JP2012149148A - ゴム組成物 - Google Patents

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大作 長田
Haruhisa Shibata
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Abstract

【課題】加硫開始時間T10が短くなるのを抑制しつつ、加硫時間T90を短縮することができるゴム組成物を提供する。
【解決手段】塩素化ブチルゴム100重量部に対して、酸化亜鉛を3〜7重量部、N−フェニル−N’−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミンを0.1〜2重量部、アルキル化ジフェニルアミンを0.1〜2重量部、加硫促進剤を0.5重量部以下配合してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩素化ブチルゴムを含有するゴム組成物に関するものである。
従来、ゴム組成物の加硫時間を短縮する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の製造方法では、ゴム組成物またはその一部が脱気状態で加硫されることにより、熱伝導性を上げ、加硫時間の短縮を図っている。
特開平10−329232号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、加硫時間T90を短縮することはできるが、加硫開始時間T10も小さくなってしまう。
ここで、加硫開始時間T10、加硫時間T90とは、加硫時間を横軸とし、トルクを縦軸とする加硫速度曲線を求め、応力が最大値をとる点を加硫100%、最小値の点を加硫0%としたとき、10%加硫に対応する加硫時間を加硫開始時間T10(分)、90%加硫に対応する加硫時間を加硫時間T90(分)としたものであり、加硫成形時の流動性の指標である。そして、加硫開始時間T10が短くなりすぎると架橋反応が速すぎて、金型中で混練物を成形すると同時に架橋する際に、金型中に混練物が隙間なく充填される前に架橋が進んで成形不良を起こしやすくなるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、加硫開始時間T10が短くなるのを抑制しつつ、加硫時間T90を短縮することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、塩素化ブチルゴム100重量部に対して、酸化亜鉛を3〜7重量部、N−フェニル−N’−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミンを0.1〜2重量部、アルキル化ジフェニルアミンを0.1〜2重量部、加硫促進剤を0.5重量部以下含有することを特徴としている。
これによれば、後述の図1に示されるように、加硫開始時間T10が短くなるのを抑制しつつ、加硫時間T90を短縮することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のゴム組成物において、塩素化ブチルゴム100重量部に対して、加硫促進剤を0.1重量部以下含有することを特徴としている。
これによれば、加硫開始時間T10が短くなるのをより確実に抑制しつつ、加硫時間T90をより短縮することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載のゴム組成物において、加硫促進剤は、テトラメチルチウラムジスルフィドであってもよい。
また、請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のゴム組成物において、塩素化ブチルゴム100重量部に対して、カーボンブラックを主成分とする充填剤を30〜70重量部含有していてもよい。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のゴム組成物において、塩素化ブチルゴム100重量部に対して、パラフィン系ラバーオイルを5〜9重量部含有していてもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の実施形態における加硫速度曲線を示す特性図である。
本発明の実施形態に係るゴム組成物について説明する。本実施形態のゴム組成物は、塩素化ブチルゴム100重量部に対して、カーボンブラック充填剤30〜70重量部、加硫助剤としての酸化亜鉛(亜鉛華)3〜7重量部、プロセスオイルとしてのパラフィン系ラバーオイル5〜9重量部、老化防止剤としてのN−フェニル−N’−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン0.1〜2重量部、老化防止剤としてのアルキル化ジフェニルアミン0.1〜2重量部、さらに加硫促進剤を0.5重量部以下配合してなる。加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィドが用いられる。
本実施形態のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて混練した後、加熱して加硫を行うことによって、本実施形態のゴム組成物を製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
塩素化ブチルゴム100重量部に対して、カーボンブラック充填剤を55重量部、酸化亜鉛を5重量部、パラフィン系ラバーオイルを7重量部、N−フェニル−N’−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン(大内新興化学工業株式会社製、ノクラック810−NA)を1重量部、アルキル化ジフェニルアミン(大内新興化学工業株式会社製、ノクラックODA)を1重量部配合し、ゴム混練装置を用いて混練した。本実施例1では、加硫促進剤(テトラメチルチウラムジスルフィド)を配合していない。
(実施例2)
上記実施例1に対して、テトラメチルチウラムジスルフィドの含有量を0.01重量部とした。
(実施例3)
上記実施例1に対して、テトラメチルチウラムジスルフィドの含有量を0.1重量部とした。
(実施例4)
上記実施例1に対して、テトラメチルチウラムジスルフィドの含有量を0.5重量部とした。
(比較例)
上記実施例1に対して、テトラメチルチウラムジスルフィドの含有量を1重量部とした。
(加硫試験)
上記実施例1〜4および比較例のゴム組成物について、加硫試験を行った。具体的には、上記実施例1〜4および比較例のゴム混練物を振動式加硫試験機(JSRトレーディング株式会社製、キュラストメータ7)に各々投入し、測定温度170℃で加硫試験を行って、時間とトルクとをプロットした加硫速度曲線を得た。
当該試験結果を表1および図1に示す。なお、加硫速度曲線のトルクの最小値をML、最大値をMHとした。また、図1中、実線aは実施例1を、破線bは実施例2を、一点鎖線cは実施例3を、二点鎖線dは実施例4を、太実線eは比較例を、それぞれ示している。
Figure 2012149148
表1および図1に示すように、実施例1〜4では、比較例に対して、加硫時間T10はほぼ同じであるが、加硫開始時間T90が短縮した。さらに、実施例1〜3では、比較例に対して加硫時間T90が大幅に短縮した。
以上説明したように、塩素化ブチルゴム100重量部に対して、加硫促進剤であるテトラメチルチウラムジスルフィドの含有量を0.5重量部以下とすることで、加硫開始時間T10が短くなるのを抑制しつつ、加硫時間T90を短縮することができる。さらに、塩素化ブチルゴム100重量部に対して、加硫促進剤であるテトラメチルチウラムジスルフィドの含有量を0.1重量部以下とすることで、加硫開始時間T10が短くなるのをより確実に抑制しつつ、加硫時間T90をより短縮することができる
また、上記のようなすぐれた特性を示す本実施形態のゴム組成物は、マグネットクラッチや電磁クラッチに使用されるハブの成形材料等として好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 塩素化ブチルゴム100重量部に対して、酸化亜鉛を3〜7重量部、N−フェニル−N’−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミンを0.1〜2重量部、アルキル化ジフェニルアミンを0.1〜2重量部、加硫促進剤を0.5重量部以下含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記塩素化ブチルゴム100重量部に対して、前記加硫促進剤を0.1重量部以下含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記加硫促進剤は、テトラメチルチウラムジスルフィドであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 塩素化ブチルゴム100重量部に対して、カーボンブラックを主成分とする充填剤を30〜70重量部含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のゴム組成物。
  5. 塩素化ブチルゴム100重量部に対して、パラフィン系ラバーオイルを5〜9重量部含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のゴム組成物。
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