JP2010078680A - カラーフィルタ及び固体撮像素子 - Google Patents

カラーフィルタ及び固体撮像素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2010078680A
JP2010078680A JP2008244317A JP2008244317A JP2010078680A JP 2010078680 A JP2010078680 A JP 2010078680A JP 2008244317 A JP2008244317 A JP 2008244317A JP 2008244317 A JP2008244317 A JP 2008244317A JP 2010078680 A JP2010078680 A JP 2010078680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
layer
colorant
color filter
containing composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008244317A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Kikuchi
智幸 菊地
Akihiro Anzai
昭裕 安西
Koji Yoshibayashi
光司 吉林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2008244317A priority Critical patent/JP2010078680A/ja
Publication of JP2010078680A publication Critical patent/JP2010078680A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Color Television Image Signal Generators (AREA)

Abstract

【課題】良好な分光特性が得られ、且つ耐光性に優れたカラーフィルタを提供する。
【解決手段】半導体基板18及び絶縁層13上に、ブルー(B)色、グリーン(G)色、レッド(R)色カラーフィルタ14B,14G,14Rを形成する。B色カラーフィルタ14Bを、バイオレット(V)色の分光特性を有する誘電体多層膜層20Vと、B色の着色剤含有組成物層21Bとを積層して形成する。G色カラーフィルタ14Gを、Y色の分光特性を有する誘電体多層膜層20Yと、G色の着色剤組成物層21Gとを積層して形成する。R色カラーフィルタ14Rを、R色の分光特性を有する着色剤含有組成物層20Rと、Y色の誘電体多層膜層21Yとを積層して形成する。各色カラーフィルタ14B,14G,14Rは、堅牢性の高い誘電体多層膜層と、分光特性が良好な着色剤含有組成物層とから形成されているので、良好な分光特性が得られ且つ耐光性に優れている。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタ、及びこのカラーフィルタを備えた固体撮像素子に関するものである。
固体撮像素子は、半導体基板やガラス基板等の基板上に2次元配列されたレッド、グリーン、ブルーのカラーフィルタを備えている。近年、固体撮像素子の高画素化、微細化、小型化の技術開発は顕著であり、それに伴い、カラーフィルタの微細化、薄膜化の要求が強くなっている。更に、車載カメラや監視カメラに用いられる固体撮像素子のカラーフィルタは、高い耐光性などの堅牢性を有することが求められている。このため、従来の有機顔料等の着色剤含有組成物で形成されたカラーフィルタでは、耐光性の性能要求を満たすことが難しくなっている。
特許文献1には、フォトニック結晶からなるカラーフィルタが記載されている。フォトニック結晶は、例えば屈折率の異なる2種類の無機膜(誘電体膜)を交互に積層した誘電体多層膜層(光学多層膜)であり、特定の波長域の光のみを透過させるフィルタ機能を有している。特許文献1では、二酸化チタン層及び二酸化シリコン層を交互に繰り返し積層して、レッド、グリーン、ブルーの各色の分光特性を有する誘電体多層膜層を形成している。誘電体多層膜層は無機膜であるので、耐光性に優れたカラーフィルタを形成することができる。
国際公開WO2005/013369号パンフレット
ところで、誘電体多層膜層からなるカラーフィルタは、着色剤含有組成物で形成されたカラーフィルタと比較して、各色の透過分光特性の透過面積が狭い、つまり、透過可能な光の波長域が狭くなる。このため、誘電体多層膜層からなるカラーフィルタをデジタルカメラやカメラ付き携帯電話機等の固体撮像素子に用いた場合に、カラーフィルタを透過する各色の光の透過量が小さくなり、感度不足が発生するおそれがある。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、良好な分光特性を有し、且つ耐光性に優れたカラーフィルタ、及びこのカラーフィルタを備える固体撮像素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のカラーフィルタは、基板の表面に、屈折率の異なる複数種類の誘電体膜を交互に積層した誘電体多層膜層と、着色剤を含有した着色剤含有組成物層とを積層して成ることを特徴とする。
前記誘電体多層膜層は、相対的に屈折率の高い高屈折率誘電体膜と、相対的に屈折率の低い低屈折率誘電体膜とを交互に積層して成り、前記高屈折率誘電体膜の膜厚をd1、屈折率をn1とし、前記低屈折率誘電体膜の膜厚をd2、屈折率をn2としたときに、(n1・d1)+(n2・d2)=170〜210を満たすように、前記高屈折率誘電体膜及び前記低屈折率誘電体膜がそれぞれ形成されていることが好ましい。
前記誘電体多層膜層は、イエローの分光特性を有していることが好ましい。また、前記誘電体多層膜層は、少なくとも4層以上で構成されていることが好ましい。
前記着色剤は、顔料または染料であることが好ましい。また、前記着色剤含有組成物層は、フォトリソグラフィー法またはドライエッチング法によりパターニングされていることが好ましい。
前記着色剤含有組成物層は色毎に形成されるとともに、第2色目以降に形成される着色剤含有組成物層は、その表面が第1色目の着色剤含有組成物層の表面と略面一なるように、エッチバック法または化学機械研磨処理法により平坦化処理されていることが好ましい。
本発明の固体撮像素子は、請求項1ないし7いずれか1項記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする。
