JP2012156295A - 半導体装置の製造方法、半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高性能のトレンチゲート型のMOSFETを高い歩留まりで製造する。
【解決手段】まず、半導体基板11上において、その上のゲート電極が形成されるべき領域上に底部酸化膜層(底部絶縁層)12を形成する(図1(a):底部絶縁層形成工程)。この上に、シリコン単結晶である第2n−層(第2の半導体層)13を選択エピタキシャル成長させる(図1(b):第1成長工程)。この状態で、p層(第3の半導体層)14をエピタキシャル成長させる(図1(c):第2成長工程)。フォトレジストパターン201をマスクとして、シリコンに対する異方性エッチングを行う(図1(f):溝形成工程)。この異方性エッチングによって、底部酸化膜層12の上で、p層14の下側において第2n−層13が溝の内面において露出する。
【選択図】図1
【解決手段】まず、半導体基板11上において、その上のゲート電極が形成されるべき領域上に底部酸化膜層(底部絶縁層)12を形成する(図1(a):底部絶縁層形成工程)。この上に、シリコン単結晶である第2n−層(第2の半導体層)13を選択エピタキシャル成長させる(図1(b):第1成長工程)。この状態で、p層(第3の半導体層)14をエピタキシャル成長させる(図1(c):第2成長工程)。フォトレジストパターン201をマスクとして、シリコンに対する異方性エッチングを行う(図1(f):溝形成工程)。この異方性エッチングによって、底部酸化膜層12の上で、p層14の下側において第2n−層13が溝の内面において露出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置、特にトレンチゲート形状を具備するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の製造方法、及びこの半導体装置に関する。
MOSFETは、各種のスイッチング素子等として使用されている。その中でも、特に大電流で駆動される素子(パワーMOSFET)として、トレンチゲート構造のものが知られている。
トレンチゲート構造のMOSFETの断面構造の一例を図2に示す。この構造においては、MOSFETのドレインとして機能するn+(不純物濃度の高いn型)基板91上に、n−(不純物濃度の低いn型)層92、p層93が順次形成されている。この構造において、表面からp層93を貫通し、n−層92に達する形態の溝が形成され、溝の上端部に隣接するp層93中にn+層(ソース領域94)が形成される。この溝は、図2中において紙面に垂直な方向に延びて形成されており、図2はこの溝が延伸する方向に垂直な断面となっている。この溝の内部の表面全面には酸化膜層95が形成された上で、この溝は多結晶シリコンで構成されたゲート電極96で埋め込まれる。ソース領域94及びp層93の上面にはソース電極97が接続され、ソース電極97とゲート電極96とは層間絶縁層98で絶縁されている。また、n+基板91の裏面には、ドレイン電極99が形成されている。なお、溝の形態は任意であり、内部にゲート電極96等を形成できる構造であれば、例えば溝ではなく平面視でドット状の形状とすることもできる。
この構成においては、ゲート電極(ゲート)96に閾値以上の電圧を印加することによって、溝中においてゲート電極96と酸化膜層95を挟んで隣接したp層93(酸化膜層95と接する側)にn型のチャンネルが誘起され、MOSFETがオン状態となる。すなわち、この場合に、ソース電極97(ソース領域94)とドレイン電極99(ドレイン領域:n+基板91)間に電流が流れ、nチャンネルMOSFETとして動作する。この構造においては、ソース、ドレインと、これらの間のチャンネルが基板面と垂直方向に並んで形成されるため、小さな面積でもチャンネル領域を広くとることができ、ソースとドレイン間に大電流を流すことができる。このため、この構造は、パワーMOSFETとして特に好適である。
この際、溝の側面においては、酸化膜層95はMOSFETのゲート絶縁膜として機能するため、その厚さは50nm以下と薄くすることが必要である。一方で、良好なスイッチング特性を得るためには、ゲート電極96とドレイン(n+基板91)との間の容量(ミラー容量Crss)を小さくすることが必要となるため、溝の底部におけるこの膜厚を例えば100nm以上と厚くすることが必要となる。このため、溝の内部において、酸化膜層95は、側面で薄く、底部で厚い構成とされる。
