JP2012150619A - 指紋検出装置及び指紋検出装置の製造方法 - Google Patents

指紋検出装置及び指紋検出装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】意匠性を向上させながら、精度の高い指紋検出を行う。
【解決手段】検出対象に照射する光を発光する発光部12と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサ13とを備える基板11を有し、前記散乱光を前記イメージセンサ13にガイドするイメージガイド14を前記イメージセンサ13上に配置する指紋検出装置10であって、前記発光部12及び前記イメージガイド14の上部に設けられ、可視光を遮断し、赤外光を透過する下地膜16と、前記下地膜16上に設けられ、前記可視光の特定波長及び赤外光を透過して前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面19が着色されているように見せるための着色膜17と、前記着色膜17上に設けられ、前記着色膜17を保護する保護膜18とを備えることにより上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、指紋検出装置及び指紋検出装置の製造方法に関する。
従来から、コンピュータ等の電子機器、携帯電話等の携帯通信機器において、指の指紋を検出し、検出された指紋の動きを指先の動きとして、機器を操作制御するポインティングデバイスが知られている。このようなポインティングデバイスには、ノイズが発生しにくく、検出精度が高い指紋検出装置を備えることが要求される。また、指紋検出装置は、上述した携帯通信機器等の表面に設けられるため、携帯通信機器のデザインにも影響を与え、意匠としての見栄えも要求される。
例えば、図1は、従来の指紋検出装置の概略図を示している。なお、図1(A)は、従来の指紋検出装置100の外観図を示し、図1(B)は、その内部構造を点線で示している。図1(A)、図1(B)に示すように、従来の指紋検出装置100は、基板110上にLEDを含む発光部120及びイメージセンサ130が配置され、イメージセンサ130上にイメージガイド140が配置されている。また、指紋検出装置100は、遮光性の合成樹脂からなるモールド部材150によって一体形成されている。
また、指紋検出装置100の表面には、検出対象であるユーザの指紋を検出する指紋検出面160が設けられ、指紋検出面160には、発光部120とイメージガイド140とが露出した状態となっている。
このような指紋検出装置100を用いて指の指紋を検出する場合、ユーザが指紋検出面160に指先を接触させるように擦りつけることで、発光部120から照射された光がユーザの指内に入り、指内からの散乱光がイメージガイド140を介してイメージセンサ130に届く。これにより、イメージセンサ130は、ユーザの指紋を検出するための指紋画像を取得することが可能となる。
なお、従来の指紋入力装置において、光を照射して固体撮像素子の表面に接触させた指先からの散乱光を受光して指紋画像を読み取る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−38406号公報
しかしながら、上述した従来の指紋検出装置100は、指紋検出面160に露出している発光部120とイメージガイド140とモールド部材150の色調が異なるため、上述した携帯通信機器等に設けた場合、携帯通信機器等の表面上に模様となって現れ、意匠性に影響を与えてしまう。
そこで、この意匠性に影響を与えないように、例えば上述したそれぞれの異なる色調を同一にするため、例えばモールド部材150で指紋検出装置100の表面全体を覆うことにより、その表面の模様をなくして色調を同一にすることが考えられる。しかしながら、モールド部材150は、遮光性の合成樹脂であるため、指紋検出面160に露出している発光部120とイメージガイド140とを覆ってしまうと、指紋検出面160に置かれた指先に発光部120からの光が届かないため、指紋を検出することができない。
