JP2013156460A - 携帯情報端末用カバー部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯情報端末に取り付けられる小型の撮像素子において、近赤外カットフィルターを設けることなく当該撮像素子に入射する近赤外線をカットし、携帯情報端末を全体として薄型化する。
【解決手段】撮像素子ユニット11を有する携帯情報端末の筺体の一部又は全体を構成し、当該携帯情報端末の内部構造を保護するカバー部材8であって、撮像素子ユニット11に入射する光の光路上に配置され、波長が400nm以上650nm以下の可視光領域にある光の平均透過率が70%以上であり、波長が700nm以上1100nm以下の近赤外領域にある光の平均透過率が5%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯情報端末用カバー部材に関する。
従来、撮像素子には、近赤外線の影響で画像や動画の画質が損なわれることを防止するため、近赤外線カットフィルターが設けられている。近赤外線カットフィルターの代表的なものとしては、光学薄膜の干渉効果を利用するもの、銅等の金属イオンの固有吸収特性を利用するもの、がある。
光学薄膜の干渉効果を利用する場合には、次のような問題がある。
光学薄膜は、基板上に設けられて積層体として用いられるため、基板が薄い場合、光学薄膜の機械的膜質や屈折率を維持しようとすると光学薄膜の膜応力によって基板が変形し、積層体としての光学薄膜に反りが生じることがある。光学薄膜に反りが生じると、撮像素子に取り付けることができなくなる等の問題が生じる。近年では小型撮像素子用の近赤外線カットフィルターには1mm未満の厚みが要求されており、ますます技術的な困難性が高まっている。
また、入射光線とフィルター平面の法線とがなす角度(入射角)が大きくなると、近赤外線カット特性が大きく低下するという問題や、作製法の制限から膜材料・積層数を制限する必要がある場合には、十分な阻止波長帯域の確保が困難であり、リップル等の好ましくない特性が生ずるという問題もある。
更に、小型撮像素子においては、近赤外線カットフィルターの面積自体も極小化されることが求められており、実際の生産方法では大判の基板に光学薄膜を形成した後に小片にダイシングする手法がとられるが、積層体のダイシングは技術的難易度が高く、切断ストレスによるコートの剥離等が歩留まりを低下させている。
これらの問題に対して、近赤外線カットフィルターの裏面に、基板に生ずる反りとは逆方向に反りを与える反り付与層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、基板の両面に、異なる光学特性を有する多層膜を同程度の物理的膜厚となるように成膜することで、基板の反りを低減し且つ光学特性を満足させる方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−193132号公報 特開2009−217138号公報
しかしながら、上記従来の技術にあっては、何れも製造工程の増大に繋がるだけでなく、複雑な設計と高度な生産技術を要するため、携帯情報端末に取り付けられるような小型の撮像素子に対して適用することは困難である。更に、撮像素子が小型である場合、近赤外線カットフィルターを小片化する必要が生じ、この時に発生する膜剥がれやクラック等を成膜技術の観点から解決することは難しい。
一方、金属イオンの固有吸収特性を利用する近赤外線カットフィルターを用いる場合においては次のような問題がある。即ち、吸収係数をもった材料を通り抜ける光の減衰を説明するランベルト・ベールの法則から示されるように、フィルター内に入射した光がフィルター内部を移動する距離が小さいと十分な近赤外領域の遮蔽効果が得られない。このためフィルターの厚みを大きくする必要があるが、フィルターの厚みを大きくすると小型の撮像素子に取り付けることができない。
このような問題を解決するために、金属イオンの固有吸収特性を利用するものに、上記した光学薄膜を併用する方法もあるが、ユニット全体のコスト・製造工程数の増大要因となるだけでなく、この場合においても光学薄膜の応力による反りの問題が解消されない場合が多い。
そこで、本発明は、携帯情報端末に取り付けられる小型の撮像素子において、当該撮像素子のサイズを増大することなく近赤外線をカットし、且つ光学薄膜を積層することに起因する部材の変形や膜剥がれ等の問題を抑制することを目的としている。
