JP2012149892A - 転がり軸受の寿命推定装置および寿命推定方法 - Google Patents

転がり軸受の寿命推定装置および寿命推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧痕が形成されたときの転がり軸受の寿命を、圧痕周辺の盛上がり高さ等を考慮してより正確に推定することができる転がり軸受の寿命推定装置および寿命推定方法を提供する。
【解決手段】 この寿命推定装置1は、内外輪と、これら内外輪の転走面間に介在する複数の転動体とを備えた転がり軸受の寿命を推定する装置である。寿命推定装置1は、内外輪のいずれかの転走面に形成された圧痕の深さまたは圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕の転走面からの盛上がり高さを推定する盛上り高さ推定手段7と、推定した圧痕の盛上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから定められた規則に従って転がり軸受の寿命を推定する寿命推定手段8とを有する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、転がり軸受の寿命および余寿命を正確に推定することができる転がり軸受の寿命推定装置および寿命推定方法に関する。
転がり軸受の寿命は、使用荷重、潤滑条件、材料等に依存することが知られている。従来より、軸受の寿命予測は、使用荷重、情報条件、材料等を考慮して形成された寿命計算式を使って行われている(非特許文献1)。この計算式は、転がり軸受をある条件で使用する際にどの位の期間使用できるかを見積もるため、あるいは、要求される使用期間で転がり軸受が破損しないためにどのような条件で使用すれば良いかを見積もるために使用されている。一般に、転がり軸受は寿命計算式に基づいて設定した使用条件で使用される。したがって、通常の条件で転がり軸受が使用されるかぎりは、寿命が問題になることはないはずである。
しかしながら、転がり軸受の寿命は市場で問題となる場合がある。これは、実際の転がり軸受が、設計した条件と異なった条件で使用されていたり、潤滑剤に混入した異物が軸受表層に圧痕等の損傷を与えたりすることに原因があると考えられる。このため、使用されている転がり軸受の余寿命を推定する方法がいくつか提案されている。余寿命推定方法としては、使用途中の代表軸受の材質の変化を抜き取りで調査し、軸受全体の交換時期について検討するオフラインの方法(非特許文献2)と、個々の軸受の使用状況をその場で調査し、個々の軸受の交換時期について検討するオンラインの方法(特許文献1〜3)がある。
オンラインでの余寿命推定の中には、使用している軸受の荷重および回転回数、潤滑油の状態、異物によって形成される圧痕サイズを各種センサーの値から推定し、転がり軸受の余寿命推定を行うものがある(特許文献3)。この方法では、圧痕サイズと転がり軸受の寿命の関係は以下のように表されている。
特許第3880455号公報 特許第3842055号公報 特許第4504065号公報
岡本純三, ころがり軸受・ころ軸受の動的負荷容量−Lundberg-Palmgren理論の詳解−,千葉大学工学部機械工学科機械要素講座,(1988) 対馬全之, 前田喜久男, ベアリングエンジニア, 48 (1984) 1-17. 戸田一寿, 三上剛, 星野照男,トライボロジスト, 6 (1993) 526-532.
前記式(1)では、転がり軸受の寿命は圧痕サイズと荷重で決まるとされている。しかし、圧痕が形成されたときの転がり軸受の寿命は、圧痕周辺に形成した盛上がり高さによって決まるので(非特許文献3)、圧痕を形成する異物の形状が一様でない場合、圧痕サイズと圧痕の盛上がり高さの関係が一義的に決まらない。このため、転がり軸受の寿命は圧痕サイズだけでは正確に推定できない。また、圧痕が形成されたときの転がり軸受の寿命は、圧痕の数や面積によっても変化するため、圧痕サイズだけでは正確に推定できない。
前述のように、圧痕が形成されたときの転がり軸受の寿命は、圧痕サイズだけでなく、圧痕周辺の盛上がり高さ、数、面積および荷重によって決まるが、それらの因子を考慮して転がり軸受の寿命を推定する方法はなかった。
この発明の目的は、圧痕が形成されたときの転がり軸受の寿命を、圧痕周辺の盛上がり高さ等を考慮してより正確に推定することができる転がり軸受の寿命推定装置および寿命推定方法を提供することである。