また、上述した特許文献1の指紋入力装置においても、その表面に模様ができないように意匠性を向上するための方法については何ら記載されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、意匠性を向上させながら、精度の高い指紋検出を行う指紋検出装置及び指紋検出装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、検出対象に照射する光を発光する発光部(12)と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサ(13)とを備える基板(11)を有し、前記散乱光を前記イメージセンサ(13)にガイドするイメージガイド(14)を前記イメージセンサ上(13)に配置する指紋検出装置(10)であって、前記発光部(12)及び前記イメージガイド(14)の上部に設けられ、可視光を遮断し、赤外光を透過する下地膜(16)と、前記下地膜(16)上に設けられ、前記可視光の特定波長及び赤外光を透過して前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面(19)が着色されているように見せるための着色膜(17)と、前記着色膜(17)上に設けられ、前記着色膜(17)を保護する保護膜(18)とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、検出対象に照射する光を発光する発光部(12)と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサ(13)とを備える基板(11)を有し、前記散乱光を前記イメージセンサ(13)にガイドするイメージガイド(14)を前記イメージセンサ(13)上に配置し、可視光を遮断し、赤外光を透過するオーバーモールド部材(31)により、前記発光部(12)、前記イメージセンサ(13)、及び前記イメージガイド(14)を覆うように一体形成された指紋検出装置(30)であって、前記イメージガイド(14)は、前記散乱光以外の前記発光部(12)から照射される光を遮断するための遮光部材(32)を備え、前記発光部(12)及び前記イメージガイド(14)の上部に設けられ、前記可視光の特定波長及び赤外光を透過して前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面(19)が着色されているように見せるための着色膜(17)と、前記着色膜(17)上に設けられ、前記着色膜(17)を保護する保護膜(18)とを備えることを特徴とする。
また、本発明において、前記着色膜(17)は、透過特性の異なる複数の誘電体多層膜により形成されることを特徴とする。
また、本発明において、前記着色膜(17)は、酸化シリコンからなる誘電層と酸化チタンからなる誘電層とを交互に積層した誘電体多層膜により形成されることを特徴とする。
また、本発明において、前記着色膜(17)は、前記指紋検出面(19)が銀色、赤色、及び青色のうち少なくとも1つの色に着色されているように見せることを特徴とする。
また、本発明は、検出対象に照射する光を発光する発光部(12)と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサ(13)とを備える基板(11)を有し、前記散乱光を前記イメージセンサ(13)にガイドするイメージガイド(14)を前記イメージセンサ(13)上に配置する指紋検出装置(10)の製造方法であって、前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面(19)となる研磨された面(15−1)に、可視光を遮断し、赤外光を透過する下地膜(16)を形成する工程(S16)と、前記下地膜(16)上に、前記指紋検出面(19)が着色されているように見せるための着色膜(17)を形成する工程(S17)と、前記着色膜(17)上に、前記着色膜(17)を保護する保護膜(18)を形成する工程(S18)とを有することを特徴とする。
また、本発明は、検出対象に照射する光を発光する発光部(12)と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサ(13)とを備える基板(11)を有し、前記散乱光を前記イメージセンサ(13)にガイドするイメージガイド(14)を前記イメージセンサ(13)上に配置し、可視光を遮断し、赤外光を透過するオーバーモールド部材(31)により、前記発光部(12)、前記イメージセンサ(13)、及び前記イメージガイド(13)を覆うように一体形成された指紋検出装置(30)の製造方法であって、前記イメージセンサ(13)に前記イメージガイド(14)を搭載する工程(S23)の前に、前記イメージガイド(14)の側面に対して、遮光部材(32)を設ける工程(S22)と、前記イメージセンサ上に前記遮光部材(32)が設けられたイメージガイドを搭載する工程(S23)と、前記基板上に搭載された前記発光部(12)、前記イメージセンサ(13)、及び前記イメージガイド(14)を覆うように前記オーバーモールド部材(31)によりモールドする工程(S25)と、前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面(19)となるオーバーモールド部材(31)上に、前記指紋検出面(19)が着色されているように見せるための着色膜(17)を形成する工程(S26)と、前記着色膜(17)上に、前記着色膜(17)を保護する保護膜(18)を形成する工程(S27)とを有することを特徴とする。