以上の課題を解決するため、本発明によれば、
撮像素子を有する携帯情報端末の筺体の一部又は全体を構成し、当該携帯情報端末の内部構造を保護する携帯情報端末用カバー部材であって、
前記撮像素子に入射する光の光路上に配置され、波長が400nm以上650nm以下の可視光領域にある光の平均透過率が70%以上であり、波長が700nm以上1100nm以下の近赤外領域にある光の平均透過率が5%以下であることを特徴とする携帯情報端末用カバー部材が提供される。
本発明によれば、携帯情報端末に取り付けられる小型の撮像素子において、当該撮像素子のサイズを増大することなく近赤外線をカットでき、光学薄膜を積層することに起因する部材の変形や膜剥がれ等の問題を抑制することができる。
本発明に係る携帯情報端末用カバー部材の一部を示す概略断面図である。 携帯情報端末用カバー部材の製造方法の一例を示す製造工程図である。 実施例における携帯情報端末用カバー部材の一部を示す概略断面図である。 実施例1における携帯情報端末用カバー部材の分光特性を示す図である。 実施例2における携帯情報端末用カバー部材の分光特性を示す図である。 比較例1における基板の分光特性を示す図である。 比較例2における基板の分光特性を示す図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明に係るカバー部材(携帯情報端末用カバー部材)8の一部を示す概略断面図であって、カバー部材8の表面側に薄膜9が設けられている場合について示したものである。
カバー部材8は、撮像素子ユニット11を有する携帯情報端末(例えば、携帯電話機、スマートフォン、モバイルコンピュータ等)の筺体の一部又は全体を構成しており、携帯情報端末の内部構造を保護する部材である。また、カバー部材8は、携帯情報端末に取り付けられた撮像素子ユニット11に入射する光の光路上に位置するように設けられている。
カバー部材8は、波長が400nm以上650nm以下の可視光領域にある光の平均透過率が70%以上、波長が700nm以上1100nm以下の近赤外領域にある光の平均透過率が5%以下となるように構成されている。カバー部材8は、好ましくは、可視光領域にある光の透過率の最小値が90%以上となるように構成されており、好ましくは、近赤外領域にある光の透過率の最大値が5%以下となるように構成されている。
カバー部材8は、例えば、従来公知の近赤外線吸収ガラスで構成されており、これにより、可視光領域にある光の平均透過率を70%以上、近赤外領域にある光の平均透過率を5%以下としている。具体的には、カバー部材8は、可視光領域にある光の平均透過率が70%以上のリン酸塩系ガラスに近赤外線吸収特性を有する金属酸化物を含有させたものからなる。
近赤外線吸収特性を有する金属酸化物としては、銅酸化物、鉄酸化物等が挙げられる。カバー部材8が銅酸化物を含有する場合には、銅酸化物は0.1重量%以上10重量%以下含有されていれば良い。銅酸化物の含有量が0.1重量%未満であると、十分な近赤外線吸収特性を得ることができず、10重量%を超えると、可視光領域にある光の透過率が低下するためである。また、カバー部材8が鉄酸化物を含有する場合には、鉄酸化物は0.5重量%以上1重量%以下含有されていれば良い。鉄酸化物の含有量が0.5重量%未満であると、十分な近赤外線吸収特性を得ることができず、1重量%を超えると可視光領域にある光の透過率が低下するためである。
なお、カバー部材8は、ガラス製に限られるものではなく、例えば、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネート等の透明樹脂材料からなるものであっても良く、この場合には一般に透明樹脂材料に添加して用いることのできる近赤外線吸収剤が含有されている。このようにカバー部材8を透明樹脂材料で構成した場合には、カバー部材8の軽量化及び低コスト化が図れるとともに、携帯情報端末に耐衝撃性を付与することができる。
また、カバー部材の裏面側には、図1(a)に示すように、その一部又は全体に近赤外線カットコーティング10が施されている。
近赤外線カットコーティング10としては、屈折率の異なる2種類以上の誘電体物質が交互に積層された誘電体多層膜が用いられ、入射光に含まれる近赤外線成分を反射する。高屈折率の誘電体層としては例えばZrO、TiO等、低屈折率の誘電体層としては例えばSiO、Al等を好ましく用いることができる。