この発明の転がり軸受の寿命推定装置は、内外輪10,11と、これら内外輪10,11の転走面10a,11a間に介在する複数の転動体12とを備えた転がり軸受の寿命を推定する寿命推定装置であって、前記内外輪10,11のいずれかの転走面10a,11aに形成された圧痕14の深さh2または圧痕14の平面的な大きさである圧痕サイズが入力されてこの入力された圧痕14の深さh2または圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕の転走面10a,11aからの盛上がり高さを推定する盛上り高さ推定手段7と、推定した圧痕の盛上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから定められた規則に従って転がり軸受の寿命を推定する寿命推定手段8とを有することを特徴とする。前記圧痕14の平面的な大きさとは、平面視における圧痕の直径寸法等の長さ、または面積であり、例えば、圧痕14が平面視で円形状である場合にこの圧痕14の最大の直径寸法を言い、圧痕14が平面視で非円形状である場合にこの圧痕14の略中央部から最大の外周縁までの距離を2倍した値を言う。
転がり軸受の寿命は動等価荷重から推定できることが公知である。軸受内に異物が混入する状況の転がり軸受の寿命は、異物によって形成される圧痕周辺の盛上がり部での応力集中が原因で、推定される寿命よりも短くなる。そのため、内外輪10,11の転走面10a,11aに圧痕14が形成したときの転がり軸受の寿命を補正する必要がある。また実際の軸受では、圧痕形成初期の圧痕14の盛上がり高さh1を直接測定することは困難である。これは、圧痕14の盛上がり高さh1が転動中の塑性変形により低下するためである。したがって、軸受の寿命を推定する場合、実際の軸受に形成した初期の圧痕14の盛上がり高さh1を推定することが必要になる。
本件出願人は、形状が異なる圧痕14を軌道輪10,11に形成し、圧痕14の深さh2と圧痕14の盛上がり高さh1の関係と、圧痕サイズと圧痕14の盛上がり高さh1の関係とを調べた。その結果、圧痕14の盛上がり高さh1は、圧痕14の深さh2が大きくなるにつれて線形に増加する傾向があり、その傾向は圧痕形状によって変化しないことを見出した。これは、圧痕14の盛上がり高さh1が圧痕14の深さh2から一義的に推定できることを示している。一方、圧痕サイズと圧痕14の盛上がり高さh1の関係では、前記圧痕14の深さh2と圧痕14の盛上がり高さh1の関係と同様に線形の関係があったが、その関係は圧痕の形状によって変化することを見出した。この構成における盛上り高さ推定手段7は、転走面10a,11aに形成された圧痕14の深さh2または圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕14の転走面10a,11aからの盛上がり高さh1を推定している。また試験結果から、圧痕14の盛上がり高さh1と転がり軸受の寿命には、一定の関係があると仮定し、寿命推定手段8は、盛上り高さ推定手段7で推定した圧痕14の盛上がり高さh1と転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから転がり軸受の寿命を推定している。したがって、転走面10a,11aに圧痕14が形成されたときの転がり軸受の寿命をより正確に推定することができる。
前記盛上り高さ推定手段7は、軸受の特定の使用条件における圧痕サイズと、圧痕14の盛上がり高さh1との関係を記憶する記憶手段7aと、入力された圧痕サイズを、前記記憶手段7aに記憶された前記関係に照らして圧痕14の盛上がり高さh1を計算する計算手段7bとを有するものであっても良い。圧痕サイズと圧痕14の盛上がり高さh1の関係は、圧痕14の形状や、転動条件つまり軸受の特定の使用条件によって変化する。そこで記憶手段7aに、軸受の特定の使用条件における圧痕サイズと、圧痕14の盛上がり高さh1との関係を記憶しておき、計算手段7bにて、入力された圧痕サイズを、記憶手段7aに記憶された前記関係に照らして圧痕14の盛上がり高さh1を演算し得る。
前記寿命推定手段8は、前記推定した転がり軸受の寿命に、下記式で表される圧痕14の盛上がり部の面積の増加による転動疲労寿命の補正係数を乗じて、転がり軸受の寿命を演算する寿命演算部8aを有するものであっても良い。