なお、上記参照符号は、あくまでも参考であり、これによって、本願発明が図示の態様に限定されるものではない。
本発明によれば、意匠性を向上させながら、精度の高い指紋検出を行うことを可能とする。
従来の指紋検出装置の概略図である。 第1実施形態に係る指紋検出装置の概略図である。 第1実施形態に係る下地膜の光学特性を示す図である。 第1実施形態に係る着色膜の膜構成の一例を示す図である。 図4に示す膜構成からなる着色膜の光学特性を示す図である。 第1実施形態に係る指紋検出装置の変形例を示す図である。 第1実施形態に係る指紋検出装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態の指紋検出装置の概略図である。 第2実施形態に係るオーバーモールド部材の光学特性を示す図である。 第2実施形態に係る遮光部材を説明するための図である。 第2実施形態に係る遮光部材の膜厚に対応した光学特性を示す図である。 第2実施形態に係る指紋検出装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係る指紋検出装置の概略図を示している。なお、図2(A)は、指紋検出装置10の断面図を示し、図2(B)は、指紋検出装置10の外観図を示している。
図2(A)、図2(B)に示すように、第1実施形態に係る指紋検出装置10は、基板11と、発光部12と、イメージセンサ13と、イメージガイド14と、モールド部材15と、下地膜16と、着色膜17と、保護膜18とを有するように構成されている。
第1実施形態に係る指紋検出装置10は、図1の従来の指紋検出装置100の指紋検出面160に下地膜16と、着色膜17と、保護膜18とを設けたものである。すなわち、第1実施形態において、検出対象であるユーザの指紋を検出するための指紋検出面19は、下地膜16と、着色膜17と、保護膜18とが設けられた指紋検出装置10の表面上に形成される。
基板11は、回路基板であり、基板11の上面に、発光部12、イメージセンサ13等を搭載する。
発光部12は、指紋検出装置10の指紋検出面19に置かれたユーザの指に対して光を照射する。発光部12は、例えばLED(発光ダイオード)基板12−1、LED12−2、充填樹脂12−3等により構成されたものであり、検出対象となる指に赤外光又は近赤外光を照射する。
イメージセンサ13は、例えば受光素子がマトリクス状に並んでいるエリア型指紋センサである。ユーザが、指紋検出面19に指先を接触させるように擦りつけると、発光部12から照射された光が指紋検出面19上の指内に入射する。また、指内に入射した光は、指表面の凹凸から再放射され、再放射された散乱光が、イメージガイド14を通り、イメージセンサ13に届く。このように、イメージセンサ13には、指表面の凹凸が明暗差として伝達され、イメージセンサ13は、伝達されたその明暗差からユーザの指紋画像を取得することが可能となる。
イメージガイド14は、イメージセンサ13上に配置され、指紋検出装置10の指紋検出面19に置かれたユーザの指内からの散乱光をイメージセンサ13に導く。イメージガイド14は、例えば無数の光ファイバ片が垂直から所定角度傾斜して配列して構成されたものであり、例えば直方体形状を有している。
モールド部材15は、遮光性の合成樹脂であり、基板11上に配置された発光部12、イメージセンサ13、イメージガイド14等を覆うように一体形成されている。また、モールド部材15によって一体形成され、モールド部材15の研磨された表面15−1(図1の指紋検出装置100の指紋検出面160)は、発光部12及びイメージガイド14が露出するように構成されている。
なお、モールド部材15は、例えば、主剤がビフェニル型エポキシ樹脂、硬化剤がフェノールノボラック樹脂、充填剤が溶融シリカ、着色剤がカーボンブラック等からなる黒樹脂である。
下地膜16は、上述したモールド部材15の研磨された表面15−1に、発光部12及びイメージガイド14を覆うように設けられている。下地膜16は、例えば可視光領域における光を遮断吸収し、赤外光領域の光を透過する光学特性を有する膜である。
具体的には、下地膜16は、例えばUV硬化タイプのエポキシ樹脂等を用いて、発光部12及びイメージガイド14が露出した指紋検出装置10の研磨された表面15−1に対してパッド印刷、スクリーン印刷、スピンコート印刷等により塗布された膜であり、例えば5μm〜30μm程度の厚みを有する。なお、下地膜16の光学特性については後述する。
着色膜17は、下地膜16上に設けられ、例えば透過特性の異なる複数の誘電体多層膜により形成され、可視光領域における特定波長及び赤外光領域の光を透過する光学特性を有する。また、着色膜17は、指紋検出装置10の指紋検出面19を着色する着色膜であり、外部(例えば、ユーザの目線等)から見た場合に、例えば銀色、青色、赤色等に着色されているように見せる。
