JP2012149650A - 複リンク式エンジンの振動低減構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、ピストン移動方向に対して横方向の振動を低減できる複リンク式エンジンの振動低減構造を提供する。
【解決手段】一端がピストンピン16を介してピストン11に連結されるアッパリンク13と、アッパリンク13の他端にアッパピン17を介して連結されるとともに、クランクシャフト12のクランクピン12Aに回転可能に連結されるロアリンク14と、一端がコントロールピン18を介してロアリンク14に連結されるとともに、他端が揺動軸21に揺動可能に連結されるコントロールリンク15とを備える複リンク式エンジン100の振動低減構造であって、コントロールリンク15の揺動軸側端部にバランスウェイト15Bを設けることを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、複リンク式エンジンの振動低減構造に関する。
従来から、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクを介して連結する複リンク式エンジンが知られている。
例えば、特許文献1には、ピストンとクランクシャフトとをアッパリンク及びロアリンクを介して連結し、ロアリンクの姿勢を制御することで圧縮比を可変に制御する複リンク式エンジンが開示されている。この複リンク式エンジンは、一端がロアリンクに連結し、他端がコントロールシャフトの偏心軸に連結するコントロールリンクを備え、コントロールシャフトの回転角を変化させることでコントロールリンクを介してロアリンクの姿勢を制御する。
特開2006−207634号公報
ところで、複リンク式エンジンでは、各リンクの慣性力等に起因して、ピストン移動方向だけでなく、ピストン移動方向に対して横方向(クランクシャフト軸方向から見た場合のピストン移動方向に対する左右横方向)にも振動が生じる。この横方向の振動の中で、例えばエンジン回転2次の振動成分は、ピストンとクランクシャフトとを1本のコンロッドで連結する従来のピストン−クランク機構では問題とならず、複リンク式エンジンに特有のものである。
なお、振動成分の次数は、エンジン回転の周期(クランクシャフトが1回転するときの周期)と同じ周期の振動成分が1次であり、2分の1周期の振動成分は2次、以下何分の1周期かによって高次の振動成分の次数が特定される。
特許文献1に記載の複リンク式エンジンは、クランクシャフトの下方に2次バランサー装置を備え、2次バランサー装置の第1バランサーシャフト及び第2バランサーシャフトをクランクシャフト回転方向とは逆方向に回転させることで、ピストン移動方向に対して傾斜する方向の2次振動を低減する。
しかしながら、特許文献1に記載の複リンク式エンジンでは、2次バランサー装置を別途備えるので、コストアップとなるだけでなく、2次バランサー装置駆動時のフリクション増によって燃費性能が悪化するという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、簡素な構成で、ピストン移動方向に対して横方向の振動を低減できる複リンク式エンジンの振動低減構造を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、一端がピストンピン(16)を介してピストン(11)に連結されるアッパリンク(13)と、アッパリンク(13)の他端にアッパピン(17)を介して連結されるとともに、クランクシャフト(12)のクランクピン(12A)に回転可能に連結されるロアリンク(14)と、一端がコントロールピン(18)を介してロアリンク(14)に連結されるとともに、他端が揺動軸(21)に揺動可能に連結されるコントロールリンク(15)とを備える複リンク式エンジン(100)の振動低減構造であって、コントロールリンク(15)の揺動軸側端部にバランスウェイト(15B)を設ける、ことを特徴とする。
本発明によれば、簡素な構成で複リンク式エンジン本体に発生するピストン移動方向に対して横方向の2次以上の振動を低減することができ、コストアップや燃費性能の悪化を抑制することができる。
第1実施形態の前提となる複リンク式エンジンの概略構成図である。 各リンクの重心位置における慣性力の総和を計算するための複リンク式エンジンのモデル図である。 アッパリンク、ロアリンク及びコントロールリンクの概略構成図である。 比較例である複リンク式エンジンの概略構成図である。 各リンク重心におけるエンジン左右方向の2次慣性力を示す図である。 ロアリンク重心とエンジン左右方向の2次加振力との関係、及びクランクピン中心とエンジン左右方向の2次加振力との関係について示す図である。 第1実施形態の前提となる別の複リンク式エンジンのアッパリンク、ロアリンク及びコントロールリンクの概略構成図である。 第1実施形態の複リンク式エンジンの概略構成図である。 エンジン左右方向の2次慣性力を示す図である。 第2実施形態の複リンク式エンジンの概略構成図である。 エンジン左右方向及びエンジン上下方向の2次慣性力を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の基礎となる複リンク式エンジンを示す概略構成図である。