なお、近赤外線カットコーティングは、図1(b)に示すように、カバー部材8bの表面側に施されていても良い。その場合には、近赤外線カットコーティング10bは、カバー部材8bの表面側において薄膜9bと積層されて設けられている。
また、近赤外線カットコーティングは、図1(c)に示すように、カバー部材8cの表面側と裏面側とに振り分けて設けられ、両者が異なる阻止域を有するように構成されていても良い。例えば、カバー部材8cは、カバー部材8cの表面側及び裏面側に設けられた近赤外線カットコーティング10c,12cのうちの一方が波長700nm〜900nmの阻止域を有し、他方が波長900nm〜1100nmの阻止域を有するように構成されている。
カバー部材8の形状は、カバー部材8が取り付けられる携帯情報端末の形状に合わせて適宜設定可能であり、図1に示すカバー部材8の形状は一例に過ぎない。
例えば、カバー部材8はその一部又は全体に自由曲面からなる面を有していても良く、これにより、ユーザーが携帯情報端末を持ち易いようにしたり、携帯情報端末に意匠性・装飾性を付与したりすることができる。
また、撮像素子に入射する光の光路上におけるカバー部材8の形状は、図1に示すように、平面状に形成されているものが通常想定されるが、当該部分が自由曲面に形成され、且つこの自由曲面が光学曲面に形成されて撮像素子ユニット11の機能の一部を兼ねているものであっても良く、その場合には、撮像素子ユニット11の構成を簡略化することができる。
また、例えば、カバー部材8は、携帯情報端末の筺体全体を構成し、一体として形成されているものであっても良く、この場合には部品点数の低減を図ることが可能である。また、例えば、カバー部材8はその全体が平面状に形成されているものであっても良い。
カバー部材8は、携帯情報端末の筺体の一部又は全体を構成する部材であるので、携帯情報端末に耐久性を付与すべく、その厚みは約2mm以上に形成されていることが好ましい。
なお、携帯情報端末に意匠性・装飾性を付与する目的で、カバー部材8が着色されているものとしても良い。
また、カバー部材8の表面側には、図1に示すように、薄膜9が設けられていても良い。薄膜9としては、例えば、紫外線カットコーティング、反射防止膜、防汚膜、硬質膜等の機能性膜が挙げられ、複数種の機能性膜が積層されていても良い。
紫外線カットコーティングは、波長が200nm以上380nm以下の紫外領域にある光をカットできる光学薄膜であり、誘電体物質を用いて、蒸着又はスパッタリング等の方法により形成される。反射防止膜は、カバー部材8の表面反射を抑制して光の透過率を増大させるものであり、フッ化マグネシウムや酸化アルミニウム等をカバー部材8の表面に蒸着することで形成される。防汚膜は、撥水性等の防汚機能を有するものであって、例えば、フッ素原子を含有する有機金属化合物等をカバー部材8の表面に塗布することで形成される。硬質膜は、カバー部材8の表面強度を高めるために設けられる膜であって、例えば、炭化水素等をカバー部材8の表面に蒸着させることで形成される。
カバー部材8は携帯情報端末の筺体を構成する部材であり、厚みを大きく設定することが可能であるため、カバー部材8の表面に上記した複数種の機能性膜を積層して設けても膜応力による変形を回避することができる。
また、従来は、複数の機能性膜を設ける場合には膜応力による変形を回避するため基材の両面に振り分けて設けていたが、本発明に係るカバー部材8によれば、片面に機能成膜を集約することができる。これにより、基材の両面に機能性膜を振り分けて設けることにより光学特性と他の機能とがトレードオフする問題を解消することができる。
以下、本発明に係るカバー部材8の製造方法の一例を、図2を参照して説明する。なお、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、図2において示されるカバー部材8の形状は概略的に示したものであって、これに限られるものではない。
図2に、カバー部材8の製造方法の一例を示す。この製造方法は、図2(A)〜(C)の断面図に示す成形工程と、図2(D)及び(E)の平面図並びに図2(F)及び(G)の断面図に示す加工工程と、を有している。滴下工程(A),移動工程(B)及びプレス工程(C)を含む成形工程では、ダイレクトプレス法によって予備成形体7が形成され、また、加工工程(D)〜(G)では、完成品としてのカバー部材8が形成される。
