていく。
したがって、ディスクブレーキ100においては、トグルリンク130への操作量を制御することで、ブレーキ解除から摩耗量調整動作へと継ぎ目なく操作することができる。ディスクブレーキ100においては、駐車ブレーキ、通常ブレーキ、摩耗量調整動作、及びブレーキ非作動状態を、トグルリンク130への操作量を制御することで継ぎ目なく操作することができる。
図15及び図16は、調整機構200の作動と非作動とを切り替えるための切替機構300を説明するための図である。図15及び図16には、調整機構200の切替機構300の概略を示す。図15には調整機構200を作動とするときの切替機構300の動作状態を示し、図16には調整機構200を非作動とするときの切替機構300の動作状態を示す。
切替機構300は、第1歯車202を非噛み合い位置と噛み合い位置とに変位させるよう構成されている。この切替機構300は、押込部材215と、第1歯車202のための位置決め部材である台座214とを備える。押込部材215は、パッド116またはディスクロータ112の摩耗によって筒状歯車122に追従して前進するよう構成されている。そのために、押込部材215を筒状歯車122の軸方向後端面に向けて付勢するためのスプリング等の付勢部材252が設けられている。この付勢部材252は、調整機構200のための支持部材254(例えば第1プレート222)と押込部材215との間に取り付けられている。支持部材254は例えば、ハウジング218、第1プレート222、及び第2プレート224を含む。
また、台座214は、付勢による押込部材215の前進力を受けて、調整機構200の歯車機構の少なくとも1つの歯車(例えば第1歯車202)を非噛み合い位置から噛み合い位置に変位させるために設けられている。第1歯車202を非噛み合い位置に付勢するためのスプリング等の付勢部材256が台座214に取り付けられている。この付勢部材256は、調整機構200の歯車機構の支持部材254(例えば第1プレート222またはハウジング218)と台座214との間に取り付けられている。
台座214は、押込部材215から台座214に作用する力を第1歯車202の変位方向に向けるための台座当接面258を備える。また、押込部材215は、台座214を押すために台座当接面258に対向する押込部材当接面260を備える。押込部材当接面260は押込部材215の当接部230の上端に形成されており、台座当接面258は台座214の下端に形成されている。図示されるように、押込部材215と台座214との当たり面が同じ角度の斜面となっている。
なお代案として、非噛み合い位置に付勢するための付勢部材256は、第1歯車202に取り付けられていてもよい。この場合、付勢部材256は、第1歯車202と支持部材254との間に取り付けられていてもよい。また、押込部材215から台座214に作用する力を第1歯車202の変位方向に向けるための当接面は、押込部材215及び台座214の一方のみに設けられていてもよい。
押込部材215のための付勢部材252のほうが、台座214のための付勢部材256よりも大きい付勢力を出すように、各付勢部材は設定されている。つまり、付勢部材が例えばスプリングである場合には、押込部材215を筒状歯車122に押し当てるためのスプリングは、台座214を非噛み合い位置へと変位させるためのスプリングよりも強いものが選択される。また、これら2つのスプリングに比べて、第1歯車202に初期位相を与えるためのスプリングは弱いものが選択される。
パッド116またはディスクロータ112が制動により摩耗したときには、図15に示されるように、筒状歯車122と第2プレート224との間に隙間Gが生じる。この隙間Gを押込部材215が移動する。付勢部材252によって押込部材215は筒状歯車122に接するまで押し付けられ、ピストン部材126の軸方向Xに沿って押し込まれている。
筒状歯車122と第2プレート224との隙間Gが拡大することにより、押込部材当接面260が台座当接面258に当たる。そのとき押込部材215と台座214との間には隙間はなく、台座214は押込部材215に対し動くことができない。当接面が斜面であることにより押込部材215によって台座214が押され、それに連動して第1歯車202が第2歯車204との噛み合い位置へと変位される。第1歯車202は、第1歯車支持孔234に案内されて(図11参照)、非噛み合い位置から噛み合い位置へと変位される。こうして、調整機構200は作動状態に切り替えられる。押込部材215と台座214との当たり面が斜面となっていることにより、調整機構200の作動と非作動との切り替えを途中の引っかかり等なくスムーズに行うことができる。
図16に示されるように、摩耗量調整動作の終了後、あるいは、パッド116またはディスクロータ112に摩耗のない初期状態においては、筒状歯車122によって押込部材215は第2プレート224まで押し戻される。押込部材215は第2プレート224と筒状歯車122とに挟まれている。押込部材215と台座214との当接が解除される。台座214のための付勢部材256によって、矢印Hで示すように、台座214が移動される。台座214は、台座支持孔236(図11参照)まわりに回動する。台座214に連動して、第1歯車202は第1歯車支持孔234(図11参照)に案内されて、噛み合い位置から非噛み合い位置へと変位される。こうして、調整機構200は非作動状態に切り替えられる。図16には比較のために、図15に示す台座214の位置を破線で示す。
