JP2012155204A - 加圧ローラ及びこの加圧ローラを搭載する定着装置 - Google Patents

加圧ローラ及びこの加圧ローラを搭載する定着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 静電オフセットと加圧ローラトナー汚れの抑制が両立できる定着装置、及び加圧ローラを提供すること。
【解決手段】 芯金、弾性層、離型層を有する加圧ローラの離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質とを含有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する定着装置に用いれば好適な加圧ローラ、及びこの加圧ローラを有する定着装置に関する。
電子写真式のプリンタや複写機に搭載する定着装置として、ハロゲンヒータと、このハロゲンヒータにより加熱される定着ローラと、その定着ローラと接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有する熱ローラ方式のものがある。
また、定着装置として、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する定着フィルムと、その定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するフィルム加熱方式のものがある。
熱ローラ方式、或いはフィルム加熱方式の定着装置は、何れも未定着トナー画像を担持する記録材をニップ部で挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着するものである。
これらの方式に用いられる定着ローラや定着フィルム、そして加圧ローラの表層にもトナーの付着を防止するために離型層を設けるのが一般的であり、フッ素樹脂が好適に用いられる。
しかしながら、フッ素樹脂は高絶縁材料であるため、帯電しやすく静電気が逃げにくい性質を持つ。このため、未定着トナー画像を担持した記録材が定着装置のニップ部に搬送されると、未定着トナーが電気的に定着ローラや定着フィルム表面に付着し、定着ローラや定着フィルムの周回時に記録材に定着する、いわゆる静電オフセット画像(以後静電オフセットと称す)が発生してしまうことがある。
従って、離型層のフッ素樹脂が帯電しないようにフッ素樹脂に帯電制御剤を分散させた提案や加圧ローラに電圧を印加する提案がされている。
例えば、特許文献1には内部に発熱体を有する定着部材と、定着部材に対向して回転自在に配設された加圧ローラとを備えた定着装置において、上記加圧ローラは、導電性の芯金上に弾性層を有し、弾性層上に導電性PFAチューブの表層が形成されている定着装置が提案されている。
また、特許文献2には加圧ローラの最外層に絶縁表層を有し、その内側に少なくとも1層の電圧が印加される低抵抗層を有し、かつローラの両端側面が絶縁体で被覆された構造から成る事を特徴とする加圧ローラと定着装置が提案されている。
また、特許文献3にはフッ素樹脂とフルオロアルキルスルホン酸塩とを含有し、導電性粒子を含有しないフッ素樹脂組成物が提案され、複写機、プリンタへの適用も記されている。
特開平04−019687号公報 特許第3102317号公報 特開2008−222942号公報
しかしながら、従来の構成では静電オフセットとトナー汚れに関して以下のような課題を持っている。
ここで、まず初めに静電オフセットとトナー汚れについて説明する。静電オフセットは加圧ローラの表面電位が摩擦帯電により過度に上昇した場合などに、記録材から定着フィルム又は定着ローラ表面にトナーを引き付ける電界が形成されて発生するもので、オフセット画像は画像全面に連続的に発生する。一方トナー汚れは加圧ローラ表層にオフセットトナーが付着堆積することであり、あるタイミングで記録材裏面に塊としてトナーが付着し、画像不良となる。
ここで、加圧ローラ表層に導電性PFAチューブを設ける従来例の場合、加圧ローラのトナー汚れが生じ易い。この導電性PFAチューブは導電性を出すために絶縁性PFAにカーボンを添加しており、導電性材料を含有しない絶縁性のPFAチューブに比べて静電オフセットは優れるがトナーの離型性が劣っている。
ここで、カーボンの添加量を減らすことで離型性は向上するものの、逆に静電オフセットは悪化していくため、カーボン添加での導電性PFAチューブは静電オフセットと加圧ローラ汚れがトレードオフの関係にある。
また、加圧ローラ表層に絶縁PFAチューブを用い、その内側に少なくとも1層の低抵抗層を有し、その層に電圧を印加する構成においては、非常に高い印加電圧値が必要であった。これは、通紙によって加圧ローラ表層が摩擦帯電し、加圧ローラの表面電位が負極性に強くシフトするのを、電圧印加により補う必要があるからである。この場合、PFAチューブ表面に部分的な絶縁破壊によるリークなどが発生し易くなってしまう。また、カーボンの添加量を徐々に減らしつつ電圧を印加させながら静電オフセットと加圧ローラ汚れを検討したが、静電オフセットと加圧ローラ汚れの両立は出来なかった。
一方、フッ素樹脂(PFA)にフルオロアルキルスルホン酸塩を含有したチューブは絶縁PFAチューブに比べ、紙との摩擦帯電特性が良化する傾向にあるが、加圧ローラが帯電しやすい紙においては静電オフセットに対する効果が見られない。
従って、本発明の目的は静電オフセットと加圧ローラトナー汚れの抑制が両立できる加圧ローラ、及び定着装置を提供することである。
上述の課題を解決するための本発明は、加熱部材と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧ローラであって、少なくとも芯金と弾性層と離型層を有する加圧ローラにおいて、前記離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質と、を含有していることを特徴とする。
