JP2012149101A - サバイビンペプチドワクチン - Google Patents

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Abstract

【課題】1つ以上のサバイビン(survivin)ポリペプチドフラグメントを含む治療ワクチンを提供する。
【解決手段】本発明は、1つ以上のサバイビンポリペプチドフラグメントを含む治療ワクチンに関する。このワクチンは、例えば、ガン疾患の予防、寛解および/または治療的な処置のために用いられ得る。本発明はさらに、併用処置の方法に関する。本発明は、サバイビンタンパク質由来のMHCクラスI拘束ペプチドが、MHCクラスI HLA分子に結合し得、それによって広範なガン疾患に罹患している患者においてエキソビボおよびインサイチュの両方のCTL免疫応答を誘発するという発見に基づく。
【選択図】なし

Description

本特許出願に引用される全ての特許および非特許参考文献は、その全体が参照によって本明細書に援用される。
(発明の分野)
本発明は、1つ以上のサバイビン(survivin)ポリペプチドフラグメントを含む治療ワクチンに関する。このワクチンは、例えば、ガン疾患の予防、寛解および/または治療的な処置のために用いられ得る。本発明はさらに、併用処置の方法に関する。
(発明の背景)
哺乳動物の免疫系は、外来の物質または異質な物質を認識してこれに反応する。この系の重要な面はT細胞応答である。この応答には、ヒト主要組織適合複合体(MHC)およびペプチドからなるヒトリンパ球抗原(HLA)と呼ばれる細胞表面分子の複合体を、T細胞が認識して相互作用することを要する。このペプチドは、HLA/MHC分子を提示もする細胞によって処理される、より大きい分子に由来する。T細胞およびHLA/ペプチドの複合体の相互作用は、限定されており、これには、HLA分子およびペプチドの特定の組み合わせに特異的であるT細胞が必要である。特定のT細胞が存在しない場合、T細胞応答はそのパートナー複合体が存在する場合でさえ存在しない。同様に、特定の複合体が存在しない場合、応答は存在しないが、T細胞は存在する。
ヒト腫瘍関連抗原(tumor−associated antigens)(TAA)由来のペプチドエピトープは、MHC分子の状況では細胞傷害性Tリンパ球(CTL)によって認識され得るということ、そして全てではないがほとんどの腫瘍がこのような抗原を発現するということが十分に確証されている。結果として、刺激的な臨床的努力は、患者において有効な抗腫瘍CTL応答を生成するために、ワクチン接種および養子T細胞療法のようなストラテジーでこれらのTAAを標的することを継続している。
しかし、抗原損失改変体の免疫選択は、臨床的な腫瘍学における公知のCTLエピトープのほとんどの治癒可能性にとって重篤な障害であり得、そして抗原欠損変異体腫瘍の選択は、ガン増殖において役割を有さない抗原を標的する場合、治療ストラテジーにおける限界として十分認識されている。
この理由は、最も特徴付けられたペプチドは、腫瘍細胞の生存に必須でないポリペプチド由来であるということである。従って、強力なCTL応答が、ワクチン接種のような治療的な手段によってこれらのペプチド抗原に対して誘導される場合、標的された抗原の発現を欠く腫瘍細胞は、免疫応答の上昇を回避する可能性が極めて高い。
ガン疾患の処置のさらに有効な治療用ワクチンおよび改良された方法が必要である。
T細胞が細胞異常を認識する機構も、ガンに関与している。特許文献1では、遺伝子のファミリーであって、ペプチドにプロセシングされ、順に、細胞表面で発現されて、特異的なCTLによる腫瘍細胞の溶解をもたらし得る遺伝子のファミリーが開示されている。これらの遺伝子は、MAGEファミリーと呼ばれ、そして「腫瘍拒絶抗原前駆体(tumor rejection antigen precursor)」すなわち「TRAP」分子をコードすると言われており、そしてそれらに由来するペプチドは、「腫瘍拒絶抗原(tumor rejection antigens)」すなわち「TRA」と呼ばれる。
しかし、全体ではないがほとんどの腫瘍が抗原性であるということが一般に受け入れられているが、腫瘍進行が免疫系によって容易に制御されるという意味で実際に免疫原性なのはわずか2〜3である。
これを克服するために、TAA由来ペプチドによるワクチン接種を用いる、いくつかの免疫治療トライアルが開始されている。CTL規定TAAの最大数が特徴付けられている腫瘍である黒色腫については、抗原に対する強力なCTL応答がワクチン接種によって誘導されており、そして幾例かの患者は、これらの疾患の完全寛解を経験した。しかし、これらのワクチン接種トライアルにおいて用いられるペプチドエピトープのほとんどが、メラニン形成細胞特異的であり、そしてこれらのペプチドは、メラニン形成細胞起源でない腫瘍については適用できない。さらに、これらのTAAの発現は、異なる患者由来の腫瘍の間では異種であり、1患者から得られた転移の間で異なりさえし得る。しかし、ここ2〜3年の間に、多数の異なるガンで発現される多数の腫瘍特異的ペプチド抗原、すなわち、HER−2、Muc−1およびテロメラーゼが同定されている。
適切な操作によって腫瘍に存在する腫瘍抗原が免疫系に曝露され得るということも示されている。免疫応答のCD8+CTLアームが、単独で、またはCD4+Th細胞と組み合わせて、適応的免疫応答の主な抗腫瘍エフェクターアームを構成するということが研究によって示されている。現在まで、焦点は主に免疫応答のCTLアームにあった。しかし、CD4T細胞応答は、腫瘍拒絶において、特に誘導期において、またはインビボにおけるCTL応答の拡大において、必須の役割を果たすことが明らかになっている。結果として、有効な腫瘍ワクチン接種プロトコールへのクラス1拘束腫瘍抗原の組み込みは、ワクチンの有効性を増大し得る。
アポトーシスは、細胞の自殺の遺伝的プログラムであり、アポトーシスの阻害は、形質転換変異の蓄積をもたらす細胞の寿命を延長することによってガン形成に関与する重要な機構であることが示唆されている。サバイビンは、アポトーシスタンパク質(IAP)のインヒビターのファミリーの近年同定されたメンバーである。約4百万の転写物の全体的な遺伝子発現分析において、サバイビンは、多くのタイプのガンで常に上方制御されるが正常な組織では上方制御されないトップの遺伝子のうちの1つとして特定された。サバイビンを過剰発現する固形悪性腫瘍としては、肺、結腸、乳房、膵臓および前立腺の癌、ならびに造血系の悪性腫瘍が挙げられる。さらに、一連の黒色腫および非黒色腫の皮膚癌は、常にサバイビン陽性であることが報告されている。ほとんどのヒトガンにおけるサバイビンの過剰発現によって、腫瘍進行におけるアポトーシス阻害の一般的な役割が示唆され、これは結腸直腸癌および膀胱癌、ならびに神経芽細胞腫の場合には、サバイビンの発現は、望ましくない予後と関連していたという観察によって実証される概念である。サバイビンは、他のアポトーシスインヒビターとして、腫瘍血管形成の間に内皮細胞で発現され、そして血管形成の間のサバイビンのアンチセンス標的化が内皮細胞のアポトーシスを生じ、これがインビトロにおいて毛細血管様の血管の急速な崩壊を促進する。対照的に、サバイビンは、正常な成体組織では検出不能である。サバイビンはほとんどのヒトのガンで過剰発現され、そしてその機能の阻害は、アポトーシスの増大を生じるので、このタンパク質は、治療的なCTL応答の標的であり得る。サバイビンタンパク質およびその潜在的な診断および治療の用途は、参照によって本明細書に援用される特許文献2に開示される。サバイビンは、16.5kDaの細胞質タンパク質であって、単一のBIRおよび高度に荷電されたカルボキシ末端コイル領域を、B細胞前駆体中に移行された場合、増殖因子(IL−3)中止によって誘導されたアポトーシスを阻害するRIBGフィンガーの代わりに含む。サバイビンをコードする遺伝子はエフェクター細胞プロテアーゼレセプター−1(Effector Cell Protease Receptor−1)(EPR−1)の配列とほぼ同一であるが、反対向きには配置されておらず、従って、頭を付き合わせた構成で複製された2つの別々の遺伝子の存在が示唆される。従って、サバイビンは、アンチセンスEPR−1生成物として記載されてもよい。2つの遺伝子の方向が反対であるために、タンパク質にコードされるアミノ酸配列は異なる。
機能的には、サバイビンの天然のアンチセンスEPR−1転写物を上方制御することによるサバイビンの発現の阻害によって、広範なアポトーシスおよび細胞増殖の減少が生じる。
特許文献2は、精製されたサバイビンの単離を開示しており、そしてそれによってサバイビンタンパク質をコードする核酸分子、ならびにサバイビンに結合する抗体および他の分子が得られる。特許文献2はまた、サバイビンタンパク質の抗アポトーシス的に活性なフラグメント、および開示されたサバイビンの配列のN末端もしくはC末端にまたはその中にアミノ酸残基が挿入されているその改変体を開示している。このようなペプチドは、アポトーシスに必要な重要な機能的な残基、すなわちTrpを67位置で、Proを73位置で、そしてCysを84位置で含まなければならないということが特に開示されている。
ELISPOTアッセイによって測定した場合、サバイビンペプチドを負荷された樹状細胞でのワクチン接種を用いて、弱い特異的なT細胞応答が惹起され得るということが以前に開示されている(特許文献3およびOtto,Kら、J.Vaccine(2004))。この応答は、10個の細胞あたり30未満であり、臨床的な結果の以下の評価によって進行性の疾患が示された。従って、このワクチンは、極めて限られた用途しかない。従って、疾患の進行が阻害される、極めて強力かつ特異的なT細胞応答を誘導し得、そして特に臨床的な応答を誘導し得るワクチンを開発することが大きな目的である。
国際公報第92/20356号パンフレット 米国特許第6,245,523号明細書 国際公報第04/067023号パンフレット
(発明の要旨)
本発明は、サバイビンタンパク質由来のMHCクラスI拘束ペプチドが、MHCクラスI HLA分子に結合し得、それによって広範なガン疾患に罹患している患者においてエキソビボおよびインサイチュの両方のCTL免疫応答を誘発するという発見に基づく。処置における使用の前に、臨床的な結果と組み合わせて免疫応答を分析して、ガンの処置のためのワクチン組成物の有用性を評価することが必要である。免疫後の特異的なT細胞応答は、ワクチンにおいて有用な潜在的な抗原について有用な試験であり得、このワクチン組成物は、10個のPBMCあたり50個より多いIFN−γ放出細胞のような極めて強力なT細胞応答を誘発し得ることが好ましい。なぜなら、これが、ガンの処置における使用のためのワクチン組成物の成功を増大し得るからである。本発明は、部分的または完全な腫瘍退行を誘導し得る特に有効なワクチン組成物を開示する。明白に、これらの知見によって、サバイビンが腫瘍細胞によって普遍的に発現されると考えられるという事実に起因して、ガン疾患の制御において一般に適用可能である、新規な治療的なアプローチについての方法が明らかになる。
本明細書に記載されるワクチン組成物または免疫原性組成物は、そのペプチドが新生物と戦い得るCTL応答を生じるので、ワクチン組成物としての資格を得る。従って、このワクチン組成物は、治療用ワクチンまたは治療用もしくは薬学的な組成物として資格を得る。
ある局面では、本発明は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続したアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、鉱油およびサーファクタントを含む油中水型エマルジョンのために処方されたアジュバントであって、このアジュバントがこのサーファクタントの14.5容積%まで含む、アジュバントとを含む、医薬としての使用のための、ワクチン組成物に関する。
本発明のある局面は、APPAWQPFL(配列番号13)およびRPPAWQPFL(配列番号14)の群より選択されるペプチドを含む、HLA−B7に結合し得る多くとも50アミノ酸残基のサバイビンペプチド改変体に関する。
さらなる局面は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはペプチド改変体を含むワクチン組成物であって、このペプチド改変体の配列がその全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、この組成物が:
i.HLA−B7結合ペプチド、ならびに/または
HLA−A1およびHLA−A2拘束ペプチド、ならびに/または
HLA−A1およびHLA−B35拘束ペプチド
ii.ならびにアジュバント
を含む、ワクチン組成物に関する。
ある局面は、3つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、
i.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A1結合ペプチドの群から選択され、
ii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A2結合ペプチドの群から選択され、
iii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B35結合ペプチドの群から選択される、
サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、
アジュバントと、
を含む、ワクチン組成物に関する。
本発明の別の局面は、7つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、
i.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A1結合ペプチドの群から選択され、
ii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A2結合ペプチドの群から選択され、
iii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A3結合ペプチドの群から選択され、
iv.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A24結合ペプチドの群から選択され、
v.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A11結合ペプチドの群から選択され、
vi.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B35結合ペプチドの群から選択され、
vii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B7結合ペプチドの群から選択される、
サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と
アジュバントと、を含む、ワクチン組成物に関する。
固形腫瘍の発達は、血管形成に依存する。従って、血管形成の阻害は、固体腫瘍の発達を防止し得る。腫瘍血管形成の間の内皮細胞におけるサバイビン、bcl−2およびMcl−1の発現によって、本明細書で記載されるようなペプチドを用いるワクチン接種が、抗血管形成効果を有し得ることが示唆される。
本発明のある局面は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、被験体における腫瘍間質において抗原特異的t細胞の浸潤を誘導し得るアジュバントとを含む、医薬としての使用のための、ワクチンに関する。
1つのさらなる局面では、本発明は、ワクチン組成物であって:
i.核酸であって:
a)サバイビンポリペプチド(配列番号23)、
b)サバイビンペプチドまたは
c)サバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列がその全体にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、サバイビンペプチド改変体、
をコードする核酸と、
ii.アジュバントと、
を含むワクチン組成物に関する。
本発明のある局面は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体およびアジュバントを含むワクチン組成物であって、医薬の製造のための強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答を被験体中で惹起し得るワクチン組成物の使用に関する。これは関連性がある。なぜなら極めて強力かつ特異的なT細胞応答は、良好な臨床的な応答の率が高いことと相関し得るからである。これに関して、極めて強力かつ特異的なT細胞応答とは、このワクチン組成物の投与の前後にELISPOTアッセイによって測定した場合、10個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットという応答と等しい。
本発明のある局面は、
i.ワクチン組成物であって、
a)1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体および
b)アジュバント、
を含むワクチン組成物と、
ii)二次医薬と、
を含む、部品キットに関する。
本発明のある局面は、被験体においてサバイビンに対する強力かつ特異的なT細胞応答を刺激する方法を記載しており、この方法は:
a)本発明に従うワクチン組成物を提供する工程と、
b)このワクチン組成物をこの被験体に対して投与する工程であって、このワクチン組成物が、2回以上投与され得る工程と、
c)これによって強力かつ特異的なT細胞応答をこの被験体において刺激する工程であって、この強力かつ特異的なT細胞応答が、このワクチン組成物の投与の前後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットである工程と、
d)この被験体において、この強力かつ特異的なT細胞応答を得る工程と、
を包含する。
本発明のさらなる局面は、疾患を処置または予防する方法に関しており、この方法は;a)本発明に従うワクチン組成物を提供する工程と、
b)このワクチン組成物をこの被験体に対して投与する工程であって、このワクチン組成物が、2回以上投与される工程と、
を包含する。
さらなる局面では、本発明は、疾患を処置または予防する方法に関しており、この方法は;
a)本発明に従うワクチン組成物を提供する工程と、
b)このワクチン組成物をこの被験体に対して投与する工程であって、このワクチン組成物が、2回以上投与される工程と、
c)これによって強力かつ特異的なT細胞応答をこの被験体において刺激する工程であって、この強力かつ特異的なT細胞応答が、このワクチン組成物の投与の前後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットである工程と、
d)この被験体において臨床的な応答を得る工程と、
を包含する。
特定の局面では、本発明は、被験体において腫瘍間質における抗原特異的T細胞の浸潤を誘導するか、または被験体において血管形成を阻害する方法に関しており、この方法は;
a)本発明に従うワクチンを提供する工程と、
b)このワクチン組成物をこの被験体に対して投与する工程と、
c)腫瘍間質における抗原特異的T細胞の浸潤または血管形成の阻害を得る工程と、を包含する。
併用治療の方法であって、以下:
a)本発明に従うワクチン組成物、および
b)二次医薬、
の任意の順序での、同時、連続的または別々の投与を含む、方法。
本発明は例えば、以下の項目を提供する:
(項目1)
ワクチン組成物であって、
i.1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、該ペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続したアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、
ii.鉱油およびサーファクタントを含む油中水型エマルジョンのために処方されたアジュバントであって、該アジュバントが該サーファクタントを14.5容積%まで含む、アジュバントと、
を含む、医薬としての使用のための、ワクチン組成物。
(項目2)
前記アジュバントが前記サーファクタントを5〜14容積%含む、項目1に記載のワクチン組成物。
(項目3)
前記サーファクタントの粘性が200〜400mPaSである、項目1〜2のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目4)
前記アジュバントが、サーファクタントオレイン酸マンニドを含む、項目1〜3のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目5)
前記ワクチンが、ヒト被験体への投与のためである、項目1〜4のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目6)
前記アジュバントがMontanide ISAアジュバントである、項目1〜5のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目7)
前記アジュバントがMontanide ISA 51またはMontanide ISA 720である、項目1〜6のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目8)
前記アジュバントがMontanide ISA51である、項目1〜7のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目9)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビングペプチド改変体が、少なくとも5アミノ酸残基および多くとも20アミノ酸残基からなる、項目1〜8のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目10)
前記ワクチン組成物がサバイビンペプチド改変体を含み、該改変体が、配列番号23の連続的アミノ酸配列に比較して1つまたは2つのアミノ酸置換を含む7〜20の連続的アミノ酸からなる、項目1〜9のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目11)