本発明は、耐光性(堅牢性)を有する誘電体多層膜層と、この誘電体多層膜層よりも分光特性が良好な着色剤含有組成物層とを積層してカラーフィルタを形成したので、カラーフィルタの分光特性を良好にし、且つその耐光性を高くすることができる。
また、本発明は、誘電体多層膜層を構成する高屈折率誘電体膜の膜厚d1と屈折率n1、及び低屈折率誘電体膜の膜厚d2と屈折率n2が、(n1・d1)+(n2・d2)=170〜210を満たしているので、無機膜(誘電体膜)からなる誘電体多層膜層の分光特性を良好にすることができる。これにより、カラーフィルタの分光特性をより良好にすることができる。更に、誘電体多層膜層の膜厚及び屈折率の設計値の範囲を、従来のλ/4多層構造の誘電体多層膜層よりも広げることができる
図1に示すように、固体撮像素子10は、フォトダイオード12R,12G,12B、絶縁層13、ブルー(B)色カラーフィルタ14B、グリーン(G)色カラーフィルタ14G、レッド(R)色カラーフィルタ14R、平坦層15、マイクロレンズ16などの半導体基板(基板)18上に設けられた各部から構成される。
フォトダイオード12B,12G,12Rは、被写体からの光を光電変換する光電変換素子であり、半導体基板18上に2次元に配列されている。フォトダイオード12B,12G,12Rは、各色カラーフィルタ14B,14G,14Rをそれぞれ透過したB光、G光、R光を光電変換する。また、フォトダイオード12B,12G,12R及び半導体基板18の表面上には、透明な絶縁層13が設けられている。この絶縁層13上には、各色カラーフィルタ14B,14G,14Rが設けられている。
各色カラーフィルタ14B,14G,14Rは、それぞれフォトダイオード12B,12G,12R上に位置する。B色カラーフィルタ14Bは、バイオレット(V)色の分光特性を有する誘電体多層膜層20Vと、B色の分光特性を有する着色剤含有組成物層21Bとから構成される。G色カラーフィルタ14Gは、イエロー(Y)色の分光特性を有する誘電体多層膜層20Yと、G色の分光特性を有する着色剤含有組成物層21Gとから構成される。また、R色カラーフィルタ14Rは、誘電体多層膜層20YがG色カラーフィルタ14Gと共通であり、この誘電体多層膜層20Yと、R色の分光特性を有する着色剤含有組成物層21Rとから構成される。
誘電体多層膜層20V,20Yは、屈折率の異なる2種類の誘電体膜を交互に積層して形成した4層のフォトニック結晶である。この2種類の誘電体膜は、相対的に屈折率の低い低屈折率誘電体膜である二酸化シリコン層(SiO)、相対的に屈折率の高い高屈折率誘電体膜である二酸化チタン層(TiO)である。誘電体多層膜層20V,20Y毎にそれぞれ二酸化シリコン層及び二酸化チタン層の厚みを適宜調整することで、誘電体多層膜層20V,20YはそれぞれV色、Y色の分光特性を有する。
図2(A)に示すように、誘電体多層膜層20Vは、二酸化シリコン層23、二酸化チタン層24、二酸化シリコン層25、二酸化チタン層26を積層して形成される。(B)に示すように、誘電体多層膜層20Yは、二酸化シリコン層23が誘電体多層膜層20Vと共通であり、この層上に二酸化チタン層27、二酸化シリコン層28、二酸化チタン層29を積層して形成される。
また、各誘電体多層膜層20V,20Yを構成する二酸化チタン層及び二酸化シリコン層(交互層)は、その屈折率をそれぞれn1,n2、その膜厚をそれぞれd1,d2としたときに、下記式(1)を満たすように形成されている。
n1・d1+n2・d2=170〜210・・・式(1)
従来の誘電体多層膜層は、着色剤含有組成物層のような良好な分光特性が得られるように、λ/4(λは設定中心波長)多層構造に形成されており、二酸化チタン層及び二酸化シリコン層の膜厚はλ/4の狭い範囲に規定されていた。これに対して、本発明では、良好な分光特性を得るために、誘電体多層膜20V,20Yの各層の膜厚及び屈折率を式(1)のように規定することで、膜厚及び屈折率の設計値の範囲を広げることができる(後述の図27、表2参照)。
着色剤含有組成物層21B,21G,21Rは、それぞれB色、G色、R色の着色剤、光硬化成分を含む着色光硬化組成物により形成される。この光硬化性成分は、フォトリソ法に通常用いられる光硬化性組成物であり、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂等)、感光性重合成分(光重合成モノマー等)、光重合開始剤等を少なくとも含む組成物を用いることができる。このような着色光硬化性組成物については、例えば、特開2005−326453号公報の段落番号0017〜0064に記載の事項を好適に適用することができる。着色剤含有組成物層21B,21G,21Rは、着色光硬化性組成物を支持体上に直接または他の層を介して塗布・乾燥した後、加熱処理を施すことにより形成される。
また、着色光硬化性組成物を用いる代わりに、非感光性の着色熱硬化性組成物を用いて着色剤含有組成物層21B,21G,21Rを形成することができる。着色熱硬化性組成物は、着色剤と、熱硬化性化合物とを含み、全固形分中の着色剤濃度が50質量%以上100質量%未満であることが好ましい。
[着色剤]
着色剤は、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。
[顔料]
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を挙げることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、平均粒子径がなるべく小さい顔料の使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
また、顔料として耐光性が強い無機顔料を選定することが好ましく、以下のものを挙げることができる(なお、以下にはY色、G色、B色以外の顔料についても例示している)。以下では、C.I.15:3が代表例である。
C.I.ピグメント・イエロー
11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185;
C.I.ピグメント・グリーン
7、36、37
C.I.ピグメント・オレンジ
36,71;
C.I.ピグメント・レッド
122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.ピグメント・バイオレット
19,23,32;
C.I.ピグメント・ブルー
15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.ピグメント・ブラック1
