JP2010121555A - 複リンク式エンジンのトルク変動低減構造 - Google Patents

複リンク式エンジンのトルク変動低減構造 Download PDF

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Abstract

【課題】各リンクの慣性力に起因する2次トルク変動を低減できる複リンク式エンジンのトルク変動低減構造を提供する。
【解決手段】アッパリンク13と、ロアリンク14と、コントロールリンク15と、を備える複リンク式エンジン100のトルク変動低減構造であって、アッパリンク13が、ピストンピン16を支持するピストンピン支持部13Aと、アッパピン17を支持するアッパピン支持部13Bと、ピストンピン支持部13Aとアッパピン支持部13Bとを連結する連結部13Cとを形成し、2つの支持部13A、13Bのうち少なくとも一方の支持部のクランクシャフト軸方向視における最大幅以上となるように連結部13Cのクランクシャフト軸方向視における幅を形成する、ことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、複リンク式エンジンのトルク変動低減構造に関する。
従来から、ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクを介して連結する複リンク式エンジンが知られている。
例えば、特許文献1には、ピストンとクランクシャフトとをアッパリンク及びロアリンクを介して連結し、ロアリンクの姿勢を制御することで圧縮比を可変に制御する複リンク式エンジンが開示されている。特許文献1に記載の複リンク式エンジンは、一端がロアリンクに連結し、他端がコントロールシャフトの偏心軸に連結するコントロールリンクを備え、コントロールシャフトの回転角を変化させることでコントロールリンクを介してロアリンクの姿勢を制御する。この複リンク式エンジンは、クランクシャフトの下方に2次バランサー装置を備え、2次バランサー装置の第1バランサーシャフト及び第2バランサーシャフトをクランクシャフト回転方向とは逆方向に回転させることで、ピストン移動方向に対して傾斜する方向の2次振動を低減する。
特開2006−207634号公報
ところで、複リンク式エンジンでは、各リンクの慣性力に起因して、エンジン回転に対して2次の回転変動がクランクシャフトに生じ、これによりトルク変動(以下、「2次トルク変動」という。)が発生する。この2次トルク変動は、エンジンを加振する加振力となり、こもり音の要因となる。
特許文献1に記載の複リンク式エンジンでは、ピストン移動方向に対して傾斜する方向の2次振動を低減することができるが、上記した2次トルク変動の発生を抑制することはできない。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、各リンクの慣性力に起因する2次トルク変動を低減できる複リンク式エンジンのトルク変動低減構造を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、一端がピストンピン(16)を介してピストン(11)に連結されるアッパリンク(13)と、アッパリンク(13)の他端にアッパピン(17)を介して連結されるとともに、クランクシャフト(12)のクランクピン(12A)に回転可能に連結されるロアリンク(14)と、一端がコントロールピン(18)を介してロアリンク(14)に連結されるとともに、他端が揺動軸(21)に揺動可能に連結されるコントロールリンク(15)と、を備える複リンク式エンジン(100)のトルク変動低減構造であって、アッパリンク(13)が、ピストンピン(16)を支持するピストンピン支持部(13A)と、アッパピン(17)を支持するアッパピン支持部(13B)と、ピストンピン支持部(13A)とアッパピン支持部(13B)とを連結する連結部(13C)とを形成し、2つの支持部(13A、13B)のうち少なくとも一方の支持部のクランクシャフト軸方向視における最大幅以上となるように連結部(13C)のクランクシャフト軸方向視における幅を形成する、ことを特徴とする。
また、本発明は、コントロールリンク(15)が、コントロールピン(18)を支持するコントロールピン支持部(15A)と、偏心軸(21)を支持する偏心軸支持部(15B)と、コントロールピン支持部(15A)と偏心軸支持部(15B)とを連結する連結部(15C)とを形成し、2つの支持部(15A、15B)のうち少なくとも一方の支持部のクランクシャフト軸方向視における最大幅以上となるように連結部(15C)のクランクシャフト軸方向視における幅を形成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、アッパリンク又はコントロールリンクの重心位置における慣性モーメントを増大させることができるので、複リンク式エンジンの2次トルク変動を低減することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、図10を参照して、参考例としての複リンク式エンジン200について説明する。図10(A)は、複リンク式エンジン200の概略構成図である。図10(B)はアッパリンク13を示し、図10(C)はコントロールリンク15を示す。