前記ワクチン組成物がサバイビンペプチド改変体を含み、該改変体が、配列番号23の連続的アミノ酸配列に比較して1つのアミノ酸置換を含む7〜12の連続的アミノ酸からなる、項目1〜10のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目12)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビングペプチド改変体が、9または10個のアミノ酸残基からなる、項目1〜11のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目13)
前記サバイビンペプチド改変体の1つ以上のペプチド配列が、少なくとも1つのアミノ酸残基を置換、欠失または付加することによって天然のサバイビン配列から誘導され得、これによって所定のHLA分子についてのアンカー残基モチーフを有するペプチドが得られる、項目1〜12のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目14)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体が、HLAクラスI分子の以下の群:HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A11、およびHLA−A24、HLA−B7、HLA−B8、HLA−B15、HLA−B27、HLA−B35、HLA−B44、HLA−B51およびHLA−B58、HLA−Cw1、HLA−Cw2、HLA−Cw3、HLA−Cw4、HLA−Cw5、HLA−Cw6、HLA−Cw7およびHLA−Cw16のうちの少なくとも1つに拘束される、項目1〜12のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目15)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体が、HLAクラスI分子の以下の群:HLA−A1、HLA−A2、HLA−B7、およびHLA−B35のうちの少なくとも1つに拘束される、項目1〜13のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目16)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体がHLA−A1に拘束される、項目14に記載のワクチン組成物。
(項目17)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体がHLA−A2に拘束される、項目14に記載のワクチン組成物。
(項目18)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体がHLA−B7に拘束される、項目14に記載のワクチン組成物。
(項目19)
前記1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体がHLA−B35に拘束される、項目14に記載のワクチン組成物。
(項目20)
多くとも50アミノ酸残基の前記1つ以上のサバイビンペプチド改変体が、FTELTLGEF(配列番号16)、LMLGEFLKL(配列番号5)、EPDLAQCFY(配列番号9)、APPAWQPFL(配列番号13)およびRPPAWQPFL(配列番号14)からなる群より選択されるペプチドを含む、項目1〜19のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目21)
前記1つ以上のサバイビンペプチド改変体が、FTELTLGEF(配列番号16)、LMLGEFLKL(配列番号5)、EPDLAQCFY(配列番号9)、APPAWQPFL(配列番号13)およびRPPAWQPFL(配列番号14)からなる群より選択される、項目1〜20のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目22)
APPAWQPFL(配列番号13)およびRPPAWQPFL(配列番号14)の群より選択されるペプチドを含む、HLA−B7に結合し得る多くとも50アミノ酸残基のサバイビンペプチド改変体。
(項目23)
前記ペプチドがAPPAWQPFL(配列番号13)である、項目22に記載のサバイビンペプチド改変体。
(項目24)
前記ペプチドがRPPAWQPFL(配列番号14)である、項目22に記載のサバイビンペプチド改変体。
(項目25)
1つ以上のサバイビンペプチドまたはペプチド改変体を含むワクチン組成物であって、該ペプチド改変体の配列がその全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、該組成物が:
i.HLA−B7結合ペプチド、ならびに/または
HLA−A1およびHLA−A2拘束ペプチド、ならびに/または
HLA−A1およびHLA−B35拘束ペプチド
ii.ならびにアジュバント
を含む、ワクチン組成物。
(項目26)
項目25に記載のワクチン組成物であって、前記サバイビン改変体が、多くとも50アミノ酸からなり;
i.ペプチドAPPAWQPFL(配列番号13)および/または
ペプチドRPPAWQPFL(配列番号14)および/または
ペプチドFTELTLGEF(配列番号16)、およびLMLGEFLKL(配列番号5)、および/または、
ペプチドFTELTLGEF(配列番号16)、およびEPDLAQCFY(配列番号9)、および/または
ペプチドLMLGEFLKL(配列番号5)、およびEPDLAQCFY(配列番号9)と
ii.アジュバントと、
を含む、ワクチン組成物。
(項目27)
ワクチン組成物であって、
a)3つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、該ペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、
i.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A1結合ペプチドの群から選択され、
ii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A2結合ペプチドの群から選択され、
iii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B35結合ペプチドの群から選択される、
サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、
b)アジュバントと、
を含む、ワクチン組成物。
(項目28)
ワクチン組成物であって、
i.1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、該ペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、
ii.アジュバントと、
を含み、被験体における腫瘍間質において抗原特異的T細胞の浸潤を誘導し得る、医薬としての使用のための、ワクチン組成物。
(項目29)
血管形成を阻害し得る、項目28に記載のワクチン組成物。
(項目30)
前記HLA−A1結合ペプチドがFTELTLGEF(配列番号16)である、項目29に記載のワクチン組成物。
(項目31)
前記HLA−A2結合ペプチドがLMLGEFLKL(配列番号5)である、項目29に記載のワクチン組成物。
(項目32)
前記HLA−B35結合ペプチドがEPDLAQCFY(配列番号9)である、項目29に記載のワクチン組成物。
(項目33)
ペプチドFTELTLGEF(配列番号16)、LMLGEFLKL(配列番号5)およびEPDLAQCFY(配列番号9)を含む、項目29に記載のワクチン組成物。
(項目34)
ワクチン組成物であって、
c)7つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、該ペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、
xv.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A1結合ペプチドの群から選択され、
xvi.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A2結合ペプチドの群から選択され、
xvii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A3結合ペプチドの群から選択され、
xviii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A24結合ペプチドの群から選択され、
xix.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A11結合ペプチドの群から選択され、
xx.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B35結合ペプチドの群から選択され、
xxi.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B7結合ペプチドの群から選択される、
サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と
d)アジュバントと、
を含む、ワクチン組成物。
(項目35)
前記HLA−A1結合ペプチドが、FTELTLGEF(配列番号16)であり、前記HLA−A2結合ペプチドが、LMLGEFLKL(配列番号5)であり、前記HLA−A3結合ペプチドが、RISTFKNWPK(配列番号20)であり、前記HLA−A24結合ペプチドがSTFKNWPFL(配列番号41)であり、前記HLA−A11結合ペプチドがDLAQCFFCFK(配列番号19)であり、前記HLA−B35結合ペプチドがEPDLAQCFY(配列番号9)であり、そして前記HLA−B7結合ペプチドがLPPAWQPFL(配列番号10)である、項目34に記載のワクチン組成物。
(項目36)
多くとも70アミノ酸からなる、項目34〜35のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目37)
項目34に記載のワクチン組成物であって、
i.HLA−B44結合ペプチドの群から選択される少なくとも1つのペプチドもしくはペプチド改変体、および/または
ii.HLA−B27結合ペプチドの群から選択される少なくとも1つのペプチドもしくはペプチド改変体、および/または
iii.HLA−B51結合ペプチドの群から選択される少なくとも1つのペプチドもしくはペプチド改変体、
をさらに含む、ワクチン組成物。
(項目38)
前記HLA−B44結合ペプチドが、KETNNKKKEY(配列番号42)であり、前記HLA−B27結合ペプチドがERMAEAGFI(配列番号43)であり、そして前記HLA−B51結合ペプチドがRAIEQLAAM(配列番号44)である、項目37に記載のワクチン組成物。
(項目39)
多くとも100アミノ酸からなる、項目37または38に記載のワクチン組成物。
(項目40)
前記HLA−A11結合ペプチドが、DLAQCFFCFK(配列番号19)、DVAQCFFCFK(配列番号45)、DFAQCFFCFK(配列番号46)またはDIAQCFFCFK(配列番号47)からなる群より選択される、項目34、37または38に記載のワクチン組成物。
(項目41)
HLAクラス1分子に結合し得る、ML−IAP、BCL−2、BCL−X、MCL−1またはTRAG−3ペプチドまたはそのペプチド改変体の群から選択される1つ以上のペプチドまたはペプチド改変体をさらに含む、項目1〜22および項目25〜40に記載のワクチン組成物。
(項目42)
ワクチン組成物であって、
i.核酸であって、
a)サバイビンポリペプチド(配列番号23)、
b)配列番号23の少なくとも5つ連続するアミノ酸からなるサバイビンペプチド、または
c)少なくとも7アミノ酸からなるサバイビンペプチド改変体であって、該ペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的なアミノ酸配列に少なくとも85%同一であるサバイビンペプチド改変体、をコードする、核酸と、
ii.アジュバントと、
を含む、ワクチン組成物。
(項目43)
二次活性成分を含む、項目1〜21および項目25〜42に記載のワクチン組成物。
(項目44)
前記二次活性成分が抗ガン医薬である、項目43に記載のワクチン組成物。
(項目45)
前記二次活性成分が化学療法剤である、項目43に記載のワクチン組成物。
(項目46)
前記二次活性成分が血管形成インヒビターである、項目43に記載のワクチン組成物。
(項目47)
前記ワクチン組成物が、強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答を被験体中で惹起し得、該ワクチン組成物の投与後にELISPOTアッセイによって測定した強力かつ特異的なT細胞応答が、10 個のPBMC細胞あたり少なくとも50個のペプチド特異的なスポットである、項目1〜46のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目48)
前記ワクチン組成物が、被験体における腫瘍間質において抗原特異的なT細胞の浸潤を誘導し得る、項目1〜47のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目49)
前記ワクチン組成物が、被験体において血管形成を阻害し得る、項目1〜48のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目50)
前記ワクチン組成物が、被験体において臨床反応を惹起し得、該臨床反応は、安定な疾患、部分的な応答または完全な寛解によって特徴付けられる、項目1〜49のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目51)
前記ワクチン組成物が、被験体において臨床反応を惹起し得、該臨床反応は、標的病変の最長の直径の合計の減少によって特徴付けられる、項目1〜50のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目52)
前記ワクチン組成物が、被験体における臨床反応を惹起し得、該臨床反応は完全な寛解である、項目1〜51のいずれかに記載のワクチン組成物。
(項目53)
ガンの処置のための医薬の製造のための、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体およびアジュバントを含むワクチン組成物の使用であって、該組成物が、強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答を被験体中で惹起し得、該ワクチン組成物の投与後にELISPOTアッセイによって測定した該強力かつ特異的なT細胞応答が、10 個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットである、使用。
(項目54)
ガンの処置のための医薬の製造のための、項目1〜21および項目25〜52のいずれかによって特徴付けられる、ワクチン組成物の使用。
(項目55)
前記ガンが、悪性黒色腫、膵臓癌、子宮頸癌または結腸癌である、項目54に記載の使用。
(項目56)
前記医薬が血管形成の阻害のためである、項目53〜55に記載のワクチン組成物の使用。
(項目57)
部品キットであって、
a)ワクチン組成物であって、
i)1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、該ペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体および
ii)アジュバント、
を含むワクチン組成物と、
b)二次医薬と、
を含む、部品キット。
(項目58)
前記二次医薬が、化学療法剤を含む、項目57に記載の部品キット。
(項目59)
前記二次医薬が、血管形成インヒビターを含む、項目57に記載の部品キット。
(項目60)
前記ワクチンおよび医薬が、同時、別々または連続的な投与のためである、項目57〜59に記載の部品キット。
(項目61)
被験体においてサバイビンに対する強力かつ特異的なT細胞応答を刺激する方法であって、
a)項目1〜21および項目25〜52に記載のワクチン組成物を提供する工程と、
b)該ワクチン組成物を該被験体に対して投与する工程であって、該ワクチン組成物が、2回以上投与され得る工程と、
c)これによって強力かつ特異的なT細胞応答を刺激する工程であって、該強力かつ特異的なT細胞応答が、該ワクチン組成物の投与後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10 個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットである工程と、
d)該被験体において、該強力かつ特異的なT細胞応答を得る工程と、
を包含する、方法。
(項目62)
疾患を処置または予防する方法であって、
a)項目1〜21および項目25〜52に記載のワクチン組成物を提供する工程と、
b)該ワクチン組成物を該被験体に対して投与する工程であって、該ワクチン組成物が、2回以上投与され得る工程と、
を包含する、方法。
(項目63)
疾患を処置または予防する方法であって;
a)項目1〜21および項目25〜52に記載のワクチン組成物を提供する工程と、
b)該ワクチン組成物を該被験体に対して投与する工程であって、該ワクチン組成物が、2回以上投与され得る工程と、
c)これによって強力かつ特異的なT細胞応答を該被験体において刺激する工程であって、該強力かつ特異的なT細胞応答が、該ワクチン組成物の投与後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10 個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットである工程と、
d)該被験体において臨床反応を得る工程と、
を包含する、方法。
(項目64)
前記強力かつ特異的なT細胞応答が、前記ワクチン組成物の投与後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10 個のPBMC細胞あたり少なくとも250個のペプチド特異的なスポットである、項目61〜63のいずれかに記載の方法。
(項目65)
前記疾患がガンである、項目61〜64のいずれかに記載の方法。
(項目66)
前記ガンが、悪性黒色腫、膵臓癌、子宮頸癌および結腸癌の群より選択される、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記ワクチン組成物の投与が、安定な疾患、部分的応答または完全寛解を生じる、項目65〜66のいずれかに記載の方法。
(項目68)
前記ワクチン組成物の投与が、標的病変の最長の直径の合計の減少を生じる、項目67に記載の方法。
(項目69)
被験体において腫瘍間質における抗原特異的T細胞の浸潤を誘導する方法であって、
a)項目1〜21および項目25〜52に記載のワクチン組成物を提供する工程と、
b)該ワクチン組成物を該被験体に対して投与する工程と、
を包含する、方法。
(項目70)
血管形成を阻害する方法であって、
a)項目1〜21および項目25〜52に記載のワクチン組成物を提供する工程と、
b)該ワクチン組成物を被験体に対して投与する工程と、
を包含する、方法。
(項目71)
併用治療の方法であって、以下:
a)項目1〜21および項目25〜52に記載のワクチン組成物、
b)二次医薬、
の任意の順序での、同時、連続的または別々の投与を含む、方法。
(項目72)
前記二次医薬が抗癌剤である、項目71に記載の併用治療の方法。
(項目73)
前記二次医薬が化学療法剤である、項目71に記載の併用療法の方法。
(項目74)
前記二次医薬が血管形成インヒビターである、項目71に記載の併用療法の方法。
(項目75)
ワクチン組成物を含むガンを処置するための医薬であって、該ワクチン組成物が、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体およびアジュバントを活性成分として含む、医薬。
定義:
AA:「アミノ酸(amino acid)」を参照のこと。
アジュバント:ワクチンアジュバントとは、抗原に対して特異的な免疫応答を増大する成分である。
アミノ酸:炭素原子を含む中央部分、または少なくとも1つの側鎖もしくは官能基を含む炭素原子の鎖によって隔てられる、アミノ末端部分(NH)およびカルボキシ末端部分(COOH)を含むもの。NHとは、アミノ酸またはペプチドのアミノ末端に存在するアミノ基をいい、そしてCOOHとは、アミノ酸またはペプチドのカルボキシ末端に存在するカルボキシ基をいう。一般的な用語アミノ酸とは、天然および天然でないアミノ酸の両方を含む。J.Biol.Chem.,243:3552〜59(1969)に列挙され、そして米国特許法施行規則第1.822(b)(2)節に採用される標準的な命名法の天然のアミノ酸は、本明細書において下の表1に列挙されるアミノ酸の群に属する。天然ではないアミノ酸は、表1に列挙されないアミノ酸である。天然でないアミノ酸の例は、例えば、参照によってその全てが本明細書に援用される、米国特許法施行規則第1.822(b)(4)節に列挙されるアミノ酸である。本明細書に記載されるアミノ酸残基は、「D」異性体型であってもまたは「L」異性体型であってもよい。
Figure 2012149101
アミノ酸残基:「アミノ酸残基(amino acid residue)」という用語は、アミノ酸、標準的アミノ酸、標準でないアミノ酸またはニセアミノ酸のいずれかであって、少なくとも1つの他の種、例えば、2つ、例えば3つ、例えば、4つ以上の他の種と反応されているアミノ酸を包含することを意味している。詳細にはアミノ酸残基は、遊離のカルボキシル基の代わりにアシル結合、ならびに/または遊離のアミン基の代わりにアミン結合および/またはアミド結合を含んでもよい。さらに、反応されたアミノ酸残基は、アミド結合の代わりにエステルまたはチオエステル結合を含んでもよい。
抗体:免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の活性部分。抗体とは、例えば、インタクトな免疫グロブリン分子または免疫学的活性を保持するそのフラグメントである。
抗原:抗体によって認識される分子。通常はペプチド、ポリペプチドまたは多量体ポリペプチド。抗原は好ましくは、免疫応答を惹起し得る。
A.P.I.比重:API(American Petroleum Institute)によって決定された値に従って石油の相対的密度を表すための石油産業によって用いられる用語。API比重は、APIの度数で段階的な尺度を有する比重計によって測定される。
CTL:細胞傷害性Tリンパ球。T細胞レセプターとともにCD8を発現して、従ってクラスI分子によって提示される抗原に応答できるT細胞の小集団。
