JP2012156622A - 圧電センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電体(10)と、この圧電体と相俟って超音波を送信或いは受信可能な振動子(2)を形成する振動板(20)と、振動子に生ずる機械的な振動の節近傍にてこの振動子を支持する台座(42)とを具備し、この台座は、振動の節近傍にて振動子に点接触、若しくは線接触、又は部分的に面接触してこの振動子を支持するリブ(46)と、振動の節近傍にてこのリブに並設され、振動子から離間してこの振動子を支持しない退避部(50)とを備える。
【選択図】図4
Description
詳しくは、圧電センサは圧電体を備え、この圧電体は機械エネルギーと電気エネルギーとを相互変換する機能を有しており(圧電効果、逆圧電効果)、例えば圧電体に電圧を印加すると、圧電体は伸縮する。
すなわち、例え振幅が零になる位置で台座を振動子に接触させても、これら台座と振動子との接触面積が大きくなると、台座が振動子の振動を阻害するため、スプリアスが生じて振動子の振動性能を悪化させるのである。
また、台座と振動子を接触させない状態にて接着剤で固定する方法もあるが、振動子を浮かす治具類などが必要となり、製造上煩雑になる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、振動子のスプリアスを低減できる圧電センサを提供することである。
ここで、この振動子は、その機械的な振動の節近傍にて台座に支持されるが、この台座は、振動子に点接触、若しくは線接触、又は部分的に面接触してこの振動子を支持するリブを備えている。このように、台座と振動子との接触面積を従来に比して小さくすれば、台座が振動子の振動を阻害せず、スプリアスを低減できる。この結果、振動子の振動性能が良好になり、圧電センサの信頼性向上に寄与する。
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、台座は、リブと退避部とを備え、このリブは、振動子に点接触、若しくは線接触、又は部分的に面接触してこの振動子を支持する。一方、退避部は、リブと同様に振動子の振動の節近傍に設けられるものの、振動子には接触せず、この振動子を支持しない。これにより、台座と振動子との接触面積が確実に小さくなり、スプリアスをより一層低減できる。
第3の発明によれば、第1や第2の発明の作用に加えてさらに、リブは、略円柱状に形成された台座の周方向でみると、略等間隔を存して3箇所配置されているため、振動子との接触面積を小さくしても、この振動子を安定して支持できる。また、リブ同士の間隔を同じにすれば、リブを単に3箇所設ける場合に比してリブを台座に設け易い。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、振動子に部分的に面接触するリブの場合には、その先端面を平坦状に形成すれば、台座が振動子の振動をより阻害しないことから、この点も振動子の振動性能の良好化に寄与する。
第5の発明によれば、第1から第4の発明の作用に加えてさらに、ケース側の振動が回路基板側に伝達するのを回避できるし、また、半田による回路基板やケースへのダメージを抑制できる。
図1は、本実施例の圧電センサ1を上方から視た外観斜視図であり、図2は、組み立て前の圧電センサ1を下方から視た分解斜視図である。そして、この圧電センサ1は、例えば自動ドア用の感知器に使用され、超音波を検出媒体とした非接触の検出センサである。
詳しくは、圧電セラミックス10は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス(PZT)等で構成され、ケース40の高さ方向(図1や図2の上下方向)に所定の厚みを有している(図3)。この圧電セラミックス10の形状については特に限定しないが、ここでは一例として略正方形の平板を挙げることができる。
また、圧電セラミックス10の上側には振動板20が重ね合わされている。
具体的には、この振動板20もケース40の高さ方向に所定の厚みを有した円形の平板であり(図3)、圧電セラミックス10の四隅を内接可能な大きさで形成されている。
一方、振動板20の表面22には金属製のホーン30が載置される(図3)。このホーン30は略すり鉢状に形成され、振動板20から離間する方向に拡開している。このホーン30の縮径した下端部分が振動板20の表面22の略中心位置に接着される。なお、図1で視えるホーン30の拡開した面には所定のコーティングが施されている。
具体的には、図3及び図2のケース40の平面図である図4に示されるように、まず、台座42は略円柱状に形成されており、振動子2を支持する上面44を備える。
詳しくは、図4に示されるように、支柱46は、台座42の周方向で視て中心角120度ずつの略等間隔を存して3箇所配置される。これら支柱46は小面積で平坦な先端面47を有し、この先端面47が圧電セラミックス10の他面14に面接触している。なお、本実施例の支柱46は上面44に一体形成されているが(図3)、この上面44とは別個に形成しても良い。
なお、圧電セラミックス10の幅方向や長さ方向に生ずる伸縮よりは小さいものの、この圧電セラミックス10の厚み方向にも伸縮は生じている。
図3に示される如く、この下面54の適宜位置には端子保持部56,56が形成され、断面円形状の端子80,82を保持して上記実装面に向けて突出させる。なお、端子80,82の形状は断面四角形状でもなんら差支えない。
本実施例の台座42は、その周縁近傍に保護部64,64を備えている(図4)。
詳しくは、図3〜図5に示される如く、本実施例の周壁70は、その下端74が台座42の下面54と略同じ高さに位置し、この下端74から上方に向けて延びている。そして、台座42の上面44や、振動子2及びホーン30の側方を覆ってさらに上方に延びており、その上端に円形の上方開口72を有している。
