JP2012148657A - 車両接近通報装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用パラメトリックスピーカの超音波スピーカにおける超音波振動子の防水性を確保しつつ、超音波の音圧レベルの低下を防ぐ。
【解決手段】ハウジング21の開口部には、超音波透過性の防水シート4と、複数の羽板5aを用いたルーバー5とが用いられる。
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔をL1、
防水シート4から各羽板5aまでの間隔をL2とした場合、
L1、L2=L0×n/4±1/4の関係(但し、nは奇数)に設けられる。
これにより、間隔L1、間隔L2が反射波に対して正相範囲に設定され、超音波の音圧レベルの低下を防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通報音を車外に発生させて、車両の存在を周囲に知らせる車両接近通報装置に関するものであり、特に、電気自動車、燃料電池車両、ハイブリッド車両など、通電により回転動力を発生する電動モータによって走行が可能な車両に用いて好適な技術に関する。
なお、以下では、超音波スピーカにおける「超音波の発生方向」を「前」と称して説明するが、実際の車両への搭載方向を規制するものではない。
(背景技術)
通報音により車両の存在を知らせる車両接近通報装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この引用文献1の車両接近通報装置は、ダイナミックスピーカを用いて通報音を発生するものである。
一方、車両接近通報装置として、指向性が強く、且つ車両から離れた場所で通報音を発生させるパラメトリックスピーカを用いることが考えられる。
パラメトリックスピーカは、「可聴音(通報音)の波形信号」を超音波変調して超音波スピーカから放射させるものであり、超音波スピーカから放射された超音波(耳に聞こえない音波)に含まれる変調成分が伝播途中の空気中で自己復調されることで、車両から離れた場所で可聴音(通報音)を発生させるものである。
ここで、超音波スピーカは、超音波を車外へ放出するものであるため、車両走行風等により雨水が到達する可能性のある場所(例えば、車両のフロントグリルの内部など)に装着される。
しかし、超音波スピーカに搭載される既存の超音波振動子(例えば、圧電スピーカ)は非防水構造であるため、雨水が超音波振動子に到達するのを阻止する必要がある。
超音波振動子の防水性を確保するために、
(i)超音波振動子の前面に、超音波透過性の防水シート(超音波を透過させるが、雨水の通過を阻止する通気性のある防水性の膜部材)を配置して、雨水が超音波振動子に到達するのを阻止する手段と、
(ii)防水シートの前面にルーバー(複数の羽板を隙間を隔てて平行に配置したもの:ガラリ、鎧戸)を配置して、雨水が防水シートを直撃するのを妨ぐ手段と、
を用いることが考えられる。
(問題点1)
上記(i)で示したように、超音波振動子の前面に防水シートを配置すると、超音波振動子から防水シートまでの間隔L1を変化させた場合に、超音波スピーカの外部に放射される超音波の音圧レベルが、距離の変化に対応して上下することを見出した。
具体的には、防水シートにおいて少量の超音波が反射するため、超音波振動子の放射する超音波に対して、防水シートで反射して再び超音波振動子に戻る反射波が逆相になると、反射波が超音波振動子の発生した超音波の一部を打ち消すため、超音波の音圧レベルが下がることを見出した。
この不具合を数式を用いて具体的に説明する。
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
超音波振動子から防水シートまでの間隔をL1とした場合、
L0×1/2やL0など、
L1=L0×n/2
の関係(但し、nは整数)において、超音波振動子の放射する超音波に対して、防水シートで反射して再び超音波振動子に戻る反射波が逆相になり、超音波スピーカの発生する超音波の音圧レベルが下がる不具合が発生する。
(問題点2)
上記(i)の不具合と同様に、上記(ii)であっても同様の不具合が生じてしまう。 即ち、防水シートの前面にルーバーを配置すると、防水シートからルーバーまでの間隔L2を変化させた場合に、超音波スピーカの外部に放射される超音波の音圧レベルが、距離の変化に対応して上下することを見出した。
具体的には、ルーバーを構成する各羽板の端部において、ごく一部の超音波が防水シートに向かって反射するため、防水シートを透過した超音波に対して、各羽板の端部で反射して再び防水シートに戻る反射波が逆相になると、反射波が防水シートを透過した超音波の一部を打ち消すため、超音波の音圧レベルが下がることを見出した。
この不具合を数式を用いて具体的に説明する。
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
防水シートからルーバーまでの間隔をL2とした場合、
L0×1/2やL0など、
L2=L0×n/2