また、本発明は、加熱部材と、前記加熱部材と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧ローラと、を有する定着装置において、前記加圧ローラが少なくとも芯金と弾性層と離型層を有し、前記離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質と、を含有していることを特徴とする。
本発明によれば、加圧ローラの記録材、または加熱部材との摩擦帯電量を抑制することができ、静電オフセット抑制と加圧ローラ汚れ防止の両立が出来る。
定着装置の概略構成図 実施例19の説明図
(1)定着装置6
定着装置を搭載する画像形成装置は、周知の構成なので説明は割愛する。図1は本例で用いた定着装置6の概略構成模型図である。21は横断面略半円弧状・樋型で、図面に垂直方向を長手とする横長のフィルムガイド部材(ステイ)、22はこのフィルムガイド部材21の下面の略中央部に長手に沿って形成した溝内に収容保持させた横長のヒータ、23はこのヒータ付きのフィルムガイド部材21にルーズに外嵌させたエンドレスベルト状の耐熱性ベルト(定着フィルム)である。これら21〜23が本実施例の加熱部材を構成している。24はベルト23を挟ませてヒータ22の下面に圧接させた加圧ローラである。
Nは耐熱性ベルト23を挟ませてヒータ22と加圧ローラ24によって形成した定着ニップ部である。加圧ローラ24は、駆動源Mによって回転駆動される。フィルムガイド部材21は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイト)や液晶ポリマー等の耐熱性樹脂の成形品である。
ヒータ22は、アルミナ、AlN等の横長・薄板状のヒータ基板22a、その表面側(フィルム摺動面側)に長手に沿って形成具備させた線状あるいは細帯状のAg/Pdなどの抵抗発熱体22b、ガラス層等の薄い表面保護層22c、ヒータ基板22aの裏面側に配設したサーミスタ等の温度検知素子22d等からなる全体に低熱容量のセラミックヒータである。このセラミックヒータ22は発熱体22bに対する電力供給により迅速に昇温した後、温度検知素子22dを含む電力制御部により所定の定着温度(制御目標温度)を維持するように制御される。
耐熱性ベルト23は、熱容量を小さくして装置のクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚400μm以下、好ましくは50μm以上300μm以下とした複合層フィルムである。
耐熱性ベルト23の基層は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Ti、Zn等の金属、を単独ないし複合して形成してある。基層の上にトナー定着性能を良化させるための弾性層を形成しても良く、熱伝導フィラー、補強材等が添加されたシリコーンゴム、フッ素ゴム等が好適に用いられる。
耐熱性ベルト離型層のメインポリマーはフッ素樹脂で構成され、具体例を列挙すれば次の通りである。ポリビニリデンフルオライド、ポリフッ化ビニルなどの単独ポリマー、エチレンと4フッ化エチレンとの2元共重合体(以下ETFEと略す)、エチレンと3フッ化塩化エチレンとの2元共重合体、4フッ化エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの2元共重合体(以下PFAと略す)、4フッ化エチレンと6フッ化ポリプロピレンとの2元共重合体などである。なかでも成形性、耐熱性、耐屈曲性などの点からPFAとETFEとがより好ましい。それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。離型層には必要に応じてカーボンブラック、イオン導電性物質等の導電性部材を含有させても良い。
加圧ローラ24は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金24aと、次の(2)項で詳述する材料、製造法にて得られるゴム弾性層24c、接着層24b及び24d、離型層24e等からなる。
定着ニップ部Nで記録材P上のトナーを電気的に記録材上に保持させるための電圧印加回路25を加圧ローラ24の芯金24aに電気的に接続してある。電圧印加回路25の接続は弾性層24cや接着層24b及び24dからでも良い。なお、電圧印加回路は加圧ローラに接続しても良いし、加熱部材に接続しても良い。また、電圧印加回路を加圧ローラと熱部材に別々に接続しても良い。
耐熱性ベルト23は、少なくとも画像形成実行時に加圧ローラ24が矢印bの反時計方向に回転駆動されることで、加圧ローラ24の回転に従動する。つまり、加圧ローラ24を駆動すると定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ24と耐熱性ベルト23の外面との摩擦力で耐熱性ベルト23に回転力が作用するのである。耐熱性ベルトが回転している際には、耐熱性ベルト内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ22の表面である下面に密着して摺動する。この場合、耐熱性ベルト23の内面とこれが摺動するヒータ22下面との摺動抵抗を低減するために両者間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させるとよい。
記録材Pが定着ニップ部Nで挟持搬送されることにより記録材Pに担持されたトナー像は加熱定着される。そして、定着ニップ部Nを通った記録材Pは耐熱性ベルト23の外面から分離されて搬送される。