[染料]
着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解して非感光性の熱硬化性着色樹脂組成物を得ることができる。本発明において使用できる染料は、特に制限はなく、カラーフィルタ用として公知の染料が使用可能である。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料を使用することができる。
[着色剤濃度]
前述の着色熱硬化性組成物の全固形分中の着色剤含有率は、特に限定されるものではないが、好ましくは50質量%以上100質量%未満であり、55質量%以上90質量%以下がより好ましい。50質量%以上とすることでカラーフィルタとして適度な色度を得ることができる。また、100質量%未満とすることで光硬化を充分に進めることができ、膜としての強度低下を抑制することができる。
[熱硬化性化合物]
前述の熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。この熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するものが好ましい。
更に好ましい熱硬化性化合物としては、(a)エポキシ化合物、(b)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物が挙げられる。そして、中でも多官能エポキシ化合物が特に好ましい。
着色熱硬化性組成物中における熱硬化性化合物の総含有量としては、素材により異なるが、着色熱硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.2〜40質量%がより好ましく、1〜35質量%が特に好ましい。
[各種添加物]
前述の着色熱硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加物、例えば、バインダー、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤等を配合することができる。
[バインダー]
バインダーは、顔料分散液調製時に添加する場合が多く、アルカリ可溶性を必要とせず、有機溶剤に可溶であればよい。バインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
これら各種バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
また、アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、例えばベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸、ベンジルメタアクリレート/ベンジルメタアクリルアミドのような各共重合体、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。これらのバインダー中に着色剤を高濃度に分散させることで、下層等との密着性を付与でき、これらはスピンコート、スリットコート時の塗布面状にも寄与している。
[硬化剤]
熱硬化性化合物としてエポキシ樹脂を使用する場合には、硬化剤を添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。硬化剤に関しては垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。硬化剤の例を挙げると以下のようになる。
触媒的に作用するものとしては、第三アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものとしてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化のものとして、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また、化学構造別に見るとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
これら硬化剤は、加熱によりエポキシ基と反応し、重合することによって架橋密度が上がり硬化するものである。薄膜化のためには、バインダー、硬化剤とも極力少量の方が好ましく、特に硬化剤に関しては熱硬化性化合物に対して35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下とすることが好ましい。
[硬化触媒]
本発明において高い着色剤濃度を実現するためには、前述の硬化剤との反応による硬化の他、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒の添加量としてはエポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
[溶剤]
前述の着色熱硬化性組成物は、各種溶剤に溶解された溶液として用いることができる。着色熱硬化性組成物に用いられるそれぞれの溶剤は、各成分の溶解性や着色熱硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されない
[分散剤]
また、前述の分散剤は、顔料の分散性を向上させるために添加することができる。分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール社製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(旭電化(株)製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる
また、分散剤は、単独で用いてもよくまた2種以上組み合わせて用いてもよい。分散剤の着色熱硬化性組成物中の添加量は、通常顔料100質量部に対して0.1〜50質量部程度が好ましい。
このような着色剤等を含む着色剤含有組成物層は、色の種類によって耐光性が異なる。例えば、R色やY色の着色剤含有組成物層は耐光性が低いのに対して、B色やV色の着色剤含有組成物層は耐光性が高い。このため、本実施形態は、特にG色カラーフィルタ14GのY色層を着色剤含有組成物層ではなく、誘電体多層膜層で形成している。
なお、R色やY色の着色剤含有組成物層は耐光性が低いので、R色カラーフィルタ14RのR色層及びY色層を共に誘電体多層膜層で形成してもよい。逆にB色やV色の着色剤含有組成物層は耐光性が高いので、B色カラーフィルタ14BのV色層及びB色層を共に着色剤含有組成物層で形成してもよい(図25参照)。