複リンク式エンジン100は、車両用の直列4気筒エンジンであって、ピストン上死点位置を変化させて圧縮比を変更する圧縮比可変機構10を備える。圧縮比可変機構10は、ピストン11とクランクシャフト12とを、アッパリンク13及びロアリンク14で連結し、コントロールリンク15によってロアリンク14の姿勢を制御することで圧縮比を変更する。
アッパリンク13は、上端でピストンピン16を介してピストン11に連結する。アッパリンク13は、下端でアッパピン17を介してロアリンク14の一端に連結する。ロアリンク14の他端は、コントロールピン18を介してコントロールリンク15に連結する。
ロアリンク14は、アッパピン17の中心とコントロールピン18の中心との間にクランクピン12Aが配置されるように、クランクピン12Aが連結される連結孔14Aを形成する。ロアリンク14は、図中左右の2部材から分割可能に構成され、ほぼ中央に連結孔14Aを有する。ロアリンク14は、連結孔14Aにクランクシャフト12のクランクピン12Aを挿入し、クランクピン12Aを中心に揺動する。
クランクシャフト12は、クランクピン12A、ジャーナル12B及びカウンターウェイト12Cを備える。クランクピン12Aの中心はジャーナル12Bの中心から所定量偏心している。カウンターウェイト12Cは、クランクアームに一体形成されて、ピストン運動の回転1次振動成分を低減する。
コントロールリンク15の上端は、コントロールピン18を介してロアリンク14に対して回動自在に連結する。コントロールリンク15の下端は、コントロールシャフト20の偏心軸(揺動軸)21に連結する。コントロールリンク15は、偏心軸21を中心に揺動する。
コントロールシャフト20は、クランクシャフト12と平行に配置され、シリンダブロックに回転自在に支持される。コントロールシャフト20の偏心軸21は、コントロールシャフト軸心から所定量偏心した位置に形成される。コントロールシャフト20は、図示しないアクチュエータによって回転制御され、偏心軸21を移動させる。
アクチュエータによってコントロールシャフト20が回転し、偏心軸21がコントロールシャフト20の中心軸に対して相対的に低くなる方向に移動すると、ロアリンク14はクランクピン12Aを中心としてアッパピン17の位置が相対的に上昇する方向に傾く。これによりピストン11が上昇して、複リンク式エンジン100の圧縮比が高くなる。これに対して、偏心軸21がコントロールシャフト20の中心軸に対して相対的に高くなる方向に移動すると、ロアリンク14はクランクピン12Aを中心としてアッパピン17の位置が相対的に低くなる方向に傾く。これによりピストン11が下降して、複リンク式エンジン100の圧縮比が低くなる。
複リンク式エンジン100では、例えば高負荷運転領域においてエンジン回転速度によらずノッキング防止のために低圧縮比に設定され、ノッキング発生のおそれが低い低中負荷運転領域において出力の向上を図るために高圧縮比に設定される。
ところで、上記のような複リンク式エンジンでは、アッパリンク、ロアリンク及びコントロールリンクの各リンクに生じる慣性力の総和がエンジン本体を加振する加振力となり、この加振力によってエンジン本体はピストン移動方向(エンジン上下方向)だけでなく、ピストン移動方向に対して横方向(エンジン左右方向)にも振動する。このエンジン左右方向の振動の中で、例えばエンジン回転2次の振動成分は、複リンク式エンジンに特有のものである。
複リンク式エンジン100は4気筒エンジンであることから、エンジン左右方向の振動のうち1次振動の影響は小さいので、エンジン回転に対して2次以上の振動を低減することを目的とする。特に、車室内騒音であるこもり音の要因となるエンジン左右方向の2次振動を低減する必要がある。そこで、複リンク式エンジン100では、エンジン回転2次以上の少なくともいずれか1つの所定次数の慣性力として、アッパリンク13、ロアリンク14及びコントロールリンク15の各リンクの重心位置におけるエンジン左右方向2次の左方向慣性力の総和と右方向慣性力の総和が釣り合うように、各リンクの質量、形状等を構成して、エンジン左右方向の2次振動の低減を図る。
図2は、各リンクの重心位置におけるエンジン左右方向の2次以上慣性力の総和を計算するための複リンク式エンジン100のモデル図である。図2は、クランクシャフト12の回転中心を座標中心(0,0)として示した直交座標であって、エンジン左右方向にx軸を設け、エンジン上下方向にy軸を設ける。
図2に示すように、ピストンピン16の中心を位置(x,y)とし、アッパピン17の中心を位置(x,y)とし、クランクピン12Aの中心を位置(x,y)とし、コントロールピン18の中心を位置(x,y)とし、コントロールシャフト20の偏心軸21の中心を位置(x、y)とする。