一般に、図2の構造は、例えば図3にその工程断面図が示される製造方法によって得ることができる。ここでは、n+基板91上にn−層92、p層93を順次エピタキシャル成長させる(図3(a))。
次に、p層93の表面に局所的にソース領域94となるn層をイオン注入等によって形成する(図3(b))。その後、ソース領域94が形成された領域中において、ドライエッチングによって溝を形成する(図3(c))。その後、溝の内面全体に酸化膜層95を形成する(図3(d))。その後、ゲート電極96、層間絶縁層98、ソース電極97、ドレイン電極99を形成する(図3(e))。なお、酸化膜層95を形成する(図3(d))前に、溝の内部全体を酸化(犠牲酸化)し、溝内部の表面に形成された酸化膜を選択的にウェットエッチングで除去することができる。これにより、ドライエッチングによって形成された表面の欠陥層が除去され、結晶欠陥が少なくなったp層93上を用いて、より高性能のMOSFETを得ることができる。
次に、p層93の表面に局所的にソース領域94となるn層をイオン注入等によって形成する(図3(b))。その後、ソース領域94が形成された領域中において、ドライエッチングによって溝を形成する(図3(c))。その後、溝の内面全体に酸化膜層95を形成する(図3(d))。その後、ゲート電極96、層間絶縁層98、ソース電極97、ドレイン電極99を形成する(図3(e))。なお、酸化膜層95を形成する(図3(d))前に、溝の内部全体を酸化(犠牲酸化)し、溝内部の表面に形成された酸化膜を選択的にウェットエッチングで除去することができる。これにより、ドライエッチングによって形成された表面の欠陥層が除去され、結晶欠陥が少なくなったp層93上を用いて、より高性能のMOSFETを得ることができる。
図3(d)において、良好なトランジスタ特性を得るためには、少なくとも溝の側面の酸化膜層95は熱酸化法によって得ることが好ましいが、底面の厚い酸化膜層95を熱酸化で得ることは困難である。このため、例えば熱酸化法と、厚い酸化膜を形成することのできるCVD法を組み合わせて酸化膜層95を形成することが可能である。しかしながら、CVD法によって酸化膜層95を形成する場合、あるいは熱酸化とCVD法を組み合わせた場合においても、狭い溝の底部で酸化膜を厚く形成することは困難であり、むしろ底部で薄くなるのが一般的である。このため、実際には特許文献1に記載されるように、この製造方法によって図2の構造を高い歩留まりで製造することは困難である。あるいは、溝の底部の酸化膜層95を厚くすることが困難であるため、ゲートとドレイン間の容量(ミラー容量Crss)を小さくすることが困難である。
このため、溝を形成することによって図2の構造を得るのではなく、予め底部で厚い酸化膜を形成してから選択エピタキシャル成長を用いて図2の構造を得る製造方法が、特許文献2に記載されている。図4は、この製造方法の一部の工程断面図である。ここでは、まずn+基板91上に第1n−層921をエピタキシャル成長させ、厚い底部酸化膜層(底部絶縁層)951を、その上のゲート領域(前記の溝に対応する領域)にのみ形成する(図4(a))。次に、選択エピタキシャル成長により、第2n−層922、p層93を形成する(図4(b))。ここでは、第2n−層922、p層93は、底部酸化膜層951上には全く成長せず、第1n−層921の上のみに選択的にエピタキシャル成長する。このため、図中における両側の第2n−層922、p層93の間に前記と同様の溝が形成される。その後、ソース領域94を形成した後に、この溝中に薄いゲート酸化膜層952を前記の第1の酸化膜層95と同様に形成する(図4(c))。その後、ゲート電極96等を前記と同様に形成する。
この構造においては、ゲート電極96とn+基板91との間には厚い底部酸化膜層951が存在し、かつゲート電極96とp層93の側面との間には薄いゲート酸化膜層952が形成される。この際、底部酸化膜層951の膜厚は任意であり、第2n−層922等の成長前に充分厚く形成することが可能である。また、ゲート酸化膜層952の膜厚はこれと独立に設定することができる。すなわち、この製造方法によって、溝中において、底部で厚く、側面で薄い酸化膜を溝の中で形成することが可能である。