例えば、着色膜17は、指紋検出面19を銀色に着色する場合、電子ビーム蒸着法によって酸化シリコンからなる誘電層と酸化チタンからなる誘電層を交互に積層した誘電体多層膜によって構成される。なお、着色膜17の具体的な膜構成及び光学特性については後述する。
保護膜18は、着色膜17上に設けられ、着色膜17を保護する。保護膜18は、例えばUV硬化タイプのアクリル樹脂や溶剤型コート剤を用いて、着色膜17上に、例えばパッド印刷、スクリーン印刷、スピンコート印刷、スプレー塗装により塗布された透明の膜である。
第1実施形態では、図2(A)、図2(B)に示す指紋検出面19上に検出対象である指先を接触させるように擦りつけた場合、赤外光領域の光を透過する膜構成により、発光部12から照射された光は、下地膜16、着色膜17、保護膜18を透過し、指紋検出面19上の指内に入射される。また、指内から再放射される散乱光は、保護膜18、着色膜17、下地膜16を透過し、イメージガイド14を通って、イメージセンサ13に届く。これにより、精度の高い指紋検出を可能とする。
また、図2(B)に示すように、従来の指紋検出面160にできていた模様をなくし、着色膜17により指紋検出面19が着色され、意匠性を向上させる。
<下地膜16の光学特性>
次に、図3を用いて、第1実施形態に係る下地膜16の光学特性について説明する。図3は、第1実施形態に係る下地膜の光学特性を示している。横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)を示している。
図3に示すように、下地膜16は、可視光領域における例えば波長300nm〜740nm程度の透過率が約30%以下となっており透過率が低い一方、赤外光領域における例えば波長750nm以降の透過率が約50以上と透過率が急激に高くなっている。したがって、下地膜16は、発光部12から照射された光のうち赤外光領域の光を透過させる。また、下地膜16は、可視光領域の光を遮断吸収し、反射する光がない状態となるため、下地膜16を黒く見せ、指紋検出装置10の中を見えない状態にすることが可能となる。
<着色膜17の膜構成例>
次に、図4を用いて、第1実施形態に係る着色膜17の膜構成例について説明する。図4は、第1実施形態に係る着色膜の膜構成の一例を示している。
図4に示すように、第1実施形態の着色膜17は、例えば酸化チタン(TiO)と酸化シリコン(SiO)を電子ビーム蒸着法によって交互に積層した誘電体多層膜によって構成されている。
具体的には、着色膜17は、第1層の蒸着剤が例えば酸化チタンで、膜厚が55.75nm、第2層の蒸着剤が例えば酸化シリコンで、膜厚が81.36nm等と、酸化チタンと酸化シリコンの組み合わせが18層形成された、合計36層の厚み3.153μmからなる多層膜である。
また、図5は、図4に示す膜構成からなる着色膜の光学特性を示している。横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)を示している。また、図5は、図4に示す膜構成からなる着色膜17の透過率を、日立製U−4100の測定装置により測定したものである。
図5に示すように、着色膜17は、可視光領域における例えば波長400nm〜820nmが、例えば透過率10%未満となっている一方、赤外光領域における例えば波長830nm以降の透過率が急激に高くなっている。
このように着色膜17は、赤外光領域における波長の透過率が高いため、発光部12からの照射された光のうち赤外光領域の光を透過する。
また、着色膜17は、外部からの可視光領域における光を全反射することになり、例えば鏡のようにミラー反射し、指紋検出面19を銀色に着色することが可能となる。
更に、着色膜17の上述した膜構成の材質、すなわち層数、膜厚、蒸着剤、蒸着剤の組み合わせ、製法等を変えて、例えば可視光領域の特定波長を透過させる等の光学特性の変更することにより、上述した銀色の他、指紋検出面19を例えば青、赤等の複数の色により着色することが可能となる。
例えば、着色膜17により指紋検出面19を赤色に着色するためには、着色膜17の光学特性を赤色の波長領域で透過率よりも反射率を大きくし、その他の波長領域における透過率を例えば100%等とする。これにより、赤色の波長領域の光は、着色膜17によって反射し、指紋検出面19が赤色に着色されているように見せることが可能となる。なお、その他の波長領域の光は、着色膜17を透過し、下地膜16によって可視光領域の光は遮断吸収される。