平坦層15は、各色のカラーフィルタ層14R,14G,14Bを覆うように形成された透明層であり、平坦な上面を有している。マイクロレンズ16は、凸面を上にして設けられたレンズであり、平坦層15の上面に設けられている。マイクロレンズ16は、各フォトダイオード12B,12R,12Gに対応する位置に設けられており、被写体からの光を効率良く各フォトダイオード12B,12R,12Gへ導く。
半導体基板18には、前述のフォトダイオード12B,12R,12Gの他に、図示は省略するが、ポリシリコンで形成された周知の転送電極や、フォトダイオード12B,12R,12Gの形成部分以外を覆う遮光マスクなどが設けられている。
次に、各色カラーフィルタ14B,14G,14Rを形成するカラーフィルタ形成工程について説明する。カラーフィルタ形成工程は、大別して、誘電体多層膜層形成工程と、着色剤含有組成物層形成工程とから構成される。誘電体多層膜層形成工程では、二酸化シリコン層及び二酸化チタン層を交互に積層して、誘電体多層膜層20V,20Yを同時に形成する。前述したように、カラーフィルタ14G,14Rをそれぞれ構成する誘電体多層膜層20Yは、同一の構成(共通)である。
着色剤含有組成物層形成工程では、周知のフォトリソグラフィー(フォトリソ)法を用いて着色剤含有組成物層21B,21G,21Rを順番に形成する。なお、本実施形態では、着色剤含有組成物層21G、着色剤含有組成物層21B、着色剤含有組成物層21Rの順番で形成する(各層の形成順番は特に限定されない。)
[誘電体多層膜層形成工程]
図3に示すように、誘電体多層膜層形成工程では、周知の高周波スパッタ装置や電子ビーム蒸着装置等を用いて、半導体基板18及び絶縁層13上に二酸化シリコン層23を形成する。次いで、図4に示すように、二酸化シリコン層23上に二酸化チタン層24を形成する。なお、二酸化シリコン層23は、屈折率が1.35〜1.5の場合、厚みは10〜110nmの範囲、好ましくは30〜100nmで、二酸化チタン層24は、屈折率が1.8〜2.1の場合、厚みは15〜90nmで、好ましくは30〜80nmである。
図5に示すように、二酸化チタン層24上のB色カラーフィルタ14Bを形成する領域(以下、B色形成領域という)にフォトレジスト39を形成する。フォトレジスト39は、周知のフォトレジスト材料の塗布処理、プリベーク処理、露光処理、現像処理、ポストベーク処理を経て形成される。このフォトレジスト39の厚みは1μmである。なお、各図では、図中の二酸化シリコン層、二酸化チタン層、フォトレジストを明確にするため、相互の厚みの比率は無視して一部誇張して表示してある。
次いで、周知のドライエッチング装置(図示せず)を用いて、二酸化チタン層24のフォトレジスト39に覆われていない領域(G色及びR色形成領域)をドライエッチング処理(プラズマエッチングプロセス)により除去する。このドライエッチング処理には、エッチングの選択比(二酸化チタン層のエッチング量/二酸化シリコン層のエッチング量)が大きくなるCl系ガスが用いられる。エッチング条件は、ClとOとの混合ガスを用いて、ドライエッチング装置のチャンバー内へのClガスの流量を50ml/min、Oガスの流量を10ml/minに調節した。また、ドライエッチング装置のRFパワーを500W、そのチャンバーの内部圧力を2Paに調節した。
ドライエッチング処理は、二酸化チタン層24のフォトレジスト39に覆われていない領域が全て除去されるまで行われる。そして、図6に示すように、ドライエッチング処理終了後に、フォトレジスト39が剥離処理される。
図7に示すように、フォトレジスト39の剥離処理後、高周波スパッタ装置等を用いて二酸化チタン層24(B色形成領域)及び二酸化シリコン層23(G色、R色形成領域)上に、二酸化チタン層が形成される。二酸化チタン層は、屈折率が1.8〜2.1のとき、厚みは30〜90nmで、好ましくは20〜60nmで形成される。これにより、二酸化チタン層24の厚みが増加する。また、二酸化シリコン層23上に二酸化チタン層27が形成される。
次いで、図8に示すように、高周波スパッタ装置等を用いて二酸化チタン層24,27上にそれぞれ二酸化シリコン層25を形成する。二酸化シリコン層25は、屈折率が1.35〜1.5のとき、厚みは10〜110nmの範囲、好ましくは30〜100nmである。そして、図9に示すように、B色形成領域上に、前述のフォトレジスト39と同様にしてフォトレジスト40を形成する。
フォトレジスト40の形成後、前述のドライエッチング装置を用いて、二酸化シリコン層25のフォトレジスト40に覆われていない領域(G色、R色形成領域)をドライエッチング処理により除去する。エッチング条件は、CFとOとの混合ガスを用いて、ドライエッチング装置のチャンバー内へのCFガスの流量を50ml/min、Oガスの流量を10ml/minに調節した。また、ドライエッチング装置のRFパワーを500W、そのチャンバーの内部圧力を4Paに調節した。そして、図10に示すように、二酸化シリコン層25のG色、R色形成領域をドライエッチング処理により除去した後、フォトレジスト40を剥離処理する。
図11に示すように、フォトレジスト40の剥離処理後、高周波スパッタ装置等を用いて、二酸化シリコン層25(B色形成領域)及び二酸化チタン層27(G色、R色形成領域)上に、二酸化シリコン層を形成する。この二酸化シリコン層は、屈折率が1.35〜1.5のとき、厚みは30〜100nmの範囲、好ましくは40〜90nmである。これにより、二酸化シリコン層25の厚みが増加する。また、二酸化チタン層27上に二酸化シリコン層28が形成される。
次いで、図12に示すように、高周波スパッタ装置等を用いて、二酸化シリコン層25,28上に、二酸化チタン層26,29を形成する。二酸化チタン層26,29は、屈折率が1.8〜2.1のとき、厚みは15〜70nmで、好ましくは30〜80nmで形成される。以上で誘電体多層膜層形成工程が終了し、誘電体多層膜層20V,20Yがそれぞれ形成される。
[着色剤含有組成物層形成工程(フォトリソ法)]
図13に示すように、着色剤含有組成物層形成工程37では、最初に、溶剤に分散されたG色の着色光硬化組成物42をスピンコータで誘電体多層膜層20V,20Y(各色形成領域B,G,R)上に塗布した後、プリベーク処理を行う。
図14に示すように、着色光硬化組成物42のプリベーク処理後に、例えば周知のステッパー等の露光装置を用いて、着色光硬化組成物42を露光する。ステッパーからの露光用光線は、マスク43の開口部より着色光硬化組成物42のG色形成領域に照射され、このG色形成領域が硬化する。