アッパリンク13は、質量をmとし、ピストンピン16の中心とアッパピン17の中心との間の長さをLとする。アッパリンク重心Gは、ピストンピン中心とアッパピン中心とを通る直線上又はその近傍に位置しており、直線近傍に位置する場合も簡略化の観点で、ピストンピン中心とアッパピン中心の内分点になっていると仮定する。そして、ピストンピン中心からアッパリンク重心Gまでの距離をxgu0とする。距離xgu0は、ピストンピン中心に対して、アッパピン側が正、その逆側が負となる。
ロアリンク14は、質量をmとし、アッパピン17の中心とクランクピン12Aの中心との間の長さをLとし、クランクピン中心とコントロールピン18の中心との間の長さをLとする。ロアリンク14においては、アッパピン17の中心とコントロールピン18の中心との間にクランクピン12Aが配置されるように、クランクピン12Aが連結される連結孔14Aを形成するように構成されることから、ロアリンク重心G及び連結孔14Aに挿入されるクランクピン12Aの中心が共に、アッパピン中心とコントロールピン中心とを通る直線上又はその近傍に位置している。直線近傍に位置する場合も簡略化の観点で、それぞれがアッパピン中心とコントロールピン中心の内分点になっていると仮定する。そして、クランクピン中心からロアリンク重心Gまでの距離をxgl0とする。距離xgl0は、クランクピン中心に対して、コントロールピン側が正、アッパピン側が負となる。
コントロールリンク15は、質量をmとし、コントロールピン18の中心と偏心軸21の中心との間の長さをLとする。コントロールリンク重心Gは、コントロールピン中心と偏心軸中心とを通る直線上又はその近傍に位置しており、直線近傍に位置する場合も簡略化の観点で、コントロールピン中心と偏心軸中心の内分点になっていると仮定する。そして、偏心軸中心からコントロールリンク重心Gまでの距離をxgc0とする。距離xgc0は、偏心軸中心に対して、コントロールピン側が正、その逆側が負となる。
アッパピン17及びコントロールピン18は、いずれかのリンクの一部分とみなすことで、各リンクの質量及び重心位置を求める際にその影響が織り込まれているものとする。
なお、クランクシャフト12の回転中心とクランクピン12Aの中心を通る線と、x軸とのなす角度をクランク角度θとする。
上記のようなモデル設定において、各リンクの重心位置におけるエンジン左右方向の2次以上慣性力の総和を算出するのに際し、まずロアリンク重心Gのエンジン左右方向変位xgl、アッパリンク重心Gのエンジン左右方向変位xgu及びコントロールリンク重心Gのエンジン左右方向変位xgcをそれぞれ求める。
各リンクのエンジン左右方向変位xgl、xgu、xgcは、(1)〜(3)式のように表わされる。
Figure 2012149650
Figure 2012149650
Figure 2012149650
ここで、コントロールピン18のエンジン左右方向変位xは、(4)式に示すように、エンジン回転に対して1次の変位x2Lと2次以上の変位x2Hに分離することができる。1次変位x2L及び2次以上変位x2Hは、それぞれ各リンク形状等によって決まる定数A、Bとクランク角度θとから算出される。
Figure 2012149650
一方、クランクシャフト12はシャフト端部に設けられたフライホイールによって回転変動が抑制されるので、クランクピン12Aのエンジン左右方向変位xは(5)式のように1次変位だけで表わされ、2次以上変位x1Hはゼロとなる。
Figure 2012149650
また、ピストン11はシリンダに沿って摺動するので、ピストンピン16はエンジン左右方向に変位しない。そのため、ピストンピン16のエンジン左右方向の2次以上変位x4Hは(6)式のようにゼロになる。
Figure 2012149650
偏心軸21はコントロールシャフト20が回転すると移動するが、偏心軸21の移動速度はエンジン回転速度に比べて小さく、偏心軸21は固定端とみなせるので、偏心軸21のエンジン左右方向の2次以上変位xcHは(7)式のようにゼロになる。
Figure 2012149650
上記(4)式〜(7)式を用いて(1)〜(3)式をエンジン左右方向の2次以上変位として整理すると、ロアリンク重心Gの2次以上変位xglH、アッパリンク重心Gの2次以上変位xguH及びコントロールリンク重心Gの2次以上変位xgcHは(8)〜(10)式となる。
Figure 2012149650
Figure 2012149650
Figure 2012149650
そして、各リンク重心位置におけるエンジン左右方向の2次以上慣性力の総和Fesは、各リンク質量m、m、mと上記(8)〜(10)式によって、(11)式のように表わされる。なお、(11)式において、右辺第1項はロアリンク14の慣性力を示し、右辺第2項はコントロールリンク15の慣性力を示し、右辺第3項はアッパリンク13の慣性力を示す。
Figure 2012149650
上記(11)式においてエンジン左右方向の2次以上慣性力の総和Fesがゼロ、具体的には(11)式を整理して得られる(12)式がゼロになれば、つまり各リンクのエンジン左右方向2次の左方向慣性力の総和と右方向慣性力の総和が釣り合うようになれば、エンジン本体をエンジン左右方向に加振する2次以上の加振力がなくなって、エンジン左右方向の2次以上の振動が抑制される。
Figure 2012149650