エマルジョン:第二の液体中の1つの液体の小球の懸濁物であって、第一が混合されない、懸濁物。
乳化剤:エマルジョンの形成を促進する界面活性剤。
HLA:MHCとも命名されるヒト白血球抗原。3つの異なるMHCクラスI分子であるHLA−A、HLA−BおよびHLA−Cが、ヒトによって合成される。ヒトMHCクラスII分子は、HLA−Dと命名される。
免疫グロブリン:血清抗体であって、これにはIgG、IgM、IgA、IgEおよびIgDが挙げられる。
単離された(isolated):とは、本明細書に開示される種々の分泌促進物質、ポリペプチドおよびヌクレオチドのいずれかであって、その天然の環境の成分から同定され、そして分離され、そして/または回復されているものを記載するために用いられる。その天然の環境の混入成分とは、ポリペプチドのための診断または治療用途と代表的には干渉する物質であって、そしてこれには酵素、ホルモンおよび他のタンパク質または非タンパク質性の溶質を含んでもよい。好ましい実施形態では、ポリペプチドは精製される。
リガンド:1つ以上の同族のレセプターに特異的に結合し得る、分子、例えば、ペプチド。抗原とは、例えば、その同族の抗体に対するリガンドである。
MHC:HLAとも命名される主要組織適合複合体。MHCの2つの主なサブクラス、クラスIおよびクラスIIが存在する。
鉱油:植物および動物由来の油とは反対の、鉱物起源の油、例えば石油。組成の異なる炭化水素混合物。
モンタニド(Montanide)ISA(Montanide Incomplete Seppic Adjuvant):油中水型エマルジョンのために処方された油状アジュバント。モンタニドISAアジュバントは、油/サーファクタントに基づくアジュバントの群であって、代謝不能なおよび/または代謝可能な油が、サーファクタント(Seppic,Belgiumから入手可能)と組み合わされている。
PBMC:末梢血単核球。
PBL:末梢血白血球。
ペプチド:配列を規定している、複数の共有結合されたアミノ酸残基であって、アミド結合によって連結されている。この用語は、オリゴペプチドおよびポリペプチドと同様に用いられる。天然のアミノ酸および/または天然でないアミノ酸は、ペプチド結合によって連結されても、または非ペプチド結合によって連結されてもよい。このペプチドという用語はまた、当該分野で公知のとおり、化学的または酵素触媒された反応によって誘導される翻訳後改変も包含する。
表面張力:表面張力は、表面積を増大するのに必要なエネルギーである。液体分子の間の凝集力は、表面張力を担っており、そして液体表面の分子は、お互いに強力に結合する。サーファクタント:それが溶解される液体の表面張力を減少させ得る界面活性剤。サーファクタントとは、親水性である極性基および疎水性である非極性基を含む化合物であって、しばしば脂肪鎖から構成される。
TAA:腫瘍関連抗原。
IFN−γ ELISPOTによって評価される、サバイビンペプチドSur1M2に対する膵臓癌患者由来のPBLの免疫の動態解析。患者OTSC由来のPBMCは、初回のsur1M2/Montanideワクチンの前、そしてその1、3および6ヵ月後に得た。Tリンパ球を、ペプチドで1回刺激して、その後にペプチドの有無のいずれかのもとで三連で、1ウェルあたり10個の細胞にプレートした。ペプチド特異的スポットの平均数(添加したペプチドなしのスポットの差引き後)を、ImmunoSpot(登録商標)Series 2.0 Analyzer(CTL Analyzers,LLC,Cleveland,US)を用いて各々の患者について算出した。 IFN−γ ELISPOTによって評価される、サバイビンペプチドSur1M2に対する黒色腫患者由来のPBLの免疫の動態解析。患者JUSC由来のPBMCは、初回のsur1M2/Montanideワクチンの前、そしてその1、3および6ヵ月後に得た。Tリンパ球を、ペプチドで1回刺激して、その後にペプチドの有無のいずれかのもとで三連で、1ウェルあたり10個の細胞にプレートした。ペプチド特異的スポットの平均数(添加したペプチドなしのスポットの差引き後)を、ImmunoSpot(登録商標)Series 2.0 Analyzer(CTL Analyzers,LLC,Cleveland,US)を用いて各々の患者について算出した。 IFN−γ ELISPOTによって評価される、サバイビンペプチドSur1M2に対する黒色腫患者由来のPBLにおける免疫の動態解析。患者SIST由来のPBMCは、初回のsur1M2/Montanideワクチンの前、そしてその1、3および6ヵ月後に得た。Tリンパ球を、ペプチドで1回刺激して、その後にペプチドの有無のいずれかのもとで三連で、1ウェルあたり10個の細胞でプレートした。ペプチド特異的スポットの平均数(添加したペプチドなしのスポットの差引き後)を、ImmunoSpot(登録商標)Series 2.0 Analyzer(CTL Analyzers,LLC,Cleveland,US)を用いて各々の患者について算出した。
(発明の詳細な説明)
本発明は、本明細書において下に記載されるようなサバイビンペプチドおよびサバイビンペプチド改変体を含むワクチン組成物に関する。
ワクチン組成物
本発明に従うワクチン組成物は、公知の方法に従って、例えば、好ましくはヒトへの投与のために受容可能な、1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアと、活性因子との混合などによって、処方され得る。このような賦形剤、キャリアおよび処方の方法の例は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co,Easton,PA)に見出され得る。有効な投与のために適切な薬学的に受容可能な組成物を処方するには、このような組成物は、本発明の方法に従って、有効な量のサバイビンポリペプチド、サバイビンペプチドまたは本明細書に記載のようなサバイビンペプチド改変体を含む。
本発明に従うワクチン組成物は、個々の治療的に有効な量で投与され得る。有効な量は、個々の条件、重量、性別および年齢のような種々の要因に従って変化し得る。他の要因としては、投与の形態が挙げられる。
以下のワクチン組成物には、このような組成物、特に標的病変に臨床反応を誘導し得るワクチン組成物の投与の際の強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答のような、患者において免疫応答を刺激することを含む治療用途のために有用な組成物を包含することを意味する。本発明のワクチン組成物は、いかなる全身性の局所毒性反応もいかなる他の副作用も誘発しないということがさらに考えられる。
ワクチンまたは免疫学的組成物を得るためには、相対的な小さいサバイビンペプチドおよび本明細書に記載のサバイビンペプチド改変体分子と、アジュバント、免疫刺激成分および/またはキャリアのような種々の物質とを組み合わせる必要があるかもしれない。特異的な免疫応答を増強するために、ワクチン組成物にアジュバントが含まれる。従って、抗原と組み合わせた場合に、強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答を、そして最も重要なことには標的病変で臨床反応を誘導し得るワクチン組成物を生じるアジュバントを特定することが特に重要である。
アジュバント
多数のアジュバントが、実験室の動物、例えば、マウス、ラットおよびウサギにおける抗体の生成について記載されて、かつ用いられている。このような設定では、主な目的は強力な抗体応答を得ることであるので、副作用の許容度は、かなり高い。
製剤における使用のため、そして特にヒトでの使用のための承認のためには、アジュバントを含むワクチン組成物の成分は十分特徴付けられていることが必要である。この組成物が有する、肉芽腫、膿瘍または熱のような有害反応のリスクは最小限であることがさらに必要である。
好ましい実施形態では、ワクチン組成物は、ヒト被験体への投与に適切であり、したがって、好ましいアジュバントは、ヒト被験体への投与のために適切である。
アジュバントの選択は、所望の免疫応答のタイプ、B細胞および/またはT細胞の活性化を刺激する能力によってさらに選択され得、そしてワクチン組成物は、関連のリンパ組織への分布および提示を最適化するように処方され得る。
近年では、抗原ペプチドを有する適切な抗原提示細胞のロードを含む方法が、ガン疾患に対する免疫応答を増大する高度に有効な方法として提唱されている。この方法は、患者由来のAPC(PBL)またはAPC前駆体細胞を単離する工程と、これらに抗原性ペプチドをロードする工程とを包含し、あるいは、樹状細胞が、用いられてインビトロでAPCに分化されてもよく、そして患者への注入の前に抗原性ペプチドでロードされてもよい。この方法は極めて複雑であって時間を浪費する。細胞培養の使用によって、極めて融通の利かないワクチン組成物になり、これには特別な調製および貯蔵の施設を要する。本発明は、容易に調製され、そして/または貯蔵されるワクチン組成物を特定することを目的としている。
治療用ワクチンで有用なアジュバントは、無機塩類、例えば、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムまたはリン酸カルシウムゲル、オイルエマルジョンおよびサーファクタントに基づく処方物、例えば、MF59(マイクロ流体化界面活性剤安定化水中油型エマルジョン)、Q21(精製サポニン)、AS02(SBAS2、水中油型エマルジョン+モノホスホリル脂質A(MPL)+QS21)、モンタニド(Montanide)ISA51およびISA−720(安定化油中水型エマルジョン)、アジュバント65(ピーナツ油、マンニド・モノオレエートおよびモノステアリン酸アルミニウムを含む)、RIBI ImmunoChem Research Inc.,Hamilton,Utah)、粒子性アジュバント、例えば、ビロゾーム(インフルエンザ赤血球凝集素を組み込んでいる単層リポソームビヒクル)、AS04(MPLとのAl塩)、ISCOMS(サポニンおよび脂質(例えば、コレステロール)の構造的な複合体、ポリアクチド・コ−グリコリド(PLG)、微生物誘導物(天然および合成)、例えば、モノホスホリル脂質A(MPL)、Detox(MPL+M.Phlei細胞壁骨格)、AGP(RC−529(合成アシル化単糖類))、DC_chol(リポソームへと自己組織化し得る類脂質性免疫刺激因子)、OM−174(脂質A誘導体)、CpGモチーフ(免疫刺激因子CpGモチーフを含有する合成オリゴヌクレオチド)、改変細菌毒素、LTおよびCT(非毒性アジュバント効果を有する)、内因性ヒト免疫刺激因子、例えば、hGM−CSFまたはhIL−12またはイムダプチン(Immudaptin)(C3dタンデムアレイ)、金粒子のような不活性ビヒクルであってもよい。
QS−21およびモンタニドISA−51アジュバントは、滅菌の単回使用バイアル中で提供され得る。
1実施形態では、ワクチン組成物は、アジュバントおよびサバイビンペプチドまたは本明細書において下に記載されるようなサバイビンペプチド改変体を含む。好ましい実施形態では、このアジュバントは、Montanide Incomplete Seppic Adjuvant(ISA)(Seppic,Belgium)であってもよく、これはMontanide ISA−51、Montanide ISA 50、Montanide ISA70、Montanide ISA 206、Montanide ISA708、Montanide ISA−720、Montanide ISA 763A、Montanide ISA 207、Montanide ISA 264、Montanide ISA 27、Montanide ISA 35、Montanide ISA 740、Montanide ISA 773、Montanide ISA 266、Montanide ISA 267、Montanide ISA 28、Montanide ISA 51F、Montanide ISA 016D、およびMontanide IMSを含む。言及された最後の3つは、ヒトでの使用についてはまだ承認されていないが、本発明によるワクチン組成物のためには潜在的に有用である。
Montanide ISA−51およびMontanide ISA−720は特にヒトでの使用のためであって、従って好ましくは、エマルジョン(下を参照)として投与されなければならない油に基づくアジュバントである。
ある実施形態では、ワクチン組成物は、1つ以上のさらなる免疫刺激成分をさらに含んでもよい。これらとしては、限定はしないが、ムラミルジペプチド(MDP);例えば、N−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ala−MDP)、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−nor−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP11637,nor−MDP)、およびN−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP19835A、MTP−PE)、ジメチルグリシン、タフトシンおよびトレハロースジミコレート、モノホスホリル脂質A(MPL)およびトリペプチド含有ホルミル−メチオニン、例えば、N−ホルミル−Met−Leu−Pheが挙げられる。このような化合物は、例えば、Sigma Chemical Co.(St.Louis,MO)およびRIBI ImmunoChem Research,Inc.(Hamilton,MT)から市販されている。
アジュバントと独立してキャリアが存在してもよい。キャリアの機能は、例えば、特定のサバイビンフラグメントの分子量を増大してその活性または免疫原性を増大すること、安定性を付与すること、生物学的活性を増大すること、または血清半減期を延長することであり得る。キャリアは、当業者に公知の任意の適切なキャリアであってもよい。キャリアタンパク質は、限定はしないが、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、血清タンパク質、例えば、トランスフェリン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、サイログロブリンまたはオボアルブミン、免疫グロブリンまたはホルモン、例えば、インスリンまたはパルミチン酸であってもよい。ヒトの免疫のためには、キャリアは、ヒトに受容可能な生理学的に受容可能なキャリアであって、かつ安全でなければならない。しかし、破傷風毒素および/またはジフテリア毒素は、本発明の1実施形態において適切なキャリアである。あるいは、このキャリアは、デキストラン、例えば、セファロースであってもよい。
オイルエマルジョンおよびサーファクタントに基づくワクチンは、油中水型、水中油型および水中油中水型の処方物として分類され得る。
水中油型処方物のために用いられるアジュバントは、鉱油または/および非鉱油およびサーファクタント/乳化剤であり得る。アジュバントは、抗原組成物水溶液と混合されて、ワクチン処方物を提供する。
本発明によれば、オイルは、代謝可能であっても、もしくは代謝不能であっても、または代謝可能および代謝不能なオイルの混合物であってもよい。この非鉱物油は、迅速に代謝されて、注射部位から除去され、そのためそれらは、副作用が極めて少ないが、流動的で免疫応答が一様に小さく、一方鉱物油は、部分的にしか代謝されず、良好な免疫応答とともに望ましくない影響を誘導するリスクが高い。
オイルは、乳化剤、例えば、マンニド・モノ−オレエートと、ワクチンの水相の添加の前に事前に混合して、コロイドミル(colloid mill)または連続的機械的または流量超音波乳化器の使用によって乳化することが好ましい。
より複雑な二重エマルジョン(水/オイル/水)は、少量のTween 80を含む水相中でもう一度乳化することによって生成され得る。
大きな進歩が近年では行われており、代替的な「レディー・ツー・ユース(すぐ使える)(ready−to−use)」オイル・エマルジョンの導入がみられている。オクタデカン酸および無水マンニトールのエステルを含むオイルは、例えば、精緻な乳化装置を必要とせずに、容易に、安定かつ低粘度である二重または混合エマルジョン(水/オイル/水)を形成する。
ある実施形態では、好ましいアジュバントは、油中水型ワクチン処方物である。
ある実施形態では、好ましいオイル成分は、非鉱油であってもよい。好ましい実施形態では、このアジュバントは、非鉱油ベースのMontanide ISA(不完全なseppicのアジュバント)、例えば、Montanide ISA 708、Montanide ISA−720、Montanide ISA 763A、Montanide ISA 207、Montanide ISA 264、Montanide ISA 27およびMontanide ISA 35の群から選択される。
あるいは、アジュバントは、非鉱油を含んでも、および/または鉱油を含んでもよい。従って、好ましい実施形態では、アジュバントは、非鉱油および/または鉱油ベースのMontanide ISA(不完全なseppicのアジュバント)、例えば、Montanide ISA 740、Montanide ISA−773、Montanide ISA 266、Montanide ISA 267、Montanide ISA 28、およびMontanide IMSの群から選択され、この最後のはヒトでの使用にはまだ承認されていない。
最も好ましい実施形態では、このオイル成分は、鉱油である。好ましい実施形態では、このアジュバントは、鉱油ベースのMontanide ISA(不完全なseppicのアジュバント(Seppic,Belgium))、例えば、Montanide ISA 50、Montanide ISA−51、Montanide ISA 70、Montanide ISA 206、およびMontanide ISA 51FおよびおよびMontanide 016Dの群から選択され、この最後のはヒトでの使用にはまだ承認されていない。
鉱油の組成、例えば、炭素鎖の長さは、アジュバントの有効性に影響し、短い鎖は強力な免疫応答を誘導するが、局所的な副作用を生じ、一方、長鎖を用いる応答は、少ないが、知覚可能な副作用はなく、従って鉱油は十分特徴付けられなければならず、そして長い炭素鎖および短い炭素鎖の均衡のとれた組成物を有する。鉱油は、8%未満、または例えば、7%未満、または例えば6%未満、そして最も好ましくは、C14未満の鎖の長さを有する、5%未満の炭化水素を有することが好ましい。
この鉱油は不飽和炭化水素も芳香族炭化水素も含まないことが好ましい。オイル成分は、32〜40の、または例えば35〜37、そして特に、例えば、36.2〜36.8というA.P.I.比重を有することが好ましい。
さらに、鉱油は、0.82〜0.84、または例えば、0.83〜0.84という比重を有することが好ましい。鉱油は、25℃で0.834〜0.838という比重を有することがさらに好ましい。
37.8℃(100F)で55〜65SSUという粘性を有する鉱油が好ましく、より好ましくは、27〜61という粘性を有する鉱油が用いられ、そして特に好ましいのは、鉱油が37.8℃(100F)で59〜61SSUという粘性を有することである。
鉱油は、25℃で1.2〜1.6という屈折率、または例えば、1.3〜1.6、または例えば、1.4〜1.5、そして最も好ましくは1.458〜.463という屈折率を有することが好ましい。
鉱油は以下の特徴のうち1つ以上を有することがさらに好ましい;
a)酸性試験が最小よりも良好、
b)360nmで蛍光が陰性、
c)可視の懸濁物が陰性、
d)295Fという最小ASTMフラッシュポイントを有する、
e)軽油および紫外吸収についての全てのRN要件を実施する。
鉱油は、薬学的等級でなければならない。
Drakeol 6 VR(Penreco,Texas)は、薬学的等級の鉱油である。Drakeol 6 VRは、不飽和炭化水素も芳香族炭化水素も含まず、36.2〜36.8というA.P.I.比重、25℃で0.834〜0.838という比重、37.8℃(100F)で59〜61SSUまたは10.0〜10.6センチストークという粘性、25℃で1.458〜.463という屈折率、最小よりよい酸性試験を有し、360nmでの蛍光が陰性であって、視認できる浮遊物質が陰性であって、0〜15FというASTM流動試験を有し、295Fという最小ASTMフラッシュポイントを有し、軽油および紫外吸収についての全てのRN要件を実施する。鉱油の5%未満が、短鎖の炭化水素によって構成される。
最も好ましい実施形態では、鉱油はDrakeol 6 VRである。
サーファクタント
アジュバントの表面張力は、サーファクタントによって調節され得、それによってアジュバントおよびワクチン組成物の粘性に影響する。サーファクタントの毒性の影響は、脂肪酸の残留レベルと相関し、従って脂肪酸が低レベルである高品質のサーファクタントが必要である。サーファクタントは、薬学的等級のものでなければならない。
本発明によるアジュバントは、サーファクタントを含み得る。
ある実施形態では、アジュバントは、鉱油およびサーファクタントを含む油中水型エマルジョンに処方され、このアジュバントは、このサーファクタントを最大14.5容積%まで含む。
本発明のある局面は、ワクチン組成物であって、
i.1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続したアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、
ii.鉱油およびサーファクタントを含む油中水型エマルジョンのために処方されたアジュバントであって、このアジュバントがこのサーファクタントを最大14.5容積%まで含む、アジュバントと、
を含む、医薬としての使用のための、ワクチン組成物に関する。
さらなる実施形態では、このアジュバントは、2〜14容積%のサーファクタント、例えば、5〜14容積%のサーファクタント、例えば、6〜13容積%のサーファクタント、例えば、7〜12容積%のサーファクタント、例えば、8〜12容積%のサーファクタントを含む。
このサーファクタントの主な脂肪酸種は、C18’であって、この組成物の65〜88%を構成することが好ましい。
このサーファクタントはオイル、例えば、1という最大の酸価を有する脂質液であることがさらに好ましい。
このサーファクタントは、150〜190、または例えば、160〜170、または例えば、162〜175というけん化価、そして最も好ましくは、164〜172というけん化価を有することがさらに好ましい。
このサーファクタントは、70〜120、または、例えば、80〜110、または例えば、80〜110、85〜105というヒドロキシル価、そして最も好ましくは89〜100というヒドロキシル価を有することがさらに好ましい。