本例のようなフィルム加熱方式の定着装置6は、熱容量が小さく昇温の速いヒータ22を用いることができ、ヒータ22が所定の温度に達するまでの時間を大きく短縮できる。常温からでも容易に高温に立ち上げることができるため、非プリント時に装置が待機状態にあるときのスタンバイ温調をする必要がなく省電力化できる。また、回転する耐熱性ベルト23には定着ニップ部N以外には実質的にテンションが作用しておらず、ベルト寄り移動規制手段としては耐熱性ベルト23の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部材のみを配設している。
(2)加圧ローラ24
上記加熱定着装置6における加圧ローラ24について、それを構成する材料、成型方法等を以下に詳細に説明する。
2−1)加圧ローラ24の層構成
本発明の加圧ローラ24は、芯金24aの外周に、少なくとも、
1:シリコーンゴムに代表されるような柔軟で耐熱性のある材料からなる弾性層24c。
2:フッ素樹脂にポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーとモノマー電解質を含有した離型層24e。
を積層した加圧ローラである。必要に応じて、以下の層を付け加えても良い。
3:芯金24aと弾性層24cを接着させるための接着層24b。
4:弾性層24cと離型層24eを接着させるための接着層24d。
また、本件の機能を損なわない範囲であれば上記層の複数化は何ら問題ない。
2−1−1)芯金24a
鉄やアルミニウム製の芯金が好適に用いられ、予めサンドブラスト等で表面を活性化した後、メチレンクロライドや炭化水素系洗浄剤あるいは水系洗浄剤等で脱脂しても良い。
2−1−2)接着層24b
過酸化物加硫型シリコーンゴム用のプライマーや付加型シリコーゴム用のプライマーを使用することにより芯金24aと弾性層24cを強固に接着することが可能となる。必要に応じて120℃乃至170℃で30分乃至1時間程度、焼成して使用すれば良い。
2−1−3)弾性層24c
弾性層24cは前述の通り定着ニップ部Nを形成するための層であり、ソリッドゴム弾性層、発泡ゴム層としても良い。加圧ローラ24に用いられる弾性層24cの厚さは所望の幅の定着ニップ部Nを形成することができる厚さであれば特に限定されないが、2〜10mmであることが好ましい。
弾性層24cのメインポリマーとしては以下のいずれのものも好適に用いられる。例えば、高温加硫型シリコーンゴム(HTV)、付加反応硬化型シリコーンゴム(LTV)、縮合反応硬化型シリコーンゴム(RTV)、フッ素ゴム、またはこれらの混合物等が挙げられる。具体的には、例えば、ジメチルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、ビニルシリコーンゴム等のシリコーンゴム;フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、ホスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテル等のフッ素ゴム等を使用することができる。これらのメインポリマーは、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。カーボンブラックおよび湿式シリカや乾式シリカなどの補強性充填材、炭酸カルシウム、石英粉などの増量充填材を上記メインポリマーに付与しても良い。
また、導電性を付与させるために、充填材として各種の導電性付与剤を使用して体積固有抵抗値を低くしても良い。これら導電性付与剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック、グラファイト、銀、銅、ニッケルなどの金属粉、導電性亜鉛華、導電性炭酸カルシウム、カーボン繊維などが例示されるがカーボンブラックが一般的である。
また、弾性層24cを発泡体層とする場合は、前述したメインポリマーの中にガラスバルーン、シリカバルーン等の中空球状充填材を分散させれば良い。
上記メインポリマーに所望の充填材を所定量配合分散し、金型注型法、リングコート法、等の公知の方法にて芯金24a上の接着層24b上に被覆形成し、加熱硬化後脱型すれば良い。
また、予め離型層24eであるフッ素樹脂チューブを金型にセットし、その金型内に芯金24aを金型中心と芯金中心が同一になるよう配置した後、芯金24aとフッ素樹脂チューブの間に、所望の充填材を所定量配合分散した上記メインポリマーを注型する方式でも良い。その場合は、フッ素樹脂チューブ内面にプライマー塗布を行った後に注型することで弾性層24cと離型層24eは良好な接着性を保つことが出来る。
2−1−4)接着層24d
接着層24dはシリコーンゴム接着剤タイプとシリコーンプライマータイプのどちらを用いても構わない。シリコーンゴム接着剤タイプであれば、以下の材料を用いることで弾性層24cと離型層24eを強固に接着することが可能となる。
タイプA:市販されている付加型シリコーンゴム接着剤。
タイプB:接着性付与剤を配合していない付加型シリコーンゴム組成物に接着性付与剤を配合した組成物。
シリコーンゴム接着剤には、充填剤として各種の導電性付与剤、または帯電防止剤を使用しても良い。例えば、導電性付与材としては導電性カーボンブラック、グラファイト、銀、銅、ニッケルなどの金属粉、導電性亜鉛華、導電性炭酸カルシウム、カーボン繊維などがあるが導電性カーボンブラックが一般的である。
また、帯電防止剤としてはポリエーテル系やイオン導電性帯電防止剤等を用いれば良いが、耐熱性の面でイオン導電性帯電防止剤が好ましく、リチウム塩、カリウム塩が好適である。
2−1−5)離型層24e