したがって、複リンク式エンジン100では、(12)式を満たすように、アッパリンク13、ロアリンク14及びコントロールリンク15の質量、形状等を決定することができる。
図3は、(12)式を満足するように設計した各リンクを示す図である。図3(A)はアッパリンク13を示し、図3(B)はロアリンク14を示し、図3(C)コントロールリンク15を示す。
図3(A)に示すように、アッパリンク13は、質量がmで、ピストンピン16の中心とアッパピン17の中心との間の長さがLとなるように形成される。アッパリンク13は棒状部材として形成され、ピストンピン16の中心線とアッパピン17の中心線を含んだ平面を挟んで対称な立体形状となっている。アッパリンク重心Gはピストンピン中心とアッパピン中心とを通る線上又はその近傍であってピストンピン中心とアッパピン中心との間に設定される。ピストンピン中心からアッパリンク重心Gまでの距離はxgu0である。
図3(B)に示すように、ロアリンク14は、質量がmで、アッパピン17の中心とクランクピン12Aの中心との間の長さがLで、クランクピン中心とコントロールピン18の中心との間の長さがLとなるように形成される。ロアリンク14には、アッパピン17とコントロールピン18との間であって、アッパピン中心とコントロールピン中心とを通る線上又はその近傍にクランクピン中心が配置されるように、連結孔14Aが形成される。このように連結孔14Aを形成すれば、連結孔14Aを挟んでアッパピン側とコントロールピン側が概ね対称となるロアリンク14の構造上、ロアリンク重心Gについてもアッパピン中心とコントロールピン中心とを通る線上又はその近傍に設定される。また、ロアリンク14は、ロアリンク重心Gがアッパピン中心とコントロールピン中心とを通る線上であって、コントロールピン中心とクランクピン中心との間に配置されるように構成される。なお、クランクピン中心からロアリンク重心Gまでの距離はxgl0である。
図3(C)に示すように、コントロールリンク15は、質量がmで、コントロールピン18の中心と偏心軸21の中心との間の長さがLとなるように形成される。コントロールリンク15は棒状部材として形成され、コントロールピン18の中心線と偏心軸18の中心線を含んだ平面を挟んで対称な立体形状となっている。コントロールリンク重心Gはコントロールピン中心と偏心軸中心とを通る線上又はその近傍であってコントロールピン中心と偏心軸中心との間に設定される。偏心軸中心からコントロールリンク重心Gまでの距離はxgc0である。
上記の各リンクについて、質量、ピン間長さ、所定のピン中心から重心までの距離で表わされる重心位置を(12)式を満足するように構成すれば、複リンク式エンジン100ではエンジン左右方向の2次以上の振動が抑制される。
図4及び図5を参照して、複リンク式エンジン100の効果について説明する。図4は、複リンク式エンジン100に対する比較例であって、(12)式を満たしていない複リンク式エンジン200を示す図である。図5は、複リンク式エンジン100における、エンジン左右方向の2次慣性力を示す図である。
図4(A)に示す複リンク式エンジン200は、基本的には複リンク式エンジン100と同じようなリンク配置であるが、複リンク式エンジン100と比較して、アッパリンク213の質量が軽く、コントロールリンク215の質量が重く、さらにクランクピン中心からロアリンク重心までの距離が長くなるように構成されている。ロアリンク214の質量は、アッパリンク213やコントロールリンク215の質量よりも重く設定されている。このような場合には(12)式の左辺にある3つの項の内、2つの正の項(第1項と第2項)の絶対値は1つの負の項(第3項)の絶対値よりも相対的に大きくなりやすく、(12)式を満足しにくくなる。(12)式を満たしていない複リンク式エンジン200では、図4(B)に示すように、各リンクのエンジン左右方向の2次慣性力が釣り合わず、2次慣性力の総和を低減することができない。そのため、複リンク式エンジン200では、エンジン左右方向の2次振動が発生する。
これに対して、複リンク式エンジン100は(12)式を満足するように各リンクが構成されており、図5に示すように、ロアリンク14の2次慣性力((12)式の左辺第1項に相当)及びコントロールリンク15の2次慣性力((12)式の左辺第3項に相当)がアッパリンク13の2次慣性力((12)式の左辺第2項に相当)の半分程度となって、各リンクの2次の左右どちらか一方の向きの慣性力の総和とその反対向きの慣性力の総和が釣り合う。そのため各リンク重心位置におけるエンジン左右方向の2次慣性力の総和が、ほぼゼロとなる。これによりエンジン本体を振動させる2次加振力もほぼゼロになるので、複リンク式エンジン100ではエンジン左右方向の2次振動の発生が抑制される。
以上、エンジン回転2次の振動に着目して説明したが、エンジン回転2次以上の少なくともいずれか1つの次数のピストン移動方向に対して左右横方向に作用する慣性力について、各リンクの所定次数の左方向慣性力と右方向慣性力の総和が釣り合うようにすれば、こもり音の抑制に寄与する。複リンク式エンジン100では(12)式を満足するように各リンクを構成しているので、2次よりも高い高次振動の発生も抑制される。