まず、滴下工程(A)で下金型1の平面部1aに、近赤外線吸収ガラスを溶融した溶融ガラス3を滴下する。つまり、溶融炉で溶かして得られた溶融ガラス3を、白金ノズル6から流し出してブレード5で切断することにより、一定量の溶融ガラス3を下金型1の平面部1a上に滴下する。溶融ガラス3が下金型1で急冷されないようにするため、下金型1はヒーター4で加熱されている。したがって、平面部1a上の溶融ガラス3は所定の粘度が保たれた状態に保持・制御される。
次の移動工程(B)では、下金型1を上金型2の下方所定位置に移動させる。上金型2も下金型1と同様、溶融ガラス3が上金型2で急冷されないようにするため、ヒーター4で加熱されている。したがって、平面部1a上の溶融ガラス3は上金型2に接触しても所定の粘度が保たれた状態に保持・制御される。
移動工程(B)で下金型1を所定時間待機させた後、プレス工程(C)に移行する。プレス工程(C)では、上金型2を下降させ、下金型1の平面部1a上の溶融ガラス3を上金型2でプレスすることにより、溶融ガラス3を上金型2の成形用の凹部2aに充填し、更に凹部2aから上金型2と下金型1との間にはみ出させて、そのはみ出し部分72を有する予備成形体7を形成する。このように、はみ出させて成形することにより、上金型2の外部表面S2(図2(B))の最外周まで成形面を予備成形体7に転写させることができる。
プレス工程(C)で得られた予備成形体7を離型して取り出したら、加工工程(D)〜(G)に移行する。予備成形体7は、図2(D),(F)に示すように、成形体本体71とはみ出し部分72から成っている。加工工程では、平面研削及び平面研磨の少なくとも一方を行って、不要部分であるはみ出し部分72を予備成形体7からすべて取り除き(つまり、成形体本体71の外枠周面に至るまで取り除く)、成形体本体71のみにする。これにより、図2(E),(G)に示すように、完成品としてのカバー部材8が形成される。
はみ出し部分72に対する平面研削・平面研磨は平面部1aとの接触面73に対して行われ、複数個の予備成形体7をまとめて所定の研磨パッドで粗く平面研削した後、更に細かく平面研磨する。平面研削から平面研磨への切り替えは、平面部1aとの接触面73に対して用いる研磨液を変更することにより容易に行うことができる。なお、カバー部材8の下面83を鏡面にする必要がない場合には、下面83に皮膜を形成することにより所望の平滑度を得るようにしても良い。
溶融ガラス3が充填される凹部2aの形状により、カバー部材8の上面81及び側面82の表面形状が決まるので、凹部2aの一部又は全体の面形状を自由曲面にすれば、カバー部材8の上面81及び側面82の一部又は全体の面形状を自由曲面にすることができる。
以上、本実施形態によれば、カバー部材8自体が近赤外線吸収特性を有するので、携帯情報端末の撮像素子ユニット11に近赤外線カット機能を有する光学部品を別途設けることなく、撮像素子ユニット11に入射する近赤外線をカットすることができる。これにより、携帯情報端末に取り付けられる撮像素子ユニット11の構成の簡略化及び小型化を図ることができるとともに、携帯情報端末全体の小型化をも図ることができる。また、撮像素子ユニット11に近赤外線カットフィルターとして、光学薄膜等の積層体を設けることに起因する部材の変形、膜剥がれ、クラック等の諸問題の発生を抑制することができる。
また、カバー部材8は表面の一部又は全体に自由曲面からなる面を有するので、携帯情報端末をユーザーが手に持ち易いような形状にしたり、携帯情報端末に意匠性・装飾性を付与したりすることができる。
また、カバー部材8が携帯情報端末の筺体全体を構成し、一体として形成されている場合には、部品点数を低減することができる。
また、カバー部材8の表面には薄膜9が設けられていても良いので、カバー部材8に近赤外線カット機能以外の機能を付与することができる。
なお、上記実施形態では、携帯情報端末用カバー部材は図1に示す形状であるものとして説明したが、図1に示す形状は一例に過ぎず、当該カバー部材が取り付けられる携帯情報端末の形状に合わせて適宜設定可能である。
また、上記実施形態では、携帯情報端末用カバー部材の表面に薄膜が設けられているものとしたが、当該薄膜は設けられていなくても良い。