複リンク式エンジン200は、車両用の直列4気筒エンジンであって、ピストン上死点位置を変化させて圧縮比を変更する圧縮比可変機構10を備える。圧縮比可変機構10は、ピストン11とクランクシャフト12とを、アッパリンク13及びロアリンク14で連結し、コントロールリンク15によってロアリンク14の姿勢を制御することで圧縮比を変更する。
アッパリンク13の上端は、ピストンピン16を介してピストン11に連結する。アッパリンク13の下端は、アッパピン17を介してロアリンク14に連結する。
アッパリンク13は、図10(B)に示すように、ピストンピン16を支持するピストンピン支持部13Aと、アッパピン17を支持するアッパピン支持部13Bと、両支持部13A、13Bを連結する連結部13Cとを一体に形成する。アッパリンク13は、アッパリンク重心Guがピストンピン16とアッパピン17との間に設定されるように形成され、連結部13Cの幅W3が両支持部13A、13Bの最大幅W1、W2よりも狭くなるように形成される。
ロアリンク14は、図10(A)に示すように、一端でアッパリンク13に連結し、他端でコントロールピン18を介してコントロールリンク15に連結する。ロアリンク14は、図中左右の2部材から分割可能に構成され、ほぼ中央に連結孔14Aを有する。ロアリンク14は、連結孔14Aにクランクシャフト12のクランクピン12Aを挿入し、クランクピン12Aを中心に揺動する。ロアリンク14は、ロアリンク重心Glがクランクピン12Aとコントロールピン18との間に設定されるように形成される。
クランクシャフト12は、クランクピン12A、ジャーナル12B及びカウンターウェイト12Cを備える。クランクピン12Aの中心はジャーナル12Bの中心から所定量偏心している。カウンターウェイト12Cは、クランクアームに一体形成されて、ピストン運動の1次振動成分を低減する。
コントロールリンク15の上端は、コントロールピン18を介してロアリンク14に対して回動自在に連結する。コントロールリンク15の下端は、コントロールシャフト20の偏心軸21に連結する。コントロールリンク15は、偏心軸21を中心に揺動する。
コントロールリンク15は、図10(C)に示すように、コントロールピン18を支持するコントロールピン支持部15Aと、偏心軸21を支持する偏心軸支持部15Bと、両支持部15A、15Bを連結する連結部15Cとを一体に形成する。コントロールリンク15は、コントロールリンク重心Gcがコントロールピン18と偏心軸21との間に設定されるように形成され、連結部15Cの幅W6が両支持部15A、15Bの最大幅W4、W5よりも狭くなるように形成される。コントロールリンク15の偏心軸支持部15Bはコントロールリンク端部15Dにキャップ15Eを2本のボルト30によって固定するように構成されるので、偏心軸支持部15Bの最大幅W5は、コントロールピン支持部15Aの最大幅W4よりも広い。
なお、複リンク式エンジン200では、ロアリンク14の質量が最も重く、アッパリンク13及びコントロールリンク15の質量がほぼ同等となるように構成されている。
再び図10(A)を参照すると、コントロールシャフト20は、クランクシャフト12と平行に配置され、シリンダブロックに回転自在に支持される。コントロールシャフト20の偏心軸21は、コントロールシャフト軸心から所定量偏心した位置に形成される。コントロールシャフト20は、図示しないアクチュエータによって回転制御され、偏心軸21を移動させる。
アクチュエータによってコントロールシャフト20が回転し、偏心軸21がコントロールシャフト20の中心軸に対して相対的に低くなる方向に移動すると、ロアリンク14はクランクピン12Aを中心としてアッパピン17の位置が相対的に上昇する方向に傾く。これによりピストン11が上昇して、複リンク式エンジン200の圧縮比が高くなる。これに対して、偏心軸21がコントロールシャフト20の中心軸に対して相対的に高くなる方向に移動すると、ロアリンク14はクランクピン12Aを中心としてアッパピン17の位置が相対的に低くなる方向に傾く。これによりピストン11が下降して、複リンク式エンジン200の圧縮比が低くなる。
複リンク式エンジン200では、例えば高負荷運転領域においてエンジン回転速度によらずノッキング防止のために低圧縮比に設定され、ノッキング発生のおそれが低い低中負荷運転領域において出力の向上を図るために高圧縮比に設定される。