転走面10a,11aに大きな圧痕14が形成される場合や圧痕14の数が増加した場合は、負荷を受ける体積が増えるため、転がり軸受の寿命は短くなると考えられる。そこで、寿命演算部8aは、負荷を受ける体積を考慮するため、推定した寿命に前記補正係数を乗じる。これにより負荷を受ける体積に応じた寿命を推定することができる。
寿命推定手段8が前記寿命演算部8aを有する場合に、前記寿命演算部8aは、圧痕14の最大の盛上がり高さh1に基づき推定された寿命に、前記補正係数を乗じて転がり軸受の寿命を演算するものとしても良い。実際の転がり軸受の内外輪10,11の転走面10a,11aでは、圧痕14の盛上がり高さh1が異なる圧痕14が分布する。これを考慮するには、転がり軸受の寿命推定において2つの考え方が必要になる。1つは、転がり軸受の寿命は概ね最大の盛上がり高さh1を持つ圧痕によって決まると考え、最大付近の盛上がり高さh1を持つ圧痕14だけを考慮して推定寿命を補正するという考え方である。もう1つは、全ての圧痕14に対して破損する確率が存在すると考え、それら全ての圧痕14を考慮するために、確率乗法定理を用いて推定寿命を補正するという考え方である。いずれの考え方でも、推定寿命を補正することが可能である。
寿命推定手段8が前記寿命演算部8aを有する場合に、前記寿命演算部8aは、転走面10a,11aに形成された全ての圧痕14の盛上がり高さh1に基づき圧痕14に対する圧痕個別対応寿命を推定し、それぞれの推定された圧痕個別対応寿命に、前記補正係数を乗じて転がり軸受の寿命を演算するものとしても良い。
前記寿命推定手段8は、転がり軸受の寿命Lnを下記式を用いて計算するものであっても良い。
前記寿命推定手段8は、転がり軸受の寿命Lnを下記式を用いて計算するものであっても良い。この場合、より精度の高い推定寿命を求めることができる。
盛上り高さ推定手段7により圧痕14の盛上がり高さh1が1.0μm以下と推定されたとき、前記寿命推定手段8は、圧痕補正係数を
=1として転がり軸受の寿命Lnを計算するものであっても良い。圧痕14の盛上がり高さh1が1.0μm以下の圧痕14では、圧痕起点型の剥離が発生しなかったことから、推定寿命に影響を与えない。したがって、圧痕補正係数を
=1とすることで、実質補正係数を加えないで転がり軸受の寿命を計算することが可能となる。
前記寿命推定手段8は、前記推定した転がり軸受の寿命と、軸受の回転回数とから軸受の余寿命を推定する余寿命演算部8bを有するものであっても良い。比較的高価な大型の転がり軸受では、定期的な点検で余寿命を推定し、その結果から軸受の使用を継続したいという要求がある。余寿命演算部8bは、動等価荷重と圧痕14の盛上がり高さh1から寿命を推定し、軸受の回転回数から余寿命を推定する。この推定結果から軸受を継続して使用するか交換するかを判断することができる。
前記余寿命演算部8bは、累積破損確立10%以下の寿命を超えた回転回数で、余寿命が0回転と判断するものであっても良い。転がり軸受の寿命はL10(90%の転がり軸受が破損していない回転回数)を基準にすることが多いため、このときの余寿命はL10から回転回数を差し引いた値とするのが一般的である。L10を基準にしたときの残存寿命がマイナスになった場合を転がり軸受の交換時期と決定した場合、点検されている転がり軸受のグループの90%は良好に運転されることになる。転がり軸受では、少しの比率の転がり軸受の破損でも問題になる使用用途がある。この場合、累積破損確立を10%以下に設定すれば良い。
前記転がり軸受は、円すいころ軸受または円筒ころ軸受であっても良い。
この発明の転がり軸受の寿命推定方法は、内外輪と、これら内外輪の転走面間に介在する複数の転動体とを備えた転がり軸受の寿命を推定する寿命推定方法であって、前記内外輪のいずれかの転走面に形成された圧痕の深さまたは圧痕の平面的な大きさである圧痕サイズが入力されてこの入力された圧痕の深さまたは圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕の転走面からの盛上がり高さを推定する盛上り高さ推定過程と、推定した圧痕の盛り上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから転がり軸受の寿命を推定する寿命推定過程とを有することを特徴とする。