また、上記実施形態では、携帯情報端末用カバー部材は上記した製造方法(図2参照)により製造されるものとしたが、これに限られるものではなく、何れの方法で製造されても良い。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《実施例1》
成形法を用い、波長が400nm以上650nm以下の可視光領域における光の平均透過率が95%であり、波長が700nm以上1100nm以下の近赤外領域における光の平均透過率が4%である吸収性ガラス(SCHOTT社製BG40ガラス)を材料とし、図3に示すような形状のカバー部材8を作製し、サンプルとした。図3は、撮像素子ユニット11に入射する光の光路上に配置されるカバー部材8の一部を示す概略断面図である。なお、図3中の一点鎖線は撮像素子ユニット11に入射する光の光路を示している。
図3に示すカバー部材8において、撮像素子ユニット11に入射する光の光路上に配置され撮像素子ユニット11の正面を覆う厚手部Aは、平面サイズが10mm角、厚みD1が2.0mmに形成されている。カバー部材8において当該厚手部A以外の部分である薄手部Bは、タッチパネルや表示素子部等を考慮して厚みが薄く形成されており、その厚みD2は0.8mmに形成されている。カバー部材8は、厚手部Aから薄手部Bにかけて厚みが連続的且つ緩やかに薄くなるように形成されている。
《実施例2》
実施例1のカバー部材8において、厚手部Aの厚みD1を1.0mmとし、厚手部Aの面A1,A2にそれぞれ、反射防止膜としてMgF、Alからなる2層ARコート(Anti-Reflection Coat)を設けた。それ以外は同様にしてカバー部材8を作製し、これをサンプルとした。
《比較例1》
マイクロカメラに一般的に用いられる従来的IRカットフィルターの模式的な例として、実施例1で用いられた吸収性ガラスを用いて平面サイズ10mm角、厚さ0.5mmの基板を作製し、サンプルとした。この厚みは、一般的に小型撮像素子に内蔵される近赤外カットフィルターと同程度の厚みであり、携帯情報端末の筺体の厚みよりも小さい。
《比較例2》
比較例1で作製された基板の両面のうち撮像素子ユニット11に対向する面の反対側の面に、近赤外線カットコーティングを施し、これをサンプルとした。
《各サンプルの評価》
上記のようにして作製された各サンプルに対し、以下に示す評価を行った。その結果を表1に示す。
(1)分光特性
各サンプルの分光透過率をU4100分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製)により測定した。分光透過率は、各サンプルを透過して撮像素子ユニット11の中央に入射する光の入射角が0°、30°、60°の各場合について測定した。測定結果から得られた各サンプルの分光特性を図4〜図7に示す。図4は実施例1の分光特性を示し、図5は実施例2の分光特性を示し、図6は比較例1の分光特性を示し、図7は比較例2の分光特性を示す。また、入射角が0°である場合の各サンプルの平均透過率を表1に示す。
表1においては、可視光領域平均透過率が、70%以上である場合には○を示し、70%未満である場合には×を示すものとした。また、近赤外領域平均透過率が、3%未満である場合には○を示し、3%以上である場合には×を示すものとした。
(2)分光特性の入射角依存性
波長が400nm以上650nm以下の可視光領域において、可視光透過帯と近赤外阻止帯の境界点として、入射角0°の場合における平均透過率の半値をとる波長位置λ0を測定した。同様に、入射角30°の場合における平均透過率の半値をとる波長位置λ0’を測定し、λ0とλ0’の変動量Δλ=|λ0’‐λ0|を算出した。
表1においては、分光特性の入射角依存性Δλが、5nm以下である場合には○を示し、5nmより大きい場合には×を示すものとした。
(3)基板変形
高精度レーザ角度測定器LA2010およびコントローラLA2020(ともにキーエンス社製)、ステッピングモータコントローラD70(駿河精機社製)を組み合わせた角度測定機を用い、反射光の触れ角を測定することで表面形状の変化の有無を調べた。
なお、レーザ光源波長は670nmであり、実施例2のサンプルはARコートにより反射率が低減しているため、これを補うべく実施例2のサンプルの面A1,A2に薄い金属アルミニウムコートを施して表面形状を測定した。
表1においては、基板変形が、3mrad未満である場合には○を示し、3mrad以上である場合には×を示すものとした。
