JP2012148502A - 耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼 - Google Patents

耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼を提供する。
【解決手段】Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される孔食指数PIが35.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼。前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定される圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)が1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)が1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cが、0.5〜2.0の範囲である。
【選択図】なし

Description

本発明は、海洋構造物や熱交換器に代表される各種用途で使用される耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼に関するものである。
近年、高効率化の観点からプラント操業が高温・高圧化する傾向にあり、化学プラントの設計においては強度を確保するため、より板厚が厚い鋼板を使用する割合が増加する傾向にある。さらに、産業設備と構造物のニーズとしては耐久性と長寿命化およびメンテナンスフリーが指向されており、ステンレス鋼はこれらのニーズに適合した材料として注目を集めている。一方で、ステンレス鋼の主原料であるNiやMo、Crに代表される合金元素は、価格の高騰や価格の上下動がある。そのため、ステンレス鋼に代わり、ステンレス鋼の優れた防錆性能をより経済的に利用でき、価格が安定しかつ安価な鋼材としてステンレスクラッド鋼が、最近、注目されている。
ステンレスクラッド鋼とは合わせ材にステンレス鋼、母材に普通鋼材と、二種類の性質の異なる金属を張り合わせた鋼材である。クラッド鋼は、異種金属を金属学的に接合させたもので、めっきとは異なり剥離する心配がなく単一金属および合金では達し得ない新たな特性を持たせることができる。
ステンレスクラッド鋼は、使用環境毎の目的に合った防錆能を確保するため、使用環境毎に合わせ材であるステンレス鋼の種類を選択し、無垢材(全厚ステンレス鋼)と同等の防錆能を確保している。
このように、ステンレスクラッド鋼は、ステンレス鋼材の使用量が少なくてすみ、かつ、無垢材(全厚ステンレス鋼)と同等の防錆能を確保できるため、経済性と機能性が両立できる利点を有する。
以上から、ステンレスクラッド鋼は非常に有益な機能性鋼材であると考えられており、近年そのニーズが各種産業分野で益々高まっている。
このようなステンレスクラッド鋼を海洋構造物や海水と接する環境で使用される熱交換器、造船等に代表される各種用途で使用する場合には、上記防錆能に加え、厳しい海水腐食環境下で使用されるため、耐海水孔食性が要求される。ステンレス鋼の不動態皮膜は塩化物イオンにより破壊されやすくなり、その腐食形態は孔食腐食(Pitting Corrosion)の形態をとる。そこで硫酸やふっ酸などに代表される酸中での腐食形態が全面腐食を呈するのに対し、海水中では局部腐食の起点となる耐孔食性が重要な指標となる。
耐海水孔食性を改善する技術として、特許文献1には、固溶化熱処理条件と母材炭素鋼の成分を規定し、耐海水性に優れたステンレス鋼を合わせ材とし炭素鋼を母材としたステンレスクラッド鋼管を製造する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1では、ステンレスクラッド鋼管の用途(例えば、海洋構造物や熱交換器等)毎に求められる耐食性および耐海水孔食性を確保するため、合わせ材として使用するステンレス鋼を用途毎に選択しなければならない。すなわちステンレス鋼の成分のみで調整する方法が示されているに過ぎず、ステンレスクラッド鋼の場合、接合界面の健全性と信頼性向上や母材と合わせ材の性能を同時に維持することを高級鋼材や多様な品種すべてに対応することは難しい。
特許文献2には、優れた耐孔食性を有する耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼及び海水用ポンプを提供する技術が開示されている。特許文献2では、課題を解決するために重量で、C:0.08wt% 以下、Si:0.5〜1.5wt%、Mn:0.5〜2wt% 、P:0.04wt%以下、S:0.01wt%以下、Ni:8.0〜9.5wt%、Cr:18〜21wt%を含むオーステナイト系ステンレス鋳鋼について、δフェライト相を6vol% 以上にするか、あるいは、清浄度を0.1% 以下にすることにより達成される成分が開示されている。しかしながら、特許文献2では鋼の成分および第二相の析出量を所定範囲に規定しているに過ぎず表面性状に関しては十分な技術が開示されていない。また、鋳鋼のため強度などの点で不利なものであり、さらにそのままではクラッド鋼の原料とはなりえない。
特許第4179133号公報 特許第3336820号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼を提供することを目的とする。
課題を解決するために、同一成分(鋼組成)および同一履歴で圧延から熱処理まで完了した複数のステンレスクラッド鋼に対して種々な鏡面仕上げ処理を施し、表面性状の詳細な検討を行った。