加圧ローラに具備される離型層24eは、トナーに対する離型性は純粋なフッ素樹脂の特性を維持しつつ、電荷減衰性能が高いことが特徴である。それは、メインバインダーのフッ素樹脂に含有させる添加剤が少量で電荷減衰性能が高いことによるものである。
まず、加圧ローラの離型層24eは、メインバインダーのフッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーとモノマー電解質を含有している。
具体的なフッ素樹脂を列挙すれば次の通りである。ポリビニリデンフルオライド、ポリフッ化ビニルなどの単独ポリマー、エチレンと4フッ化エチレンとの2元共重合体(以下ETFEと略す)、エチレンと3フッ化塩化エチレンとの2元共重合体、4フッ化エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの2元共重合体(以下PFAと略す)、4フッ化エチレンと6フッ化ポリプロピレンとの2元共重合体などである。なかでも成形性、耐熱性、耐屈曲性などの点からPFAとETFEとがより好ましい。
メインバインダーのフッ素樹脂に含有させるポリマーとしてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましい。
上記ポリマーを添加することで以下の効果が生じている。離型層24eのメインバインダーであるフッ素樹脂中では、フッ素樹脂が高い結晶性を有する為、後述するモノマー電解質を単独で含有させるだけでは乖離した電解質のイオン移動度が十分確保できない。
そこで、フッ素樹脂中に含有させる電解質をポリマー電解質(モノマー電解質+ポリマー)として少量添加することでポリマー内でのイオンの移動が可能となり、フッ素樹脂本来の特性を失うことなく、大幅に電解質のイオン移動度を上げることが出来ていると推測している。前記選択されるポリマーは鋭意検討の結果、好ましいことが検討により見出された。
前記ポリマーの中でも、溶媒との親和性、熱的及び化学的安定性、フッ素樹脂との相溶性の観点よりポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のフッ素樹脂に対する添加量はフッ素樹脂100部に対して0.05部以上5部以下が好ましい。ここで添加量には溶剤の量は含まない原料のみの量である。0.05部以下では電荷減衰効果が不足し、5部以上では加工性が悪化する。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)は単独で用いても良いし混合で用いても良い。
メインバインダーのフッ素樹脂に含有させるモノマー電解質としては、高耐熱性の観点よりフッ素系の界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤の中では、フルオロアルキルスルホン酸誘導体のスルホン酸、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドから選ばれる以下の物質が好適に用いられる。
例えばスルホン酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸アンモニウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸ナトリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸アンモニウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸カリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸リチウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸ナトリウム、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸アンモニウム、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロブタンスルホン酸リチウムなどである。
ジスルホン酸としては、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二カリウム塩、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二アンモニウム塩、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二リチウム塩などである。
スルホンイミドとしては、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドナトリウム塩ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドアンモニウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアンモニウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドナトリウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドアンモニウム塩、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドリチウム塩などである。
スルホンアミドとしては、トリフルオロメタンスルホンアミドカリウム塩、ペンタフルオロエタンスルホンアミド、ペンタフルオロエタンスルホンアミドカリウム塩、ヘプタフルオロプロパンスルホンアミド、ヘプタフルオロプロパンスルホンアミドカリウム塩、ノナフルオロブタンスルホンアミドカリウム塩などである。