の関係(但し、nは整数)において、防水シートを透過した超音波に対して、各羽板の端で反射して再び防水シートに戻る反射波が逆相になり、超音波スピーカの発生する超音波の音圧レベルが下がる不具合が発生する。
特開2005−289175号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、超音波スピーカにおける超音波振動子の防水性を確保しつつ、超音波の音圧レベルの低下を防ぐことのできる車両接近通報装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段の車両接近通報装置は、
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
超音波振動子から防水シートまでの間隔をL1、
nは奇数とした場合、
L1=L0×n/4±1/4
の関係を満足するように設けられる。
これにより、超音波振動子の放射する超音波に対して、防水シートで反射して再び超音波振動子に戻る反射波が、正相範囲に設定されるため、反射波の逆相によって超音波の音圧レベルが下がる不具合を回避することができる。
このように、反射波の逆相による超音波の音圧レベルの低下が防がれるため、
(i)超音波駆動アンプ(超音波振動子を駆動する増幅手段)の消費電力を抑えたり、
(ii)超音波スピーカに搭載される超音波振動子の数量を抑えて車両搭載性を向上させることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段の車両接近通報装置は、
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
防水シートから各羽板までの間隔をL2、
nは奇数とした場合、
L2=L0×n/4±1/4
の関係を満足するように設けられる。
これにより、防水シートを透過した超音波に対して、各羽板の端部で反射して再び防水シートに戻る反射波が、正相範囲に設定されるため、反射波の逆相によって超音波の音圧レベルが下がる不具合を回避することができる。
このように、請求項1の手段と同様、反射波の逆相による超音波の音圧レベルの低下が防がれるため、
(i)超音波駆動アンプ(超音波振動子を駆動する増幅手段)の消費電力を抑えたり、
(ii)超音波スピーカに搭載される超音波振動子の数量を抑えて車両搭載性を向上させることができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段の車両接近通報装置は、超音波振動子から防水シートまでの間隔L1が、車両走行時の風圧で防水シートが変形しても防水シートが超音波振動子に到達しない距離範囲において最短に設定される。
このように、超音波振動子から防水シートまでの間隔L1が最短に設定されることで、防水シートを斜めに透過する超音波が減り、超音波が防水シートを斜めに透過することで生じる音圧レベルの低下を防ぐことができる。
また、雨天走行時など防水シートが濡れた状態であっても、防水シートが超音波振動子に触れないため、濡れた防水シートが超音波振動子に触れる不具合を回避することができる。
あるいは、車両走行風の風圧で防水シートが変形しても、防水シートが超音波振動子に到達しないため、防水シートが超音波振動子に触れることで生じる音圧レベルの低下を防ぐことができる。
〔請求項4の手段〕
防水シートの外部であっても下部に水が溜まってしまうと、溜まった水が風圧等の影響で防水シートの内部に浸入する可能性がある。
そこで、請求項4の手段の車両接近通報装置の超音波スピーカは、防水シートの外側の下部に水抜き穴を備える。
この水抜き穴を設けたことで、防水シートで反射して防水シートの下部に導かれた水が、水抜き穴を通って排出されるため、防水シートの外部の下部に水が溜まることがない。このため、防水シートの外部の下部に溜まった水が防水シートの内部に浸入する不具合を回避することができる。
〔請求項5の手段〕
請求項4の手段によって水抜き穴を設けると、路面で反射した雨水や、走行風で巻き上げた雨水が、水抜き穴の下方から、水抜き穴を通って防水シートに直撃し、直撃した水が防水シートの内部に浸入する可能性がある。
そこで、請求項5の手段の車両接近通報装置では、水抜き穴の下部に、水抜き穴の下端と隙間を隔てて水抜き穴の下端を覆うカバーを設けている。
これにより、水抜き穴の下方から、水抜き穴に向かう雨水がカバーによって遮られ、雨水が水抜き穴に到達しなくなる。このように、水抜き穴を通過して防水シートを直撃する雨水の発生を無くすことができる。
超音波スピーカの説明図である。 (a)車両用ホーンの構造説明用の概略断面図、(b)ルーバーの説明用の斜視図である。 車両用ホーンを自励により作動させた場合、および他励により作動させた場合の周波数特性を示すグラフである。 通報音の到達分布を示す説明図である。 車両接近通報装置の概略図である。 パラメトリックスピーカの原理説明図である。 圧電スピーカから防水シートまでの間隔L1を変化させた場合における音圧変化を示すグラフである。 圧電スピーカから防水シートまでの間隔L1を変化させた場合において防水シートを斜めに透過する超音波の説明図である。 防水シートから各羽板までの間隔L2を変化させた場合における音圧変化を示すグラフである。 水抜き穴の説明図である。 水抜き穴の下部に設けたカバーの説明図である。