そして、表面粗さ、介在物、ステンレス鋼の耐食性(耐孔食性)を左右する不動態皮膜の強さCr/Fe比などに着目して検討を行ったところ、孔食指数PIが35.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼であって、前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定される圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)を1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)を1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cを0.5〜2.0の範囲とすることで、耐海水孔食性が改善することを見出した。さらには、前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数を2.5×105個/mm2以下、不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比を1.2以上とすることで、より一層耐海水孔食性が向上することも見出した。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]孔食指数PIが35.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼であって、前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定される圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)が1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)が1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cが、0.5〜2.0の範囲であることを特徴とする耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼。
なお、孔食指数PIとは、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される指数である。
[2]前記[1]において、前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105個/mm2以下であることを特徴とする耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼。
[3]前記[1]または[2]において、前記ステンレスクラッド鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上であることを特徴とするの耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼。
なお、耐海水孔食性に優れたとは、後述する耐海水孔食性の指標であるCPT(臨界孔食発生温度)が40℃以上、CCT(臨界隙間腐食発生温度)が20℃以上である。
本発明によれば、耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼が得られる。
海洋構造物や熱交換器に代表される、耐海水孔食性が要求される用途で、好適に用いることができる。
不動態皮膜とステンレス母相のCr濃度(at%)、Fe濃度(at%)の測定例を示す図である。
本発明のステンレスクラッド鋼は、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される孔食指数PIが35.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼であって、前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定される圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)が1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)が1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cが、0.5〜2.0の範囲である。さらに、前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105個/mm2以下であることが好ましい。また、前記ステンレスクラッド鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上であることが好ましい。
そして、上記のように表面性状を制御することにより、耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼が得られることになる。なお、本発明のステンレスクラッド鋼としては、熱延鋼板、熱延処理後に焼きならし熱処理を施した鋼板、いずれも含まれ、同様な効果が得られる。
また、機械的な処理に加え化学的な処理を組み合わせることで表面性状を制御し表面の特性を所定の範囲にすることができる。機械的な処理としては、通常のベルト研磨、砥石研磨などが挙げられ、これらの既存の各種表面研磨手法を組み合わせて行うことができる。これらを組み合わせることで表面の粗さを低く抑えることができる。また、表面の介在物除去と不動態皮膜強化の観点から、化学的な処理を行うことが好ましい。化学的な処理方法としては特に限定はしないが、硝酸やふっ硝酸、硫酸、塩酸中における酸洗処理またはこれら酸溶液中または中性塩溶液における電解処理(例えば、ルスナー法:20質量%硫酸ナトリウム溶液や硝酸ナトリウム)が好ましい。
合わせ材:Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される孔食指数PIが35.0以上であるステンレス鋼