上述したように、下地膜16、着色膜17は、赤外光領域の光を透過する膜構成により、発光部12から照射された光は、指紋検出面19上の指内に入射し、指内から再放射される散乱光を透過させるため、指内からの散乱光は、イメージセンサ13に届き、指紋を検出することが可能となる。また、着色膜17により指紋検出面19が着色され、意匠性を向上させることが可能となる。
<第1実施形態の変形例>
次に、図6を用いて、第1実施形態に係る指紋検出装置10の変形例について説明する。図6は、第1実施形態に係る指紋検出装置の変形例を示している。
図6に示すように、第1実施形態の変形例である指紋検出装置20では、図2に示す第1実施形態と比較して、下地膜16と着色膜17との間にハードコート膜21を設けている。ハードコート膜21は、例えばUV硬化タイプのアクリル樹脂を用いて下地膜16上にパッド印刷、スクリーン印刷、スピンコート法によって塗布された膜である。
上述したように、ハードコート膜21を下地膜16と着色膜17との間に設けることで、着色膜17の付着力を更に高めることが可能となる。
<第1実施形態に係る指紋検出装置10の製造方法>
次に、上述した第1実施形態に係る指紋検出装置10の製造方法について説明する。図7は、第1実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。まず、第1実施形態の製造方法では、基板11にダイボンド樹脂等を用いてイメージセンサ13を搭載する(S10)。
次に、イメージセンサ13を基板11上に形成されている配線パターンに金ワイヤー等を用いてワイヤーボンディングする(S11)。
次に、イメージセンサ13上に接着樹脂を用いてイメージガイド14を搭載し、また、基板11上に銀ペースト、半田等を用いて発光部12を搭載する(S12)。
次に、モールド部材15となる上述した樹脂を基板11上に搭載された発光部12、イメージセンサ13、イメージガイド14の間に充填し(S13)、発光部12、イメージガイド14等を覆うように、トランスファーモールドにより一体成形する(S14)。
次に、一体成形されたモールド部材15の表面を、発光部12及びイメージガイド14が露出するよう研磨して、発光部12及びイメージガイド14が露出した表面15−1を平坦にする(S15)。
次に、平坦となったモールド部材15の研磨された表面15−1上に、上述したUV硬化タイプのエポキシ樹脂等を、パッド印刷、スクリーン印刷、スピンコート印刷により塗布することにより下地膜16を形成する(S16)。
次に、下地膜16上に、例えば電子ビーム蒸着法により酸化シリコンからなる誘電層と酸化チタンからなる誘電層を交互に積層することにより指紋検出面19を銀色に着色する着色膜17を形成する(S17)。
なお、ハードコート膜21を設ける場合には、S16の処理の後、下地膜16上に、例えばUV硬化タイプのアクリル樹脂を用いてパッド印刷、スクリーン印刷、スピンコート法によりハードコート膜21を形成し、形成したハードコート膜21上に着色膜17を形成する。
次に、着色膜17上に、例えば上述したUV硬化タイプのアクリル樹脂や溶剤型コート剤を用いて、パッド印刷、スクリーン印刷、スピンコート印刷、スプレー塗装により保護膜18を形成し(S18)、処理を終了する。
上述した製造方法により、モールド部材15の研磨された表面15−1に露出した発光部12及びイメージガイド14を下地膜16、着色膜17等により覆って、指紋検出面19を着色する第1実施形態に係る指紋検出装置10が得られる。
<第2実施形態>
次に、指紋検出装置の第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係る指紋検出装置の概略図を示している。なお、図8(A)は、指紋検出装置30の断面図を示し、図8(B)は、指紋検出装置30の外観図を示している。第1実施形態と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図8(A)に示すように、第2実施形態に係る指紋検出装置30は、第1実施形態で用いたモールド部材15の代わりに、オーバーモールド部材31を用いることにより一体成形されている。更に、第2実施形態では、イメージガイド14の側面等に、遮光部材32を備えている。
オーバーモールド部材31は、例えば可視光領域の光を遮断吸収し、赤外光領域の光を透過する樹脂であり、例えば主剤がエストラマー変性エポキシ樹脂、硬化剤が芳香族アミン、硬化促進剤が3級アミン等からなる樹脂である。ここで、オーバーモールド部材31は、第1実施形態のモールド部材15とは異なり、発光部12及びイメージガイド14を露出した構成ではなく、発光部12、イメージセンサ13、及びイメージガイド14を覆うように一体形成されている。なお、オーバーモールド部材31の光学特性については後述する。