フルオロアルキルスルホン酸誘導体は分解温度が非常に高温で、高イオン電導性を有しているため、フッ素樹脂に含有させるのに適している。フルオロアルキル酸誘導体のフッ素樹脂に対する添加量はフッ素樹脂100部に対して0.05部以上5部以下が好ましい。ここで添加量には溶剤の量は含まない原料のみの量である。0.05部以下では電荷減衰効果が不足し、5部以上では加工性が悪化する。
フッ素樹脂への含有は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質とをフッ素樹脂に混ぜて溶融させることで行えば良い。
前記材料を用いて、公知の成型法、例えば押し出し成型法などでチューブ形状にしたものが強度、耐久面で優れるため好ましい。
離型層24eのフッ素樹脂チューブは接着層24dを塗布後に被覆させても良いし、前述の通り金型に予めフッ素樹脂チューブをセットする方式を用いて成型しても良い。
加圧ローラ24に具備される離型層24eは、トナーに対する離型性は純粋なフッ素樹脂の特性を維持しつつ、電荷減衰性能が高いことが特徴であるが、併せて加圧ローラ24の弾性層24c、接着層24b又は24dを低抵抗化または帯電防止性能を付与することで、更に良好な電荷減衰性能を有する加圧ローラ24とすることが出来る。
また、加圧ローラ24に電圧印加手段により電圧を印加することで、静電オフセットを抑制する効果を更に高めることが出来る。電圧印加手段は加熱部材に設けても良いし両方に設けても良い。
ここで、本例のようなフィルム加熱方式以外の方式、例えば熱ローラ方式等においても以下に述べる加圧ローラ、及び前記電圧印加手段を有する構成にすることで同様な効果を得ることが出来る。
以下に、実施例を用いてより具体的に本発明を説明する。
(実施例1)
まず、表面をサンドブラスト処理したφ23の鉄製芯金24aの外周に、接着層24bとして付加硬化型シリコーンゴム用プライマー(商品名:DY39−051 A&B;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)をスプレー塗布し150℃で30分間焼成した。
次に鉄製芯金24aが中心部に装着された内径30mmの成型金型内に、東レ・ダウコーニング社製の付加硬化型液状導電シリコーンゴム材料DY35−1349SC A&B(体積抵抗値は10Ω・cm品)のA液(主剤)/B液(硬化剤)各50部を注型し、150℃で1時間、1次加硫を行った後、金型から脱型して弾性層24cを得た。(以後ロール状成形物Aと称す)
次に接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)に導電性カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC600−JD(商品名、ライオン製)を添加し、体積抵抗値を10Ω・cmに調整したものを用いてロール状成形物A上に5μmの厚さで均一塗布した。(以後ロール状成形物Bと称す)
離型層24eは厚み50μmのチューブ形状とし、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた。
上記した離型層24eであるフッ素樹脂チューブをロール状成形物B上に被覆し、200℃で4時間加熱硬化を行った後、余分な端部部分をカットすることで本実施例の加圧ローラ24を得た。
定着ベルト23は、基層に外形Φ30、厚み30μmのSUS材を用い、基層の上にアルミナフィラーを添加したシリコーンゴム弾性層を250μm、シリコーンゴム弾性層の上に離型層として厚み15μmのPFAをコーティング被覆したものを用いた。
定着ベルト23の基層は接地し、加圧ローラの芯金にプラス600V印加する構成とした。
(静電オフセット評価)
以下の手法で静電オフセットを評価した。本実施例の定着器を、LBP(レーザービームプリンター)であるHP−Laser Jet P4515(A4 60枚/分)に組み込み、Neenah Paper社製のNeenah Bond 60g/m2紙を低温低湿環境(15℃/10%)に放置した紙にハーフトーン画像パターンを連続50枚通紙して静電オフセットを評価した。なお、本評価に用いているトナーはマイナス極性に帯電する特性を持つネガトナーを用いて評価している。
評価は以下のように分類した。
○:全く発生しない。
△:極まれに部分的に発生する。
×:醜いオフセットが発生する。
(電位測定)
上記静電オフセット評価時に加圧ローラ24の表面電位Vpと定着ベルト23の表面電位VbをTREK JAPAN社製の表面電位計(Model 344)にて測定した。そしてオフセット電位を、電位差Vo=Vp−Vbとして求めた。この電位差Voがプラスであること、更には値が大きいほどトナーを記録材P上に引き付ける力が強いため、静電オフセットには有効であり、画像のレベルとほぼ等しい判断が出来る。便宜上、上記3種類に分類しているが、上記電位差Voが大きいほど静電オフセットには有効と判断出来る。
(トナー汚れ)
トナー汚れの評価には炭酸カルシウムを填料としたBoise Cascade社製の75g/m2(商品名:X−9)を用いて評価した。上記LBP及び本実施例の定着器を用いて、低温低湿環境下(15℃/10%)で2枚通紙後10分放置を繰り返すプリントモードで5000枚通紙し、加圧ローラ汚れを評価し以下のように分類した。
◎:全く発生しない。
○:加圧ローラに軽微な汚れが発生するが、紙上には付着しない。
×:加圧ローラが醜く汚れ、紙上にも付着する。
(実施例2〜4)
離型層24eのフッ素樹脂チューブのメインバインダーであるPFA100部に対する、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の配合を表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様とする。