しかしながら、特許文献2には、図4(b)の選択エピタキシャル成長において、p層93が図中の上下方向だけでなく、横方向にも成長するという問題点があることも記載されている。このため、実際にはp層93の成長後には、図5に示されるように、第2n−層922の側面(溝の内部)においてもp層93が形成される。この場合、実際には溝の内部には第2n−層922が露出しておらず、底部酸化膜層951の上にp層93のみが露出した形態となる。p層93の横方向の成長は、その成長条件によって調整することが可能であるが、これを完全に抑制することは困難である。溝中における第2n−層922の側面のp層93はMOSFETの動作上においては障害となるために、少なくともゲート酸化膜層952を形成する前にはこれが存在していない状態とすることが必要である。
特許文献2には、このための第1の方法として、図5の状態から等方性エッチングを行うことにより、溝内部の第2n−層922の側面のp層93を除去することが記載されている。この製造方法の一部の工程断面図が図6である。ここでは、例えば反応性の強いガスを用いたCDE(Chemical Dry Etching)を行い、p層93をエッチングする(図6(a))。化学反応のみによってエッチングが行われるCDEによって、p層93は図中の下方向、横方向に等方的にエッチングされるため、溝内部の第2n−層922の側面のp層93を除去することができる(図6(b))。CDE以外にも、図5の構造全体を酸化(犠牲酸化)し、形成された酸化膜を選択的にウェットエッチングして除去することによっても、同様にこの工程を行うことができる。この場合には、この酸化膜の膜厚(酸化時間)は、この第2n−層922の側面のp層93の厚さに応じて設定される。これが厚い場合には、酸化とウェットエッチングを複数回ずつ行うことが必要である。
また、特許文献2には、第2の方法として、p層93が第2n−層の側面に成長することを抑制する技術が記載されている。この製造方法の一部の工程断面図が図7である。ここでは、第2n−層922を選択的にn+基板91上に成長させた(図7(a))後で、薄い酸化膜層101を全体に形成する(図7(b))。次に、第2n−層922の頂部における酸化膜層101を選択的に除去した(図7(c))後に、p層93を選択エピタキシャル成長させる(図7(d))。その後、ソース領域94を形成した(図7(e))後に、酸化膜層101をウェットエッチング等によって除去する(図7(f))ことにより、図3(c)の構造が得られる。酸化膜層101は、第2n−層922の頂部以外におけるp層93の成長を抑制するためだけに用いられる。このため、その厚さは底部酸化膜層951よりも充分薄くすることができ、酸化膜層101のみの除去は容易である。この製造方法においては、酸化膜層101によって、第2n−層922の側面へのp層93の成長が防止される。
また、特許文献2には、第3の方法として、第2n−層922の成長条件を調整することにより、その側面にp層93が成長することを抑制する技術が記載されている。この製造方法の一部の工程断面図が図8である。ここでは、底部酸化膜層951を第1n−層921上に形成した(図8(a))後で第2n−層922をエピタキシャル成長させる(図8(b))際の成長条件が前記と異なる。この場合の成長条件は、第1n−層921上には単結晶の第2n−層922がエピタキシャル成長するが、底部酸化膜層951の上には多結晶シリコン層102が形成される条件とする。更にこの上にp層93をエピタキシャル成長させる(図8(c))。この際、p層93は第2n−層922上にはエピタキシャル成長するが、多結晶シリコン層102の上には新たに多結晶シリコン層103が成長する。その後、ソース領域94を形成した(図8(d))後に、多結晶シリコン層103、102を例えばフッ硝酸等を用いたウェットエッチングによって選択的に除去することにより、図3(c)の構造が得られる(図8(e))。この製造方法においては、後で容易に除去できる多結晶シリコン層102、103が溝中に形成されるために、この構造を容易に得ることができる。
こうした製造方法を用いて、トレンチゲートを用いたMOSFETを製造することができる。
しかしながら、実際には選択的なエピタキシャル成長を用いた上記の製造方法によって図2に示される理想的な構造を得ることは困難である。
図6の製造方法(第1の方法)においては、p層93のエッチングは等方的に行われるために、第2n−層922の側面のp層93は容易に除去される。一方で、エッチングが等方的であるために、図6(b)に示されるように、溝の上端部がエッチングされ、その断面が丸みを帯びた形状となる。この箇所にはソース領域94が形成されるが、このために、この領域を所望の形状とすることが困難である。