また、第2実施形態では、検出対象となるユーザの指紋を検出する指紋検出面19が、オーバーモールド部材31上の着色膜17と保護膜18とを設けた表面上に形成されている。また、着色膜17により指紋検出面19が着色され、意匠性を向上させることが可能となる。なお、オーバーモールド部材31は、上述した下地膜16の代わりとなるため、下地膜16を形成しなくても良い。
遮光部材32は、例えばイメージガイド14の側面等に設けられ、ユーザの指内からの散乱光以外の発光部12からオーバーモールド部材31を介して直接入射される光を遮断する。
上述した第2実施形態で用いられるオーバーモールド部材31は、赤外光領域の光を透過するため、発光部12から照射された赤外光領域の光が、直接オーバーモールド部材31を介してイメージガイド14に入射することによりクロストークが生じる場合がある。
そこで、イメージガイド14に遮光部材32を設けることにより、発光部12からの赤外光領域の光がオーバーモールド部材31を介してイメージガイド14に、直接入射しないよう遮断し、上述したクロストークを防ぐことを可能とする。
遮光部材32は、例えば金属膜等によって形成され、金属膜としてはクロム(Cr)、錫(Sn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)−Cr系合金、金(Au)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等を用いて、例えばスパッタリング、真空蒸着(例えば抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着等)等の物理蒸着法によって形成される。このとき、金属膜の厚みは、例えば金属膜をCrでスパッタリングにより形成した場合、例えば100nm以上とすると良い。なお、遮光部材32の膜厚に対応した光学特性については後述する。
第2実施形態では、図8(A)、図8(B)に示す指紋検出面19上に検出対象である指先を接触させるように擦りつけた場合、赤外光領域の光を透過する構成により、発光部12から照射された光は、オーバーモールド部材31、着色膜17、保護膜18を透過し、指紋検出面19上の指内に入射される。また、指内から再放射される散乱光は、保護膜18、着色膜17、オーバーモールド部材31を透過し、イメージガイド14を通って、イメージセンサ13に届く。これにより、精度の高い指紋検出を可能とする。
また、図8(B)に示すように、従来の指紋検出面160にできていた模様をなくし、着色膜17により指紋検出面19が着色され、意匠性を向上させる。
<オーバーモールド部材31の光学特性>
次に、図9を用いて、第2実施形態で用いられるオーバーモールド部材31の光学特性について説明する。図9は、第2実施形態に係るオーバーモールド部材の光学特性を示している。横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)を示している。
図9に示すように、オーバーモールド部材31は、可視光領域における例えば波長約300nm〜650nm程度の透過率はほとんど0%に近く、赤外光領域における例えば波長約670nm程度の透過率が急激に高くなっている。
したがって、オーバーモールド部材31は、発光部12からの照射された光のうち赤外光領域の光を透過すると共に、可視光領域の光を遮断吸収する。
また、赤外光領域の光を透過するオーバーモールド部材31を用いることで、第1実施形態のように発光部12及びイメージガイド14を露出させるための研磨工程を省くことが可能となる。
第2実施形態では、オーバーモールド部材31によって発光部12、イメージセンサ13、イメージガイド14を覆った上で着色膜17等を塗布するため、例えば発光部12、イメージガイド14、モールド部材15等の熱膨張差による凹凸が吸収される。これにより、第2実施形態の指紋検出面19を滑らかな状態で着色することが可能となる。
一方、オーバーモールド部材31は、赤外光領域の光を透過するため、上述したようにイメージガイド14に向かって直接、発光部12からの光が入射してクロストークが発生する場合が生じる。そこで、以下に示す遮光部材32をイメージガイド14に設けることで、イメージガイド14に直接入射される光を遮断する。
<遮光部材32について>
図10は、第2実施形態に係る遮光部材を説明するための図である。なお、図10(A)は、指紋検出装置30の側面図であり、イメージガイド14に遮光部材32が設けられていない状態を示している。また、図10(B)は、遮光部材32が設けられたイメージガイド14の斜面図を示している。
図10(A)に示すように、発光部12から光を照射した場合、発光部12からの矢印Aに示す赤外光領域の光は、オーバーモールド部材31、着色膜17、保護膜18を透過し、指紋検出面19上に置かれた検出対象の指に向かって入射される。また、矢印Aに示すように、指内から再放射される散乱光は、保護膜18、着色膜17、オーバーモールド部材31を透過し、イメージガイド14を通って、イメージセンサ13に届く。