(実施例5〜7)
離型層24eのフッ素樹脂チューブのメインバインダーであるPFA100部に対する、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)の配合を表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様とする。
(実施例8)
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリアクリルニトリル(PAN)0.5部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例9)
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリメチルメタクリレート(PMMA)0.5部、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例10)
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二リチウム塩(LiO3SCF2CF2CF2SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例11)
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム塩(CF2(CF2SO2)2NK)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例12)
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)0.5部、ノナフルオロブタンスルホンアミドカリウム塩(C4F9SO2NHK)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例13)
接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)に導電性カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC600−JD(商品名、ライオン製)を添加し、体積抵抗値を1011Ω・cmに調整したものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例14)
接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)にモノマー電解質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)を添加し、体積抵抗値を1013Ω・cmに調整したものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例15)
接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)に導電性カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC600−JD(商品名、ライオン製)とモノマー電解質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)を添加し、体積抵抗値を1012Ω・cmに調整したものを用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例16)
接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)を用いた以外は実施例1と同様とする。
(実施例17)
弾性層24cとして、東レ・ダウコーニング社製の付加硬化型液状導電シリコーンゴム材料DY35−1349SC A&B(体積抵抗値は10Ω・cm品)と付加硬化型液状絶縁シリコーンゴム材料DY35−1349 A&B(体積抵抗値は1014Ω・cm以上)を混合して体積抵抗値を10Ω・cm品にした以外は実施例1と同様とする。
(実施例18)
加圧ローラに電圧を印加せずに芯金を接地した以外は実施例1と同様とする。
(実施例19)
図2に示すように電圧印加回路を2個(25、26)加熱定着装置6に設け、1つは定着ベルト23基層にマイナス400Vの電圧を印加し、もう1つは実施例1と同様に加圧ローラ24の芯金24aにプラス600V印加する構成とした。なお、加圧ローラ24は実施例1と同様とする。
(比較例1)
弾性層24cは実施例1と同様の(体積抵抗値は10Ω・cm品)ものを用い、接着層24dは付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)のみで構成し、離型層24eのフッ素樹脂チューブは、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)のみで構成したものを用いた。定着ベルト23、加圧ローラ24は共に電圧を印加せずに接地した。
(比較例2)
加圧ローラ24の芯金にプラス600V印加した以外は比較例1と同様とする。
(比較例3)
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、メインバインダーであるデュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)100部に対して、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)1.0部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様の構成とする。
(比較例4)