図7の製造方法(第2の方法)においては、p層93を選択エピタキシャル成長させる場合(図7(d))においても、p層93はやはり横方向にも成長する。このため、やはりこの領域を所望の形状とすることは困難である。
図8の製造方法(第3の方法)においては、第2n−層922を成長させる際に、第1n−層921上では良質の単結晶となる第2n−層922を得ると共に、底部酸化膜層951の上では多結晶シリコン層102を成長させる(単結晶シリコンを成長させない)という成長条件を得ることが特に困難である。こうした構成は特に限定された成長条件でのみ実現される。このため、高い歩留まりでこの製造方法を実際に行うことは困難である。
このように、ミラー容量が小さく高性能のトレンチゲート型のMOSFETを高い歩留まりで製造することは困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の半導体装置の製造方法は、第1の導電型をもつ半導体からなりドレインとして機能する半導体基板上に、前記第1の導電型と逆の第2の導電型をもつ半導体層が形成された構造において、前記第2の導電型をもつ半導体層を貫通する溝が形成され、当該溝に隣接した前記第2の導電型をもつ半導体層の表面に前記第1の導電型をもつソース領域が形成され、ゲート酸化膜及びゲート電極が前記溝の中に埋め込まれて形成された構成を具備する半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板上における前記溝が形成されるべき領域において底部絶縁層を形成する底部絶縁層形成工程と、前記底部絶縁層が形成されていない前記半導体基板上に、前記第1の導電型をもつ第2の半導体層を、前記底部絶縁層よりも厚くエピタキシャル成長させる第1成長工程と、前記第2の半導体層上に、前記第2の導電型をもつ第3の半導体層を形成する第2成長工程と、前記第3の半導体層の表面において、少なくとも前記溝が形成されるべき領域の一部を含む領域に、前記第1の導電型をもつソース領域を形成するソース形成工程と、前記底部絶縁層が形成された領域において、前記第3の半導体層及び前記第2の半導体層が前記溝の内面において露出するように、前記第3の半導体等及び前記第2の半導体層を下方に異方性エッチングすることにより、前記溝を形成する溝形成工程と、前記溝の内部にゲート酸化膜、ゲート電極を順次形成するゲート形成工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記底部絶縁層の厚さを100nm以上とすることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記第2成長工程において、前記第3の半導体層は前記第2の半導体層上にエピタキシャル成長によって形成されることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記半導体基板は、前記第1の導電型をもつ高ドープ基板上に、当該高ドープ基板よりも前記第1の導電型の不純物濃度が低い低ドープ層がエピタキシャル成長した構成を具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記半導体装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、第1の導電型をもつ半導体からなりドレインとして機能する半導体基板上に、前記第1の導電型と逆の第2の導電型をもつ半導体層が形成された構造において、前記第2の導電型をもつ半導体層を貫通する溝が形成され、当該溝に隣接した前記第2の導電型をもつ半導体層の表面に前記第1の導電型をもつソース領域が形成され、ゲート酸化膜及びゲート電極が前記溝の中に埋め込まれて形成された構成を具備する半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板上における前記溝が形成されるべき領域において底部絶縁層を形成する底部絶縁層形成工程と、前記底部絶縁層が形成されていない前記半導体基板上に、前記第1の導電型をもつ第2の半導体層を、前記底部絶縁層よりも厚くエピタキシャル成長させる第1成長工程と、前記第2の半導体層上に、前記第2の導電型をもつ第3の半導体層を形成する第2成長工程と、前記第3の半導体層の表面において、少なくとも前記溝が形成されるべき領域の一部を含む領域に、前記第1の導電型をもつソース領域を形成するソース形成工程と、前記底部絶縁層が形成された領域において、前記第3の半導体層及び前記第2の半導体層が前記溝の内面において露出するように、前記第3の半導体等及び前記第2の半導体層を下方に異方性エッチングすることにより、前記溝を形成する溝形成工程と、前記溝の内部にゲート酸化膜、ゲート電極を順次形成するゲート形成工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記底部絶縁層の厚さを100nm以上とすることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記第2成長工程において、前記第3の半導体層は前記第2の半導体層上にエピタキシャル成長によって形成されることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記半導体基板は、前記第1の導電型をもつ高ドープ基板上に、当該高ドープ基板よりも前記第1の導電型の不純物濃度が低い低ドープ層がエピタキシャル成長した構成を具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記半導体装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、ミラー容量が小さく高性能のトレンチゲート型のMOSFETを高い歩留まりで製造することができる。
以下、本発明の実施の形態となる半導体装置の製造方法につき説明する。ここで製造される半導体装置は、トレンチゲート型のMOSFETである。このMOSFETは、エピタキシャル成長された半導体層に形成され、その基本的構造は図2に示されたものと同様である。
図1(a)〜(i)は、この半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1は、このトレンチゲート型MOSFETにおけるゲートが延伸する方向の溝に垂直な方向の断面図である。
まず、n+基板111上に第1n−層112をエピタキシャル成長させた構成の半導体基板11上において、その上のゲート電極が形成されるべき領域上に底部酸化膜層(底部絶縁層)12を形成する(図1(a):底部絶縁層形成工程)。n+基板111は、高濃度にドープされたn型のシリコン単結晶ウェハ(高ドープ基板)であり、nチャンネルMOSFETのドレインとして機能する。第1n−層112は、これよりも不純物濃度が低いn型シリコン層(低ドープ層)であり、通常のエピタキシャル成長によってこの上に形成される。
底部酸化膜層(底部絶縁層)12はSiO2で構成され、例えばCVD法等によって形成される。底部酸化膜層12を得るためには、まずSiO2を第1n−層12上の表面全面に形成する。その後でフォトリソグラフィによってフォトレジストパターンをこの上に形成し、これをマスクにしてSiO2のエッチングを行う。その後、フォトレジストパターンを除去することにより、図1(a)の形態とされる。底部酸化膜層12の膜厚は、例えば100nm以上と厚くする。
その後、この上に、シリコン単結晶である第2n−層(第2の半導体層)13を選択エピタキシャル成長させる(図1(b):第1成長工程)。この選択エピタキシャル成長においては、第1n−層12上に良質の単結晶からなるn型シリコンからなる第2n−層13が成長し、底部酸化膜層13上には何も成長しない成長条件が使用される。第2n−層13の不純物濃度は第1n−層112(低ドープ層)と同程度とする。
以上の工程については、従来の製造方法である図4(a)(b)と同様である。
次に、この状態で、p層(第3の半導体層)14をエピタキシャル成長させる(図1(c):第2成長工程)。p層14は低濃度のp型(半導体基板11と逆の導電型)にドープされた単結晶シリコンである。その成長条件としては、第2n−層13の上で良質なものが得られる条件を用いることができ、その他の条件は特に要求されない。このため、例えば横方向への成長が少ない条件とすることや、底部酸化膜層12上に成長しにくい条件を採用する必要はない。このため、その成長形状は、例えば図1(c)に示されるように、横方向に成長するために上部で繋がったブリッジ状となってもよく、あるいは、底部酸化膜層12上に多結晶のp型シリコンが形成される条件でもよい。