上記した複リンク式エンジン200では、エンジン運転時に各リンク13〜15に作用する慣性力に起因してエンジン回転に対して2次の回転変動がクランクシャフト12に生じ、これにより2次トルク変動が発生する。この2次トルク変動は、エンジン本体を加振する加振力となって、こもり音の要因となる。
しかしながら、複リンク式エンジンにおいて問題となる2次トルク変動は、本件発明者の研究により、図1に示すようにアッパリンクやコントロールリンクの慣性モーメントの大きさに関係することが分かった。つまり、本件発明者は、図1(A)に示すようにアッパリンク重心における慣性モーメントが大きくなるほど2次トルク変動が低減し、図1(B)に示すようにコントロールリンク重心における慣性モーメントが大きくなるほど2次トルク変動が低減することを明らかにした。図1(A)及び図1(B)の結果は、アッパリンク、ロアリンク及びコントロールリンクの重心位置や慣性モーメント等を用いた剛体計算から得られた知見である。
そこで、本実施形態の複リンク式エンジン100では、アッパリンク13及びコントロールリンク15の重心位置における慣性モーメントを、参考例としての複リンク式エンジン200よりも大きくすることで、2次トルク変動の低減を図る。
図2は、本実施形態の複リンク式エンジン100のクランクシャフト軸方向視における概略構成図である。
図2に示すように、複リンク式エンジン100は、参考例である複リンク式エンジン200とほぼ同様の構成であるので、同一部品については同じ番号を付す。複リンク式エンジン100は、慣性モーメントを増大させたアッパリンク13及びコントロールリンク15を備えた点において、複リンク式エンジン200と相違する。
図3を参照して、複リンク式エンジン100のアッパリンク13について説明する。図3は、アッパリンク13の斜視図である。
アッパリンク13は、ピストンピン支持部13Aと、アッパピン支持部13Bと、両支持部13A、13Bを連結する連結部13Cとを備え、アッパリンク重心Guが両支持部13A、13Bの間に設定されるように形成される。アッパリンク13は、ピストンピン支持部13A、アッパピン支持部13B及び連結部13Cのそれぞれの厚さが等しくなるように形成される。
アッパリンク13の連結部13Cのクランクシャフト軸方向視における幅W3は、ピストンピン中心位置におけるピストンピン支持部13Aのクランクシャフト軸方向視における最大幅W1及びアッパピン中心位置におけるアッパピン支持部13Bのクランクシャフト軸方向視における最大幅W2よりも広くなるように構成される。この連結部13Cには、アッパリンク13の厚さ方向(ピストンピンやアッパピンの挿通方向)に貫通する貫通孔13Dが形成される。複リンク式エンジン100のアッパリンク13では、連結部13Cに貫通孔13Dを形成するとともに、複リンク式エンジン200よりも連結部13Cを幅広化するので、アッパリンク重量を増加させることなくアッパリンク重心Guにおける慣性モーメントを増大させることができる。
第1実施形態ではアッパリンク13の連結部13Cの幅を両支持部13A、13Bの最大幅よりも広くなるように構成したが、連結部13Cの幅を両支持部13A、13Bのうち一方の支持部の最大幅以上となるように構成して、アッパリンク重心Guにおける慣性モーメントを増大させるようにしてもよい。
なお、アッパリンク13の連結部13Cに貫通孔13Dを形成すると、筒内圧が最大となる圧縮上死点近傍においてアッパリンク13の座屈が懸念される。しかしながら、複リンク式エンジン100では、圧縮上死点近傍においてアッパリンク軸心とシリンダ軸心とのなす角がゼロに近づき、アッパリンク13の姿勢をほぼ直立させることができるので、圧縮上死点近傍でアッパリンク13にはピストン移動方向に対して横方向の荷重がほとんど作用しない。これにより圧縮上死点近傍でのアッパリンク13のたわみが抑制されるため、複リンク式エンジン100においては連結部13Cに貫通孔13Dを形成しても、アッパリンク13の座屈を抑制できる。
次に、図4を参照して、複リンク式エンジン100のコントロールリンク15について説明する。図4は、コントロールリンク15の斜視図である。
図4に示すように、コントロールリンク15は、コントロールピン支持部15Aと、偏心軸支持部15Bと、両支持部15A、15Bを連結する連結部15Cとを備え、コントロールリンク重心Gcが両支持部15A、15Bの間に設定されるように形成される。コントロールリンク15は、コントロールピン支持部15A、偏心軸支持部15B及び連結部15Cのそれぞれの厚さが等しくなるように形成される。
コントロールリンク15の連結部15Cのクランクシャフト軸方向視における幅W6は、コントロールピン中心位置におけるコントロールピン支持部15Aのクランクシャフト軸方向視における最大幅W4と等しく、偏心軸支持部15Bのクランクシャフト軸方向視における最大幅W5よりも狭くなるように構成される。この連結部15Cには、コントロールリンク15の厚さ方向(コントロールピンや偏心軸の挿通方向)に貫通する貫通孔15Fが形成される。複リンク式エンジン100のコントロールリンク15では、連結部15Cに貫通孔15Fを形成するとともに、複リンク式エンジン200よりも連結部15Cを幅広化するので、コントロールリンク重量を増加させることなくコントロールリンク重心Gcにおける慣性モーメントを増大させることができる。