盛上り高さ推定過程では、転走面に形成された圧痕の深さまたは圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕の転走面からの盛上がり高さを推定する。また試験結果から、圧痕の盛上がり高さと転がり軸受の寿命には、一定の関係があると仮定し、寿命推定過程では、盛上り高さ推定過程で推定した圧痕の盛上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから転がり軸受の寿命を推定している。したがって、転走面に圧痕が形成されたときの転がり軸受の寿命をより正確に推定することができる。
この発明の転がり軸受の寿命推定装置は、内外輪のいずれかの転走面に形成された圧痕の深さまたは圧痕の平面的な大きさである圧痕サイズが入力されてこの入力された圧痕の深さまたは圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕の転走面からの盛上がり高さを推定する盛上り高さ推定手段と、推定した圧痕の盛上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから定められた規則に従って転がり軸受の寿命を推定する寿命推定手段とを有するため、圧痕が形成されたときの転がり軸受の寿命を、圧痕周辺の盛上がり高さ等を考慮してより正確に推定することができる。
(A)はこの発明の第1の実施形態に係る転がり軸受の寿命推定方法を表す流れ図、(B)は図1(A)の計算過程のサブルーチンを表す流れ図である。 この発明の第1の実施形態に係る転がり軸受の寿命推定装置の概念構成を示すブロック図である。 圧痕の盛上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係を示す図である。 (A)は軌道輪の圧痕を拡大して見た平面図、(B)は軌道輪の圧痕周辺の盛上がり高さ部の断面図である。 (A)は圧痕の深さと圧痕の盛上がり高さの関係を示す図、(B)は圧痕サイズと圧痕の盛上がり高さの関係を示す図である。 (A)は同転がり軸受である円すいころ軸受の断面図、(B)は同転がり軸受である円筒ころ軸受の断面図である。 圧痕サイズと圧痕の深さとの関係を示す図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。この実施形態に係る転がり軸受の寿命推定装置は、例えば、コンピュータ等を用いて、図6(A)に示す円すいころ軸受または図6(B)に示す円筒ころ軸受等の転がり軸受の寿命または余寿命を推定する装置である。転がり軸受は、図6(A),(B)に示すように、内外輪10,11と、これら内外輪10,11の転走面10a,11a間に介在する複数の転動体12と、これら転動体12を保持する保持器13とを備えている。但し、転がり軸受はアンギュラ玉軸受、深溝玉軸受であっても良い。以下の説明は、転がり軸受の寿命推定方法についての説明をも含む。
図1(A)は、この発明の実施形態に係る転がり軸受の寿命推定方法の各過程の流れ図を示す。この転がり軸受の寿命推定方法は、寿命の推定に必要な各データを後述する記憶手段に記憶させておく準備過程(S1)と、準備された値を用いて軸受の寿命の計算を行う計算過程(S2)と、計算した結果を出力する出力過程(S3)とを有する。図1(B)に示すように、前記計算過程(S2)は、内外輪のいずれかの転走面に形成された圧痕の深さまたは圧痕サイズから、この転走面からの盛上がり高さを推定する盛上がり高さ推定過程(S2a)と、推定した圧痕の盛上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから転がり軸受の寿命を推定する寿命推定過程(S2b)とを有する。
図2は、転がり軸受の寿命推定装置の概念構成のブロック図である。寿命推定装置1は、図示外の中央処理装置(略称CPU)およびメモリ等の記憶手段を有し、この寿命推定装置1のハードウェア(オペレーションシステムを含む)、およびこの寿命推定装置1に実行させる寿命推定プログラムにより、同図に概略構成で示す各手段、すなわち準備手段2の入力処理手段2A,準備情報記憶手段2B、出力処理手段3、および計算手段4が構成される。準備情報記憶手段2Bは、例えば、寿命推定装置1の備える前記記憶手段のうちの一部の記憶領域で構成される。寿命推定装置1には、入力装置5および出力装置6が設けられている。入力装置5は、キーボード、ポインティングデバイス等であっても、また通信機器や記憶素子の読取装置等であっても良い。出力装置6は、ディスプレイ、プリンタ、または通信機器等からなる。