次に、イオン注入等を用いて、p層14の表面の溝となるべく領域を含む領域にソース領域15を形成する(図1(d):ソース形成工程)。この工程は、例えばフォトレジストをマスクとしてイオン注入を行うことによって行われる。このソース領域15は、MOSFETのソースとして機能する。なお、ソース領域15の平面視における形状は、半導体基板11をドレインとした場合にソース領域15をドレイン側として使用できる形状であればよい。このため、ソース領域15の平面視における形状は、少なくとも溝が形成されるべき領域の一部が含まれるような形状であればよい。
次に、ゲートが形成されるべき領域(溝となる部分)が開口されたフォトレジストパターン201をフォトリソグラフィによって形成する(図1(e):溝形成工程)。
次に、このフォトレジストパターン201をマスクとして、シリコンに対する異方性エッチングを行う(図1(f):溝形成工程)。このエッチングとして、例えば反応性ガスとしてSF6、CF4等を用いたプラズマエッチングを用いることができる。この異方性エッチングにおいては、図中の上下方向にのみエッチングが行われ、横方向にはエッチングは進まない。具体的には、シリコンに対する各種のドライエッチング(プラズマエッチング)を用いることができる。この際、シリコン/SiO2の選択比が高い条件を設定することにより、フォトレジストパターン201の開口部内でのシリコン(p層14)が完全に除去された状態においても充分な厚さの底部酸化膜層12が残った状態とすることができる(図1(f))。この際、異方性エッチングを行うため、エッチング後の断面形状の制御(テーパー角度等)は容易であり、形成された溝の上部の角が丸みを帯びた形状となることもない。すなわち、この溝の断面形状を制御性よく設定することができる。この際に、成膜時(図1(a))における底部酸化膜層12を充分に厚くしておけば、この異方性エッチング後における底部酸化膜層12が充分に厚くすることができる。また、ここで異方性エッチングされるのはシリコンであり、p層14、第2n−層13の両者を同様にエッチングすることが可能である。
なお、溝の形態は、内部に後述するMOSFETのゲート構造が形成できる限りにおいて任意であり、その平面視における形状は、線状、矩形形状、ドット状等、任意である。
エッチング前の状態(図1(e))において底部酸化膜層12の上では、p層14の横方向への成長により、第2n−層13は露出していなかった。これに対して、この異方性エッチングによって、底部酸化膜層12の上で、p層14の下側において第2n−層13が溝の内面において露出する。
次に、フォトレジストパターン201を、アッシング処理等によって除去する(図1(g):溝形成工程)。これにより、積層された第2n−層13とp層14中に溝が形成され、溝の底部に厚い底部酸化膜層12が形成された構造が形成される。
次に、熱酸化等を行って溝内部にゲート酸化膜層16を形成した後で溝を埋め込んだ形態でゲート電極17を形成する(図1(h):ゲート形成工程)。ここでは、特にp層14の側壁におけるその膜厚がゲート酸化膜として適正となるような厚さ(例えば50nm以下)となるように設定される。溝の底部においては形成されなくともよい。ゲート電極17は、CVD法等によって溝を埋め込んだ形態で多結晶シリコンを全面に形成した後に、不要部分(図1(h)においてゲート電極17が存在する以外の部分)をフォトレジストをマスクとしたエッチングを行うことによって除去し、形成する。
最後に、層間絶縁層18、ソース電極19、ドレイン電極20を図2と同様に形成する(図1(i))。層間絶縁層18は、底部酸化膜層12と同様のSiO2で構成することができ、ソース電極19、ドレイン電極20は、n型シリコンに対してオーミック接触をする金属材料で構成することができる。層間絶縁層18、ソース電極19のパターニングは、前記と同様にフォトレジストをマスクとしたドライエッチング等を行うことによって行われる。ドレイン電極20は、n+基板111(半導体基板11)の裏面全面に形成することができる。
以上の工程により、図2と同様の構造が得られる。
なお、p層14の異方性エッチングによってp層14側面の最表面には結晶欠陥が多く発生する。これを除去するためには、異方性エッチング後に、例えばこの構造全体を熱酸化(犠牲酸化)し、溝内部に形成された熱酸化膜をウェットエッチングで除去すればよい。これにより、MOSFETのチャンネルにおける結晶欠陥をより減少させることができ、電流特性やスイッチング特性が向上したMOSFETを得ることができる。この際に除去すべき層は、例えば図6で除去する横方向に成長したp層14よりも薄い。このため、この工程によって溝の形状が所望の形状から大きくずれることはない。なお、この場合においては、このウェットエッチング後における底部酸化膜層12の厚さを、ゲート・ドレイン間の容量Crssが十分に低減されている程度の厚さとする。