第1実施形態ではコントロールリンク15の連結部15Cの幅をコントロールピン支持部15Aの最大幅と等しくなるように構成したが、連結部15Cの幅を両支持部15A、15Bのうち一方の支持部の最大幅以上となるように構成して、コントロールリンク重心Gcにおける慣性モーメントを増加させるようにしてもよい。
なお、複リンク式エンジン100では、筒内圧が最大となる圧縮上死点においてコントロールリンク15に引張荷重が作用するように各リンク13〜15が配置されるので、コントロールリンク15の連結部15Cに貫通孔15Fを形成しても、コントロールリンク15が座屈することがない。
以上により、第1実施形態の複リンク式エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
複リンク式エンジン100では、連結部13Cの幅がピストンピン支持部13A及びアッパピン支持部13Bのうち少なくとも一方の支持部の最大幅以上となるようにアッパリンク13を形成し、連結部15Cの幅がコントロールピン支持部15A及び偏心軸支持部15Bのうち少なくとも一方の支持部の最大幅以上となるようにコントロールリンク15を形成する。これによりアッパリンク13及びコントロールリンク15の重心位置における慣性モーメントを増大させることができ、複リンク式エンジン100は、図5に示すように、参考例である複リンク式エンジン200と比較して2次トルク変動を低減することが可能となる。
アッパリンク13及びコントロールリンク15は、連結部13C、15Cに貫通孔13D、15Fを形成する。そのため複リンク式エンジン100では、リンク質量を増加させることなく、アッパリンク13やコントロールリンク15の慣性モーメントを増加させることができ、重量増に起因する燃費性能の悪化を抑制できる。また、アッパリンク13、コントロールリンク15に貫通孔13D、15Fを形成すると、リンク表面積が増加するので、アッパリンク13、コントロールリンク15の冷却効率を高めることができる。そのため複リンク式エンジン100では、アッパリンク13の両支持部13A、13B及びコントロールリンク15の両支持部15A、15Bでの焼き付きの発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
図6から図9を参照して、第2実施形態の複リンク式エンジン100について説明する。
第2実施形態の複リンク式エンジン100の基本構成は、第1実施形態とほぼ同様であるが、アッパリンク13及びコントロールリンク15の構成において相違する。つまり、アッパリンク13及びコントロールリンク15の重心位置をロアリンク側に近づけるようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
第1実施形態では、複リンク式エンジンにおいて問題となる2次トルク変動がアッパリンクやコントロールリンクの重心位置の慣性モーメントに関係することを述べた。しかしながら、この2次トルク変動は、本件発明者の研究により、アッパリンクやコントロールリンクの慣性モーメントの大きさの他に、図6に示すようにアッパリンクやコントロールリンクの重心位置と関係することが分かった。つまり、本件発明者は、図6(A)に示すようにアッパリンクにおいてアッパリンク重心とアッパピン中心との距離が短くなるほど2次トルク変動が低減し、図6(B)に示すようにコントロールリンクにおいてコントロールリンク重心とコントロールピン中心との距離が短くなるほど2次トルク変動が低減することを明らかにした。図6(A)及び図6(B)の結果は、アッパリンク、ロアリンク及びコントロールリンクの重心位置や慣性モーメント等を用いた剛体計算から得られた知見である。
そこで、第2実施形態の複リンク式エンジン100では、アッパリンク13及びコントロールリンク15の重心Gu、Gcにおける慣性モーメントを増大させつつ、アッパリンク13及びコントロールリンク15の重心Gu、Gcをロアリンク側に近づけることで、2次トルク変動の低減を図る。
図7を参照して、複リンク式エンジン100のアッパリンク13について説明する。図7(A)はクランクシャフト軸方向から見たアッパリンク13の正面図であり、図7(B)はアッパリンク13のB−B断面図である。
図7(A)に示すように、アッパリンク13は、連結部13Cのクランクシャフト軸方向視における幅W3がピストンピン16の中心位置におけるピストンピン支持部13Aのクランクシャフト軸方向視における最大幅W1及びアッパピン17の中心位置におけるアッパピン支持部13Bのクランクシャフト軸方向視における最大幅W2と等しくなるように形成される。これによりアッパリンク重心Guにおける慣性モーメントが、第1実施形態と同様に増大する。