以上により、複リンク式エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
複リンク式エンジン100では、アッパリンク13、ロアリンク14及びコントロールリンク15のエンジン左右方向の2次以上の慣性力の総和が略ゼロとなるように、具体的には(12)式を満たすように、アッパリンク13、ロアリンク14及びコントロールリンク15の質量、形状等を決定するので、簡素な構成でエンジン左右方向の2次以上の振動を低減することが可能となる。
ところで、(12)式については、ロアリンク14においてロアリンク重心G及び連結孔14Aに挿入されるクランクピン12Aの中心がアッパピン中心とコントロールピン中心を通る線上にあることが望ましい。しかしながら、種々の制約から、図6(A)に示すように、ロアリンク重心Gやクランクピン12Aの中心をアッパピン中心とコントロールピン中心を通る線上からずらしてその近傍に位置するように、ロアリンク14を形成せざるを得ない場合もあり得る。
図6(B)は、ロアリンク14においてロアリンク重心Gがアッパピン中心とコントロールピン中心を通る線からずれた場合における、ロアリンク重心Gのずれ量Dと、各リンクのエンジン左右方向の2次慣性力の総和である2次加振力との関係を示す。ロアリンク重心Gのずれ量Dは、アッパピン中心とコントロールピン中心を通る線と、ロアリンク重心Gとの距離として表わされる。
複リンク式エンジン100では、図6(B)の実線Aに示すように、ロアリンク重心Gがアッパピン中心とコントロールピン中心を通る線からずれるほど、エンジン左右方向の2次加振力は大きくなるが、ロアリンク重心Gのずれ量Dが0mmから十数mm以内の範囲Rであれば、破線Bで示されるエンジン左右方向の慣性力を考慮していない複リンク式エンジン(例えば、図4の比較例)よりも2次加振力を小さくして、車室内騒音であるこもり音を抑制することができる。このように複リンク式エンジン100では、ロアリンク重心Gのずれが僅かであれば、(12)式を満たすように各リンクを構成して、エンジン左右方向の2次以上の振動を低減することが可能である。
図6(C)は、クランクピン12Aの中心がアッパピン中心とコントロールピン中心を通る線からずれるようにロアリンク14の連結孔14Aが形成された場合における、クランクピン中心のずれ量相関値θと、各リンクのエンジン左右方向の2次慣性力の総和である2次加振力との関係を示す。クランクピン中心のずれ量相関値θは、アッパピン中心とクランクピン中心を通る線と、コントロールピン中心とクランクピン中心を通る線とがなす角度として表わされる。
複リンク式エンジン100では、クランクピン中心のずれ量相関値θが180°よりも小さくなると、図6(C)の実線Cに示すようにエンジン左右方向の2次加振力は大きくなるが、クランクピン中心のずれ量相関値θが180°から十数°以内の範囲Rであれば、破線Bで示されるエンジン左右方向の慣性力を考慮していない複リンク式エンジン(例えば、図4の比較例)よりも2次加振力を小さくして、車室内騒音であるこもり音を抑制することができる。このように複リンク式エンジン100では、クランクピン中心のずれが僅かであれば、(12)式を満たすように各リンクを構成して、エンジン左右方向の2次以上の振動を低減することが可能である。
図7は、図3とは別の、本実施形態の基礎となる複リンク式エンジン100の各リンクを示す図である。図7(A)〜図7(C)は、それぞれロアリンク14、アッパリンク13、コントロールリンク15を示す。
図7の複リンク式エンジン100の基本構成は、図3とほぼ同様であるが、ロアリンク14の構成において相違する。
図7(A)に示すように、ロアリンク14には、アッパピン17の中心とコントロールピン18の中心とを通る線上であって、アッパピン中心とコントロールピン中心との間にクランクピン中心が配置されるように連結孔14Aが形成される。また、ロアリンク14は、ロアリンク重心Gが連結孔14Aに挿入されるクランクピン12Aの中心に一致するように形成される。
このようにロアリンク14を形成すると、クランクピン中心からロアリンク重心Gまでの距離xgl0がゼロになる。そして、連結孔14Aを挟んでアッパピン側とコントロールピン側が概ね対称となるロアリンク14の構造上、アッパピン中心からクランクピン中心までの長さLとクランクピン中心からコントロールピン中心までの長さLが略等しくなる。
距離xgl0がゼロになると(12)式の左辺第1項のロアリンク項がゼロになり、長さL及びLが略等しくなると(12)式の左辺第3項のアッパリンク項を整理できるので、(12)式は(13)式のように変形される。
Figure 2012149650
上記のアッパリンク13とコントロールリンク15について、質量、ピン間長さ、所定のピン中心から重心までの距離で表わされる重心位置を(13)式を満足するように構成すれば、複リンク式エンジン100ではエンジン左右方向の2次以上の振動が抑制される。
つまり、各リンクにピストン移動方向に対して横方向に作用する、エンジン回転2次以上の少なくともいずれか1つの次数の振動を抑制するように、ロアリンク14は、アッパピン中心とコントロールピン中心との間にクランクピンが配置されるようにクランクピン12Aが連結される連結孔14Aを形成する。また、アッパリンク13及びコントロールリンク15は、ピストンピン中心からアッパピン中心までの長さLに対するピストンピン中心からアッパリンク重心までの距離xgu0の比と、アッパリンク質量mとの積が、コントロールピン中心から揺動軸中心までの長さLに対する揺動軸中心からコントロールリンク重心までの距離xgc0の比と、コントロールリンク質量mとの積と、バランスするように構成される。
ここで、アッパリンク13及びコントロールリンク15は、図7(B)及び図7(C)に示すように2つの連結部13A、15Aを有する棒状部材であって、ほぼ同じような形状として形成される。そのため、アッパリンク13においてピストンピン中心からアッパリンク重心Gまでの距離xgu0をピストンピン中心とアッパピン中心との間の長さLで割った値と、偏心軸中心からコントロールリンク重心Gまでの距離xgc0をコントロールピン中心と偏心軸中心との間の長さLで割った値とはおおよそ等しくなる。したがって、アッパリンク13の質量mと、コントロールリンク15の質量mとをほぼ等しく設定すれば、(13)式を満たすことができる。
図7の複リンク式エンジン100では、各リンクにピストン移動方向に対して横方向に作用する、エンジン回転2次以上の少なくともいずれか1つの次数の振動を抑制するように、ロアリンク14は、アッパピン中心とコントロールピン中心との間にクランクピン12Aが配置されるようにクランクピン12Aが連結される連結孔14Aを形成するとともに、アッパリンク13及びコントロールリンク15は、アッパリンク質量とコントロールリンク質量とが等しくなるように構成されている。
以上により、図7の複リンク式エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
複リンク式エンジン100では、ロアリンク14は、アッパピン中心とコントロールピン中心とを通る線上であって、アッパピン中心とコントロールピン中心との間にクランクピン中心が配置されるように連結孔14Aを形成するとともに、ロアリンク重心Gがクランクピン中心に略一致するように構成され、アッパリンク13及びコントロールリンク15は、アッパリンク質量mとコントロールリンク質量mがほぼ等しくなるように構成されるので、(13)式を満たし、図3の複リンク式エンジンと同様にエンジン左右方向の2次以上の振動を低減することが可能となる。
図8及び図9を参照して、第1実施形態の複リンク式エンジン100について説明する。図8は、第1実施形態の複リンク式エンジン100の概略構成図である。図9は、各リンク重心に作用するエンジン左右方向の2次慣性力を示す図である。
第1実施形態の複リンク式エンジン100は、(12)式あるいは(13)式を満たすように各リンクを形成する点において図3や図7の複リンク式エンジンと同様であるが、コントロールリンク15の構成において相違する。つまり、コントロールリンク15にバランスウェイト15Bを設置するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
(11)式に示したように、エンジン左右方向の2次以上の慣性力のうち、ロアリンク14及びコントロールリンク15に作用する慣性力はそれぞれ同方向にあり(正の項で示される)、コントロールリンク15に作用する慣性力のみが逆方向にある(負の項で示される)。そのためロアリンク14、コントロールリンク15の慣性力の和をアッパリンク13の慣性力によって打ち消して(12)式を満足させる場合には、アッパリンク13の質量mを増加させる等してアッパリンク13の慣性力をかなり大きくする必要がある。
そこで、第1実施形態の複リンク式エンジン100では、コントロールリンク15にバランスウェイト15Bを設け、ロアリンク14とコントロールリンク15の慣性力の和を出来る限り小さくすることで、各リンクの慣性力の釣り合いの容易化を図りつつ、エンジン左右方向の2次以上の振動を低減する。すなわち、ロアリンク14及びコントロールリンク15におけるピストン移動方向に対して左右横方向に作用するエンジン回転2次以上の所定の次数の慣性力の和が低下するように、コントロールリンク15の揺動軸側端部にバランスウェイト15Bを設ける。
図8に示すように、複リンク式エンジン100のコントロールリンク15は、偏心軸側端部にバランスウェイト15Bを備える。バランスウェイト15Bによって、コントロールリンク重心Gは、コントロールピン18の中心と偏心軸21の中心を通る線上であって、偏心軸中心に対してコントロールピン側とは逆側に設定される。
このようにコントロールリンク重心Gを設定すると、コントロールリンク重心Gのエンジン左右方向の挙動が図3や図7の複リンクしきエンジンとは逆となる。そのため、コントロールリンク重心Gにおけるエンジン左右方向の2次慣性力の向きは、図9に示すように、ロアリンク重心Gに作用する慣性力の向きと逆向きとなって、アッパリンク重心Gに作用する慣性力と同じ向きとなる。これは、偏心軸中心からコントロールリンク重心Gまでの距離xgc0が負の値となって、(11)式及び(12)式のコントロールリンク項((12)式の左辺第1項)が負になることを意味している。