海洋構造物や熱交換器にステンレス鋼を無塗装で使用するためには、海水環境において十分な耐孔食性、すなわち、耐海水孔食性を有する必要がある。PIが35.0未満のステンレス鋼では海水中で孔食を生じ、本発明の特徴である表面の粗さを制御したとしてもJIS G 0578準拠のCPT(臨界孔食発生温度):40℃以上、CCT(臨界隙間腐食発生温度):20℃以上の特性を達成することができず、十分な耐海水孔食性が得られない。よって、本発明において、PIは35.0以上とする。好ましくは40.0以上である。
JIS B 0601−2001に準拠して測定される圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)が1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)が1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cが、0.5〜2.0の範囲
表面の粗さはステンレスクラッド鋼の耐海水孔食性に大きな影響を及ぼす。表面の凹凸が大きい場合、海水浸漬中、海塩粒子やふじつぼなどをはじめとする付着物がステンレスクラッド鋼の表面につきやすくなり、隙間を形成しやすくなる。加えて、表面積が広がることで粒界や粒内に存在する可溶性析出部が多く表面に現れ、孔食の起点となる脆弱部が多くなる。また、粗さに異方性がある場合、方向によって表面の性状が異なることになる。さらに特定な方向に付着物が着きやすくなりクラッド鋼を使用する時に鋼板方向を気にして適用しなくてはいけないという実使用上の問題がある。
そこで、上記を考慮し、耐海水孔食性の向上と付着物排除の点で検討したところ、表面粗さとしてJIS B 0601−2001に準拠して測定される粗さRzJISを用い、圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)を1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)を1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cを、0.5〜2.0の範囲とすることで、海水に浸漬した時にステンレスクラッド鋼表面に付着物がつきにくくなり、耐海水孔食性が向上することがわかった。以上より、圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)は1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)は1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cは0.5〜2.0の範囲とする。好ましくは、圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)が0.7μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)が0.7μm以下、平均L/Cが0.7〜1.5の範囲がよい。一方で、表面の粗さは小さいほうが好ましいが、ステンレスクラッド鋼の研磨には非常に負荷がかかるため、平均粗さRzJIS(L)および平均粗さRzJIS(C)の下限は0.1μmが好ましい。また、圧延方向と垂直方向で完全に粗さを揃えることも工業的には非常に負荷がかかるため平均L/Cの範囲は0.9以下もしくは1.1以上がさらに好ましい。
ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105個/mm2以下(好適条件)
海洋構造物や熱交換器に代表される用途で使用されるステンレスクラッド鋼の場合は、主に耐海水孔食性が要求される。検討したところ、ステンレスクラッド鋼表面に析出する介在物の存在は、耐海水孔食性に関与していることがわかった。さらに、ステンレスクラッド鋼表面に析出する介在物としては、酸化物、炭化物、窒化物、硫化物等があげられるが、この中でも、特に粗大な硫化物(例えば、FeS、Fe2S、MnS、CuS、Cu2S、CdS、SnS、NiS、ZnSなど)の存在は、耐海水孔食性の低下に大きく関与していることがわかった。以上の検討の結果から、本発明においては、硫化物系介在物を制御し、その個数を2.5×105 個/mm2以下とすることが好ましい。なお、硫化物系介在物とは、FeS、Fe2S、MnS、CuS、Cu2S、CdS、SnS、NiS、ZnSなどである。硫化物系介在物の個数に関しては少ないほうが孔食の発生確率が低減するため、少ないほうが良い。ただし、実際にはすべての硫化物系介在物を除去することは実製造上困難になるため1.0×102 個/mm2以上が好ましい。
なお、個々の介在物をエネルギー分散型X線分析装置を用いて元素分析を行い、組成を調べることにより、硫化物系析出物であるがどうか、同定できる。ただし、硫化物系介在物のサイズが1.0μmΦ未満であれば硫化物系介在物が海水などに接触して溶解し孔食が発生しても、その進行が止まってしまう確率が高いので、同定時にカウントする介在物は1.0μmΦ以上のサイズに限定する。
ステンレスクラッド鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上(好適条件)
不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)は、不動態皮膜の耐孔食性改善に非常に重要な要因となる。基本的には、不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比(以下、Cr/Fe濃度比と略す)が高いほど表層に耐孔食性に優れた安定な不動態皮膜が形成されていることになり、耐食性の観点からCr/Fe濃度比は高いほうが良い。検討したところ、大気暴露試験や促進腐食試験によって耐食性(耐孔食性)の向上効果が明瞭に現れるにはCr/Fe濃度比が1.2以上であることがわかった。この知見を基に、Cr/Fe濃度比は好ましくは1.2以上とする。より好ましくは1.5以上である。