Figure 2013156460
(4)まとめ
実施例1では、カバー部材8の表面に光学薄膜を設けていないため、膜応力による変形、クラック、膜浮き等が生じなかった。また、実施例1では、分光特性の入射角度依存性が小さいことが明らかとなった。
実施例2では、可視光領域における光の透過率が実施例1よりも増加し、近赤外領域における光の透過率は実施例1と同等であった。また、ARコートが設けられていることにより反射率が低下し、分光特性の入射角依存性は実施例1よりも小さかった。
なお、実施例2において、カバー部材8の厚手部Aの面A1,A2に4層のARコートを設けたとしても、カバー部材8の厚みが十分であり且つ膜応力が当該カバー部材を挟んで釣り合うため、ARコートの膜応力による変形は生じない。
比較例1では、近赤外領域における光の透過率が実施例1,2よりも高くなっており、近赤外カットフィルターとしては十分な近赤外線吸収性能が得られなかった。
比較例2では、可視光領域における光の透過率が高く、近赤外領域における光の透過率が低かったが、基板の近赤外線カットコーティングを施した面において凹となる変形が生じた。また、表1及び図7から明らかな通り、比較例2では分光特性の入射角依存性が大きかった。
以上のように、比較例1は近赤外遮蔽率の目安である近赤外領域における光の平均透過率が高く、比較例2は分光特性の入射角依存性が大きく、基板の変形も確認された。
したがって、本発明は従来的手法に対し有意性をもつことが明らかとなった。
1 下金型
1a 平面部
2 上金型
2a 凹部
3 溶融ガラス
4 ヒーター
5 ブレード
6 白金ノズル
7 予備成形体
71 成形体本体
72 はみ出し部分
73 接触面
8,8b,8c カバー部材(携帯情報端末用カバー部材)
81 上面
82 側面
83 下面
9,9b,9c 薄膜
10,10b,10c,12c 近赤外線カットコーティング
11 撮像素子ユニット
A 厚手部
A1 面
A2 面
B 薄手部
S2 外部表面

Claims (8)

  1. 撮像素子を有する携帯情報端末の筺体の一部又は全体を構成し、当該携帯情報端末の内部構造を保護する携帯情報端末用カバー部材であって、
    前記撮像素子に入射する光の光路上に配置され、波長が400nm以上650nm以下の可視光領域にある光の平均透過率が70%以上であり、波長が700nm以上1100nm以下の近赤外領域にある光の平均透過率が5%以下であることを特徴とする携帯情報端末用カバー部材。
  2. 銅酸化物を10重量%以下又は鉄酸化物を1重量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末用カバー部材。
  3. 前記撮像素子に入射する光の光路上において、表面に近赤外線カットコーティングが施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末用カバー部材。
  4. 一部又は全体に自由曲面からなる面を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の携帯情報端末用カバー部材。
  5. 前記携帯情報端末の筐体の全体を構成し、一体として形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の携帯情報端末用カバー部材。
  6. 一部又は全体において、表面に紫外線カットコーティング、バンド反射防止膜、防汚膜、硬質膜のうち少なくとも何れか一つが設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の携帯情報端末用カバー部材。
  7. 一部又は全体において、波長が700nm以上1100nm以下の近赤外領域にある光の透過率の最大値が5%以下であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の携帯情報端末用カバー部材。
  8. 一部又は全体において、波長が400nm以上650nm以下の可視光領域にある光の透過率の最小値が90%以上であることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の携帯情報端末用カバー部材。
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