この製造方法においては、第2n−層13上にエピタキシャル成長した良質のp層14のみが残され、溝中のp層14の側壁には薄いゲート酸化膜層16が形成され、MOSFETの動作に寄与する。また、溝の底部には厚い底部酸化膜層12が存在するため、ゲートとドレイン間の容量(ミラー容量Crss)が小さくなる。この際、溝は最終的には異方性エッチングによって形成されるため、その断面形状の制御が容易である。このため、この構造を用いて、電流特性、スイッチング特性の優れたトレンチゲート型のMOSFETを得ることができる。この際、上記の各工程を制御性よく、容易に行うことができる。すなわち、高性能のトレンチゲート型のMOSFETを高い歩留まりで製造することができる。
この際、上記の製造方法は、底部酸化膜層12をゲート酸化膜層16よりも充分厚くした場合、特に底部酸化膜層12の厚さを100nm以上としてミラー容量Crssを特に小さくする場合に有効である。
前記の例では、第1成長工程において、第2n−層(第2の半導体層)13を成長させる際に、第1n−層112(基板11)上にのみ良質の単結晶が形成し、底部酸化膜層12上にはシリコンが全く成長しない条件を採用するとしたが、これに限定されない。例えば、第1n−層112上に良質の単結晶シリコン(第2n−層13)が成長し、底部酸化膜層12上に少量の多結晶シリコンが形成される条件を採用することもできる。この場合においても、底部酸化膜層12上の多結晶シリコンは、溝形成工程における異方性エッチングで除去されるため、最終的には図1(i)と同様の構造を得ることができる。
また、上記の例においては、n+基板111(高ドープ基板)上に第1n−層112(低ドープ層)がエピタキシャル成長した構成の半導体基板11が用いられる構成としたが、ドレインとして使用でき、かつ第2n−層13をこの上に選択エピタキシャル成長させることのできる構成であれば、半導体基板11の構成は任意である。例えば、低ドープ層をエピタキシャル成長ではなくイオン注入等によって得た構成としてもよい。また、ドレインとして使用できる限りにおいて、不純物濃度を一様としたn型の基板を用いてもよい。
同様に、p層(第3の半導体層)14を第2n−層(第2の半導体層)13上にエピタキシャル成長する構成としたが、第2n−層13にイオン注入を行うことによってその最表面にp層14を形成することもできる。この場合においても、第2n−層13の横方向への成長の悪影響を排除することに関して、上記の製造方法が有効であることは明らかである。第2n−層13が横方向に成長した場合、第2n−層13の断面形状が図1(c)におけるp層14と同様のブリッジ状の形状となる場合がある。この場合、溝中における両側の第2n−層13の間隔は、下側で広く、上側で狭くなるため、その後のゲート形成工程におけるゲート電極17の形成等が特に困難となる。こうした場合においても、上記の製造方法によれば、溝の形状を適正にすることができ、ゲート形成工程を容易に行うことができる。
なお、上記の例では、底部絶縁層とゲート酸化膜層をどちらもSiO2で構成するとしたが、特に底部絶縁層については、これ以外の材料を用いることができる。特に、ゲートとドレイン間の容量を低減できる絶縁性の材料であり、上記の製造方法に耐えうるものであれば、他の材料も用いることができる。
また、上記の例では、ドレインとなる半導体基板11、第2の半導体層(第2n−層13)、ソース領域15をn型(第1の導電型)とし、第3の半導体層(p層14)をこれとは逆のp型(第2の導電型)とした構成のnチャンネルのMOSFETを製造する場合について記載した。しかしながら、第1の導電型と第2の導電型をこれらにおいて逆転させた構成のpチャンネルのMOSFETを製造する場合においても同様の効果を奏することは明らかである。
11 半導体基板
12、951 底部酸化膜層(底部絶縁層)
13、922 第2n−層(第2の半導体層)
14、93 p層(第3の半導体層)
15、94 ソース領域
16、952 ゲート酸化膜層
17、96 ゲート電極
18、98 層間絶縁層
19、97 ソース電極
20、99 ドレイン電極
91、111 n+基板
92 n−層
95、101 酸化膜層
102、103 多結晶シリコン層
112、921 第1n−層
201 フォトレジストパターン