準備手段2は、入力処理手段2Aと準備情報記憶手段2Bとを有する。入力処理手段2Aは、入力装置5から、計算に必要な各種のデータを入力して準備情報記憶手段2Bに記憶させる手段である。入力処理手段2Aは、入力されたデータをそのまま準備情報記憶手段2Bに記憶させる処理の他に、入力されたデータにつき、計算手段4で行う計算の前処理となる計算を行い、その計算結果を準備情報記憶手段2Bに記憶させる機能を有するものであっても良い。
図1(A)において、準備過程(S1)は、転がり軸受の寿命を推定するために使用する各情報、具体的には信頼度係数、荷重、動定格荷重、荷重寿命指数、ワイブルスローブ、圧痕補正係数の定数等を、図2の準備情報記憶手段2Bに記憶させる過程である。同図2の準備手段2は、図1の準備過程(S1)の処理を行う手段である。準備情報記憶手段2Bへ各情報を記憶させる処理は、その情報を入力装置5から入力することによって行っても良く、または各情報のうちのいずれかの情報については、入力された情報から入力処理手段2Aにより計算して求めた後、その求められた値を準備情報記憶手段2Bへ記憶させても良い。
図2の計算手段4は、図1(A)の計算過程(S2)の処理を行う手段であり、盛上がり高さ推定手段7と、寿命推定手段8とを有する。盛上がり高さ推定手段7は、図1(B)の盛上がり高さ推定過程(S2a)の処理を行う手段であり、寿命推定手段8は、同図1(B)の寿命推定過程(S2b)の処理を行う手段である。
ここで、転がり軸受の寿命は一般に以下の式で表される。
式(2)または式(3)から、転がり軸受の寿命は動等価荷重から推定できることが分かる。なお式(2)は1990年代まで用いられていた式であり、式(3)は近年規格化された式で式(2)よりも推定寿命の精度が高い。前記動等価荷重とは、実際の荷重条件下で達成する軸受の寿命と同じ寿命が得られるような、軸受にかかる一定の中心アキシアル荷重または、軸受にかかる一定の静止ラジアル荷重であり、軸受がラジアル荷重とアキシアル荷重を同時に受ける場合、ラジアルまたはアキシアル成分のみで表した荷重を言う。軸受内に異物が混入する状況の転がり軸受の寿命は、圧痕周辺の転走面からの盛上がり高さ部での応力集中が原因で、式(2),(3)で表される寿命よりも短くなる。そのため、圧痕が形成したときの転がり軸受の寿命を補正する圧痕補正係数を、式(2),(3)にそれぞれ乗じる必要がある。
図3は、圧痕の盛上がり高さと転がり軸受の寿命との関係を示す。図3では、軌道輪転走面に圧痕による盛上がり高さ部がない軸受寿命を試験により先ず求め、圧痕のある軸受について、前記軸受寿命に対する相対的な軸受寿命を前記試験と同一の試験条件で求めた。試験中、内外輪のいずれかの軌道輪の転走面が剥離したとき、例えば、振動センサー等による検出値が規定の閾値以上となることで、コンピュータまたは試験員は試験軸受が寿命に達したと判断する。
試験条件は以下の表1の通りである。
図3の結果から、圧痕の盛上がり高さと転がり軸受の寿命には、指数関数で示す関係があると仮定するならば、式(2),(3)はそれぞれ以下の圧痕補正係数を乗じて補正する必要がある。
式(4)は一例であり、その式の形は比例式、多項式等で表すこともできる。また、式(1)のように、軌道輪転走面に圧痕が形成したときの転がり軸受の寿命は、荷重によっても変化すると考え、下記式の形でも表すこともできる。
以上から、転走面に圧痕が形成したときの転がり軸受の寿命は、式(2),(3)にそれぞれ式(4)で表される圧痕補正係数を乗じた以下の式(5),(6)によって推定できる。したがって寿命推定手段は、式(5)または式(6)により寿命推定過程の処理を実行し得る。
ここで圧痕の盛上がり高さが1.0μm以下の小さい圧痕では、転走面に圧痕起点型の剥離が生じなかったことから、圧痕の盛上がり高さが1.0μm以下の圧痕では、前記式(4)等で表される圧痕補正係数を考慮する必要がない。つまり圧痕補正係数を「1」として転がり軸受の寿命を推定する。
実際の軸受では、圧痕形成初期の圧痕の盛上がり高さを直接測定することは困難である。これは、圧痕の盛上がり高さが転動中の塑性変形により低下するためである。そのため、式(5)または式(6)による寿命推定では、実際の軸受の軌道輪に形成した初期の圧痕の盛上がり高さを推定する方法が必要になる。