図面を参照して実施形態を説明する。
車両接近通報装置は、通報音(単音、和音、音楽、音声、擬似エンジン音等)によって車両の存在を知らせるものであり、通報音を超音波変調してなる超音波を車外へ向けて放出するパラメトリックスピーカ1を備える。
このパラメトリックスピーカ1の超音波スピーカ2は、
超音波を放射する圧電スピーカ3(超音波振動子の一例)と、
この圧電スピーカ3の超音波放射側の開口部を覆う超音波透過性の防水シート4と、
防水シート4の外側に配置され、細長い板状を呈する複数の羽板5aを隙間を隔てて平行に配置したルーバー5とを備える。
そして、超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔をL1、
防水シート4から各羽板5aまでの間隔をL2、
nは奇数とした場合、
L1=L0×n/4±1/4
L2=L0×n/4±1/4
の関係を満足するように設けられるものである。
これにより、
(i)圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1は、圧電スピーカ3の放射する超音波に対して、防水シート4で反射して再び圧電スピーカ3に戻る反射波が、正相範囲となる距離範囲内に設定され、
(ii)防水シート4から各羽板5aまでの間隔L2は、防水シート4を透過した超音波に対して、各羽板5aの端部で反射して再び防水シート4に戻る反射波が、正相範囲となる距離範囲内に設定される。
以下において本発明が適用された具体的な一例(実施例)を、図面を参照して説明する。以下で説明する実施例は具体的な一例であって、本発明が実施例に限定されないことはいうまでもない。
なお、以下の実施例において、上記「発明を実施するための形態」と同一符号は同一機能物を示すものである。
[実施例1]
図1〜図10を参照して実施例1を説明する。
この実施例の車両Sは、電気自動車など車両走行音が静かな自動車であり、車両Sの走行状態に応じて、あるいはセンサによって歩行者を検出した際に、「超音波を用いたパラメトリックスピーカ1」と「ダイナミックスピーカとして作動させる車両用ホーン6」の両方から通報音を車外へ放出して、車両Sの存在を車両Sの周囲に知らせる車両接近通報装置を搭載する。
この車両接近通報装置は、
・車外へ向けて警報音(警笛音)を発生可能な電磁式の車両用ホーン6と、
・車外へ向けて超音波を放射可能な超音波スピーカ2と、
・車両用ホーン6および超音波スピーカ2の作動制御を行なう制御回路7と、
を備えて構成される。
(車両用ホーン6の説明)
この実施例の車両Sは、乗員によってホーンスイッチ(例えば、ステアリングのホーンボタン)が操作された際に警報音を発生する電磁式の車両用ホーン6(電磁式警音器)を搭載する。
この車両用ホーン6は、直流で閾値以上の自励電圧(例えば、8V以上の電圧:具体的にはバッテリ電圧)が与えられることによって警報音を発生するものであり、例えば、車両Sの前部等に装着されるものである。
車両用ホーン6の具体的な一例を、図2を参照して説明する。
車両用ホーン6は、ステー11を介して車両Sの前部(ラジエータの前など)に取り付けられるものであり、
・通電により磁力を発生するコイル12と、
・コイル12の発生磁力により磁気吸引力を発生する固定鉄心13(磁気吸引コア)と、
・振動板14(ダイヤフラム)の中心部に支持されて固定鉄心13に向かって移動可能に支持される可動鉄心15(可動コア)と、
・この可動鉄心15の移動に連動し、可動鉄心15が固定鉄心13に向かって移動することにより固定接点16から離れてコイル12の通電を遮断する可動接点17と、
を備える。
そして、車両用ホーン6の通電端子(コイル12の両端に接続される端子)に、直流で閾値以上の自励電圧(8V以上の電圧)が与えられることによって、
(i)コイル12の通電により可動鉄心15が固定鉄心13に磁気吸引されて、固定接点16から可動接点17が離れてコイル12の通電が停止する吸引動作と、
(ii)通電停止によって振動板14がリターンスプリングの作用を可動鉄心15に付与して可動鉄心15が初期位置へ戻り、固定接点16と可動接点17が接触してコイル12の通電が再開する復元動作と、
を連続して繰り返す。
即ち、固定接点16と可動接点17によって、コイル12に直流で閾値以上の自励電圧が与えられた際にコイル12の通電回路を断続する電流断続器18が構成される。
このように、コイル12の通電の断続(固定鉄心13の磁気吸引力の発生の断続)が発生することで可動鉄心15とともに振動板14が振動することで車両用ホーン6が警報音を発生する。
具体的に、車両用ホーン6は、所定周波数(例えば、500Hz)を基音とする警報音を発生するものであり、車両用ホーン6の発生する警報音(自励電圧が与えられた場合の作動音)の周波数特性を図3の実線Aに示す。
また、この実施例では、自励電圧より低い他励電圧(例えば、8V未満の電圧)の駆動信号を車両用ホーン6に与えることにより、車両用ホーン6をダイナミックスピーカとして用いるものである。