12、951 底部酸化膜層(底部絶縁層)
13、922 第2n−層(第2の半導体層)
14、93 p層(第3の半導体層)
15、94 ソース領域
16、952 ゲート酸化膜層
17、96 ゲート電極
18、98 層間絶縁層
19、97 ソース電極
20、99 ドレイン電極
91、111 n+基板
92 n−層
95、101 酸化膜層
102、103 多結晶シリコン層
112、921 第1n−層
201 フォトレジストパターン
Claims (5)
- 第1の導電型をもつ半導体からなりドレインとして機能する半導体基板上に、前記第1の導電型と逆の第2の導電型をもつ半導体層が形成された構造において、前記第2の導電型をもつ半導体層を貫通する溝が形成され、当該溝に隣接した前記第2の導電型をもつ半導体層の表面に前記第1の導電型をもつソース領域が形成され、ゲート酸化膜及びゲート電極が前記溝の中に埋め込まれて形成された構成を具備する半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板上における前記溝が形成されるべき領域において底部絶縁層を形成する底部絶縁層形成工程と、
前記底部絶縁層が形成されていない前記半導体基板上に、前記第1の導電型をもつ第2の半導体層を、前記底部絶縁層よりも厚くエピタキシャル成長させる第1成長工程と、
前記第2の半導体層上に、前記第2の導電型をもつ第3の半導体層を形成する第2成長工程と、
前記第3の半導体層の表面において、少なくとも前記溝が形成されるべき領域の一部を含む領域に、前記第1の導電型をもつソース領域を形成するソース形成工程と、
前記底部絶縁層が形成された領域において、前記第3の半導体層及び前記第2の半導体層が前記溝の内面において露出するように、前記第3の半導体等及び前記第2の半導体層を下方に異方性エッチングすることにより、前記溝を形成する溝形成工程と、
前記溝の内部にゲート酸化膜、ゲート電極を順次形成するゲート形成工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記底部絶縁層の厚さを100nm以上とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2成長工程において、
前記第3の半導体層は前記第2の半導体層上にエピタキシャル成長によって形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記半導体基板は、前記第1の導電型をもつ高ドープ基板上に、当該高ドープ基板よりも前記第1の導電型の不純物濃度が低い低ドープ層がエピタキシャル成長した構成を具備することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする半導体装置。
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JP2011013826A JP2012156295A (ja) | 2011-01-26 | 2011-01-26 | 半導体装置の製造方法、半導体装置 |
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JPWO2015155828A1 (ja) * | 2014-04-08 | 2017-04-13 | 日産自動車株式会社 | 半導体装置及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20010049167A1 (en) * | 2000-06-05 | 2001-12-06 | Madson Gordon K. | Method of manufacturing a trench mosfet using selective growth epitaxy |
JP2003031585A (ja) * | 2001-07-16 | 2003-01-31 | Denso Corp | 半導体装置の製造方法 |
JP2008153389A (ja) * | 2006-12-15 | 2008-07-03 | Toyota Motor Corp | 半導体装置 |
-
2011
- 2011-01-26 JP JP2011013826A patent/JP2012156295A/ja active Pending
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