ここで図4(A)は、軌道輪(例えば内輪10)の転走面10aにおける圧痕14を拡大して見た平面図、(B)は同軌道輪の圧痕周辺の盛上がり高さ部15の断面図である。前記盛上がり高さ部15は、圧痕14の周辺の転走面10aから盛上がっている環状の突起部を示している。この盛上がり高さ部15の盛上がり高さh1は、前記環状の突起部のうち転走面10aからの最大の盛上がり高さを示す。圧痕の深さh2は、圧痕14における転走面10aからの最深位置を示す。圧痕サイズは、例えば、圧痕14が平面視で円形状である場合にこの圧痕14の最大の直径寸法D1を示す。図5(A),(B)には、軌道輪のSUJ2焼入焼戻し品の転走面に、形状が異なる圧痕すなわちロックウェル圧子を押圧した圧痕、円錐圧子を押圧した圧痕を形成し、圧痕の深さと圧痕の盛上がり高さの関係(図5(A))と、圧痕サイズと圧痕の盛上がり高さの関係(図5(B))とを調べた結果を示す。図5(A),(B)において、黒丸で表される印は、ロックウェル試験で用いられるロックウェル圧子を、前記軌道輪の転走面に押圧したときの圧痕の盛上がり高さを示し、白丸で表される印は、先端に向かう程先細り形状となる先端角度が150度の円錐圧子を前記軌道輪の転走面に押圧したときの圧痕の盛上がり高さを示している。図5(B)の横軸の圧痕サイズは、圧痕の平面的な大きさを円相当の直径寸法に補正した値である。
図5(A)に示すように、圧痕の盛上がり高さは、圧痕の深さが大きくになるにつれて線形に増加する傾向があり、その傾向は圧痕形状によって変化しなかった。一方、図5(B)に示す圧痕サイズと圧痕の盛上がり高さの関係では、図5(A)と同様に線形の関係があったが、その関係は、ロックウェル圧子を押圧した圧痕、円錐圧子を押圧した圧痕とで異なる線形傾向を示した。換言すると、圧痕サイズと圧痕の盛上がり高さの関係は、圧痕の形状によって変化していた。
圧痕の形状は、異物の形状や転動条件によって変化する。そのため、圧痕サイズから圧痕の盛上がり高さを推定するには、試験条件毎に圧痕サイズから圧痕の盛上がり高さの関係が必要になる。この場合、図2の盛上がり高さ推定手段7は、軸受の特定の使用条件における圧痕サイズと、圧痕の盛上がり高さとの関係を記憶する記憶手段7aと、入力された圧痕サイズを、前記記憶手段7aに記憶された前記関係に照らして圧痕の盛上がり高さを計算する計算手段7bとを有する。前記特定の使用条件とは、例えば、ラジアル荷重、アキシアル荷重、回転速度、使用温度、潤滑剤の種類、潤滑剤を密封するシールの有無等である。
なお前記記憶手段7aは、前記準備情報記憶手段2Bによって代替しても良い。圧痕の深さを転走面のレプリカ等から測定できるのであれば、圧痕の盛上がり高さは、圧痕の深さから推定する方がより簡便な方法である。この場合、盛上がり高さ推定手段7は、圧痕の深さと、圧痕の盛上がり高さとの関係を記憶する記憶手段7aと、測定された圧痕の深さを、前記記憶手段7aに記憶された前記関係に照らして圧痕の盛上がり高さを計算する計算手段7bとを有する。
以上より、計算手段4における盛上がり高さ推定手段7は、記憶手段7a(または準備情報記憶手段2B)に記憶された図5(A)または図5(B)等で表される関係に照らして、圧痕の盛上がり高さを計算する。盛上がり高さが1.0μm以下と計算されたとき、寿命推定手段8は、式(4)等で表される圧痕補正係数
=1として転がり軸受の寿命Lnを式(5)または式(6)により計算する。盛上がり高さ推定手段7により盛上がり高さが1.0μmより大きいと計算されたとき、寿命推定手段8は、式(4)に圧痕盛上がり高さを代入して得られる圧痕補正係数に基づき、転がり軸受の寿命Lnを式(5)または式(6)により計算する。このように、軌道輪転走面に圧痕が形成したときの転がり軸受の寿命を、圧痕の盛上がり高さの推定値から式(5)または式(6)を用いて推定することができる。
前述の方法で推定できる転がり軸受の寿命は、圧痕が転走面に1つだけ形成した場合の値である。転走面に大きな圧痕が形成される場合や圧痕の数が増加した場合は、負荷を受ける体積が増えるため、転がり軸受の寿命は短くなると考えられる。そこで、負荷を受ける体積を考慮するため、推定寿命を以下の式(7)で補正する。
前記式(7)は、転走面への負荷体積が増加する程寿命が低下するというワイブルの理論に基づいた推定寿命の補正である。圧痕が複数個存在する場合や、大きさが異なる圧痕が形成される場合、寿命推定手段8は、式(5)または式(6)に前記式(7)の補正係数を乗じて、転がり軸受の寿命Lnを演算する寿命演算部8aを有する。
実際の転がり軸受の転走面では、圧痕の盛上がり高さが異なる圧痕が分布する。これを考慮するには、転がり軸受の推定寿命において2つの考え方が必要になる。1つは、転がり軸受の寿命は概ね最大の盛上がり高さを持つ圧痕によって決まると考え、最大付近の盛上がり高さを持つ圧痕だけを考慮して推定寿命を補正するという考え方である。もう1つは、全ての圧痕に対して破損する確率が存在すると考え、それら全ての圧痕を考慮するために、確率乗法定理を用いて推定寿命を補正するという考え方である。いずれの考え方でも、推定寿命を補正することが可能である。