このサーファクタントは、40〜100、または、例えば、50〜90、または例えば、60〜80、または例えば、65〜78というヨウ素価、そして最も好ましくは67〜75というヨウ素価を有することがさらに好ましい。
このサーファクタントは、40ppm未満、または、例えば、30ppm、または例えば、25ppm、または例えば、22ppmという重金属価、そして最も好ましくは20ppm未満の重金属価を有することがさらに好ましい。
このサーファクタントは、50%、または、例えば、45%、または例えば、40%、または例えば、37%という最大水含量、そして最も好ましくは0.35%という最大水含量を有することがさらに好ましい。
このサーファクタントは、25℃で例えば、200〜400mPas、または例えば、225〜375mPaS、または例えば、250〜350mPaS、または例えば、275〜325mPaSという粘性、そして最も好ましくは25℃で約300mPaSという粘性を有することがさらに好ましい。
好ましい実施形態では、このサーファクタントは、無水マンニトール・オクタデセノエート(anhydro mannitol octadecenoate)としても公知のマンニド・オレエート(mannide oleate)である。
Montanide 80は、オレイン酸(種々の脂肪酸の分布)に基づき、この主な脂肪酸種は、C18’であり、これは、この組成物の65〜88%を構成する。このオイルは、脂質液であり、1という最大酸価、164〜172というけん化価、89〜100というヒドロキシル価、67〜75というヨウ素価、2という最大過酸化物価、20ppm未満の重金属価、0.35%という最大水含量、9という最大明度、および25℃で約300mPasという粘性を有する。
最も好ましい実施形態では、このアジュバントは、サーファクタントであるマンニド・オレエート、Montanide 80(Seppic,Belgium)を含む。
さらに好ましい実施形態では、このアジュバントは、鉱油Drakeol 6VRおよびサーファクタントであるマンニド・オレエート(Montanide 80)を含む。
好ましい実施形態では、このアジュバントは、鉱油Drakeol 6VRおよびサーファクタントであるマンニド・オレエートを含み、このアジュバントは、サーファクタントである無水マンニトール・オクタデセノエート(Montanide 80)の最大14.5%を含む。
さらに好ましい実施形態では、アジュバントは、2〜14容積%のこのサーファクタント無水マンニトール・オクタデセノエート、例えば、5〜14容積%のこのサーファクタント無水マンニトール・オクタデセノエート、例えば、6〜13容積%のこのサーファクタント無水マンニトール・オクタデセノエート、例えば、7〜12容積%のこのサーファクタント無水マンニトール・オクタデセノエート、または例えば、8〜12容積%のこのサーファクタント無水マンニトール・オクタデセノエートを含む。
ある実施形態では、このアジュバントは、透明な黄色の液体であって、20℃で約0.7〜1.0、または0.8〜0.9、または好ましくは約0.85という密度を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、20℃で500mPaS未満、例えば、250mPaS未満、または例えば、25〜150mPaS、または好ましくは約150mPaSという粘性を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、0.5という最大酸価を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、10〜40、例えば、12〜30、例えば、14〜25または好ましくは16〜20というけん化価を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、5〜20、または例えば、6〜18、または例えば、7〜15、または好ましくは9〜13というヒドロキシル価を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、5または4または3または好ましくは2という最大過酸化物価を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、1〜20、例えば、2〜15、例えば、3〜12または好ましくは例えば、5〜9というヨウ素価を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、2パーセント、例えば、1.5パーセント、例えば、1パーセント、または例えば好ましくは、0.5パーセントという最大水含量を有する。
ある実施形態では、このアジュバントは、25℃で1.450〜1.470、または1.455〜1.465、または好ましくは1.461〜1.463の屈折率を有する。
ある実施形態では、アジュバントおよび生理食塩水の50:50の混合物の伝導率は、20μScm−1未満、15μScm−1、12μScm−1、または好ましくは10μScm−1未満である。
Montanide ISA 51は、鉱油溶液(Drakeol 6 VR)中にマンニド・オレエート(Montanide 80)を含む。Montanide ISA 51は、約8〜12パーセントの無水マンニトール・オクタデセノエートおよび約88〜92パーセントの鉱油を含む。Montanide ISA 51は、透明な黄色の液体であって、20℃で約0.85という密度、および20℃で約50mPaSという粘性を有する。Montanide ISA 51は、0.5という最大酸価、16〜20というけん化価、9〜13というヒドロキシル価、2という最大過酸化物価、5〜9というヨウ素価、0.5パーセントという最大水含量、25℃で1.455〜1.465、または好ましくは1.461〜1.463の屈折率を有することによって特徴付けられる。Montanide ISA 51および生理食塩水の50:50の混合物の伝導率は、10μScm−1未満である。
さらに好ましい実施形態では、アジュバントは、Montanide不完全seppicアジュバントである。
最も好ましい実施形態では、このワクチン組成物は以下を含む:
i.1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続したアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、
ii.鉱油およびサーファクタントを含む油中水型エマルジョンのために処方されたアジュバントであって、このアジュバントがこのサーファクタントを最大14.5容積%まで含み、このアジュバントがMontanide ISA51である、アジュバント。
サバイビンペプチドまたはペプチド改変体
免疫療法のための理想的な標的は、正常な組織でサイレンシングされ、ガン細胞で過剰発現され、そして腫瘍細胞生存および進行に直接関与する遺伝子産物である。サバイビンは、これらの特徴を潜在的に満たす。なぜなら、サバイビンは、細胞分裂の調節に関与することに加えて、アポトーシスを抑制するからである。従って、サバイビンは、細胞を生理学的な死から妨げ、従って細胞生存を延長する。
サバイビンは、16.5kDaの細胞質タンパク質であって、これは、単一のBIRおよび高度に荷電されたカルボキシ末端のコイル領域を、RINGフィンガーの代わりに含んでいる。このコード配列は429ヌクレオチド長(配列番号22)であって、これには終止コドンを含み、そしてコードされたタンパク質サバイビンは、142アミノ酸長である(配列番号23)。
本発明は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含むワクチン組成物に関する。
ある実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、142のアミノ酸残基からなる全長サバイビンポリペプチド(配列番号23)を含む。
好ましくは、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、少なくとも5つのアミノ酸残基を含み、より好ましくは、これは少なくとも7つのアミノ酸残基、少なくとも8つのアミノ酸残基、少なくとも9つのアミノ酸残基、少なくとも10のアミノ酸残基、少なくとも11のアミノ酸残基、少なくとも12のアミノ酸残基、少なくとも14のアミノ酸残基、少なくとも16のアミノ酸残基、少なくとも18のアミノ酸残基または少なくとも20のアミノ酸残基を含む。
ある実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、多くとも142のアミノ酸残基、または例えば多くとも120のアミノ酸残基、または例えば、多くとも100のアミノ酸残基、そして好ましくは、多くとも80のアミノ酸残基、または例えば、多くとも50のアミノ酸残基からなることがさらに好ましく、そしてより好ましくは、これは、多くとも20アミノ酸残基、例えば、多くとも18、例えば、多くとも16、例えば、多くとも14、例えば、多くとも12、例えば、多くとも11、例えば、多くとも10のアミノ酸残基からなる。
ある実施形態では、このワクチン組成物は、1つ以上のペプチドまたはペプチド改変体を含み、このペプチド改変体は、配列番号23の少なくとも5アミノ酸残基および多くとも20の連続的なアミノ酸残基からなる。
ある実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、配列番号23の多くとも142の連続的なアミノ酸残基、または例えば、多くとも120の連続的アミノ酸残基、または例えば、多くとも100の連続的アミノ酸残基、そして好ましくは、多くとも80の連続的なアミノ酸残基、または例えば、多くとも50の連続的なアミノ酸残基からなることがさらに好ましく、そしてより好ましくは、これは、配列番号23の多くとも20の連続的アミノ酸残基、例えば、多くとも18の連続的アミノ酸、例えば、多くとも16の連続的アミノ酸、例えば、多くとも14の連続的アミノ酸、例えば、多くとも12の連続的アミノ酸、例えば、多くとも11の連続的アミノ酸、例えば、多くとも10の連続的アミノ酸残基からなる。
特定の実施形態では、このペプチドは、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチドまたはウンデカペプチドからなり、これはそれぞれ配列番号23の7、8、9、10、11の連続的なアミノ酸残基からなる。
本発明はまた、本明細書において開示されるようなサバイビンペプチドの改変体および機能的な等価物を包含する。本発明の文脈で用いられる場合の「機能的等価物(functional equivalents)」は、該当の配列の事前に決定されたフラグメントの対応する機能に対する参照によって確立される。機能的な等価性は、例えば、HLAクラスI分子に対する類似の結合親和性、またはELISPOTアッセイによって実証される類似の力価によって確立されてもよい。
本明細書に記載されるサバイビン由来ペプチドの機能的な等価物または改変体は、挿入、欠失、および保存的置換を含む置換の数および範囲につれて、好ましい事前に決定された配列から段階的に異なるアミノ酸配列を示すことが理解される。この相違は、好ましい事前に決定された配列と、サバイビン由来改変体またはサバイビン由来機能的改変体との間での同一性の減少として測定され得る。
アミノ酸配列の間の同一性は、当該分野で周知のアルゴリズムを用いて算出され得る。連続的なサバイビン由来アミノ酸残基を含むかそれからなるフラグメントと相同性を共有するフラグメントは、それらが好ましくは、その全長にわたって、事前に決定されたサバイビン由来ペプチドと、95%、96%、97%、98%または99%同一であることを含んで、例えば、少なくとも75%同一、例えば、少なくとも80%同一、例えば、少なくとも85%同一、例えば、少なくとも88%同一、少なくとも90%同一、例えば少なくとも94%同一である場合、本発明の範囲内におさまるとみなされるべきである。
本発明によるワクチン組成物は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含み、このペプチド改変体の配列は、その全長にわたって、配列番号23の連続的なアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である。
本発明によるペプチド改変体の例は、ペプチドLLLGEFLKL(サバイビン96−104L2)(配列番号4)であり、このペプチド改変体は、サバイビン配列「LTLGEFLKL」と8/9100%(89%)同一である。
ペプチド改変体を描写するために上記で用いられる呼称は、本出願を通じて用いられる:文字の後ろに続く数、例えばL2は、改変体アミノ酸(L)であって、もともと所定のペプチドの2の位置に存在するアミノ酸が置換されている改変体アミノ酸を示す。所定のペプチドは、1数字によって示されて、この数は、全長サバイビン配列に対するペプチドの最初のアミノ酸の数を示す(サバイビン96、またはSur96は、サバイビンの残基番号96で開始する)か、または2つの数字によって示され、この第二の数は、サバイビンに対するペプチドの終わりの残基を示す。
ペプチド改変体は、サバイビンの公知の配列、例えば、米国特許第6,245,523号に開示された配列(本明細書では配列番号23)由来であってもよい。特定のHLA分子に結合する能力を潜在的に有するペプチドの選択は、所定の特定のHLA分子に対して結合して、ペプチド中の特定の位置で2〜3の関連のアミノ酸の優勢を示す公知の配列のアラインメントを用いることによって行われてもよい。このような優勢なアミノ酸残基はまた本明細書において、「アンカー残基(anchor residue)」または「アンカー残基モチーフ(anchor residue motief)」と呼ばれる。アクセス可能なデータベースで見出され得る公知の配列データに基く、このような比較的単純な手順に従って、ペプチドは、特定のHLA分子に結合する可能性の高い、サバイビンタンパク質分子由来であってもよい。HLA分子の範囲についてのこのような分析の代表的な例は、下の表2に示される:
Figure 2012149101
Figure 2012149101
このように、例えば、HLA−A1に結合する能力を潜在的に有するノナペプチドは、以下の配列のうちの1つを有する:Xaa−T−D−Xaa−Xaa−Xaa−L−Xaa−Y、Xaa−T−E−Xaa−Xaa−Xaa−L−Xaa−Y、Xaa−S−D−Xaa−Xaa−Xaa−L−Xaa−YまたはXaa−S−E−Xaa−Xaa−Xaa−L−Xaa−Y(Xaaは任意のアミノ酸残基を示す)。同様の方式で、任意の他のHLA分子に結合する能力を潜在的に有する配列が設計され得る。
当業者は、所定のHLA分子のさらなる「アンカー残基モチーフ(anchor residue motifs)」を同定可能であることが理解される。
従って、本発明に従うペプチド改変体としては、特定のHLAの各々について表2に列挙される任意のアミノ酸残基を含む配列を含むペプチドが挙げられる。
あるいは、この相違は、サバイビンの連続的なアミノ酸配列に比較してペプチド中の置換基の数を比較することによって直接測定され得る。従って、ある実施形態では、このワクチンは、7〜20の連続的なアミノ酸であって、配列番号23の連続的なアミノ酸配列に比較して1または2つのアミノ酸置換を含む連続的アミノ酸からなるサバイビンペプチド改変体を含む。より好ましい実施形態では、このワクチン組成物は、配列番号23の連続的なアミノ酸配列に比較して1つのアミノ酸置換を含む、7〜12の連続的なアミノ酸からなるサバイビンペプチド改変体を含む。
MHCクラス1分子の結合グルーブ(groove)は9または10アミノ酸のペプチドに完全に適合する。さらに好ましい実施形態では、ワクチン組成物は、9または10のアミノ酸残基からなる1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含む。
選択されたサバイビンタンパク質の配列に基づいて、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、上記で示されたような適切なサイズのペプチドを生じるサバイビンの出発材料の任意の適切な化学的または酵素的な処置によって誘導されてもよいし、または当業者が周知である任意の従来のペプチド合成手順によって合成されてもよい。
本発明のペプチドは、それが由来するサバイビンタンパク質の天然の配列である配列を有してもよい。しかし、任意の所定のHLA分子に高い親和性を有するペプチドは、例えば、上記の手順に基づいて、少なくとも1つのアミノ酸残基を置換、欠失または付加させることにより、配列を改変することによって、このような天然の配列から誘導され得、これによって所定のHLA分子に関するアンカー残基モチーフが同定される(表2を参照のこと)。
従って、ある実施形態では、ワクチン組成物は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはペプチド改変体を含み、このサバイビンペプチド改変体(単数または複数)の配列は、少なくとも1つのアミノ酸残基を置換、欠失または付加させることによって、天然の配列から誘導され得、これによって所定のHLA分子についてアンカー残基モチーフを有するペプチドが得られる。
従って、サバイビン由来ペプチドの免疫原性を増大するためには、アミノ酸置換が、アンカー位置に導入されてもよいが、HLAクラスI分子に結合するペプチドを増大するためには、TCR接触残基ではない。これによって、より免疫原性のエピトープが生じ、例えば、これは、ガン反応性のCTLを誘導する能力を増強し、そしてこれは、臨床的に意味のあるCTL応答の誘導のためにさらに適切であることが実証されている。しかし、重要なことに、標的ガン細胞は、天然のサバイビン由来ペプチドを細胞表面上に発現して提示するだけである、それに関して、改変されたサバイビン由来ペプチドに特異的な治療誘導性CTLは天然のアナログ(類似体)と交差反応することが決定的に重要なことである。
ある実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A11、HLA−A23、HLA−A24、HLA−A25、HLA−A26、HLA−A28、HLA−A29、HLA−A30、HLA−A31、HLA−A32、HLA−A33、HLA−A34、HLA−A66、HLA−A68、HLA−A69、HLA−A74、HLA−B5、HLA−B7、HLA−B8、HLA−B14、HLA−B15 B62)、HLA−B17、HLA−B27、HLA−B35、HLA−B37、HLA−B38、HLA−B39、HLA−B40(B60,61)、HLA−B42、HLA−B44、HLA−B46、HLA−B48、HLA−B51、HLA−B52、HLA−B53、HLA−B54、HLA−B55、HLA−B56、HLA−B57、HLA−B58、HLA−B67、HLA−B73、HLA−Cw1 HLA−Cw2、HLA−Cw3、HLA−Cw4、HLA−Cw6、HLA−Cw6の群から選択されるMHCクラスI分子のうちの少なくとも1つに拘束される。
従って、なおさらなる実施形態では、1つ以上のペプチド(単数または複数)は、以下:HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A11、HLA−A24、HLA−B7、HLA−B35、HLA−B44、HLA−B8、HLA−B15、HLA−B27およびHLA−B51、HLA−Cw1、HLA−Cw2、HLA−Cw3、HLA−Cw4、HLA−Cw5、HLA−Cw6、HLA−Cw7およびHLA−Cw16の群から選択されるMHCクラスI分子のうちの少なくとも1つに拘束される。
特に好ましい実施形態では、この1つ以上のペプチド(単数または複数)は、以下:HLA−A1、HLA−A2、HLA−B7およびHLA−B35の群から選択されるMHCクラスI分子のうちの少なくとも1つに拘束される。
本発明によるワクチンは、同じ組織特異性を有する2つ以上のペプチドを含んでもよい。なぜなら、個々のペプチドの有効性は、異なる個体では異なり得るからである。従って、ある実施形態では、2つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A11、HLA−A23、HLA−A24、HLA−A25、HLA−A26、HLA−A28、HLA−A29、HLA−A30、HLA−A31、HLA−A32、HLA−A33、HLA−A34、HLA−A66、HLA−A68、HLA−A69、HLA−A74、HLA−B5、HLA−B7、HLA−B8、HLA−B14、HLA−B15 B62)、HLA−B17、HLA−B27、HLA−B35、HLA−B37、HLA−B38、HLA−B39、HLA−B40(B60,61)、HLA−B42、HLA−B44、HLA−B46、HLA−B48、HLA−B51、HLA−B52、HLA−B53、HLA−B54、HLA−B55、HLA−B56、HLA−B57、HLA−B58、HLA−B67、HLA−B73、HLA−Cw1 HLA−Cw2、HLA−Cw3、HLA−Cw4、HLA−Cw6、HLA−Cw6の群から選択されるMHCクラスIのHLA分子に拘束される。
さらなる実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A9、HLA−A10、HLA−A11、HLR−Aw19、HLA−A23(9)、HLA−A24(9)、HLA−A25(10)、HLA−A26(10)、HLA−A28、HLA−A29(w19)、HLA−A30(w19)、HLA−A31(w19)、HLA−A32(w19)、HLA−Aw33(w19)、HLA−Aw34(10)、HLA−Aw36、HLA−Aw43、HLA−Aw66(10)、HLA−Wa68(28)、HLA−A69(28)の群から選択されるMHCクラスIのHLA−A分子のうちの少なくとも1つに拘束される。より簡単な表記もこの文献を通じて用いられており、ここでは、例えば、それぞれHLA−Aw19およびHLA−A24(9)の代わりに、単なる一次の数的な呼称、HLA−A19またはHLA−A24が用いられる。特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A11およびHLA−A24からなる群より選択されるMHCクラスIのHLA種に拘束される。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−A1に拘束される。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下の群:MAEAGFIHY(配列番号17)(サバイビン38〜46Y9、サバイビン38〜46であって、位置9において「C」を「Y」に置換している)、PTENEPDLAY(配列番号18)(サバイビン47〜56Y10、サバイビン47〜56であって、位置10において「Q」を「Y」に置換している)、QFEELTLGEF(配列番号15)(サバイビン92〜101)、およびFTELTLGEF(配列番号16)(サバイビン93〜101T2、サバイビン93〜101であって、位置2において「E」を「T」に置換している)の群から選択される配列を有するHLA−A1拘束ペプチドである。このカッコ内の表記は、米国特許第6,245,523号に開示されるサバイビンタンパク質中の残基の位置およびペプチドのアミノ酸変化を示す。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−A2に拘束される。
