JP2012158543A - スルフォラン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スルフォラン化合物の工業的に有利な製造方法を提供する。
【解決手段】共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて得たスルフォレン化合物を水素化触媒の存在下で水素化し式(3)で表されるスルフォラン化合物を得る製造方法。
Figure 2012158543

式(3)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、スルフォラン化合物の製造方法に関する。
スルフォラン化合物は、ベンゼン、トルエンやキシレンなどの抽出溶媒、液晶や半導体製造用の溶媒、芳香族化合物の反応溶媒および有害生物防除剤の製造中間体などに用いられている。
スルフォラン化合物の製造方法としては、ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて、スルフォレン化合物とした後、スルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る方法が挙げられる。しかしながら、スルフォレン化合物の水素化反応においては、スルフォレン化合物の原料である二酸化硫黄が残存すると、水素化反応に用いる金属触媒等の水素化触媒を被毒するため、水素化反応に時間を要したり、多量の水素化触媒を追加する必要があったりするなどの不具合があった。そこで、スルフォラン化合物の製造方法として、ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させてスルフォレン化合物とした後、反応系内に残存する二酸化硫黄を、水素化反応前に、不活性ガスを導入して除去する方法が提案されている(特許文献1)。
特開平6−321936号公報
本発明は、工業的に有利な方法により、スルフォラン化合物を高い収率で得ることができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を得る工程1と、液温度が20〜150℃の下記式(2)で表されるスルフォレン化合物溶液中に、下記式(2)で表されるスルフォレン化合物100gに対して15〜2500mL/minの空気を10〜360分導入して残存二酸化硫黄を除去する工程2と、下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を水素化触媒の存在下で水素化する工程3とを有する下記式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法である。
Figure 2012158543
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 2012158543
式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
Figure 2012158543
式(3)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
以下に本発明を詳述する。
特許文献1では、二酸化硫黄を除去するために、不純物除去用容器が設置され、窒素等の不活性ガスで加圧することが記載されている。二酸化硫黄の除去において、一般的に、不活性ガスを用いる理由としては、例えば、不活性ガスに代えて、空気を用いた場合、二酸化硫黄の酸化などにより、硫酸等、スルフォレン化合物の水素化反応を阻害しやすい化合物の生成を防止することが考えられる。しかし、特許文献1に開示された方法では、加圧に耐える不純物除去用容器や不活性ガスの供給設備が必要であり、経済的に負担が大きい。
本発明者らは、不活性ガスの代わりに特定の条件で空気を導入することにより、不純物除去容器やガスの供給設備を必要とせずに二酸化硫黄を充分に除去することができ、工業的に有利な方法により、スルフォラン化合物を高い収率で得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法は、前記式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて前記式(2)で表されるスルフォレン化合物を得る工程1を有する。
前記式(1)においてR〜Rで示される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
前記式(1)で表される共役ジエン化合物としては、具体的には例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−tert−ブチル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジブチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、3−メチル−2,4−ヘキサジエン、3−ヘキシル−2,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、3,5−オクタジエン、3−メチル−3,5−オクタジエン、3,6−ジメチル−3,5−オクタジエン、4,5−ジメチル−3,5−オクタジエン、4,6−デカジエン、5−メチル−4,6−デカジエン、5,6−ジメチル−4,6−デカジエンなどが挙げられる。
前記工程1における共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応において、二酸化硫黄の使用割合は特に限定されないが、共役ジエン化合物1モルに対して、0.5〜10モルの割合であることが好ましく、0.75〜5モルの割合であることがより好ましい。前記二酸化硫黄の使用割合が0.5モル未満の場合は、式(2)で表されるスルフォレン化合物(以下、単にスルフォレン化合物ともいう)の収率が低下するおそれがある。前記二酸化硫黄の使用割合が10モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記工程1における共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応において、重合禁止剤を添加してもよい。前記重合禁止剤としては、例えば、t−ブチルアルコール、フェロセンなどが挙げられる。