車両用ホーン6をダイナミックスピーカとして用いる場合における車両用ホーン6の周波数特性を図3の破線Bに示す。この破線Bは、車両用ホーン6に1Vのサイン波のスイープ信号(低周波数から高周波数への可変信号)を与えた場合における周波数特性である。
なお、この実施例における車両用ホーン6は、図2に示すように、振動板14の振動による警報音を増強させて車外へ放出する渦巻ホーン19(渦巻状のラッパ部材:渦巻状の音響管)を備えるものであるが、限定されるものではない。
(超音波スピーカ2の説明)
超音波スピーカ2は、発生する超音波を車両Sの前方に向けて放出するように、車両Sの例えば前部等に装着されるものであり、この実施例では、図1および図2(b)に示すように、渦巻ホーン19の側面(渦巻ホーン19において車両Sの正面に向く面)に取り付けられている。
超音波スピーカ2は、人間の可聴帯域よりも高い周波数(20kHz以上)の空気振動を発生させる超音波発生器である。
この実施例の超音波スピーカ2は、渦巻ホーン19の側面(車両Sの正面に向く面)に取り付けられる例えば樹脂製よりなる超音波スピーカハウジング21と、この超音波スピーカハウジング21の内側に搭載される複数の圧電スピーカ3とを備えて構成される。
各圧電スピーカ3は、超音波スピーカハウジング21の内部に配置される支持板22上において同一平面上に複数配置され、スピーカアレイとして搭載されるものである。なお、この実施例に用いられる圧電スピーカ3は、印加電圧(充放電)に応じて伸縮するピエゾ素子(圧電素子)と、このピエゾ素子の伸縮によって空気に振動を与える超音波振動板とを用いて構成される周知構造(例えば、非防水構造)のものである。
超音波スピーカハウジング21には、各圧電スピーカ3から放射される超音波を超音波スピーカハウジング21の外部(車両Sの前方)へ向けて放出する開口部(超音波放射口)が設けられている。なお、開口部は、車両前方に向けることに限定されるものではなく、車両前方とは異なる方向に向ける場合は、反射板等を用いて超音波の放射方向を任意の方向(車両前方等)へ向けても良い。
この開口部には、雨水が各圧電スピーカ3の搭載部位に浸入するのを阻止する防水手段が設けられている。
この防水手段の詳細は、後述する。
ここで、図4(a)においてパラメトリックスピーカ1による通報音の到達範囲αを示し、図4(b)において車両用ホーン6による通報音の到達範囲βを示す。なお、図4は、通報音の音圧が50dBの到達範囲を示すものである。
このように、この実施例の超音波スピーカ2は、超音波を車両Sの前方へ向けて放射するように設けられている。
また、車両用ホーン6は、車両Sを上から見て、通報音が車両用ホーン6の周囲に略均等に届くように設けられている。具体的な一例として、車両用ホーン6における渦巻ホーン19の開口が、車両Sの下方(路面に向く方向)に向けられて取り付けられるものである。なお、渦巻ホーン19の開口の方向は、下方に限定されるものではなく、車両下方とは異なる方向に向ける場合は、反射板等を用いて音波の放射方向を任意の方向(車両下方等)へ向けても良い。
(制御回路7の説明)
制御回路7は、図1に示すように制御基板上にマイコンチップ7aを搭載するものであり、例えば、図2(a)に示すように車両用ホーン6の内部(具体的には、ホーンハウジングの内部)に配置される。
この制御回路7は、図5に示すように、
(a)「通報音を成す信号」を発生させる通報音生成部23と、
(b)「通報音を成す信号」によって車両用ホーン6を駆動するホーン駆動アンプ24と、
(c)「通報音を成す信号」を超音波周波数に変調する超音波変調部25と、
(d)超音波変調された信号によって超音波スピーカ2を駆動する超音波駆動アンプ26と、
(e)これらの作動を制御する信号処理部27と、
を備える。
以下において、制御回路7に搭載される上記(a)〜(e)の手段を説明する。
(通報音生成部23の説明)
通報音生成部23は、予め保存した「通報音を成す信号(擬似エンジン音、単音、和音、合成音声など:可聴周波数の信号)」を、信号処理部27の指示により発生するものである。
(ホーン駆動アンプ24の説明)
ホーン駆動アンプ24は、車両用ホーン6をダイナミックスピーカとして作動させるためのパワーアンプであり、通報音生成部23の出力する「通報音を成す信号」を増幅して、車両用ホーン6の通電端子に付与するものである。
なお、ホーン駆動アンプ24の最大出力は、8V未満(他励電圧)に制限されており、通報音を発生させるための電圧出力によって車両用ホーン6が警報音を発生しないように設けられている。
(超音波変調部25の説明)
超音波変調部25は、通報音生成部23の出力(通報音を成す信号)を、超音波変調するものである。
超音波変調部25の具体的な一例として、この実施例では、「通報音を成す信号」を所定の「超音波周波数(例えば、40kHz等)における振幅変化(電圧の増減変化)」に変調するAM変調(振幅変調)を用いるものである。
超音波変調部25による超音波変調の具体例を、図6を参照して説明する。
例えば、超音波変調部25に入力された「通報音を成す信号」が、図6(a)に示す電圧変化であるとする(なお、図中では理解補助のために単一周波数の波形を示すが、限定されるものではない)。