さらなる特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:FLKLDRERA(サバイビン101〜109)(配列番号1)、TLPPAWQPFL(サバイビン5〜14)(配列番号2)、ELTLGEFLKL(サバイビン95〜104)(配列番号3)、LLLGEFLKL(サバイビン96〜104L2、サバイビン96〜104であって、2位置で「T」の「L」での置換を有する)(配列番号4)およびLMLGEFLKLサバイビン96〜104M2(サバイビン96〜104であって、2位置で「T」の「M」での置換を有する)(配列番号5)から選択される配列を有するHLA−A2拘束サバイビン由来ペプチドである。
1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体はまた、HLA−A3拘束されたペプチド、例えば、RISTFKNWPK(Sur18K10)10位置で「F」が「K」に変化されたサバイビン18〜27(配列番号20)および/またはHLA−A11拘束されたペプチド、例えば、DLAQCFFCFK(サバイビン53−62)(配列番号19)、DVAQCFFCFK(Sur53/V2)(配列番号45)、DFAQCFFCFK(Sur53/F2)(配列番号46)、DIAQCFFCFK(Sur53/12)(配列番号47)、および/またはHLA−A2拘束されたペプチド、例えば、RISTFKNWPFL(サバイビン18−28)(配列番号21)、および/またはHLA−A24拘束されたペプチド、例えば、STFKNWPFL(Sur20−28)(配列番号41)、または2位置で「T」が「Y」に変化された:SYFKNWPFL(Sur20−28/Y2)(配列番号48)であってもよい。
なおさらなる実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:HLA−B5、HLA−B7,HLA−B8,HLA−B12、HLA−B13、HLA−B14、HLA−B15、HLA−B16、HLA−B17、HLA−B118、HLA−B21、HLA−Bw22、HLA−B27、HLA−B35、HLA−B37、HLA−B38、HLA−B39,HLA−B40、HLA−Bw41、HLA−Bw42、HLA−B44、HLA−B45、HLA−Bw46およびHLA−Bw47のいずれかを含むMHCクラスI HLA−B分子に拘束される。特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体が結合し得るこのMHCクラスI HLA−B種は、以下:HLA−B7、HLA−B8、HLA−B15、HLA−B27、HLA−B35、HLA−B44、HLA−B51およびHLA−B58の群から選択される。
さらに好ましい実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B7またはHLA−B35に拘束される。
特定の実施形態では、この1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B7に拘束される。
さらなる特異的な実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:LPPAWQPFL(サバイビン6−14)(配列番号10)、QPFLKDHRI(サバイビン11−19)(配列番号11)、CPTENEPDL(サバイビン51−59)(配列番号6)、TPERMAEAGF(サバイビン34−43)(配列番号12)、APPAWQPFL(サバイビン6−14A1)(配列番号13)、RPPAWQPFL(サバイビン6−14R1)(配列番号14)、 RAIEQLAAM(Sur133−141)(配列番号44)、TAKKVRRAI(Sur127−135)(配列番号49)、RPIEQLAAM(Sur133P2)(配列番号50)またはTPKKVRRAI(Sur127P2)(配列番号51)から選択される配列を有するHLA−B7結合サバイビン由来ペプチドである。APPAWQPFL(配列番号13)は、サバイビン6−14から、ペプチドの1位置で「A」で「L」を置換することによって誘導される配列であり、そしてRPPAWQPFL(配列番号14)は、サバイビン6−14から、ペプチドの1位置で「R」で「L」を置換することによって誘導される。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B35に拘束される。
さらなる特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下:CPTENEPDL(サバイビン46〜54)(配列番号6)、EPDLAQCFF(サバイビン51〜59)(配列番号7)、CPTENEPDY(サバイビン46〜54Y9)(配列番号8)およびEPDLAQCFY(サバイビン51〜59Y9)(配列番号9)から選択される配列を有するHLA−B35拘束サバイビン由来ペプチドである。このカッコ内の表記は、米国特許第6,245,523号に開示されるサバイビンタンパク質中の残基の位置を示す。CPTENEPDY(配列番号8)は、ペプチドのC末端の「L」を「Y」で置換することによって、サバイビン46〜54から誘導される配列であり、そしてEPDLAQCFY(配列番号9)は、C末端の「F」残基を「Y」で置換することによって、サバイビン51〜59から誘導される。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B51に拘束される。詳細には、サバイビンペプチドは、HLA−B51拘束されたサバイビン由来ペプチドであって、配列RAIEQLAAM(Sur133〜141)(配列番号44)を有する。このペプチドもHLA−B7拘束される。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンポリペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B27拘束される。
さらなる特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B27拘束されたサバイビン由来ペプチドであって、以下:ERMAEAGFI(Sur36−44)(配列番号43)、ERAKNKIAK(Sur107−115)(配列番号52)、DRERAKNKI(Sur105−113)(配列番号53)、KEFEETAKK(Sur122−130)(配列番号54)、ERMAEAGFL(Sur36/L9)(配列番号55)、ERMAEAGFF(Sur36/F9)(配列番号56)、ERMAEAGFR(Sur36/R9)(配列番号57)、ERMAEAGFK(Sur36/K9)(配列番号58)またはKRFEETAKK(Sur122/R2)(配列番号59)から選択される配列を有する。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B44に拘束される。
さらなる特定の実施形態では、この1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B44拘束されたサバイビン由来ペプチドであって、以下:KENTNNKKKEY(Sur115Y10)(配列番号42)、KETNNKKKEF(Sur115〜124)(配列番号60)、EELTLGEFL(Sur94〜102)(配列番号61)またはEELTLGEFY(SUr94Y9)(配列番号62)から選択される配列を有する。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B8拘束される。
さらなる特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B8拘束されたサバイビン由来ペプチドであって、以下:ISTFKNWPFL(Sur19−28)(配列番号63)、ISKFKNWPFL(Sur19/K3)(配列番号64)、LSVKKQFEEL(Sur87−96)(配列番号65)、LSKKKQFEEL(Sur87/K3)(配列番号66)、RAKNKIAKET(Sur108−117)(配列番号67)、RAKNKIAKEL(Sur108/L10)(配列番号68)、NNKKKEFEET(Sur118)(配列番号69)、NNKKKEFEEL(Sur118/L10)(配列番号70)、QPKLKDHRI(Sur11/K3)(配列番号71)、FLKDHRIST(Sur13)(配列番号72)、FLKDKRIST(Sur13/K5)(配列番号73)、FLKDHRISL(Sur13/L9)(配列番号74)、AFLSVKKQF(Sur85)(配列番号75)、AFLSVKKQF(Sur85/K3)(配列番号76)、AFLSKKKQF(Sur85/K5)(配列番号77)、AFLSVKKQL(Sur85/L9)(配列番号78)、FLSVKKQFE(Sur86)(配列番号79)、FLSVKKQFL(Sur86/L9)(配列番号80)、FLKVKKQFE(Sur86/K3)(配列番号81)、SVKKQFEEL(Sur88)(配列番号82)、SVKKKFEEL(Sur88/K5)(配列番号83)、FLKLKRERA(Sur101/K5)(配列番号84)、FLKLDRERL(Sur101/L9)(配列番号85)、TAKKKRRAI(Sur127/K5)(配列番号86)またはTAKKVRRAL(Sur127/L9)(配列番号87)、またはTAKKVRRAI(Sur127)(配列番号49)、FLKLDRERA(Sur101)(配列番号1)またはQPFLKDHRI(Sur11)(配列番号11)から選択される配列を有する。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B15に拘束される。
さらなる特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B15拘束されたサバイビン由来ペプチドであって、以下:TLPPAWQPF(Sur5)(配列番号88)、TLPPAWQPY(Sur5/Y9)(配列番号89)、WQPFLKDHRI(Sur10)(配列番号90)、WQPFLKDHRY(Sur10/Y9)(配列番号91)、FLKDHRISTF(Sur13)(配列番号92)、FLKDHRISTY(Sur13/Y9)(配列番号93)、RISTFKNWPF(Sur18)(配列番号94)、RLSTFKNWPF(Sur18/L2)(配列番号95)、DLAQCFFCF(Sur53)(配列番号96)、DLAQCFFCY(Sur53/Y9)(配列番号97)、ISTFKNWPF(Sur19)(配列番号98)、IQTFKNWPF(Sur19/Q2)(配列番号99)、ILTFKNWPF(Sur19/L2)(配列番号100)、RMAEAGFIY(Sur37/Y9)(配列番号101)、RMAEAGFIF(Sur37/F9)(配列番号102)、RLAEAGFIY(Sur37/L2Y9)(配列番号103)、KKHSSGCAF(Sur78)(配列番号104)、KQHSSGCAF(Sur78/Q2)(配列番号105)、KLHSSGCAF(Sur78/L2)(配列番号106)、RAIEQLAAY(Sur133/Y9)(配列番号107)またはRLIEQLAAM(Sur133/L2)(配列番号108)またはRAIEQLAAM(Sur133)(配列番号44)から選択される配列を有する。
特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B58拘束される。
さらなる特定の実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、HLA−B58拘束されたサバイビン由来ペプチドであって、以下:PTLPPAWQPF Sur5(配列番号109)、CTPERMAEAGF(Sur33)(配列番号110)、ETNNKKKEF(Sur116)(配列番号111)、ISTFKNWPF(Sur19)(配列番号98)、GAPTLPPAW(Sur2)(配列番号112)またはCAFLSVKKQF(Sur84)(配列番号113)から選択される配列を有する。
さらなる有用な実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、以下の群:HLA−Cw1、HLA−Cw2、HLA−Cw3、HLA−Cw4、HLA−Cw5、HLA−Cw6、HLA−Cw7、およびHLA−Cw16から選択されるMHCクラスI HLA−C分子に拘束されるペプチドである。
さらに、本発明のペプチドの翻訳後改変を行うことが有利であり得る。
従って、ある実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、1つ以上の翻訳後改変を含むペプチドである。
このペプチドは、任意のタイプの改変を含んでもよい。ほぼ200の構造的に別個の共有結合修飾が今までに同定されており、これは、サイズおよび複雑性が、複数の複雑なオリゴ糖の吸着に対する、カルボン酸へのアミドの変換におよんでいる。このような改変としては、リン酸化、アセチル化、ユビキチン化、脂質化(アセチル化、プレニル化、ファルネシル化、ゲラニル化、パルミトイル化、ミリストイル化)、メチル化、カルボキシル化、硫化およびO−グリコシル化またはN−グリコシル化が挙げられる。
アドリアマイシン(Adriamycin)、タキソール(Taxol)またはUVBを含む抗癌剤に対する乳癌MCF−7または子宮頸癌HeLa細胞の曝露は、サバイビン発現の4〜5倍の増大を生じたことが示されている。抗癌処置後のサバイビンレベルの変化は、サバイビンmRNA発現の調節には関与せず、そして新規な遺伝子転写とは独立していた。逆に、サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるフラボピリドールによるThr34に対するサバイビンリン酸化の阻害によって、サバイビン発現の損失が生じ、そして、リン酸化不能なサバイビンThr34からAla変異体によって、野性型サバイビンと比較してクリアランスの加速が示された。Thr34に対するサバイビンリン酸化の連続的なアブレーションによって、抗癌剤によって誘発される腫瘍細胞アポトーシスはp53と独立して増強され、そして腫瘍増殖は、インビボにおける乳癌異種移植片モデルにおいて毒性なしに抑制された。これらのデータによって、Thr34リン酸化は、腫瘍細胞におけるサバイビンレベルを決定的に調節すること、そしてp34キナーゼ活性の連続的なアブレーションは、サバイビンの存続度のチエックポイントを除去し得、腫瘍細胞におけるアポトーシスを増強し得るということが示唆される。
従って、本発明のサバイビンおよびサバイビン由来ペプチドは、リン酸化ペプチドを包含することが意図される。天然のサバイビンリンペプチド抗原は、リン酸化部位Thr34の周囲のMHCペプチド結合モチーフの存在についてスキャンするとによって特定され得る。従って、可能性のあるサバイビン由来リンペプチド配列は、TPERMAEAGF(配列番号114)、推定のHLA−B35−および/またはHLA−B7−および/またはHLA−B51拘束ペプチド抗原を含む。本明細書において包含されるさらなる天然のリンペプチドとしては、HLA−A2:CACTPERMA(配列番号115)、およびCTPERMAEA(配列番号116);HLA−A3:FLEGCACTP(配列番号117);HLA−B7/HLA−B35/HLA−B51:WPFLEGCACT(配列番号118)(リン酸化されたThr残基は太字で記す)が挙げられる。
異なるHLA分子は、主なヒト集団において異なる普及率であることが周知である。従って、本発明の方法に従って処置され得る患者コホートを拡大するには、いくつかのHLAクラスI分子に拘束されたペプチドエピトープを特定することが必要である。異なるHLA拘束エレメントを有する複数のサバイビンエピトープの特徴付けによって、この標的抗原の臨床的な能力が2つの重要な方法で広げられる:(i)これは、サバイビン由来ペプチドに基づいて免疫療法に適格な患者の数を増大する。HLA−A2抗原は、白人集団およびアジア人集団の約50%で発現され、HLA−A1およびHLA−A3抗原は両方とも、白人の約25%およびアジア人の約5%で発現されるが、HLA−A11抗原は白人の約15%およびアジア人の約30%で発現される。これらの数は、同時発現のせいでまとめられないにもかかわらず、これらの多重度によって拘束されるペプチドの組み合わせは、ほとんどのガン患者を確実に包含し、(ii)各々の患者におけるいくつかの拘束エレメントの集団的な標的化は、HLA対立遺伝子損失による免疫回避のリスクを減少させる可能性が高い。単一のHLA対立遺伝子の損失は、ガン細胞について記載されたMHC変更の大きな成分であるが、クラスI発現の総損失は、むしろまれな事象である。従って、異なるHLA対立遺伝子に拘束されたサバイビンエピトープの同定を考慮すれば、今や、対立遺伝子の重複のある患者において2つ以上のHLA−分子を同時に標的することが可能である。
ワクチン組成物における使用のための多くの可能性のあるペプチドが予測され得るが、有用な応答を得ることができるペプチドおよびワクチン組成物の現実的な特定には、複数のパラメーターの試験が必要である。本発明は、特に有効であるワクチン組成物を記載する。本発明によるワクチン組成物としては、サバイビンペプチドおよびサバイビンペプチド改変体が挙げられる。
現在好ましいマルチエピトープのワクチンの例としては、所定の患者の組織タイプに依存するサバイビン由来ペプチドエピトープの「テイラー・メード(tailor made)」の組み合わせが挙げられ、例えば、HLA−1、HLA−A2、HLA−A3およびHLA−B35の表現型を担持する被験体は、以下のペプチドを含むワクチンでワクチン接種され得る、ELTLGEFLKL(サバイビン95〜104)(配列番号3)、LMLGEFLKL(サバイビン95〜104M2((配列番号5)、CPTENEPDY(サバイビン46〜54Y9)(配列番号8)およびEPDLAQCFY(サバイビン51〜59Y9)(配列番号9)、および/またはRISTFKNWPK(Sur18K10)(配列番号20)。
あるいは、エピトープは、所定の集団における種々のHLA表現型の普及率に基づいて選択され得る。例として、HLA−A2は、白人集団では最も優勢な表現型であり、従って、HLA−A2に結合するペプチドは、その集団の大きい割合で活性である。
しかし、本発明に従うワクチン組成物はまた、標的集団のより大きい割合をカバーするために、各々が異なるHLA分子と特異的に相互作用する2つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体の組み合わせを含んでもよい。従って、例えば、ワクチン組成物は、HLA−A分子に拘束されたペプチドおよびHLA−B分子に拘束されたペプチドの組み合わせを含んでもよく、例えば、これには、標的集団におけるHLA表現型の普及率に相当するHLA−AおよびHLA−B分子、例えば、HLA−A2およびHLA−B35などが挙げられる。さらに、ワクチン組成物は、HLA−C分子に拘束されたペプチドを含んでもよい。本発明に従う他の組み合わせとしては、HLA−A1およびHLA−A2に拘束されたペプチド、またはHLA−A1およびHLA−B35に拘束されたペプチドが挙げられる。さらに、HLA−A1、HLA−A2およびHLA−B35に拘束されたペプチドの組み合わせのような、異なる特異性を有する3つのペプチドが用いられてもよい。
1つのHLA−B7拘束ペプチドまたは2つのペプチド、例えば、HLA−A1およびHLA A2結合ペプチド、または例えば、HLA−A1およびHLA−B35結合ペプチドを、ワクチン組成物中に含むことが有利であり得る。
本発明のある局面は、HLA−B7拘束ペプチド、例えば、LPPAWQPFL(サバイビン6〜14)(配列番号10)、QPFLKDHRI(サバイビン11〜19)(配列番号11)、CPTENEPDL(サバイビン51〜59)(配列番号6)、TPERMAEAGF(サバイビン34〜43)(配列番号12)、APPAWQPFL(サバイビン6〜14A1)(配列番号13)、またはRPPAWQPFL(サバイビン6〜14R1)(配列番号14)に関する。
1実施形態では、HLA−B7拘束ペプチドは、APPAWQPFL(サバイビン6〜14A1)(配列番号13)、またはRPPAWQPFL(サバイビン6〜14R1)(配列番号14)である。特定の実施形態では、HLA−B7拘束ペプチドは、APPAWQPFL(サバイビン6〜14A1)(配列番号13)であり、異なる特定の実施形態では、HLA−B7拘束ペプチドは、RPPAWQPFL(サバイビン6〜14R1)(配列番号14)である。
本発明のある局面は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはペプチド改変体を含むワクチン組成物であって、このペプチド改変体の配列がその全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、そしてこの組成物が、
i.HLA−B7結合ペプチド、および/または
HLA−A1およびHLA−A2拘束ペプチド、および/または
HLA−A1およびHLA−B35拘束ペプチド
ii.ならびに上述される任意のアジュバント、例えばMontanide ISA51を含むワクチン組成物に関する。
特定の好ましい実施形態では、このワクチン組成物は、
i.APPAWQPFL(配列番号13)を含み、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチド、
ならびに/または
RPPAWQPFL(配列番号14)を含み、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチド、
ならびに/または
