JP2012152734A - 液体中の磁性粒子の集合/分散装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チューブ、チップ、マイクロプレート及びPCRプレートの何れかよりなる容器1内の液体に磁性粒子を混入分散させ、磁気手段を、移動手段20を介して前記容器の側部を所定位置まで移動、集合させ、吸引手段を用いて前記液体の吸引を少なくとも行うことができるようにした、液体中の磁性粒子の集合/分散装置であって、前記磁気手段は永久磁石又は電磁石よりなり、前記容器の深さ方向に沿って台37上に所定間隔で配設された長手状をなす複数の鉄心35とこの鉄心に巻回されたコイル36とからなり、前記移動手段は前記各コイルを選択的に励磁するため制御コントローラC及び電流発生部41を有する選択励磁手段50よりなる。
【選択図】図8
Description
すなわち、前述の特許文献1に開示された蛋白質スクリーニング装置においては、容器1内に収容されたスクリーニング対象の液体から蛋白質を抽出するために、図18に示される結合工程A、洗浄工程B及び抽出工程Cからなるスクリーニング工程が採用されている。
その後、前記結合工程Aと同様に、容器1の底部にマグネット4を設けることにより磁気による固液分離が行われ、上澄みを吸引して外部に廃棄することによって洗浄が完了する。
この状態で、上澄みは蛋白あるいは化学物質サンプルが含まれているため、この上澄みをチップ2で吸引して取出すことにより、抽出したサンプルを回収することができる。
すなわち、前述の磁気手段を用いた各工程A,B,Cにおいて液体の吸引を行う固液分離の際、液体を吸引するチップの吸引口付近に磁性粒子があると誤って吸引してしまう可能性が高いため、磁性粒子を回収する位置はできる限りチップの吸引口から遠い液面付近が望ましい。
一方、撹拌による分離においてチップに設けたピストンポンプによる液体の吸引吐出で発生する水流を利用して磁性粒子を分散させる場合は、チップ吸引口から遠い液面付近に回収された磁性粒子位置では著しく水流が減衰してしまい分散時間が長引いてしまう懸念がある。よって液体の流れが速いチップ吸引口付近に磁性粒子が回収されていることが望ましい。以上により、「固液分離」と「分散」では理想的な磁性粒子の回収位置が異なるため、磁力位置を任意に移動させ回収位置を変えることや、回収された磁性粒子を任意の位置に誘導できる構造やプロセスを付加することができれば、工程の効率化につながるとともに液量の変化に対しても適切な位置に磁力位置を移動させることが可能であるが、容器の底部に磁気手段を接離させることしかできず、容器内における磁性粒子の磁気吸引による集合位置を種々目的に応じて変更することはできず、固液分離及び分散時間を短縮させることは困難であった。
すなわち、容器における磁気手段の対応位置を選択励磁手段を介して任意に変更することができるため、固液分離及び分散の工程に対して最適な位置に磁気手段を移動させることができ、固液分離、分散の工程を短縮することができる。同時に、液量の変化にも応じて追従できるため、特に、粒径の小さい磁性粒子を用いた時に問題であった工程の時間を短縮することができる。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1は本発明における固液分離工程における理想的な磁性粒子の集合(すなわち、容器1内の特定位置へ集合させること)位置を示すもので、容器1の液体10の上面近くに磁気手段(永久磁石又は電磁石からなる)4を移動させ、チップからなる吸引手段2の先端の吸引口2aを容器1の底部に位置させ、磁性粒子11を吸引することなく、液体10のみを短時間に効率よく吸引し、容器1内に磁性粒子11のみを残留させることができる。
従って、図2の位置では、磁性粒子11が容器1の底部側へ集合されると共に、吸引手段2の先端の吸引口2aが磁性粒子11の近傍に位置しているため、吸引口2aから液体10の吸引と吐出を反覆する(ピペッティング)ことにより、液体10と磁性粒子11の撹拌による分散を短時間で迅速に達成することができる。