以上説明した構成を備えるディスクブレーキ100の動作を、摩耗量の調整を中心に説明する。まず、パッド116またはディスクロータ112に摩耗がないとき(または前回の摩耗調整動作が終了した後)は、押込部材215は第2プレート224によって規定される軸方向後端位置にある。そのため、台座214及び第1歯車202は非噛み合い位置に位置決めされている。つまり調整機構200は切替機構300によって非作動状態に切り替えられている。
調整機構200が非作動状態にあるときにブレーキ操作がなされ、そのブレーキ操作が解除されても、調整機構200は作動しない。トグルリンク130が第1歯車202に当接しても、第1歯車202は第2歯車204と噛み合っていないため空回りする。トグルリンク130の揺動による第1歯車202の回転は、第2歯車204には伝達されない。よって、ピストン部材126の軸方向長さも変化せずに保たれる。
パッド116またはディスクロータ112の摩耗がある程度進むと、通常のディスクブレーキと同様に第2パッド116bに追従してピストン部材126が前進させられる。ピストン部材126の筒状歯車122の前進に押込部材215も追従する。押込部材215のための付勢部材252によって押込部材215は筒状歯車122の軸方向後端面へと付勢され、押込部材215の当接部230が台座214に接近する。そうして、押込部材215の押込部材当接面260が台座当接面258に当たり、台座214が押込部材215によって移動される。台座214によって第1歯車202が押されて、第1歯車202は第2歯車204との噛み合い位置へと移動される。このようにして、調整機構200は切替機構300によって作動状態に切り替えられる。
調整機構200が作動状態にある場合にブレーキ操作がなされてそのブレーキ操作が解除されるときに、調整機構200が作動する。トグルリンク130の当接により第1歯車202は回転し、その回転が第2歯車204を介して筒状歯車122に伝達される。筒状歯車122即ちピストン部材126の回転は、ピストン部材126に内蔵されている運動変換機構によってピストン部材126の軸方向長さの拡張へと変換される。こうして、パッド116またはディスクロータ112の摩耗によって生じた隙間が、ピストン部材126の長さの増加によって埋められる。調整機構200の摩耗調整動作は終了する。
調整機構200の摩耗調整動作が終了したとき、ピストン部材126が軸方向に延びたことにより押込部材215は第2プレート224に向けて後方に押される。押込部材215と台座214との接触が解除される。台座214の初期位置への位置決めのための付勢部材256によって、台座214は初期位置(図16に実線で示す台座214の位置)へと移動される。台座214の移動に従って、第1歯車202は噛み合い位置から非噛み合い位置へと案内される。第1歯車202は第2歯車204から離れ、これら2つの歯車は噛み合わなくなる。このようにして、調整機構200は切替機構300によって非作動状態に切り替えられる。調整機構200は、パッド摩耗調整量(すなわちピストン部材126の長さ増加量)を保持したまま、もとの状態へと復帰する。更なる摩耗の進展によって同様の調整動作が繰り返される。
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、パッド116またはディスクロータ112の摩耗を補償するための調整機構200を備えるトグルリンク駆動型のディスクブレーキ100が提供される。トグルリンク130の運動に摩耗調整動作を連動させたことにより、ブレーキ操作から調整動作へと継ぎ目なく操作することができる。また、制動力が解除されているトグルリンク130の揺動角度範囲に調整動作を組み入れたことにより、駐車ブレーキ、通常ブレーキ、摩耗量調整、ブレーキ非作動と継ぎ目なく操作することができる。駐車ブレーキ、通常ブレーキ、及び摩耗量調整という3つの機能を、トグルリンク130を含む1つの共通の操作系によって提供することができる。
また、調整機構200は、平歯車(第1歯車202)、内歯車(第2歯車204)、及び筒状歯車(筒状歯車122)からなる歯車機構を備える。こうした歯車機構によって、比較的単純な構成で確実にトグルリンク130の運動をピストン部材126へと伝えることができる。
更に、摩耗量に応じて調整機構200の作動と非作動とを切り替える切替機構300によって、適時に摩耗量を調整することができる。ある程度摩耗が進んだときに調整機構200が作動され調整動作が行われる。調整動作が終了したら調整機構200は非作動に切り替えられ、それ以上過剰に調整されることがない。また、押込部材215と台座214との間に斜めの当たり面を形成したことにより、切替機構300による作動と非作動との切替動作をスムーズに行うことができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