アッパリンク13は、アッパピン支持部側の端部にウェイト31を一体形成する。このウェイト31によって、アッパリンク重心Guは両支持部13A、13Bの間であって、アッパピン17の中心近傍に設定される。これによりアッパリンク13では、アッパリンク重心Guとアッパピン17の中心との距離が第1実施形態よりも短くなる。
また、アッパリンク13のアッパピン支持部13Bとウェイト31とには、ロアリンク側から供給される潤滑オイルをアッパピン支持部13Bの内側に供給するためのオイル供給通路32がアッパリンク長手方向に形成される。
アッパリンク13の連結部13Cは、図7(A)及び図7(B)に示すように、外周部13Eと、外周部13Eの内側に形成され、外周部13Eよりも厚さが薄い薄肉部13Fとから構成される。貫通孔13Dは、連結部13Cの薄肉部13Fに形成される。このように連結部13Cに薄肉部13Fを形成するのは、貫通孔13Dを形成するのと同様にアッパリンク13の軽量化を図るためである。
次に、図8を参照して、複リンク式エンジン100のコントロールリンク15について説明する。図8は、クランクシャフト軸方向から見たコントロールリンク15の正面図である。
図8に示すように、コントロールリンク15は、連結部15Cのクランクシャフト軸方向視における幅W6がコントロールピン18の中心位置におけるコントロールピン支持部15Aのクランクシャフト軸方向視における最大幅W4と等しく、偏心軸支持部15Bのクランクシャフト軸方向視における最大幅W5よりも狭くなるように構成される。これにより、コントロールリンク重心Gcにおける慣性モーメントが、第1実施形態と同様に増大する。
コントロールリンク15は、コントロールピン支持部側の端部にウェイト33を一体形成する。このウェイト33によって、コントロールリンク重心Gcが両支持部15A、15Bの間であって、コントロールピン18の中心近傍に設定される。これによりコントロールリンク15では、コントロールリンク重心Gcとコントロールピン18の中心との距離が第1実施形態よりも短くなる。
また、コントロールリンク15のコントロールピン支持部15Aとウェイト33とには、ロアリンク側から供給される潤滑オイルをコントロールピン支持部15Aの内側に供給するためのオイル供給通路34がコントロールリンク長手方向に沿って形成される。
以上により、第2実施形態の複リンク式エンジン100では、下記の効果を得ることができる。
複リンク式エンジン100では、第1実施形態と同様にアッパリンク13、コントロールリンク15の重心位置における慣性モーメントを増大させるだけでなく、アッパリンク13のアッパピン支持部側の端部にウェイト31を設けてアッパリンク重心Guとアッパピン中心との距離を短くし、コントロールリンク15のコントロールピン支持部側の端部にウェイト33を設けてコントロールリンク重心Gcとコントロールピン中心との距離を短くする。これにより、複リンク式エンジン100では、図9に示すように参考例である複リンク式エンジン200と比較して2次トルク変動を低減することができ、さらに第1実施形態よりも2次トルク変動低減効果を高めることができる。
複リンク式エンジン100では、アッパリンク13の連結部13Cが外周部13Eと薄肉部13Fとから形成されるので、リンク質量を増加させることなく、アッパリンク13の慣性モーメントを増加させることができ、重量増に起因する燃費性能の悪化を抑制できる。
複リンク式エンジン100では、アッパリンク13のアッパピン支持部13Bとウェイト31とにオイル供給通路32が形成され、コントロールリンク15のコントロールピン支持部15Aとウェイト33とにオイル供給通路34が形成される。これにより、アッパリンク13のアッパピン支持部13B及びコントロールリンク15のコントロールピン支持部15Aでの焼き付きの発生を抑制することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、第2実施形態のコントロールリンク15では、アッパリンク13と同様に、連結部15Cを外周部と、外周部よりも厚さが薄い薄肉部とから構成することで、コントロールリンク15の軽量化を図ってもよい。さらに、コントロールリンク15の薄肉部に、貫通孔15Fを形成するようにしてもよい。
アッパリンク及びコントロールリンクの重心位置における慣性モーメントと、複リンク式エンジンの2次トルク変動との関係を示す図である。 第1実施形態の複リンク式エンジンの概略構成図である。 アッパリンクの斜視図である。 コントロールリンクの斜視図である。 第1実施形態の複リンク式エンジンの2次トルク変動低減効果を説明する図である。 アッパリンク及びコントロールリンクの重心位置と、複リンク式エンジンの2次トルク変動との関係を示す図である。 第2実施形態の複リンク式エンジンのアッパリンクの概略構成図である。 第2実施形態の複リンク式エンジンのコントロールリンクの概略構成図である。 第2実施形態の複リンク式エンジンの2次トルク変動低減効果を説明する図である。 参考例としての複リンク式エンジンの概略構成図である。