一方、発光部12からの矢印Bに示す赤外光領域の光は、発光部12とイメージガイド14との間にあるオーバーモールド部材31を介してイメージガイド14の側面等から入射し、イメージセンサ13に届く。このように、矢印Bに示す発光部12からイメージガイド14に直接届く光は、クロストークを発生させるため、イメージセンサ13から良好な指紋のコントラスト画像を得ることができなくなる。
そこで、第2実施形態では、図10(B)に示すように、例えばイメージガイド14の側面に遮光部材32を設ける。遮光部材32は、図10(B)に示すイメージガイド14の側面のうち、例えば発光部12と真向かいとなるイメージガイドの側面14−1、イメージガイドの側面14−1を挟んだ両側面となるイメージガイドの側面14−2〜14−3に設けると良い。
<遮光部材32の光学特性>
次に、図11を用いて、遮光部材32の膜厚に対応した光学特性について説明する。図11は、第2実施形態に係る遮光部材の膜厚に対応した光学特性を示している。横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)を示している。
また、図11は、遮光部材32に上述したCrでスパッタリングにより形成した金属膜を用いて、その膜厚をそれぞれ約70nm、約100nm、約200nm、約500nmとしたときの透過率を、日立製U−4100の測定装置により測定したものである。
図11に示すように、遮光部材32の膜厚を約70nmとしたものは、赤外光領域における例えば波長約870nmの波長の透過率が1%程度となり、波長約1000nm以上の波長の透過率が約1%を越えている。これに対して、遮光部材32の膜厚を約100nm、約200nm、約500nmとしたものは、赤外光領域における波長の透過率はほとんど0%に近い。
したがって、例えば遮光部材32の膜厚を約100nm以上とすることで、発光部12から直接入射される光を遮断し、指紋を検出するための精度の良いコントラスト画像を得ることが可能となる。
<第2実施形態に係る製造方法>
次に、上述した第2実施形態に係る指紋検出装置30の製造方法について説明する。図12は、第2実施形態に係る製造方法を説明するためのフローチャートである。なお、第2実施形態に係る製造方法のうちS20〜S21等の第1実施形態に係る製造方法と同様の処理については、説明を省略する。
第2実施形態に係る製造方法では、S21の処理が終了した後、イメージガイド14をイメージセンサ13に搭載する前に、イメージガイド14の側面に、上述した遮光部材32をスパッタリング、真空蒸着等の物理蒸着法によってクロム(Cr)等により設ける(S22)。
次に、イメージセンサ13上に、遮光部材32が設けられたイメージガイド14を搭載し、基板11上に銀ペースト、半田等を用いて発光部12を搭載する(S23)。
次に、オーバーモールド部材31となる上述した樹脂を基板11上に搭載された発光部12、イメージセンサ13、イメージガイド14の間に充填し(S24)、発光部12、イメージガイド14等を覆うように、トランスファーモールドにより一体成形する(S25)。
次に、オーバーモールド部材31上の指紋検出面19となる面に、例えば電子ビーム蒸着法により、例えば酸化シリコンからなる誘電層と酸化チタンからなる誘電層を交互に積層することにより指紋検出面19を銀色に着色する着色膜17を形成する(S26)。
次に、着色膜17上に、上述したUV硬化タイプのアクリル樹脂や溶剤型コート剤を用いて、パッド印刷、スクリーン印刷、スピンコート印刷、スプレー塗装により保護膜18を形成し(S27)、処理を終了する。
上述した製造方法により、オーバーモールド部材31上に形成した着色膜17等により指紋検出面19を着色する第2実施形態に係る指紋検出装置30が得られる。
上述したように、本実施形態によれば、従来の指紋検出面にできていた模様をなくし、着色膜等により指紋検出面を着色して意匠性を向上させることが可能となる。また、指紋検出装置を組み込む携帯通信機器等の筐体の色に対応させて、指紋検出面が所定の色に着色されているように見せることが可能となる。
また、赤外光領域の光を透過する膜構成により、指内からの散乱光をイメージセンサに届けることを可能とし、精度の高い指紋検出を可能とする。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10,20,30,100 指紋検出装置
11,110 基板
12,120 発光部
13,130 イメージセンサ
14,140 イメージガイド
15,150 モールド部材
15−1 表面
16 下地膜
17 着色膜
18 保護膜
19,160 指紋検出面
21 ハードコート膜