一方で、Cr/Fe濃度比を大きく上げようとすると酸浸漬や酸洗、電解処理が必要となる。ステンレスクラッド鋼板は普通鋼とステンレス鋼の合わせ鋼板であるため、所定の溶液中に浸漬し処理する場合に普通鋼が溶解しないように配慮する必要があり、無垢材(ステンレス鋼)以上に表層のCr濃縮割合を改善するには負荷がかかる。このように、過度なCr/Fe濃度比向上には設備的な負荷がかかるため、Cr/Fe濃度比は100以下が好ましい。
なお、メカニカルな研磨のみではCr/Fe濃度比向上が十分でない場合もある。そのため、何らかの化学的な表面制御手法と組み合わせることが重要となる。
また、本発明において、Cr/Fe濃度比は、例えば、深さ方向にスパッタしながら元素の濃度プロファイル(at%)を測定し、各元素(Fe、Crなど)濃度プロファイルからFeとCrの原子比、Cr/Fe濃度比を求めることができる。この場合、図1に示すように、Cr、Feの濃度プロファイルの値(at%)がほぼ一定値になった領域を母相と仮定し、それよりスパッタ時間の短い領域を不動態皮膜部と定義する。不動態皮膜部では最もCr/Feが高い値を示した部位での値を不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)とする。
なお、本発明のステンレスクラッド鋼の母材としては、炭素鋼や低合金鋼を用いることができる。そして、本発明のステンレスクラッド鋼は、この母材の片面または両面に合わせ材としてステンレス鋼がクラッドされたものであり、母材と合わせ材とをクラッドにする製造方法については特に限定しない。熱間圧延法、爆着圧延法、拡散接合法、鋳包み法などを用いることができる。
また、700℃〜1000℃の温度で、1分から2時間保持の焼きなまし処理を行うこともできる。ステンレスクラッド鋼の合わせ材に使用するステンレス鋼に含有されるCrやMo含有量が多い場合、例えばCr含有量18質量%以上でMoを2質量%以上含有するような高合金鋼の場合、σ(シグマ)相やΧ(カイ)相、さらにM23C6、M6C(MはFe、Crが主成分)などが生成し、有効なCrが低下し鋭敏化により著しい耐食性低下を引き起こすことがある。このような場合に、本発明の表面が制御されたステンレスクラッド鋼は有効であり、脱Cr層の除去、鋭敏化部の健全化に寄与することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
表1に示す成分組成からなるオーステナイト系ステンレス鋼とSS400成分系の普通鋼(以下、普通鋼と略す)溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法により鋼素材(スラブ)とした。次いで、得られた鋼素材を、通常用いられる条件で、熱間圧延、熱延板焼鈍(例えば箱焼鈍)、酸洗と順次処理して熱延板とし、さらに、冷延、仕上げ焼鈍(例えば連続焼鈍)し、冷延焼鈍板とした。得られた冷延焼鈍板をクラッドの合わせ材(オーステナイト系ステンレス鋼)および母材(普通鋼)として、表2に示す製造条件でステンレスクラッド鋼を製造した。
すなわち、表1に示す合わせ材(オーステナイト系ステンレス鋼、板厚20mm)と母材(普通鋼:SS400相当、板厚73mm)を、幅1890mm、長さ2060mmに組み立てスラブ寸法とし、スラブ加熱温度(℃):1250℃、圧延終了温度(℃):1000℃、水冷開始温度(℃):950℃、水冷終了温度(℃):650℃、冷却速度(℃/s):3.0℃/sの条件で、ステンレスクラッド鋼(合わせ材:板厚3mm、母材:板厚11mm、幅2500mm、長さ8000mm)を製造した。さらに、ステンレスクラッド鋼の一部に対して、表3に示すように、950℃、10分または2時間の焼ならし熱処理を行った。
上記により得られたステンレスクラッド鋼に対して、ステンレス鋼の表面を表4に示す粗さ形状になるようにベルト研磨を行なった。具体的には、長手方向に対し多パスのベルト研磨を行なった後、長手垂直方向に対し多パスのベルト研磨を行なった。長手方向研摩の際には、JIS R6256:2006で規定するところの研磨ベルトP60〜P400であるものを用い、長手垂直方向研摩の際には、研磨ベルトP120〜P800であるものを用いた。
次に、硝酸水溶液を1L/分で所定時間ステンレスクラッド鋼のステンレス鋼の表面に噴霧し、その後水洗し、不動態化処理を行った。この際、表4に示すような不動態皮膜になるように、噴霧時間は5秒〜10分、硝酸水溶液濃度は5〜35質量%の範囲で調整しサンプルを作製した。
以上により得られたステンレスクラッド鋼に対して、平均粗さRzJIS、硫化物系介在物の数、Cr/Fe濃度比、CPT(臨界孔食発生温度)、CCT(臨界隙間腐食発生温度)を測定し、耐海水孔食性を評価した。以上より得られた結果を表4に示す。平均粗さRzJIS、硫化物系介在物の数、Cr/Fe濃度比、CPT(臨界孔食発生温度)、CCT(臨界隙間腐食発生温度)の測定方法は下記の通りである。
平均粗さRzJIS
JIS B 601-2001に準拠し、同一位置で圧延方向(L)と圧延方向に対して垂直方向(C)の2方向に対して測定長さ10mmで表面粗さRzJISを測定した。これを5箇所で行い、圧延方向(L)と垂直方向(C)の各々の平均を求め、圧延方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)を求めた。また、各測定箇所での圧延方向(L)と垂直方向(C)の平均粗さRzJISの比(L/C)を算出し、5箇所のL/Cの算術平均(平均L/C)を求めた。
硫化物系介在物の数