図15に示すように、露光処理終了後、周知の現像液を用いて着色光硬化組成物42を現像処理する。これにより、着色光硬化組成物42のG色形成領域以外(未硬化領域)が除去されて、誘電体多層膜層20YのG色形成領域上に着色剤含有組成物層21Gが形成される。
以下同様にして、半導体基板18(絶縁層13上)に、B色及びR色の着色光硬化組成物(図示せず)を着色剤含有組成物層21Gと面一になる厚みに塗布した後、プリベーク処理、露光処理、現像処理を順次施すことにより、誘電体多層膜層20V上に着色剤含有組成物層21Bが形成される。また、同様にして、誘電体多層膜層20YのR色形成領域上に着色剤含有組成物層21Rが形成される。以上で着色剤含有組成物層形成工程及びカラーフィルタ形成工程が全て終了して、半導体基板18上に、各色カラーフィルタ14B,14G,14R(図1参照)が形成される。
各色カラーフィルタ14B,14G,14Rは、それぞれ耐光性(堅牢性)の高い誘電体多層膜層20V,20Yと、誘電体多層膜層よりも分光特性が良好な着色剤含有組成物層21B,21G,21Rとを積層して成るので、着色剤含有組成物層からなるカラーフィルタのような良好な分光特性が得られ、且つその耐光性を高くすることできる。
特に、耐光性の低いR色やY色の着色剤含有組成物層を形成する代わりに、R色やY色の分光特性を有する誘電体多層膜層を形成することで、カラーフィルタの耐光性をより高くすることができる。また、V色やB色の分光特性を有する誘電体多層膜層を形成する代わりに、耐光性が高く且つ分光特性が良好なV色やB色の着色剤含有組成物層を形成することで、カラーフィルタの分光特性をより良好にすることができる。
また、誘電体多層膜層20V,20Yは無機膜であるので、着色剤含有組成物層と比較して分光特性が悪くなるが、本発明では、誘電体多層膜層20V,20Yの交互層(二酸化チタン層、二酸化シリコン層)を、その屈折率及び膜厚が上記式(1)を満たすように形成している。これにより、誘電体多層膜層20V,20Yは、着色剤含有組成物層のような良好な分光特性を有するので、各色カラーフィルタ14B,14G,14Rの分光特性をより良好にすることができる(後述の図27、表2参照)。更に、前述したように膜厚及び屈折率の設計値の範囲を、従来のλ/4多層構造の誘電体多層膜層よりも広げることができる。
上記実施形態では、フォトリソ法を用いて各着色剤含有組成物層21B,21G,21Rを形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ドライエッチング法を用いて各着色剤含有組成物層21B,21G,21Rを形成してもよい。以下、ドライエッチング法を用いた着色剤含有組成物層形成工程について説明を行う。
[着色剤含有組成物層形成工程(ドライエッチング法)]
図16に示すように、前述の誘電体多層膜形成工程36の終了後、溶剤に分散されたG色の着色熱硬化性組成物45Gを、スピンコータで誘電体多層膜層20V,20Y(各色形成領域B,G,R)上に塗布した後、ポストベーク処理を行って着色熱硬化性組成物45Gを硬化させる。次いで、図17に示すように、着色熱硬化性組成物45G上に、二酸化シリコン(SiO)等を含む前駆体ポリマーを用いて、周知のゾルゲル法により終点検出層47を形成する。
終点検出層47は、着色剤含有組成物層21Y,21Bの形成時に行われるエッチバック処理の終点検出に用いられる。この終点検出層47は、透明であるため、G色カラーフィルタ14Gの光学特性には影響を及ぼさない。そして、図18に示すように、終点検出層47上に、フォトレジスト材料を塗布した後、ポストベーク処理を行ってフォトレジスト48を形成する。フォトレジスト材料としては、公知のポジ型フォトレジストを使用することができる。ポジ型フォトレジストとしては、紫外線(g線、i線)、KrF,ArFなどのエキシマレーザー等を含む遠紫外線、電子線などに感応するポジ型の感光性樹脂組成物を使用することができる。
次いで、図19に示すように、ステッパー等を用いて、フォトレジスト48を露光する。ステッパーからの露光用光線は、マスク49を介して、フォトレジスト48のG色形成領域以外の領域に照射される。そして、図20に示すように、露光処理済みのフォトレジスト48に現像処理を施すことで、このフォトレジスト48のG色形成領域以外の領域が除去される。
図21に示すように、フォトレジスト48の現像処理後、ドライエッチング装置を用いて、フォトレジスト48をマスクとして着色熱硬化性組成物45G及び終点検出層47をドライエッチング(プラズマエッチング)処理する。これにより、着色熱硬化性組成物45G及び終点検出層47のフォトレジスト48で覆われていない領域(B色及びR色形成領域)が除去されて、着色剤含有組成物層21G(図22参照)が形成される。
ドライエッチング処理では、フッ素系ガスの少なくとも1種と酸素ガスとを少なくとも含む混合ガスが用いられる。ドライエッチング装置のチャンバー内への混合ガスの流量は、1500mL/min(0℃、1013hPa)以下が好ましく、500〜1000mL/min(0℃、1013hPa)がより好ましい。また、ドライエッチング装置のRFパワーは、50〜2000Wが好ましく、100〜1000Wがより好ましい。さらに、ドライエッチング装置のチャンバーの内部圧力は、2.0〜6.0Paであることが好ましく、4.0〜5.0Paであることがより好ましい。
図22に示すように、ドライエッチング処理終了後、フォトレジスト48の剥離処理が行われ、終点検出層47上に残存するフォトレジスト48が除去される。以上で着色剤含有組成物層21Gの形成工程が終了する。
図23に示すように、着色剤含有組成物層21Gの形成後、スピンコータを用いて、終点検出層47及び誘電体多層膜層20V,20Y(半導体基板18の全表面)を覆うように、溶剤に分散されたB色の着色熱硬化性組成物45Bを塗布した後、ポストベーク処理して着色熱硬化性組成物45Bを硬化させる。
次いで、ドライエッチング装置を用いて着色熱硬化性組成物45Bのエッチバック処理(平坦化処理)を行う。ドライエッチング装置は、例えばRIE−ECR:U−621(日立ハイテクノロジーズ社製)が用いられる。このエッチバック処理は、終点検出層47が露出するまで行われる。
図24に示すように、エッチバック処理により終点検出層47が露出し、この終点検出層47がプラズマガスでエッチングされると、このエッチングにより生成された反応生成物のプラズマ発光が発生する。従って、このプラズマ発光がドライエッチング装置のプラズマ発光モニター等で確認された時は、エッチバック処理が終点に達しているので、エッチバック処理を停止させる。