以上により、第1実施形態の複リンク式エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
複リンク式エンジン100では、コントロールリンク15の偏心軸側端部にバランスウェイト15Bを設け、コントロールリンク重心Gをコントロールピン中心と偏心軸中心を通る線上であって、偏心軸中心からコントロールピン側とは逆側に設定する。ロアリンク14はコントロールリンク15よりも質量が重くなりがちで、2次以上慣性力も大きくなりやすいが、コントロールリンク重心Gに作用するエンジン左右方向の2次以上慣性力の向きを図3や図7の複リンク式エンジンとは逆向きにすることができるので、ロアリンク14とコントロールリンク15の2次以上慣性力の和を小さくすることができる。これにより、ロアリンク14及びコントロールリンク15に起因するエンジン左右方向の2次以上振動を低減することができる。また、ロアリンク14とコントロールリンク15の慣性力の和が小さくなれば、アッパリンク13によってエンジン左右方向の2次以上慣性力をバランスさせやすくなり、各リンクの慣性力の釣り合いの容易化を図ることができる。
複リンク式エンジン100では、アッパリンク重心及びコントロールリンク重心におけるエンジン左右方向の2次以上慣性力の和と、ロアリンク重心におけるエンジン左右方向の2次以上の慣性力を等しく設定し、各リンクが(12)式を満たすように構成するので、図9に示すように、エンジン左右方向の2次慣性力の総和もほぼゼロとなる。これによりエンジン本体を振動させる2次加振力が低減され、2次振動の発生が抑制される。
図9においては2次振動についてのみ説明したが、第1実施形態の複リンク式エンジン100においても、図3や図7の複リンク式エンジンと同様に2次よりも高い高次振動の発生も抑制される。
なお、第1実施形態では、コントロールリンク重心Gがコントロールピン中心と偏心軸中心を通る線上であって、偏心軸中心からコントールピン側とは逆側に設定されるように、バランスウェイト15Bをコントロールリンク15に設置したが、これに限られるものではない。つまり、コントロールリンク重心Gがコントロールピン中心と偏心軸中心を通る線上であって、偏心軸中心とコントールピン中心との間にある場合であっても、バランスウェイト15Bをコントロールリンク15に設置して、コントロールリンク重心Gを偏心軸中心に近づけるようにしてもよい。そうすると、偏心軸中心からコントロールリンク重心Gまでの距離xgc0が短くなって、(12)式のコントロールリンク項の値を小さくなるので、ロアリンク14とコントロールリンク15の2次以上慣性力の和を小さくすることができ、各リンクの慣性力の釣り合いの容易化を図りつつ、エンジン左右方向の2次以上の振動を低減することができる。
(第2実施形態)
図10及び図11を参照して、第2実施形態の複リンク式エンジン100について説明する。図10(A)は第2実施形態の複リンク式エンジン100の概略構成図であり、図10(B)はコントロールリンク15の概略構成図である。図11(A)及び図11(B)は、エンジン左右方向及びエンジン上下方向(ピストン移動方向)の2次慣性力を示す。
第2実施形態の複リンク式エンジン100の構成は、第1実施形態とほぼ同様であるが、コントロールリンク15の重心位置において相違する。つまり、コントロールリンク重心Gがコントロールピン中心と偏心軸中心とを通る線からずれるように、コントロールリンク15にバランスウェイト15Bを設置したもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図10(A)に示すように、複リンク式エンジン100のコントロールリンク15は、偏心軸側端部にバランスウェイト15Bを備える。バランスウェイト15Bは、コントロールリンク15に設置された時に、コントロールリンク重心Gが偏心軸21の中心からコントールピン側とは逆側で、コントロールピン18の中心と偏心軸中心を通る線の近傍であって、当該線から若干ずれるように構成される。
したがって、コントロールリンク重心Gは、図10(B)に示すように、偏心軸21の中心を基準にすると、コントロールピン中心と偏心軸中心を通る線X上の重心成分Pと、線Xに直交し、偏心軸中心を通る線Y上の重心成分Qとを有している。
重心成分Pは、コントロールピン中心と偏心軸中心を通る線上であって、偏心軸中心からコントロールピン側とは逆側にあり、第1実施形態において詳述したように、コントロールリンク15のエンジン左右方向の慣性力に寄与する。コントロールリンク15において、重心成分Pに作用するエンジン左右方向の2次以上慣性力の向きは、ロアリンク重心Gに作用する2次以上慣性力とは逆向きになるので、第1実施形態と同様に、各リンクの2次以上慣性力の釣り合いの容易化を図りつつ、図11(A)に示すようにエンジン左右方向の2次以上の振動を低減することができる。