EPMAでステンレスクラッド鋼の表面100μm×100μmを分析し、S量のマッピングを利用して得られた像を画像処理することで、円相当径を算出し、1.0μmΦ以上の硫化物の個数を計測した。なお、測定面積100μm×100μmの視野を各20視野測定しその平均値として求めた。上記したようにサイズが1.0μmΦ未満の硫化物は介在物が溶解しても孔食の進行が止まってしまう傾向にある(いわゆる再不動態化性ピット)ので、1.0μmΦ以上の硫化物をカウントした。
Cr/Fe濃度比
AES(装置名:PHISICAL ELECTONICS社製 PHI MODEL 660、加速電圧 : 5kV、試料電流量 :0.2μA、測定領域 :5μm×5μm)を用いて深さ方向にスパッタしながら測定した各元素(Fe、Cr)プロファイルからその原子比を求めた。なお、図1に示すように、Cr、Feの値がほぼ一定値になった領域を母相とし、それよりスパッタ時間の短い領域を不動態皮膜部と定義した。不動態皮膜部では最もCr/Feが高い値を示した部位での値をCr/Fe濃度とし、母相のCr/Fe濃度と比較した。
CPT(臨界孔食発生温度)、CCT(臨界隙間腐食発生温度)
耐海水孔食性の指標として、ASTMに規定されるCPT試験(臨界孔食発生温度測定試験)およびCCT試験(臨界隙間腐食発生温度測定試験)により、臨界孔食発生温度および臨界隙間腐食発生温度を求めた。
耐海水孔食性の指標であるCPT試験(臨界孔食発生温度測定試験)は:ASTMG48(method C)に準拠し、6質量%FeCl3 + 1質量%HCl溶液中、5℃間隔で浸漬試験を行った。試験サイズは幅20mm×長さ50mm×板厚2.0mmである。浸漬試験を3回行い、発生した孔食のうちの最大孔食深さが0.025mmに達した場合は不合格とした。3回とも孔食が発生しなかった場合は合格とし、その場合の最高温度をCPT(℃)とした。なお、CPTの目標値は40℃以上、好ましくは50℃以上である。
CCT試験(臨界隙間腐食発生温度測定試験)も、上記CPT試験(臨界孔食発生温度測定試験)と同様の方法で行った。発生した孔食のうちの最大孔食深さが0.025mmに達した場合は不合格とした。3回とも孔食が発生しなかった場合は合格とし、その場合の最高温度をCCT(℃)とした。なお、CCTの目標値は20℃以上、好ましくは30℃以上である。
表4より、本発明例では、CPT、CCT共に目標の40℃以上、20℃以上となっており、耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼が得られていることがわかる。
No.7は、熱延後に950℃、10分の焼きなまし熱処理を行った本発明例である。表面粗さの制御をすることで、No.4と同等な特性が得られていることがわかる。
No.8、9は、No.7に対して、さらに、硫化物系介在物の個数を低減させた本発明例であり、CPTがNo.7に比べ高くなっており、No.9では60℃に達している。No.10は、No.7に対して、さらに硫化物系介在物の個数を低減し、Cr/Fe濃度比を向上させた本発明例である。CPTが65℃、CCTが50℃と非常に高くなっている。No.11は、No.10に対し、さらにCr/Fe濃度比を高め、2以上とした本発明例である。CPTが70℃に到達している。
No.13は硫化物系介在物の個数を低減し、Cr/Fe濃度比を1.2以上にすることでCPTが65℃、CCT:45℃が得られている。
これらの試験結果から、表面の粗さに加え、硫化物系介在物の個数、Cr/Fe濃度比を制御することでより一層耐海水孔食性向上することがわかる。
一方、比較例では、耐海水孔食性に劣っている。
No.1は平均粗さRzJIS(L)およびRzJIS(C)が1.0を超えている比較例である。CPT、CCT共に目標の40℃、20℃に未達であり、耐海水孔食性に劣っている。
No.2は平均粗さRzJIS(L)が1.0μmを超えており、かつ、2方向の平均粗さRzJISの比の平均(平均L/C)が2.0を超えている比較例である。CPT、CCT共に目標の40℃、20℃に未達であり、耐海水孔食性に劣っている。
No.3は2方向の平均粗さRzJISの比を平均した値(平均L/C)が2.0を超えている比較例である。CPT、CCT共に目標の40℃、20℃に未達であり、耐海水孔食性に劣っている。

Claims (3)

  1. 孔食指数PIが35.0以上であるステンレス鋼を合わせ材とするステンレスクラッド鋼であって、前記ステンレスクラッド鋼表面の、JIS B 0601−2001に準拠して測定される圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)が1.0μm以下、圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)が1.0μm以下、各測定箇所での前記圧延(長手)方向(L)の平均粗さRzJIS(L)と前記圧延方向に対して垂直方向(C)の平均粗さRzJIS(C)の比(L/C)の平均である平均L/Cが、0.5〜2.0の範囲であることを特徴とする耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼。
    なお、孔食指数PIとは、Cr(質量%)+3Mo(質量%)+16N(質量%)で示される指数である。
  2. 前記ステンレスクラッド鋼表面の硫化物系介在物の個数が2.5×105 個/mm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼。
  3. 前記ステンレスクラッド鋼の表面に形成される不動態皮膜部におけるCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)と母相であるステンレス鋼のCr濃度(at%)/Fe濃度(at%)の比が1.2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の耐海水孔食性に優れたステンレスクラッド鋼。
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