終点検出層47が露出すると、着色熱硬化性組成物45Bの表面と、先に形成された着色剤含有組成物層21G(終点検出層47)の表面とが略面一になり、誘電体多層膜20V上に着色剤含有組成物層21Bが形成される。なお、着色剤含有組成物層21Bは、R色形成領域にも形成される。従って、R色形成領域以外をフォトレジスト等で覆った後、前述のドライエッチング処理を行って、R色形成領域に形成された着色剤含有組成物層21Bを除去する。
以下、前述の着色剤含有組成物層21Bと同様にして、誘電体多層膜20R上に着色剤含有組成物層21Rが形成される(図1参照)。以上でドライエッチング法を用いた着色剤含有組成物層形成工程が終了する。
上記実施形態では、各色カラーフィルタ14B,14G,14Rをそれぞれ誘電体多層膜層と着色剤含有組成物層とを積層して形成しているが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、前述したようにR色カラーフィルタ14Rは、Y色及びR色の分光特性を有する誘電体多層膜層を積層して形成してもよく、B色カラーフィルタ14Bは、V色及びB色の着色剤含有組成物層を積層して形成してもよい。または、B色カラーフィルタ14Bを、B色の分光特性を有する誘電体多層膜層と、V色の着色剤含有組成物層とから形成してもよい。
上記実施形態では、ドライエッチング装置(エッチバック法)を用いて、着色熱硬化性組成物45B等を平坦化処理しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、着色熱硬化性組成物45B等を平坦化処理してもよい。CMP装置及びこのCMP装置を用いた平坦化処理法は、周知であるので説明は省略する。なお、エッチバック法やCMP法以外の平坦化処理方法を用いてもよい。
上記実施形態では、各多層干渉膜層20V,20Yが4層構造を有しているが、5層以上で形成されていてもよい。また、上記実施形態では、各誘電体多層膜層が二酸化シリコン層と二酸化チタン層の交互層で形成されているが、屈折率の異なる複数種類の誘電体膜(無機膜)で形成されていてもよい。
上記実施形態では、固体撮像素子10に用いられるカラーフィルタを例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば液晶モニタ(LCD)に用いられるカラーフィルタにも本発明を適用することができる。この場合には、カラーフィルタをガラス基板等の各種基板の表面に形成してもよい。
[耐光性]
以下、本発明の効果を実証するための実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。先ず、耐光性について説明する。「実施例1」は、前述の図1に示す各色カラーフィルタ14B,14G,14Rを構成しており、この実施例1のB色及びR色カラーフィルタ14B,14Rを、図25に示すように、それぞれB色及びR色カラーフィルタ50B,50Rに代えたものを「実施例2」とした。
図25に示すように、実施例2のB色カラーフィルタ50Bは、V色の着色剤含有組成物と、B色の着色剤含有組成物とを含有した1層構造である。また、R色カラーフィルタ50Rは、前述のY色の誘電体多層膜層20Yと、R色の分光特性を有する誘電体多層膜層52Rとを積層して形成した。この誘電体多層膜層52Rは、二酸化シリコン層54、二酸化チタン層55、二酸化シリコン層56、二酸化チタン層57を順に積層して形成した。
また、B色、G色、R色カラーフィルタを全て着色剤含有組成物層で形成したものを「比較例1」とした。
以上のように形成された実施例1〜2及び比較例1について耐光性を評価した。この耐光性の評価では、図26に示すように、実施例1〜2及び比較例1のR色カラーフィルタの耐光性、具体的には、各R色カラーフィルタを透過する光の透過率を波長ごとに測定した。この測定は、光源として、SUPER XENON FADE METER(スガ試験機(株))を用いて、光量1000万LxH(1万Lx×1000時間)を照射し照射前後で、分光特性を評価した。分光特性評価は、分光光度計(U−4100 日立社製)を用いて評価した。なお、図中の点線で示した「Before」は、耐光性の評価を開始する前の各実施例及び比較例の測定結果である。
下記表1に示すように、耐光性評価の測定結果が「Before」とほとんど差がない場合には「◎」、「Before」よりも光の透過率が高くなるが規格内に収まる場合には「○」、光の透過率が高くなり規格外になる場合には「×」と判定した。実施例2の測定結果と「Before」の測定結果にはほとんど差がなく、耐光性が高くなっていることが確認された。また、実施例1は、光の透過率が「Before」よりも高くなるものの、比較例1と比較して耐光性が高くなることが確認された。これに対して、比較例1は耐光性が低く、高い耐光性が要求される車載カメラや監視カメラ用の固体撮像素子のカラーフィルタには用いることはできない。
Figure 2010078680
[分光特性]
実施例及び比較例として、それぞれY色の分光特性を有する誘電体多層膜層を用意して、上記式(1)を満たすものを実施例3とし、満たさないもの比較例2及び比較例3として、分光特性を比較した。実施例3は、誘電体多層膜層(交互層)を構成する二酸化チタン層の屈折率n1が1.8、膜厚d1が60nm、二酸化シリコン層の屈折率n2が1.46、膜厚d2が50nmであり、上記式(1)の値が181となる誘電体多層膜層とした。
比較例2は、実施例3と屈折率n1、n2の値は同じであるが、二酸化チタン層の膜厚が45nm、二酸化シリコン層の膜厚が95nmであり、上記式(1)の値が219.7となる誘電体多層膜層とした。また、比較例3は、実施例3と屈折率n1、n2の値は同じであるが、二酸化チタン層の膜厚が30nm、二酸化シリコン層の膜厚が30nmであり、上記式(1)の値が97.8となる誘電体多層膜層とした。
実施例3、比較例2、及び比較例3の分光特性(透過率特性)を評価した。図27に示すように、実施例3及び比較例2、3に照射された光の透過率を波長ごとに測定した。この測定は、前述の分光光度計(U−4100)を用いて、波長400〜700nm領域で評価した。なお、図中の点線で示した「Yellow」は、Y色の着色剤含有組成物層の測定結果である。
下記表2に示すように、分光特性測定結果の波形の形状(立ち上がり位置等)が「Yellow」に類似している場合には「○」、類似していない場合には「×」と判定した。実施例3及び「Yellow」の測定結果を比較すると、両者の波形の立ち上がり位置はほほ同じで、その形状も類似している。従って、実施例3が、「Yellow」の分光特性と近似した分光特性を有していることが確認された。これに対して、比較例2及び比較例3は、波形の立ち上がり位置が「Yellow」と異なっており、実施例3と比較して分光特性が悪くなっていることが確認された。