一方、制御回路7の搭載する超音波発振器は、図6(b)に示す超音波周波数で発振するものとする。
すると、超音波変調部25は、図6(c)に示すように、
(i)「通報音を成す信号」を成す周波数の信号電圧が大きくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を大きくし、
(ii)「通報音を成す信号」を成す周波数の信号電圧が小さくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を小さくする。
このようにして、超音波変調部25は、通報音生成部23から出力された「通報音を成す信号」を超音波周波数の「発振電圧の振幅変化」に変調するものである。
なお、超音波変調部25は上述したAM変調に限定されるものではなく、「通報音を成す信号」を所定の「超音波周波数におけるパルス幅変化(パルスの発生時間幅)」に変調するPWM変調(パルス幅変調)など、他の超音波変調技術を用いても良い。
(超音波駆動アンプ26の説明)
超音波駆動アンプ26は、超音波変調部25で変調された超音波信号に基づいて各圧電スピーカ3を駆動するものであり、各圧電スピーカ3の印加電圧(充放電状態)を制御することで、各圧電スピーカ3から「通報音を成す信号」を変調した超音波を発生させるものである。
超音波駆動アンプ26の具体的な一例を示すと、この実施例の超音波駆動アンプ26は、プッシュプルのアナログアンプ(例えば、B級アンプ)であり、超音波変調部25から出力された超音波信号の電圧の増減を増幅して各圧電スピーカ3に印加するものである。
(信号処理部27の説明)
信号処理部27は、例えば車両Sに搭載されるECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)から通報音作動信号(作動指示信号)が与えられることで通報音を発生させるものである。
具体的に、ECUが通報音作動信号を発生する一例を説明すると、
(i)車両Sの運転状態が所定の運転状態の時(通報音の発生が要求される走行状態の時:例えば、車速20km/h以下の車両走行時など)に、通報音作動信号を信号処理部27に与える、
(ii)あるいは、車両Sの走行中で、車両Sの走行方向に人の存在が「人の認知システム(図示しない)」によって確認された場合に、通報音作動信号を信号処理部27に与えるものである。
そして、信号処理部27は、ECUから通報音作動信号が与えられることで、
(i)パラメトリックスピーカ1を作動させて、超音波スピーカ2から「通報音」を発生させるとともに、
(ii)車両用ホーン6をダイナミックスピーカとして作動させて、車両用ホーン6からも通報音を発生させるものである。
(車両接近通報装置の作動)
ECU等から信号処理部27に通報音作動信号が与えられると、信号処理部27の制御により、超音波スピーカ2は、図6(c)に示すように、「通報音を成す信号」を変調した超音波(聞こえない音波)を車両Sの前方へ向けて放射する。
すると、図6(d)に示すように、空気中を超音波が伝播するにつれて、空気の粘性等によって波長の短い超音波が歪んで鈍(なま)される。
その結果、図6(e)に示すように、伝播途中の空気中において超音波に含まれていた振幅成分が自己復調され、結果的に超音波の発生源(超音波スピーカ2を搭載する車両S)から離れた場所で「通報音」が車両Sの前方において再生される。
一方、ECU等から信号処理部27に通報音作動信号が与えられると、信号処理部27の制御により、車両用ホーン6は「通報音を成す信号」を増幅して発生する。その結果、車両Sの周囲に「通報音」が発生する。
(放水手段の説明)
超音波スピーカハウジング21の開口部(超音波放射口)には、上述したように、雨水が各圧電スピーカ3の搭載部位に浸入するのを阻止する防水手段が設けられている。
この防水手段は、
(i)各圧電スピーカ3の超音波放射側の開口部を覆う超音波透過性の防水シート4と、
(ii)防水シート4の外側(前面)に配置され、細長い板状を呈する複数の羽板5aを隙間を隔てて平行に配置したルーバー5とを備える。
なお、図2(a)では防水シート4およびルーバー5が省略されているが、実際は図1に示すように圧電スピーカ3の前面に防水シート4とルーバー5が配置されるものである。
(実施例1の特徴技術1)
防水シート4は、超音波スピーカハウジング21における開口部の全面を覆うものであり、防水性に優れ、且つ超音波の透過性に優れた音響用シートであり、「通気性(空気が移動できる性質)」を有し、且つ「防水性(水を通さない性質)」を有する布状もしくは膜状を呈する。
防水シート4の具体的な一例を示すと、防水シート4は通気性を備えるとともに溌水性を備えるフェルト布(不織布)であり、例えば溌水繊維によって設けられたフェルト布、あるいは溌水加工が施されたフェルト布によって設けられ、フェルト布の密度や厚みによって防水性能が決定されている。
なお、この実施例で示すフェルト布は、防水シート4の一例であって、限定されるものではなく、例えば、防水加工の施された織布や、ゴアテックス(登録商標)など、防水性を備え、且つ超音波透過性を備える他のシート部材を用いても良い。
(圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1の決定要素1)
防水シート4は、支持板22上に支持された各圧電スピーカ3の前面(各超音波振動板)に対して平行に配置されるものである。
ここで、超音波スピーカ2から所定の超音波周波数で所定の音圧レベルの超音波を発生させた状態で、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1を変化させると、図7に示すように、間隔L1に応じて防水シート4を透過した超音波の音圧レベルが上下する。
なお、図7の間隔L1=0における音圧レベルは、防水シート4を無くした状態での音圧レベルを示すものである。
この音圧レベルの上下変化は、防水シート4において少量の超音波が反射する影響によるものであり、
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔をL1とした場合、
L0×1/2やL0など、
L1=L0×n/2
の関係(但し、nは整数)において、圧電スピーカ3の放射する超音波に対して、防水シート4で反射して再び圧電スピーカ3に戻る反射波が逆相になり、超音波スピーカ2の発生する超音波の音圧レベルが下がることを見出した。
そこで、この実施例の超音波スピーカ2は、
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔をL1、
nは奇数とした場合、
L1=L0×n/4±1/4
の関係を満足するように設けられる。
これにより、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1は、圧電スピーカ3の放射する超音波に対して、防水シート4で反射して再び圧電スピーカ3に戻る反射波が、正相範囲となる距離範囲内に設定される。
具体的に、超音波変調に用いる超音波周波数(例えば、40kHz)の一波長の長さL0が約4mmであるとする。
その場合、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1は、
L1=4mm×n/4
の関係(但し、nは奇数)を満足する1mm、3mm、5mm、7mm(即ち、図7において音圧低下が抑えられる間隔L1)から選択されるものである。
(圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1の決定要素2)
圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1が小さい状態では、図8(a)に示すように、防水シート4を斜めに透過する超音波が減り、超音波が防水シート4を斜めに透過することで生じる音圧レベルの低下を防ぐことができる。
しかるに、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1が大きい状態では、図8(b)に示すように、防水シート4を斜めに透過する超音波が増え、超音波が防水シート4を斜めに透過することで生じる音圧レベルの低下が大きくなる。
このため、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1は、短いことが望ましい。
(圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1の決定要素3)
防水シート4は、車両走行風を受けることで各圧電素子側へ撓むことが考えられる。雨天走行時など、雨水で濡れた状態の防水シート4が圧電スピーカ3に接触するのを避ける要求がある。
そこで、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1は、車両走行時の風圧で防水シート4が変形しても防水シート4が圧電スピーカ3に到達しない距離に設定される。
具体的に、車両接近通報装置が搭載される車両Sの予測最高速度における防水シート4の撓み量が2mmとすると、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1は、2mm以上であることが望ましい。
(圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1の決定)
上記決定要素1〜3から、この実施例では、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1は3mmに設定されるものである。
(実施例1の効果1)
この実施例の車両接近通報装置は、上述したように、
L1=L0×n/4
の関係(但し、nは奇数)を満足することにより、圧電スピーカ3の放射する超音波に対して、防水シート4で反射して再び圧電スピーカ3に戻る反射波が、正相範囲に設定されるため、反射波の逆相によって超音波の音圧レベルが下がる不具合を回避することができる。
このように、反射波の逆相による音圧レベルの低下を防ぐことができるため、
(i)超音波駆動アンプ26の消費電力を抑えるとともに、
(ii)超音波スピーカ2に搭載される圧電スピーカ3の数量を抑えて車両搭載性を向上させることができる。