前記式(2)で表されるスルフォレン化合物の具体例としては、例えば、3−スルフォレン、3−メチル−3−スルフォレン、3−エチル−3−スルフォレン、3−プロピル−3−スルフォレン、3−ブチル−3−スルフォレン、3−イソブチル−3−スルフォレン、3−tert−ブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−3−スルフォレン、3,4−ジメチル−3−スルフォレン、3,4−ジエチル−3−スルフォレン、3,4−ジブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−4−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,3,5−トリメチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−ヘキシル−3−スルフォレン、2,3,4,5−テトラメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3,4−ジメチル−3−スルフォレンなどが挙げられる。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法は、液温度が20〜150℃の下記式(2)で表されるスルフォレン化合物溶液中に、前記式(2)で表されるスルフォレン化合物100gに対して15〜2500mL/minの空気を10〜360分導入して残存二酸化硫黄を除去する工程2を有する。
なお、Nを99%以上含有する窒素ガスは、本明細書における「空気」には含まれない。また、ボンベ等の貯蔵容器を必要とするガスも、本明細書における「空気」には含まれない。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法において、スルフォレン化合物溶液に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノールなどのアルコール類や、スルフォラン、2−メチルスルフォラン、3−メチルスルフォラン、3−エチルスルフォランなどのスルホン化合物や、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機アミド化合物や、水などが挙げられる。これらの中でも、価格や扱いやすさの観点から、水が好適に用いられる。
前記溶媒の使用量は特に限定されないが、スルフォレン化合物100重量部に対して、10〜8000重量部であることが好ましく、20〜4000重量部であることがより好ましい。前記溶媒の使用量が10重量部未満の場合は、原料が析出するなどして反応が円滑に進まず収率が低下するおそれがある。前記溶媒の使用量が8000重量部を超える場合は、容積効率が悪くなり使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記スルフォレン化合物溶液に導入する空気の導入速度は、スルフォレン化合物100gに対して、15〜2500mL/minであり、好ましくは500〜1600mL/minである。前記空気の導入量が15mL/min未満の場合は、二酸化硫黄の除去に時間がかかったり、スルフォレン化合物を水素化する反応を阻害する硫酸などの生成物が生成したりする。前記空気の導入量が2500ml/minを超える場合は、使用量に見合う効果がない。
前記空気の導入時間は、10〜360分であり、好ましくは30〜240分である。前記空気の導入時間が10分未満の場合、二酸化硫黄の除去が不充分となる。前記空気の導入時間が360分を超える場合、スルフォレン化合物を水素化する反応を阻害する硫酸などの生成物を生成するおそれがあり、導入時間に見合う効果がない。
前記スルフォレン化合物溶液に空気を導入する際の液温度は、20〜150℃であり、好ましくは30〜50℃である。前記液温度が20℃未満の場合は、二酸化硫黄の除去に時間がかかったり、水素添加反応を阻害する硫酸などの生成物を生成したりする。前記液温度が150℃を超える場合、スルフォレン化合物が分解するおそれがあり、また副反応の進行が早まりpHが低下したり、スルフォレン化合物を水素化する反応を阻害する硫酸などを生成したりする。
前記スルフォレン化合物溶液に、空気を導入する方法としては、例えば、反応容器内にパスツールピペットのような円筒から空気を導入させる方法などを挙げることができる。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法は、前記式(2)で表されるスルフォレン化合物を水素化触媒の存在下で水素化する工程3を有する。
前記工程3において、前記スルフォレン化合物を水素化する方法としては、例えば、水素化触媒の存在下にて、反応容器内に水素ガスを導入し、水素雰囲気下で反応させる方法を挙げることができる。
前記水素化触媒としては、一般的に接触水素化反応に用いられるものであれば限定されないが、例えば、ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよび白金などの金属や金属化合物を用いることができ、これらの形態としては、例えば、これらを微粉状の粉体としたもの、活性炭、酸化アルミニウム、シリカゲル、珪藻土やゼオライトなどの担体に担持させたもの、ホスフィン、アミンなどとの錯体としたものなどが挙げられる。具体的には例えば、ラネーニッケル、ニッケル炭素、パラジウム炭素、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ルテニウム炭素、ロジウム炭素および白金炭素などが挙げられる。これら水素化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記水素化触媒の使用量は特に限定されないが、スルフォレン化合物100重量部に対して、0.1〜6.0重量部であることが好ましく、0.2〜3.0重量部であることがより好ましい。