Figure 2010078680
本発明の固体撮像素子及びカラーフィルタの断面図である。 (A)はV色の誘電体多層膜層の断面図であり、(B)はY色の誘電体多層膜層の断面図である。 半導体基板上に第1層目の二酸化シリコン層を形成した状態を説明するための説明図である。 第1層目の二酸化シリコン層上に第2層目の二酸化チタン層を形成した状態を説明するための説明図である。 第2層目の二酸化チタン層のブルー(B)色形成領域以外を除去するドライエッチング処理を説明するための説明図である。 図5のドライエッチング処理後、且つフォトレジストの剥離処理後の状態を説明するための説明図である。 フォトレジストの剥離処理後に、第2層目の二酸化チタン層を各色形成領域に形成した状態を説明するための説明図である。 第3層目の二酸化シリコン層を形成した状態を説明するための説明図である。 第3層目の二酸化シリコン層のG色、R色形成領域を除去するドライエッチング処理を説明するための説明図である。 図10のドライエッチング処理後、且つフォトレジストの剥離処理後の状態を説明するための説明図である。 フォトレジストの剥離処理後に、第3層目の二酸化シリコン層を各色形成領域に形成した状態を説明するための説明図である。 第4層目の二酸化チタン層を形成した状態を説明するための説明図である。 誘電体多層膜層上に、G色の着色光硬化組成物の塗布処理・プリベーク処理を行った状態を説明するための説明図である。 G色の着色光硬化組成物の露光処理を説明するための説明図である。 G色の着色光硬化組成物が現像処理されて、G色の着色剤組成物層が形成された状態を説明するための説明図である。 ドライエッチング法により着色剤組成物層の形成を行う他実施形態において、誘電体多層膜層上にG色の着色熱硬化性組成物を形成した状態を説明するための説明図である。 G色の着色熱硬化性組成物上に終点検出層を形成した状態を説明するための説明図である。 終点検出層上にフォトレジストを形成した状態を説明するための説明図である。 フォトレジストの露光・現像処理を説明するための説明図である。 図19の露光・現像処理後の状態を説明するための説明図である。 G色の着色熱硬化性組成物及び終点検出層のドライエッチング処理を説明するための説明図である。 図21のドライエッチング処理後、且つフォトレジストの剥離処理後の状態を説明するための説明図である。 半導体基板(絶縁層)の全表面を覆うように形成されたB色の着色熱硬化性組成物のエッチバック処理を説明するための説明図である。 図23のエッチバック処理後の状態を説明するための説明図である。 B色カラーフィルタを全て着色剤含有組成物層で形成した他実施形態のカラーフィルタの断面図である。 本発明について行った実施例及び比較例の耐光性の評価結果を示すグラフである。 本発明について行った実施例及び比較例の分光特性(透過率特性)の評価結果を示すグラフである。
符号の説明
10 固体撮像素子
18 半導体基板
14B B色カラーフィルタ
14G G色カラーフィルタ
14R R色カラーフィルタ
20V,20Y 誘電体多層膜層
21B,21G,21R 着色剤含有組成物層
23,25,28 二酸化シリコン層
24,26,27,29 二酸化チタン層

Claims (8)

  1. 基板の表面に、屈折率の異なる複数種類の誘電体膜を交互に積層した誘電体多層膜層と、着色剤を含有した着色剤含有組成物層とを積層して成ることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記誘電体多層膜層は、相対的に屈折率の高い高屈折率誘電体膜と、相対的に屈折率の低い低屈折率誘電体膜とを交互に積層して成り、
    前記高屈折率誘電体膜の膜厚をd1、屈折率をn1とし、前記低屈折率誘電体膜の膜厚をd2、屈折率をn2としたときに、
    (n1・d1)+(n2・d2)=170〜210
    を満たすように、前記高屈折率誘電体膜及び前記低屈折率誘電体膜がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 前記誘電体多層膜層は、イエローの分光特性を有していることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ。
  4. 前記誘電体多層膜層は、少なくとも4層以上で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のカラーフィルタ。
  5. 前記着色剤は、顔料または染料であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載のカラーフィルタ。
  6. 前記着色剤含有組成物層は、フォトリソグラフィー法またはドライエッチング法によりパターニングされていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のカラーフィルタ。
  7. 前記着色剤含有組成物層は色毎に形成されるとともに、第2色目以降に形成される着色剤含有組成物層は、その表面が第1色目の着色剤含有組成物層の表面と略面一なるように、エッチバック法または化学機械研磨処理法により平坦化処理されていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載のカラーフィルタ。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする固体撮像素子。
JP2008244317A 2008-09-24 2008-09-24 カラーフィルタ及び固体撮像素子 Pending JP2010078680A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008244317A JP2010078680A (ja) 2008-09-24 2008-09-24 カラーフィルタ及び固体撮像素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008244317A JP2010078680A (ja) 2008-09-24 2008-09-24 カラーフィルタ及び固体撮像素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010078680A true JP2010078680A (ja) 2010-04-08

Family