これに対して、重心成分Qは、コントロールリンク15が偏心軸21を中心に揺動した時にエンジン上下方向に揺動するので、コントロールリンク15のエンジン上下方向の慣性力に寄与する。そのため、バランスウェイト15Bの形状や質量等を調整して、偏心軸中心から重心成分Qまでの距離ygc0を調整すれば、図11(B)に示すように、各リンク13〜15及びピストン11に作用するエンジン上下方向の2次慣性力の総和をほぼゼロにすることができ、エンジン上下方向の2次振動を低減することができる。
以上により、第2実施形態の複リンク式エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
複リンク式エンジン100では、コントロールリンク15の偏心軸側端部にバランスウェイト15Bを設け、コントロールリンク重心Gを偏心軸中心からコントールピン側とは逆側で、コントロールピン中心と偏心軸中心を通る線からずれるように設定することにより、エンジン左右方向だけでなく、エンジン上下方向の振動を低減することが可能となる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
第1及び第2実施形態では、本発明を4気筒エンジンに適用した例を説明したが、本発明を6気筒エンジンに適用すれば、6気筒エンジンおいて問題となるエンジン左右方向の3次振動を低減することができる。
100 複リンク式エンジン
11 ピストン
12 クランクシャフト
12A クランクピン
13 アッパリンク
14 ロアリンク
14A 連結孔
15 コントロールリンク
15B バランスウェイト
16 ピストンピン
17 アッパピン
18 コントロールピン
20 コントロールシャフト
21 偏心軸(揺動軸)
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する
本発明は、一端がピストンピンを介してピストンに連結されるアッパリンクと、前記アッパリンクの他端にアッパピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に連結されるロアリンクと、一端がコントロールピンを介して前記ロアリンクに連結されるとともに、他端が揺動軸に揺動可能に連結されるコントロールリンクとを備える複リンク式エンジンの振動低減構造であって、前記コントロールリンクの揺動軸側端部に、前記揺動軸の軸受部から突出して前記コントロールリンクの重心位置を調整するバランスウェイトを設けることを特徴とする。

Claims (7)

  1. 一端がピストンピンを介してピストンに連結されるアッパリンクと、前記アッパリンクの他端にアッパピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に連結されるロアリンクと、一端がコントロールピンを介して前記ロアリンクに連結されるとともに、他端が揺動軸に揺動可能に連結されるコントロールリンクとを備える複リンク式エンジンの振動低減構造であって、
    前記コントロールリンクの揺動軸側端部にバランスウェイトを設ける、
    ことを特徴とする複リンク式エンジンの振動低減構造。
  2. 前記コントロールリンクは、前記バランスウェイトによって、コントロールリンク重心が前記コントロールピンの中心と前記偏心軸の中心を通る線上であって前記偏心軸の中心に対しコントロールピン側とは逆側に設定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複リンク式エンジンの振動低減構造。
  3. 前記コントロールリンクは、前記バランスウェイトによって、コントロールリンク重心が前記コントロールピンの中心と前記偏心軸の中心を通る線からずれるように設定される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の複リンク式エンジンの振動低減構造。
  4. 前記コントロールリンクは、前記バランスウェイトによって、前記コントロールリンクにおける前記慣性力の向きが前記ロアリンクにおける前記慣性力の向きとは逆向きになるように構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の複リンク式エンジンの振動低減構造。
  5. 各リンクにおけるピストン移動方向に対して左右横方向に作用するエンジン回転2次以上の所定の次数の慣性力の総和がゼロとなるように、前記アッパリンク、前記ロアリンク及び前記コントロールリンクを構成する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の複リンク式エンジンの振動低減構造。
  6. 前記アッパリンク及び前記コントロールリンクにおける前記慣性力の和と、前記ロアリンクにおける前記慣性力が等しくなる、
    ことを特徴とする請求項5に記載の複リンク式エンジンの振動低減構造。
  7. 前記複リンク式エンジンは、4気筒エンジンである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の複リンク式エンジンの振動低減構造。
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