最大の盛上がり高さを持つ圧痕によって転がり軸受の寿命が決まると考える場合、寿命演算部8aは、圧痕の最大の盛上がり高さに基づき推定された寿命に、前記式(7)で表される補正係数を乗じて、転がり軸受の寿命Lnを演算する。すなわち圧痕のうち最大付近の盛上がり高さを持つ圧痕の数や面積を計測し、式(7)の補正計数を、式(5)または式(6)に乗じて転がり軸受の寿命Lnを求めれば良い。
全ての圧痕を考慮して軸受寿命を求める場合、寿命演算部8aは、圧痕の盛上がり高さ毎に、式(5)または式(6)により寿命を計算し、それぞれの寿命に圧痕数の影響を考慮した式(7)の補正係数を乗じた寿命を、以下の式(8)に代入することによって、推定寿命を補正する。
実際の転がり軸受では、軸受の構造上、転走面のレプリカをとることが難しい場合があり、圧痕の深さを測定することができない場合がある。その場合、予め特定の使用条件での圧痕サイズと圧痕の盛上がり高さのデータベースを構築しておき、ファイバースコープ等で軸受の転走面を観察し、観察した転走面の圧痕サイズを前記データベースに照らして盛上がり高さを推定する必要がある。
図7は、使用条件が同じ3個の軸受で、圧痕サイズと圧痕の深さの関係を調査した結果を示す。同図の横軸は、圧痕の平面的な大きさを円相当の直径寸法に補正した値である。同図に示すように、圧痕の数は3個の軸受で異なっていたが、圧痕サイズと圧痕の盛上がり高さの関係には、略線形の関係が見られた。前記データベースは、記憶手段7aまたは準備情報記憶手段2Bに書き換え可能に格納されている。したがって、転走面のレプリカをとることなく、盛上がり高さ推定手段7は、観察した転走面の圧痕サイズをデータベースに照らして盛上がり高さを容易に推定することができる。
前述の転がり軸受の寿命推定方法を用いて、使用中の転がり軸受の余寿命を推定する方法について説明する。
比較的高価な大型の転がり軸受では、定期的な点検で余寿命を推定し、その結果から軸受の使用を継続したいという要求がある。寿命推定手段8は、推定した転がり軸受の寿命と、軸受の回転回数とから軸受の余寿命を推定する余寿命演算部8bを有するものであっても良い。つまり余寿命演算部8bは、動等価荷重と圧痕の盛上がり高さから寿命を推定し、軸受の回転回数から余寿命を推定する。転がり軸受の寿命はL10(90%の転がり軸受が破損していない回転回数)を基準にすることが多いため、このときの余寿命はL10から回転回数を差し引いた値とするのが一般的である。L10を基準にしたときの残存寿命がマイナスになった場合を転がり軸受の交換時期と決定した場合、点検されている転がり軸受のグループの90%は良好に運転されることになる。転がり軸受では、少しの比率の転がり軸受の破損でも問題になる使用用途がある。この場合、累積破損確立を10%以下に設定すれば良い。
軸受の使用開始時は、軌道輪転走面に圧痕の形成はないため、式(5)または式(6)の圧痕補正係数
を「1」とし、残存寿命がマイナスになるまで、あるいは次回の点検まで運転を継続することになる。点検時において転走面に圧痕が形成されている場合、推定した圧痕の盛上がり高さから求めた圧痕補正係数
の値を使って寿命を推定し余寿命を求める。このとき、レプリカまたはファイバースコープ等で観察される圧痕は点検前のどの段階で形成されたかは分からないため、正確な回転回数は設定できない。軸受が破損するまでにできるだけ早く軸受を交換することを安全目の考え方とするならば、回転回数は点検までの総回転数を使用する。圧痕が付いている状況を想定して計算した余寿命がマイナスにならない場合は、余寿命がマイナスになるまで、あるいは次回の点検まで運転を継続する。
次の点検まで軸受の運転が継続した場合、レプリカまたはファイバースコープ等で圧痕形状の調査を行う。圧痕の分布が1回目の点検と同じであった場合、前回の点検で求めた圧痕補正係数
の値を使って寿命を推定し余寿命を求める。次に、新たに形成された圧痕で圧痕補正係数
の値を推定し、余寿命を求める。いずれの余寿命もマイナスにならなかった場合、残存寿命がマイナスになるまで、あるいは次回の点検まで運転を継続する。2回目の点検以降の余寿命推定の手順は前記の手順と同様になる。
前述の余寿命推定は、軸受にかかる荷重が一定の場合について説明したが、荷重が回転回数毎に変化する場合、以下の式(9)で表される線形累積損傷則を用いて余寿命を推定する。