FTELTLGEF(配列番号16)を含み、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチド、およびLMLGEFLKL(配列番号5)を含むペプチドおよび、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチド、
ならびに/または
FTELTLGEF(配列番号16)を含み、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチド、およびEPDLAQCFY(配列番号9)を含み、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチド、
ならびに/または
LMLGEFLKL(配列番号5)を含み、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチド、およびEPDLAQCFY(配列番号9)を含み、かつ多くとも15、好ましくは10アミノ酸からなるペプチドと、
ii.上述の任意のアジュバント、例えば、Montanide ISA 51と、を含む。
これは、ワクチン組成物が3つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含む効率を、そして詳細には、このペプチドが異なるHLA分子に拘束される場合、さらに改善し得る。
ある実施形態では、このワクチン組成物は、
a)3つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、
i.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A1結合ペプチドの群から選択され、
ii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A2結合ペプチドの群から選択され、
iii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B35結合ペプチドの群から選択される、
サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、
b)上記の任意のアジュバント、例えば、Montanide ISA51と、
を含む。
ある実施形態では、HLA−A1結合ペプチド、HLA−A2結合ペプチドおよび/またはHLA−B35結合ペプチドは、好ましくは、多くとも、15、例えば、多くとも14、13、12、11そして最も好ましくは多くとも10のアミノ酸からなる。
特定の実施形態では、このワクチン組成物は、HLA−A1拘束ペプチドFTELTLGEF(配列番号16)を含む。第二の特定の実施形態では、このワクチン組成物は、HLA−A2結合ペプチドLMLGEFLKL(配列番号5)を含み、そして第三の特異的な実施形態では、このワクチン組成物は、HLA−B35結合ペプチドEPDLAQCFY(配列番号9)を含む。
最も特別な実施形態では、このワクチン組成物は、HLA−A1拘束ペプチドFTELTLGEF(配列番号16)、HLA−A2結合ペプチドLMLGEFLKL(配列番号5)およびHLA−B35結合ペプチドEPDLAQCFY(配列番号9)を含む。
ある実施形態では、本明細書において上述されるようなHLA−A1結合ペプチド、HLA−A2結合ペプチドおよび/またはHLA−B35結合ペプチドは好ましくは、多くとも、15、例えば、多くとも14、13、12、11そして最も好ましくは多くとも10のアミノ酸からなる。
これは、ワクチン組成物が7つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含む効率を、そして詳細には、このペプチドが異なるHLA分子に拘束される場合、さらに改善し得る。
ある実施形態では、このワクチン組成物は、
a)7つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一であり、
viii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A1結合ペプチドの群から選択され、
ix.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A2結合ペプチドの群から選択され、
x.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A3結合ペプチドの群から選択され、
xi.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A24結合ペプチドの群から選択され、
xii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−A11結合ペプチドの群から選択され、
xiii.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B35結合ペプチドの群から選択され、
xiv.少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体がHLA−B7結合ペプチドの群から選択される、
サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と
b)上述の任意のアジュバント、例えば、Montanide ISA 51と、
を含む。
ある実施形態では、本明細書において上述されるようなHLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A24、HLA−11、HLA−B35および/またはHLA−B7結合ペプチドは好ましくは、多くとも、15、例えば、多くとも14、13、12、11そして最も好ましくは多くとも10のアミノ酸からなる。
好ましい実施形態では、このワクチン組成物は、HLA−A1結合ペプチドFTELTLGEF(配列番号16)、HLA−A2結合ペプチドLMLGEFLKL(配列番号5)、HLA−A3結合ペプチドRISTFKNWPK(配列番号20)、HLA−A24結合ペプチドSTFKNWPFL(配列番号41)、HLA−A11結合ペプチドDLAQCFFCFK(配列番号19)、HLA−B35結合ペプチドEPDLAQCFY(配列番号9)、およびHLA−B7結合ペプチドLPPAWQPFL(配列番号10)およびアジュバント、例えばMontanide ISA51を含む。
さらなる好ましい実施形態では、このワクチン組成物はさらに、
i.HLA−B44結合ペプチドの群から選択される少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体、および/または
ii.HLA−B27結合ペプチドの群から選択される少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体、および/または
iii.HLA−B51結合ペプチドの群から選択される少なくとも1つのペプチドまたはペプチド改変体、を含む。
特に好ましい実施形態では、このワクチン組成物は、HLA−A1結合ペプチドFTELTLGEF(配列番号16)、HLA−A2結合ペプチドLMLGEFLKL(配列番号5)、HLA−A3結合ペプチドRISTFKNWPK(配列番号20)、HLA−A24結合ペプチドSTFKNWPFL(配列番号41)、HLA−A11結合ペプチドDLAQCFFCFK(配列番号19)、HLA−B35結合ペプチドEPDLAQCFY(配列番号9)、およびHLA−B7結合ペプチドLPPAWQPFL(配列番号10)およびMontanide ISA51のようなアジュバントを含み、そして1つ以上のHLA−B44結合ペプチドは、KETNNKKKEY(配列番号42)であり、HLA−B27結合ペプチドがERMAEAGFI(配列番号43)であり、そしてHLA−B51結合ペプチドがRAIEQLAAM(配列番号44)である。
上記の任意の実施形態では、HLA−A11結合ペプチドは、DLAQCFFCFK(配列番号19)、DVAQCFFCFK(配列番号45)、DFAQCFFCFK(配列番号46)またはDIAQCFFCFK(配列番号47)からなる群より選択されてもよい。
上記の任意の実施形態では、最大13、例えば、12、例えば、11または好ましくは10または9を掛けたペプチドの数がワクチンを構成するアミノ酸の最大数であることが好ましい。例えば、ワクチンが5つのペプチドを含むならば、ワクチンは多くとも65、例えば、60、例えば、55、例えば50または45のアミノ酸から構成されることが好ましい。
本発明に従うワクチン組成物における使用のためのサバイビンまたはサバイビンペプチド改変体を選択するためには、このサバイビンペプチドおよびペプチド改変体がHLAクラス1分子に結合する能力が上昇され得る。さらに、このサバイビンペプチドおよびペプチド改変体がガン患者のPBL集団においてIFN−γ産生細胞を惹起する能力が上昇され得る。
これらの測定値は、ワクチン組成物における使用のためのサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体の有用性の指標を与え得るが、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含むワクチン組成物は、投与の際に、ガン患者で強力かつ特異的なT細胞応答を誘導し得ることが好ましい。ワクチン組成物の投与は、標的病変の評価に関する節で記載されたように特徴付けられる臨床反応を誘導することがさらに好ましい。この臨床反応は、少なくとも安定な疾患(標的病変の最長の直径の合計の多くとも20%の増大)、より好ましくは、標的病変の最長の直径の合計の減少、例えば、部分的な応答または、最も好ましくは完全寛解として特徴付けられ得る。
このワクチン組成物は、1つ以上のサバイビンペプチド(単数または複数)またはペプチド改変体(単数または複数)を含み、この1つ以上のサバイビンペプチド(単数または複数)またはペプチド改変体(単数または複数)は、HLAクラスI分子に拘束され、拘束されたペプチドまたはペプチド改変体は、以下の特徴;
(i)WO2004/067023に記載されるようなアセンブリ結合アッセイによって決定した場合多くとも50μMである、クラスI HLA分子の最大半減回復し得るペプチドの量(C50値)によって測定した親和性で、クラスIのHLA分子に結合し得る、
(ii)ELISPOTアッセイによって決定した場合、10個のPBLあたり少なくとも1つの頻度でガン患者のPBL集団中でIFN−γ産生細胞を惹起し得る、
のうちの少なくとも1つを有することによって特徴付けられる。
このアセンブリ結合アッセイによって、候補ペプチドが上記の親和性で所定のHLA対立遺伝子分子に結合する能力についてそれらの候補ペプチドをスクリーニングする簡単な方法が得られる。好ましい実施形態では、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、多くとも30μM、例えば、多くとも20μMであって、例えば、多くとも10μM、多くとも5μMそして多くとも2μMまたは多くとも1μMを含む、C50値を有する。選択されたペプチドのC50値は、WO2004/067023において表4に示される。
本発明に従うワクチン組成物における使用のための1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体の特徴は、IFN−γ産生応答者T細胞、すなわち、ガン患者のPBL集団または腫瘍細胞(標的細胞)において特定のペプチドを特異的に認識する細胞傷害性T細胞(CTL)を認識するかまたは惹起する能力である。この活性は、患者由来のPBLまたは腫瘍細胞を、WO2004/067023およびその引用文献に記載されるように、ELISPOTアッセイに供することによって容易に決定される。アッセイの前に、細胞と試験されるべきペプチドとを接触させることによって、アッセイされるべきPBL集団または腫瘍細胞を刺激することが有利であり得る。好ましくは、このペプチドは、本明細書で用いられるようなELISPOTアッセイによって決定される場合、10個のPBLあたり少なくとも1つの頻度でIFN−γ産生T細胞を惹起するか認識し得る。より好ましくは、この頻度は、10個のPBLあたり少なくとも5つ、最も好ましくは10個のPBLあたり少なくとも10個、例えば、10個のPBLあたり少なくとも50または100個である。特に好ましい実施形態では、この頻度は、10個のPBLあたり少なくとも200個、または例えば、10個のPBLあたり250個である。
MART−1およびgp100ペプチドのような、黒色腫特異的な抗原に対する応答でのIFN−γ産生は、示されたペプチドを用いるガン患者のワクチン接種に対して実証されている。しかし、臨床反応との有意な関係は実証されなかった(Hersey,Pら、Cancer Immunol.Immunother.2004,Sep.21)。
従って、推定の免疫原の同定後、インビボにおいて機能を評価することが好ましい。1つ以上のサバイビンペプチド(単数または複数)またはペプチド改変体(単数または複数)を含むワクチン組成物は、極めて強力な免疫学的応答、例えば、ワクチン接種の前後に、IFN−γについてのELISPOTアッセイによって測定した場合、極めて強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答の誘導を惹起し得ることが極めて好ましい。このようなアッセイは、例えば、実施例1に記載のようなELISPOTアッセイによって、ワクチン組成物において用いられる免疫原に対する反応性について、ワクチン組成物の投与の前後に得られたPBMCを分析することによって、患者での細胞傷害性T細胞応答を試験する工程を包含する。
ワクチン組成物中の樹状細胞の使用は、オイルベースのアジュバントに比較して、先行技術では、より高い有効性を生じている(Schreurs MWら、Cancer Res.2000 Dec 15;60(24):6995〜7001)。従って樹状細胞が現在、好ましいアジュバントである。
実施例1に記載された臨床的なトライアル手順の驚くべき結果によって、本発明に従うワクチン組成物の投与は、特定のIFN−γ放出細胞を驚くほど多数誘導し得ることが示された。
本発明に従うワクチン組成物の投与は、IFN−γ放出細胞の数で測定した場合、被験体において強力かつ特異的なT細胞応答、すなわち、10個のPBMC細胞あたり50個より多い、または例えば、10個のPBMC細胞あたり10個より多い、または例えば、10個のPBMC細胞あたり150個より多い、または例えば、10個のPBMC細胞あたり200個より多い、T細胞応答を誘導し得ることが好ましい。IFN−γ放出細胞の数によって測定した場合特定のT細胞応答は、10個のPBMC細胞あたり250個より多いことが最も好ましい。
ELISPOTアッセイによって測定した場合の特異的なT細胞応答は、使用される投与スキーム、例えば、ワクチン接種の回数およびワクチン組成物の投与のタイミングに依存し得る(処置に関する説明を参照のこと)。ある実施形態では、強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答は、12ヶ月後、または例えば、10ヵ月後、8ヵ月後などに検出され得る。好ましい実施形態では、この特異的な細胞傷害性T細胞応答は、6ヵ月後に検出され得る。さらに最も好ましい実施形態では、この特異的な細胞傷害性T細胞応答は、4ヶ月または3ヶ月後に検出され得る。
これは、ペプチドの抗血管形成効果を評価することにさらに関連し得る。なぜなら、血管形成の阻害は、固形腫瘍の発症に対して促進性の効果を有するからである。
潜在的な抗血管形成効果の指標は、抗原特異的なT細胞での腫瘍間質の浸潤である。腫瘍間質における抗原特異的T細胞の存在は、実施例2に記載されるような組織染色の方法を用いて試験され得、これによって抗原特異的なT細胞はガン患者の腫瘍病変においてインサイチュで、多量体化されたペプチド/HLA複合体を用いて検出される。抗原特異的T細胞は、本発明によるサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を、好ましくは、HLAクラス1分子との複合体で認識し得る。
本発明に従うワクチン組成物の投与は、腫瘍間質におけるサバイビン特異的なT細胞のような、腫瘍間質における抗原特異的T細胞の浸潤を誘導し得ることが好ましい。
ワクチン組成物の評価はさらに、投与の際の臨床反応を誘発するのにおいてワクチン組成物の能力を検査する工程を包含する。ガンの処置に関して、臨床反応は、標的病変の評価に関して以下の節に記載されるように、Response Evalution Criteria in Solid Tumors(RECIST)を用いて測定され得る。
ある実施形態では、本発明に従うワクチン組成物は、標的病変の最長の直径の合計の多くとも20%の増大によって特徴付けられる、安定な疾患、部分的な応答または完全な退行(完全寛解)と呼ばれる、臨床反応を惹起し得る。
従って、本発明に従うワクチン組成物における潜在的な使用のペプチド改変体を同定するための単純なアプローチは、以下の工程:特定のHLA分子、例えば、所定の集団において高率で存在するものを選択する工程と、サバイビンタンパク質における「アンカー残基モチーフ(anchor residue motifs)」を特定するために上記のようなアラインメント分析を行う工程と、この特定されたアンカー残基のうちの1つ以上を含む安定なサイズのペプチドを単離するかまたは構築する工程と、(i)本明細書に記載されるようなアセンブリアッセイを用いて特定のHLA分子に対して結合する能力、および/または(ii)WO2004/067023において記載されるようにELISPOTアッセイによって決定した場合、10個のPBLあたり少なくとも1つの頻度でガン患者由来のPBL集団中でIFN−γ産生細胞を惹起するペプチドの能力、についてこの得られたペプチドを試験する工程と、を包含する。
この特定されたペプチドまたはペプチド改変体が、本発明に従うワクチン組成物において有用であるか否かを確認するために、このペプチドを含むワクチン組成物の能力、免疫学的応答、例えば、強力かつ特異的な細胞傷害性T細胞応答の誘導を惹起する能力は、ワクチン接種の前後にIFN−γについてのELISPOTアッセイによって測定され得る(本明細書において実施例1に記載されるように)。
WO2004/067023では、HLA/ペプチド複合体によって単離されたサバイビン反応性細胞は、標的細胞を溶解する機能的能力を保有することが示された。サバイビンペプチドおよびサバイビンペプチド改変体を用いる樹状細胞ワクチンが、ガン細胞株において、およびガン患者由来のPBL集団において弱い免疫応答を惹起し得るが、ガン患者における臨床反応は、進行性疾患が報告されたようにそれほどでもないことがさらに実証された。
特異的な免疫応答は、集団中のPBMCの総数またはCD8+細胞の数に対して評価され得る。後者の評価の参照は、WO2004/067023におい用いられたが、ここで記載された結果は、PBM細胞の総数の参照を使用している。WO2004/067023の図17で記載された結果が、同じ参照を用いていた場合、反応性細胞の数は、10個のPBMC細胞あたり8〜30個である。
免疫応答の強度は、潜在的な免疫原の評価において重要なパラメーターであるので、この分析は、ワクチン組成物を評価するのにおける強力なツールである。本発明によれば、ガン患者への投与の際の強力かつ特異的なT細胞応答を刺激する能力は、重要な特徴である。この応答は、ワクチン組成物での免疫の前後にPBMCの集団におけるIFN−γ産生細胞の数によって測定され得る。本発明のある実施形態では、このワクチン組成物は、ガン患者における強力かつ特異的なT細胞応答を刺激し得、投与後のELISPOTアッセイによって測定された強力なT細胞応答は、10個のPBMC細胞あたり、50個より多い、例えば100より多い、例えば、150より多い、例えば、200より多い、例えば、225より多い、または例えば、250より多いペプチド特異的なスポットである。
理論によって拘束はされないが、抗血管形成効果を惹起し得るワクチン組成物は腫瘍増殖の阻害にきわめて有効であると証明されると考えられるので、抗血管形成効果の評価は有用なペプチドの選択のために用いられ得る。サバイビンに対する強力かつ特異的なT細胞応答を惹起し得るペプチド(単数または複数)と組み合わせた場合、このようなペプチドを含むワクチン組成物は、良好な臨床反応を誘導する極めて高い確率を有すると期待される。
本発明の局面は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはペプチド改変体(単数または複数)であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体と、被験体における腫瘍間質において抗原特異的T細胞の浸潤を誘導し得るアジュバントとを含む、ワクチン組成物に関する。
好ましい実施形態では、このワクチン組成物は、被験体における血管形成を阻害し得る。
標的病変に対する効果を評価することはさらに本質的であって、従ってワクチン組成物の投与後の臨床反応は、標的病変の評価に関する節で下に記載されるように評価されなければならない。ワクチン組成物は、実施例1に示されるように、標的病変の最長の直径の合計の多くとも20%の増大によって特徴付けられるような、安定な疾患、部分的な応答または完全な退行(完全寛解)と呼ばれる、臨床反応を惹起し得る。標的病変の最長の直径の合計の減少は、より好ましく(部分的応答)、そして最も好ましい応答は完全寛解である。
サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、それがHLA分子に結合する能力に加えて、細胞表面上でHLAおよびペプチドの複合体を形成し得、この複合体が次に、細胞傷害性T細胞のエピトープまたは標的として作用することが考えられる。サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体は、他のタイプの免疫応答、例えば、B細胞応答を惹起し得、これが複合体に対する抗体の産生および/または遅延型の過過敏性(DTH)反応を生じる可能性がある。
後者のタイプの免疫応答は、本発明のワクチン組成物の注射部位での発赤および触診可能な硬結として規定される。
免疫の可能な副作用は、全身性または局所の毒性であり得る。血管の変化、例えば、脈管炎または障害された創傷の治癒は、潜在的な副作用である。ヘモグロビン、白血球、および血小板の変化、ならびに乳酸脱水素酵素、クレアチニンおよびコリンエステラーゼが、他の望ましくない効果である。
本発明のある実施形態では、ワクチン組成物の投与は、血管の変化を有さない。第二の実施形態では、ワクチン組成物の投与は、創傷治癒の障害を誘導しない。
従って、本発明の最も好ましい実施形態では、ワクチン組成物の投与は、本質的に副作用を有さない。詳細には、副作用の関与度は、疾患の重篤度に関して評価されるべきである。