前記水素化触媒の使用量が0.1重量部未満の場合は、反応が充分に完結せず、スルフォラン化合物の収率が低下するおそれがある。前記水素化触媒の使用量が6.0重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記反応容器内の圧力は、通常、水素雰囲気で0.1〜6MPaである。なお、本明細書において反応容器内の圧力は、大気圧を基準とする(大気圧を0とする)ゲージ圧で表す。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応温度は、0〜150℃であることが好ましく、15〜100℃であることがより好ましい。前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応温度が0℃未満の場合は、反応が不充分で収率が低下するおそれがある。前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応温度が150℃を超える場合は、スルフォレン化合物が分解し、副生成物が生成するなどして収率が低下するおそれがある。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応時間は、反応温度などにより異なるが、通常50〜300分である。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応後、反応容器内に残存する水素ガスなどをパージし、反応液を濾過後、溶媒を減圧蒸留して除去することで、式(3)で表されるスルフォラン化合物が得られる。
式(3)で表されるスルフォラン化合物としては、スルフォラン、3−メチルスルフォラン、3−エチルスルフォラン、3−プロピルスルフォラン、3−ブチルスルフォラン、3−イソブチルスルフォラン、3−tert−ブチルスルフォラン、3−ヘキシルスルフォラン、3,4−ジメチルスルフォラン、3,4−ジエチルスルフォラン、3,4−ジブチルスルフォラン、3−ヘキシル−4−メチルスルフォラン、2,5−ジメチルスルフォラン、2,3,5−トリメチルスルフォラン、2,5−ジメチル−3−ヘキシルスルフォラン、2,3,4,5−テトラメチルスルフォラン、2,5−ジエチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2−メチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチルスルフォラン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチルスルフォラン、2,5−ジプロピルスルフォラン、2,5−ジプロピル−3−メチルスルフォラン、2,5−ジプロピル−3,4−ジメチルスルフォランなどが挙げられる。
本発明によれば、工業的に有利な方法により、スルフォラン化合物を高い収率で得ることができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(スルフォレン水溶液の調製)
撹拌機、温度計、圧力計および加熱器を備え付けた2L容のステンレス製オートクレーブに、フェロセン0.744g(4mmol)を仕込み、二酸化硫黄308gを充填した。次に、オートクレーブを100℃に昇温し、1,3−ブタジエン216g(4.0mol)を、ポンプを用いて1.52g/minの速度で注入した後、100℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は2.7〜0.7MPaであった。
次いで、オートクレーブ内を放圧した後、溶媒として水を600g添加し、60℃に冷却した後、重合物を濾過することにより、3−スルフォレン水溶液を得た。得られた3−スルフォレン水溶液1012g中の3−スルフォレンを高速液体クロマトグラフィーの絶対検量線法により定量したところ、含有量は412g(3.48mol)であり、収率は87%であった。また、得られた3−スルフォレン水溶液中の二酸化硫黄の残存量をイオンクロマトフラフィーの絶対検量線法により定量したところ、30.74gであり、濃度は3.04重量%であった。
(残存二酸化硫黄の除去)
次に、攪拌機、圧力計、温度計、加熱器および内径が1mmである空気の吹き込み管を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、得られた3−スルフォレン水溶液150g(3−スルフォレン濃度40.71重量%)を仕込んだ。液温度を40℃まで昇温させた後、空気の吹き込みを導入速度700mL/minで開始した。空気の吹き込み開始から180分後にサンプリングを行い、イオンクロマトグラフィーにより二酸化硫黄の残存率を測定した。その結果、残存二酸化硫黄は8ppmであった。
(スルフォラン化合物の作製)
残存二酸化硫黄を除去した3−スルフォレン水溶液に水を添加して、濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、水素化触媒としてラネーニッケル触媒0.48gを加えた。オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して3−スルフォレンの水素化反応を開始させた。なお、反応温度は30〜40℃の範囲とした。反応終了まで、水素を補充して圧力を保った。反応開始後120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーにより3−スルフォレンの消失を確認した時点を反応終点とした。その結果、反応開始から反応終了までの反応時間は150分であった。反応終了後、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法によって水素化の反応率を測定したところ、99.8%であった。
その後、反応液中の金属触媒をろ過して取り除き、300mmHg、160℃で減圧蒸留を行い、水を留去した。次に、水を留去した反応液を5mmHg、135℃で減圧蒸留を行い、スルフォラン61.7g(0.70mol)を得た。