1…寿命推定装置
7…盛上がり高さ推定手段
7a…記憶手段
7b…計算手段
8…寿命推定手段
8a…寿命演算部
8b…余寿命演算部
10…内輪
11…外輪
10a,11a…転走面
12…転動体
14…圧痕

Claims (12)

  1. 内外輪と、これら内外輪の転走面間に介在する複数の転動体とを備えた転がり軸受の寿命を推定する寿命推定装置であって、
    前記内外輪のいずれかの転走面に形成された圧痕の深さまたは圧痕の平面的な大きさである圧痕サイズが入力されてこの入力された圧痕の深さまたは圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕の転走面からの盛上がり高さを推定する盛上り高さ推定手段と、
    推定した圧痕の盛上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから定められた規則に従って転がり軸受の寿命を推定する寿命推定手段と、
    を有することを特徴とする転がり軸受の寿命推定装置。
  2. 請求項1において、前記盛上り高さ推定手段は、
    軸受の特定の使用条件における圧痕サイズと、圧痕の盛上がり高さとの関係を記憶する記憶手段と、
    入力された圧痕サイズを、前記記憶手段に記憶された前記関係に照らして圧痕の盛上がり高さを計算する計算手段と、
    を有する転がり軸受の寿命推定装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記寿命推定手段は、前記推定した転がり軸受の寿命に、下記式で表される圧痕の盛上がり部の面積の増加による転動疲労寿命の補正係数を乗じて、転がり軸受の寿命を演算する寿命演算部を有する転がり軸受の寿命推定装置。

  4. 請求項3において、前記寿命演算部は、圧痕の最大の盛上がり高さに基づき推定された寿命に、前記補正係数を乗じて転がり軸受の寿命を演算するものとした転がり軸受の寿命推定装置。
  5. 請求項3において、前記寿命演算部は、転走面に形成された全ての圧痕の盛上がり高さに基づき圧痕に対する圧痕個別対応寿命を推定し、それぞれの推定された圧痕個別対応寿命に、前記補正係数を乗じて転がり軸受の寿命を演算するものとした転がり軸受の寿命推定装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記寿命推定手段は、転がり軸受の寿命Lnを下記式を用いて計算する転がり軸受の寿命推定装置。

  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記寿命推定手段は、転がり軸受の寿命Lnを下記式を用いて計算する転がり軸受の寿命推定装置。

  8. 請求項6または請求項7において、盛上り高さ推定手段により圧痕の盛上がり高さが1.0μm以下と推定されたとき、前記寿命推定手段は、圧痕補正係数を
    =1として転がり軸受の寿命Lnを計算する転がり軸受の寿命推定装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記寿命推定手段は、前記推定した転がり軸受の寿命と、軸受の回転回数とから軸受の余寿命を推定する余寿命演算部を有する転がり軸受の寿命推定装置。
  10. 請求項9において、前記余寿命演算部は、累積破損確立10%以下の寿命を超えた回転回数で、余寿命が0回転と判断する転がり軸受の寿命推定装置。
  11. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記転がり軸受は、円すいころ軸受または円筒ころ軸受である転がり軸受の寿命推定装置。
  12. 内外輪と、これら内外輪の転走面間に介在する複数の転動体とを備えた転がり軸受の寿命を推定する寿命推定方法であって、
    前記内外輪のいずれかの転走面に形成された圧痕の深さまたは圧痕の平面的な大きさである圧痕サイズが入力されてこの入力された圧痕の深さまたは圧痕サイズから、定められた規則に従って前記圧痕の転走面からの盛上がり高さを推定する盛上り高さ推定過程と、
    推定した圧痕の盛り上がり高さと転動疲労寿命の低下率の関係と、動等価荷重とから転がり軸受の寿命を推定する寿命推定過程と、
    を有することを特徴とする転がり軸受の寿命推定方法。
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