上述の実施の形態においては、切替機構300は摩耗の進展によって機械的に動作するよう構成されている。これに代えて、切替機構300は、例えば押込部材215、台座214、または第1歯車202を駆動可能に連結されているアクチュエータによって動作するよう構成されていてもよい。この場合例えば、アクチュエータは、調整機構200による調整動作の要否を表す信号に応答し、押込部材215、台座214、または第1歯車202を駆動して、調整機構200の作動と非作動とを切り替えてもよい。
また、第1歯車202がトグルリンク130の第1リンク132によって回転させられることに代えて、調整機構200は、第1歯車202がトグルリンク130の第2リンク134との当接により回転させられるよう構成されていてもよい。また、トグルリンク130が第1歯車202に直に当接することに代えて、調整機構200は、トグルリンク130の運動を第1歯車202に伝達するための要素をトグルリンク130と第1歯車202との間に備えてもよい。
なお、上述のディスクブレーキは、車両だけではなく、産業用の設備において制動力が必要な用途にも適用できる。
100 ディスクブレーキ、 112 ディスクロータ、 116 パッド、 122 筒状部材、 123 第1ピストン、 124 第2ピストン、 126 ピストン部材、 130 トグルリンク、 132 第1リンク、 134 第2リンク、 150 連結点、 200 摩耗調整機構、 202 第1歯車、 204 第2歯車、 214 台座、 215 押込部材、 220 第3歯車、 258 台座当接面、 260 押込部材当接面、 300 切替機構。

Claims (7)

  1. 互いに連結されている第1リンクと第2リンクとを含み、該第1リンクと該第2リンクとの連結点への入力を増幅して出力するトグルリンクと、
    前記トグルリンクに連結されており、前記トグルリンクの出力を受けて軸方向に移動可能であるピストン部材であって、ブレーキパッドに当接して該ブレーキパッドをディスクロータに前進させるためのピストンを含むピストン部材と、
    前記ブレーキパッドまたは前記ディスクロータの摩耗により生じた隙間を調整するための調整機構であって、前記ピストン部材の前記軸方向まわりの回転を前記ピストンの前記軸方向の変位に変換することにより前記ピストン部材の軸方向長さを拡張するよう構成されている調整機構と、を備え、
    前記調整機構は、前記連結点のブレーキ解除方向の移動に連動して回転するよう配設されている第1歯車と、前記第1歯車の回転を前記ピストン部材に出力するための最終歯車と、を含む歯車機構を備えることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記第1歯車は、前記トグルリンクの前記第1歯車への当接により回転させられるように、前記トグルリンクの動作面に交差して配設されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記トグルリンクの揺動角度範囲は、前記ブレーキパッドと前記ディスクロータとの間に押付力が作用するブレーキ範囲と、前記押付力が解除される非ブレーキ範囲と、を含み、
    前記第1歯車は、前記非ブレーキ範囲において前記トグルリンクの揺動に連動して回転するよう配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記歯車機構は、前記第1歯車の回転を前記最終歯車に伝達するための少なくとも1つの中間歯車を備え、該少なくとも1つの中間歯車は、前記第1歯車及び前記最終歯車を囲む内歯車を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスクブレーキ。
  5. 前記ピストン部材は、前記軸方向に延びており一端にて前記ピストンに螺合する筒状部材を備え、前記ピストンは、前記筒状部材に対する前記軸方向まわりの相対回転が規制されており、
    前記最終歯車は、前記筒状部材に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスクブレーキ。
  6. 前記第1歯車を噛み合い位置と非噛み合い位置とに切り替えるための切替機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスクブレーキ。
  7. 前記切替機構は、前記第1歯車のための位置決め部材と、該位置決め部材に隣接して配置されており、前記ピストンの前進方向に向けて前記ピストン部材に接するよう付勢されている押込部材と、を備え、
    前記押込部材が前記位置決め部材に当接することにより前記位置決め部材が前記第1歯車を前記非噛み合い位置から前記噛み合い位置へと変位させるように、前記押込部材及び前記位置決め部材の少なくとも一方は、前記押込部材から前記位置決め部材に作用する力を前記第1歯車の変位方向に向けるための当接面を備えることを特徴とする請求項6に記載のディスクブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113457753A (zh) * 2021-06-29 2021-10-01 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 一种便移生物安全柜

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