具体的には、本実施例の周壁70は導電線受容開口76,76を有している(図2)。導電線受容開口76,76は、上述した保護部64,64の位置に対応してそれぞれ設けられ(図3〜図5)、少なくとも各リード線16,26を受容可能な幅にて、上方開口72から下端74に至るまで周壁70の内周側と外周側とを貫通してそれぞれ形成されている。
一方、本実施例の導電線受容開口76,76は、振動子2やホーン30に対峙した位置に、ホーン窓部78,78をそれぞれ有している。
再び図2に戻り、当該圧電センサ1の組み立ては、まず、端子80,82を保持したケース40を準備し、リード線16,26を備えた振動子2を台座42に向けて下降させる。
続いて、振動子2を上面44に向けて降ろし、その振動子2の他面14を各支柱46にのみそれぞれ接触させ、2箇所の接着部52で振動子2を接着して固定する。
そして、リード線16を下面54の近傍にて端子80の周面81に巻き付けて半田86で固定し、また、リード線26も下面54の近傍で端子82の周面83に巻き付けて半田88で固定すると、振動子2と端子80,82とが導通される。
上述の如く構成された圧電センサ1は超音波を送受信することができ、スペーサ58,60が上記感知器の回路基板の実装面に載置され、端子80,82がその回路部分に電気的に接続される。
この圧電セラミックス10の幅方向や長さ方向の伸縮は、振動子2全体を撓ませる力になり、この振動子2の屈曲運動による機械的な振動によって超音波が生成される。なお、この生成された超音波はホーン30で増幅される。このように、圧電センサ1は、電気信号を超音波に変換し、この超音波を上方開口72側から物体に向けて送信できる。
この圧電センサ1は受信した超音波を電気信号に変換できる。詳しくは、圧電センサ1がホーン30を介して上記反射した超音波を受信すると、振動子2の屈曲運動に伴って圧電セラミックス10が伸縮し、電圧を得ることができるからである(圧電効果)。
そして、この圧電センサ1を用いた自動ドアの制御部では、ドアに接近する物体の有無やこの物体までの距離を検出でき、ドア開閉用のモータに駆動信号を出力可能になる。
ここで、この振動子2は、その機械的な振動の節近傍にて台座42に支持されるが、この台座42は、振動子2に部分的に面接触してこの振動子2を支持する支柱46を備えている。このように、台座42と振動子2との接触面積を従来に比して小さくすれば、台座42が振動子2の振動を阻害せず、スプリアスを低減できる。この結果、振動子2の振動性能が良好になり、圧電センサ1の信頼性向上に寄与する。
また、これら比較例1,2では、共振周波数では上向きのピークが現れず、この共振周波数よりもやや高域側(図6の共振周波数に対して右方)で上向きのピークが現れている。これは、本来共振周波数に対して生ずるべきピークが、上述した低域側で現れたピークの影響を受けてずれたためであると考えられる。
しかも、本実施例によれば、共振周波数にて上向きのピークが現れている。つまり、台座42が振動子2の振動を阻害せず、スプリアスが低減されていることが分かる。
さらに、本実施例では、振動子2から引き出されており、この振動子2と回路基板に接続する端子80,82とを導通させるリード線16,26と、端子80,82を保持する下面54とは反対側の上面44にて台座42を有したケース40とをさらに具備しており、この下面54には、これら下面54と回路基板との空間を確保するスペーサ58,60が設けられている。よって、ケース40側の振動が回路基板側に伝達するのを回避できるし、また、半田による回路基板やケース40へのダメージを抑制できる。
例えば、上記実施例の圧電センサは超音波を送受信可能に構成されているが、本発明の圧電センサは、送信或いは受信のいずれかの機能を有していても良い。また、上述した自動ドア用の感知器の他、物体の有無や物体までの距離の検出結果を用いて作動する種々のモジュールに搭載可能である。
しかし、本発明は、従来の如く筒状のリブや接着部による大きな接触面積ではなく、振動子2との接触面積を少なくすることを主眼としたものである。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、振動子のスプリアスを低減できるとの効果を奏する。
2 ユニモルフ振動子(振動子)
10 圧電セラミックス(圧電体)
16,26 リード線(導電線)
20 振動板
40 ケース
42 台座
44 上面
46 支柱(リブ)
47 先端面
50 切り欠き部(退避部)
52 接着部
54 下面
58,60 スペーサ
Claims (5)
- 圧電体と、
この圧電体と相俟って超音波を送信或いは受信可能な振動子を形成する振動板と、
前記振動子に生ずる機械的な振動の節近傍にてこの振動子を支持する台座と
を具備し、
この台座は、前記振動の節近傍にて前記振動子に点接触、若しくは線接触、又は部分的に面接触してこの振動子を支持するリブを備えることを特徴とする圧電センサ。 - 請求項1に記載の圧電センサであって、
前記台座は、
前記リブと、
前記振動の節近傍にてこのリブに並設され、前記振動子から離間してこの振動子を支持しない退避部と
を備えることを特徴とする圧電センサ。 - 請求項1又は2に記載の圧電センサであって、
前記台座は、略円柱状に形成され、前記リブは、この台座の周方向で視て略等間隔を存して3箇所配置されていることを特徴とする圧電センサ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電センサであって、
前記リブは、平坦状に形成され、前記振動子に面接触する先端面を有していることを特徴とする圧電センサ。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電センサであって、
前記振動子から引き出されており、この振動子と回路基板に接続する端子とを導通させる導電線と、
前記端子を保持する面とは反対側の面にて前記台座を有したケースとをさらに具備しており、
前記端子を保持する面には、この面と前記回路基板との空間を確保するスペーサが設けられていることを特徴とする圧電センサ。
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