さらに、前に記載されたとおり、腫瘍特異的なヘルパーT細胞免疫を惹起することに、すなわち、腫瘍はクラスIIMHCを一般に発現しないという事実にかかわらず、クラスII−MHC拘束エピトープでのワクチン接種に対して集中が増している。これは、多くの場合のワクチン誘導性の抗腫瘍応答の誘導および有効性には、腫瘍特異的CD4陽性Th細胞の協力を要するという、近年の知見に基づく。
従って、より複雑な組成物を有するワクチンの開発を駆動する重要な要因は、注意深く選択されたCTLおよびTh細胞のエピトープのコレクションを含むかまたはコードするワクチンを例えば設計することによって、複数の腫瘍抗原を標的することが望ましい。
(複数のエピトープのワクチン)
明白に、複数エピトープのワクチンは、腫瘍性タンパク質のような潜在的に危険なタンパク質を誘導する(遺伝子コードする)必要なしに、いくつかの異なる抗原に由来するエピトープに対して免疫を増大する有効な方法を構成する。このようなワクチンによってまた、最優位ではなくかつ潜在性のT細胞エピトープに対する免疫の選択的誘導が可能になり、これは、正常な組織において傑出して存在するエピトープに寛容が存在し得る、腫瘍関連自己抗原の場合特に重要であり得る。
エピトープワクチンに関連するいくつかの問題としては、抗原提示細胞が特定のエピトープを提示できないということが挙げられる。詳細には、腫瘍細胞で発現される抗原は、抗原提示細胞の免疫プロテアソームと、ほとんどの腫瘍細胞に存在する「構成的(constitutive)」プロテアソームとの間の機能的な相違に起因して異なって提示され得る。
従って、ワクチン組成物に適合したペプチドの同定は、抗原およびワクチン組成物のアジュバント成分の両方を含む、ワクチン組成物に含まれ得る種々の化合物の有効性を評価するための実験的な研究に基づく試験および選択を包含する。
従って、さらなる局面では、本発明は、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含むワクチン組成物を、単独で、または他のタンパク質もしくはペプチドフラグメントと組み合わせて、提供する。特定の実施形態では、このような他のタンパク質またはペプチドフラグメントとしては、限定はしないが、細胞のアポトーシスの調節に関与するタンパク質、またはそのペプチドフラグメントが挙げられる。このようなタンパク質の適切な例は、Bcl−2タンパク質ファミリー、例えば、Bcl−2タンパク質、Bcl−Xタンパク質、Bcl−wタンパク質、Mcl−1タンパク質、TRAG−3タンパク質および任意のタンパク質由来のペプチドフラグメントから選択され得る。他の公知のアポトーシスインヒビターとしては、アポトーシスタンパク質(IAP)ファミリーのインヒビターのメンバー、例えばX−IAP、C−IAP1およびC−IAP2が挙げられ、これたのタンパク質は全てが、比較的偏在性に発現されるが、アポトーシスポリペプチドML−IAPのインヒビターは、かなり選択性の発現を有し、そして黒色腫において優先的に検出される。従って、特異的なT細胞応答、すなわち、細胞傷害性T細胞応答またはヘルパーT細胞応答を惹起し得るML−IAPのフラグメントが、必要に応じて、本発明のワクチン組成物に含まれてもよい。
ML−IAPの有用なペプチドフラグメントとしては、ML−IAP245(RLQEERTCKV)(配列番号24)、ML−IAP280(QLCPICRAPV)(配列番号25)、ML−IAP90(RLASFYDWPL)(配列番号26)、ML−IAP154(LLRSKGRDFV)(配列番号27)、ML−IAP230(VLEPPGARDV)(配列番号28)、ML−IAP98(PLTAEVPPEL)(配列番号29)、ML−IAP34(SLGSPVLGL)(配列番号30)、ML−IAP54(QILGQLRPL)(配列番号31)、ML−IAP99(LTAEVPPEL)(配列番号32)、ML−IAP83(GMGSEELRL)(配列番号33)およびML−IAP200(ELPTPRREV)(配列番号34)が挙げられる。
さらに、本発明の薬学的組成物は有利には、サバイビンタンパク質に属さないかまたはサバイビンタンパク質に由来するタンパク質またはペプチドフラグメントから選択される、少なくとも1つのさらなる免疫原性タンパク質またはそのペプチドフラグメントを含んでもよい。特定の実施形態では、この免疫原性タンパク質またはそのペプチドフラグメントは、上記のような、そしてPCT/DK2004/000799に記載されるようなBcl−2タンパク質由来である。さらなる免疫原性Bcl−2由来ペプチドは、以下:Bcl172(NIALWMTEYL)(配列番号35)、Bcl180(YLNRHLHTWI)(配列番号36)、Bcl208(PLFDFSWLSL)(配列番号37)およびBcl214(WLSLKTLLSL)(配列番号38)、Bcl218(KTLLSLALV)(配列番号39)およびBcl80(AAAGPALSPV)(配列番号40)から選択される配列を有するHLA−A2拘束ペプチドである。
本発明のある実施形態は、本発明によるワクチン組成物であって、ML−IAP、BCL−2、BCL−X、MCL−1またはTRAG−3ペプチド(PCT/DK2004/000798に記載される)またはHLAクラス1分子に結合し得るそのペプチド改変体の群から選択される1つ以上のペプチドまたはペプチド改変体をさらに含むワクチン組成物に関する。
さらに、本発明による組成物は、本明細書において前に規定されたようなクラスI拘束エピトープおよび/またはクラスII拘束エピトープを含む複数エピトープのワクチンとして提供され得る。
用量
本発明の有用なワクチン組成物は、免疫学的に有効な量のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含むと考えられる。
ワクチン組成物中のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体の量は、特定の適用に依存して変化し得る。しかし、単回用量の免疫原は好ましくは、約10μg〜約5000μgのどれか、より好ましくは約25μg〜約2500μg、または例えば、約50μg〜約1000μg、または例えば、約50μg〜約500μg、または例えば、約50μg〜約250μg、または例えば、約50μg〜約200μg、または例えば、約75μg〜約150μgである。好ましい実施形態では、免疫原の用量は、約75μg〜約150μgである。最も好ましい実施形態では、用量は約100μgである。
投与
投与の方式としては、皮内、皮下および静脈内の投与、徐放性処方物の形態での移植などが挙げられる。当該分野で公知の任意のかつ全ての投与の形態は、本明細書において包含される。皮下投与が好ましく、詳細には深部皮下投与が好ましい。本発明に従うワクチン組成物は、流入領域リンパ節の近傍で交互に四肢に投与されることがさらに好ましい。
また、注射可能な免疫原性ペプチド組成物を処方するために適切であることが当該分野で公知の任意のかつ全ての従来の剤形、例えば、凍結乾燥型および溶液、懸濁液またはエマルジョン型も包含され、これは必要に応じて、従来の薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、防腐剤、アジュバント、緩衝成分などを含む。
本発明の組成物の免疫原性の効果は、当業者に公知のような、そしてWO2004067023の実施例に記載のようないくつかのアプローチを用いて決定されてもよい。ワクチン組成物によって誘発されるCTL応答を決定する方法の例は、WO97/28816に提供される。首尾よい免疫応答はまた、免疫後の遅延型過過敏症(Delayed Type Hypersensitivity)(DTH)反応の発現、および/またはワクチン組成物のペプチド(単数または複数)を特異的に認識する抗体の検出によって決定されてもよい。
好ましい実施形態では、本発明の薬学的組成物は、ガン疾患に対する免疫応答を惹起し得る免疫原性組成物またはワクチンである。
本明細書において用いる場合、「免疫原性組成物またはワクチン(immunogenic composition or vaccine)」という表現は、ガン細胞に対する少なくとも1つのタイプの免疫応答を惹起する組成物をいう。従って、このような免疫応答は、上述の任意のタイプであってもよい:CTL応答であって、ここでは細胞表面に提示されるHLA/ペプチド複合体を認識し得るCTLが生成されて、細胞溶解を生じる、すなわち、ワクチンは、ガン細胞に対する細胞傷害性効果を有するエフェクターT細胞のワクチン接種された被験体での生成を誘発する;抗ガン抗体の生成を生じるB細胞応答;および/またはDTH型の免疫応答。
核酸ワクチン
本発明のワクチン組成物は、サバイビンポリペプチド(配列番号23)、そのペプチドフラグメント、またはそのサバイビンペプチド改変体をコードする核酸を含んでもよい。従って、このような核酸は任意の上述のタンパク質またはペプチドフラグメントをコードし得る。この核酸は、例えば、DNA、RNA、LNA、HNA、PNAであってもよく、好ましくはこの核酸はDNAまたはRNAである。
ある実施形態では、本発明は、ワクチン組成物であって、
i.a)サバイビンポリペプチド(配列番号23)
b)サバイビンペプチド、または
c)サバイビンペプチド改変体、
をコードする核酸と、
ii.上述の任意のアジュバントと、
を含むワクチン組成物に関する。
本発明の核酸は、任意の適切なベクター、例えば発現ベクター内に含まれてもよい。多数のベクターが利用可能であって、当業者は、特定の目的のために有用なベクターを選択できる。このベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子または人工的染色体の形態であってもよい。適切な核酸配列は、種々の手順によってベクターに挿入されてもよく、例えば、DNAは、当該分野で周知の技術を用いて適切な制限エンドヌクレアーゼ部位(単数または複数)に挿入されてもよい。本発明に従う核酸配列とは別に、このベクターはさらに、1つ以上のシグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終止配列を含んでもよい。このベクターはまた、さらなる配列を含んでもよい。これらの成分の1つ以上を含む適切なベクターの構築は、当業者に公知である標準的なライゲーション技術を使用する。ベクターは好ましくは、発現ベクターであって、調節性の核酸配列に対して作動可能に連結された核酸であって、適切な細胞中でその発現を指向する核酸を含む。本発明の範囲内で、このような調節性の核酸配列は、一般に、哺乳動物細胞、好ましくはヒト細胞、より好ましくは抗原提示細胞での発現を指向し得るはずである。
1つの好ましい実施形態では、このベクターはウイルスベクターである。このウイルスベクターは、サバイビンまたはそのペプチドフラグメントをコードする核酸に加えて、T細胞刺激ポリペプチドをコードする第二の核酸配列を含んでもよい。このT細胞刺激ポリペプチドは好ましくは、B7.1,ICAM−1およびLFA−3からなる群より選択される。
このベクターはまた、細菌ベクター、例えば、弱毒化細菌ベクターであってもよい。弱毒化された細菌ベクターは、感染および持続の部位で長期の粘膜の免疫応答を誘導するために用いられ得る。異なる組み換え細菌がベクターとして用いられてもよく、例えば、細菌ベクターは、Salmonella、Lactococcus、およびListeriaからなる群より選択されてもよい。一般には、異種の抗原HPV16 L1またはE7に対する免疫の誘導は、マウスにおける強力なCTL誘導および腫瘍退行で示され得る。
医薬品
本発明のある局面は、医薬の製造における使用のための本発明によるワクチン組成物に関する。特定の実施形態では、この医薬は、ガン疾患の処置のためである。
ある実施形態では、本発明による医薬は、皮下投与のためであり、従ってこの医薬は、溶液もしくは懸濁液として処方されても、あるいは投与の前の懸濁のための凍結乾燥生成物として処方されてもよい。
本発明はさらに、1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体およびアジュバントを活性成分として含むワクチン組成物を含む、ガンを処置するための医薬に関する。
処置
サバイビン分子は、ガン疾患の大集団において調節解除されることが見出されている。サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体を含むワクチン組成物は、ガン疾患のような臨床的状態の処置のために用いられ得る。本発明による処置には、症状を軽減する工程、および疾患の進行を阻害する工程、これによって本明細書において下に記載されたような臨床反応を得る工程を包含する。
本発明によるワクチン組成物は、2回以上、例えば、2回、3回、4回、5回、または例えば、5回より多く、例えば、7回より多く、例えば、10回より多く、例えば、15回より多く投与されてもよい。本発明のワクチン組成物を用いて処置される疾患は、再発であってもまたは慢性であってもよく、これによって、症状が最小限になり、そして疾患の進行または再発が阻害され、その処置は、長期間にわたって一定の間隔で継続されてもよい。例えば、処置される疾患は、ガン疾患であってもよく、そして処置は、完全寛解または安定な疾患が臨床反応であるまで、または患者の寿命にわたっての間、継続され得る。
ワクチン組成物は、例えば、14日ごとに1回、少なくとも1ヶ月、例えば、少なくとも2ヶ月、例えば、少なくとも3ヶ月、例えば、少なくとも5ヶ月、例えば、少なくとも8ヶ月、例えば、少なくとも12ヶ月、例えば少なくとも20ヶ月の間投与されてもよい。ワクチン組成物は、被験体の寿命にわたって一定間隔で投与されてもよい。ワクチン組成物は、疾患が再発した場合、または疾患の進行が検出された場合に投与され得る。
ある実施形態では、本発明は、被験体においてサバイビンに対して強力かつ特異的なT細胞応答を刺激する方法であって:
a)本発明に従うワクチン組成物を提供する工程と、
b)この被験体に対してこのワクチン組成物を投与する工程であって、このワクチン組成物が2回以上投与され得る工程と、
c)これによって強力かつ特異的なT細胞応答をこの被験体において刺激する工程であって、この特異的なT細胞応答が、このワクチン組成物の投与の前後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットである工程と、
を包含する方法に関する。
特定の実施形態では、この強力かつ特異的なT細胞応答は、このワクチン組成物の投与の前後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10個のPBMC細胞あたり200個を超えるペプチド特異的なスポットである。
さらなる特異的な実施形態では、本発明に従う方法は、1ヶ月ごとに1回このワクチン組成物を投与する工程を包含し得る。
種々の好ましい実施形態では、このワクチン組成物は、2ヶ月ごとに1回投与される。
ある実施形態では、本発明は、疾患を処置または予防する方法であって、
a)任意の上述のペプチドおよび必要に応じて任意の上述のアジュバントを含むワクチン組成物を提供する工程と、
b)このワクチン組成物をこの被験体に対して投与する工程であって、このワクチン組成物が、2回以上投与され得る工程と、
c)これによって強力かつ特異的なT細胞応答をこの被験体において刺激する工程であって、この強力かつ特異的なT細胞応答が、このワクチン組成物の投与の前後にELISPOTアッセイによって測定された場合、10個のPBMC細胞あたり50個を超えるペプチド特異的なスポットである工程と、
d)この被験体において臨床的な応答を得る工程と、
を包含する、方法に関する。
この臨床的な応答は、下の標的病変の評価に関する節で記載されたとおり評価する。
好ましい実施形態では、このワクチン組成物は、臨床状態の処置のためである。
本発明の好ましい実施形態では、この臨床状態はガンである。「ガン(cancer)」という用語は、本明細書において用いる場合、任意のガン、新生物および前新生物性疾患を包含することを意味する。このようなガンは、例えば、以下からなる群より選択されてもよい;結腸癌、乳癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫(lymphangeosarcoma)、リンパ管内皮肉腫(lymphangeoendothelia sarcoma)、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、グリア芽細胞腫、神経腫(neuronomas)、頭蓋咽頭腫、シュワン細胞腫、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起細胞腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、およびリンパ腫、急性リンパ性白血病および急性骨髄性真性赤血球増加症、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症および重鎖病、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、直腸癌、泌尿器癌、子宮癌、口腔癌、皮膚癌、胃癌、脳腫瘍、肝臓癌、咽頭癌、食道癌、乳腺腫瘍、小児期急性リンパ性白血病(ALL)、胸腺ALL、B細胞ALL、急性骨髄性白血病、骨髄単球性白血病、急性巨核球性白血病、バーキットリンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、およびT細胞白血病、小および大の非小細胞肺癌、急性顆粒球性白血病、胚細胞腫瘍、子宮内膜癌、胃癌、頭頸部癌、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病および甲状腺癌。
ある実施形態では、本発明に従うワクチン組成物は、悪性黒色腫、膵臓癌、子宮頸癌、または結腸癌の群から選択されるガンの処置のためである。
好ましい実施形態では、本発明によるワクチン組成物は、悪性黒色腫および膵臓癌の処置のためである。
本発明のある局面は、血管形成を阻害する方法であって;
a)本発明に従うワクチン組成物を提供する工程と、
b)このワクチン組成物を被験体に対して投与する工程と、
を包含する方法に関する。
処置の必要な個体は、任意の個体、好ましくはヒトであってもよい。ペプチドは一般に、異なるHLA分子に対して異なる親和性を有する。従って、ワクチン組成物または薬学的組成物がサバイビンペプチドを含む本発明の実施形態では、所定の個体に投与されるワクチン組成物または薬学的組成物は、その特定の個体のHLA分子と関連し得る少なくとも1つのペプチドを含むことが好ましい。
併用療法
本発明はさらに、併用療法における使用のための薬学的組成物および部品キット(kit−of−parts)に関する。
併用療法とは本明細書において用いられる場合、2つ以上の異なる医薬を用いる、その必要な被験体の処置を意味する。従って、併用療法は、1局面では、本明細書において上記されるようなワクチン組成物および二次的な医薬を含む薬学的組成物または部品キットの投与を包含し得る。二次医薬は、本明細書において下に記載された任意の医薬、例えば、化学療法剤または血管形成のインヒビターであってもよい。
詳細には併用療法は、i)本発明に従うサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体、ii)本発明に従うワクチン組成物、のうちの1つ以上と組み合わせた、化学療法剤および/または免疫療法剤の個体に対する投与を包含し得る。しかし、併用療法はまた、放射線療法、遺伝子治療および/または外科手術を含んでもよい。
本発明のある局面は、以下:
i)本発明に従うワクチン組成物
ii)および二次医薬
の任意の順序における、同時、連続的または別々の投与を含む、併用療法の方法に関する。
好ましい実施形態では、二次医薬は化学療法剤である。
化学療法剤とは、例えば、メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、非糖含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ドキソルビシン、デカルバジン、タキソール、フラジェリン、メグラミンGLA、バルルビシン(valrubicin)、カルムスタチンおよびポリフェプロサン(poliferposan)、MM1270、BAY12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼインヒビター、ファメシルトランスフェラーゼインヒビター、MMP、MTA/LY231514、LY264618/Lometexol、Glamolec、Cl−994、TNP−470、Hycamtin/Topotecan、PKC412、Valspodar/PSC833、Novantrone/Mitroxantrone、Metaret/Suramin、Batimastat、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、Incel/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN698、TA2516/Marmistat、BB2516/Marmistat、CDP845、D2163、PD183805、DX8951f、LemonalDP2202、FK317、Picibanil/OK−432、AD32/Valrubicin、Metastron/ストロンチウム誘導体、Temodal/Temozolomide、Evacet/リポソームドキソルビシン、Yewtaxan/Placlitaxel、Taxol/Paclitaxel、Xeload/Capecitabine、Furtulon/Doxifluridine、Cyclopax/経口パクリタキセル、経口Taxoid、SPU−077/Cisplatin、HMR 1275/Flavopiridol、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS発癌遺伝子インヒビター、BMS−182751/経口白金、UFT(Tegafur/Uracil)、Ergamisol/Levamisole、Eniluracil/776C85/5FUエンハンサー、Campto/Levamisole、Camptosar/lrinotecan、Tumodex/Ralitrexed、Leustatin/Cladribine、Paxex/Paclitaxel、Doxil/リポソームドキソルビシン、Caelyx/リポソームドキソルビシン、Fludara/Fludarabine、Pharmarubicin/Epirubicin、DepoCyt、ZD1839、LU 79553/Bis−Naphtalimide、LU 103793/Dolastain、Caetyx/リポソームドキソルビシン、Gemzar/Gemcitabine、ZD 0473/Anormed、YM 116、Iodineシード、CDK4およびCDK2のインヒビター、PARPインヒビター、D4809/Dexifosamide、Ifes/Mesnex/lfosamide、Vumon/Teniposide、Paraplatin/Carboplatin、Plantinol/シスプラチン、Vepeside/Etoposide、ZD 9331、Taxotere/Docetaxel、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、Taxane Analog、ニトロソウレア、アルキル化剤、例えば、メルフェランおよびシクロホスファミド、Aminoglutethimide、Asparaginase、Busulfan、Carboplatin、Chlorambucil、Cytarabine HCl、Dactinomycin、Daunorubicin HCl、Estramustineリン酸塩ナトリウム、Etoposide(VP16−213)、Floxuridine、Fluorouracil(5−FU)、Flutamide、Hydroxyurea(ヒドロキシカルバミド)、Ifosfamide、Interferon α−2a、α−2b、Leuprolide acetate(LHRH−放出因子アナログ)、Lomustine(CCNU)、Mechlorethamine HCl(ナイトロジェン・マスタード)、Mercaptopurine、Mesna、Mitotane(o.p’−DDD)、Mitoxantrone HCl、Octreotide、Plicamycin、Procarbazine HCl、Streptozocin、クエン酸タモキシフェン(Tamoxifen citrate)、Thioguanine、Thiotepa、Vinblastine sulfate、Amsacrine(m−AMSA)、Azacitidine、Erthropoietin、Hexamethylmelamine(HMM)、Interleukin 2、Mitoguazone(メチル−GAG;メチルグリオキサール・ビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、Pentostatin(2’デオキシコホルマイシン(deoxycoformycin))、Semustine(メチル−CCNU)、Teniposide(VM−26)および硫酸ビンデシン(Vindesine sulfate)であってもよい。さらに、化学療法剤は、米国特許第6,482,843の表3の13〜18列に挙げられた任意の化学療法剤であってもよい。