31 オーバーモールド部材
32 遮光部材

Claims (7)

  1. 検出対象に照射する光を発光する発光部と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサとを備える基板を有し、前記散乱光を前記イメージセンサにガイドするイメージガイドを前記イメージセンサ上に配置する指紋検出装置であって、
    前記発光部及び前記イメージガイドの上部に設けられ、可視光を遮断し、赤外光を透過する下地膜と、
    前記下地膜上に設けられ、前記可視光の特定波長及び赤外光を透過して前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面が着色されているように見せるための着色膜と、
    前記着色膜上に設けられ、前記着色膜を保護する保護膜とを備えることを特徴とする指紋検出装置。
  2. 検出対象に照射する光を発光する発光部と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサとを備える基板を有し、前記散乱光を前記イメージセンサにガイドするイメージガイドを前記イメージセンサ上に配置し、可視光を遮断し、赤外光を透過するオーバーモールド部材により、前記発光部、前記イメージセンサ、及び前記イメージガイドを覆うように一体形成された指紋検出装置であって、
    前記イメージガイドは、前記散乱光以外の前記発光部から照射される光を遮断するための遮光部材を備え、
    前記発光部及び前記イメージガイドの上部に設けられ、前記可視光の特定波長及び赤外光を透過して前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面が着色されているように見せるための着色膜と、
    前記着色膜上に設けられ、前記着色膜を保護する保護膜とを備えることを特徴とする指紋検出装置。
  3. 前記着色膜は、
    透過特性の異なる複数の誘電体多層膜により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の指紋検出装置。
  4. 前記着色膜は、
    酸化シリコンからなる誘電層と酸化チタンからなる誘電層とを交互に積層した誘電体多層膜により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の指紋検出装置。
  5. 前記着色膜は、
    前記指紋検出面が銀色、赤色、及び青色のうち少なくとも1つの色に着色されているように見せることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の指紋検出装置。
  6. 検出対象に照射する光を発光する発光部と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサとを備える基板を有し、前記散乱光を前記イメージセンサにガイドするイメージガイドを前記イメージセンサ上に配置する指紋検出装置の製造方法であって、
    前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面となる研磨された面に、可視光を遮断し、赤外光を透過する下地膜を形成する工程と、
    前記下地膜上に、前記指紋検出面が着色されているように見せるための着色膜を形成する工程と、
    前記着色膜上に、前記着色膜を保護する保護膜を形成する工程とを有することを特徴とする指紋検出装置の製造方法。
  7. 検出対象に照射する光を発光する発光部と、前記検出対象からの散乱光を受光するイメージセンサとを備える基板を有し、前記散乱光を前記イメージセンサにガイドするイメージガイドを前記イメージセンサ上に配置し、可視光を遮断し、赤外光を透過するオーバーモールド部材により、前記発光部、前記イメージセンサ、及び前記イメージガイドを覆うように一体形成された指紋検出装置の製造方法であって、
    前記イメージセンサに前記イメージガイドを搭載する工程の前に、前記イメージガイドの側面に対して、遮光部材を設ける工程と、
    前記イメージセンサ上に前記遮光部材が設けられたイメージガイドを搭載する工程と、
    前記基板上に搭載された前記発光部、前記イメージセンサ、及び前記イメージガイドを覆うように前記オーバーモールド部材によりモールドする工程と、
    前記検出対象の指紋を検出する指紋検出面となるオーバーモールド部材上に、前記指紋検出面が着色されているように見せるための着色膜を形成する工程と、
    前記着色膜上に、前記着色膜を保護する保護膜を形成する工程とを有することを特徴とする指紋検出装置の製造方法。
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