符号の説明
100、200 複リンク式エンジン
11 ピストン
12 クランクシャフト
12A クランクピン
13 アッパリンク
13A ピストンピン支持部
13B アッパピン支持部
13C 連結部
13D 貫通孔
13E 外周部
13F 薄肉部
14 ロアリンク
14A 連結孔
15 コントロールリンク
15A コントロールピン支持部
15B 偏心軸支持部
15C 連結部
15F 貫通孔
16 ピストンピン
17 アッパピン
18 コントロールピン
20 コントロールシャフト
21 偏心軸
31、33 ウェイト(重心位置調整用ウェイト)
32、34 オイル供給通路

Claims (8)

  1. 一端がピストンピンを介してピストンに連結されるアッパリンクと、前記アッパリンクの他端にアッパピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に連結されるロアリンクと、一端がコントロールピンを介して前記ロアリンクに連結されるとともに、他端が揺動軸に揺動可能に連結されるコントロールリンクと、を備える複リンク式エンジンのトルク変動低減構造であって、
    前記アッパリンクは、前記ピストンピンを支持するピストンピン支持部と、前記アッパピンを支持するアッパピン支持部と、前記ピストンピン支持部と前記アッパピン支持部とを連結する連結部とを形成し、前記2つの支持部のうち少なくとも一方の支持部のクランクシャフト軸方向視における最大幅以上となるように前記連結部のクランクシャフト軸方向視における幅を形成する、
    ことを特徴とする複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
  2. 前記アッパリンクは、アッパリンク重心が前記ピストンピンと前記アッパピンとの間にあってアッパリンク重心とアッパピン中心との距離が短くなるように、アッパピン側端部に重心位置調整用ウェイトを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
  3. 前記アッパリンクは、前記アッパピン支持部と前記重心位置調整用ウェイトにオイル供給通路を形成する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
  4. 一端がピストンピンを介してピストンに連結されるアッパリンクと、前記アッパリンクの他端にアッパピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に連結されるロアリンクと、一端がコントロールピンを介して前記ロアリンクに連結されるとともに、他端が揺動軸に揺動可能に連結されるコントロールリンクと、を備える複リンク式エンジンのトルク変動低減構造であって、
    前記コントロールリンクは、前記コントロールピンを支持するコントロールピン支持部と、前記偏心軸を支持する偏心軸支持部と、前記コントロールピン支持部と前記偏心軸支持部とを連結する連結部とを形成し、前記2つの支持部のうち少なくとも一方の支持部のクランクシャフト軸方向視における最大幅以上となるように前記連結部のクランクシャフト軸方向視における幅を形成する、
    ことを特徴とする複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
  5. 前記コントロールリンクは、コントロールリンク重心が前記コントロールピンと前記偏心軸との間にあってコントロールリンク重心とコントロールピン中心との距離が短くなるように、コントロールピン側端部に重心位置調整用ウェイトを備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
  6. 前記コントロールリンクは、前記コントロールピン支持部と前記重心位置調整用ウェイトにオイル供給通路を形成する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
  7. 前記連結部は、外周部と、前記外周部よりも内側に形成され、前記外周部の厚さよりも薄い薄肉部とを備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
  8. 前記連結部は、連結部厚さ方向に貫通する貫通孔を形成する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の複リンク式エンジンのトルク変動低減構造。
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