また、この実施例の車両接近通報装置は、上述したように、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1が、車両走行時の風圧で防水シート4が変形しても防水シート4が圧電スピーカ3に到達しない距離範囲において最短に設定される。
このように、圧電スピーカ3から防水シート4までの間隔L1が最短に設定されることで、防水シート4を斜めに透過する超音波が減り、超音波が防水シート4を斜めに透過することで生じる音圧レベルの低下を防ぐことができる。
さらに、車両走行風の風圧で防水シート4が変形しても、防水シート4が圧電スピーカ3に到達しないため、防水シート4が圧電スピーカ3に触れることで生じる音圧レベルの低下を防ぐことができる。
あるいは、雨天走行時など防水シート4が濡れた状態であっても、防水シート4が圧電スピーカ3に触れないため、濡れた防水シート4が圧電スピーカ3に触れる不具合を回避することができる。
(実施例1の特徴技術2)
ルーバー5は、防水シート4の前面に配置されて、雨水が防水シート4に到達するのを極力減らすことを目的とするとともに、雨水が防水シート4を直撃するのを防ぐことを目的として配置されるものであり、細長い板状の羽板5aを隙間を隔てて平行に配置した鎧戸(ガラリ)である。
ここでルーバー5は、圧電スピーカ3が放射する超音波の直進性を損なわないように設けられている。具体的に、ルーバー5を構成する各羽板5aは、車両水平方向に対して45°傾斜して設けられている。これにより、各圧電スピーカ3から放射された超音波は、羽板5aの内面で下方に向きを変え、その下方の羽板5aの外面で再び車両Sの正面に向きを変えて、結果的に車両Sの進行方向へ超音波が放射されるように設けられている。
ルーバー5(具体的に、各羽板5aにおける防水シート4に近い側の端部)は、防水シート4の前面に対して平行に配置されるものである。
ここで、超音波スピーカ2から所定の超音波周波数で所定の音圧レベルの超音波を発生させた状態で、防水シート4から各羽板5aまでの間隔L2を変化させると、図9に示すように、間隔L2に応じてルーバー5を通過した超音波の音圧レベルが上下する。
なお、図9の間隔L2=0における音圧レベルは、ルーバー5を無くした状態での音圧レベルを示すものである。
この音圧レベルの上下変化は、各羽板5aの端部において少量の超音波が防水シート4側に反射する影響によるものであり、
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
防水シート4から各羽板5aまでの間隔をL2とした場合、
L0×1/2やL0など、
L2=L0×n/2
の関係(但し、nは整数)において、圧電スピーカ3の放射する超音波に対して、防水シート4で反射して再び圧電スピーカ3に戻る反射波が逆相になり、超音波スピーカ2の発生する超音波の音圧レベルが下がることを見出した。
そこで、この実施例の超音波スピーカ2は、
超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
防水シート4から各羽板5aまでの間隔をL2とした場合、
nは奇数とした場合、
L2=L0×n/4±1/4
の関係を満足するように設けられる。
これにより、防水シート4から各羽板5aまでの間隔L2は、防水シート4を透過した超音波に対して、各羽板5aの端部で反射して再び防水シート4に戻る反射波が、正相範囲となる距離範囲内に設定される。
具体的に、超音波変調に用いる超音波周波数(例えば、40kHz)の一波長の長さL0が約4mmであるとする。
その場合、防水シート4から各羽板5aまでの間隔L2は、
L2=4mm×n/4
の関係(但し、nは奇数)を満足する1mm、3mm、5mm、7mm(即ち、図9において音圧低下が抑えられる間隔L2)から選択されるものである。
(実施例1の効果2)
この実施例の車両接近通報装置は、上述したように、
L2=L0×n/4
の関係(但し、nは奇数)を満足することにより、防水シート4を透過した超音波に対して、各羽板5aの端部で反射して再び防水シート4に戻る反射波が、正相範囲に設定されるため、反射波の逆相によって超音波の音圧レベルが下がる不具合を回避することができる。
このように、上述した実施例1の効果1と同様、反射波の逆相による音圧レベルの低下を防ぐことができるため、
(i)超音波駆動アンプ26の消費電力を抑えるとともに、
(ii)超音波スピーカ2に搭載される圧電スピーカ3の数量を抑えて車両搭載性を向上させることができる。
(実施例1の特徴技術3)
この実施例の超音波スピーカ2は、図10に示すように、防水シート4の外側の下部に水抜き穴30を備えるものである。この水抜き穴30は、超音波スピーカハウジング21における開口部の下縁に設けられた上下方向の貫通穴であり、防水シート4で反射して防水シート4の下部に導かれた水が、水抜き穴30を通って下方へ排出される。
この水抜き穴30を設けたことにより、防水シート4の外部の下部に水が溜まることがないため、防水シート4の外部の下部に溜まった水が防水シート4の内部に浸入する不具合を回避することができる。
[実施例2]