本発明の治療組成物またはワクチン組成物はまた、他の抗ガンストラテジーと組み合わせて用いられてもよく、そしてこのような併用療法は、腫瘍増殖および転移を阻害および/または排除するのに有効である。本発明の方法は、限定はしないが、放射線、外科、遺伝子治療および化学療法を含む、他の処置様式とともに有利に用いられ得る。
サバイビンは血管形成の間に内皮細胞で高度に発現され、そしてこれは、血管内皮増殖因子(VEGF)の細胞保護効果で暗示され得、従ってサバイビン発現細胞を標的することは、ガン細胞を直接標識し、さらに血管形成の阻害によって腫瘍増殖を防止し得る。
抗血管形成効果は、血管形成インヒビターでの処置を用いて本発明に従うワクチンでの処置と組み合わせることによって増強され得る。抗血管形成治療は、腫瘍の脈管構造を標的し、そして特定のサイズを超える腫瘍増殖を防止し、これによって、第二の好ましい実施形態では、二次医薬は、血管形成のインヒビターである。
血管形成のインヒビターは、限定はしないが、例えば、BMS−275291、Dalteparin(Fragmin(登録商標))、Suramin、2−メトキシエストラジオール(2−ME)、Thalidomide、CC−5013(サリドマイドの類似体)、Combretastatin A4 Phosphate、LY317615(Protein Kinase C Beta Inhibitor)、Soy Isoflavone(Genistein; Soy Protein Isolate)、AE−941(NeovastatTM;GW786034)、Anti−VEGF Antibody(Bevacizumab;AvastinTM)、Interferon−alpha、PTK787/ZK 222584、VEGF−Trap、ZD6474、EMD 121974、Carboxyamidotriazole(CAI)、Celecoxib(Celebrex(登録商標))、Halofuginone Hydrobromide (TempostatinTM)、AdPEDF、Macugen、tryptophanyl−tRNAシンテターゼ(TrpRS)、rhufab V2 (アカ・ルセンティス(aka lucentis))、スクアラミン(squalamine)、Retaane 15mg(デポ懸濁物を有する酢酸アネコルタブ(anecortave acetate))およびインターロイキン−12であってもよい。
「併用療法(Combination therapy)」とは、遺伝子治療として一般に公知である、適切な細胞への異種核酸の導入を包含してもよい。例えば、遺伝子治療は腫瘍抑制遺伝子またはアポトーシス促進遺伝子の腫瘍細胞への導入を包含してもよい。あるいは、発癌遺伝子またはアポトーシス阻害遺伝子の発現を阻害する核酸配列が、腫瘍細胞に導入されてもよい。さらに、化学療法剤に対する腫瘍細胞の感度を付与し得る酵素をコードする遺伝子が、導入されてもよい。従って、本発明は1実施形態では、プロドラッグ、すなわち、非毒性化合物の毒性化合物への酵素的変換をし得るタンパク質をコードする遺伝子ベクターを導入することによってガンを処置する工程を包含する方法を提供する。本発明のこの方法では、治療的な核酸配列とは、生成物であって、それ自体で、または他の薬物の存在下で、細胞死を生じる生成物をコードする核酸である。このような治療的核酸の代表的な例は、単純疱疹ウイルスのチミジンキナーゼをコードするものである。さらなる例は、5−フルオロシトシンを高度に毒性の化合物5−フルオロウラシルに変換し得る水痘帯状疱疹ウイルスのチミジンキナーゼおよび細菌遺伝子シトシンデアミナーゼである。
標的病変の評価
処置の応答は、標的病変の最長の直径の測定を考慮する、ガン処置の結果を報告するための、もとのWHOのHandbook(World Health Organization Offset Publication No 48;1979)に記載されるRECIST(Response Evalution Criteria in Solid Tumors)基準を用いて測定される(Therasse Pら、J.Natl.Cancer Inst.2000 Feb 2;92(3):205〜16)。この応答は、以下に分類される:完全応答、部分的応答、進行性疾患、および安定な疾患。完全応答は、全ての標的病変の消失であるが、部分的応答とは、標的病変の最長の直径の合計の少なくとも30%の減少をいう。進行性疾患とは、標的病変の最長の直径の合計の少なくとも20%の増大をいう。安定な疾患とは、上記のどれもあてはまらない状況をいう。完全応答または部分的応答の期間は、測定基準が初めて満たされる時点から再発または進行性疾患が証明される初日まで測定されるべきである。この効果は好ましくは、少なくとも1例の患者で観察される。
部分的応答とは、標的病変の最長の直径の合計の少なくとも30%の減少が観察される応答をいう。この応答はさらにサブグループであってもよく、従って40%の部分的応答、または50%の部分的応答、または60%の部分的応答、または70%の部分的応答、または80%の部分的応答、または90%の部分的応答とは、それぞれ少なくとも40%、50%、60%、70%、80%または90%の標的病変の最長の直径の合計の減少が観察されている処置に関する。
ある実施形態では、本発明に従うワクチン組成物は、ガンの処置であり、これによって少なくとも30%の部分的応答が得られる。
ある実施形態では、本発明に従うワクチン組成物を投与する工程を包含する方法は、ガンの処置のためであり、これによって、少なくとも40%、例えば、少なくとも50%、例えば、少なくとも60%、例えば、少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、または例えば、少なくとも90%の部分的応答が得られる。
安定な疾患とは、標的病変の最長の直径の合計が30%未満まで減少される応答をいい、そしてさらに、標的病変の最長の直径の合計が20%以下まで増大される応答を包含する。このタイプの応答は、標的病変の最長の直径の合計が、30%以下、例えば、25%以下、例えば、20%以下、例えば、15%以下、例えば10%以下、または例えば5%以下まで減少される応答に、そして標的病変の最長の直径の合計が、20%以下まで、例えば15%以下、例えば、10%または例えば5%以下まで増大される小集団に、小分割されてもよい。さらに、標的病変の最長の直径の合計が、多くとも1%、例えば、3%、または例えば、多くとも5%まで減少または増大される小集団が含まれる。
進行性疾患とは、標的病変の最長の直径の合計の少なくとも29%の増大である。このタイプの応答は、標的病変の最長の直径の合計が、多くとも25%、例えば、多くとも30%、例えば、多くとも35%、例えば、多くとも40%、例えば、多くとも45%、または例えば多くとも50%まで増大される応答に小分割されてもよい。本発明によれば、標的病変の最長の直径の合計が、多くとも30%まで増大される進行性疾患応答をもたらす処置は、診断が50%という増大を予測する場合、正の結果とみなされ得る。従って、特異的な実施形態は、応答が進行性疾患応答として特徴付けられる、そして標的病変の最長の直径の合計が、多くとも25%、例えば、多くとも30%、例えば、多くとも35%、例えば、多くとも40%、例えば、多くとも45%、または例えば多くとも50%まで増大される処置を包含する。
本発明のある実施形態は、疾患を処置または予防する方法であって;
a)本発明に従うワクチン組成物を提供する工程と、
b)このワクチン組成物をこの被験体に対して投与する工程と、を包含し、
c)ガンの処置のためであって、そして
d)このワクチン組成物の投与が、標的病変の最長の直径の合計における多くとも20%の増大によって特徴付けられる、安定な疾患、部分的応答、または完全寛解を生じる、方法に関する。
実施例1に記載されるデータによって、かなり進行した疾患を有する重度に事前処置された患者でさえ、過度に強力なサバイビン特異的なT細胞応答が、試験された全ての患者において循環するリンパ球のプール内で開始されたことが実証される。実施例1、表3に示されるとおり、2例の被験体、JUSCおよびOTSCは、完全寛解を経験したが、安定な疾患がいくつかの例で観察され、そして部分的応答が、1例の被験体で示された。
部品キット
併用処置は、1つまたは2つの医薬に処方された、2つ以上の活性成分の別々、連続的または同時の投与を包含する。簡便な使用のために、このような医薬は、単一に合わされた生成物に含まれても、または部品キットに含まれてもよい。
本発明のある局面は、以下:
a)ワクチン組成物であって、
i.1つ以上のサバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体であって、このペプチド改変体の配列が、その全長にわたって、配列番号23の連続的アミノ酸配列と少なくとも85%同一である、サバイビンペプチドまたはサバイビンペプチド改変体、
ii、および本明細書に記載されるアジュバント、
を含むワクチン組成物と、
b)二次医薬と、
を含む、部品キットに関する。
本発明に従う部品キットのガン疾患の処置のために、医薬は、化学療法剤であってもよい。免疫疾患の処置に関して、医薬は、免疫療法剤であってもよい。
本発明に従う部品キットのある実施形態では、この医薬は、化学療法剤または免疫療法剤を含む、好ましい実施形態では、この医薬は、化学療法剤を含む、本発明によれば、部品キットによって含まれるワクチン組成物および医薬は、別々、連続的または同時の投与のためである。部品キットはさらに、含まれる医薬およびワクチン組成物の適切な用法/投与/投薬量の情報を含み、そしてその情報を含む覚書を備える。
実施例1
サバイビン由来エピトープおよびモンタニドISA51をアジュバントとして含むワクチン組成物を用いる臨床的な結果。この処置は、本明細書において下に記載された一連の後期段階の癌患者で行った。
全ての臨床的手順は、ヘルシンキ宣言(Declaration of Helsinki)に従い、そして全ての患者に治療前にインフォームドコンセントを与えた。この臨床研究は、ドイツのUniversity of Wuerzburgの倫理審査委員会(Ethical review Boards)(Studien−Nr.7/03)およびドイツのPaul−Ehrlich−lnstitute,Langen(Vorlagen−Nr 0899/01)によって承認された。
患者
この研究への参加を適格にするためには、患者は以下の基準:
・測定可能な転移性黒色腫、膵臓癌、結腸癌または子宮頸癌、
・進行性疾患の確認、
・少なくとも1つの標準的治療の失敗
・少なくとも3ヶ月の平均余命
・過去4週間内に治療なし
・全体的な器官不全なし
・クラスI組織タイプHLA−A1、−A2または−B35
、を満たさなければならなかった。
ペプチド
この研究に含まれるペプチドは、1つのアミノ酸の置換によるサバイビンペプチドの改変によって得られる全てのサバイビンペプチド改変体であった。それによって、MHC分子に対する、より良好なアンカー残基および所定のペプチドの結合親和性の改善が得られた。用いられるペプチドとしては以下:
・HLA−A1拘束エピトープFTELTLGEF(配列番号16)(サバイビン93〜101T2、2位置の天然のグルタミンがトレオニンで置換された)
・HLA−A2拘束エピトープLMLGEFLKL(配列番号5)(サバイビン96〜1042M、2位置の天然のトレオニンがメチオニンで置換された)
・HLA−B35拘束エピトープEPDLAQCFY(配列番号9)(サバイビン51〜599Y、9位置のロイシンがチロシンで置換された)
が挙げられる。
100μgのHLA−A1、HLA−A2またはHLA−B35拘束サバイビンペプチドを、製造業者(Seppic,Brussels,Belgium)の指示に従って1mlのMontanide ISA51と混合した。この混合物を、流入領域リンパ節の近傍で交互に四肢への深部皮下注射によって投与した。患者は、最初の2ワクチン接種の間は7日間隔で、その後、さらなるワクチン接種の間は28日の間隔でワクチン接種された。
毒性、臨床有効性および免疫学的応答を評価した。
毒性は、物理的な試験/既往歴、血液学的試験および血清化学によって評価した。これらの検査は、各々のワクチン接種の前に行った。
臨床的有効性は、物理的試験および適切な画像化研究(例えば、CTスキャン、NMRスキャン、胸部X線、超音波または骨シンチグラフィー)によって、治療開始前およびその後3ヶ月ごとに評価した。
免疫学的応答は、サバイビン96−104特異的なIFN−γ放出を検出するためにPBMCを用いる、ELISPOTアッセイによってモニターした。ELISPOTアッセイの感度を増すため、PBMCは、10mMのペプチドの存在下で、5%熱不活化ヒト血清および2mMのLグルタミンを補充したX−vivo培地(Bio Whittaker,Walkersville,Maryland)中で24ウェルプレート(Nunc,Denmark)中において、1mlあたり1×10個の細胞の濃度でインビトロにおいて1回刺激した。2日後、40IU/mlの組み換えインターロイキン−2(IL−2)(Chiron,Ratingen,Germany)を添加した。10日後、この細胞を反応性について試験した。要するに、ニトロセルロース底の96ウェルプレート(MultiScreen MAIP N45,Millipore,Hedehusene,Denmark)を、抗−IFN−γ抗体(1−D1K,Mabtech,Nacka,Sweden)でコーティングした。このウェルを洗浄して、X−vivo培地によってブロックして、その後に、10個の刺激T2細胞(10μMペプチドの有無とともに)および種々の濃度のエフェクター細胞を添加した。このプレートを一晩インキュベートした。翌日、培地を廃棄して、そのウェルを洗浄し、その後にビオチン化二次抗体(7−B6−1−Biotin,Mabtech)を添加した。このプレートを2時間インキュベートして、洗浄して、アビジン−酵素結合体(AP−Avidin,Calbiochem,Life Technologies)を各々のウェルに添加した。プレートを室温で1時間インキュベートし、そして酵素基質NBT/BCIP(Gibco,Life Technologies)を各々のウェルに添加して、室温で5〜10分間インキュベートした。その反応を、濃い紫のスポットの出現の際に上水で洗浄することによって終わらせた。このスポットをImmunoSpot(登録商標)Series 2.0 Analyzer(CTL Analyzers,LLC,Cleveland,US)を用いてカウントして、そのペプチド特異的なCTL頻度は、スポット形成細胞の数から算出してもよい。全てのアッセイは、各々のペプチド抗原について三連で行った。
結果
サバイビンペプチドを用いて得られる臨床的結果の概説は以下を含む;患者の略称、ワクチン接種の回数、および臨床反応は、表3にまとめる。
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転移性悪性黒色腫(Metastatic melanoma)(MM)、膵臓癌(Pancreatic cancer)(PC)。完全寛解(Complete response)(CR)、部分反応(Partiel response)(PR)、安定な疾患(Stable disease)(SD)および進行性疾患(Progressive disease)(PD)。
毒性:治療誘発性の副作用は観察されなかった。全身的または局所的な毒性の徴候は、注射部位では観察されなかった。脈管の変化、例えば、脈管炎または障害された創傷治癒の徴候に特に注意が向けられた。ヘモグロビン、白血球および血小板、ならびに乳酸脱水素酵素、クレアチニンおよびコリンエステラーゼは、ワクチン接種療法によって影響されなかった(データ示さず)。従って、脈管の変化の臨床的な徴候も組織学的な徴候も検出できなかった。さらに、障害された創傷治癒の徴候、出血性障害、心機能障害、脈管炎、または炎症性腸疾患の徴候もなかった。従って、サバイビンワクチンは、正常な造血機能を保持しているガン患者にとっては耐容性であってかつ安全である。
臨床的有効性:客観的な臨床反応が、かなり望ましくない予後予測を有するこの群の患者で存在した。この反応には、2〜3の患者での内蔵転移の完全な腫瘍の退行を含んだが、ほとんどは疾患の安定化から構成された。顕著なことに、それぞれ皮膚黒色腫(JuSc)および膵臓の腺癌(OtSc)と診断された2例の患者では、その患者が以前の化学療法(それぞれ、Temodal(登録商標)またはGemzar(登録商標))に対して反応できなかったという事実にもかかわらず、完全な腫瘍の退行(完全寛解)が生じた(表3)。このように、この臨床的な結果によって、異常に高い奏功率および臨床的有効性をともなう、極めて首尾よい処置が実証される。
サバイビン特異的CD8+T細胞応答
細胞傷害性T細胞応答の動態を患者で追跡した。ワクチン接種の前後に得たPBMCを、IFN−γについてのELISPOTによって、改変サバイビン96−104エピトープに対する反応性について試験した。試験した全ての患者で、サバイビン反応性T細胞の誘導が証明された。2例の完全応答患者OtSc(膵臓癌に罹患)およびJuSc(黒色腫に罹患)について、PBLをワクチン接種の前に、そしてワクチン接種の開始の1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月後に分析した。患者OtScでは、強力な応答がワクチン接種トライアルの開始の既に1ヵ月後に存在した。この応答は、3ヶ月および6ヵ月後にはさらに強力であった。従って、10個あたり600を超えるサバイビン特異的な細胞が、検出され得る(図1)。患者JuScでは、応答は、6ヵ月後まで検出されなかった(図2)が、この時点で、患者OtScとちょうど同じ程度強力であった。さらに、本発明者らは、ワクチン接種前に、そしてワクチン接種トライアルの開始の1ヶ月および4ヵ月後に黒色腫患者SiSt由来のPBLを分析した。患者SiStでは、強力な応答が、ワクチン接種の4ヵ月後に検出された(図3)。最終的に、2つの極めて後期の段階の黒色腫患者(AlKaおよびErEi)由来のPBLを分析し、ここでは患者は、疾患で死ぬ前に、4回のワクチン接種を受けることができただけであった。これらの両方の患者とも、サバイビンペプチドに対する応答が導入された(データ示さず)。このデータによって、かなり進行した疾患を有するこれらの強力に事前処置された患者でさえ、極めて強力なサバイビン特異的なT細胞反応が、試験された全ての患者の循環リンパ球のプール内で開始されたことが実証される。従って、ワクチン接種された患者から得られたPBLの1回のインビトロ刺激後、250を越えるIFN−γ放出細胞、そして特定の実施例では、10個の細胞あたり600を超えるIFN−γ放出細胞が検出された。
実施例2
免疫組織化学的染色
ビオチン化ペプチド/HLA複合体を、ストレプトアビジン−FITC−結合体化デキストラン分子(DAKO,Glostrup,Denmark)で多量体化して、免疫組織化学のための多価HLA−デキストラン化合物を生成する。組織切片を、一晩乾燥させて、引き続き冷アセトン中で5分間固定した。全てのインキュベーション工程は、暗野において室温で行った:(a)一次抗体の45分(1:100希釈)(b)Cy 3−結合体化ヤギ抗マウス(1:500希釈;コード115−165−100;Jackson ImmunoResearch,Dianova,Hamburg,Germanyから入手)で45分間;そして最後は(c)多量体で75分間。各々の工程の間、スライドは、PBS/BSAの0.1%中で10分間、2回洗浄した。このスライドを、ベクタシールド(vectashield)中に装填して、共焦点顕微鏡(Leica)での検査まで冷蔵庫に保管する。
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  1. 明細書中に記載の発明。
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