(実施例2)
空気の導入速度を250mL/minにした以外は、実施例1と同様にして残存二酸化硫黄の除去を行った。その結果、空気吹き込み開始から180分後の残存二酸化硫黄は56ppmであった。残存二酸化硫黄を除去した3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応時間は270分であり、反応終了後、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法によって水素化の反応率を測定したところ、99.7%であった。
また、実施例1と同様にして減圧蒸留を行い、スルフォラン61.1g(0.69mol)を得た。
(比較例1)
導入ガスを空気から窒素ガス(Nの含有量99%以上)に代えた以外は、実施例1と同様にして残存二酸化硫黄の除去を行った。その結果、空気吹き込み開始から180分後の残存二酸化硫黄は5ppmであった。残存二酸化硫黄を除去した3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応時間は150分であり、反応終了後、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法によって水素化の反応率を測定したところ、99.5%であった。
また、実施例1と同様にして減圧蒸留を行い、スルフォラン61.2g(0.69mol)を得た。
(比較例2)
導入ガスを空気から窒素ガス(Nの含有量99%以上)に代えた以外は、実施例2と同様にして残存二酸化硫黄の除去を行った。その結果、空気吹き込み開始から180分後の残存二酸化硫黄は45ppmであった。残存二酸化硫黄を除去した3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応時間は240分であり、反応終了後、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法によって水素化の反応率を測定したところ、99.5%であった。
また、実施例1と同様に減圧蒸留を行い、スルフォラン61.4g(0.70mol)を得た。
(比較例3)
空気の導入速度を10mL/minにした以外は、実施例1と同様にして残存二酸化硫黄の除去を行った。その結果、空気吹き込み開始から180分後の残存二酸化硫黄は2140ppmであった。得られた3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応は完結せず、反応開始から360分後の水素化の反応率は13%であった。
(比較例4)
空気の導入速度を2500mL/minにし、空気の導入時間を5分にした以外は、実施例1と同様にして残存二酸化硫黄の除去を行った。その結果、残存二酸化硫黄は1570ppmであった。得られた3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応は完結せず、反応開始から360分後の水素化の反応率は17%であった。
(比較例5)
空気の導入時間を450分にし、吹込み速度を280mL/minにした以外は、実施例1と同様にして残存二酸化硫黄の除去操作を行った。その結果、残存二酸化硫黄は2ppmであった。残存二酸化硫黄を除去した3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応は完結せず、反応開始から360分後の水素化の反応率は12%であった。
(比較例6)
液温度を18℃にした以外は、実施例1と同様にして残存二酸化硫黄の除去を行った。その結果、残存二酸化硫黄は996ppmであった。残存二酸化硫黄を除去した3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応は完結せず、反応開始から360分後の水素化の反応率は33%であった。
(比較例7)
液温度を160℃にした以外は、実施例1と同様にして残存二酸化硫黄の除去操作を行った。その結果、残存二酸化硫黄は76ppmであった。残存二酸化硫黄を除去した3−スルフォレン水溶液に水を添加して濃度が32重量%の3−スルフォレン水溶液とした後、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応は完結せず、反応開始から360分後の水素化の反応率は62%であった。
本発明によれば、工業的に有利な方法により、スルフォラン化合物を高い収率で得ることができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を得る工程1と、
    液温度が20〜150℃の下記式(2)で表されるスルフォレン化合物溶液中に、下記式(2)で表されるスルフォレン化合物100gに対して15〜2500mL/minの空気を10〜360分導入して残存二酸化硫黄を除去する工程2と、
    下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を水素化触媒の存在下で水素化する工程3とを有する
    ことを特徴とする下記式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法。
    Figure 2012158543
    式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
    Figure 2012158543
    式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
    Figure 2012158543
    式(3)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
  2. 式(1)におけるR〜Rは、水素原子であることを特徴とする請求項1記載のスルフォラン化合物の製造方法。
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