前記移動手段20は、多数の容器1を各保持孔21に保持して有する筐体22の側部に設けられ制御コントローラCで制御されるモータ23と、前記モータ23に設けられたピニオン24と、前記筐体22の側部に上下動自在に設けられ前記ピニオン24と噛合するラック25と、前記ラック25を上下動自在に案内するため前記筐体22に設けられたラック案内体26と、よりなり、前記ラック案内体26は、前記ラック25を有しC字型をなすC字型摺動体28を備えたラック連結体27と、前記筐体22に設けられ前記C字型摺動体28と係合する案内体29と、から構成されている。
尚、前記移動手段20は、前述のラックとピニオンの構成に限ることなく、例えば、周知の回転直線運動変換機構であるボールネジ、台形ネジ等のネジ送り機構やタイミングベルト、リニアモータに置き換えることができる。
前記筐体22に設けられたモータ23のピニオン24にはラック25が噛合され、ラック案内体26に設けられた保持体30には多数の取付孔30aが設けられ、各取付孔30aには永久磁石からなる磁気手段4が並設され、各磁気手段4が図示しない多数の並設された各容器1に対して各々対応し、各容器1に対して同時に磁気手段4を移動させることができるように構成されている。すなわち、多数並設された各容器1に対して、同時に磁気手段4を移動させることができる構成である。
従って、制御コントローラCと電流発生部41とにより各電磁石4Aに対する選択励磁手段50を構成することができ、この選択励磁手段50が図8の移動手段20を構成している。尚、前述のチャンネル数は、5チャンネルに限ることなく、任意のチャンネル数とすることができる。
また、図12は、周知のPCRプレート1Aの容器1に対して、円柱又は角柱の永久磁石からなる磁気手段4を上下動させる場合を示している。
また、図14は、周知のチップからなる容器1の側部に、円柱又は角柱からなる永久磁石を用いた磁気手段4を上下動させる構成を示している。
また、図15は、周知のチップからなる容器1の側部にリング状の永久磁石からなる磁気手段4を上下動させる構成を示している。
すなわち、固液分離工程では、磁気手段4が上部のB位置に移動するため、磁性粒子11は上部に移動していることにより、チップ2による液体の吸引が下部から可能となり、磁気手段4をC位置へ下げることにより、磁性粒子11は容器1の下部へ集合して誘導され、さらに、磁気手段11を容器1の下部からさらに離れた位置へ退避させることによって、液体10内の磁性粒子11は集合状態から分散状態となる。
2 吸引手段(チップ)
2a 吸引口
3 ピストンポンプ
4 磁気手段
10 液体
11 磁性粒子
20 移動手段
21 保持孔
22 筐体
23 モータ
24 ピニオン
25 ラック
25a 接続部材
26 ラック案内体
27 ラック連結体
28 C字型摺動体
29 案内体
30 保持体
30a 取付孔
31 貫通孔
C 制御コントローラ
35 鉄心
4A 電磁石
36 コイル
37 台
40 位置センサ
40a 駆動信号
41 電流発生部
50 選択励磁手段
Claims (1)
- 容器(1)内に収容された液体(10)に磁性粒子(11)を混入して分散させ、前記容器(1)の外部から磁気手段(4)を用いて前記磁性粒子(11)を前記容器(1)内の所定位置に移動させることにより、吸引手段(2)を用いて前記液体(10)の吸引を少なくとも行うことができるようにし、
前記磁気手段(4)を前記容器(1)に対して移動手段(20)を介して移動させ、前記容器(1)内の任意の位置に前記磁性粒子(11)を集合させるようにした液体中の磁性粒子の集合/
分散装置において、
前記磁気手段(4)は永久磁石又は電磁石よりなり、前記移動手段(20)により前記磁気手段(4)は前記容器(1)の側部を移動するようにし、
前記容器(1)は、チューブ、チップ、マイクロプレート及びPCRプレートの何れかよりなり、
前記磁気手段(4)は、前記容器(1)の深さ方向に沿って台(37)上に所定間隔で配設された長手状をなす複数の鉄心(35)とこの鉄心(35)に巻回されたコイル(36)とからなり、前記移動手段(20)は前記各コイル(35)を選択的に励磁するため制御コントローラ(C)及び電流発生部(41)を有する選択励磁手段(50)よりなることを特徴とする液体中の磁性粒子の集合/分散装置。
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