図11を参照して実施例2を説明する。なお、この実施例2において上記実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
この実施例2は、実施例1で開示した水抜き穴30の下部に、水抜き穴30の下端と隙間を隔てて水抜き穴30の下端を覆うカバー31を設けたものである。
このカバー31は、水の反射板であり、この実施例では超音波スピーカハウジング21に対して着脱可能なものである。
具体的な一例を開示すると、超音波スピーカハウジング21には、カバー31を差し入れる差し込み部が設けられるとともに、この差し込み部には弾性変形可能な爪が設けられている。一方、カバー31には、差し込み部に設けられた爪に係合する係合部が形成されている。そして、カバー31を差し込み部に差し入れて、爪が係合部に係合することで、カバー31が超音波スピーカハウジング21に組み付けられるものである。
なお、カバー31は、着脱可能である必要はなく、超音波スピーカハウジング21にネジ等の締結具で固定されるものや、超音波スピーカハウジング21と一体に設けられるものであっても良い。
この実施例2では、図11に示すように、水抜き穴30の下部にカバー31を配置したことで、水抜き穴30の下方から水抜き穴30に向かう雨水がカバー31によって遮られるため、雨水が下方から水抜き穴30に到達しなくなる。
これにより、水抜き穴30を通過して防水シート4を直撃する雨水の発生を無くすことができ、雨水が防水シート4を直撃することによって、雨水が防水シート4の内側に浸水する不具合を回避することができる。
上記の実施例では、車両用ホーン6の一例として渦巻ホーン19(ラッパ部材)を用いる例を示したが、渦巻ホーン19を搭載しない車両用ホーン6{例えば、振動板14を振動させ、固定鉄心13に衝突させ、その衝撃力で共振板(ディスク)を共振させ、その共振音によって増強された警報音を発生させる平型(ディスク)ホーン}であっても良い。
上記の実施例では、パラメトリックスピーカ1にダイナミックスピーカ(実施例では車両用ホーン6)を併用した車両接近通報装置に本発明を適用する例を示したが、パラメトリックスピーカ1のみにより通報音を発生させる車両接近通報装置、ならびに、ダイナミックスピーカ(実施例では車両用ホーン6)のみにより通報音を発生させる車両接近通報装置に本発明を適用しても良い。
1 パラメトリックスピーカ
2 超音波スピーカ
3 圧電スピーカ(超音波振動子)
4 防水シート
5 ルーバー
5a 羽板
30 水抜き穴
31 カバー
S 車両
L1 超音波振動子から防水シートまでの間隔
L2 防水シートから各羽板までの間隔

Claims (5)

  1. 通報音によって車両の存在を知らせる車両接近通報装置において、
    この車両接近通報装置は、通報音を超音波変調してなる超音波を車外へ向けて放出するパラメトリックスピーカ(1)を備え、
    このパラメトリックスピーカ(1)において車外へ向けて超音波を放射する超音波スピーカ(2)は、超音波を放射する超音波振動子(3)と、この超音波振動子(3)の超音波放射側の開口部を覆う超音波透過性を有する防水シート(4)とを備え、
    超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
    前記超音波振動子(3)から前記防水シート(4)までの間隔をL1、
    nは奇数とした場合、
    L1=L0×n/4±1/4
    の関係に設けられることを特徴とする車両接近通報装置。
  2. 請求項1に記載の車両接近通報装置において、
    前記超音波スピーカ(2)は、前記防水シート(4)の外側に、細長い板状を呈する複数の羽板(5a)を隙間を隔てて平行に配置したルーバー(5)を備え、
    超音波変調に用いる超音波周波数の一波長の長さをL0、
    前記防水シート(4)から前記羽板(5a)までの間隔をL2、
    nは奇数とした場合、
    L2=L0×n/4±1/4
    の関係に設けられることを特徴とする車両接近通報装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両接近通報装置において、
    前記超音波振動子(3)から前記防水シート(4)までの間隔L1は、
    車両走行時の風圧で前記防水シート(4)が変形しても、前記防水シート(4)が前記超音波振動子(3)に到達しない距離範囲において、最短に設定されることを特徴とする車両接近通報装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両接近通報装置において、
    前記超音波スピーカ(2)は、前記防水シート(4)の外側の下部に水抜き穴(30)を備えることを特徴とする車両接近通報装置。
  5. 請求項4に記載の車両接近通報装置において、
    前記水抜き穴(30)の下部には、前記水抜き穴(30)の下端と隙間を隔てて前記水抜き穴(30)の下端を覆うカバー(31)が設けられることを特徴とする車両接近通報装置。
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