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、デュポン社製の低抵抗PFA(商品名:C−9068)のみで構成したものを用いた以外は比較例1と同様の構成とする。
表1に上記実施例と比較例の評価をまとめた。
Figure 2012155204
ここで比較例1から比較例3のいずれも、加圧ローラ汚れは良いが、酷い静電オフセットが発生した。これは、加圧ローラ24の離型層24eがマイナスに帯電してしまうのを抑制することが出来ないことに起因している。
また、比較例4は加圧ローラ24の離型層24eを低抵抗化したことで静電オフセットは良好であるが、加圧ローラは酷く汚れ、紙上にも汚れたトナーが転移してしまった。
実施例1から実施例7において静電オフセット、加圧ローラ汚れ共に良好な結果が得られた。また、定着ベルト23と加圧ローラ24の電位差もプラスになっており電位的な観点でも静電オフセットに良好であることがわかる。
実施例8、実施例9より、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)でもポリフッ化ビニリデン(PVDF)と同様に良好な効果が得られた。
実施例10から実施例12より、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドでもスルホン酸と同様に良好な結果が得られた。
実施例1、実施例13及び実施例16より、接着層24dに導電性粒子としてがケッチェンブラックを含有させると、体積抵抗値が低いほど電位差Voがプラス側に大きな値をとることがわかる。
また、実施例14、実施例15のように接着層24dに帯電制御剤としてモノマー電解質を含有させると、体積抵抗値は高くても電位差Voがプラス側に大きな値をとり、静電オフセットに有効であることがわかる。
実施例1、実施例17より加圧ローラ弾性層24cの体積抵抗値が低いほど電位差Voには有効であることがわかる。実施例17の構成においても比較例1から3に対して良好な結果が得られた。
実施例18より加圧ローラ24に電圧を印加しない構成においても比較例1から3に対して効果があることがわかる。電位差Voがマイナス側になってはいるものの、比較例1から3に対して170V前後電位差Voがプラス側にシフトしていることで、静電オフセットのレベルが良化した。
実施例19より定着ベルト23、加圧ローラ24の両方に電圧を印加し電位差Voを大きくすることで加圧ローラ汚れが全く無い状態にすることも可能であった。また、加熱部材と加圧ローラの少なくとも一方に、記録材上の画像を記録材に押し付ける向きの電圧を印加すればよいこともわかった。
定着ベルト23と加圧ローラ24に印加する電圧値は本実施例に限ったものではなく、定着ベルト23と加圧ローラの電位差Voを大きくするように適宜設定すればよい。
6 定着装置
22 ヒータ
23 定着ベルト
24 加圧ローラ
25、26 電圧印加手段

Claims (11)

  1. 加熱部材と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧ローラであって、少なくとも芯金と弾性層と離型層を有する加圧ローラにおいて、
    前記離型層が、フッ素樹脂に、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレートの中から選ばれる少なくとも1種類のポリマーと、モノマー電解質と、を含有していることを特徴とする加圧ローラ。
  2. 前記モノマー電解質はフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の加圧ローラ。
  3. 前記フッ素系界面活性剤はフルオロアルキルスルホン酸誘導体であることを特徴とする請求項2に記載の加圧ローラ。
  4. 前記フルオロアルキルスルホン酸誘導体は、スルホン酸、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項3に記載の加圧ローラ。
  5. 前記弾性層が導電性であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の加圧ローラ。
  6. 前記弾性層と前記離型層の間に接着層を有し、前記接着層が導電性粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の加圧ローラ。
  7. 前記弾性層と前記離型層の間に接着層を有し、前記接着層がモノマー電解質を含有していることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の加圧ローラ。
  8. 前記弾性層と前記離型層の間に接着層を有し、前記接着層が導電性粒子とモノマー電解質を含有していることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の加圧ローラ。
  9. 前記離型層はチューブであることを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項に記載の加圧ローラ。
  10. 加熱部材と、前記加熱部材と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧ローラと、を有する定着装置において、
    前記加圧ローラが請求項1乃至9のいずれか一項に記載の加圧ローラであることを特徴とする定着装置。
  11. 前記加熱部材と前記加圧ローラの少なくとも一方に、記録材上の画像を記録材に押し付ける向きの電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
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