ID=42209252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008244317A Pending JP2010078680A (ja) 2008-09-24 2008-09-24 カラーフィルタ及び固体撮像素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010078680A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012150619A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Mitsumi Electric Co Ltd 指紋検出装置及び指紋検出装置の製造方法
WO2016013520A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 富士フイルム株式会社 カラーフィルタ、固体撮像素子
US9766467B2 (en) 2014-10-20 2017-09-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Color splitter, method of manufacturing the same, and image sensor including the same

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012150619A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Mitsumi Electric Co Ltd 指紋検出装置及び指紋検出装置の製造方法
WO2016013520A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 富士フイルム株式会社 カラーフィルタ、固体撮像素子
JPWO2016013520A1 (ja) * 2014-07-25 2017-04-27 富士フイルム株式会社 カラーフィルタ、固体撮像素子
KR101876281B1 (ko) * 2014-07-25 2018-07-09 후지필름 가부시키가이샤 컬러 필터, 고체 촬상 소자
US9766467B2 (en) 2014-10-20 2017-09-19 Samsung Electronics Co., Ltd. Color splitter, method of manufacturing the same, and image sensor including the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI709641B (zh) 組成物、膜、近紅外線截止濾波器、積層體、圖案形成方法、固體攝像元件、圖像顯示裝置、紅外線感測器及濾色器
KR102180286B1 (ko) 조성물, 막, 근적외선 차단 필터, 패턴 형성 방법, 적층체, 고체 촬상 소자, 화상 표시 장치, 카메라 모듈 및 적외선 센서
US9650493B2 (en) Coloring composition, cured film, color filter, pattern forming method, method for manufacturing color filter, solid-state imaging device, and image display device
KR101852804B1 (ko) 적외선 센서, 근적외선 흡수 조성물, 감광성 수지 조성물, 화합물, 근적외선 흡수 필터 및 촬상 장치
US20170010529A1 (en) Coloring composition, cured film, color filter, pattern forming method, method for manufacturing color filter, solid-state imaging device, and image display device
JP2009111225A (ja) 固体撮像素子及びその製造方法
TW201635026A (zh) 著色感光性組成物、硬化膜、圖案形成方法、帶遮光膜的紅外線截止濾光片、固體攝像元件、圖像顯示裝置及紅外感測器
CN107533170A (zh) 红外线吸收组合物、红外线截止滤波器、层叠体、图案形成方法及固体成像元件
JP5064426B2 (ja) カラーフィルタの製造方法及び固体撮像素子
CN107614626A (zh) 着色组合物、膜、滤色器、图案形成方法、滤色器的制造方法、固体成像元件及红外线传感器
TWI744286B (zh) 感放射線性組成物、光學濾波器、積層體、圖案形成方法、固體攝像元件、圖像顯示裝置及紅外線感測器
TWI754706B (zh) 組成物、膜、濾光器、圖案形成方法、固體成像元件、圖像顯示裝置及紅外線感測器
KR20190103446A (ko) 수지 조성물, 막, 적외선 차단 필터 및 그 제조 방법, 고체 촬상 소자, 적외선 센서와, 카메라 모듈
KR102513131B1 (ko) 조성물, 막, 광학 필터, 고체 촬상 소자, 적외선 센서, 광학 필터의 제조 방법, 카메라 모듈, 화합물, 및 분산 조성물
JP2010134352A (ja) カラーフィルタの製造方法及び固体撮像素子
JP2010078680A (ja) カラーフィルタ及び固体撮像素子
JP5412124B2 (ja) 光電変換装置及び固体撮像装置
JPWO2019049626A1 (ja) 組成物及びその製造方法、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置、並びに、赤外線センサ
JP6761803B2 (ja) 樹脂組成物、樹脂膜、樹脂膜の製造方法、光学フィルタ、インク、装置、j会合体およびj会合体の製造方法
JP2008176184A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2010085755A (ja) カラーフィルタの製造方法及び固体撮像装置
JP2009075172A (ja) カラーフィルタ及びその製造方法並びに固体撮像装置
JP2008292629A (ja) カラーフィルタの製造方法
WO2023080176A1 (ja) 赤外光パスフィルター用感光性着色組成物、赤外光パスフィルター、赤外光パスフィルター用感光性着色組成物の製造方法、および、赤外光パスフィルターの製造方法
JP5119108B2 (ja) カラーフィルタの製造方法